JPH07310112A - 底吹きノズルを有する精錬容器中の溶融金属の揺動防止方法 - Google Patents
底吹きノズルを有する精錬容器中の溶融金属の揺動防止方法Info
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- JPH07310112A JPH07310112A JP4862195A JP4862195A JPH07310112A JP H07310112 A JPH07310112 A JP H07310112A JP 4862195 A JP4862195 A JP 4862195A JP 4862195 A JP4862195 A JP 4862195A JP H07310112 A JPH07310112 A JP H07310112A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】ガス底吹き機能を有する精錬装置における精錬
対象の溶融金属の揺動防止方法を提供する。 【構成】容器底部に複数本のノズル２を備えた溶融金属
３を精錬する装置１の攪拌用ガスの底吹きにおいて、各
ノズル２から吹き込むガスの流量を、各ノズル毎に異な
る周期で変化させ、溶融金属の揺動を打ち消す。
対象の溶融金属の揺動防止方法を提供する。 【構成】容器底部に複数本のノズル２を備えた溶融金属
３を精錬する装置１の攪拌用ガスの底吹きにおいて、各
ノズル２から吹き込むガスの流量を、各ノズル毎に異な
る周期で変化させ、溶融金属の揺動を打ち消す。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、ガス底吹き機能を有
する精錬装置における精錬対象である溶融金属の揺動防
止方法に関するものである。
する精錬装置における精錬対象である溶融金属の揺動防
止方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】溶融金属の精錬においては、精錬効率向
上の観点から、酸素、不活性ガス等の底吹きによる撹拌
強化が図られている。しかしながら、底吹きガスによる
撹拌は、しばしば溶融金属の揺動を引き起こし、スプラ
ッシュの発生、精錬効率の低下など操業上好ましくない
現象を生ずることがある。
上の観点から、酸素、不活性ガス等の底吹きによる撹拌
強化が図られている。しかしながら、底吹きガスによる
撹拌は、しばしば溶融金属の揺動を引き起こし、スプラ
ッシュの発生、精錬効率の低下など操業上好ましくない
現象を生ずることがある。
【０００３】この傾向は、精錬効率を上げる目的で撹拌
力を向上させるように、底吹きガス量を増加させる程大
きくなり、そのため溶融金属の撹拌強化のための底吹き
ガス量を増加するには、該溶融金属の揺動の抑制技術が
重要となる。特に取鍋精錬の場合には、フリーボードを
十分に取ることができないため、精錬効率を上げる目的
で攪拌を強化するためには、溶融金属の揺動を抑制する
技術が必須となる。
力を向上させるように、底吹きガス量を増加させる程大
きくなり、そのため溶融金属の撹拌強化のための底吹き
ガス量を増加するには、該溶融金属の揺動の抑制技術が
重要となる。特に取鍋精錬の場合には、フリーボードを
十分に取ることができないため、精錬効率を上げる目的
で攪拌を強化するためには、溶融金属の揺動を抑制する
技術が必須となる。
【０００４】この問題に対する従来技術としては、特開
平１−１９１７３５号公報に示されるように、転炉底吹
きノズルから吹き込むガスの吐出方向を、浴面の垂直方
向に対し炉壁方向に傾斜して配列させることにより、吹
き込みガス気泡を浴に均一に分散させる溶銑及び溶鋼の
揺動抑制方法がある。しかしながら、底吹きノズルの傾
斜による溶鋼の揺動抑制は、容器底部の耐火物の施工が
困難であり、炉底の耐火物が損耗するに従って、ノズル
