JPH07305848A - 燃料ノズル・アセンブリ、ガスタービン装置及び低NOxガスタービン装置における燃焼不安定性を低減する方法 - Google Patents

燃料ノズル・アセンブリ、ガスタービン装置及び低NOxガスタービン装置における燃焼不安定性を低減する方法

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JPH07305848A
JPH07305848A JP7020435A JP2043595A JPH07305848A JP H07305848 A JPH07305848 A JP H07305848A JP 7020435 A JP7020435 A JP 7020435A JP 2043595 A JP2043595 A JP 2043595A JP H07305848 A JPH07305848 A JP H07305848A
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    • F23R2900/00014Reducing thermo-acoustic vibrations by passive means, e.g. by Helmholtz resonators

Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃焼不安定性を低減させることのできる燃料
ノズル・アセンブリを提供する。 【構成】 燃料ノズル32は、多数の内部通路60〜6
3を有している実質的に円筒形の本体を有している。通
路の1つは、ノズル32に取り付けられている複数の燃
料インジェクタ66に予混合気体燃料を供給する。残り
の通路は、拡散気体、噴霧空気及び液体燃料用にし得
る。残りの通路の1つ以上は、ノズル本体の円筒形側面
に形成されたそれぞれ1群の吐き出しオリフィス71〜
73に連結されている。低NOx 運転中、予混合気体を
インジェクタ66に導入し、残りの通路をすべて空気で
パージし、燃焼室からの火炎ガスの侵入を防止する。こ
うして、側面に形成されたオリフィス71〜73から射
出される空気ジェット流は、ノズル32の先端から流れ
る径間方向のうずを分散し切り刻む。空気ジェット流
は、ノズル32の長さ方向軸線に対して約45度の角度
で吐き出されることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般的にはガスタービ
ン燃焼器に関し、特に、燃焼に伴う不安定性を低減する
ガスタービン燃焼器の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】発電所の設計において、NOx 等の有害
ガスの大気中への放出量を減少させることが一番の関心
事となっている。この問題を解決すべく、過薄(リー
ン)予混合燃焼を用いた低NOx 燃焼器が開発されてい
る。このような燃焼器の一例では、複数のバーナが単一
の燃焼室に取り付けられている。各バーナは、流れ管の
中心に燃料ノズルを設けた構成であって、この燃料ノズ
ルは円筒形ハブを含んでいる。この円筒形ハブは、複数
の燃料インジェクタと、空気スワラとを支持しており、
その下流端に平坦面を有している。低NOx 運転用の予
混合噴射段に加えて、各燃料ノズルには、始動及び緊急
運転用の拡散噴射段と、液体燃料運転用の液体燃料噴射
段とを設けることができる。拡散気体燃料と、液体燃料
とを、燃料ノズルの平坦端面に配置されているオリフィ
スから噴射させることが代表的である。
【0003】低NOx (予混合)運転中、燃料を燃料イ
ンジェクタから噴射し、流れ管内でうず巻き空気と混合
させる。予混合運転中、拡散燃料回路及び液体燃料回路
を空気でパージして、火炎ガスを通路の外側に維持す
る。燃焼火炎は、燃料ノズルの後ろ側でのブラッフ・ボ
ディ再循環と、うずが存在する場合にはうず破壊とによ
って、安定化される。予混合系統では、燃焼不安定性の
結果として強い圧力ゆらぎが生じることが代表的であ
る。燃焼不安定性は、燃料ノズルの平坦先端から径間方
向のうずが流れることに関係していると考えられてい
る。
