JPH07309009A - インクジェット記録ヘッド - Google Patents

インクジェット記録ヘッド

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JPH07309009A
JPH07309009A JP10258194A JP10258194A JPH07309009A JP H07309009 A JPH07309009 A JP H07309009A JP 10258194 A JP10258194 A JP 10258194A JP 10258194 A JP10258194 A JP 10258194A JP H07309009 A JPH07309009 A JP H07309009A
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JP
Japan
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ink
heating resistor
recording head
film layer
jet recording
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JP10258194A
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Yoshinori Misumi
義範 三隅
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発熱抵抗体周りを十分に保護することがで
き、高性能を保ち、高信頼性があり、かつ、その製造工
程が簡単ですむインクジェット記録装置を提供する。 【構成】 発熱抵抗体(2)と、発熱抵抗体を含む少な
くとも基体の各液路(5)上に形成された発熱抵抗体酸
化防止膜層(7)と、この酸化防止膜(7)と共に発熱
抵抗体を保護するための保護膜層(8)と、この保護膜
層のインク接触面に形成した陽極酸化被膜(25)とを
有するインクジェット記録ヘッド(20)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクを吐出してイン
クの飛翔的液滴を形成し、該液滴を紙等の被記録材に着
弾させて記録を行なうインクジェット記録ヘッドに関す
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、記録ヘッド
に設けたインク吐出口からインク(記録液)を吐出さ
せ、これを紙等の被記録材に付着させて記録を行なう記
録方式であり、騒音の発生が極めて少なく、かつ高速記
録が可能であり、しかも普通紙等特別な構成の記録用の
紙を用いる必要がないなど、多くの利点を有しており、
種々のタイプの記録ヘッドが開発されている。
【0003】なかでも、熱エネルギーをインクに作用さ
せてインク吐出口から吐出させる形態の記録ヘッドは、
記録信号に対する応答性が良く、インク吐出口の高密度
マルチ化が容易であるなどの利点を有している。
【0004】この様なインク吐出エネルギーとして熱エ
ネルギーを利用する形態の記録ヘッドの代表的な構成を
図6の(A),(B)に示す。なお、図6の(A)は記
録ヘッドの液路方向の断面図であり、図6の(B)は基
体とノズル形成部材との接合位置関係を示すものであ
る。
【0005】この記録ヘッドでは、基体1上に発熱抵抗
体2とこれに電気を供給する電極3とが配設されてお
り、更に天板4には液路5と共通液室6とが形成されて
いてこれらの液路5および液室6に対応する下の位置
に、上記の発熱抵抗体2および電極3が設けられるもの
で、発熱抵抗体2および電極3の上面に発熱抵抗体酸化
防止膜層7と耐キャビテーション保護膜層8とが形成さ
れたものに上記天板4が接合される。9はインク吐出
口、10は共通液室6へのインク供給口、また、図6の
(A)に示す11は発熱抵抗体2を形成するための抵抗
体形成層である。
【0006】この記録ヘッドにおけるインクの吐出エネ
ルギーは一対の電極3の間に形成される発熱抵抗体2に
よって付与される。すなわち、電極3に電圧を印加し
て、発熱抵抗体2を発熱させると、発熱抵抗体2近傍の
液路5中のインクが瞬時的に加熱され、そこに気泡が発
生し、その気泡の発生による瞬時的な体積膨張と収縮に
よるインク体積の変化によってインク吐出口9からイン
クが飛翔的液滴となって吐出される。
【0007】また、この様な構成の記録ヘッドにおいて
は、発熱抵抗体2および電極3の酸化防止と共に一対の
電極3間に生じる電流リークを防止する目的で、酸化防
止膜層7が設けられるものである。更に、また、このよ
うな酸化防止膜層7の上には、気泡が消滅する際に発生
するキャビテーションの衝撃エネルギーから発熱抵抗体
2を保護する目的で、いわゆる耐キャビテーション保護
膜層8が設けられている。
【0008】通常かかる酸化防止膜層7にはSiO2
耐キャビテーション保護膜層8にはTa等の金属材料が
用いられているが、一方では、前記の酸化防止保護膜層
7や耐キャビテーション保護膜層8の代替保護膜として
図7や図8に示すように陽極酸化被膜が設けられること
もある。かかる陽極酸化被膜は、記録ヘッド内でのイン
クとの接触面を平坦にする外、実装工程で使用される接
着剤から発生する低分子有機化合物による発熱抵抗体2
上の汚染を除去する清浄作用があり、しかも、良好な絶
縁性を有するので、吐出信頼性の高いヘッドを得ること
ができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
酸化防止保護膜層7および耐キャビテーション保護膜層
8が形成される形態の従来の記録ヘッドでは、発熱抵抗
体2上の最上層となる耐キャビテーション保護膜層8が
記録ヘッド内でインクと接する液路5の表面上では、平
坦でなくなり、また、接着剤等によって汚染され易い。
そのために、インク吐出時の発泡が不安定となり、吐出
