JPH07307515A - パルスガスレーザ装置 - Google Patents

パルスガスレーザ装置

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Publication number
JPH07307515A
JPH07307515A JP9736494A JP9736494A JPH07307515A JP H07307515 A JPH07307515 A JP H07307515A JP 9736494 A JP9736494 A JP 9736494A JP 9736494 A JP9736494 A JP 9736494A JP H07307515 A JPH07307515 A JP H07307515A
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JP
Japan
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preionization
electrode
electrodes
capacitor
main
Prior art date
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Pending
Application number
JP9736494A
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English (en)
Inventor
Koichi Yasuoka
康一 安岡
Akira Ishii
彰 石井
Yuji Okita
裕二 沖田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba FA Systems Engineering Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba FA Systems Engineering Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba FA Systems Engineering Corp filed Critical Toshiba Corp
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Publication of JPH07307515A publication Critical patent/JPH07307515A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、高周波振動電流による予備電離電
極間の過剰の放電を防止して予備電離電極を長寿命化
し、レーザガスの密度乱れを小さくして長パルスのレー
ザを発振できるパルスガスレーザ装置を提供することを
目的とする。 【構成】 一対の主電極が対向配置している気密容器内
にレーザガスを充填し、このレーザガスの励起によりレ
ーザ光を発生するパルスガスレーザ装置において、主電
極間に接続された第1のコンデンサと、主電極間に直列
接続された第1のコイルと、主電極間に直列接続された
第2のコンデンサ及びスイッチと、第2のコンデンサと
スイッチの接続部分から接続された高圧電源と、主電極
間に直列接続された少なくとも一組の対向した予備電離
電極及び主電極,予備電離電極間に接続された単一ある
いは複数のコンデンサ及び抵抗から成る予備電離手段を
設けたパルスガスレーザ装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気体を放電励起してレ
ーザ発振をするパルスガスレーザ装置に係り、特に、パ
ルスレーザ励起回路方式に改良を加えたパルスガスレー
ザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザガス中で空間的に均一なグロー放
電を発生させてレーザ発振を得る放電励起方式のガスレ
ーザ装置が知られている。しかしながら、横方向励起パ
ルスCO2レーザやエキシマレーザを始めとするパルス
ガスレーザ装置等において、グロー放電を均一に点弧す
ることは困難である。一般的に、グロー放電の形成は、
高速のパルス電圧を放電部に印加して行われる(例え
ば、The 8th International Symposium on Gas Flow an
d Chemical Lasers, Sep. 1990やIndustrial excimer a
nd CO2 TEA lasers with kilowatt average output pow
er Hubertus M. von Bergmann et al. 等)。このよう
な従来のパルスガスレーザ装置について、以下に説明す
る。
【0003】図15は、従来のパルスガスレーザ装置を
示す構成図である。このパルスガスレーザ装置は、レー
ザガスが気密充填された図示しない容器内に、一対の主
電極1a,1bが対向して配設され、一方の主電極1b
は接地されている。また、他方の主電極1aはヘッダコ
イル6(インダクタンスL1),回路コイル8(インダ
クタンスL2),充電用コンデンサ9(容量C2)及び
充電用抵抗10(抵抗値RC)を直列に介して高圧電源
HVに接続される。
【0004】さらに、主電極1a,1b間に予備電離電
極用コンデンサ3(容量C3),バラストコイル4(イ
ンダクタンスL3),予備電離電極2a,2bが直列に
接続されている。予備電離電極2a,2bは微小のギャ
ップを介して、レーザガス中に対向して配設されてい
る。この場合、予備電離電極2a,2bは主電極1a,
1bのギャップに対応する位置に複数組配設され(1組
のみ図示)、各予備電離電極対それぞれにバラストコイ
ル4(インダクタンスL3)が接続されている。また、
主電極1a,1b間には、充電用コイル5(インダクタ
ンスLC)が接続されている。一方、ヘッダコイル6
(インダクタンスL1)と回路コイル8との接続間にコ
ンデンサ7(容量C1)の一端が接続され、他端が接地
されている。
【0005】また、充電用コンデンサ9(容量C2)の
充電用抵抗10側の接続端は、スイッチSWを介して接
地される。なお、予備電離用コンデンサ3(容量C3)
およびコンデンサ7(容量C1),充電用コンデンサ9
(容量C2)は、1個ないし複数個から構成される。ま
た、他のコンデンサ,抵抗およびコイル類は単体で構成
されるか、あるいは、複数個が直列もしくは並列に接続
されて構成されている。また、主電極1a,1bの対向
軸に直交する方向(紙面に垂直な方向)には、光共振器
(図示せず)が配設されている。
【0006】次に、このように構成された図15のパル
スガスレーザ装置の動作を以下に説明する。まず、スイ
ッチSWが開いている状態で、充電用抵抗10を介して
高圧電源HVから充電用コンデンサ9,回路コイル8,
ヘッドコイル6,充電用コイル5の通電回路で充電用コ
ンデンサ9を充電する。次にスイッチSWを閉じると、
充電用コンデンサ9のスイッチSW側の電位は接地電位
となり、コンデンサ7が回路コイル8を介して充電さ
れ、主電極1a,1b間、予備電離コンデンサ3,バラ
ストコイル4,予備電離電極2a,2bの直列回路の両
端の電圧は、コンデンサ7の充電電圧とほぼ同じにな
る。予備電離電極2a,2b間の電圧が放電破壊電圧以
上になると、予備電離放電14が両電極間で発生し、主
電極1a,1b間のレーザガスを予備電離する。
【0007】図2(a)は予備電離電流の変化を示す。
予備電離電極2a,2bのうち一部の電極間で予備電離
放電14が発生した時刻をt0で示す。さらに充電用コ
ンデンサ9の電荷がコンデンサ7に移行していくと、t
0の時刻で放電しなかった予備電離電極2a,2bの残
りの電極間でも予備電離放電14が発生し、この時刻が
t1に相当する。この過程で主電極1a,1bに加わる
電圧が上昇し、主電極間1a,1b間に加わる電圧がレ
ーザガスの放電破壊電圧以上に達すると、主電極間1
a,1b間にグロー放電が点弧する。この時刻がt2に
相当し、予備電離用コンデンサ3からグロー放電13に
電流が流れるので、図2(a)に示すように負極性の大
きな振幅の電流が流れる。グロー放電13によってレー
ザガスは励起されてレーザ光が発生し、図示していない
光共振器の作用で、主電極1a,1bの対向軸に直交す
る方向(紙面垂直方向)にレーザー光が射出する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来のパルスガスレーザ装置は、次のような欠点を有
している。すなわち、予備電離電極2a,2b間を流れ
る電流は、予備電離用コンデンサ3,バラストコイル
4,予備電離電極2a,2b,コンデンサ7,ヘッドコ
イル6の直列回路で決まる振動周波数と電流波高値とな
り、一般には波高値の高い高周波電流となる。このため
グロー放電13の電流持続時間を長くして、レーザ光の
持続時間を長くする場合には、予備電離電極2a,2b
間を流れる高周波電流によって生じるレーザガス密度の