【0004】これらの圧力ゆらぎは、装置の運転を厳し
く制限し、場合によっては、燃焼器ハードウェアに物理
的損害を与えるおそれがある。更に、拡散燃料回路及び
液体燃料回路を通してのパージ空気の流れは、再循環領
域に直接噴射される。この直接噴射は、局所温度及び再
循環の強さを低減させ、火炎安定性に悪影響を与える。
【0005】従って、圧力ゆらぎを低減すると共に、パ
ージ空気を再循環領域に直接噴射することによる悪影響
を回避する低NOx 燃焼器が求められている。
【0006】
【発明の概要】上述した要求を満たす本発明は、ガスタ
ービン燃焼器用の改良された燃料ノズル・アセンブリを
提供する。燃料ノズル・アセンブリは、実質的に円筒形
の本体を含んでおり、この本体の内部には、予混合気体
通路と、拡散気体通路とが形成されている。複数の燃料
インジェクタが、本体の円筒形表面から半径方向外向き
に延在しており、燃料インジェクタの各々は、予混合気
体通路と流体連通している少なくとも1つの噴射口を有
している。複数の吐き出しオリフィスが本体の円筒形表
面に形成されており、拡散気体通路と流体連通してい
る。本体は、複数の同心管と、これらの管の前端に配設
されている吐き出しチップとを含んでいる。予混合気体
通路と、拡散気体通路とは、同心管のうちの隣接してい
る同心管の間に形成されており、吐き出しオリフィス
は、吐き出しチップに形成されている。オリフィスは、
燃料インジェクタの下流に配置されており、その形状は
長方形、円形又は三角形にすることができる。複数の吐
き出しオリフィスは、吐き出しチップに形成されている
複数のチャンネルによって、拡散気体通路に流体連結さ
れている。チャンネルの各々は、本体の長さ方向軸線と
適当な角度、好ましくは約45度を成している。
【0007】予混合気体通路及び拡散気体通路の他に、
燃料ノズル・アセンブリには、液体燃料通路と、噴霧空
気通路とを設けることができる。これらの追加の通路は
従来と同様に、燃料ノズル・アセンブリの平坦先端(bl
uff end )から軸線方向に吐き出すように配置しても、
円筒形表面から吐き出すように配置してもよい。後者の
場合、複数の第2の吐き出しオリフィスが本体の円筒形
表面に形成されて、液体燃料通路と流体連通しており、
又、複数の第3の吐き出しオリフィスが本体の円筒形表
面に形成されて、噴霧空気通路と流体連通している。
【0008】低NOx 運転中、予混合ガスを燃料インジ
ェクタに導入する。拡散気体通路、液体燃料通路及び噴
霧空気通路をすべて空気の流れでパージして、火炎ガス
が燃焼室から侵入するのを防止する。吐き出しオリフィ
スの少なくともいくつかは燃料ノズル本体の円筒形表面
に形成されているので、パージ空気は燃焼室内に適当な
角度で、燃焼室への1次流れを横切る方向に射出され
る。このパージ空気は、燃料ノズル・アセンブリの平坦
先端から流れる径間方向うずを分散させたり、切り裂い
たりし、これにより、燃焼不安定性及び圧力ゆらぎを低
減させる。
【0009】従って、本発明は、パージ空気を角度を成
して射出させることにより、ガスタービン燃焼器の運転
範囲を拡大すると共に、燃焼器への物理的損害を低減さ
せることができる。パージ空気を再循環領域にまっすぐ
に射出しないので、再循環領域温度及び火炎安定性への
パージ空気の悪影響も低減される。もう1つの効果とし
て、角度を成した射出により、再循環領域の大きさが増
大し、これにより火炎安定性が向上する。更に、吐き出
しオリフィスが燃料ノズル・アセンブリの平坦先端にで
はなく、側面に配置されているので、吐き出しオリフィ
スは燃焼室から火炎を取り込み難い。拡散モード及び/
又は液体燃料モードで運転しているときに、角度を成し
た射出により燃料混合が向上する。混合が向上すると、
NOx 放出量が減少し、点火性能が上昇する。
【0010】本発明の他の目的及び効果は、図面を参照
した以下の詳細な記載から明らかになるであろう。
【0011】
【実施例】本発明の要旨は、上に説明した通りである
が、以下に図面を参照しながら、本発明の具体的な構成
を説明する。図面において、同一の参照番号は同一の構
成要素を示す。図1は本発明によるガスタービンの1つ
