JPH07307465A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JPH07307465A
JPH07307465A JP5564995A JP5564995A JPH07307465A JP H07307465 A JPH07307465 A JP H07307465A JP 5564995 A JP5564995 A JP 5564995A JP 5564995 A JP5564995 A JP 5564995A JP H07307465 A JPH07307465 A JP H07307465A
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JP
Japan
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sidewall
gate electrode
insulating film
layer
forming
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Withdrawn
Application number
JP5564995A
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English (en)
Inventor
Yoshimichi Ootsuki
悦理 大槻
Fumihiko Niifuku
文彦 新福
Kenji Fukuda
賢司 福田
Hiromi Hayashi
浩美 林
Koichi Hashimoto
浩一 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/04Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction, depletion layer or carrier concentration layer
    • H01L21/18Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction, depletion layer or carrier concentration layer the devices having semiconductor bodies comprising elements of Group IV of the Periodic System or AIIIBV compounds with or without impurities, e.g. doping materials
    • H01L21/26Bombardment with radiation
    • H01L21/263Bombardment with radiation with high-energy radiation
    • H01L21/265Bombardment with radiation with high-energy radiation producing ion implantation
    • H01L21/266Bombardment with radiation with high-energy radiation producing ion implantation using masks

Abstract

(57)【要約】 【目的】ゲート電極側部にサイドウォールを有するMO
SFETを有する半導体装置に関し、低濃度の不純物拡
散層にシリサイド層が重なることを防止するとともに、
トランジスタ上に形成された金属層をパターニングする
際の金属層の下の膜や基板へのダメージを防止するこ
と。 【構成】半導体基板11の上に形成されたゲート電極G
と、ゲート電極Gの下の半導体基板11に形成された第
1の不純物拡散層13と、第1の不純物拡散層13に隣
接して形成され、かつ、第1の不純物拡散層13の濃度
よりも高い濃度により形成された第2の不純物拡散層1
4と、ゲート電極Gの側壁から第1の不純物拡散層13
及び一部の第2の不純物拡散層14の上にかけて膜厚を
緩やかに減少させた絶縁膜12とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置及びその製
造方法に関し、更に詳しく言えば、ゲート電極側部にサ
イドウォールを有するMOSFETを有する半導体装置
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の高集積化及び高速化に伴う
デバイスの微細化に際しては、スケーリング則に従って
各デバイスパラメータを選択しなければならない。MO
SFETを微細化するためには、ソース・ドレイン用の
拡散領域を浅く形成する必要がある。しかし、拡散領域
を浅くするとソース・ドレインの拡散抵抗が増加するた
め、ソース・ドレイン領域に高融点金属を用いてシリサ
イド層を形成し、その拡散抵抗を低減する方法が注目さ
れている。
【0003】ここで、特開昭62−169412号公報
に見られるようなnチャネル型のMOSFETの形成方
法を例にして説明する。まず、図17(a) に示すよう
に、p型のシリコン基板101のうちフィールド酸化膜
102に囲まれた領域にゲート電極Gを形成した後に、
ゲート電極Gをマスクにしてシリコン基板101に不純
物が導入され、これにより低濃度の不純物拡散領域10
2Aが形成される。続いて、CVDにより全体にSiO2
103が形成される。
【0004】次に、シリコン基板101上のSiO2膜10
3をRIE(reactive ion etching)法により略垂直方
向にエッチングしてゲート電極Gの側壁に残す。ゲート
電極Gの側部に残ったSiO2膜103を図17(b) に示す
ようなサイドウォール(サイドウォールスペーサともい
う)104として使用する。その後、サイドウォール1
04及びゲート電極Gをマスクにして再度不純物をシリ
コン基板101に導入し、続いて熱処理することにより
図17(c) に示すような高濃度の不純物拡散領域105
を形成する。低濃度及び高濃度の不純物拡散領域102
A,105によってLDD(Lightly Doped Drain )構
造のソース領域、ドレイン領域が構成される。
【0005】次に、ソース領域とドレイン領域の表面に
コンタクト抵抗を低減するためのシリサイド層106を
形成する。シリサイド形成方法としては、例えば、シリ
サイド化する領域のシリコン基板101の表面を露出
し、他の領域は絶縁膜で覆った状態で、スパッタにより
シリサイド形成用のメタルを全面に形成し、その後に熱
処理によりシリコンとメタルを反応させてシリサイドを
形成する。なお、未反応のメタルは溶液を用いて除去さ
れる。
【0006】以上の工程を経て形成されたnチャネル型
のMOSFETのソース領域又はドレイン領域にはシリ
サイド層106を介して配線が接続される。ところで、
半導体集積回路装置においては、上記したゲート電極が
フィールド酸化膜の上に引き出されて配線として使用す
るので、このような配線の側部にはサイドウォールが形
成されることになる。
【0007】配線の側部のサイドウォールは、配線によ
って生じる凹凸をなだらかにしてその配線の上に形成さ
れる二層目の配線の断線を防止する。その二層目の配線
として例えば局所配線が採用される。次に、局所配線を
介してフィールド酸化膜上の配線と不純物拡散領域とを
電気的に接続する工程を説明する。
【0008】まず、図19(a) に示すように、シリコン
製の第一及び第二の下層配線107,108をフィール
ド酸化膜102上とトランジスタ形成領域に形成する。
トランジスタ形成領域では第一及び第二の下層配線10
7,108はゲート電極として機能する。それらの第一
の下層配線107と第二の下層配線108の上には絶縁
膜109が形成され、この絶縁膜109のうち第一の下
層配線107の上の一部には開口部110が形成されて
いる。
【0009】この状態で、図17に示したようなサイド
ウォールをゲート電極側部に形成するが、その際に併せ
て第一及び第二の下層配線107,108の側部にもサ
イドウォール104が形成されることになる。この後
に、図1に示したような工程を経て不純物拡散領域10
5の表面にシリサイド層111を形成する(図19
(b))。この場合、開口部110から露出した第一の下層
配線の上にもシリサイド層111が形成される。続い
て、図19(c)に示すように、局所配線を形成するため
の金属層112を全体に形成した後に、図19(d) に示
すように、第一の下層配線107上の開口部110から
不純物拡散領域105に至る領域にレジストパターン1
13を形成する。ついで、図19(d) に示すように、レ
ジストパターン113から露出した金属層112をエッ