乱れがグロー放電13に影響し、グロー放電13が不安
定になって局所的に収縮し、レーザ発振が停止し、長パ
ルスのレーザ発振ができなかった。あるいは、予備電離
電極2a,2b間に発生する予備電離放電14により、
予備電離電極2aと主電極1b間の絶縁耐力が低下し、
両電極間で放電が発生する。この放電の影響でグロー放
電13はアーク放電に移行し、レーザ発振は停止する。
また、パルスレーザの繰り返し周波数を高くすると、予
備電離電極2a,2b間で高周波電流によりガス密度の
低下が起こり、十分な予備電離作用を起こせなくなる、
また、振動電流の持続時間が長くなると、予備電離電極
2a,2bの寿命が短くなるという問題があった。
【0009】本発明は、このような事情を鑑みてなされ
たもので、高周波振動電流による予備電離電極間の過剰
の放電を防止して予備電離電極を長寿命化し、また、レ
ーザガスの密度乱れを小さくして長パルスのレーザを発
振できるパルスガスレーザ装置を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、まず、請求項1に対応する発明は、レーザガスが
充填された気密容器内に一対の主電極と予備電離電極と
を配置し、予備電離電極の予備電離放電によって主電極
間にグロー放電を発生させて、レーザガスを励起するこ
とによりレーザ光を射出するパルスガスレーザ装置にお
いて、高圧電源に充電用コンデンサ及び前記レーザガス
励起をスタートさせるスイッチの一端がそれぞれ接続さ
れ、充電用コンデンサの他端とスイッチの他端の間に、
主電極と充電用コイルをそれぞれ並列に接続すると共
に、主電極と並列に、スイッチの閉路時、充電用コンデ
ンサの電荷の移動により充電されるコンデンサを接続
し、少なくとも一組の対向した予備電離電極とこの予備
電離電極に直列接続された単一あるいは複数のコンデン
サ及び予備電離電流の振動を抑制するための制動抵抗と
を備え、予備電極間で予備電離放電を発生させて主電極
間のレーザガスを予備電離する予備電離手段を主電極に
並列に接続するパルスガスレーザ装置である。
【0011】請求項2に対応する発明は、レーザガスが
充填された気密容器内に一対の主電極と予備電離電極と
を配置し、予備電離電極の予備電離放電によって主電極
間にグロー放電を発生させて、レーザガスを励起するこ
とによりレーザ光を射出するパルスガスレーザ装置にお
いて、高圧電源に抵抗を介して充電用コンデンサ及びレ
ーザガス励起をスタートさせるスイッチの一端がそれぞ
れ接続され、充電用コンデンサの他端とスイッチの他端
との間に充電用コイルを接続し、充電用コンデンサの他
端に主電極に流れる電流時間を制御するヘッドコイルの
一端を接続し、ヘッドコイルの他端とスイッチの他端と
の間に、主電極と、スイッチの閉路時、充電用コンデン
サの電荷の移動により充電されるコンデンサとをそれぞ
れ並列に接続すると共に、少なくとも一組の対向した予
備電離電極とこの予備電離電極に直列接続された単一あ
るいは複数のコンデンサ及び予備電離電流の振動を抑制
するための制動抵抗とを備え、予備電極間で予備電離放
電を発生させて主電極間のレーザガスを予備電離する予
備電離手段を主電極に並列に接続するパルスガスレーザ
装置である。
【0012】請求項3に対応する発明は、レーザガスが
充填された気密容器内に一対の主電極と予備電離電極と
を配置し、予備電離電極の予備電離放電によって主電極
間にグロー放電を発生させて、レーザガスを励起するこ
とによりレーザ光を射出するパルスガスレーザ装置にお
いて、高圧電源に抵抗を介して充電用コンデンサ及びレ
ーザガス励起をスタートさせるスイッチの一端がそれぞ
れ接続され、充電用コンデンサの他端とスイッチの他端
との間に、スイッチの閉路時、充電用コンデンサの電荷
の移動により充電されるコンデンサを接続し、充電用コ
ンデンサの他端に主電極に流れる電流時間を制御するヘ
ッドコイルの一端を接続し、ヘッドコイルの他端とスイ
ッチの他端との間に、主電極と、充電用コイルとをそれ
ぞれ並列に接続すると共に、少なくとも一組の対向した
予備電離電極とこの予備電離電極に直列接続された単一
あるいは複数のコンデンサ及び予備電離電流の振動を抑
制するための制動抵抗とを備え、予備電極間で予備電離
放電を発生させて主電極間のレーザガスを予備電離する
予備電離手段を並列に接続するパルスガスレーザ装置で
ある。
【0013】請求項4に対応する発明は、請求項1に対
応する発明において、コイル及び補助充電用コンデンサ
からなる複数組の補助充電手段を設け、この補助充電手
段は、各組の補助充電用コンデンサを充電用コンデンサ
にそれぞれ並列に接続すると共に、各組のコンデンサの
並列接続間にコイルを挿入する構成として充電用コンデ
ンサの容量値を補助充電手段のコンデンサの容量以下に
したパルスガスレーザ装置である。
【0014】請求項5に対応する発明は、レーザガスが
充填された気密容器内に一対の主電極と予備電離電極と
を配置し、予備電離電極の予備電離放電によって主電極
間にグロー放電を発生させて、レーザガスを励起するこ
とによりレーザ光を射出するパルスガスレーザ装置にお
いて、高圧電源に抵抗を介してコイル及びレーザガス励
起をスタートさせるスイッチの一端がそれぞれ接続さ
れ、コイルの他端とスイッチの他端との間に、高圧電源
により充電され、且つスイッチの閉路時放電して逆極性
に充電される第1のコンデンサを接続すると共に、高圧
電源により第1のコイルを通して充電される第2のコン
デンサと、第1の可飽和リアクトルと、この第1の可飽
和リアクトルの飽和時に第1並びに第2のコンデンサの
電荷の移動により充電される充電用コンデンサとを直列
接続し、第2の可飽和リアクトルとこの第2の可飽和リ
アクトルの飽和時に充電用コンデンサの電荷の移動によ
り充電されるコンデンサとを直列にして充電用コンデン
サに並列接続し、このコンデンサと並列に主電極とこの
主電極に流れる電流時間を制御するヘッドコイルとを直
列接続すると共に、充電用コイルを並列に接続し、且
つ、少なくとも一組の対向した予備電離電極とこの予備
電離電極に直列接続された単一あるいは複数のコンデン
サ及び予備電離電流の振動を抑制するための制動抵抗と
を備え、予備電離電極間で予備電離放電を発生させて主
電極間のレーザガスを予備電離する予備電離手段をコン
デンサに並列に接続するを設けたパルスガスレーザ装置
である。
【0015】請求項6に対応する発明は、請求項1に対
応する発明の予備電離手段が、主電極間に直列接続され
たコンデンサ及び対向した予備電離電極から成り、予備
電離電極の少なくとも一方は、カーボンピン電極又は抵
抗ピン電極であるパルスガスレーザ装置である。
【0016】請求項7に対応する発明は、請求項1に対
応する発明の主電極の一方をメッシュ状電極とし、予備
電離手段が、メッシュ状電極及びその裏面に設けられた
誘電体及びこの誘電体の他面に接続された制動抵抗から
成るパルスガスレーザ装置である。
【0017】請求項8に対応する発明は、請求項1に対
応する発明の主電極の一方をメッシュ状電極とし、予備
電離手段の予備電離電極を前記メッシュ状電極の裏面に
設けたパルスガスレーザ装置である。
【0018】請求項9に対応する発明は、請求項8に対
応する発明の予備電離手段が、高圧電源から電気的に切
り離されており、メッシュ状電極の裏面に少なくとも一
組の対向した予備電離電極が配置され、予備電離電極間
に単一あるいは複数の制動抵抗及びスイッチ及びコンデ
ンサが直列接続され、コンデンサとスイッチとの間が第
2の高圧電源に接続され、コンデンサのスイッチが接続
されていない側の端子から接続され接地されたコイルと
によって構成されるパルスガスレーザ装置である。
【0019】請求項10に対応する発明は、請求項1に
対応する発明の予備電離手段が、主電極間に直列接続さ
れた少なくとも一組の対向した予備電離電極と、主電
極,予備電離電極間に接続された単一あるいは複数の浮
遊容量及び内部抵抗を有するコイルとから成るパルスガ
スレーザ装置である。
【0020】請求項11に対応する発明は、請求項1に
対応する発明の予備電離手段が、主電極間に直列接続さ
れた少なくとも一組の対向した予備電離電極と、主電
極,予備電離電極間に接続された単一あるいは複数のコ
ンデンサ及び抵抗と、コンデンサ又は予備電離電極と並
列に接続された整流素子とから成るパルスガスレーザ装
置である。
【0021】請求項12に対応する発明は、請求項1に
対応する発明において、主電極,スイッチの他端間にコ
ンデンサを付加し、主電極,コンデンサ間から第2の高
圧電源に接続されるパルスガスレーザ装置である。
【0022】請求項13に対応する発明は、レーザガス
が充填された気密容器内に一対の主電極と予備電離電極
とを配置し、予備電離電極の予備電離放電によって主電
極間にグロー放電を発生させて、レーザガスを励起する
ことによりレーザ光を射出するパルスガスレーザ装置に
おいて、高圧電源に充電用コンデンサ及びレーザガス励
起をスタートさせるスイッチの一端がそれぞれ接続さ
れ、充電用コンデンサの他端とスイッチの他端の間に、
昇圧トランスの1次巻線側端子をそれぞれ接続し、昇圧
