JPH07309958A - 全芳香族ポリアミド成形物の製造方法 - Google Patents

全芳香族ポリアミド成形物の製造方法

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JPH07309958A
JPH07309958A JP10087594A JP10087594A JPH07309958A JP H07309958 A JPH07309958 A JP H07309958A JP 10087594 A JP10087594 A JP 10087594A JP 10087594 A JP10087594 A JP 10087594A JP H07309958 A JPH07309958 A JP H07309958A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 全芳香族ポリアミドを非プロトン性極性アミ
ド系溶媒に溶解させてなる重合体溶液を、安価で環境問
題や装置腐食問題の少ない無機塩を含む水性凝固浴を用
いて湿式成形し、耐熱性に優れた、失透がなく光沢の良
好な繊維、テープ、フィルム等の成形物を良好な生産性
にて製造する方法を提供する。 【構成】 湿式成形法により全芳香族ポリアミドから繊
維、テープ、フィルム等の成形物を製造するに際し、該
全芳香族ポリアミドを非プロトン性極性アミド系溶媒に
溶解させてなる重合体溶液を、塩化ナトリウムと水酸化
ナトリウムとを含有する水溶液からなる水性凝固浴中に
押し出すことにより、高品質の全芳香族ポリアミド成形
物を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱性に優れた全芳香族
ポリアミドから、湿式成形法により、失透がなく光沢に
優れた繊維、テープ、フィルム等の成形物を製造する方
法に関するものである。さらに詳細には、全芳香族ポリ
アミドを非プロトン性極性アミド系溶媒に溶解させてな
る重合体溶液を、特定の無機塩を含む水性凝固浴を用い
て湿式成形し、失透がなく光沢の良好な、耐熱性に優れ
た繊維、テープ、フィルム等の成形物を良好な生産性に
て製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸又
はそのハライドとから得られる全芳香族ポリアミド、特
にポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)又はこれ
を主成分とする共重合ポリアミドが耐熱性、耐炎性にす
ぐれていることは従来公知である。また、これらの全芳
香族ポリアミドが、非プロトン性極性アミド系溶媒に可
溶であり、この重合体溶液を用いて無機塩含有水性凝固
浴中に湿式成形することにより、繊維、テープ、フィル
ム等の成形物を得ることも、従来公知である。
【0003】例えば、特公昭47−41743号公報に
は、全芳香族ポリアミドを非プロトン性極性アミド系溶
媒に溶解した溶液を濃厚塩化カルシウム水溶液からなる
高温の水性凝固浴を用いて湿式紡糸する方法が記載され
ている。この塩化カルシウム濃厚水溶液の凝固浴を使用
する方法によれば、均一で失透の少ない比較的良好な成
形物が得られるが、この方法では凝固浴中の塩化カルシ
ウム濃度を少なくとも30重量%とすることが必要であ
り、これは水100重量部に対し塩化カルシウム43重
量部以上に相当し、非常な高濃度であるため、装置の腐
食等の問題があり、必ずしも工業的に好ましい方法とは
言い難い。
【0004】この問題の解決策として、塩化カルシウム
以外の各種無機塩の水溶液を凝固浴として使用する方法
が提案されている(特公昭47−50219号公報参
照)。この方法では、塩化リチウム、塩化ナトリウム、
塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化ストロンチウム、塩
化アルミニウム、塩化第2スズ、塩化ニッケル、臭化カ
ルシウム、硝酸亜鉛及び硝酸アルミニウムよりなる群か
ら選ばれた無機塩類の少なくとも1種を含有し、水1リ
ットルに対する上記塩類の全含有量が少なくとも2モル
(無水塩換算濃度)である水性凝固浴が用いられる。こ