チングにより除去し、レジストパターン113の下に残
った金属層112を局所配線として使用する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図17に示
したようなシリサイド層106の形成技術によれば、図
18に示すように、サイドウォール104がゲート電極
Gの両側壁から低濃度の不純物拡散領域102Aにかけ
て、切り立った状態で設けられている。即ち、サイドウ
ォール104 の厚さは、不純物のイオンをシリコン基板
101に透過させない程度にほぼ一定であり、サイドウ
ォール104によって高濃度の不純物拡散領域105の
領域が画定される。
【0011】そして、シリサイド層106を形成する前
にフッ酸(HF)処理を行うと、図18に示すようにサ
イドウォール104が等方的にエッチングされていしま
い、これにより低濃度の不純物拡散領域102Aの一部
がサイドウォール104から露出する。即ち、サイドウ
ォール104はフッ酸処理によって高濃度の不純物拡散
領域105の縁部から距離βだけ後退することになる。
この結果、フッ酸処理後に形成されるシリサイド層10
6が不純物拡散領域102Aの一部に重なって形成され
る。
【0012】シリサイド層106が低濃度の不純物拡散
領域102Aに重なって形成されると、その領域での低
濃度の不純物拡散領域102Aをさらに薄くすることに
なるので、低濃度の不純物拡散領域102Aから高濃度
の不純物拡散領域105に流れる電流経路の寄生抵抗が
大きくなる。この場合、低濃度の不純物拡散領域102
Aとシリサイド層106の接触抵抗も大きいので寄生抵
抗Rを低下することはない。
【0013】しかも、シリサイド層106の下の低濃度
の不純物拡散領域102Aが薄くなるので、シリサイド
層106に電圧が印加されると、シリサイド層106と
低濃度の不純物拡散領域102Aの接合電圧が大きくな
って接合破壊を引き起こす恐れが有り、リーク電流を派
生させる原因となる。一方、図19に示した局所配線を
形成する際には、図19(d) に示すように、レジストパ
ターン113に覆われない金属層112がサイドウォー
ル104とフィールド酸化膜102とのコーナーにエッ
チングされずに残るので、エッチングを過剰にしてその
コーナーの金属層112を除去することが行われてい
る。しかし、図19(e) に示すように、過剰エッチング
の際にフィールド酸化膜102の縁部がエッチャントに
より薄層化して後退してしまい、そこからシリコン基板
101の表面が露出し、さらにエッチャントによりその
露出部分が掘られて溝120が形成され、その溝120
に導電物が入ることにより接合リークの増加をまねくと
いった問題がある。しかも、過剰なエッチングにより不
純物拡散領域105上のシリサイド層111が薄層化
し、面方向の抵抗が増加する問題もある。
【0014】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであって、低濃度の不純物拡散層にシリサイド層が
重なることを防止するとともに、トランジスタ上に形成
された金属層をパターニングする際の金属層の下の膜や
基板へのダメージを防止するためことができる半導体装
置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、半導体
基板上に設けられたゲート電極と、前記ゲート電極の側
壁に設けられた絶縁膜からなるサイドウォールと、前記
ゲート電極の下層部の両側に設けられた低濃度の不純物
拡散層と、前記低濃度の不純物拡散層に隣接して前記絶
縁膜の下層部に廻り込む状態を有して設けられた高濃度
の不純物拡散層と、前記低濃度の不純物拡散層から離れ
た状態で、前記高濃度の不純物拡散層上に設けられたシ
リサイド層とを備えることを特徴とする半導体装置によ
って解決する。
【0016】または、半導体基板上に形成された電極ま
たは配線と、前記ゲート電極の側壁に形成された、絶縁
膜からなるサイドウォールとを備え、前記サイドウォー
ルの最大傾斜角度が75°以下であり、該サイドウォー
ルの幅が前記電極または配線の幅の0.75倍よりも狭く、
しかも該電極または配線の上と前記サイドウォールの上
の一部には局所配線が形成されていることを特徴とする
半導体装置によって解決する。
【0017】または、前記絶縁性サイドウォールの上の
前記局所配線の前記半導体基板主面に垂直な方向の厚さ
は、前記ゲート電極の上の局所配線の厚さよりも100
nm以下の量で厚くなっていることを特徴とする半導体
装置によって解決する。または、前記絶縁性サイドウォ
ールの最大傾斜角度は、55°以上であることを特徴と
する半導体装置によって解決する。
【0018】ゲート電極が形成された半導体基板に絶縁
膜を形成する工程と 、前記絶縁膜を平坦化する工程
と、平坦化された前記絶縁膜を異方性エッチングして前
記ゲート電極の側壁に絶縁性膜からなるサイドウォール
を形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置
の製造方法によって解決する。または、前記半導体基板
に絶縁膜を形成する前に、前記ゲート電極の両側の半導
体基板に第1の濃度の不純物拡散層を形成する工程が含
まれる半導体装置の製造方法によって解決する。
【0019】または、前記絶縁膜を平坦化する工程に
は、絶縁性シリコン化合物を前記半導体基板の全面に形
成し、その後、該絶縁性シリコン化合物をアルゴンプラ
ズマによりエッチングする工程が含まれる半導体装置の
製造方法によって解決する。または、前記絶縁性シリコ
ン化合物を形成する前に、別の絶縁膜を全面に形成し、
ついで該絶縁膜を略垂直にエッチングして、前記ゲート
電極の側部に別の絶縁性サイドウォールを形成する工程
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法によっ
て解決する。
【0020】または、前記絶縁膜を平坦化する工程に
は、SOG溶液を前記半導体基板に塗布し、その後、前
記SOG溶液のスピン処理する工程が含まれる半導体装
置の製造方法によって解決する。または、前記絶縁膜を
平坦化する工程には、不純物を含む絶縁性シリコン化合
物を前記半導体基板の全面に形成し、その後、該絶縁性
シリコン化合物を異方性エッチングし、異方性エッチン
グされた該絶縁性シリコン化合物をリフロー処理する工
程が含まれる半導体装置の製造方法によって解決する。
【0021】または、前記側壁絶縁膜を形成した後に、
前記ゲート電極の両側の半導体基板に第2の濃度の不純
物拡散層を形成する工程が含まれる半導体装置の製造方
法のよって解決する。または、半導体基板上に絶縁膜を
介してゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極の
側部に絶縁性膜からなるサイドウォールを形成する工程
と、前記ゲート電極、前記サイドウォール及び前記半導
体基板の上に導電層を形成する工程と、前記ゲート電極
を含む領域にマスクを形成して前記導電層の一部を覆う
工程と、前記導電層をエッチングして局所配線のパター
ンを形成した後に、前記サイドウォールの側部に残った
前記導電層を100nm以下のオーバーエッチング量で
除去する工程を有することを特徴とする半導体装置の製
造方法によって解決する。
【0022】または、前記サイドウォールの最大傾斜角
は、55〜75°であることを特徴とする半導体装置の
製造方法によって解決する。
【0023】
【作 用】本発明の半導体装置は、図1に示すように、
半導体基板11の上に形成されたゲート電極Gと、ゲー
ト電極Gの下の半導体基板11に形成された第1の不純
物拡散層13と、第1の不純物拡散層13に隣接して形
成され、かつ、第1の不純物拡散層13の濃度よりも高
い濃度により形成された第2の不純物拡散層14と、ゲ
ート電極Gの側壁から第1の不純物拡散層13及び一部
の第2の不純物拡散層14の上にかけて膜厚を緩やかに
減少させた絶縁膜12とを備えている。
【0024】このような構造を採ると、緩やかな斜面を
有して形成された絶縁膜12の下に第2の不純物拡散層
14が回り込んだ状態になり、第1の不純物拡散層13
から十分に離された位置(離隔距離α)の第2の不純物
拡散層14の上にシリサイド層15が設けられる。これ
により、第1の不純物拡散層13とシリサイド層15と
の間には、直接的な電流経路が発生しなくなる。また、
電流経路は高濃度の第2の不純物拡散層14に生じるた
め寄生抵抗が低下する。
【0025】また、絶縁膜12の下に廻り込む状態を有
した第2の不純物拡散層14の上にシリサイド層15が
設けられ、該シリサイド層15が第1の不純物拡散層1
3よりも深い第2の不純物拡散層14に設けらるため、
シリサイド層15と第1の不純物拡散層13との間に
は、十分な離隔距離αが確保されることで、接合破壊が
