JPH07309407A - マガジンストッカー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 省スペースで、しかも多額の設備費用を必要
としないプリント基板の自動ストッカーを提供すること
を目的とする。 【構成】 循環式マガジンストッカー１４のコンベア３
にマガジン１を直交分岐させる分岐移載部５と、マガジ
ン１を受け取るテーブル６に前後左右に移動させる前後
移載部７と載置移載部８を設け、テーブル６を昇降する
エレベータ９とキャスター１１ａを持った台座１０とか
ら成る昇降移載部１１と、テーブル６の可動範囲に面し
てマガジン１を収納するラック棚部１２からなるマガジ
ンストッカーで、マガジン１を立体的に収納でき、工程
間の処理能力の差を縮め、また工程の変更にも容易に対
応できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は生産品を複数個、特に電
子機器等に使用される電子回路プリント基板（以下プリ
ント板と略する）を複数枚蓄積するマガジンを自動蓄積
する設備のマガジンストッカーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、プリント板の自動組立工程に於
て、電子機器の小型化、部品の多様化にともないプリン
ト板の製造も多種多様な工程を経なければならず、工程
の自動化と併せてその流れの合理化が注目されている。

【０００３】以下に従来のマガジンストッカーについて
説明する。図６はマガジンを示す斜視図、図７は従来の
マガジンストッカーの構成を示す斜視図を示すものであ
る。図６において、１は複数枚のプリント板２を保持す
るマガジンである。図７において、３はマガジン１を直
線状に移動させるコンベアで、上下に二段設けられてい
る。４は、コンベア３の両端に設置され、上下のコンベ
ア３上のマガジン１を反対側に移動させる昇降部であ
る。図８は図７のマガジンストッカーにマガジン１を積
載した状態を示している。

【０００４】以上のように構成されたマガジンストッカ
ーについて、以下その動作について説明する。まず、複
数枚のプリント板２が収納されたマガジン１は上下二段
になっているコンベア３に積載され、コンベア３の両端
にある昇降部４を通って、一方向に循環している。

【０００５】図９、図１０はこの従来例にあるマガジン
ストッカーを採用した製造工程の構成を示す模式図であ
る。図９、図１０とも電子部品をプリント板に取り付け
（挿入）する製造工程を示し、プリント板は図中矢印Ａ
の示すように右から左へ流れる。図９は、マガジンスト
ッカーを自動挿入工程・手挿入工程間に採用した製造工
程を示し、１４は図７で示したマガジンストッカー、１
５は自動挿入工程、１６は手挿入工程を示す。図９にお
いて、自動挿入工程１５で、プリント板に電子部品を自
動制御による挿入をされた後、プリント板をマガジン
（図示せず）に蓄積し、マガジンストッカー始端１４ａ
に移される。次にマガジンストッカー１４上でマガジン
が循環しマガジンストッカー終端１４ｂに届くとマガジ
ンからプリント板が１枚ずつ出され、次工程である手挿
入工程１６に移動され、作業者１３が手挿入により部品
を挿入する。図１０は、マガジンストッカーを自動挿入
工程間に採用した製造工程を示し、１８は自動挿入機
（いわゆるワンバイワンによる自動挿入）、１７は一括
チップマウンターであって、自動挿入機１９と一括チッ
プマウンター１７の間にマガジンストッカー１４を設置
した従来例である。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の構成では、図９に示した例の場合では、自動挿入工
程１５が２ないしは３シフト（同時に部品を挿入（配
置）する処理をなされるプリント板が２から３枚）で、
後工程の手挿入工程１６が１シフトのため、プリント板
の製造、マガジンの移動が両工程間で同期しない。ま
た、図１０に示した例では、前工程の自動挿入機１９で
は生産タクトが約２０秒、後工程の一括チップマウンタ
ー１７では約１０秒と、生産タクトがかなり異なるた
め、図９に示した例と同様に、プリント板の製造、マガ
ジンの移動が両工程間で同期しない。そのため、工程全
体の効率的な運用のためには両工程間に置いたマガジン
ストッカー１４のマガジンの蓄積を多くするためマガジ
ンストッカー１４のコンベア３を長くしなければなら
ず、全体として工程長が長くなるため、設備スペースを
多く必要とするという問題点を有していた。また、無人
搬送車等で製造ライン外の倉庫（図示せず）に蓄積する
方法においては、上記の問題点に加え、多額の設備投資
が必要、俊敏な応答性（ターンアラウンド時間の短縮
化）が困難という問題点を有していた。