の位置が変化するという問題がある。
平１−１９１７３５号公報に示されるように、転炉底吹
きノズルから吹き込むガスの吐出方向を、浴面の垂直方
向に対し炉壁方向に傾斜して配列させることにより、吹
き込みガス気泡を浴に均一に分散させる溶銑及び溶鋼の
揺動抑制方法がある。しかしながら、底吹きノズルの傾
斜による溶鋼の揺動抑制は、容器底部の耐火物の施工が
困難であり、炉底の耐火物が損耗するに従って、ノズル
の位置が変化するという問題がある。
【０００５】また攪拌の均一性向上の観点から、特開昭
５７−１３１１３に示されるように、複数本の底吹きノ
ズルからの吹き込みガス流量を、ノズル毎に時間位相を
ずらして周期的に変化させることにより、水平方向の攪
拌力を得ようとする方法がある。このような水平方向の
攪拌力の付与による攪拌の均一性向上方法は、溶融金属
が左右に揺動することはないが、回転による遠心力の作
用により炉内壁面近くの浴面が高くなる傾向があり、ス
プラッシュの発生確率が高くなるとともに溶融金属の回
転に伴う別の新たな揺動発生の問題が生じ、根本的な解
決とはならなかった。
５７−１３１１３に示されるように、複数本の底吹きノ
ズルからの吹き込みガス流量を、ノズル毎に時間位相を
ずらして周期的に変化させることにより、水平方向の攪
拌力を得ようとする方法がある。このような水平方向の
攪拌力の付与による攪拌の均一性向上方法は、溶融金属
が左右に揺動することはないが、回転による遠心力の作
用により炉内壁面近くの浴面が高くなる傾向があり、ス
プラッシュの発生確率が高くなるとともに溶融金属の回
転に伴う別の新たな揺動発生の問題が生じ、根本的な解
決とはならなかった。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記の問
題点を解決することを目的とする。すなわち、ガス底吹
き機能を有する精錬設備における精錬対象の溶融金属の
揺動を防止する方法として、 （１）炉底ノズルを設置するための耐火物の施工が容易
であり、かつ炉底の耐火物が損耗しても揺動防止効果が
低下しないようにする （２）溶融金属の回転流のようにスプラッシュの発生確
率が高くなることもなく、さらに新たな揺動が発生しな
いようにする という課題を達成する方法を提供することを目的とす
る。
題点を解決することを目的とする。すなわち、ガス底吹
き機能を有する精錬設備における精錬対象の溶融金属の
揺動を防止する方法として、 （１）炉底ノズルを設置するための耐火物の施工が容易
であり、かつ炉底の耐火物が損耗しても揺動防止効果が
低下しないようにする （２）溶融金属の回転流のようにスプラッシュの発生確
率が高くなることもなく、さらに新たな揺動が発生しな
いようにする という課題を達成する方法を提供することを目的とす
る。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するためになされたものであり、次の技術手段を構成
とするものである。すなわち本発明は、容器底部に複数
本のノズルを備えた溶融金属精錬装置の攪拌用ガスの底
吹きに当たり、底吹きガスの流量及び／又は種類を、ノ
ズル毎に異なる周期で変化させることを特徴とする底吹
きノズルを有する精錬容器中の溶融金属の揺動防止方法
である。
決するためになされたものであり、次の技術手段を構成
とするものである。すなわち本発明は、容器底部に複数
本のノズルを備えた溶融金属精錬装置の攪拌用ガスの底
吹きに当たり、底吹きガスの流量及び／又は種類を、ノ
ズル毎に異なる周期で変化させることを特徴とする底吹
きノズルを有する精錬容器中の溶融金属の揺動防止方法
である。
【０００８】この場合に、前記底吹きノズルは容器底面
の中心点に対して非対称に配設したノズルを用いること
が好適な結果を生み、また、底吹きノズルは該容器底面
