JPH07307370A - 多結晶薄膜の配向性測定方法及び配向性測定装置 - Google Patents

多結晶薄膜の配向性測定方法及び配向性測定装置

Info

Publication number
JPH07307370A
JPH07307370A JP9983694A JP9983694A JPH07307370A JP H07307370 A JPH07307370 A JP H07307370A JP 9983694 A JP9983694 A JP 9983694A JP 9983694 A JP9983694 A JP 9983694A JP H07307370 A JPH07307370 A JP H07307370A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
thin film
polycrystalline thin
orientation
measuring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9983694A
Other languages
English (en)
Inventor
Yumiko Kouno
有美子 河野
Michio Katayama
道雄 片山
Hiroshi Jinriki
博 神力
Tomohiro Oota
与洋 太田
Katsuhiko Ogiso
克彦 小木曽
Hitoshi Okanda
等 大神田
Masahiko Saito
雅彦 齋藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
Original Assignee
Rigaku Denki Co Ltd
Rigaku Corp
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rigaku Denki Co Ltd, Rigaku Corp, Kawasaki Steel Corp filed Critical Rigaku Denki Co Ltd
Priority to JP9983694A priority Critical patent/JPH07307370A/ja
Publication of JPH07307370A publication Critical patent/JPH07307370A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 特性X線の照射径を小さくして微小部分を局
所的に測定する場合にも、迅速かつ正確な極点図の測定
を可能にする多結晶薄膜の配向性測定技術を提供する。 【構成】 多結晶薄膜の配向性測定方法において、前記
多結晶薄膜を有する試料の表面に対向する位置に特性X
線を照射するX線照射源(コリメータ10)及び反射X
線を検出する検出器1が配置される。前記X線照射源及
び検出器1に対して相対的に前記試料にこの試料のX
軸、Y軸及びZ軸の3軸のうちの2軸又は3軸の揺動を
与えながら回折X線強度が測定される。この測定結果に
基づき極点図が作成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特性X線を利用し、多
結晶薄膜の配向性を迅速かつ高精度に測定する配向性測
定技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多結晶材料の配向性を測定する方
法として以下の方法が使用されている。まず、多結晶材
料で形成された試料に特性X線が入射される。入射X線
及び回折X線が得られる結晶面と試料表面との相対的な
関係、つまり前記結晶面での回折面法線と試料表面での
試料面法線とがなす角α及び前記回折面法線の試料面へ
の射影と試料表面内の特定方向とがなす角βの組み合わ
せにおいて、回折X線強度の変化が測定される。この測
定結果に基づいて極点の分布図が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記多結晶薄膜には、
ICやLSIの配線などに代表される多結晶基板上に形
成した多結晶薄膜と、鋼鈑表面の亜鉛鍍金等に代表され
る多結晶基板上に形成した多結晶薄膜とがある。いずれ
の多結晶薄膜も通常特定の方向に配向する性質がある。
【0004】この多結晶薄膜の配向性には、例えばLS
Iの配線の断線不良(エレクトロマイグレーション、ス
トレスマイグレーション)に対する耐性や、亜鉛鍍金の
密着性などの材料特性と密接な関係がある。従って、多
結晶薄膜の配向性を非破壊において迅速にかつ正確に測
定すること、若しくは微小部分を局所的に測定すること
が強く要望されている。
【0005】一方、多結晶薄膜の微小部分を測定するた
めにコリメーター等が利用されるが、特性X線の照射径
(ビーム径)を絞ってゆくと、照射影の中に含まれる結