トランスの2次巻線側端子間に主電極と充電用コイルと
を接続すると共に、主電極に、スイッチの閉路時、充電
用コンデンサの電荷の移動により充電されるコンデンサ
を並列接続し、少なくとも一組の対向した予備電離電極
とこの予備電離電極に接続された単一あるいは複数のコ
ンデンサ及び予備電離電流の振動を抑制するための制動
抵抗と予備電離放電をスタートさせる第2のスイッチと
を備え、予備電極間で予備電離放電を発生させて主電極
間のレーザガスを予備電離をする予備電離手段を主電極
に並列に接続するパルスガスレーザ装置である。
【0023】請求項14に対応する発明は、レーザガス
が充填された気密容器内に一対の主電極と、この主電極
と並列に予備電離電極を接続し、高圧電源により充電さ
れた充電用コンデンサの充電電圧を予備電離コンデンサ
を介して予備電離電極に印加し、この電圧印加によって
予備電離電極間に予備電離放電を発生させ、この予備電
離放電をトリガーとして主電極にグロー放電を発生させ
てレーザガスを励起することにより、レーザ光を射出す
るパルスガスレーザ装置において、予備電離電極を通し
て主電極間を流れる振動電流を抑制する制動抵抗を予備
電極に直列に接続したことを特徴とするパルスガスレー
ザ装置である。
【0024】請求項15に対応する発明は、請求項1乃
至14の何れか1項に対応する発明において、予備電離
手段内に単一あるいは複数のコイルを挿入したパルスガ
スレーザ装置である。
【0025】
【作用】従って、請求項1乃至3の何れか1項に対応す
る発明は、以上のような手段を講じたことにより、予備
電離電極間を流れる電流は、コンデンサ、抵抗からなる
直列接続回路によって制動され、高周波振動電流とはな
らない。このため予備電離電極間の放電によって生じる
レーザガス密度の乱れは非常に少なく、長パルス運転が
可能になる。また予備電離電極間の密度乱れが少ないた
め高繰り返し運転時に予備電離不足となることがない。
予備電離電流は波高値、振動持続時間ともに大幅に低減
できるので、予備電離電極の寿命は飛躍的に伸びる。
【0026】請求項4に対応する発明は、請求項1に対
応する発明と同様な作用の他、充電手段から継続して電
流が流れ続けるので長パルス運転を安定に行うことがで
きる。
【0027】請求項5に対応する発明は、請求項1に対
応する発明と同様な作用の他、スイッチと直列接続され
た第2のコイルによりスイッチを流れる電流の最大値お
よび周期が減少しスイッチの動作責務を低減することが
できる。
【0028】請求項6に対応する発明は、請求項1に対
応する発明と同様な作用の他、予備電離電極に抵抗を有
する抵抗ピンあるいはカーボンピン電極を用いているの
で、抵抗を省略でき、回路の部品数を低減できる。
【0029】請求項7に対応する発明は、請求項1に対
応する発明と同様な作用の他、メッシュ状電極と誘電体
を用い、これらが予備電離電極を兼ねているので、簡単
な回路構成にすることができる。
【0030】請求項8に対応する発明は、請求項1に対
応する発明と同様な作用の他、予備電離電極をメッシュ
状電極の裏面に配置しているので、レーザガス充填容器
内の構造を簡単なものとし、信頼性,安定性を向上させ
ることができる。
【0031】請求項9に対応する発明は、請求項8に対
応する発明と同様な作用の他、予備電離手段を主電極系
から分離しているので、扱いが簡便である。請求項10
に対応する発明は、請求項1に対応する発明と同様な作
用の他、予備電離手段内に浮遊容量及び内部抵抗を有す
るコイルを用いているので、回路を簡単にすることがで
きる。
【0032】請求項11に対応する発明は、請求項1に
対応する発明と同様な作用の他、予備電離手段内のコン
デンサ間に整流素子を接続しているので、予備電離電極
間に負極性電流が流れず、予備電離電極間の放電によっ
て生じるレーザガス密度の乱れはより一層少なく、長パ
ルス運転が可能になる。また予備電離電極間の密度乱れ
が少ないため高繰り返し運転時に予備電離不足となるこ
とがない。従って、より一層予備電離電極の寿命が伸び
る。
【0033】請求項12に対応する発明は、請求項1に
対応する発明と同様な作用の他、付加されたコンデンサ
及び第2の高圧電源によって主電極に加わる電圧の一部
を分担するので、スイッチに流れる電流を減少させるこ
とができ、スイッチの動作責務を低減できる。
【0034】請求項13に対応する発明は、請求項1に
対応する発明と同様な作用の他、昇圧トランスを用いて
いるので、スイッチング電圧を低下することができる。
また、予備電離手段に用いられている第2のスイッチも
予備電離手段内の抵抗のため動作責務を非常に小さくす
ることができる。
【0035】請求項14に対応する発明は、請求項1に
対応する発明と同様な作用を有する。請求項15に対応
する発明は、請求項1乃至14の何れか1項に対応する
発明と同様な作用の他、予備電離電極手段にコイルを接
続しているので、複数組の各予備電離電極間にバラスト
効果が働き、より安定した予備電離放電を起こすことが
できる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。図1は、本発明に係るパルスガスレーザ装置
の第1実施例を示す構成図である。
【0037】このパルスガスレーザ装置は、レーザガス
が気密に充填された図示していない容器内に、一対の主
電極1a,1bが対向して配設され、一方の主電極1b
は接地されている。また、他方の主電極1aは、ヘッダ
コイル6(インダクタンスL1),充電用コンデンサ9
(容量C2)及び充電用抵抗10(抵抗値RC)を直列
に介して高圧電源HV1に接続されている。また、主電
極1a,1b間に予備電離電極用コンデンサ3(容量C
3),バラストコイル4(インダクタンスL3),予備
電離電極2a,2b及び制動抵抗(抵抗値Rd)15が
直列に接続されている。予備電離電極2a,2bは微小
のギャップを介して、レーザガス中に対向して配設され
ている。
【0038】この場合、予備電離電極2a,2bは主電
極1a,1bギャップに対応する位置に複数組配設さ
れ、各予備電離電極対それぞれにバラストコイル4が接
続されている。また、主電極1a,1b間には、コンデ
ンサ7(容量C1)が接続されている。一方、ヘッダコ
イル6と充電用コンデンサ9との接続間に充電用コイル
5(インダクタンスLC)の一端が接続され、他端が接
地されている。
【0039】また、充電用コンデンサ9(容量C2)の
充電用抵抗10側の接続端は、スイッチSW1を介して
接地される。なお、予備電離用コンデンサ3(容量C
3)およびコンデンサ7(容量C1),充電用コンデン
サ9(容量C2)は、1個ないし複数個から構成され
る。また、他のコンデンサ,抵抗およびコイル類は単体
で構成されるか、あるいは、複数個が直列もしくは並列
に接続されて構成されている。また、予備電離用コンデ
ンサ3,バラストコイル4,予備電離電極2a,2b,
制動抵抗15は、予備電離手段の一例である予備電離部
を成しており、これが複数組(1組のみ図示)設けられ
ている。また、主電極1a,1bの対向軸に直交する方
向(紙面に垂直な方向)には、光共振器(図示せず)が
配設されている。
【0040】なお、予備電離部は、複数の予備電離電極
2a,2b及びバラストコイル4に単一の予備電離用コ
ンデンサ3,制動抵抗15を接続したものでもよい。次
に、このように構成された図1のパルスガスレーザ装置
の動作を以下に説明する。
【0041】まず、初期状態においては、スイッチSW
1は開いており、充電用コンデンサ9は、高圧電源HV
1,充電用抵抗10,充電用コンデンサ9,充電用コイ
ル5,接地という経路で充電される。続いて、スイッチ
SW1が閉じると充電用コンデンサ9のスイッチSW1
側の電位は接地電位となり、コンデンサ7が充電され、
主電極1a,1b間、予備電離用コンデンサ3,バラス
トコイル4,予備電離電極2a,2b,制動抵抗15の
直列回路の両端電圧は、ほぼコンデンサ7の充電電圧と
同じになる。予備電離電極2a,2b間の電位差が放電
破壊電圧以上になると、スパーク放電である予備電離放
電14が両電極間で発生し、主電極1a,1b間のレー
ザガスを予備電離する。
【0042】このとき予備電離電流の変化は図2(b)
のようになる。図2(a)と異なり制動抵抗15(抵抗
値Rd)の作用で予備電離電流はピーク電流値が減少す
る。また、時刻t0で予備電離電極2a,2bのうちの
一部で予備電離放電14が発生した後の予備電離電流の
振動は急速に減衰する。さらに充電用コンデンサ9の電
荷がコンデンサ7に移行していくと、時刻t0で放電し
なかった予備電離電極2a,2bの電極間でも予備電離
放電14が発生する。この時刻がt1であり、振動電流
の減衰は急速になる。この過程で主電極1a,1b間に
加わる電圧が上昇し、主電極間1a,1b間に加わる電
圧がレーザガスの放電破壊電圧以上に達すると、主電極
間1a,1b間にグロー放電13が点弧する。この時刻
がt2に相当し、予備電離用コンデンサ3から主電極1
a,1b間に電流が流れるので、図2(b)に示すよう
に負極性の大きな振幅の電流が流れるが図2(a)と異