の燃焼器の部分断面図である。ガスタービン10は、圧
縮機12(一部のみを図示)と、複数の燃焼器14(便
宜上及び明確にするため、1つのみを図示)と、タービ
ン16(図面では単一のブレードによって代表させてい
る)とを含んでいる。図示していないが、タービン16
は共通軸線に沿って、圧縮機12に駆動連結されてい
る。圧縮機12は入口空気を圧縮し、次いで圧縮された
入口空気は、燃焼器14に反対方向に流れ、こうして、
圧縮空気を用いて燃焼器を冷却すると共に、燃焼過程に
空気を供給する。燃焼器14を1つしか示していない
が、ガスタービン10には複数の燃焼器14が円周状に
配置されている。二重壁移行ダクト18が、各燃焼器1
4の出口端をタービン16の入口端と連結しており、高
熱の燃焼生成物をタービン16に送り出す。
【0012】各燃焼器14は、実質的に円筒形の燃焼ケ
ーシング24を含んでいる。燃焼ケーシング24は、開
口した前端の位置でタービンケーシング26にボルト2
8によって固定されている。燃焼ケーシング24の後端
は、端部カバー・アセンブリ30によって閉じられてい
る。端部カバー・アセンブリ30は、気体、液体燃料及
び空気(そして所望により、水)を燃焼器14に供給す
るための通常の供給管、マニホールド及び関連した弁等
から構成されている。端部カバー・アセンブリ30は、
複数(例えば、5つ)の燃料ノズル・アセンブリ32
(便宜上及び明確のため、1つのみを図示)を含んでお
り、複数の燃料ノズル・アセンブリ32は、燃焼器14
の長さ方向軸線の周りに円形配列に配設されている。各
燃料ノズル・アセンブリ32は、気体燃料、液体燃料及
び空気(そして所望により、水)を受け取る入口を有し
ている後方供給部52と、前方送り出し部54とを含ん
でいる実質的に円筒形の本体である。
【0013】燃焼ケーシング24内には、実質的に円筒
形の流れスリーブ34が実質的に同心関係をもって装着
されている。流れスリーブ34の前端は、二重壁移行ダ
クト18の外壁36に連結されている。流れスリーブ3
4の後端は半径方向フランジ35によって、燃焼器ケー
シング24の前方部分と後方部分とを接合している突合
せ継手37の位置で、燃焼ケーシング24に連結されて
いる。
【0014】流れスリーブ34内には、燃焼ライナ38
が同心に配設されている。燃焼ライナ38の前端は、移
行ダクト18の内壁40に連結されている。燃焼ライナ
38の後端は、燃焼ライナ・キャップ・アセンブリ42
によって支持されており、一方、燃焼ライナ・キャップ
・アセンブリ42は燃焼ケーシング24内に、複数の支
柱39によって支持されている。移行ダクト18の外壁
36、及び燃焼ケーシング24をタービン・ケーシング
26にボルト28でボルト締めしている位置の前方に延
在している流れスリーブ34の部分には、それぞれの周
面に分布している開口(アパーチャ)44が形成されて
おり、これにより空気は、(図1に流れ矢印で示すよう
に)圧縮機12からこれらの開口44を通って、流れス
リーブ34とライナ38との間の環状空間に、燃焼器1
4の上流端又は後端に向かって反対方向に流れる。
【0015】燃焼ライナ・キャップ・アセンブリ42
は、各燃料ノズル・アセンブリ32当たり1つずつの複
数の予混合管46を支持している。具体的には、各予混
合管46はその前端及び後端で、前部プレート47及び
後部プレート49によって燃焼ライナ・キャップ・アセ
ンブリ42内に支持されており、前部プレート47及び
後部プレート49の各々には、端部の開口した予混合管
46と心合わせされた開口が設けられている。予混合管
46は、その内部に燃料ノズル・アセンブリ32の前方
送り出し部分54が同心状に配設されるように支持され
ている。
【0016】後部プレート49には、後方に延在してい
る複数の浮遊カラー48(各予混合管46について1
つ)が後部プレート49の開口と実質的に心合わせ関係
に配列されて、装着されている。各浮遊カラー48は、
環状空気スワラ50を包囲関係でそれぞれの燃料ノズル
・アセンブリ32に支持している。半径方向燃料インジ
ェクタ66がスワラ50の下流に設けられており、気体
燃料を予混合管46内に配置されている予混合区域69