晶粒の数が少なくなる。そのため、極点図は極の集積の
度合いを示すというよりはむしろ極の有無を示す図とな
り、回折条件が満たされた時のみ回折X線が検出器に入
射される。極の検出感度を上げるために入射X線強度を
強くすると、回折条件が満たされた時には強い回折X線
が検出器に入射され、著しい場合には検出器が破損す
る。この問題に対する対策として検出器を破損しない程
度の弱い入射X線を使用し、しかも検出感度を上げるた
めに回折X線の検出積算時間を長くすることが必要にな
る。
【0006】また、入射X線の発散は照射径の縮小に伴
い小さくなるので、方位が微少にずれた結晶粒において
は回折しない可能性がある。この問題に対しては、前述
の角α、角βの組み合わせにおいてお互いの間隔を小さ
くし、微少にずれた結晶粒から回折の検出し残しを防ぐ
必要がある。
【0007】これら2つの対策においてはいずれも総測
定時間が長くなる方向にあり、測定のスループットが低
下する問題があった。
【0008】特に、LSIの配線の配向性を測定する場
合においては単結晶基板の表面上に被測定物となる多結
晶薄膜が形成されているので、特性X線に僅かに含まれ
る特性X線とは異なる波長のX線成分すなわち白色X線
が単結晶基板の単結晶との間で回折条件が満たされるこ
とにより現れるゴーストピークが検出器に入り、測定が
妨害される問題があった。
【0009】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、多結晶薄膜の配向性測定技術
において特性X線の照射径を小さくして微小部分を局所
的に測定する場合にも迅速かつ正確な極点図の測定を可
能にすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、多結晶薄膜の
配向性測定技術において、試料の多結晶薄膜の結晶面に
特性X線を入射する。結晶面の回折面法線と試料表面の
試料面法線とがなす角をα、及び前記回折面法線の試料
表面への射影と試料表面内の特定方向とがなす角をβと
するとき、角(α,β)の各組み合わせにおいて回折X
線強度を測定する。この測定結果に基づいて極点の分布
図が得られる。特に、前記試料の多結晶薄膜の微小部分
を局所的に測定するために、コリメータなどの手段で細
束化されたX線が使用される。
【0011】多結晶薄膜の配向性測定方法において、極
点図測定の原理を図1に示す。図1において、符号1は
検出器、2は試料表面の入射X線照射位置である。試料
は少なくとも入射X線照射位置2の領域に多結晶薄膜を
有する。X線入射方向51からコリメータ10をへて細
束化された特性X線5は入射X線照射位置2に照射され
る。符号11はX線源である。符号23は試料表面内の
X座標軸、24は前記座標軸Xに直交する試料表面内の
座標軸Yである。符号29は多結晶薄膜の結晶面から垂
直方向に伸びる回折面法線であり、この回折面法線29
と試料面法線25とがなす角をαとする。符号52は前
記回折面法線29の試料表面への射影(射影線)であ
り、この射影52と試料表面のX軸23とがなす角をβ
とする。符号28は特性X線の回折方向であり、前記検
出器1の配置方向をこの回折方向28に一致させる。前
記回折面法線29、回折方向28、X線入射方向51の
それぞれは同一平面上に存在する。
【0012】前記多結晶薄膜の測定対象とする極の結晶
面間隔をd、特性X線の波長をλとすると、波長λ=2
dsinθが得られる。θの補角をηとするとき、回折
面法線29とX線入射方向51とがなす角、回折面法線
29と回折方向28とがなす角度は各々角ηになる。
【0013】以上の座標系において、多結晶薄膜の測定
対象の極の結晶面間隔d、前述の角α及び角βにより定
まる位置にコリメータ10、試料及び検出器1を設置
し、この条件下で回折X線が検出される。この時、回折
面法線29を中心とする極が存在すると推定される。異
なる角α及び角βの組み合わせにおいて、回折X線強度
の差は極の存在に分布を与える。
【0014】そして、多結晶薄膜の配向性測定方法及び
測定装置においては、以下の具体的な手段を備える。
【0015】(1)前記検出器1として位置敏感型比例
検出器(又は位置敏感型比例計数管)が使用される。こ
の位置敏感型比例検出器においては、回折面の方位が微
小にずれた結晶粒から回折された反射X線41〜43の
中で、入射X線照射位置2を頂点としかつ検出器窓1W
の長手方向及び幅方向の拡がりを底面として形成される
仮想的多面体3内の範囲の回折X線41及び43が検出
できる。
【0016】(2)前記角α及び角βの組み合わせにお
いて反射X線を検出しているときに、X軸23、Y軸2
4及びZ軸のうち2軸又は3軸に揺動を与え、試料、特
性X線(入射X線)5及び検出器1の相対的位置関係に
変化を与える。この時、X線照射時間中におけるX線入
射方向51の試料面法線25に対する軌跡が揺動軸回り
に偏差なく均一に分布し、しかも複数の揺動軸によるそ