防止される。
【0026】これにより、トランジスタ耐圧が向上し、
高信頼度のMOSFETが提供される。本発明の半導体
装置の製造方法は、その実施例を図3,図4に示すよう
に、ゲート電極Gが形成された半導体基板21に絶縁膜
22を形成する工程と、この絶縁膜22を平坦化する工
程と、平坦化された絶縁膜22を異方性エッチングして
ゲート電極Gの壁から半導体基板21にかけて緩やかな
傾斜を有するサイドウォール(側壁絶縁膜)22Aを形成
する工程とを有している。
【0027】このような工程を採ることにより、図18
に示したような切り立った状態の側壁絶縁膜に比べて、
ゲート電極Gの両側壁から半導体基板21にかけて緩や
かな傾斜を有する側壁絶縁膜が形成される。また、後の
工程で、側壁絶縁膜が後退しても、第1の不純物拡散層
23の表面と、第2の不純物拡散層24の表面の一部と
が側壁絶縁膜22Aにより覆い続けられるため、シリサイ
ド層25と第1の不純物拡散層23との間には離隔距離
αが十分に確保され、サイドウォール22Aに接してシリ
サイド層25が形成されても、第1の不純物拡散層23
の部分にはシリサイド層25が形成されない。これによ
り、接合破壊が防げる。
【0028】なお、本発明の半導体装置の製造方法で
は、図6に示すように、不純物を含む絶縁性シリコン化
合物32を半導体基板31の全面に形成し、その後に、
絶縁性シリコン化合物32を異方性エッチングし、異方
性エッチングされた絶縁性シリコン化合物32をリフロ
ー処理する工程が含まれる。これによっても、ゲート電
極Gの壁から半導体基板31にかけて緩やかな傾斜を有
するサイドウォール32Aが形成される。
【0029】本発明の半導体装置の製造方法では、SO
G溶液を半導体基板21や31に塗布し、その後、SO
G溶液のスピン処理する工程が含まれる。これによって
も、ゲート電極Gの壁から半導体基板21にかけて緩や
かな傾斜を有するサイドウォール22Aが形成される。本
発明は、さらに図8、図10に例示するように、ゲート
47とサイドウォール64,66の一部を含む領域に局
所配線53を形成する場合には、そのサイドウォール6
4,66の最大傾斜角度を75°以下とし、しかも、そ
のサイドウォール64,66の幅をゲート47の幅の
0.75倍となるようにしている。
【0030】サイドウォール66の最大傾斜角度が75
°以下となれば、サイドウォール66の側部に局部的に
残存する局所配線用の金属層67を除去するためのオー
バーエッチング量が少なくて済み、これにより基板41
に溝が形成されることを防止できる。しかも、最大傾斜
角度が75°以下にすることによりオーバエッチング量
の制御が容易となる。また、サイドウォール64,66
の幅を、ゲート47,48の0.75倍以下にすること
によってゲート電極47,48相互の間隔をリソグラフ
ィーの限界まで縮小しながらサイドウォール64,66
を形成できることになる。そして、そのようなゲート間
隔を設けると、2つのゲート47,48の間の不純物拡
散層51に上側の配線を接続するスペースが十分に確保
できることになる。
【0031】また、このようなゲート間隔を考慮する
と、サイドウォール64,66の最大傾斜角度は55°
以上にする必要がある。ところで、局所配線53を形成
する際のオーバーエッチング量が100nm以下である場
合に、基板41に溝が形成されることを防止できること
が実験的に確認されたので、サイドウォール64,66
の最大傾斜角はこれを考慮した上記の値にする必要があ
る。
【0032】
【実施例】そこで、以下に本発明の実施例を図面に基づ
いて説明する。 (第1実施例)例えば、nチャネル型のMOSFET
は、図2に示すように、p型のシリコン(Si)基板
(半導体基板)21上に、ゲート電極G,サイドウォー
ルスペーサ22A,n- 型の拡散層23,n+ 型の拡散層
24,Ti(チタン)シリサイド25,ソース引出し電
極S及びドレイン引出し電極Dが形成されて構成されて
いる。
【0033】p型のSi基板21は、n型のSi基板内
にPウエル層を設けて使用する場合と、p型のSi基板
をそのまま使用する場合がある。シリコン基板21の上
には膜厚50Å程度のゲート酸化膜21Bを介してゲー
ト電極Gがポリシリコンより形成されている。サイドウ
ォールスペーサ22Aは、ゲート電極Gの両側壁に緩やか
な斜面を有して形成される。サイドウォールスペーサ22
Aは、SiO2 膜やSiN膜等のシリコン化合物からな
る。このサイドウォールスペーサ22Aは、ゲート電極G
の側壁を他の導電膜から絶縁する機能を有し、さらにT
iシリサイド25とn- 型の拡散層23を離隔距離αで
離す機能を有している。
【0034】n- 型の拡散層23は低濃度の不純物拡散
層13の一例であり、ゲート電極Gの下層部の両側に形
成されている。n- 型の拡散層23は、5価のAs(砒
素)が加速エネルギー10keV,ドーズ量3×1013
cm-2程度に注入されて構成されている。当該拡散層2
3は、ホットキャリアに対する耐性を向上させる機能を
有している。
【0035】n+ 型の拡散層24は高濃度の不純物拡散
層14の一例であり、ソース・ドレインを構成してい
る。当該拡散層24はn- 型の拡散層23に隣接してS
iO2膜22の下層部に廻り込む状態に設けられてい
る。n+ 型の拡散層24は5価のAs(砒素)がドーズ
量2×1015cm-2程度に注入され、n- 型の拡散層2
3よりも深く構成されている。
【0036】Tiシリサイド25はシリサイド層15の
一例であり、n- 型の拡散層23から十分離れた状態
で、n+ 型の拡散層24上に設けられている。Tiシリ
サイド25は接触抵抗及び拡散抵抗を低減する機能を有
している。Tiシリサイド25に代えて、W(タングス
テン)シリサイド,Co(コバルト)シリサイド,Pt
(白金)シリサイドやMo(モリブデン)シリサイド等
を形成しても良い。なお、ソース引出し電極Sやドレイ
ン引出し電極Dは、PSG膜に開孔されたコンタクホー
ルにポリシリコン膜やアルミニウム膜が設けられて構成
されている。
【0037】このようにして、本発明の各実施例に係る
好適なMOSFETによれば、図2に示すように、ゲー
ト電極Gの両側壁に緩やかな斜面を有して設けられたサ
イドウォールスペーサ22Aによって、n- 型の拡散層2
3から離隔距離αを保った状態で、Tiシリサイド25
がn+ 型の拡散層24上に設けられている。このため、
従来技術のようなn- 型の拡散層23とTiシリサイド
25との間において、直接的な電流経路が生じなくな
る。また、電流経路がn+ 型の拡散層24を介在して生
じ、寄生抵抗が低減化する結果、MOSFETのコンダ
クタンスgmが大きくなり、トランジスタ動作が向上す
る。
【0038】さらに、サイドウォールスペーサ22Aの下
層部に廻り込む状態を有してn+ 型の拡散層24が設け
られ、n- 型の拡散層23よりも深いn+ 型の拡散層2
4にTiシリサイド25が設けられているため、Tiシ
リサイド25とn- 型の拡散層23との間に離隔距離α
が介在することで、接合破壊が防止される。これによ
り、トランジスタ耐圧が向上し、高信頼度のnチャネル
型のMOSFETが提供できる。
【0039】次に、本発明の第1の実施例に係る好適な
MOSFETの製造方法について説明する。nチャネル
型のMOSFETを形成する場合、まず、図3(a) に示
すように、ゲート電極G及びn- 型の拡散層23が形成
されたp型のSi基板21を準備する。Si基板21は
予めLOCOS法により素子分離され、ゲート電極Gは
膜厚50Å程度のゲート酸化膜上に膜厚1800Å程度
のポリシリコンを成膜して形成する。
【0040】n- 型の拡散層23はLDD(Lightly
Doped Drain)用であり、ゲート電極Gをマスクにし
て、基板21にAsを注入し、該基板21を熱処理する
ことにより形成される。この際のAsの注入エネルギー
は10keVであり、ドーズ量は3×1013cm-2程度
である。次に、図3(b) に示すように、Si基板21上
の全面にSiO2 膜22が形成される。SiO2 膜22
はシリコン化合物の一例であり、化学気相成長(CV
D)法により膜厚600Å程度が堆積されるとにより形
成される。成長条件は、例えば、温度を800°C,圧
力を1Torr,反応ガスSiH4 を50sccm,N
2 Oを2500sccm程度とする。シリコン化合物に
は、SiO2 膜22に代えてSiN膜を用いても良い。
【0041】その後、図3(c) に示すように、Si基板
21上のSiO2 膜22が平坦化される。SiO2 膜2
2の平坦化は、例えば、Arスパッタエッチング法によ
り行う。スパッタ条件は、Arガスが200sccm,
高周波出力が700W,圧力が0.13Torr程度で
あって、処理時間が2分程度である。次に、図4(a) に