の片側半分の領域に偏らせて配設したノズルとすると、
好ましい。さらに上記方法において、底吹きガスの流量
を変化させることを含んでいる場合には、溶融金属の浴
面の揺動状態を検知してノズル毎の底吹きガス流量変化
の周期を調整することとすると好適である。
の中心点に対して非対称に配設したノズルを用いること
が好適な結果を生み、また、底吹きノズルは該容器底面
の片側半分の領域に偏らせて配設したノズルとすると、
好ましい。さらに上記方法において、底吹きガスの流量
を変化させることを含んでいる場合には、溶融金属の浴
面の揺動状態を検知してノズル毎の底吹きガス流量変化
の周期を調整することとすると好適である。
【０００９】また、底吹きガスの種類を変化させること
を含んでいる場合には、底吹きガスの１つとして、Ｎ2
及び／又はＨ2 を用いると効果的に精錬容器中の溶融金
属の揺動を防止することができ好ましい。
を含んでいる場合には、底吹きガスの１つとして、Ｎ2
及び／又はＨ2 を用いると効果的に精錬容器中の溶融金
属の揺動を防止することができ好ましい。
【００１０】
【作用】溶鋼の揺動は、浴面が部分的又は全面的に周期
的に上下動する現象で底吹きガスの作用により生ずる。
例えば、図１に示す配列のノズルから底吹きする場合、
各ノズルから一定流量のガスを吹き込むと溶鋼に揺動が
生じ、底吹きガス流量を増加させると揺動が大きくな
る。
的に上下動する現象で底吹きガスの作用により生ずる。
例えば、図１に示す配列のノズルから底吹きする場合、
各ノズルから一定流量のガスを吹き込むと溶鋼に揺動が
生じ、底吹きガス流量を増加させると揺動が大きくな
る。
【００１１】本発明者らはこのような揺動の起こる原因
及び揺動の起こり方を詳細に検討した結果、 （１）この揺動は底吹きガスの流量・ガス種類にかかわ
らず、容器・ノズル配置・浴深さなどの条件によって決
まるある一定の周期を持つ。 （２）各ノズルから吹き込むガス流れの対称性が良けれ
ば良いほど揺動が起こりやすい。 （３）各ノズルから吹き込むガス流れの時間的変化が少
なければ少ない程揺動が起こりやすい。 （４）ガス流れの対称性に規定される揺動を吹き込むガ
ス流れの時間的非対称性で打ち消すことができる。 （５）それゆえ、ノズル１本当たりの流量に周期的な変
化を持たせ、さらにはその周期をノズル毎に異なるもの
とすることにより、上記の周期的な揺動を抑制すること
ができる。 （６）ガスの種類を変化させることとしてガスの種類の
１つとして、溶鋼に可溶なガス、たとえばＮ2 、Ｈ2 等
に切り換えることによって、ガス流れが変化し、ガス流
量を変化させるのと同様の効果がある。すなわち、ノズ
ル１本当たりの底吹きガスの種類に周期的な変化を持た
せ、さらにはその周期をノズル毎に異なるものとするこ
とにより、上記の周期的な揺動を抑制することができ
る。 （７）また、容器底部に配設するノズルの位置を該容器
底部の片側半分の領域に偏らせることによってノズルを
配設した片側半分の方向からノズルを配設しない片側半
分の方向に向けて溶融金属の流れが生じ、該流れに重畳
させて片側半分の領域に配設されたノズル１本当たりの
底吹きガスの流量及び／又は種類に周期的な変化を持た
せ、さらにはその周期をノズル毎に異なるものとするこ
とにより、上記の周期的な揺動を抑制することができ
る。 との知見を得た。
及び揺動の起こり方を詳細に検討した結果、 （１）この揺動は底吹きガスの流量・ガス種類にかかわ
らず、容器・ノズル配置・浴深さなどの条件によって決
まるある一定の周期を持つ。 （２）各ノズルから吹き込むガス流れの対称性が良けれ
ば良いほど揺動が起こりやすい。 （３）各ノズルから吹き込むガス流れの時間的変化が少
なければ少ない程揺動が起こりやすい。 （４）ガス流れの対称性に規定される揺動を吹き込むガ
ス流れの時間的非対称性で打ち消すことができる。 （５）それゆえ、ノズル１本当たりの流量に周期的な変