なり予備電離電流の振動は持続しない。グロー放電13
によってレーザガスは励起されてレーザ光を発生し、図
示していない光共振器の作用で、主電極1a,1bの対
向軸に直交する方向(紙面垂直方向)にレーザ光が射出
する。
【0043】なお、本実施例では制動抵抗15の抵抗値
Rdは、(1)式に適合するものを用いた。 Rd≧{(4×L3)/C3}0.5 …(1) このように本実施例のパルスガスレーザ装置は、予備電
離部にバラストコイル4,予備電離用コンデンサ3に加
え、制動抵抗15を設けたので、グロー放電13が発生
した後に予備電離電流の振動が持続せず、グロー放電1
3の電流持続時間を長くして、レーザ光の持続時間を長
くする場合でも、予備電離電流によって生じるレーザガ
ス密度の乱れは小さくグロー放電13は安定に維持され
長パルスのレーザ発振が可能になる。また、パルスレー
ザの繰り返し周波数を高くする場合でも、予備電離電極
2a,2b間で予備電離電流によるガス密度の低下が起
こらず、十分な予備電離作用を起こすことができる。ま
た、予備電離電流の持続時間が短いので、予備電離電極
2a,2bの寿命が飛躍的に延びる。また、予備電離用
コンデンサ3の容量値を適当な値まで下げることによっ
て、予備電離電極2a,2b間を流れる予備電離電流値
を下げることができ、予備電離電極の寿命を長くするこ
とができる。
【0044】また、本実施例のパルスガスレーザ装置
で、バラストコイル4を用いない構成の装置の場合であ
っても、上述した効果を得ることができる。図3は、本
発明に係るパルスガスレーザ装置の第2実施例を示す構
成図であり、図1と同一部分には同一符号を付して説明
し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0045】このパルスガスレーザ装置は、第1実施例
に示した充電用コンデンサ9(容量C2)の両端子間に
複数組のコイルとコンデンサを梯子状に並列接続したも
の(梯子型回路)である。すなわち、充電用コンデンサ
9に並列に、コンデンサ17(容量C4),コンデンサ
19(容量C5)及びコンデンサ21(容量C6)がそ
れぞれ接続され、これらコンデンサ9,17,19,2
1の各並列接続間にコイル16(インダクタンスL
4),コイル18(インダクタンスL5),コイル20
(インダクタンスL6)がそれぞれ挿入されている。ま
た充電用コンデンサ9の容量C2は、並列に接続される
梯子型回路を構成するコンデンサ17(容量C4),コ
ンデンサ19(容量C5),コンデンサ21(容量C
6)の各容量値以下に設定してある。また、その他の構
成は第1実施例の構成と同じなので、ここではその説明
を省略する。
【0046】次に、このような構成された本実施例のパ
ルスガスレーザ装置の動作について第1実施例の動作と
異なる点を説明する。本実施例では、グロー放電13を
流れる電流は、図4の(A)に示すように流れる。図4
の(B)に示す放電電流は、梯子型回路を使用しない場
合の放電電流波形を示す。放電電流の初期スパイク状電
流はコンデンサ7から流れる電流に対応する。放電電流
は、波形(A)に示すように初期スパイク電流の後、充
電用コンデンサ9から電流が流れ、その後梯子型回路か
ら電流が流れる。充電用コンデンサ9の容量C2が、梯
子型回路を構成するコンデンサ17,19,21の容量
値以下に設定してあるため、初期スパイク電流が流れた
後の放電電流の増加割合は小さい。この期間に予備電離
電流は減衰している。このような梯子型回路から長パル
スの電流が流れる期間は、予備電離電流が流れていない
ために予備電離電極2aと主電極1b間の耐電圧特性が
低下し、両者間にアーク放電が発生するのでグロー放電
13が不安定になることはない。以上のように長パルス
運転をした場合でも、グロー放電13は安定に持続でき
る。
【0047】このように本実施例のパルスガスレーザ装
置では、第1実施例の構成に加えて、充電用コンデンサ
9に並列に梯子状にコイルとコンデンサを設け、充電用
コンデンサ9の容量C2を梯子状に接続したコイルの容
量C4,C5,C6以下にしたので、第1実施例と同様
な効果を得ることができると共に、予備電離電極2aと
主電極1b間の耐電圧特性が低下してアーク放電が発生
しグロー放電13が不安定になることはなく、レーザ発
振の長パルス運転をした場合でも、グロー放電13は安
定して持続でき、安定に長パルス発振ができる。
【0048】また、本実施例のパルスガスレーザ装置
で、バラストコイル4を用いない構成の装置の場合であ
っても、上述した効果を得ることができる。図5は、本
発明に係るパルスガスレーザ装置の第3実施例を示す構
成図である。 このパルスガスレーザ装置は、レーザガ
スが気密に充填された図示していない容器内に、一対の
主電極1a,1bが対向して配設され、一方の主電極1
bは接地されている。また主電極1aはヘッダコイル6
(インダクタンスL1),可飽和リアクトル23(イン
ダクタンスLS1),可飽和リアクトル24(インダク
タンスLS2),コンデンサ25(容量C7),コイル
27(インダクタンスL8)及び充電用抵抗10(抵抗
値RC)を直列に介して高圧電源HV1に接続される。
【0049】また、主電極1aには予備電離電極用コン
デンサ3(容量C3)及びバラストコイル4(インダク
タンスL3)が予備電離電極2a,2bと直列に接続さ
れ、さらに、制動抵抗(抵抗値Rd)15を介して接地
されている。予備電離電極2a,2bは微小のギャップ
を介して、レーザガス中に対向して配設されている。予
備電離電極2a,2bは主電極1a,1bのギャップに
対応して複数組配設され(1組のみ図示)、各予備電離
電極対それぞれにバラストコイル4(インダクタンスL
3)が接続されている。主電極1aは、充電用コイル5
(インダクタンスLC)を介して接地されている。ま
た、ヘッダコイル6(インダクタンスL1)と可飽和リ
アクトル23の間からコンデンサ7(容量C1)が接続
され、さらに、接地されている。さらに、可飽和リアク
トル23(インダクタンスLS1)と可飽和リアクトル
24(インダクタンスLS2)との間から充電用コンデ
ンサ9(容量C2)が接続され、さらに接地されてい
る。さらに、コンデンサ25(容量C7)とコイル27
の間からコンデンサ26(容量C8)が接続され、さら
に接地されている。また、コイル27と重電用抵抗10
の間からスイッチSW1が接続され、さらに接地されて
いる。
【0050】なお、予備電離用コンデンサ3(容量C
3)およびコンデンサ7(容量C1),充電用コンデン
サ9(容量C2)は、1個ないし複数個から構成され
る。また、他のコンデンサ,抵抗およびコイル類は単体
で構成されるか、あるいは、複数個が直列もしくは並列
に接続されて構成されている。また、主電極1a,1b
の対向軸に直交する方向(紙面に垂直な方向)には、光
共振器(図示せず)が配設されている。
【0051】次に、このように構成されたパルスガスレ
ーザ装置の動作を以下に説明する。まず、初期状態にお
いては、スイッチSW1は開いており、コンデンサ26
は高圧電源HV1により充電用抵抗10,コイル27を
介して充電されている。一方、コンデンサ25は、高圧
電源HV1により充電用抵抗10,コイル27を介して
充電されているが、充電経路は、さらに可飽和リアクト
ル24,可飽和リアクトル23,ヘッドコイル6,充電
用コイル5となっている。
【0052】スイッチSW1が閉じると、コンデンサ2
6に蓄えられた電荷はコイル27,スイッチSW1の経
路で振動して流れ、振動の半周期後には、可飽和リアク
トル24にコンデンサ26とコンデンサ25端子電圧の
和電圧が加わり(すなわち、倍電圧回路になってい
る)、飽和する。可飽和リアクトル24が飽和すると、
コンデンサ26とコンデンサ25に蓄えられた電荷は、
充電用コンデンサ9に移行する。可飽和リアクトル24
の飽和時のインダクタンスは低い値に設定されているの
で、充電用コンデンサ9が充電される時間は、コンデン
サ26に蓄えられた電荷が振動する周期よりも短くな
る。このようにして充電用コンデンサ9がパルス充電さ
れると、可飽和リアクトル23が飽和した時点で、充電
用コンデンサ9からコンデンサ7およびヘッドインダク
タンス6に電流が流れ始める。以後の動作は第1実施例
に示した動作と同様である。
【0053】また、コンデンサとスイッチSW1の間
に、コイル27が入っているので、第1実施例の動作に
加えて、スイッチSW1を流れる電流の最大値および周
期が減少され、第1実施例に比較してスイッチの動作責
務が大幅に低減される。
【0054】このように本実施例のパルスガスレーザ装
置は、コイル27,コンデンサ25,26,9,可飽和
リアクトル24,23を設けたので、第1実施例と同様
な効果を得ることができると共に、スイッチの寿命を大
幅に延長できる信頼性の高いパルスガスレーザ装置を提
供できる。
【0055】また、本実施例のパルスガスレーザ装置
で、バラストコイル4を用いない構成の装置の場合であ
っても、上述した効果を得ることができる。図6は、本
発明に係るパルスガスレーザ装置の第4実施例を示す構