示すように、Si基板21が異方性エッチングされてゲ
ート電極Gの両側壁からSi基板21にかけて緩やかな
傾斜を有するサイドウォールスペーサ22Aが形成され
る。この際の異方性エッチングは、RIE法により行
う。これにより、ゲート電極Gの側壁から約750Å程
度であって、裾を引いた形状のサイドウォールスペーサ
22Aが形成される。
【0042】その後、図4(b) に示すように、Si基板
21にソース・ドレイン用のn+ 型の拡散層24が形成
される。n+ 型の拡散層24はサイドウォールスペーサ
22Aやレジスト膜をマスクにしてAs(砒素)が注入さ
れることにより形成される。この際のAsの注入エネル
ギーは、25keV程度であり、ドーズ量は2×10 15
cm-2程度である。これにより、サイドウォールスペー
サ22Aの下層部にAsが廻り込む状態となる。その後、
Si基板21が熱処理される。
【0043】さらに、Si基板21の表面がHF(フッ
酸,100 :2)処理される。このHF処理は、レジスト
膜の剥離時およびTiのスパッタ処理前に行われる。こ
の際に、HF処理前に比べてサイドウォールスペーサ22
Aが数%程度後退する。例えば、レジスト剥離時には、
熱酸化膜換算で10Å相当のスペーサ22Aが後退する。
また、Tiのスパッタ処理前のHF処理では、熱酸化膜
換算で120Å相当のスペーサ22Aがエッチングされ
る。
【0044】次いで、図4(c) に示すように、n+ 型の
拡散層24上にTi(チタン)シリサイド25が形成さ
れる。Tiシリサイド25はシリサイド層15の一例で
あり、スパッタ法により膜厚300Å程度のTiが堆積
され、基板21とTiが熱処理により合金化することに
より形成される。この際の熱処理条件は、ArとN2
スの雰囲気で、温度700°C、処理時間が30秒程度
である。
【0045】Tiは高融点金属の一例であり、この外に
タングステン、モリブデン、コバルト及びプラチナ等を
用いる。その後、Si基板21の未反応の高融点金属が
除去される。この除去条件は、NH4 OH:H2 2
2 O=1:1:2で、処理温度70°C,処理時間9
0秒程度である。その後、Si基板21が熱処理され
る。この際の熱処理条件は、Arガスの雰囲気で、温度
800°C、処理時間が30秒程度である。
【0046】この後の工程は、従来技術と同様に、基板
21の全面にPSG膜等の絶縁膜が形成され、その後、
引出し電極用のコンタクトホールが開孔される。このコ
ンタクトホールにポリシリコンや金属膜が形成されるこ
とにより、図2に示したようなnチャネル型のMOSF
ETが完成する。このようにして、本発明の第1の実施
例に係る好適なMOSFETの製造方法では、図3(c)
に示したように、Si基板21上の全面にSiO2 膜2
2を形成した後、これをArプラズマエッチングするこ
とにより平坦化している。このため、ゲート電極Gの両
側壁からSi基板21にかけて緩やかな傾斜を有するサ
イドウォールスペーサ22Aが形成される。
【0047】また、Tiをスパッタ処理する前のHF処
理によって、当該スペーサ22Aが均等にエッチングされ
ることにより、特に横方向の距離が後退しても、n-
の拡散層23の表面及びn+ 型の拡散層24の表面の一
部をサイドウォールスペーサ22Aにより覆うことができ
る。本発明の半導体装置の製造方法では、半導体基板2
1に絶縁膜22を形成する前に、ゲート電極Gの両側の
半導体基板21に第1の不純物拡散層23を形成する工
程が含まれ、また、絶縁膜22を平坦化する際に、シリ
コン化合物を半導体基板21の全面に形成し、その後、
シリコン化合物をアルゴンプラズマによりエッチングす
る工程が含まれ、更に、半導体基板21のゲート電極G
にサイドウォールスペーサ22Aを形成した後に、ゲート
電極Gの両側の半導体基板21に第2の濃度の不純物拡
散層24を形成する工程が含まれる。
【0048】このような形成工程を経て、不純物拡散層
24にシリサイド層が形成されるため、シリサイド層と
第1の不純物拡散層との間の離隔距離が十分に確保さ
れ、接合破壊が防止され、高集積化及び超微細化の要求
に対し、高耐圧かつ高信頼度の半導体装置の提供に寄与
する。ここで、図5に示すように、サイドウォールスペ
ーサ22Aの断面が正確な二等辺三角形を示すものとすれ
ば、熱処理前の状態で、離隔距離(余裕度)α=127
Å程度が確保される。離隔距離αは、当該スペーサ22A
の裾の部分からゲート電極の側壁に水平方向に向かった
距離である。
【0049】すなわち、AsイオンのSiO2 膜22に
対するイオン注入の深さRp1が、およそ127Å程度
であり、AsイオンのSi基板21に対するイオン注入
の深さRp2がおよそ160Å程度であることから、イ
オン注入後のn+ 型の拡散層24は、図5に示すような
拡散分布状態に形成されると考えられる。なお、サイド
ウォールスペーサ22Aの傾斜部分にはTiシリサイド2
5が形成されず、さらに、サイドウォールスペーサ22A
の下層部に廻り込む状態のn+ 型の拡散層24が形成さ
れるため、従来技術のMOSFETのようなサイドウォ
ールスペーサ4を利用した高濃度拡散層を形成する場合
に比べて、n+ 型の拡散層24の先端とTiシリサイド
25との接合領域には、α=127Åの余裕が生ずると
考えられる。
【0050】これにより、当該スペーサ22Aに接してT
iシリサイド25が形成されても、本発明の形成方法を
採用することにより、n+ 型の拡散層24からn- 型の
拡散層23に入り込むTiシリサイド25が調整でき
る。この離隔距離αにより、pn接合破壊を防ぐことが
でき、また、寄生抵抗が抑制される。 (第2の実施例)第2の実施例では、第1の実施例と異
なり、BPSG膜32をRIE処理した後に、それをリ
フロー処理して、ゲート電極Gの両側壁からSi基板3
1にかけて緩やかな傾斜を有するサイドウォールスペー
サ32Aを形成するものである。
【0051】第1の実施例と同様に、nチャネル型のM
OSFETを形成する場合、まず、図6(a) に示すよう
に、p型のSi基板31にSi基板31上の全面にBP
SG膜32を形成する。膜32はシリコン化合物の一例
であり、PSG膜でもよい。成膜条件は、SiH4 を1
500sccm,PH3 を800sccm,B2 6
700sccm,温度を380°C及び処理時間は40
秒程度とする。
【0052】Si基板31には予めゲート電極G及びn
- 型の拡散層33が形成される。n - 型の拡散層33は
LDD用である。BPSG膜32はCVD法により第1
の実施例と同様に膜厚600Å程度が堆積されて構成さ
れている。次に、図6(b) に示すように、Si基板31
上のBPSG膜32が異方性エッチングにより局部的に
除去される。このエッチングはRIE法により行い、R
IEの条件は、例えば、Arガスを80sccm,CH
3 を50sccm,CF 4 を50sccm,高周波出
力が100W,圧力が1000mTorr程度である。
【0053】その後、図6(c) に示すように、BPSG
膜32がリフロー処理されて平坦化される。平坦化の熱
処理条件は、例えば、N2 ガスの雰囲気で、温度850
°C、処理時間は30分程度である。これにより、第1
の実施例と同様に、ゲート電極Gの両側壁からSi基板
31にかけて緩やかな傾斜を有するサイドウォールスペ
ーサ32Aが形成される。その後の形成工程は、第1の実
施例と同様であるため、その説明を省略する。
【0054】このようにして、本発明の第2の実施例に
係るMOSFETの製造方法では、図6に示したよう
に、Si基板31上の全面にBPSG膜32が形成され
た後、基板31がRIE処理され、さらに、基板31が
リフロー処理されている。このため、第1の実施例と同
様に、ゲート電極Gの両側壁からSi基板31にかけて
緩やかな傾斜を有するサイドウォールスペーサ32Aが形
成される結果、当該スペーサ32Aに接して不図示のシリ
サイド層が形成されても、そのシリサイド層と、n-
の拡散層33との間に十分な離隔距離αが介在すること
で、第1の好適な実施例と同様に接合破壊が防止され、
寄生抵抗が抑制される。
【0055】本発明の各実施例ではnチャネル型のMO
SFETの製造方法について説明したが、シリコン基板
をn型とし、不純物を5価から3価に代えることで、p
チャネル型のMOSFETを同様に形成することができ
る。また、SiO2 膜22やBPSG膜32を平坦化す
る工程は、SOG溶液をSi基板21や31に塗布し、
その後、SOG溶液のスピン処理することによっても、
同様に行うことができる。
【0056】さらに、Arスパッタのエッチング条件又
はSOG材料を適宜に選択することにより、ゲート電極
Gによる段差を低減することができ、平坦化形状も改善
される。なお、SiO2 膜22やBPSG膜32が平坦
化されていると、近接した回路素子を相互に接続する局