化を持たせ、さらにはその周期をノズル毎に異なるもの
とすることにより、上記の周期的な揺動を抑制すること
ができる。 （６）ガスの種類を変化させることとしてガスの種類の
１つとして、溶鋼に可溶なガス、たとえばＮ2 、Ｈ2 等
に切り換えることによって、ガス流れが変化し、ガス流
量を変化させるのと同様の効果がある。すなわち、ノズ
ル１本当たりの底吹きガスの種類に周期的な変化を持た
せ、さらにはその周期をノズル毎に異なるものとするこ
とにより、上記の周期的な揺動を抑制することができ
る。 （７）また、容器底部に配設するノズルの位置を該容器
底部の片側半分の領域に偏らせることによってノズルを
配設した片側半分の方向からノズルを配設しない片側半
分の方向に向けて溶融金属の流れが生じ、該流れに重畳
させて片側半分の領域に配設されたノズル１本当たりの
底吹きガスの流量及び／又は種類に周期的な変化を持た
せ、さらにはその周期をノズル毎に異なるものとするこ
とにより、上記の周期的な揺動を抑制することができ
る。 との知見を得た。
【００１２】上記知見の理論的根拠は必ずしも明確では
ないが、底吹きガスによる上昇流が大きく、下降流が妨
げられることに起因する溶湯の上下脉動振動発生による
ものと考えられる。そしてこの溶湯の揺動運動は溶湯の
攪拌均一化を妨げる作用を生じ攪拌ガス量を増加しても
均一混合時間の短縮に寄与しないという結果を生ずるも
のと考えられる。
ないが、底吹きガスによる上昇流が大きく、下降流が妨
げられることに起因する溶湯の上下脉動振動発生による
ものと考えられる。そしてこの溶湯の揺動運動は溶湯の
攪拌均一化を妨げる作用を生じ攪拌ガス量を増加しても
均一混合時間の短縮に寄与しないという結果を生ずるも
のと考えられる。
【００１３】本発明は上記知見に基づきなされたもの
で、空間的な対称性を時間的な非対称性と組合せるか、
または空間的な非対称性を時間的な対称性と組合せ、さ
らに好ましくは空間的にも時間的にもできうる限り非対
称とし、これらを重畳することによって、上記溶融金属
の揺動を効果的に防止することを可能とする。この作用
は、溶湯内に揺動を抑制するための、変化する適切な横
流及び下降流を形成することによって、上記溶湯の上下
振動を打ち消し、消滅させる作用によるものと考えられ
る。
で、空間的な対称性を時間的な非対称性と組合せるか、
または空間的な非対称性を時間的な対称性と組合せ、さ
らに好ましくは空間的にも時間的にもできうる限り非対
称とし、これらを重畳することによって、上記溶融金属
の揺動を効果的に防止することを可能とする。この作用
は、溶湯内に揺動を抑制するための、変化する適切な横
流及び下降流を形成することによって、上記溶湯の上下
振動を打ち消し、消滅させる作用によるものと考えられ
る。
【００１４】従って、さらに、本発明では揺動状態を検
知し、その揺動を発生させている条件を適切に変えるよ
うに、底吹ガスの流量及び／又は種類の変化の周期を調
整することにより、溶融金属の揺動をさらに効果的に防
止することが可能となるのである。
知し、その揺動を発生させている条件を適切に変えるよ
うに、底吹ガスの流量及び／又は種類の変化の周期を調
整することにより、溶融金属の揺動をさらに効果的に防
止することが可能となるのである。
【００１５】
（実施例１）実施例として、図１（ａ）、（ｂ）に示す
溶鋼鍋底部に設置した底吹きノズル２より撹拌ガスを吹
き込んだ場合の例を示す。図１（ｂ）は溶鋼鍋底部のノ
ズル配置を示し、Ｎｏ．１〜Ｎｏ．４の４つのノズル２
が、底面中心で直交する水平軸４、５上に、底部中心か
ら等距離に設置されていることを示している。
溶鋼鍋底部に設置した底吹きノズル２より撹拌ガスを吹
き込んだ場合の例を示す。図１（ｂ）は溶鋼鍋底部のノ
ズル配置を示し、Ｎｏ．１〜Ｎｏ．４の４つのノズル２