速度や吐出量のバラツキが大きくなって、高品位な記録
結果が得られないという欠点があった。
【0010】また、酸化防止膜層7や耐キャビテーショ
ン保護膜層8の代替保護膜として図7や図8のように陽
極酸化被膜が形成される従来の記録ヘッドでは、安定し
たインク吐出が得られる反面、未だ解決されない幾つか
の問題点が残されていた。
【0011】例えば、特開昭59−143650号公報
に記載の記録ヘッドにおいては、図7に示すように、陽
極3の上面と発熱抵抗体2の表面とを直接に陽極酸化す
ることで、陽極酸化された保護層8を形成しているが、
電極3の上面と発熱抵抗体2の表面との双方に陽極酸化
被膜から成る保護層8を形成した場合、電極3と発熱抵
抗体2の材質が異なっていると、これらの表面に形成さ
れる陽極酸化被膜による保護層8の組成や体積膨張率な
どの特性も異なるために、形成された陽極酸化被膜によ
る保護層8と電極3および発熱抵抗体2との境界部分で
の保護性能が十分でなかったり、亀裂などの欠陥が生じ
やすくなるという問題があった。
【0012】また、特開昭63−191646号公報に
は、図8に示すように発熱抵抗体2の上面に陽極酸化被
膜による保護層8を形成し、更に電極3を酸化防止膜層
7によって被覆するインクジェット記録ヘッドが開示さ
れている。
【0013】しかし、このような酸化防止膜層7と陽極
酸化被膜による保護層8との境界における保護性能は、
仮りに十分であったとしても、陽極酸化被膜の保護層8
を直接に発熱抵抗体2の保護膜とすること自体、耐久上
問題がある。すなわち、陽極酸化被膜の保護層8のみで
は、発熱抵抗体2からの熱ストレスにより破壊されやす
く、またキャビテーションエネルギーによっても破壊さ
れやすい。
【0014】本発明の目的は、以上述べた問題点に鑑み
て、発熱抵抗体上に適切かつ耐性のある保護層を形成す
ることができ、高性能で信頼性の高いインクジェット記
録ヘッドを提供することにある。
【0015】また、本発明の他の目的は、大掛りな装置
を用いなくて済み、より簡易な作業工程で製造可能な保
護層を有するインクジェット記録ヘッドを提供すること
にある。
【0016】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、基体上の各液路に対応して形成された
発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体を含む少なくとも前記基
板の各液路上に形成され、インクとの接触による酸化を
防止するための発熱抵抗体酸化防止膜層と、該発熱抵抗
体酸化防止膜層と共に前記発熱抵抗体を保護するための
保護膜層と、該保護膜層の少なくとも前記インクと接触
する面に形成した陽極酸化被膜とを有することを特徴と
するものである。
【0017】
【作用】本発明によれば、発熱抵抗体酸化防止膜層を含
む発熱抵抗体の保護膜層のインクと接触する面に陽極酸
化被膜を形成したことにより、発熱抵抗体上のインクと
接する面を平滑化し、かつ、封止剤や接着剤等の付着に
よる汚染を除去し、特に保護層のみの場合に電極および
発熱抵抗体との境界部分に発生し勝ちな亀裂等を防止す
ることによって発熱抵抗体上の気泡発生を安定させ、良
好なインク吐出状態が得られる。
【0018】
【実施例】以下に、図面に基づいて本発明の実施例を詳
細かつ具体的に説明する。
【0019】図1は本発明インクジェット記録ヘッド構
成のための基体上の膜形成工程を示すもので、その
(A)に示す基体1として、シリコンウェハー表面を熱
酸化し、厚さ3μmのSiO2 被膜を有するものを得
た。ついで、その被膜形成面上に(B)に示すようにし
てスパッタリングにより抵抗体形成層11として厚さが
3000ÅのTaN層を、ついで電極3形成のための層
として厚さが5000ÅのAl層をこの順序で積層し
た。
【0020】ついで、このように積層されたTaN層お
よびAl層の発熱抵抗体形成部等をフォトリソ工法によ
りパターンを用いて除去することにより共通電極3Aと
選択電極3Bとからなる(C)に示すような電極3を形
成した。
【0021】なお本例の場合、これらの電極3A,3B
間に露出してなるTaN層の発熱抵抗体2(35μm×
150μm)を70.5μm間隔の配列密度で形成し
た。
【0022】更に発熱抵抗体酸化防止膜層7としてのS
iN層(1μm)および耐キャビテーション保護膜層8
としてのTa層(0.5μm)をそれぞれ(D)および
(E)に示すように上述と同様のフォトリソ工法により
順次パターニングを用いて基体1上に形成した。図2は
このようにして基体上に各層が形成された状態を示す。
【0023】ついで、このような基体1上に、図6の
(B)に示したように液路5および共通液室6ならびに
インク供給口10が形成された天板4を、液路5内の所
定位置に発熱抵抗体2が配列されるようにして位置合せ
しつつ接合し、更にこのような接合体において発熱抵抗
体2が配列されている液路5の下流側のインク吐出口9
が位置するようにして図6の(A)に示したこれまでと
同様の記録ヘッドを得た。
【0024】ついで、上述の構成になる記録ヘッドに対
し、本発明にかかる陽極酸化被膜形成工程の一例を図3
を参照しつつ説明する。
【0025】なお、本例は、先にも述べたように記録液
(インク)を用いて耐キャビテーション保護膜層8の上
面に陽極酸化被膜を形成するものである。図3におい
て、20は本発明を適用した記録ヘッド、21は記録ヘ
ッド20のインク吐出口面9Aを覆蓋するキャップ、2
2はキャップ21によって覆蓋された記録ヘッド20内
の液路5、液室6およびキャップ21内に充填されたイ
ンクである。なお、かかる充填状態は、公知のキャップ
を介して吸引手段によりインクを吸引することにより容
易に実施することができる。
【0026】また、本例では、この図に示すようにTa
からなる耐キャビテーション保護膜層8の一端(図2参
照)にパッド30を設けこのパッド30に電極用ピン2