の方法で用いられる塩化物、硝酸塩等の中では、塩化ナ
トリウムが価格面でも環境汚染等の公害面でも問題が少
なく有利であるが、その他の化合物は凝固浴に用いる塩
として必ずしも適当とは言えない。
【0005】例えば、塩化リチウムや塩化ニッケルは、
高価であり、また、亜鉛、ストロンチウム、スズ、ニッ
ケル等の重金属の化合物は毒性が強いため水溶液として
使用後に特別な処理が必要なため、該処理が煩雑でコス
トがかさみ、さらに、塩化アルミニウム、塩化スズの水
溶液は酸性が強く、鉄を含む装置を腐食するので、いず
れも好ましくない。
【0006】一方、上記特公昭47−50219号公報
に記載の無機塩のうち塩化ナトリウムは、価格面、環境
面及び装置面でも有利な無機塩であるが、上記公報の実
施例1〜3に記載されているように、曵糸性が悪くて、
紡糸・延伸中の糸切れが多いため、塩化ナトリウム水溶
液の凝固浴を用いて全芳香族ポリアミド繊維を工業的に
製造するのは困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来法における問題点を解消し、かつ失透が少なく均質で
力学的性質の優れた全芳香族ポリアミド成形物を良好な
生産性にて工業的に有利に製造し得る新規な方法を提供
しようとするものである。
【0008】したがって、本発明の目的は、全芳香族ポ
リアドの重合体溶液から湿式成形法により、繊維、テー
プ、フィルム等の成形物を製造するに当たり、透明性、
光沢、力学的性質の良好な成形物を、環境汚染や装置機
械等の腐食が少なくかつ安価な無機塩を用いて、良好な
生産性にて工業的に製造し得る、新規な方法を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、無
機塩含有水性凝固浴を用いた湿式成形法により全芳香族
ポリアミドから繊維、テープ、フィルム等の成形物を製
造するに際し、該全芳香族ポリアミドを非プロトン性極
性アミド系溶媒に溶解させてなる重合体溶液を、塩化ナ
トリウムと水酸化ナトリウムとを含む水溶液からなる水
性凝固浴中に押し出すことにより、失透がなく透明性、
機械的特性に優れた全芳香族ポリアミド成形物を良好な
経済性、生産性にて製造することを特徴とする方法であ
る。
【0010】以下、本発明方法により、良好な全芳香族
ポリアミド成形物を低コストで効率よく製造する方法を
詳細に説明する。
【0011】本発明方法で使用する全芳香族ポリアミド
としては、合成線状重合体の繰り返し単位の85モル%
以上、好ましくは90モル%以上が、次の式(1)及び
/又は式(2)の単位から構成されるものを使用する。
【0012】
【化1】
【0013】[式(1)及び式(2)において、A
1 、Ar2 及びAr3 は、互いに同一の又は相異なる
2官能性の芳香族環であって、該芳香族環の水素の一部
又は全部がハロゲン又は低級アルキル等で置換されてい
てもよい。] かかるAr1 、Ar2 及びAr3 としては、例えば、1,
3-又は1,4-フェニレン、3,3´- 又は 4,4´-ビフェニレ
ン、1,4-、1,5-又は1,6-ナフチレン、4,4´-オキサジフ
ェニル、 4,4´-メチレンジフェニル、3,3´- 又は4,4
´- スルフォンジフェニル等があげられ、特に好ましい
ものとしては、1,3-フェニレン、4,4´- オキサジフェ
ニル、 4,4´-メチレンジフェニル、3,3´- 又は 4,4´
-スルフォンジフェニル等があげられる。
【0014】良好な耐熱耐炎性の成形物を製造するに好
適な全芳香族ポリアミド重合体としては、ポリ(メタフ
ェニレンイソフタルアミド)又はそれを主成分とする共
重合体、ポリ(メタフェニレン・5-スルホン酸 -1,3-フ
ェニレンイソフルアミド)共重合体、ポリ(5-メチル-
1,3- フェニレンイソフタルアミド)等があげられが、
とりわけ、ポリ(メタフェニレンイソフタルアミド)系
重合体が好ましい。
【0015】このような全芳香族ポリアミド重合体から
力学特性の良好な耐熱耐炎性繊維を製造するには、30
℃濃硫酸中で濃度0.5g /100mlにて測定した値か
ら求めた固有粘度が0.8〜4.0、特に1.0〜3.