の軌跡が特定の閉回路とならないように揺動幅及び周期
の制御が行なわれる。
【0017】また、回転歯車等、揺動の制御機構を適切
に選定し、すべての角α及び角βの組み合わせにおける
揺動の際のすべてのX線照射影を通してX線照射影の中
心位置の最大位置ずれ寸法が使用された特性X線の照射
径以下に設定される。
【0018】前記揺動の制御を行わない場合、試料面法
線25に対するX線入射方向51に偏りが生じ、検出さ
れる極の分布は実際の分布にX線入射方向51の偏りに
より発生した極の分布を相乗したものになり、試料の配
向性が正しく測定できない。また、照射影の中心位置ず
れ寸法がX線照射径を越えると、多結晶薄膜の測定予定
領域と異なる部分の配向性が測定されることになり、正
しい測定結果が得られない。
【0019】
【作用】本発明の多結晶薄膜の配向性測定方法において
は、検出器1として位置敏感型比例検出器が使用され、
回折面方位が微小にずれた結晶粒からの回折X線であっ
ても、前記仮想的多面体3の範囲にあれば検出されるの
で、回折の検出効率が向上できる。また、回折X線の検
出中に試料に2軸又は3軸の揺動を与え、試料、検出器
1及び入射X線の相対的位置関係に変化を与えることに
よって、回折面方位が前記仮想的多面体3の範囲を越え
てずれた結晶粒からの回折X線を検出できるので、回折
の検出効率がさらに向上できる。これらの2つの効果を
合わせることによって、発散角の小さい細束X線を照射
して微小部分の局所的な配向性を測定する際にも、回折
面方位が微小にずれた結晶粒の回折X線を検出し残す可
能性が低減できる。
【0020】また、回折X線の検出中に試料、検出器1
及び入射X線の相対的位置関係に変動を与えるので、回
折条件を満たした状態が長時間続くことを防止し、強い
回折X線が検出器1に入射され、検出器1が破損する可
能性を低減できる。
【0021】また、単結晶基板上の多結晶薄膜を測定す
る際に、特性X線とともに不可避に照射される特性X線
とは異なる波長の成分が前記試料の揺動によって単結晶
基板の単結晶と回折条件を満たす確率を著しく低減でき
るので、いわゆるゴーストピークの発生が抑制できる。
【0022】この揺動角の範囲は、入射X線の発散角を
Δγ、前記α、βの組み合わせ(αi ,βj )(i,j
=1,2,3…)における|αk −αl |、|βm −β
n |の各最小値のうちいずれかが小さい方をεとする
と、±Δγ/2以上ε/2以下であることが望ましい。
通常の(α,β)の組み合わせとしては、α及びβの前
記範囲を等分割して、ステップ的に設定される。よって
|αk −αl |、|βm−βn |の各最小値は、α及び
βの最小ステップΔα及びΔβに対応する。今、Δα<
Δβとして揺動の角度範囲を±Δβ/2とするとα方向
の各測定ステップにおいて、角度範囲(Δβ−Δα)/
2の2重に測定される領域が存在する。よって、揺動の
角度範囲の上限としてはΔαとΔβのうちいずれか小さ
い方をεとして±ε/2以下とすることが望ましい。ま
た、入射X線の発散角以下の揺動角は、回折面方位が微
小にずれた結晶粒の回折X線の検出に寄与できないこと
は自明であり、揺動の角度範囲下限は±Δγ/2以上と
することが望ましい。
【0023】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について、図面
を参照し説明する。
【0024】(実施例1)本発明の実施例1である多結
晶薄膜の配向性測定方法について、図1の測定座標系図
及び図2のY軸−Z軸において測定座標系図を使用し、
説明する。
【0025】図1及び図2に示すように、多結晶薄膜の
配向性測定システム(配向性測定装置)にはホルダ22
に保持された試料2Sに対向する位置にコリメータ(X
線照射源)10及び検出器1が配置される。前記コリメ
ータ10は、X線源11で発生した特性X線を細束化
し、試料2Sの表面に照射する。検出器1には位置敏感
型比例検出器が使用される。
【0026】前記試料2SにはSi基板Sの表面上に絶
縁膜(例えば、熱酸化膜)を介在して微細配線(微細配
線パターン)Lが形成される。微細配線LはICやLS
Iの配線材料として使用される低抵抗値のAl−0.5
%Cu膜で形成される。このAl−Cu膜は、前記絶縁
膜の表面上に周知のスパッタリング法で堆積した後、エ
ッチング法でパターニングが施され、微細配線Lとして
形成される。微細配線Lにおいて具体的な一例の寸法を
示せば、膜厚が0.8μm、配線幅は1.0μm及び配
線間隔が3.0μmの条件で形成される。本実施例にお
いては実際のICやLSIの製品を直接測定する場合で
なく測定用の専用試料として試料2Sが形成されるの
で、微細配線Lは例えば1mm×1mm角の範囲内にお
いてSi基板Sの表面上に測定用パターンとして形成さ
れる。つまり、図2に示すように、微細配線Lは上記範
囲内において同一配線幅でかつ同一配線間隔で蛇行させ