に吐き出す。これらの要素は、空気が以下の順路で流れ
るように構成されている。ライナ38と流れスリーブ3
4との間の環状空間に流れる空気は、再度反対方向に
(端部キャップ・アセンブリ30とスリーブ・キャップ
・アセンブリ42との間で)燃焼器14の後端に押し込
まれ、次いでスワラ50及び予混合管46に流れ、その
後、予混合管46の下流のライナ38内の燃焼領域又は
燃焼室70に入る。点火は、多重燃焼器14内でスパー
ク・プラグ20によって、クロス・ファイア管22(1
つのみを示す)と関連して通常の態様で達成される。
【0017】図2に、本発明の燃料ノズル・アセンブリ
32の一実施例を線図的に断面図にて示す。燃料ノズル
・アセンブリ32をガスタービン10に装備するものと
して説明したが、これは具体的に説明するために過ぎ
ず、燃料ノズル・アセンブリ32は他の設計のガスター
ビンにも等しく適用することができる。前方送り出し部
54は、4つの同心な管56〜59と、これらの同心な
管の前方端、即ち下流端に配設されている吐き出しチッ
プ55とを含んでいる。これらの管は半径方向に離間し
ており、隣接する管同士で相互の間に環状の通路を画定
している。同心な第1の管56と第2の管57と(即
ち、半径方向最外側の2つの同心な管)は相互の間に、
後方供給部52からの予混合気体燃料を受け取る予混合
気体通路60を画定している。予混合気体通路60は複
数の半径方向燃料インジェクタ66と連通しており、燃
料インジェクタ66の各々には複数の燃料噴射口(又は
孔)68が設けられており、気体燃料を予混合管46内
に配置されている予混合区域69に吐き出す。噴射され
た燃料は圧縮機12から反対方向に流れて来る空気と混
ざって、半径方向インジェクタ66の上流で燃料ノズル
・アセンブリ32を包囲している環状スワラ50によっ
てうず状に旋回させられる。
【0018】同心な第2の管57と第3の管58とは相
互の間に、拡散気体通路61を画定しており、同心な第
3の管58と第4の管59とは相互の間に、噴霧空気通
路62を画定している。第4の管59、即ち最内側の同
心な管は内部に、中心液体燃料通路63を形成してい
る。気体燃料を予混合気体通路60に供給する他に、後
方供給部52は又、気体燃料を拡散気体通路61に、空
気を噴霧空気通路62に、そして液体燃料を液体燃料通
路63にそれぞれ供給する。後方供給部52の動作は、
当業界で周知の通りである。例えば、ボーコウィクス
(R. Borkowicz)等の米国特許番号第5259184号
(1993年11月9日発行)に記載されている後方供
給部が適当であり、ここに参照されるべきものである。
燃料を噴射するのに用いないときには(即ち、予混合モ
ード運転中には)、通路61及び63を空気の流れでパ
ージして、燃焼室70から火炎ガスが侵入するのを防止
する。
【0019】燃料ノズル・アセンブリ32には所望に応
じて、当業者によって理解され得る態様でNOx を低減
させるために、燃焼室70に水を供給する追加の通路
(図示していない)を設けることができる。このような
水通路を用いる場合には、水通路が噴霧空気通路62の
半径方向内側に配置されるように、追加の同心な管を設
ける。当業者には理解され得るように、本発明では、水
噴射の使用をなるべく控えるべきである。1次過薄(リ
ーン)予混合モードの運転がNOx 放出量を低減する態
様として好適であるからである。
【0020】吐き出しチップ55の円筒形側面には、通
路61〜63にそれぞれ対応している3組の吐き出しオ
リフィス71〜73が設けられている。これら3組の各
々は、半径方向燃料インジェクタ66の下流で且つ燃料
ノズル・アセンブリ32の平坦先端近くで、吐き出しチ
ップ55の周囲に配設されている複数のオリフィスを含
んでいる。吐き出しチップ55には複数の内部チャンネ
ル74〜76が設けられており、吐き出しオリフィス7
1〜73をそれらに対応している通路に流体連結してい
る。具体的には、第1の組のオリフィス71の各々は、
チャンネル74によって拡散気体通路61に連結されて
おり、第2の組のオリフィス72の各々は、チャンネル
75によって噴霧空気通路62に連結されており、第3