所配線を形成する場合に、エッチングによる残渣が生じ
難くくなる。 (第3実施例)実施例の説明の前にSRAMセルの簡単
な等価回路と、その平面構成を説明しておく。
【0057】図7は、本発明の一実施例が適用されるS
RAMセルの等価回路図である。そのSRAMセルは、
pチャネル負荷トランジスタQ1 、Q2 とnチャネル駆
動トランジスタQ3 、Q4 からなる2つのCMOSイン
バータを有している。一方のCMOSインバータを構成
する負荷トランジスタQ1 と駆動トランジスタQ3 の各
ゲートは他方のCMOSインバータの駆動トランジスタ
4 のドレインに接続される。また、同じように他方の
CMOSインバータを構成する負荷トランジスタQ2
駆動トランジスタQ4 の各ゲートは他方のCMOSイン
バータの駆動トランジスタQ3 のドレインに接続され
る。さらに、2つの駆動トランジスタQ3 ,Q4 の各ド
レインはnチャネル転送トランジスタQ5 ,Q6 の2つ
のソース/ドレインを介してビットラインBL,反転信
号BL(以下、BLバーと称する。)に接続されてい
る。なお、“ソース/ドレイン”という場合には、ソー
ス、ドレインのいずれの機能を有する部分を指す(以下
の説明でも同様である)。
【0058】さらに、2つの負荷トランジスタQ1 ,Q
2 の各ソースには電圧Vccが印加され、2つの駆動トラ
ンジスタQ3 ,Q4 の各ソースには電圧Vssが印加され
ている。さらに、2つの転送トランジスタQ5 ,Q6
各ゲートにはワードラインWLが接続されている。次
に、SRAMセルのデバイスの平面構成を図8を参照し
ながら説明する。
【0059】図8において、シリコンよりなる半導体基
板41には、Nウェル42とPウェル43が形成されて
いる。そのNウェル42とPウェル43の表面には、Si
O2よりなるフィールド酸化膜44が選択酸化法により形
成されている。Nウェル42においては、そのフィール
ド酸化膜44により平面が略T字形の第一の活性領域4
5が区画され、また、Pウェル43においては、フィー
ルド酸化膜44により平面が略U字形の第二の活性領域
46が区画されている。第一及び第二の活性領域45,
46は、U字の底部とT字の頭部が間隔をおいて向かい
合うような位置関係となっている。
【0060】第一の活性領域45と第二の活性領域46
には、2つのストライプ状のデュアルゲート47,48
が分離して〔spaced apart from each other〕形成され
ている。これらのデュアルゲート47,48は第一の活
性領域5のT字の横線に対応する領域を直交して通過す
るとともに、第二の活性領域46のU字の下線に対応す
る領域を跨ぐように配置されている。また、第二の活性
領域46にうちU字の2本の縦線と直交する方向には、
ワードライン49が形成されている。第一及び第二の活
性領域45,46では、デュアルゲート47,48及び
ワードライン49はゲート絶縁膜を介してNウェル4
2、Pウェル43の上に形成されている。
【0061】デュアルゲート47,48のうち第一の活
性領域45に重なる部分は、図7に示す負荷トランジス
タQ1 ,Q2 のゲート電極として機能し、また、第二の
活性領域46に重なる部分は、駆動トランジスタQ3
4 のゲート電極として機能する。さらに、ワードライ
ン49のうち第二の活性領域46に重なる部分は、転送
トランジスタQ5 ,Q6 のゲート電極として機能する。
【0062】なお、デュアルゲート47,48とワード
ライン49は、同一層の多結晶シリコン層又はアモルフ
ァスシリコン層から形成されている。第一及び第二の活
性領域45,46の間のフィールド酸化膜44の上にあ
る2つのデュアルゲート47,48のそれぞれの上面は
SiO2膜61で覆われ、その絶縁膜61には開口部62が
デュアルゲート47,48の延在方向に対して互いに斜
めとなる位置に形成され、その開口部62内にはシリサ
イド層50a,50bが形成されている。2つのデュア
ルゲート47,48のうち、シリサイド層50a,50
bよりも第一の活性領域45側にある領域にp型不純物
が導入され、また、第二の活性領域46側の領域にはn
型不純物が導入されている。
【0063】また、デュアルゲート47,48の周囲に
は絶縁性のサイドウォールが形成され、このサイドウォ
ールの側面の傾斜角は53〜75°となっている。サイ
ドウォールについては、後に詳細に説明する。第一の活
性領域45のうちデュアルゲート47,48に重ならな
い領域にはp型不純物拡散層51が形成され、さらに、
第二の活性領域46のうちデュアルゲート47,48に
重ならない領域にはn型不純物拡散層52が形成されて
いる。p型不純物拡散層51及びn型不純物拡散層52
の表面には、図示しないシリサイド層が形成されてい
る。
【0064】p型不純物拡散層51は負荷トランジスタ
1 ,Q2 のソース領域、ドレイン領域となり、n型不
純物拡散層52は、駆動トランジスタQ3 ,Q4 のソー
ス領域、ドレイン領域、および転送トランジスタQ5
6 のソース/ドレイン領域となる。負荷トランジスタ
1 ,Q2 及び駆動トランジスタQ3 ,Q4 から2組の
CMOSインバータを形成し、さらにクロスカップリン
グを行うために、2つの局所配線53,54が形成され
ている。
【0065】これらの局所配線53,54は、略T字型
の平面形状となっている。これらの局所配線53,54
を介して負荷トランジスタQ1 ,Q2 のドレイン領域と
駆動トランジスタQ3 ,Q4 のドレイン領域が接続され
ている。また、それらの局所配線53(又は54)は、
一方のデュアルゲート47(又は48)を越えて他方の
デュアルゲート48(又は47)のシリサイド層50b
(又は50a)に接続されている。
【0066】なお、6つのトランジスタQ1 〜Q6 は図
示しない層間絶縁膜で覆われる。そして、2つの負荷ト
ランジスタQ1 ,Q2 の共通なソース領域の上にはVcc
電源配線を接続するためのコンタクホール55が形成さ
れている。また、2つの駆動トランジスタQ3 ,Q4
共通なソース領域の上にはVss電源配線を接続するため
のコンタクトホール56が形成されている。さらに、2
つの転送トランジスタQ5 ,Q6 のうち局所配線に接続
されない2つのソース/ドレイン領域にはビットライン
BL,BLバーを接続するためのコンタクトホール5
7,58が形成されている。なお、コンタクトホール5
5〜58の下には局所配線53,54と同じ工程で形成
されたコンタクトパッドCPが配置されている。
【0067】次に、図8に示したSRAMセルの形成工
程を図9、図10に基づいて説明する。なお、図9、図
10は、図8のI−I線断面図である。まず、図9(a)
に示すように、上記したシリコン基板41のうち第一及
び第二の活性領域45,46を区画する素子分離用のシ
リコン酸化膜(フィールド酸化膜)44を250nmの厚
さに成長した後に、第一及び第二の活性領域45,46
にゲート酸化膜(不図示)を形成し、ついで膜厚180
nmの多結晶シリコン層と膜厚82nmの第一のSiO2層61
を全体に形成する。
【0068】続いて、フォトリソグラフィー法により第
一のSiO2層61をパターニングして局所配線を接続する
部分に開口部62を形成する。さらに、第一のSiO2層6
1及び多結晶シリコン層をパターニングして第一及び第
二のデュアルゲート47,48を形成し、同時にワード
ライン49を形成する。なお、2つのデュアルゲート4
7,48のうち、開口部62よりも第一の活性領域45
側にはp型不純物が導入され、また、第二の活性領域4
6側にはn型不純物が導入されている。
【0069】その後に、2つのデュアルゲート47,4
8をマスクにして、3×1013/cm 2 程度の低ドーズ量
でp型不純物を第一の活性領域45に導入し、また、3
×1013/cm2 程度の低ドーズ量でn型不純物を第二の
活性領域46に導入する。次に、図9(b) に示すよう
に、基板全体に第二のSiO2膜63をCVDにより100
nmの厚さに成長する。その後で、図9(c) に示すよう
に、第二のSiO2膜63をRIEにより略垂直方向にエッ
チングして第一及び第二のデュアルゲート47,48の
側部に残し、これを第一のサイドウォール64とする。
この場合のRIEは、ナローギャップ型エッチャーを使
用し、反応ガスとしてCF4 、CHF3、Arをそれぞれ60sc
cm、60sccm、750sccmの流量で反応室内に導入し、
反応室内の圧力を1200mTorr とし、また、基板を挟
む電極に印加する高周波電力を120Wとする。
【0070】その後に、第一のサイドウォール64と2
つのデュアルゲート47、48をマスクに使用して1×
1015/cm2 程度の高ドーズ量でp型不純物を第一の活
性領域45に導入し、また、1×1015/cm2 程度の高
ドーズ量でn型不純物を第二の活性領域46に導入す