0のものを使用するのが好適である。
【0016】全芳香族ポリアミド重合体中には、必要に
応じ、安定剤、難燃剤、艶消剤、滑剤、着色剤などの添
加剤を含んでもよい。
【0017】本発明方法では、上記の全芳香族ポリアミ
ドが非プロトン性極性アミド溶媒に溶解した成形用原液
を調製する。この場合、予め界面重合法、溶液重合法等
公知の方法で製造した全芳香族ポリアミド重合体を非プ
ロトン性極性アミド溶媒に溶解した溶液のみならず、溶
液重合において重合溶媒として非プロトン性極性アミド
溶媒を使用して得た全芳香族ポリアミド重合体溶液でも
よい。
【0018】ここでいう「非プロトン性極性アミド溶
媒」とは、 N,N- ジメチルホルムアミド、 N,N- ジメチ
ルアセトアミド、N-メチル-2- ピロリドン、N-メチルカ
プロラクタム及びテトラメチル尿素からなる群から選ば
れる少なくとも1種の溶媒をいう。
【0019】これらの非プロトン性極性アミド溶媒は、
単独で使用いてもよく、2種以上混合して使用してもよ
い。また、必要に応じ、他の溶媒と混合して使用するこ
ともできる。
【0020】非プロトン性極性アミド溶媒同士を混合す
る場合は、混合割合を任意に選ぶことができるが、他の
溶媒と混合する場合は混合比を重合体に対する溶解性を
低下せしめない範囲にする必要がある。
【0021】本発明方法においては、とりわけ、N-メチ
ル-2- ピロリドン又は N,N- ジメチルアセトアミドを主
成分とする溶媒が好ましく、特に、N-メチル-2- ピロリ
ドンが好ましい。
【0022】また、上記の溶媒に重合体の溶解力を高め
るために少量の無機塩、例えば塩化カリウム、塩化リチ
ウム等、を含有させてもよい。
【0023】全芳香族ポリアミド重合体を上記の非プロ
トン性極性アミド溶媒に溶解して成形用原液を調製する
には、例えば、常温の溶媒に重合体を投入して撹拌溶解
する方法、溶媒を予め常温以下に冷却しておき、それに
重合体を投入し撹拌してスラリー状にして成形直前に加
熱する方法等が採用可能である。成形用溶液は脱泡を必
要とするが、スラリー方式の場合はスラリー状で減圧脱
泡するのが好ましく、また、常温溶解方式の場合は溶媒
の沸点が高いことを利用して加熱脱泡を行うのが好まし
い。
【0024】成形用原液の濃度は重合体の濃度によって
異なるが、一般的には10〜40重量%、好ましくは1
5〜30重量%の濃度が適当である。
【0025】本発明方法では、全芳香族ポリアミド重合
体が非プロトン性極性アミド溶媒に溶解した成形用原液
を、紡糸口金、ダイ等から塩化ナトリウムと水酸化ナト
リウムとを含む水性凝固浴中に押し出すことにより、所
望の成形物を得る。
【0026】この場合、成形用原液を直接この水性凝固
浴中に押し出す通常の湿式成形法を採用するのが好まし
いが、成形用原液と凝固浴温度が大幅に異なる場合は、
成形用原液をいったん空気中に押し出した後直ちに凝固
浴中へ導入するいわゆるドライ・ジェット湿式成形法を
採用してもよい。
【0027】ここで水性凝固浴に含ませる塩化ナトリウ
ムはどのような種類のものでもよく、例えば、いわゆる
岩塩と称される工業用の塩化ナトリウムでもよく、海水
の蒸発によって製造されたのもでもよい。その純度は9
0%以上あればよく、少量の塩化カルシウム、塩化マグ
ネシウム、塩化アルミニウム、塩化カリウム、等が含ま
れていても差支えない。
【0028】凝固沿を構成する水溶液中における塩化ナ
トリウム濃度は水100重量部に対し、10重量部以上
でその飽和濃度以下、好ましくは10重量%以上40重
量部未満、とする。塩化ナトリウム濃度がこれより低い
と凝固が遅く不完全になりやすい。
【0029】既に述べたように、全芳香族ポリアミド重
合体の湿式成形において、凝固沿として塩化ナトリウム
水溶液を使用することは従来公知であるが、塩化ナトリ
ウム水溶液からなる凝固浴は曳糸性が悪く、実用的でな
い。
【0030】本発明方法では、凝固浴を構成する無機塩
として、第1成分(主成分)の塩化ナトリウムととも
に、第2成分として水酸化ナトリウムを併用する。この
水酸化ナトリウムは、その純度が80%以上であればよ
く、少量の水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カ
ルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムを
含有するものでも差支えない。
【0031】凝固沿を構成する水溶液中における水酸化
ナトリウム濃度は、水100重量部に対し0.1〜20
重量部、好ましくは0.2〜10重量部、とする。
【0032】凝固浴中の水酸化ナトリウム濃度が水10