3を立設すると共に、キャップ21側に一端が、インク
22に接する接地用の電極24を設け、電極用ピン23
に35Vの正電圧を10秒間印加した。そして、このよ
うな通電による陽極酸化処理により記録ヘッド20内で
インク22と接している液路5および共通液室6にかけ
て、耐キャビテーション保護膜層8の上面を陽極酸化さ
せ、酸化被膜25を形成することができた。そこで、こ
のあと、インクを抜き取り、更にキャップ21をインク
吐出口面9から外した上、インク吐出口面9Aからイン
ク22を抜き取ることで、本発明によるインクジェット
記録ヘッド20を得た。
【0027】なお、かかる酸化被膜25の形成方法とし
ては、上述のものに限られるものでないことは勿論であ
り、例えば、Ta,Al,Mg,Ti等の金属材料を酸
化処理する方法として一般に用いられている、あるいは
知られている方法などを利用してもよい。
【0028】本発明者は上述の操作により本発明にかか
るインクジェット記録ヘッドを多数製造し、以下に示し
た駆動条件でインクの吐出速度および吐出量を測定し
た。
【0029】駆動条件: 駆動電圧=1.2×発泡電圧 駆動周波数 6.0KHz パルス幅 4.35μs なお、比較のために耐キャビテーション保護膜層に陽極
酸化処理を施さない従来型のインクジェット記録ヘッド
についても同様の測定を行なった。その結果を次の表1
に示す。
【0030】
【表1】
【0031】なお、表1に示す各値は1つの記録ヘッド
につき任意に10個の記録素子を選び、各素子別に測定
した吐出速度vおよび吐出量vdの平均値とその標準偏
差値(S.D)とを示すものである。
【0032】この表1に示すように陽極酸化処理を行な
っていない記録ヘッドでは、吐出速度が5.7〜7.4
m/s、吐出量が59〜72ngとそれぞれ低く、標準
偏差(S.D)も大きいことから、吐出状態が不安定で
あることが判る。
【0033】これに対し、陽極酸化処理を行なった記録
ヘッドでは、吐出速度が10.1〜11.11m/s、
吐出量が81〜86ngとそれぞれ高く、標準偏差
(S.D)も小さいことから吐出状態が安定しており、
また、各記録素子間のバラツキがほとんど無く均一で安
定した信頼性の高い記録が得られた。
【0034】〔その他の実施例〕図4および図5にその
他の実施例を示す。なお、これらの実施例における基体
1上の成膜工程および膜の構成については前述の実施例
と同様であるが、図4に示す実施例は、基板1上に液路
5および液室6を有する天板4を、流路5内の所定位置
に発熱抵抗体2が配列されるようにして接合するにあた
り、さらに容易に双方の位置合せが行なえるようにする
ために、天板4に形成される液路5の両側の壁に当たる
部分を削除した形状の耐キャビテーション用のTa保護
膜8を成膜したものである。
【0035】また、図5に示す実施例は図4に示す耐キ
ャビテーション保護膜8の形状に加え、陽極酸化用の電
極ピン23を設けるためのパッド30を3個所に増設
し、これにより更に均一な酸化被膜を形成する様にした
ものである。なお、図4あるいは図5に示す実施例にお
いても、第1の実施例と同様の効果が得られていた。
【0036】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギーを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式の記
録ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもの
である。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化
が達成できるからである。
【0037】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0038】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0039】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0040】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドにも本発明は有効である。
【0041】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0042】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギーによる昇温を、インクの固形
状態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せ
しめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸
発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化
するインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギ
ーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液
状インクが吐出されるものや、被記録材に到達する時点
ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギー
の付与によって初めて液化する性質のインクを使用する
場合も本発明は適用可能である。このような場合のイン
クは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭6
0−71260号公報に記載されるような、多孔質シー
ト凹部または貫通孔に液状又は固形物として保持された
状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態とし
てもよい。本発明においては、上述した各インクに対し