て形成される。
【0027】前記コリメータ10はX線源11で発生し
た特性X線を例えば30μmの照射径(ビーム径)に細
束化する。前記X線源11は特性X線、本実施例におい
てCrKα線を発生し、この特性X線はコリメータ10
を通して試料2Sの表面に照射される。
【0028】前記ホルダ22においてはX方向マイクロ
メータ(マイクロメータ付きねじ)3X、Y方向マイク
ロメータ3Y及びZ方向マイクロメータ3Zが装備され
る。このX方向マイクロメータ3X、Y方向マイクロメ
ータ3Y及びZ方向マイクロメータ3Zによってホルダ
22を介在して試料2SがX方向23、Y方向24及び
Z方向25の夫々の方向に移動でき、試料2Sの位置が
調整できる。前記試料2Sは本実施例において1μmの
精度で移動及び位置の調整を行え、又並進移動が1μm
単位で可能である。
【0029】また、ホルダ22は図3に示すように図示
しないステージを介在して揺動機構12に連結される。
この揺動機構12は回転歯車機構を主体として構成され
る。揺動機構12は、Z軸(25)を回転軸とする面内
回転φ、X軸(23)を回転軸とする煽りω、Y軸(2
4)を回転軸とする煽りχの3軸の回転をホルダ22に
与える。面内回転φの回転軸、煽りωの回転中心の夫々
は一致し、この一致した点を煽りχの回転軸が通過す
る。これらの回転軸が一致する点は試料2Sの測定点と
して使用され、この測定点は入射X線照射位置2にな
る。
【0030】次に、前記試料2Sの微細配線L(多結晶
薄膜)の配向性測定方法の手順について、簡単に説明す
る。
【0031】まず、ホルダ22に試料2Sを保持する。
試料2Sは、この試料2Sの微細配線1Lの配線長手方
向をX方向(X軸)に一致させ、ホルダ22に取り付け
られる。試料2Sでは微細配線LのA1(220)結晶
面において配向性が測定される。
【0032】この保持された試料2Sの入射X線照射位
置2の位置と実際に照射する特性X線の位置との位置合
わせを行う。位置合わせには例えば焦点深度15μm、
分解能1μm以下の顕微鏡が利用され、相互の位置が記
憶されながら行われる。前記3軸の回転時の照射影中心
の最大位置ずれ長さは例えば6μm以下に設定される。
【0033】次に、前記試料2Sの微細配線Lに特性X
線を照射し、この微細配線LのAl(220)結晶面で
回折される回折X線が検出器1で入射できるように前記
揺動機構12によって煽りωが制御される。また、回折
面法線29と試料面法線25とがなす角αは煽りχで、
回折面法線29の試料面への射影線と試料2Sの表面内
の特定方向(本実施例においては、X軸方向)とがなす
角βは面内回転φで夫々制御される。
【0034】前記各角α及び角βの組み合わせが設定さ
れ、回折X線を検出する最中に煽りω、煽りχ及び面内
回転φの3軸に各々±2度の振幅で互いに異なる周期の
揺動が行われる。この揺動を与えた状態で、角α=25
〜45度まで5度おきに、各β=0〜360度まで5度
おきに、夫々測定を行い、この測定に基づいて極点図が
得られる。この得られた極点図においては、各α=35
〜45度、各β=20、80、140、200、26
0、320度の夫々の領域で極の集積が得られた。
【0035】<比較例1>前記試料2S、測定装置、測
定位置、入射X線及び検出器1の位置関係と、角α及び
角βの組み合わせは実施例と同様に設定し、煽りω、煽
りχ及び面内回転φの3軸には揺動を与えずに固定した
まま配向性を測定した。
【0036】特定の角α及び角βの組合わせにおいて測
定の極とは異なる強い回折X線が検出器1に入射し、こ
の結果、測定対象の極の反射X線の検出が阻害され、極
の分布に不自然な偏りが発生した。
【0037】この偏りは、特定の角α及び角βの組合わ
せにおいて、特性X線に僅かに含まれる異なる波長のX
線が、試料2Sの下地の単結晶基板の単結晶Siと偶然
回折条件を満たしたものであると考えられる。前記実施
例1においては、試料2Sを相対的に3軸で揺動させる
ことによって、回折条件を満たす確率が低減でき、測定
が阻害されるには至らない。
【0038】(実施例2)本発明の実施例2においては
測定装置が実施例1と同様のものを使用し、特性X線は
30μm径に細束化したCrKα線を使用し、鋼鈑上の
亜鉛鍍金被膜のZn(001)結晶面の極点図を測定し
た例である。煽りωはZn(002)結晶面で回折X線
を得るように設定し、角α=0〜50度まで5度おき
に、角β=0〜360度まで5度おきに測定が行なわれ
た。各角α、角βの組合わせにおいて、回折X線を検出
する最中に煽りω、煽りχ及び面内回転φの3軸が夫々
±1度の振幅で互いに異なる周期の揺動を行うようにし
た。得られた極点図は、角α=12度及び角β=23度
と、角α=35度及び角β=40度とにおいて集積を示
した。前者の回折X線強度の分布は最大広がりにして3
度と小さく、回折強度は145cpsと弱い。一方、後