成図であり、図1と同一部分には同一符号を付して説明
し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0056】第1実施例に係るパルスガスレーザ装置の
予備電離部は、予備電離用コンデンサ3,バラストコイ
ル4,予備電離電極2a,2b,制動抵抗15をからな
る組を複数組み設けている。これに対して本実施例に係
るパルスガスレーザ装置の予備電離部は、予備電離用コ
ンデンサ3,バラストコイル4,予備電離電極2a,2
bで組を成し、制動抵抗15は共通部分とした。すなわ
ち、全ての組みの予備電離電極2bの端子は、全て単一
の制動抵抗15に接続されている。また、その他の構成
は第1実施例の構成と同じなので、ここではその説明を
省略する。
【0057】このように構成された本実施例のパルスガ
スレーザ装置の動作は、第1実施例の作用と同様であ
る。ただし、単一の制動抵抗15からそれぞれの予備電
離電極2bに接続しているので抵抗の部品数を低減でき
る。
【0058】このように本実施例のパルスガスレーザ装
置は、制動抵抗15を単一としたので、第1実施例と同
様な効果を得ることができると共に、抵抗の部品数を低
減でき、回路を簡単にできる。
【0059】また、本実施例のパルスガスレーザ装置
で、バラストコイル4を用いない構成の装置の場合であ
っても、上述した効果を得ることができる。図7は、本
発明に係るパルスガスレーザ装置の第5実施例を示す構
成図であり、図1と同一部分には同一符号を付して説明
し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0060】第1実施例に係るパルスガスレーザ装置の
予備電離部は、予備電離用コンデンサ3,バラストコイ
ル4,予備電離電極2a,2b,制動抵抗15からなる
組を複数組み設けている。これに対して本実施例に係る
パルスガスレーザ装置の予備電離部は、予備電離用コン
デンサ3,バラストコイル4,予備電離電極2aおよび
予備電離電極2b相当しかつ制動抵抗も兼ねているカー
ボンピン51からなる組を複数組み設けている。また、
その他の構成は第1実施例の構成と同じなので、ここで
はその説明を省略する。
【0061】このように構成された本実施例のパルスガ
スレーザ装置の動作は、第1実施例の作用と同様であ
る。ただし、カーボンピンを使用しているので制動抵抗
15を省略でき、より一層の予備電離電極の長寿命化が
できる。
【0062】このように本実施例のパルスガスレーザ装
置は、予備電離電極2bにカーボンピン51を用いたの
で、第1実施例と同様な効果を得ることができると共
に、制動抵抗15を省略でき、より一層の予備電離電極
の長寿命化ができる。また、カーボンピンは予備電離電
極2aの代わりに用いてもよく、さらに、予備電離電極
2a,2b両方の代わりに用いてもよい。
【0063】また、本実施例のパルスガスレーザ装置
で、バラストコイル4を用いない構成の装置の場合であ
っても、上述した効果を得ることができる。図8は、本
発明に係るパルスガスレーザ装置の第6実施例を示す構
成図であり、図1と同一部分には同一符号を付して説明
し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0064】このパルスガスレーザ装置は、主電極1a
をメッシュ状電極36a(多孔式電極でもよい)とし、
メッシュ状電極36aの裏面にギャップを介して誘電体
52を配置し、この誘電体52の他面を制動抵抗15を
介して接地し、メッシュ状電極36a,誘電体42,制
動抵抗15によって予備電離部を構成している。また、
その他の構成は第1実施例の構成と同じなので、ここで
はその説明を省略する。
【0065】次に、このような構成された本実施例のパ
ルスガスレーザ装置の動作を説明する。メッシュ状電極
36aは、第1実施例における予備電離電極2aを兼ね
ている。また誘電体52のメッシュ状電極36a側端面
は第1実施例における予備電離電極2bに相当し、誘電
体52そのものは予備電離コンデンサ3に相当してい
る。メッシュ状電極36aを使用しているので予備電離
はコロナ放電となるが、他の動作は、第1実施例と同様
である。
【0066】このように本実施例のパルスガスレーザ装
置は、主電極1aをメッシュ状電極36aとし、メッシ
ュ状電極36a電極の裏面にギャップを介して誘電体5
2を配置し、この誘電体52の他面を制動抵抗15を介
して接地する構成にしたので、第1実施例と同様な効果
を得ることができると共に、予備電離用コンデンサ3を
誘電体52で代替でき、簡単な回路構成とすることがで
きる。
【0067】また、本実施例のパルスガスレーザ装置
で、バラストコイル4を用いた構成の装置の場合であっ
ても、上述した効果を得ることができる。図9は、本発
明に係るパルスガスレーザ装置の第8実施例を示す構成
図であり、図1と同一部分には同一符号を付して説明
し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0068】このパルスガスレーザ装置は、主電極1a
をメッシュ状電極36b(多孔式電極でもよい)として
いる。また、メッシュ状電極36bの裏面に予備電離電
極2a.2bを設け、さらにバラストコイル4,予備電
離用コンデンサ3,制動抵抗15を介して接地してお
り、これらによって予備電離部を構成している。また、
その他の構成は第1実施例の構成と同じなので、ここで
はその説明を省略する。
【0069】このように構成された本実施例のパルスガ
スレーザ装置の動作は、第1実施例と同様である。この
ように本実施例のパルスガスレーザ装置は、主電極1a
をメッシュ状電極36bとし、予備電離電極2a,2b
をメッシュ状主電極36bの裏面に配置したので、第1
実施例と同様な効果を得ることができると共に、レーザ
ガス充填容器内の構造を簡単なものとし、信頼性,安定
性を向上させることができる。
【0070】また、本実施例のパルスガスレーザ装置
で、バラストコイル4を用いない構成の装置の場合であ
っても、上述した効果を得ることができる。図10は、
本発明に係るパルスガスレーザ装置の第9実施例を示す
構成図であり、図1と同一部分には同一符号を付して説
明し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0071】このパルスガスレーザ装置は、主電極1b
をメッシュ状電極36c(多孔式電極でもよい)とし、
予備電離用コンデンサ3,バラストコイル4,予備電離
用電極2a,2b,制動抵抗15の代わりに、メッシュ
状電極36cの背面に予備電離放電発生装置が設置され
ている。
【0072】この予備電離放電発生装置は、予備電離用
コンデンサ3の一方の端子が充電用抵抗37(抵抗値R
p)を介して高圧電源HV2に接続されるとともにスイ
ッチSW2を介して接地されている。また予備電離用コ
ンデンサ3の他方の端子は、充電用コイル40(インダ
クタンスLC2)により接地されている。メッシュ状電
極36cの背面には、予備電離電極41がメッシュ状電
極36cと電気的に絶縁されて配設されている。予備電
離電極41は、主電極1aの幅方向に多数のギャップ部
を有しているだけでなく、紙面垂直方向にも多数のギャ
ップ部を有している。また、予備電離電極41の主電極
1aの幅方向1列には、バラストコイル4および制動抵
抗15が直列接続されて接地されている。また、その他
の構成は第1実施例の構成と同じなので、ここではその
説明を省略する。
【0073】次に、このように構成されたパルスガスレ
ーザ装置の動作を以下に説明する。まず、初期状態にお
いては、スイッチSW2は開いており、予備電離用コン
デンサ3は充電用抵抗37を介して高圧電源HV2から
充電されている。スイッチSW1が閉じると、充電用コ
ンデンサ9の電荷がコンデンサ7に移行して主電極1a
とメッシュ状電極36間に高電圧が印加される。スイッ
チSW2は、スイッチSW1が閉じられるのとほぼ同期
して閉じられ、予備電離用コンデンサ3に蓄えられた電
荷は、予備電離電極41のギャップ間にアーク放電を発
生させる。ただし、制動抵抗15の作用で予備電離電極
41のギャップ間に流れる電流は振動せず、急速に減衰
する。予備電離電極41のギャップ間に発生する予備電
離放電の効果で主電極1a,メッシュ状電極36c間の
レーザガスは電離され、主電極1a,メッシュ状電極3
6c間の高電圧によって予備電離電子は増殖し、主電極
1a,メッシュ状電極36c間にグロー放電13が発生
する。
【0074】このように本実施例のパルスガスレーザ装
置は、第1実施例の主電極1bをメッシュ状電極36c
とし、予備電離用コンデンサ3,バラストコイル4,予
備電離用電極2a,2b,制動抵抗15の代わりに、メ
ッシュ状電極36cの背面に予備電離用電極41,バラ
ストコイル4,制動抵抗15,スイッチSW2,充電用
抵抗37,高圧電源HV2,予備電離用コンデンサ3,
充電用コイル40によって構成される予備電離放電発生
装置を設けたので、第1実施例と同様な効果を得ること
ができると共に、予備電離電極41を流れる予備電離放