が、底面中心で直交する水平軸４、５上に、底部中心か
ら等距離に設置されていることを示している。
【００１６】図３はこれらのノズルより吹き込まれるガ
スの流量の時間変化の一例を示したものである。各ノズ
ルについて、２つの流量設定値α、βを用いて、周期的
に切り替えがなされる。各ノズルの切り換えの周期ｆ1
〜ｆ4 は、互いに素となる値を選択することにより、ノ
ズル間での周期の同調が生じないようにできる。
スの流量の時間変化の一例を示したものである。各ノズ
ルについて、２つの流量設定値α、βを用いて、周期的
に切り替えがなされる。各ノズルの切り換えの周期ｆ1
〜ｆ4 は、互いに素となる値を選択することにより、ノ
ズル間での周期の同調が生じないようにできる。
【００１７】本発明の実施例と、同じ設備を用いて行っ
た従来法において、８０トン取鍋にて攪拌強度の指標の
一つである均一混合時間τを測定したところ、同一底吹
きガス流量でも本発明の方が均一混合時間τは短くなっ
た。また本発明ではスプラッシュの発生が無かったが従
来法ではスプラッシュの発生が観察された。すなわち、
同一底吹きガス流量において、本発明の方が従来法より
も攪拌強度が大きくなった。このとき図４に示すよう
に、従来法では０．４５Ｎｍ3 ／ｍｉｎ以上の底吹きガ
ス流量で、揺動の増大によりそれ以上の攪拌強化はでき
なかったが、本発明では０．４５Ｎｍ3 ／ｍｉｎ以上ま
で底吹きガス流量を増加しても揺動が発生せず、均一混
合時間τを短縮（攪拌力を増加）することができた。
た従来法において、８０トン取鍋にて攪拌強度の指標の
一つである均一混合時間τを測定したところ、同一底吹
きガス流量でも本発明の方が均一混合時間τは短くなっ
た。また本発明ではスプラッシュの発生が無かったが従
来法ではスプラッシュの発生が観察された。すなわち、
同一底吹きガス流量において、本発明の方が従来法より
も攪拌強度が大きくなった。このとき図４に示すよう
に、従来法では０．４５Ｎｍ3 ／ｍｉｎ以上の底吹きガ
ス流量で、揺動の増大によりそれ以上の攪拌強化はでき
なかったが、本発明では０．４５Ｎｍ3 ／ｍｉｎ以上ま
で底吹きガス流量を増加しても揺動が発生せず、均一混
合時間τを短縮（攪拌力を増加）することができた。
【００１８】（実施例２）実施例として、図２に示す配
置で溶鋼鍋底部に設置した底吹きノズル２より撹拌ガス
を吹き込んだ場合の例を示す。図２は溶鋼鍋底部のノズ
ル配置を示し、Ｎｏ．１〜Ｎｏ．３の３つのノズル２
が、底面中心及び中心で直交する水平軸４、５上に、非
対称に配置されている。そして、ある水平軸６に関して
底面の片側半分の領域に偏って設置されていることを示
している。
置で溶鋼鍋底部に設置した底吹きノズル２より撹拌ガス
を吹き込んだ場合の例を示す。図２は溶鋼鍋底部のノズ
ル配置を示し、Ｎｏ．１〜Ｎｏ．３の３つのノズル２
が、底面中心及び中心で直交する水平軸４、５上に、非
対称に配置されている。そして、ある水平軸６に関して
底面の片側半分の領域に偏って設置されていることを示
している。
【００１９】これらのノズル２より吹き込まれるガスの
流量の時間変化の一例は図３に示したＮｏ．１〜Ｎｏ．
３の３つのノズルに対応するものとした。各ノズルにつ
いて、２つの流量設定値α、βを用いて、周期的に切り
替えがなされる。各ノズルの切り換えの周期ｆ1 〜ｆ3
は、互いに素となる値を選択することにより、ノズル間
での周期の同調が生じないようにできる。
流量の時間変化の一例は図３に示したＮｏ．１〜Ｎｏ．
３の３つのノズルに対応するものとした。各ノズルにつ
いて、２つの流量設定値α、βを用いて、周期的に切り
替えがなされる。各ノズルの切り換えの周期ｆ1 〜ｆ3
は、互いに素となる値を選択することにより、ノズル間
での周期の同調が生じないようにできる。
【００２０】攪拌強度の指標の一つである均一混合時間