者の回折X線強度は積算値として13460cpsとか
なり強かった。
【0039】<比較例2>試料2S、測定装置、測定位
置、入射X線及び検出器1の夫々の位置関係と、角α及
び角βの組合わせとは前記実施例2と同様に設定し、煽
りω、煽りχ及び面内回転φの3軸には揺動を与えず、
固定したまま配向性が測定された。
【0040】その結果、実施例2では得られた角α=1
2度及び角β=23度付近の極が検出されなかった。ま
た、角α=35度及び角β=40度においては、200
00cps以上の強い回折X線が検出器1に入射され、
検出器1の内部で異常放電が発生した。
【0041】つまり、試料2Sを相対的に3軸で揺動さ
せなかったので極を検出し残す一方、回折条件を満たし
た時には、非常に強いX線が回折されたものと考えられ
る。
【0042】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種
々変更できる。
【0043】例えば、本発明は、試料の微細配線、つま
り配向性を測定する多結晶膜として、MoSix膜、T
iSix膜等の高融点金属シリサイド膜を使用してもよ
い。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
多結晶薄膜の配向性測定技術において、特性X線及び位
置敏感型比例計数管を使用し、試料に相対的に2軸又は
3軸の揺動を与えながら回折X線強度を測定し、この測
定に基づいて極点図を作成したので、特性X線の照射径
を小さくして微小部分を局所的に測定する場合にも迅速
かつ正確な極点図の測定が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多結晶薄膜の配向性測定方法の原理図
である。
【図2】本発明の実施例1である多結晶薄膜の配向性測
定方法を説明する測定座標系図である。
【図3】前記図2のY軸−Z軸における測定座標系図で
ある。
【符号の説明】
1 検出器 2 入射X線照射位置 2S 試料 L 微細配線 3X,3Y,3Z マイクロメータ 10 コリメータ 11 X線源 12 揺動機構 22 ホルダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片山 道雄 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 神力 博 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 太田 与洋 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 小木曽 克彦 東京都昭島市松原町3−9−12 理学電機 株式会社拝島工場内 (72)発明者 大神田 等 東京都昭島市松原町3−9−12 理学電機 株式会社拝島工場内 (72)発明者 齋藤 雅彦 東京都昭島市松原町3−9−12 理学電機 株式会社拝島工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多結晶薄膜を有する試料に特性X線を照
    射し、前記多結晶薄膜の特定結晶面からの回折X線を検
    出し、前記多結晶薄膜の配向性を測定する多結晶薄膜の
    配向性測定方法において、 前記試料、この試料に特性X線を照射するX線照射源及
    び回折X線を検出する位置敏感型比例計数管を配置し、 前記試料が有する多結晶薄膜の特定結晶面からの垂線で
    ある回折面法線と前記試料のX線が照射される表面から
    の垂線である試料面法線とがなす角度α、及び前記回折
    面法線の試料表面への射影と前記試料表面の特定方位と
    がなす角度βの組み合せを設定し、2つ以上の回転軸回
    りに各回転軸から各々所定角度範囲内で前記試料を揺動
    させながら回折X線強度を測定し、 前記測定結果に基づき前記試料の多結晶薄膜の極点図を
    作成することを特徴とする多結晶薄膜の配向性測定方
    法。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載される多結晶薄膜の
    配向性測定方法において、 入射X線の発散角をΔγとし、(α,β)のすべての組
    み合わせ(αi ,βj)(i,j =1,2,3…)におけ
    る|αk −αl |、|βm −βn |の各最小値のうちい
    ずれかより小さい方をεとすると、 前記試料が2つ以上の回転軸回りに各々±Δγ/2以上
    ±ε/2以下の角度範囲で揺動されることを特徴とする
    多結晶薄膜の配向性測定方法。
  3. 【請求項3】 前記請求項1又は請求項2に記載される
    多結晶薄膜の配向性測定方法において、 前記試料が3つの回転軸回りに各回転軸から各々所定角
    度範囲内で揺動されることを特徴とする多結晶薄膜の配
    向性測定方法。