【０００７】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、多額の設備投資を必要としないで工程間の能力の差
から生じるマガジンの滞留を省スペースで処理でき、か
つ容易に移動することが可能なマガジンストッカーを提
供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のマガジンストッカーは、複数の生産品を蓄積
するマガジンと、マガジンを直線状に移動させるコンベ
アを上下に持ち、その両端部にマガジンをコンベアの一
方から他方に昇降させる昇降機を持った循環式マガジン
ストッカーと、コンベアの途中に設けられ、コンベアに
よる移動方向と直交方向にマガジンを分岐させる分岐移
載部と、コンベアの分岐移載部からマガジンを受け取
り、コンベアによる移動方向に対して直角に移動させる
前後移載部と、コンベアによる移動方向に対して平行に
移動させる載置移載部とから成るテーブルと、テーブル
を上下に移動させるエレベータと、エレベータを台座に
立設させた昇降移載部と、昇降移載部の台座に乗り、テ
ーブルの移動範囲に面して配置され、マガジンをテーブ
ルの載置移載機により移載され、収納するラック棚部を
備えている。

【０００９】また、昇降移載部の台座に付いたキャスタ
ーと、ラック棚部に付いたキャスターをも備えている

【００１０】

【作用】この構成によって、マガジンの流れをコンベア
の一方向上から分岐させ、コンベアに直交かつ高さ方向
にマガジンを滞留させることで、マガジンストッカーの
マガジン滞留量を多くすることができ、各工程間の能力
の差を縮めることができる。また、容易に移動させるこ
とが出来るため、工程の変更にもすぐに対応でき、ラッ
ク棚部のみの移動・管理もでき得る。

【００１１】

【実施例】以下本発明の一実施例について、図面を参照
しながら説明する。

【００１２】図１（ａ）は本発明のマガジンストッカー
の構成を示した斜視図で、図１（ｂ）は本発明のマガジ
ンストッカーの昇降移載部とラック棚部の背面図で、図
２はそのマガジンストッカーにマガジンを積んだ状態の
斜視図、図３は昇降移載部とラック棚部の分割時の構成
を示す斜視図を示す。

【００１３】図１、図２、図３において、５は、コンベ
ア３からマガジン１を直交方向に分岐させる分岐移載部
で、６は、分岐移載部５で動かされたマガジン１をその
同じ方向に移動させる前後移載部７と、前後移載部７の
移動方向と直交方向に移動させる載置移載部８を持つテ
ーブル、９はテーブル６全体を昇降させるエレベータで
ある。１０は台座で、エレベータ９を立設し、台座１０
とエレベータ９により昇降移載部１１を形成する。１２
はラック棚部で、テーブル６の移動に対向する面を開放
し、昇降移載部１１をはさむ形で設けられ、昇降移載部
１１で運ばれて来るマガジン１をラック棚部１２の設定
された棚の位置に納める。１１ａは昇降移載部１１の台
座１０に設けられたキャスターで、コンベア３から移動
することが容易に可能となる。また１１ｂは位置決めガ
イドで、昇降移載部１１の台座１０上部にあり、ラック
棚部１２の位置を設定する。１２ａはラック棚部１２の
キャスターで、昇降移載部１１の台座１０の上に乗せら
れ、昇降移載部１１からも分離することが出来る。

【００１４】以上のように構成されたマガジンストッカ
ーについて、図１を用いてその動作を設明する。まず、
コンベア３上のマガジン１がその滞留等の理由により蓄
積が必要となると、コンベア３上の分岐移載部５の位置
でテーブル６上に移載される。すなわち、分岐移載部５
により、コンベア３による移動方向と直交する方向へマ
ガジンが移動され、かつテーブル６上の前後移載部７に
よって移動され、テーブル６上に移載される。次に、ラ
ック棚部１２上の納めるべき位置に応じてテーブル６が
エレベータ９により昇降したり、テーブル６の前後移載
部７により移動させることで、マガジン１をラック棚部
１２の納めるべき位置に対面させ、最後に載置移載部８
によって、マガジン１をコンベア３と平行に動かし、ラ
ック棚部１２に納める。

【００１５】反対に、ラック棚部１２からマガジン１を
取り出す場合も上記と逆の動作によって、実現する事が
出来る。

【００１６】また、図１（ｂ）、図３に示すように昇降
移載部１１には台座１０にキャスター１１ａがついてい
るため、工程の変更にも容易にラック棚部１２ごと移動
させることが出来、かつラック棚部１２にも同様にキャ
スター１２ａがあり、昇降移載部１１の台座１０上にラ
ック棚部１２の位置を固定する位置決めガイド１１ｂが
あるため，必要に応じてラック棚部１２のみ昇降移載部
１１から離して保管したり交換することもできる。