の組のオリフィス73の各々は、チャンネル76によっ
て液体燃料通路63に連結されている。
【0021】オリフィス71〜73は、従来のように吐
き出しチップの裏面に設けられているのではなく、吐き
出しチップ55の外側円筒面に形成されているので、オ
リフィス71〜73からの吐き出しは燃焼室70内に、
燃焼室70への1次流れに沿ってではなく、1次流れを
横切る方向に噴射される。チャンネル74〜76は、燃
料ノズル・アセンブリ32の長さ方向軸線に対してある
角度で配設されており、適当な噴射角をもたらす。チャ
ンネル74〜76と、燃料ノズル・アセンブリ32の長
さ方向軸線との成す角度を90°以下とすることができ
るが、約45°の角度が最適と考えられる。図2に示す
ように半径方向において長さ方向軸線に対して適当な角
度を成す他に、チャンネル74〜76は、円周方向にも
適当な角度に傾斜させて、予混合管46を通って流れる
空気のうず流と同じか又は反対のうず流を生成すること
ができる。
【0022】前述したように、通路61〜63の各々
は、角度を成して吐き出しをするように配列されてい
る。しかしながら、このことは燃焼不安定性の低減を図
る上で必須ではない。他の例では、噴霧空気通路62
を、又は噴霧空気通路62及び液体燃料通路63の両方
を、従来行われているように、燃料ノズル・アセンブリ
32の平坦先端から実質的に軸線方向に吐き出すように
構成することができる。このような実質的に軸線方向の
吐き出しが前述の米国特許番号第5259184号に記
載されている。拡散気体通路61は、前述した態様で角
度を成した噴射をするように配設したままにする。
【0023】図3〜図6に示すように、各組の吐き出し
オリフィス71〜73は、吐き出しチップ55の円周の
周りに等間隔に配設されている。隣接しているオリフィ
スの間の円周方向間隔は、代表的な運転条件では、境界
層の厚さ程度とすることが好ましいが、それに限定され
ない。3組のオリフィス71〜73を、図3に示すよう
に軸線方向に整列させても、又は図4に示すように1組
ごとに互い違いにしてもよい。オリフィス71〜73を
図3及び図4に示す長方形の断面形状に限定する必要は
ない。図5及び図6にそれぞれ示すように、オリフィス
71〜73を三角形又は円形の断面形状として効果を最
適にすることもできる(尚、ここで用いる用語「円形」
は、楕円形状を包含するものである。)。オリフィス7
1〜73は図3〜図6では、燃料ノズル・アセンブリ3
2の長さ方向軸線に平行に向けられているものとして示
されている。しかしながら、これは図示の目的に過ぎ
ず、必ずしも実際の配向ではない。オリフィス71〜7
3を、予混合管46に流れる空気のうず流に揃うか又は
反対向きに配向させることが好ましい。
【0024】運転時には、各燃焼器14の各燃料ノズル
・アセンブリ32が同様に機能する。始動時には、拡散
気体燃料を拡散気体通路61及び内部チャンネル74を
通して供給し、オリフィス71を介してライナ38の内
側の燃焼室70内に吐き出し、燃焼室70で拡散気体燃
料を燃焼空気と混合する。この混合物をスパーク・プラ
グ20で点火し、燃焼室70内で燃焼させる。緊急運転
用には拡散噴射モードを用いることもできる。液体燃料
運転の場合には、液体燃料を液体燃料通路63及びチャ
ンネル76を通して供給し、オリフィス73を通して吐
き出す。この液体燃料を、噴射空気通路62及びチャン
ネル75からオリフィス72を通して吐き出される空気
によって霧化し、燃焼室70で燃焼させる。液体燃料噴
射モードは主として、1次低NOx 運転モードに対する
バックアップ・システムとして設けられている。
【0025】低NOx 運転を行うためには、予混合気体
燃料を予混合気体通路60に供給し、半径方向燃料イン
ジェクタ66の噴射口68から吐き出す。予混合燃料
は、燃焼ライナ38と流れスリーブ34との間の環状空
間から予混合管46に入ってスワラ50を通過する空気
と混ざり合う。混合物は燃焼室70に流れ、燃焼室70
で拡散モードの運転から先に存在している火炎によって
点火される。この燃料及び空気混合物の流れを、ここで
は燃焼室70への1次流れと言う。