る。次に、図9(d) に示すように、基板全体に第三のSi
O2膜65をCVDにより100nmの厚さに成長した後
に、デュアルゲート47,48の斜め上にある第三のSi
O2膜65の凹凸をなだらかにするためにアルゴンスパッ
タエッチングを行う。アルゴンスパッタエッチングの条
件は、RIE型エッチャーを使用し、エッチング室にア
ルゴンを290sccm、エッチング室内の圧力を100mT
orr 、電極に印加する高周波電力パワーを700W、エ
ッチング時間25秒である。
【0071】アルゴンスパッタエッチングが施された第
三のSiO2膜65は図9(e) のようになる。この後に、図
10(a) に示すように、第三のSiO2膜65をRIEによ
り略垂直方向にエッチングして第一のサイドウォール6
4の側部に残し、これを第二のサイドウォール66とし
て使用する。この場合のエッチングは、第一のサイドウ
ォール64を形成する際のエッチングと同じ条件で行
う。
【0072】第二のサイドウォール66の外面の傾斜角
は第一のサイドウォール64に比べて緩やかであり、さ
らに、デュアルゲート47,48のうち第一のSiO2膜6
1に覆われた領域では覆われない領域に比べて第二のサ
イドウォール66の傾斜角は大きい。そして、第一のSi
O2膜61に覆われた領域の第二のサイドウォールの外面
のうち最も大きい傾斜角(以下、最大傾斜角という)を
55°〜75°となるように調整する。その最大傾斜角
の調整は、第一のサイドウォール64を構成する第二の
SiO2層63の膜厚や第二のサイドウォール66を構成す
る第三のSiO2層65の膜厚を変えたり、アルゴンスパッ
タエチングの時間を変えることにより行う。最大傾斜角
の意味は、サイドウォールが丸みを帯びているために、
一つのサイドウォールにおいて傾斜が連続的に変化して
いて、そのうちの最大値があることと、デュアルゲート
高さが2種類あるため、高い方のゲート側壁に形成され
るサイドウォールの方が、より大きな最大傾斜をもつこ
との2つを合わせたもの。すなわち、各種ゲートのサイ
ドウォールについて、そのうち最大の傾斜角度のことを
いっている。最大傾斜角の詳細については後述する。
【0073】このように第一及び第二のサイドウォール
64,66を形成した後に、低濃度と高濃度で導入され
たp型不純物とn型不純物をアニールにより活性化し
て、デュアルゲート47,48の両側の第一の活性領域
45にLDD構造のp型不純物拡散層(ソース/ドレイ
ン領域)51を形成するとともに、デュアルゲート4
7、48の両側の第二の活性領域46にLDD構造のn
型不純物拡散層(ソース/ドレイン領域)52を形成す
る。
【0074】続いて、PVD法により膜厚8nmのコバル
ト層(不図示)、膜厚30nmの窒化チタンよりなるキャ
ップ層(不図示)を基板全体に形成する。その後に、図
10(b) に示すように、温度550℃でシリコン基板4
1とコバルト層を合金化してシリコン基板41のうちの
第一及び第二の活性領域45,46とデュアルゲート4
7,48の開口部62内にそれぞれコバルトシリサイド
層50a,50b,50cを形成する。ついで、未反応
のコバルト層とキャップ層を剥離する。
【0075】次に、クロスカップリング用の局所配線を
形成するために、PVD法によってチタン(Ti)層と窒
化チタン(TiN )層からなる金属層67をそれぞれ例え
ば10nm、20nmの厚さに基板全体に形成する。なお、
Ti層とTiN 層の膜厚の詳細については後述する。続い
て、図10(c) に示すように、金属層67の上にレジス
トを塗布した後にこれを露光、現像して、局所配線形成
領域を覆うレジストパターン68を形成する。これと同
時に、第一及び第二の活性領域45,46のうち2つの
デュアルゲート47,48に挟まれた領域及びその周辺
とワードライン49の隣の領域及び周辺にある配線コン
タクト領域をそれぞれレジストパターン68によって覆
う。
【0076】そして、図10(d) に示すように、レジス
トパターン68に覆われない領域の金属層67をエッチ
ングにより除去し、続いて、レジストパターン68に覆
われない第二のサイドウォール66の側方に残った金属
層67を除去するためにオーバエッチングを行う。この
場合のエッチングはECR型エッチャーを使用して行わ
れ、エッチング室内には反応ガスとしてCl2 、BCl3、N2
をそれぞれ248sccm、64sccm、63sccmで導入し、
エッチング室内の圧力を10mTorr とし、また、プラズ
マ発生用マイクロ波のパワーを800W、電極に印加す
る高周波電源のパワーを50Wとする。オーバエッチン
グは、平坦領域での金属層67を除去する時間を100
%とした場合にその170〜200%のエッチング量
(時間)で行う。このオーバエッチングによれば第二の
サイドウォール66の側部には金属層67は残存せず、
しかもシリコン基板41に溝が形成されることもなく、
また第一及び第二の活性層45,46にあるコバルトシ
リサイド層50cのエッチング量は許容できる程度であ
った。このオーバエッチングについては後述する。
【0077】クロスカップリングのために残された金属
層67を局所配線53,54として使用し、その他の領
域に残された金属層67をコンタクトパッドCPとして
使用する。次に、レジストパターン68をバレル型アッ
シャーを用いて除去すると、図8及び図10(e) に示す
SRAMセルが完成する。アッシング条件として、反応
ガスとして酸素、アルゴンをそれぞれ100sccm、15
0sccmずつ反応室に導入し、500Wのプラズマ発生用
マイクロ波を導入し、さらに反応室内の圧力を1Torrと
する。
【0078】この後に、図示しないが、層間絶縁膜、V
ss配線、Vcc配線、ビット線を形成する。図8のII−II
線の断面を図11に示す。図11において符号69はS
RAMセルを覆う層間絶縁膜、56は、コンタクトパッ
ドCPの上の層間絶縁膜69に形成された開口部、71
は、層間絶縁膜69の上に形成され且つ開口部70と、
コンタクトパッドCPを介して不純物拡散層52に接続
されるVss配線を示している。
【0079】以上のように、デュアルゲート47,48
の側部の第二のサイドウォール66の最大傾斜角θを5
5〜75°としたところ、局所配線53,54を形成す
る際のオーバエッチングによってシリコン基板41での
溝の形成や、第一及び第二の活性領域45,46のコバ
ルトシリサイド層50cの急激な薄層化を避けることが
できた。なお、以上では、SRAMセルの部分のみ説明
したが、論理回路を同時に形成させることができること
は言うまでもない。
【0080】次に、第二のサイドウォール66形成工程
でのアルゴンスパッタエッチング時間と第一及び第二の
サイドウォールを構成するSiO2膜63,65の膜厚とを
変えてデュアルゲート47,48の両側に形成される第
二のサイドウォール66の最大傾斜角θ(図12)の変
化を調査したところ表1に示すような結果が得られた。
実験に際してはデュアルゲート47,48(以下、配線
ともいう)の高さを一定にした。
【0081】
【表1】
【0082】表1は、第二のサイドウォール66の最大
傾斜角θの制御が可能であることを示している。第一の
サイドウォール64となる第二のSiO2膜63の膜厚や第
二のサイドウォール66となる第三のSiO2膜65の膜厚
を厚くするほど最大傾斜角θが小さくなることがわか
る。一方、第三のSiO2膜65へのアルゴンスパッタエッ
チングの時間を長くするほど最大傾斜角θが小さくなる
ことがわかる。
【0083】次に、サイドウォールの傾斜角と局所配線
形成の際のオーバーエッチング量の関係を説明する。図
15に示すように、配線47,48とサイドウォール6
6の上に膜厚tの金属層67を形成し、サイドウォール
66の側面の傾斜角θ1 が均一とした場合に、サイドウ
ォールの側方の金属層67の垂直方向の厚さTは、T=
t/ cosθ1と表せる。
【0084】そして、配線の上の金属層をエッチングに
より除去した後にはサイドウォールの側方に残るる金属
層67は(T−t)の厚さとなっている。この厚さ(T
−t)の金属層を除去するためにオーバーエチングが必
要となる。即ち、オーバーエッチング量(厚さ)T
1 は、式(1)で表せる。 T1 =t(1/cosθ1 −1) ……(1) ただし、t/cosθがサイドウォール66の高さ(ゲート
高さ)hよりも大きい場合のオーバーエッチング量T1
は式(2)となる。
【0085】 T1 =h−t ……(2) 局所配線53,54のパターンを形成するための最小限
のエッチング量に対するオーバーエッチング量の比(T
1 /t)を示すと、図16のような結果が得られる。具
体的に数値をあげると、ゲートの高さhを240nm、金
属層67の成長膜厚tを30nmとすれば、傾斜θがθ≧
82.8°になるとt/cosθ>hとなるので、式(2)