て最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するも
のである。
【0043】さらに加えて、本発明インクジェット記録
ヘッドが用いられる記録装置の形態としては、コンピュ
ータ等の情報処理機器の画像出力端末として用いられる
ものの他、リーダ等と組合せた複写装置、さらには送受
信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等で
あってもよい。
【0044】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明によれ
ば、発熱抵抗体を含む少なくとも前記基板の各液路上に
形成され、インクとの接触による酸化を防止するための
発熱抵抗体酸化防止膜層と、該発熱抵抗体酸化防止膜層
と共に前記発熱抵抗体を保護するための保護膜層と、該
保護膜層の少なくとも前記インクと接触する面に形成し
た陽極酸化被膜とを有するので、発熱抵抗体上のインク
接触面が滑らかに形成され、さらに封止剤や接着剤等の
余分な汚染物を除去する効果が得られ、これにより、発
泡が安定し、吐出性能を大幅に向上させることができ
る。
【0045】また、発熱抵抗体上に発熱抵抗体酸化防止
膜層と耐キャビテーション保護膜層とに加えて陽極酸化
被膜層が存在するので、熱による発熱抵抗体の酸化やリ
ーク電流による発熱抵抗体との反応、気泡の消泡時に起
生するキャビテーションによる発熱抵抗体へのダメージ
に対して良好な保護性能が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明インクジェット記録ヘッドの基体上に発
熱抵抗体を形成する主要工程を(A)〜(E)によって
示す説明図である。
【図2】本発明記録ヘッドの基体上に形成する耐キャビ
テーション保護膜層の構成例を示す平面図である。
【図3】本発明記録ヘッドの陽極酸化被膜形成工程を断
面によって示す説明図である。
【図4】本発明の他の実施例による耐キャビテーション
保護膜層の構成例を示す平面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施例による耐キャビテー
ション保護膜層の構成例を示す平面図である。
【図6】インクジェット記録ヘッドの基本的構成例を断
面図(A)および斜視図(B)によって示す説明図であ
る。
【図7】従来例による基体上の発熱体の構成の一例を示
す断面図である。
【図8】従来例による基体上の発熱体の構成の他の例を
示す断面図である。
【符号の説明】
1 基体 2 発熱抵抗体 3,3A,3B 電極 4 天板 5 液路 6 (共通液室) 7 発熱抵抗体酸化防止膜層 8 耐キャビテーション保護膜層 9 インク吐出口 9A インク吐出口面 11 抵抗体形成層 20 インクジェット記録ヘッド 21 キャップ 22 インク 23,24 電極ピン 25 (陽極)酸化被膜 30 パッド

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上の各液路に対応して形成された発
    熱抵抗体と、 前記発熱抵抗体を含む少なくとも前記基板の各液路上に
    形成され、インクとの接触による酸化を防止するための
    発熱抵抗体酸化防止膜層と、 該発熱抵抗体酸化防止膜層と共に前記発熱抵抗体を保護
    するための保護膜層と、 該保護膜層の少なくとも前記インクと接触する面に形成
    した陽極酸化被膜とを有することを特徴とするインクジ
    ェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記発熱抵抗体に電気的に接続される一
    対の電極が前記基板上に形成されることを特徴とする請
    求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記保護膜層は、Taによって前記発熱
    抵抗体酸化防止膜層上に形成されることを特徴とする請
    求項1または2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記陽極酸化被膜は前記インクを陽極酸
    化溶液として使用することにより形成されることを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれかの項に記載のインク
    ジェット記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記発熱抵抗体は前記インクを吐出させ
    るために利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換
    体であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか
    の項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記電気熱変換体は当該電気熱変換体に
    接するインクに膜沸騰を生じさせるために前記熱エネル
    ギーを発生することを特徴とする請求項5に記載のイン
    クジェット記録ヘッド。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1177899A1 (en) * 2000-07-31 2002-02-06 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet head with anti-cavitation film preventing kogation and erosion

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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