電14の電流値は制動抵抗15の作用で低く押さえられ
ているので、スイッチSW2の動作責務は非常に小さ
く、小型のスイッチ素子が使用できる。また、予備電離
放電発生装置は主電極、高圧電源HV1等からなる主発
振系から分離されているので、扱いが簡便である。
【0075】また、本実施例のパルスガスレーザ装置
で、バラストコイル4を用いない構成の装置の場合であ
っても、上述した効果を得ることができる。図11は、
本発明に係るパルスガスレーザ装置の第10実施例を示
す構成図であり、図1と同一部分には同一符号を付して
説明し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0076】第1実施例に係るパルスガスレーザ装置の
予備電離部は、予備電離用コンデンサ3,バラストコイ
ル4,予備電離電極2a,2b,制動抵抗15からなる
組を複数組み設けている。これに対して本実施例に係る
パルスガスレーザ装置の予備電離部は、予備電離用電極
2a,2bを介してバラストコイル4(インダクタンス
L3),コイル22(インダクタンスL7,内部抵抗R
i,浮遊容量Csを有する)からなる組を複数組み設け
ている。ここで、コイル22は内部抵抗Ri,浮遊容量
Csを有しており、内部抵抗Riは制動抵抗15の抵抗
値Rdに相当し、両者がほぼ同じ値になっており、浮遊
容量Csは予備電離用コンデンサの容量C3に相当し、
両者がほぼ同じ値になっている。また、その他の構成は
第1実施例の構成と同じなので、ここではその説明を省
略する。
【0077】このように構成された本実施例のパルスガ
スレーザ装置の動作は、第1実施例と同様であるが、コ
イル22のインダクタンス成分によって予備電離放電1
4の電流が減少するため内部抵抗Riを制動抵抗15の
抵抗値Rd以下に設定することができる。
【0078】このように本実施例のパルスガスレーザ装
置は、予備電離部にインダクタンスL7,内部抵抗R
i,浮遊容量Csを有するコイル22を設けたので、第
1実施例と同様な効果を得ることができると共に、コイ
ル22のインダクタンス成分によって予備電離放電14
の電流が減少するため内部抵抗Riを制動抵抗15の抵
抗値Rd以下に設定することができる。また、予備電離
用コンデンサ3,制動抵抗15を省略できるので回路を
簡単にすることができる。
【0079】また、本実施例のパルスガスレーザ装置
で、バラストコイル4を用いない構成の装置の場合であ
っても、上述した効果を得ることができる。図12は、
本発明に係るパルスガスレーザ装置の第11実施例を示
す構成図であり、図1と同一部分には同一符号を付して
説明し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0080】このパルスガスレーザ装置は、第1実施例
に係るパルスガスレーザ装置に、予備電離電極2a,2
bの間にダイオードDを接続している。また、その他の
構成は第1実施例の構成と同じなので、ここではその説
明を省略する。
【0081】このように構成された本実施例のパルスガ
スレーザ装置において、第1実施例と構成が同じ部分の
動作は同様であり、構成が異なる部分の動作を以下に説
明する。
【0082】本実施例では、予備電離電極2a,2b間
にダイオードDを付加しているので、図2(b)に示し
た予備電離電極2a,2b間を流れる予備電離放電14
の電流のうち、負極性の電流はダイオードDを流れて予
備電離電極2a,2b間を流れなくなる。このため、予
備電離放電14によるガス密度の乱れはさらに減少し、
予備電離電極と主電極1b間の絶縁特性は向上する。こ
の結果、グロー放電13はパルス幅を長くした場合、あ
るいは繰り返し数を増加させた場合でも安定に点弧す
る。
【0083】このように本実施例のパルスガスレーザ装
置は、予備電離電極2a,2b間にダイオードDを設け
たので、第1実施例と同様な効果を得ることができると
共に、予備電離放電14によるガス密度の乱れをより少
なくし、予備電離電極と主電極1b間の絶縁特性をより
向上させることができるので、グロー放電はより一層安
定に点弧し、レーザ−発振のパルス幅をより長くするこ
とができ、繰り返し数を増加させることができる。
【0084】また、本実施例では、ダイオードDを予備
電離電極2a,2b間に接続したが、これは予備電離用
コンデンサ3の間に接続しても同様な効果が得られる。
また、本実施例のパルスガスレーザ装置で、バラストコ
イル4を用いない構成の装置の場合であっても、上述し
た効果を得ることができる。
【0085】図13は、本発明に係るパルスガスレーザ
装置の第12実施例を示す構成図であり、図1と同一部
分には同一符号を付して説明し、ここでは異なる部分に
ついてのみ述べる。
【0086】このパルスガスレーザ装置は、主電極1b
を第2充電用コンデンサ29(容量Cd)を介して接地
され、さらに、第2充電用コンデンサ29の主電極1b
側端子から第2充電用抵抗30(抵抗値Rd)を介して
第2高圧電源HV3に接続されている。また、その他の
構成は第1実施例の構成と同じなので、ここではその説
明を省略する。
【0087】次に、このように構成された図8のパルス
ガスレーザ装置の動作を以下に説明する。まず初期状態
においては、スイッチSW1は開いており、充電用コン
デンサ9は、高圧電源HV1,充電用抵抗10,充電用
コンデンサ9,充電用コイル5,接地という経路で充電
される。また第2充電用コンデンサ29は第2充電用抵
抗30を介して第2高圧電源HV3により充電されてい
る。このとき、高圧電源HV1と第2高圧電源HV3の
充電極性は同一である。続いて、スイッチSW1が閉じ
ると充電用コンデンサ9のスイッチSW1側の電位は接
地電位となり、コンデンサ7が充電されるとともに、主
電極1a,予備電離用コンデンサ3,バラストコイル
4,予備電離電極2aは、コンデンサ7の電位とほぼ同
じになる。予備電離電極2a,2b間の電位差が放電破
壊電圧以上になると、予備電離放電14が両極間で発生
し、主電極1a,1b間のレーザガスを予備電離する。
このとき予備電離電流のピーク電流値が減少するのは、
第1実施例と同様である。さらに充電用コンデンサ9の
電荷がコンデンサ7に移行していく過程で、主電極1
a,1b間には、コンデンサ7に充電された電圧と、コ
ンデンサ29に充電された電圧の和電圧が加わることに
なる。この電圧が、主電極間1a,1b間の放電破壊電
圧以上に達すると、主電極間1a,1b間にグロー放電
13が点弧する。グロー放電13の主な電流経路は、ス
イッチSW1,充電用コンデンサ9,ヘッドコイル6,
主電極1a,グロー放電13,主電極1b,コンデンサ
29となる。また予備電離電流が流れる経路は、第1実
施例と同様である。
【0088】このように本実施例のパルスガスレーザ装
置は、第1実施例の構成に加え、第2高圧電源HV3,
第2充電用抵抗30,第2充電用コンデンサ29を設け
たので、第1実施例と同様な効果を得ることができると
共に、主電極1a,1b間に加える電圧の一部を、第2
充電用コンデンサ29に分担させることができ、スイッ
チSW1のスイッチ電流はこの分担電圧分だけ減少す
る。このため、スイッチSW1の動作責務を第1実施例
に比較して大幅に低減することができる。
【0089】また、本実施例のパルスガスレーザ装置
で、バラストコイル4を用いない構成の装置の場合であ
っても、上述した効果を得ることができる。図14は、
本発明に係るパルスガスレーザ装置の第12実施例を示
す構成図であり、図1と同一部分には同一符号を付して
説明し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0090】このパルスガスレーザ装置は、制動抵抗1
5と接地の間にスイッチSW3が設けられている。ま
た、充電用コンデンサ9,スイッチSW1の代わりに、
昇圧トランス33の2次巻線に充電用コイル5が接続さ
れ、昇圧トランス33の1次巻線にはサイリスタ34と
充電用コンデンサ35(容量CS)が接続されている。
さらに、充電用コンデンサ35は充電用抵抗10を介し
て高圧電源HV1に接続されている。また、その他の構
成は第1実施例の構成と同じなので、ここではその説明
を省略する。
【0091】次に、このように構成された図14のパル
スガスレーザ装置の動作を以下に説明する。まず初期状
態においては、スイッチSW3およびサイリスタ34は
開いており、充電用コンデンサ35は、充電用抵抗10
を介して高圧電源HV1から充電されている。サイリス
タ34が閉じると、充電用コンデンサ35に蓄えられた
電荷が放出されて電流が流れ、昇圧トランス33の2次
側には、充電用コンデンサ35の充電電圧が昇圧されて
発生する。コンデンサ7は昇圧トランス33の2次側電
圧で充電され、主電極1a,1b間の電圧が放電開始電
圧に近づいた時点で、スイッチSW3が閉じられる。ス
イッチSW3が閉じられると、予備電離電極2bの電位
は接地電位に近づき、予備電離電極2aの電位は高電圧
になっているので、予備電離電極2a,2b間に予備電
離放電14が発生して、主電極1a,1b間のレーザガ
スを電離する。このとき主電極1a,1b間には高電圧