からT1 /t(=h/t−1)は700%と一定にな
る。また、実験によれば、基板が掘られないためには、
オーバーエッチング量T1 を100nm以下にする必要が
あり、金属層67の成長膜厚tが30nmの場合には、T
1 /t比を330%以下、即ち傾斜角θ1 を75≧θ1
にする必要がある。なお、Tiを20nm、TiN を10nmの
厚さに積層してなる金属層67のシート抵抗が20Ω/
□であることから、局所配線53,54となる金属層6
7の膜厚は30nm程度が最小値と考えられている。
【0086】図16から明らかなように傾斜角θ1 が7
5°以上になると、エッチング残りを除去するためのオ
ーバーエッチング量が急速に増加するため、基板が掘ら
れて溝が形成される恐れが大きくなる。しかも、傾斜角
θ1 が75°以上になると、オーバエッチング量の制御
を高い精度でだしにくくなるという不都合もある。した
がって、傾斜角θ1 は75°以下にする必要がある。サ
イドウォール66の側面の傾斜角θ1 が不均一な場合に
は、最大傾斜角θを75°にする。
【0087】次に、サイドウォール66の側面の傾斜角
θ1 と金属層の厚さtとエッチング時間とオーバーエッ
チング量を変えて、金属層67の残留物の有無、基板の
掘られの有無について調査したところ、表2のような実
験結果が得られた。なお、金属層67はTi層とTiN 層の
二層構造からなる。
【0088】
【表2】
【0089】表2によれば、傾斜角θ1 が53〜56°
の場合には金属層67の膜厚が70nmであっても、金属
残留物が無く、基板の掘られも無かった。これに対し
て、傾斜角θ1 が58〜67°の場合には、膜厚が70
nmと厚い場合には基板の掘られを無くし、かつ金属層6
7の残留物を完全に除去することができなかった。傾斜
角θが67°であって金属層67の膜厚が70nmの場合
には、式(1)からオーバエッチング量T1 が109nm
となり、この場合基板の掘られが生じた。一方、傾斜角
56°、金属層膜厚70nmの場合にオーバエッチング量
を84nmとしたところ、表2から明らかなように基板の
掘られをなくすことができる。従って、基板掘られが生
じないためには、オーバエッチング量が100nm程度が
上限と考えられる。
【0090】次に、サイドウォール66の幅からサイド
ウォール66の最大傾斜角θの下限をもとめてみる。本
実施例のSRAMセルでは、図11に示すように2つの
デュアルゲート47,48の間の不純物拡散層52にV
ss配線71を接続する構造を採用している。図12は図
11の一部を示し、図12に示すゲート間隔Sは、例え
ばKrF エキシマレーザによるステッパを用いて実験した
ところ、ゲート長Lが0.24μmのときに0.36μ
m程度が限界となった。この場合、SRAMセルの微細
化を阻害せずに、Vss配線71と不純物拡散層52を接
続するためには、そのようなゲート間隔Sでコンタクト
領域が確保されることが必要となる。
【0091】従って、リソグラフィーの限界以下となら
ないために、S≧1.5Lの条件が必要になる。また、
ゲート間隔SでVss配線71のコンタクトをとるために
は、コンタクタ幅Cは、C=S−2X>0(即ち、S=
1.5LならX<0.75L)の条件を満たす必要があ
る。また、最大傾斜θの場合のサイドウォール幅Xの最
小値は、直線的な場合に限られ、ゲート高さ(サイドウ
ォール高さ)をhとすると、X=h/tan θとなる。ゲ
ート高さhは、デュアルゲート47,48をマスクにし
てイオン注入する際にイオンが突き抜けて基板に導入さ
れることを防止できる大きさが必要となり、実験的に
0.24μm程度となる。
【0092】したがって、微細化を阻害しないことを考
慮した場合に、サイドウォール66の幅Xはゲート間隔
Sの半分以下となるので、0.18>Xの条件を満たす
必要がある。したがって、サイドウォール66の最大傾
斜角θは、X=0.24/tan θであることから、θ>
53°となる必要がある。
【0093】最後にエッチング条件と金属層/二酸化シ
リコン選択比との関係を説明する。ECRエッチャーを
用いて金属層67をオーバエッチングする際に、フィー
ルド酸化膜44(SiO2)に対する金属層67のエッチン
グ選択比を高くすることによって基板での溝の形成が防
止される。SiO2に対する金属層67のエッチング選択比
(以下、対酸化膜選択比という)は、ガス流量、マイク
ロ波のパワーにはあまり依存しないことが実験的に確認
されている。
【0094】これに対して、エッチング雰囲気の圧力を
上げると、SiO2と金属層67の双方のエッチング速度は
減少するが、図13に示すように対酸化膜選択比は大き
くなった。また、高周波電源のパワーを下げると、SiO2
と金属層67の双方のエッチング速度は減少するが、図
14に示すように対酸化膜選択比は大きくなった。
【0095】エッチングガスとしてCl2 を248sccm、
BCl3を64ccm 、N2を63sccm導入し、マイクロ波のパ
ワーを800W、高周波電源電力を50W、エッチング
雰囲気圧力を10mTorr として条件下では、TiNとTiの
二層構造の金属層67のエッチング速度は93nm/min
となり、また、コバルトシリサイド層50cのエッチン
グ速度は9nm/min となった。エッチング速度は、シー
ト抵抗の増大から求めた結果である。
【0096】逆にいえば、TiNとTiからなる金属層67
のオーバーエッチング量が93nm(上記したように、上
限は100nm)のときにコバルトシリサイド層50cは
約半分の9nmエッチングされることになり、シート抵抗
は5割程度増大する。従って、コバルトシリサイド層5
0cのシート抵抗の増加を抑制する必要があれば、金属
層67の膜厚を薄くすることが重要である。表2におけ
る傾斜角度58−67°のベストモードでオーバーエン
チング量は170%であるので、金属層の膜厚を30nm
のときには、オーバーエッチング量が51nm(30×
1.7)となり、オーバエッチングによるコバルトシリ
サイド層50cのシート抵抗の増加は26%程度にとど
まる。
【0097】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、半導
体基板の上に形成されたゲート電極と、ゲート電極の下
の半導体基板に形成された第1の不純物拡散層と、第1
の不純物拡散層に隣接して形成され、かつ、第1の不純
物拡散層の濃度よりも高い濃度により形成された第2の
不純物拡散層と、ゲート電極の側壁から第1の不純物拡
散層及び一部の第2の不純物拡散層の上にかけて膜厚を
緩やかに減少させたサイドウォールとを設けるようにし
たので、緩やかな斜面を有して形成されたサイドウォー
ルの下に第2の不純物拡散層が回り込んだ状態になり、
第1の不純物拡散層から十分に離された位置にある第2
の不純物拡散層の上にシリサイド層を形成でき、これに
より、第1の不純物拡散層とシリサイド層との間の直接
的な接触を防止して寄生抵抗を低下することができる。
【0098】また、サイドウォールの下に廻り込む状態
を有した第2の不純物拡散層の上にシリサイド層が設け
られ、シリサイド層が第1の不純物拡散層よりも深い第
2の不純物拡散層に設けらるため、シリサイド層と第1
の不純物拡散層との間には、十分な離隔距離を確保して
接合破壊を防止できる。本発明の半導体装置の製造方法
によれば、ゲート電極が形成された半導体基板に絶縁膜
を形成する工程と、この絶縁膜を平坦化する工程と、平
坦化された絶縁膜を異方性エッチングしてゲート電極の
側部にサイドウォールを形成するようにしたので、ゲー
ト電極の壁から半導体基板にかけて緩やかな傾斜を有す
るサイドウォールを形成することができる。
【0099】なお、本発明の半導体装置の製造方法で
は、不純物を含む絶縁性シリコン化合物を半導体基板の
全面に形成し、その後、絶縁性シリコン化合物を異方性
エッチングし、異方性エッチングされた絶縁性シリコン
化合物をリフロー処理する工程が含まれるので、これに
よっても、ゲート電極の壁から半導体基板にかけて緩や
かな傾斜を有するサイドウォールを形成できる。
【0100】本発明の半導体装置の製造方法では、SO
G溶液を半導体基板に塗布し、その後、SOG溶液のス
ピン処理する工程が含まれる。これによっても、ゲート
電極の壁から半導体基板にかけて緩やかな傾斜を有する
サイドウォールを形成できる。本発明は、さらに、ゲー
トとサイドウォールの一部を含む領域に局所配線を形成
する場合に、そのサイドウォールの最大傾斜角度を75
°以下とし、しかもそのサイドウォールの幅をゲート電
極の幅の0.75倍となるようにしている。サイドウォ
ールの最大傾斜角度を75°以下にすると、サイドウォ
ールの側部に局部的に残存する局所配線用の金属層を除
去するためのオーバーエッチング量が少なくて済み、こ
れにより基板に溝が形成されることを防止できる。しか