0重量部に対し0.1重量部未満では全芳香族ポリアミ
ドの湿式成形で成形物が失透し、同時に曳糸性が著しく
悪化し、紡糸延伸時の糸切れが多発する。一方、水酸化
ナトリウム濃度が水100重量部に対し20重量部を越
えると成形物の表面に凹凸ができるばかりでなく、廃水
処理において中和のため使用する塩酸の量がそれだけ多
く必要となるため、好ましくない。したがって、水酸化
ナトリウム濃度は水100重量部に対し、0.1〜20
重量部とする必要があり、0.2〜10重量部、特に
0.5〜5重量部が好ましい。
【0033】この水性凝固浴には、上記の両ナトリウム
化合物のほか、成形用原液に含まれる溶媒と同一の溶媒
を含んでもよい。この場合、溶媒の含有量は、凝固浴全
体に対し30重量%以下、好ましくは20重量%以下と
する。溶媒の量が多すぎると凝固が遅くなり、かつ不十
分になりやすい。
【0034】なお、本発明方法によって、全芳香族ポリ
アミド繊維を製造する場合は、第1浴として上記の塩化
ナトリウムと水酸化ナトリウムとを含む水性凝固浴を用
い、第2浴として0〜100℃、好ましくは10〜80
℃、の水浴を用いて、第1浴で凝固した繊維を第2浴に
導入し、この第2浴で脱溶媒を行いつつ凝固をさらに完
全にするとともに、繊維に付着してきた塩化ナトリウ
ム、水酸化ナトリウム等の塩類を洗浄除去することが好
ましい。繊維に随伴してきた水酸化ナトリウムを完全に
除去するには、この第2浴に塩酸を添加しpH1〜4に
調整した微酸性水浴を用いるのが効果的であり、この第
2浴によって塩類の除去効果を高めることができる。
【0035】以上のように本発明方法によると、成形時
の失透は全く認められず、かつ均一な凝固を行うことが
できるので、極めて実用性の高い全芳香族ポリアミドの
繊維、テープ、フィルム等の成形物を製造することがで
きる。これらの成形物は、必要に応じ、延伸、熱処理を
行ってその力学特性を向上させることができ、湿式成形
工程ならびに後加工工程における取扱い性、工程調子も
極めて良好であり、生産性にもすぐれている。
【0036】
【発明の効果】以上のごとき本発明方法によれば、安価
で豊富に存在しかつ環境汚染や装置腐食の少ない塩化ナ
トリウムと少量の水酸化ナトリウムと含有する水性凝固
浴を用いて上記のごとき実用性の極めて大きい全芳香族
ポリアミド成形物が得られる。そして、該成形物は力学
特性、耐酸性、耐炎性に優れ、その特性を生かした各種
の分野に広く応用することができる。
【0037】
【実施例】以下に、実施例及び比較例により本発明方法
を具体的に説明する。ただし、これらの実施例及び比較
例は本発明の理解を助けるためのものであって、これら
の記載によって本発明の範囲が限定されるものではな
い。
【0038】なお、例中の「部」及び「%」は、特にこ
とわらないかぎり、すべて重量に基づくものであり、凝
固浴中の塩化ナトリウム(NaCl)及び水酸化ナトリ
ウム(NaOH)の濃度は、それぞれ水100重量部に
対する無水塩に換算した塩の重量部である。また、文中
のNMPは、N-メチル-2- ピロリドンを表わし、DMA
cは、N,N-ジメチルアセトアミドを表わす。
【0039】[実施例1]メタフェニレンジアミンとイ
ソフタル酸クロライド/テレフタル酸クロライド97/
3混合物とから製造した全芳香族ポリアミド(30℃濃
硫酸中で測定した固有粘度1.73)20部をNMP8
0部に溶解して得られた紡糸原液を、孔径0.1mm、孔
数20の紡糸口金から、水100部につき塩化ナトリウ
ム33.3部と水酸化ナトリウム0.7部の割合で溶か
した80℃の凝固浴中に押し出し、糸条物とした。
【0040】この糸条物を凝固浴中に100cmにわたっ
て浸漬走行させた後、8m/分で引き取った。続いて、
pH=4の稀塩酸水溶液(25℃)の浴を通して洗浄
後、温水浴(70℃)で洗浄した。ついで、沸水中で
2.4倍に延伸した後、120℃の乾燥ローラ上で乾燥
し、さらに320〜330℃のプレート上で1.6倍に
延伸した。
【0041】かくして繊度40de、強度4.5g/d
e,伸度18%の均一で透明な全芳香族ポリアミドマル
チフィラメントが得られた。このマルチフィラメントを
250℃で100時間、熱処理したところ強度保持率は
98%でほとんど強度劣化は認められなかった。
【0042】[実施例2〜5,比較例1〜5]メタフェ
ニレンジアミンとイソフタル酸クロライド/テレフタル
酸クロライド95/5混合物とから製造した全芳香族ポ
リアミド(30℃濃硫酸中で測定した固有粘度1.6
5)20部をNMP80部に溶解して得られた紡糸原液
を、孔径0.2mmの単孔紡糸口金から押し出し速度2.