  4. 【請求項4】 多結晶薄膜を有する試料に特性X線を照
    射し、前記多結晶薄膜の特定結晶面からの回折X線を検
    出し、前記多結晶薄膜の配向性を測定する多結晶薄膜の
    配向性測定装置において、 前記試料が保持でき、かつ前記試料が有する多結晶薄膜
    の特定結晶面からの垂線である回折面法線と前記試料の
    X線が照射される表面からの垂線である試料面法線とが
    なす角度α、及び前記回折面法線の試料表面への射影と
    前記試料表面の特定方位とがなす角度βの組み合わせが
    設定できる試料ホルダと、 前記試料に特性X線を照射するX線照射源と、 前記試料からの回折X線を検出する検出器と、 前記試料の組み合わせの角度が設定された状態で前記試
    料を2つ以上の回転軸回りに各回転軸から各々所定角度
    範囲内で揺動させる揺動手段と、 前記回折X線の検出に基づいて試料の極点図を作成する
    極点図作成手段と、 を備えたことを特徴とする多結晶薄膜の配向性測定装
    置。
  5. 【請求項5】 前記請求項4に記載される多結晶薄膜の
    配向性測定装置において、 前記揺動手段が試料を3つの回転軸回りに各回転軸から
    各々所定角度範囲内で揺動させる揺動手段であることを
    特徴とする多結晶薄膜の配向性測定装置。
JP9983694A 1994-05-13 1994-05-13 多結晶薄膜の配向性測定方法及び配向性測定装置 Pending JPH07307370A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9983694A JPH07307370A (ja) 1994-05-13 1994-05-13 多結晶薄膜の配向性測定方法及び配向性測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9983694A JPH07307370A (ja) 1994-05-13 1994-05-13 多結晶薄膜の配向性測定方法及び配向性測定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07307370A true JPH07307370A (ja) 1995-11-21

Family

ID=14257903

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9983694A Pending JPH07307370A (ja) 1994-05-13 1994-05-13 多結晶薄膜の配向性測定方法及び配向性測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07307370A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008051713A (ja) * 2006-08-25 2008-03-06 Kobe Steel Ltd ポリシリコン薄膜結晶性測定装置及びその方法
US8617310B1 (en) 2005-03-09 2013-12-31 Us Synthetic Corporation Method and system for perceiving a boundary between a first region and a second region of a superabrasive volume
US8969833B1 (en) 2011-12-16 2015-03-03 Us Synthetic Corporation Method and system for perceiving a boundary between a first region and a second region of a superabrasive volume
CN107478690A (zh) * 2017-07-01 2017-12-15 华中科技大学 一种基于叉指电极的高分子层内剪切取向测量方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8617310B1 (en) 2005-03-09 2013-12-31 Us Synthetic Corporation Method and system for perceiving a boundary between a first region and a second region of a superabrasive volume
US9453802B1 (en) 2005-03-09 2016-09-27 Us Synthetic Corporation Method and system for perceiving a boundary between a first region and a second region of a superabrasive volume