が印加されているので、予備電離放電14によって電離
された電子は電界によって急速に増殖し、主電極1a,
1b間にグロー放電13が発生する。
【0092】このように本実施例のパルスガスレーザ装
置は、第1実施例の構成に加え、予備電離部のスイッチ
SW3を設け,充電用コンデンサ9,スイッチSW1の
代わりに、昇圧トランス33,サイリスタ34,充電用
コンデンサ35を設けたので、第1実施例と同様な効果
を得ることができると共に、昇圧トランス33を使用す
ることにより、スイッチング電圧を低下することがで
き、サイリスタ34などの半導体素子を使用することが
可能になる。従って、信頼性の高い長寿命のパルスガス
レーザ装置を供給することができる。また、予備電離電
極2a,2b間を流れる予備電離放電14の電流値は制
動抵抗15の作用で低く押さえられているので、スイッ
チSW3の動作責務は非常に小さく、小型のスイッチ素
子が使用できる。
【0093】また、本実施例のパルスガスレーザ装置
で、バラストコイル4を用いない構成の装置の場合であ
っても、上述した効果を得ることができる。さらに、本
発明のパルスガスレーザ装置は、図15の従来技術と同
様に、主電極間にヘッダコイル6を介することなく充電
用コイル5を接続し、コンデンサ7と主電極1a間にヘ
ッダコイル6を接続し、コンデンサ7のヘッダコイル6
側端子から回路コイル8,充電用コンデンサ9,スイッ
チSW1,等の高圧電源HV1側の部材を接続していく
構成にしてもよい。
【0094】
【発明の効果】以上説明したように本発明は次のような
効果を奏する。請求項1乃至3の何れか1項に対応する
発明は、高周波振動電流による予備電離電極間の過剰の
放電を防止して予備電離電極を長寿命化し、また、レー
ザガス密度の乱れを小さくして長パルスのレーザを安定
して発振できる。
【0095】請求項4に対応する発明は、請求項1に対
応する発明と同様な効果の他、充電手段から継続して電
流が流れ続けるので長パルス運転を安定に行うことがで
きる。
【0096】請求項5に対応する発明は、請求項1に対
応する発明と同様な効果の他、スイッチと直列接続され
た第2のコイルによりスイッチを流れる電流の最大値お
よび周期が減少しスイッチの動作責務を低減することが
できる。
【0097】請求項6に対応する発明は、請求項1に対
応する発明と同様な効果の他、予備電離電極に抵抗を有
する抵抗ピンあるいはカーボンピン電極を用いているの
で、抵抗を省略でき、回路の部品数を低減できる。
【0098】請求項7に対応する発明は、請求項1に対
応する発明と同様な効果の他、メッシュ状電極と誘電体
を用い、これらが予備電離電極を兼ねているので、簡単
な回路構成にすることができる。
【0099】請求項8に対応する発明は、請求項1に対
応する発明と同様な効果の他、予備電離電極をメッシュ
状電極の裏面に配置しているので、レーザガス充填容器
内の構造を簡単なものとし、信頼性,安定性を向上させ
ることができる。
【0100】請求項9に対応する発明は、請求項8に対
応する発明と同様な効果の他、予備電離手段を主電極系
から分離しているので、扱いを簡便にできる。請求項1
0に対応する発明は、請求項1に対応する発明と同様な
効果の他、予備電離手段内に浮遊容量及び内部抵抗を有
するコイルを用いているので、回路を簡単にすることが
できる。
【0101】請求項11に対応する発明は、請求項1に
対応する発明と同様な効果の他、予備電離手段内予備電
離電極又はコンデンサ間に整流素子を接続しているの
で、予備電離電極間に負極性電流が流れず、予備電離電
極間の放電によって生じるレーザガス密度の乱れはより
一層少なく、さらなる長パルス運転ができる。また予備
電離電極間の密度乱れが少ないため高繰り返し運転時に
予備電離不足となることがない。従って、より一層予備
電離電極の寿命化ができる。
【0102】請求項12に対応する発明は、請求項1に
対応する発明と同様な効果の他、付加されたコンデンサ
及び第2の高圧電源によって主電極に加わる電圧の一部
を分担するので、スイッチに流れる電流を減少させるこ
とができ、スイッチの動作責務を低減できる。
【0103】請求項13に対応する発明は、請求項1に
対応する発明と同様な効果の他、昇圧トランスを用いて
いるので、スイッチング電圧を低下することができる。
また、予備電離手段に用いられている第2のスイッチも
予備電離手段内の抵抗のため動作責務を非常に小さくす
ることができる。
【0104】請求項14に対応する発明は、請求項1に
対応する発明と同様な効果を得ることができる。請求項
15に対応する発明は、請求項1乃至14の何れか1項
に対応する発明と同様な効果の他、予備電離電極手段に
コイルを接続しているので、複数組の各予備電離電極間
にバラスト効果が働き、より安定した予備電離放電を起
こすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパルスガスレーザ装置の第1実施
例を示す構成図。
【図2】従来(a)と本発明の実施例(b)に係るパル
スガスレーザ装置の予備電離電流を示す波形図。
【図3】本発明に係るパルスガスレーザ装置の第2実施
例を示す構成図。
【図4】パルスガスレーザ装置の主電極の放電電流を示
す波形図。
【図5】本発明に係るパルスガスレーザ装置の第3実施
例を示す構成図。
【図6】本発明に係るパルスガスレーザ装置の第4実施
例を示す構成図。
【図7】本発明に係るパルスガスレーザ装置の第5実施
例を示す構成図。
【図8】本発明に係るパルスガスレーザ装置の第6実施
例を示す構成図。
【図9】本発明に係るパルスガスレーザ装置の第7実施
例を示す構成図。
【図10】本発明に係るパルスガスレーザ装置の第8実
施例を示す構成図。
【図11】本発明に係るパルスガスレーザ装置の第9実
施例を示す構成図。
【図12】本発明に係るパルスガスレーザ装置の第10
実施例を示す構成図。
【図13】本発明に係るパルスガスレーザ装置の第11
実施例を示す構成図。
【図14】本発明に係るパルスガスレーザ装置の第12
実施例を示す構成図。
【図15】従来のパルスガスレーザ装置を示す構成図。
【符号の説明】
1a,1b…主電極、2a,2b…予備電離電極、3…
予備電離電極用コンデンサ、4…バラストコイル、5…
充電用コイル、6…ヘッダコイル、7…コンデンサ、1
5…制動抵抗、38a,36b,36c…メッシュ状電
極、51…カーボンピン、D…ダイオード、SW1…ス
イッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01S 3/097 E (72)発明者 石井 彰 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内 (72)発明者 沖田 裕二 東京都府中市晴見町2丁目24番地の1 東 芝エフエーシステムエンジニアリング株式 会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザガスが充填された気密容器内に一
    対の主電極と予備電離電極とを配置し、前記予備電離電
    極の予備電離放電によって前記主電極間にグロー放電を
    発生させて、レーザガスを励起することによりレーザ光
    を射出するパルスガスレーザ装置において、 高圧電源に充電用コンデンサ及び前記レーザガス励起を
    スタートさせるスイッチの一端がそれぞれ接続され、 前記充電用コンデンサの他端と前記スイッチの他端の間
    に、前記主電極と充電用コイルをそれぞれ並列に接続す
    ると共に、 前記主電極と並列に、前記スイッチの閉路時、前記充電
    用コンデンサの電荷の移動により充電されるコンデンサ
    を接続し、 少なくとも一組の対向した前記予備電離電極とこの予備
    電離電極に直列接続された単一あるいは複数のコンデン
    サ及び予備電離電流の振動を抑制するための制動抵抗と
    を備え、前記予備電極間で予備電離放電を発生させて前
    記主電極間のレーザガスを予備電離する予備電離手段を
    前記主電極に並列に接続することを特徴とするパルスガ
    スレーザ装置。
  2. 【請求項2】 レーザガスが充填された気密容器内に一
    対の主電極と予備電離電極とを配置し、前記予備電離電
    極の予備電離放電によって前記主電極間にグロー放電を
    発生させて、レーザガスを励起することによりレーザ光
    を射出するパルスガスレーザ装置において、 高圧電源に抵抗を介して充電用コンデンサ及び前記レー
    ザガス励起をスタートさせるスイッチの一端がそれぞれ
    接続され、 前記充電用コンデンサの他端と前記スイッチの他端との
    間に充電用コイルを接続し、前記充電用コンデンサの他
    端に前記主電極に流れる電流時間を制御するヘッドコイ
    ルの一端を接続し、 前記ヘッドコイルの他端と前記スイッチの他端との間
    に、前記主電極と、前記スイッチの閉路時、充電用コン
    デンサの電荷の移動により充電されるコンデンサとをそ