8m/分で表1に示す各種の凝固浴(浸漬長120c
m)中に押し出し、繊維を得た。
【0043】この際の曳糸性、失透の状態、繊維断面の
空孔の状態、表面状態などを表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】なお、表1に示す曳糸性、失透の状態、繊
維断面の空孔の状態、表面状態等の評価記号はそれぞれ
下記の表2に示す状態を表わすものである。このうち、
表面状態のみは、同じ条件で凝固を行って得た、厚み
0.2mm,幅20mmのテープの表面状態を観察した結果
を示す。
【0046】
【表2】
【0047】[実施例6]メタフェニレンジアミンとイ
ソフタル酸クロライド/テレフタル酸クロライド95/
5混合物とから製造した全芳香族ポリアミド(30℃濃
硫酸中で測定した固有粘度1.65)20部をNMP8
0部に溶解して得られた紡糸原液を、孔径0.1mm、孔
数20の紡糸口金から、水100部につき塩化ナトリウ
ム30部と水酸化ナトリウム0.7部とNMP10部の
割合で溶解した水溶液からなる85℃の凝固浴中に押し
出し、糸条物とした。
【0048】この糸条物を凝固浴中に110cmにわたっ
て浸漬走行させた後、8m/分で引き取った。続いて、
pH=3.5の稀塩酸水溶液(20℃)の浴を通して洗
浄後、さらに温水浴(75℃)で洗浄した。ついで、沸
水中で2.5倍に延伸した後、120℃の乾燥ローラ上
で乾燥し、さらに320〜330℃のプレート上で1.
6倍に延伸した。
【0049】かくして繊度40de、強度4.8g/d
e、伸度20%の均一で透明な全芳香族ポリアミドマル
チフィラメントが得られた。
【0050】[実施例7]メタフェニレンジアミンとイ
ソフタル酸クロライド/テレフタル酸クロライド97/
3混合物とから製造した全芳香族ポリアミド(30℃濃
硫酸中で測定した固有粘度1.73)20部をDMAc
80部に溶解して得られた紡糸原液を、孔径0.1mm、
孔数20の紡糸口金から、水100部につき塩化ナトリ
ウム33.3部と水酸化ナトリウム0.7部の割合で溶
かした80℃の凝固浴中に押し出し糸条物を得た。
【0051】この糸条物を実施例1と同様に凝固浴中を
100cmにわたって浸漬走行させた後、8m/分で引き
取った。引き続きpH=4の稀塩酸水溶液(25℃)の
浴を通して洗浄した後、温水浴(70℃)で洗浄した。
ついで、沸水中で2.4倍に延伸した後、120℃の乾
燥ローラ上で乾燥し、さらに320〜330℃のプレー
ト上で1.6倍に延伸した。
【0052】かくして得られた全芳香族ポリアミドマル
チフィラメントは、均一で透明性が良好であり、その繊
維物性は、繊度40de、強度4.5g/de、伸度2
0%であった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機塩含有水性凝固浴を用いた湿式成形
    法により全芳香族ポリアミドから繊維、テープ、フィル
    ム等の成形物を製造するに際し、該全芳香族ポリアミド
    がプロトン性極性アミド系溶媒に溶解している重合体溶
    液を、塩化ナトリウムと水酸化ナトリウムとを含む水溶
    液からなる水性凝固浴中に押し出すことを特徴とする全
    芳香族ポリアミド成形物の製造方法。
  2. 【請求項2】 水性凝固浴中の塩化ナトリウムの濃度が
    水100重量部に対し10重量部以上飽和濃度以下であ
    り、かつ水酸化ナトリウムの濃度が水100重量部に対
    し0.1〜20重量部であることを特徴とする請求項1
    記載の全芳香族ポリアミド成形物の製造方法。
  3. 【請求項3】 凝固浴の温度が40℃以上で該凝固浴の
    沸点未満の温度であることを特徴とする請求項1又は請
    求項2記載の全芳香族ポリアミド成形物の製造方法。
  4. 【請求項4】 非プロトン性極性アミド系溶媒が、N-メ
    チル-2- ピロリドン又は N,N- ジメチルアセトアミドで
    あることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3
    記載の全芳香族ポリアミド成形物の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010261123A (ja) * 2009-05-07 2010-11-18 Teijin Techno Products Ltd メタ型全芳香族ポリアミド繊維
KR101360988B1 (ko) * 2012-10-19 2014-02-11 주식회사 효성 고강도의 방향족 폴리아미드 멀티필라멘트 및 이의 제조방법
JP2015510048A (ja) * 2012-01-11 2015-04-02 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニーE.I.Du Pont De Nemours And Company 低残留硫黄を有するアラミドコポリマー繊維から得られる糸条を調製する方法
CN114405291A (zh) * 2022-02-17 2022-04-29 中国科学院城市环境研究所 一种纳米纤维正渗透复合膜的制备方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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