JP2008051713A (ja) * 2006-08-25 2008-03-06 Kobe Steel Ltd ポリシリコン薄膜結晶性測定装置及びその方法
US8969833B1 (en) 2011-12-16 2015-03-03 Us Synthetic Corporation Method and system for perceiving a boundary between a first region and a second region of a superabrasive volume
US9423364B1 (en) 2011-12-16 2016-08-23 Us Synthetic Corporation Method and system for perceiving a boundary between a first region and second region of a superabrasive volume
CN107478690A (zh) * 2017-07-01 2017-12-15 华中科技大学 一种基于叉指电极的高分子层内剪切取向测量方法
CN107478690B (zh) * 2017-07-01 2018-04-10 华中科技大学 一种基于叉指电极的高分子层内剪切取向测量方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1462795B1 (en) X-Ray diffractometer for grazing incidence switchable between in-plane and out-of-plane measurements
Gibaud et al. The correction of geometrical factors in the analysis of X-ray reflectivity
RU2449262C2 (ru) Рентгенодифракционная установка и способ рентгеновской дифракции
US6873681B2 (en) Method of estimating preferred orientation of polycrystalline material
Campbell et al. Relationship between texture and electromigration lifetime in sputtered AI-1% Si thin films
JPH07307370A (ja) 多結晶薄膜の配向性測定方法及び配向性測定装置
US4761560A (en) Measurement of proximity effects in electron beam lithography
JPH05126768A (ja) 蛍光x線の分析方法
US8744046B2 (en) Method and apparatus of precisely measuring intensity profile of X-ray nanobeam
KR20020008859A (ko) 광학적 방법을 이용한 금속막 두께 측정 장치 및 그를이용한 금속막 두께 측정 방법
Niggemeier et al. X-ray reflectometer for the diagnostics of thin films during growth
JP2972465B2 (ja) 半導体基板素子の金属配線劣化検出方法
JPH1048159A (ja) 構造解析方法及び構造解析装置
JP2001267235A (ja) 露光装置及びその露光装置におけるフォトマスクの位置合わせ方法
JP2952284B2 (ja) X線光学系の評価方法
JPH08240489A (ja) X線応力測定方法
Kozubowski Determination of the crystal orientation from intersections of kikuchi lines
JPH01214117A (ja) パターン露光方法
JPS59120909A (ja) レジスト塗布膜厚測定方法
Thompson et al. Characterization of the focal quality of micron-size beams from x-ray mirrors and zone plates
JPS61228626A (ja) パタ−ン修正装置
JP2000338059A (ja) 試料アライメント方法およびx線測定装置
JPH04247613A (ja) X線マスクアライメント方法及びその装置
SU1733988A1 (ru) Способ контрол ориентации монокристалла
JPH11248652A (ja) X線回折測定法およびx線回折装置