【００１７】図４、図５は本発明の実施例のマガジンス
トッカーを工程内に導入した製造工程の構成を示す概略
図を示す。図４は自動挿入工程・手挿入工程間に採用し
た製造工程を示したもので、１８は本発明のマガジンス
トッカーで、従来例の図９のマガジンストッカー１４か
ら代わったものである。図５は自動挿入工程間に採用し
た製造工程を示したもので、従来例の図１０のマガジン
ストッカー１４から代わったものである。両実施例で
も、従来例のマガジンストッカーの導入工程よりも多く
のマガジン１をより省スペースで蓄積することが出来、
工程間に設備能力がある場合でも円滑な工程運営が可能
となる。

【００１８】以上のように本実施例によれば、直線上に
しか蓄積できないコンベア３に直交方向にマガジン１を
移載する分岐移載機５と、前後、左右、上下に移動させ
る前後移載機７、載置移載機８、エレベータ９を持つ昇
降移載部１１とマガジン１を立体的に蓄積させるラック
棚部１２を設けることにより、小スペースでより多くの
マガジン１を蓄積でき、工程間の設備能力による滞留を
少なくすることができる。

【００１９】なお、本実施例においてラック棚部１２は
２つとし、テーブル６の移動範囲をはさむように配置し
ているが、運用に当たってどちらか１つのみとしてもよ
い。同様に、ラック棚部１２の棚を前後２列、上下４段
としているが、テーブル６の前後移載機７を長くし、か
つエレベータ９を高くすることで、もっと多くの蓄積が
可能なことは言うまでもない。また、下側のコンベア３
にも上側コンベア３の分岐移載部５と同じ位置に分岐移
載部５を設けることで、１台の昇降移載部１１で下側の
コンベア３からもラック棚部１２にマガジン１を移載す
ることが可能となる。

【００２０】

【発明の効果】以上のように本発明は、マガジンを一直
線状に蓄積するコンベアに分岐移載部を設け、マガジン
を乗せたテーブルを前後左右に移動させる前後移載部、
載置移載部と、上下に移動させるエレベータからなる昇
降移載部と、マガジンを収納するラック棚部を設けるこ
とにより、コンベアに直交する方向にマガジンを滞留
し、マガジンストッカーのマガジン滞留量を多くするこ
とができ、各工程間の能力の差を縮めることができる。
また、昇降移載部、ラック棚部にキャスターを設けるこ
とで、容易にかつ別々に移動させることが出来るため、
工程の変更にもすぐに対応でき、ラック棚部のみの移動
・管理もでき得る優れたマガジンストッカーを実現でき
るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）本発明のマガジンストッカーの構成を示
す斜視図 （ｂ）本発明のマガジンストッカーの昇降移載部とラッ
ク棚部の背面構成を示す斜視図

【図２】本発明のマガジンストッカーにマガジンを積ん
だ状態の斜視図

【図３】本発明のマガジンストッカーの昇降移載部とラ
ック棚部の分割時の構成図

【図４】本発明のマガジンストッカーを採用した製造工
程の模式図（１）

【図５】本発明のマガジンストッカーを採用した製造工
程の模式図（２）

【図６】プリント板とマガジンの斜視図

【図７】従来例のマガジンストッカーの構成を示す斜視
図

【図８】従来例のマガジンストッカーにマガジンを満載
した状態の斜視図

【図９】従来例のマガジンストッカーを採用した製造工
程の模式図（１）

【図１０】従来例のマガジンストッカーを採用した製造
工程の模式図（２）

【符号の説明】

１ マガジン ３ コンベア ４ 昇降部 ５ 分岐移載部 ６ テーブル ７ 前後移載部 ８ 載置移載部 ９ エレベータ １０ 台座 １１ 昇降移載部 １１ａ キャスター １２ ラック棚部 １２ａ キャスター

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数の電子回路プリント板を内部に保持す
   るマガジンと、前記マガジンを直線状に移動するコンベ
   アを上下に持ち、その両端部に前記マガジンを前記コン
   ベアの一方から他方に昇降する昇降部を持った循環式マ
   ガジンストッカーと、前記コンベアの途中に設けられ、
   前記コンベアによる前記マガジンの移動方向と直交する
   方向に前記マガジンを分岐させる分岐移載部と、前記コ
   ンベアの分岐移載部から前記マガジンを受け取り、前記
   コンベアによる前記マガジンの移動方向に対して直角に
   移動させる前後移載部と、前記コンベアによる前記マガ
   ジンの移動方向に対して平行に移動させる載置移載部と
   から成るテーブルと、前記テーブルを上下に移動させる
   エレベータと、前記エレベータを台座に立設させた昇降
   移載部と、前記昇降移載部の台座に乗り、前記テーブル
   の移動範囲に面して配置され、前記マガジンを前記テー
   ブルの載置移載機により移載され、収納するラック棚部
   を備えるマガジンストッカー。
2. 【請求項２】昇降移載部の台座に付いたキャスターと、
   ラック棚部に付いたキャスターとを備えることを特徴と
   する請求項１記載のマガジンストッカー。