    れぞれ並列に接続すると共に、 少なくとも一組の対向した前記予備電離電極とこの予備
    電離電極に直列接続された単一あるいは複数のコンデン
    サ及び予備電離電流の振動を抑制するための制動抵抗と
    を備え、前記予備電極間で予備電離放電を発生させて前
    記主電極間のレーザガスを予備電離する予備電離手段を
    前記主電極に並列に接続することを特徴とするパルスガ
    スレーザ装置。
  3. 【請求項3】 レーザガスが充填された気密容器内に一
    対の主電極と予備電離電極とを配置し、前記予備電離電
    極の予備電離放電によって前記主電極間にグロー放電を
    発生させて、レーザガスを励起することによりレーザ光
    を射出するパルスガスレーザ装置において、 高圧電源に抵抗を介して充電用コンデンサ及び前記レー
    ザガス励起をスタートさせるスイッチの一端がそれぞれ
    接続され、 前記充電用コンデンサの他端と前記スイッチの他端との
    間に、前記スイッチの閉路時、充電用コンデンサの電荷
    の移動により充電されるコンデンサを接続し、前記充電
    用コンデンサの他端に前記主電極に流れる電流時間を制
    御するヘッドコイルの一端を接続し、 前記ヘッドコイルの他端と前記スイッチの他端との間
    に、前記主電極と、充電用コイルとをそれぞれ並列に接
    続すると共に、 少なくとも一組の対向した前記予備電離電極とこの予備
    電離電極に直列接続された単一あるいは複数のコンデン
    サ及び予備電離電流の振動を抑制するための制動抵抗と
    を備え、前記予備電極間で予備電離放電を発生させて前
    記主電極間のレーザガスを予備電離する予備電離手段を
    並列に接続することを特徴とするパルスガスレーザ装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のパルスガスレーザ装置に
    おいて、 コイル及び補助充電用コンデンサからなる複数組の補助
    充電手段を設け、 この補助充電手段は、各組の補助充電用コンデンサを前
    記充電用コンデンサにそれぞれ並列に接続すると共に、
    各組のコンデンサの並列接続間にコイルを挿入する構成
    として前記充電用コンデンサの容量値を前記補助充電手
    段のコンデンサの容量以下にしたことを特徴とするパル
    スガスレーザ装置。
  5. 【請求項5】 レーザガスが充填された気密容器内に一
    対の主電極と予備電離電極とを配置し、前記予備電離電
    極の予備電離放電によって前記主電極間にグロー放電を
    発生させて、レーザガスを励起することによりレーザ光
    を射出するパルスガスレーザ装置において、 高圧電源に抵抗を介してコイル及び前記レーザガス励起
    をスタートさせるスイッチの一端がそれぞれ接続され、 前記コイルの他端と前記スイッチの他端との間に、 高圧電源により充電され、且つ前記スイッチの閉路時放
    電して逆極性に充電される第1のコンデンサを接続する
    と共に、 高圧電源により前記第1のコイルを通して充電される第
    2のコンデンサと、第1の可飽和リアクトルと、この第
    1の可飽和リアクトルの飽和時に前記第1並びに第2の
    コンデンサの電荷の移動により充電される充電用コンデ
    ンサとを直列接続し、 第2の可飽和リアクトルとこの第2の可飽和リアクトル
    の飽和時に前記充電用コンデンサの電荷の移動により充
    電されるコンデンサとを直列にして前記充電用コンデン
    サに並列接続し、 このコンデンサと並列に前記主電極とこの主電極に流れ
    る電流時間を制御するヘッドコイルとを直列接続すると
    共に、充電用コイルを並列に接続し、 且つ、少なくとも一組の対向した前記予備電離電極とこ
    の予備電離電極に直列接続された単一あるいは複数のコ
    ンデンサ及び予備電離電流の振動を抑制するための制動
    抵抗とを備え、前記予備電離電極間で予備電離放電を発
    生させて前記主電極間のレーザガスを予備電離する予備
    電離手段を前記コンデンサに並列に接続することを特徴
    とするパルスガスレーザ装置。
  6. 【請求項6】 予備電離手段は、前記主電極間に直列接
    続されたコンデンサ及び対向した予備電離電極から成
    り、前記予備電離電極の少なくとも一方は、カーボンピ
    ン電極又は抵抗ピン電極であること特徴とする請求項1
    記載のパルスガスレーザ装置。
  7. 【請求項7】 主電極の一方をメッシュ状電極とし、 予備電離手段は、前記メッシュ状電極及びその裏面に設
    けられた誘電体及びこの誘電体の他面に接続された制動
    抵抗から成ること特徴とする請求項1記載のパルスガス
    レーザ装置。
  8. 【請求項8】 主電極の一方をメッシュ状電極とし、 予備電離手段の予備電離電極を前記メッシュ状電極の裏
    面に設けたこと特徴とする請求項1記載のパルスガスレ
    ーザ装置。
  9. 【請求項9】 予備電離手段は、 高圧電源から電気的に切り離されており、 メッシュ状電極の裏面に少なくとも一組の対向した予備
    電離電極が配置され、 前記予備電離電極間に単一あるいは複数の制動抵抗及び
    スイッチ及びコンデンサが直列接続され、 前記コンデンサとスイッチとの間が第2の高圧電源に接
    続され、 前記コンデンサの前記スイッチが接続されていない側の
    端子から接続され接地されたコイルとによって構成され
    ること特徴とする請求項8記載のパルスガスレーザ装
    置。
  10. 【請求項10】 予備電離手段は、主電極間に直列接続
    された少なくとも一組の対向した予備電離電極と、 前記主電極,前記予備電離電極間に接続された単一ある
    いは複数の浮遊容量及び内部抵抗を有するコイルとから
    成ること特徴とする請求項1記載のパルスガスレーザ装
    置。
  11. 【請求項11】 予備電離手段は、主電極間に直列接続
    された少なくとも一組の対向した予備電離電極と、 前記主電極,前記予備電離電極間に接続された単一ある
    いは複数のコンデンサ及び抵抗と、 前記コンデンサ又は前記予備電離電極と並列に接続され
    た整流素子とから成ること特徴とする請求項1記載のパ
    ルスガスレーザ装置。
  12. 【請求項12】 請求項1記載のパルスガスレーザ装置
    において、 主電極,スイッチの他端間にコンデンサを付加し、前記
    主電極,コンデンサ間から第2の高圧電源に接続される
    ことを特徴とするパルスガスレーザ装置。
  13. 【請求項13】 レーザガスが充填された気密容器内に
    一対の主電極と予備電離電極とを配置し、前記予備電離
    電極の予備電離放電によって前記主電極間にグロー放電
    を発生させて、レーザガスを励起することによりレーザ
    光を射出するパルスガスレーザ装置において、 高圧電源に充電用コンデンサ及び前記レーザガス励起を
    スタートさせるスイッチの一端がそれぞれ接続され、 前記充電用コンデンサの他端と前記スイッチの他端の間
    に、昇圧トランスの1次巻線側端子をそれぞれ接続し、 前記昇圧トランスの2次巻線側端子間に前記主電極と充
    電用コイルとを接続すると共に、 前記主電極に、前記スイッチの閉路時、充電用コンデン
    サの電荷の移動により充電されるコンデンサを並列接続
    し、 少なくとも一組の対向した前記予備電離電極とこの予備
    電離電極に接続された単一あるいは複数のコンデンサ及
    び予備電離電流の振動を抑制するための制動抵抗と予備
    電離放電をスタートさせる第2のスイッチとを備え、前
    記予備電極間で予備電離放電を発生させて前記主電極間
    のレーザガスを予備電離をする予備電離手段を前記主電
    極に並列に接続することを特徴とするパルスガスレーザ
    装置。
  14. 【請求項14】 レーザガスが充填された気密容器内に
    一対の主電極と、この主電極と並列に予備電離電極を接
    続し、高圧電源により充電された充電用コンデンサの充
    電電圧を予備電離コンデンサを介して前記予備電離電極
    に印加し、この電圧印加によって予備電離電極間に予備
    電離放電を発生させ、この予備電離放電をトリガーとし
    て前記主電極にグロー放電を発生させてレーザガスを励
    起することにより、レーザ光を射出するパルスガスレー
    ザ装置において、 前記予備電離電極を通して前記主電極間を流れる振動電
    流を抑制する制動抵抗を前記予備電極に直列に接続した
    ことを特徴とするパルスガスレーザ装置。
  15. 【請求項15】 請求項1乃至14の何れか1項記載の
    パルスガスレーザ装置において、 予備電離手段内に単一あるいは複数のコイルを挿入した
    ことを特徴とするパルスガスレーザ装置。
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