も、最大傾斜角度が75°以下にすることによりオーバ
エッチング量の制御が容易となる。また、サイドウォー
ルの幅を、ゲート電極の0.75倍以下にすることによ
ってゲート電極相互の間隔をリソグラフィーの限界まで
縮小しながらサイドウォールを形成できることになる。
そして、そのようなゲート間隔を設けると、ゲート電極
の間の不純物拡散層に上側の配線を接続するスペースが
十分に確保できることになる。
【0101】また、サイドウォールの最大傾斜角度は5
5°以上にしているので、ゲート間隔を十分確保するこ
とがきる。さらに、局所配線を形成する際のオーバーエ
ッチング量が100nm以下にすると、基板に溝が形成さ
れることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る原理的な半導体装置の構造図であ
る。
【図2】本発明の第1実施例に係るMOSFETの断面
構造図である。
【図3】本発明の第1実施例に係るMOSFETの製造
工程を示す断面図(その1)である。
【図4】本発明の第1実施例に係るMOSFETの製造
工程を示す断面図(その2)である。
【図5】本発明の第1実施例に係るMOSFETのゲー
ト電極周辺の断面図である。
【図6】本発明の第2実施例に係るMOSFETの形成
工程図である。
【図7】本発明の第3実施例に係るSRAMセルの等価
回路図である。
【図8】本発明の第3実施例に係るSRAMセルの平面
図である。
【図9】本発明の第3実施例に係るSRAセルの局所配
線の形成工程を示す断面図(その1)である。
【図10】本発明の第3実施例に係るSRAセルの局所
配線の形成工程を示す断面図(その2)である。
【図11】本発明の第3実施例に係るSRAセルのII−
II線断面図である。
【図12】図11の一部を示す断面図である。
【図13】本発明の第3実施例の局所配線に使用するT
iNと酸化膜のエッチング選択比(TiN/酸化膜)に
対する圧力の影響を示す図である。
【図14】本発明の第3実施例の局所配線に使用するT
iNと酸化膜のエッチング選択比(TiN/酸化膜)に
対するRFパワーの影響を示す図である。
【図15】本発明の第3実施例の局所配線となる金属層
のエッチング量を示す図である。
【図16】本発明の第3実施例の局所配線となる金属層
の膜厚に対するオーバーエッチング量の大きさとサイド
ウオールの傾斜角の関係を示す図である。
【図17】従来技術に係るMOSFETの形成工程を示
す断面図である。
【図18】図17に示したMOSFETに関する問題点
を説明するゲート電極周辺の断面図である。
【図19】従来技術に係る局所配線の形成工程を示す断
面図である。
【符号の説明】
11 半導体基板 12 絶縁膜 13,14 不純物拡散層 15 シリサイド層 21 シリコン基板 22A サイドウオールスペーサ 22B ゲート酸化膜 23 n- 型不純物拡散層 24 n+ 型不純物拡散層 25 Tiシリサイド層 32 BPSG膜 41 シリコン基板(半導体基板) 45,46 活性領域 47,48 デュアルゲート 50a,50b.50c シリサイド層 53,54 局所配線 61,63,65 SiO2膜 62 開口部 64,66 サイドウオール 67 金属層 68 レジストパターン 69 層間絶縁膜 70 開口部 71 Vss
フロントページの続き (72)発明者 林 浩美 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 橋本 浩一 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上に設けられたゲート電極と、 前記ゲート電極の側壁に設けられた絶縁膜からなるサイ
    ドウォールと、 前記ゲート電極の下層部の両側に設けられた低濃度の不
    純物拡散層と、 前記低濃度の不純物拡散層に隣接して前記絶縁膜の下層
    部に廻り込む状態を有して設けられた高濃度の不純物拡
    散層と、 前記低濃度の不純物拡散層から離れた状態で、前記高濃
    度の不純物拡散層上に設けられたシリサイド層とを備え
    ることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】半導体基板上に形成された電極または配線
    と、 前記ゲート電極の側壁に形成された絶縁膜からなるサイ
    ドウォールとを備え、 前記サイドウォールの最大傾斜角度が75°以下であ
    り、該サイドウォールの幅が前記電極または配線の幅の
    0.75倍よりも狭く、しかも該電極または配線の上と
    前記サイドウォールの上の一部には局所配線が形成され
    ていることを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】前記絶縁性サイドウォールの上の前記局所
    配線の前記半導体基板の主面に垂直な方向の厚さは、前
    記ゲート電極の上の局所配線の厚さよりも100nm以下
    の量で厚くなっていることを特徴とする請求項2記載の
    半導体装置。
  4. 【請求項4】前記絶縁性サイドウォールの最大傾斜角度
    は、55°以上であることを特徴とする請求項2記載の
    半導体装置。
  5. 【請求項5】ゲート電極が形成された半導体基板に絶縁
    膜を形成する工程と、前記絶縁膜を平坦化する工程と、 平坦化された前記絶縁膜を異方性エッチングして前記ゲ
    ート電極の側壁に絶縁性膜からなるサイドウォールを形
    成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製
    造方法。
  6. 【請求項6】前記半導体基板に絶縁膜を形成する前に、
    前記ゲート電極の両側の半導体基板に第1の濃度の不純
    物拡散層を形成する工程が含まれる請求項5記載の半導
    体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】前記絶縁膜を平坦化する工程には、 絶縁性シリコン化合物を前記半導体基板の全面に形成
    し、その後、該絶縁性シリコン化合物をアルゴンプラズ
    マによりエッチングする工程が含まれる請求項5記載の
    半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】前記絶縁性シリコン化合物を形成する前
    に、別の絶縁膜を全面に形成し、ついで該絶縁膜を略垂
    直にエッチングして、前記ゲート電極の側部に別の絶縁
    性サイドウォールを形成する工程を有することを特徴と
    する請求項5記載の半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】前記絶縁膜を平坦化する工程には、 SOG溶液を前記半導体基板に塗布し、その後、前記S
    OG溶液のスピン処理する工程が含まれるクレーム5記
    載の半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】前記絶縁膜を平坦化する工程には、 不純物を含む絶縁性シリコン化合物を前記半導体基板の
    全面に形成し、その後、該絶縁性シリコン化合物を異方
    性エッチングし、異方性エッチングされた該絶縁性シリ
    コン化合物をリフロー処理する工程が含まれる請求項5
    記載の半導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】前記側壁絶縁膜を形成した後に、前記ゲ
    ート電極の両側の半導体基板に第2の濃度の不純物拡散
    層を形成する工程が含まれる請求項5記載の半導体装置
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 半導体基板上に絶縁膜を介してゲート
    電極を形成する工程と、 前記ゲート電極の側部に絶縁性膜からなるサイドウォー
    ルを形成する工程と、 前記ゲート電極、前記サイドウォール及び前記半導体基
    板の上に導電層を形成する工程と、 前記ゲート電極を含む領域にマスクを形成して前記導電
    層の一部を覆う工程と、 前記導電層をエッチングして局所配線のパターンを形成
    した後に、前記サイドウォールの側部に残った前記導電
    層を100nm以下のオーバーエッチング量で除去する工
    程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  13. 【請求項13】前記サイドウォールの最大傾斜角は、5
    5〜75°であることを特徴とする請求項12記載の半
    導体装置の製造方法。
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