τを測定したところ、同一底吹きガス流量でも実施例１
より実施例２の方が均一混合時間τは短くなった。また
この実施例でもスプラッシュの発生が無かった。すなわ
ち、同一底吹きガス流量において、本発明の方が実施例
１発明よりも揺動が少なく、かつ攪拌強度が大きくなっ
た。
τを測定したところ、同一底吹きガス流量でも実施例１
より実施例２の方が均一混合時間τは短くなった。また
この実施例でもスプラッシュの発生が無かった。すなわ
ち、同一底吹きガス流量において、本発明の方が実施例
１発明よりも揺動が少なく、かつ攪拌強度が大きくなっ
た。
【００２１】（実施例３）実施例として、図２に示す配
置で溶鋼鍋底部に設置した底吹きノズル２より撹拌ガス
を吹き込んだ場合の例を示す。図５はこれらのノズルよ
り吹き込まれるガスの種類の時間変化の一例を示したも
のである。各ノズルについて、Ａｒ、Ｎ2 の２種類のガ
スを用いて周期的に切り替えがなされる。ここでは２種
類のガスを同一流量設定値γとしているが、場合によっ
てはガス種類により異なる流量としてもかまわない。
置で溶鋼鍋底部に設置した底吹きノズル２より撹拌ガス
を吹き込んだ場合の例を示す。図５はこれらのノズルよ
り吹き込まれるガスの種類の時間変化の一例を示したも
のである。各ノズルについて、Ａｒ、Ｎ2 の２種類のガ
スを用いて周期的に切り替えがなされる。ここでは２種
類のガスを同一流量設定値γとしているが、場合によっ
てはガス種類により異なる流量としてもかまわない。
【００２２】各ノズルの切り換えの周期ｆ1 〜ｆ3 は、
互いに素となる値を選択することにより、ノズル間での
周期の同調が生じないようにできる。攪拌強度の指標の
一つである均一混合時間τを測定したところ、同一底吹
きガス流量において実施例２と同程度の均一混合時間τ
が得られた。またこの実施例でもスプラッシュの発生が
無かった。すなわち、同一底吹きガス流量において、実
施例２と同程度の攪拌強度が得られた。
互いに素となる値を選択することにより、ノズル間での
周期の同調が生じないようにできる。攪拌強度の指標の
一つである均一混合時間τを測定したところ、同一底吹
きガス流量において実施例２と同程度の均一混合時間τ
が得られた。またこの実施例でもスプラッシュの発生が
無かった。すなわち、同一底吹きガス流量において、実
施例２と同程度の攪拌強度が得られた。
【００２３】
【発明の効果】本発明によれば、ガスの底吹き機能を有
する精錬設備において、特殊な底吹きノズル施工を必要
とすることもなく、浴の揺動を抑制することができる。
従って、揺動に阻害されることなく底吹きガス流量を増
加させることにより、浴の攪拌力を増加させ、精錬効率
を向上させることができる。
する精錬設備において、特殊な底吹きノズル施工を必要
とすることもなく、浴の揺動を抑制することができる。
従って、揺動に阻害されることなく底吹きガス流量を増
加させることにより、浴の攪拌力を増加させ、精錬効率
を向上させることができる。
【図１】複数の底吹きノズルを備えた溶鋼鍋の（ａ）縦
断面図、（ｂ）Ｂ−Ｂ矢視図である。
断面図、（ｂ）Ｂ−Ｂ矢視図である。
【図２】別の実施例のノズル配置を示す平面図である。
【図３】実施例における各ノズルの流量の時間変化を示
すチャートである。
すチャートである。
【図４】本発明と従来法における均一混合時間の比較を
示すグラフである。
示すグラフである。
【図５】実施例における各ノズルのガスの種類の時間変
化を示すチャートである。
化を示すチャートである。
１ 精錬用溶鋼鍋 ２ ノズル ３ 溶鋼 ４、５、６ 軸
Claims (5)
- 【請求項１】 容器底部に複数本のノズルを備えた溶融
金属精錬装置の攪拌用ガスの底吹きに当たり、底吹きガ
スの流量及び／又は種類を、ノズル毎に異なる周期で変
化させることを特徴とする底吹きノズルを有する精錬容
器中の溶融金属の揺動防止方法。 - 【請求項２】 前記底吹きノズルが該容器底面の中心点
に対して非対称に配設したノズルであることを特徴とす
る請求項１記載の底吹きノズルを有する精錬容器中の溶
融金属の揺動防止方法。 - 【請求項３】 前記底吹きノズルが該容器底面の片側半
分の領域に偏らせて配設したノズルであることを特徴と
する請求項１記載の底吹きノズルを有する精錬容器中の
溶融金属の揺動防止方法。 - 【請求項４】 前記底吹きガスの流量を変化させる場合
に、溶融金属の浴面の揺動状態を検知してノズル毎の底
吹きガス流量変化の周期を調整することを特徴とする請
求項１〜３のいずれかに記載の底吹きノズルを有する精
錬容器中の溶融金属の揺動防止方法。 - 【請求項５】 前記底吹きガスの種類を変化させる場合
に、底吹きガスの１つとして、Ｎ2 及び／又はＨ2 を用
いることを特徴とする請求項１〜４のいずれかに記載の
底吹きノズルを有する精錬容器中の溶融金属の揺動防止
方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4862195A JPH07310112A (ja) | 1994-03-22 | 1995-03-08 | 底吹きノズルを有する精錬容器中の溶融金属の揺動防止方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5058894 | 1994-03-22 | ||
| JP6-50588 | 1994-03-22 | ||
| JP4862195A JPH07310112A (ja) | 1994-03-22 | 1995-03-08 | 底吹きノズルを有する精錬容器中の溶融金属の揺動防止方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07310112A true JPH07310112A (ja) | 1995-11-28 |
Family
ID=26388920
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4862195A Withdrawn JPH07310112A (ja) | 1994-03-22 | 1995-03-08 | 底吹きノズルを有する精錬容器中の溶融金属の揺動防止方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07310112A (ja) |
Cited By (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009293096A (ja) * | 2008-06-06 | 2009-12-17 | Kobe Steel Ltd | 溶解炉における底吹き攪拌用ガスの吹き込み方法 |
| KR101024248B1 (ko) * | 2002-11-16 | 2011-03-29 | 에스엠에스 지마크 악티엔게젤샤프트 | 야금로용 가스 공급 장치 및 그 작동 방법 |
| JP2012237036A (ja) * | 2011-05-12 | 2012-12-06 | Jfe Steel Corp | 底吹き転炉の操業方法 |
| KR101356939B1 (ko) * | 2012-06-26 | 2014-01-28 | 주식회사 포스코 | 스테인리스강 제조용 용선탈탄장치 및 용선탈탄방법 |
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1995
- 1995-03-08 JP JP4862195A patent/JPH07310112A/ja not_active Withdrawn
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