【0026】予混合、低NOx 運転中、通路61〜63
を空気の流れでパージして、燃焼室70から火炎ガスが
侵入するのを防止する。こうすると、燃焼室70への一
時流れを横切る向きのパージ空気の個別のジェット流
が、吐き出しチップ55の吐き出しオリフィス71〜7
3の各々から射出される。これらのジェット流は、燃料
ノズル・アセンブリ32の平坦先端から流れる径間方向
のうずを分散したり又はずたずたに切り、これにより、
燃焼不安定及び圧力変動を小さくする。更に、パージ空
気が角度を成して噴射されることにより、再循環領域の
寸法が大きくなり、パージ空気が再循環領域温度及び火
炎安定性に与える悪影響が少なくなる。空気が剪断層に
よってよく混合されるからである。そして、拡散モード
及び/又は液体燃料モードで運転しているとき、通常の
端面からの噴射に比べて、剪断層はオリフィス71〜7
3を通して噴射される燃料の混合を高める。混合が改良
されると、NOx 放出量が減少し、点火性能が向上す
る。
【0027】上述したように、本発明のガスタービン燃
焼器用の改良された燃料ノズル・アセンブリは、燃焼器
の運転範囲を拡大し、圧力変動による疲労を低減する。
本発明の特定の実施例について説明したが、本発明の要
旨から逸脱しない範囲内で、上述の実施例に種々の変更
を加え得ることが、当業者には明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるガスタービンの1つの燃焼器の部
分断面図である。
【図2】本発明の燃料ノズル・アセンブリの断面図であ
る。
【図3】図2の燃料ノズル・アセンブリの前方端の第1
の実施例を示す平面図である。
【図4】図2の燃料ノズル・アセンブリの前方端の第2
の実施例を示す平面図である。
【図5】図2の燃料ノズル・アセンブリの前方端の第3
の実施例を示す平面図である。
【図6】図2の燃料ノズル・アセンブリの前方端の第4
の実施例を示す平面図である。
【符号の説明】
10 ガスタービン 14 燃焼器 32 燃料ノズル・アセンブリ 46 予混合管 50 スワラ 54 前方送り出し部 55 吐き出しチップ 56〜59 同心管 60 予混合気体通路 61 拡散気体通路 62 噴霧空気通路 63 液体燃料通路 66 燃料インジェクタ 68 噴射口 70 燃焼室 71〜73 吐き出しオリフィス 74〜76 チャンネル

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長さ方向軸線と、第1及び第2の内部通
    路とを有している実質的に円筒形の本体と、 該本体の円筒形表面から半径方向外向きに延在している
    複数の燃料インジェクタであって、該燃料インジェクタ
    の各々は、前記第1の通路と流体連通している少なくと
    も1つの噴射口を有している、複数の燃料インジェクタ
    と、 前記本体の円筒形表面に形成されていると共に、前記第
    2の通路と流体連通している複数の吐き出しオリフィス
    とを備えた燃料ノズル・アセンブリ。
  2. 【請求項2】 前記吐き出しオリフィスを前記第2の通
    路に連結している複数のチャンネルを更に含んでおり、
    該チャンネルの各々は、前記長さ方向軸線とある角度を
    成している請求項1に記載の燃料ノズル・アセンブリ。
  3. 【請求項3】 前記本体は、複数の同心管と、該管の前
    端に設けられている吐き出しチップとを含んでおり、前
    記第1及び第2の通路は、前記管のうちの隣接している
    管の間に形成されており、前記吐き出しオリフィスは、
    前記吐き出しチップに形成されている請求項1に記載の
    燃料ノズル・アセンブリ。
  4. 【請求項4】 前記本体に設けられている第3の通路
    と、前記本体の円筒形表面に形成されており、前記第3
    の通路と流体連通している複数の第2の吐き出しオリフ
    ィスとを更に含んでいる請求項1に記載の燃料ノズル・
    アセンブリ。
  5. 【請求項5】 少なくとも1つの燃料ノズル・アセンブ
    リを備えたガスタービン装置であって、前記燃料ノズル
    ・アセンブリは、 予混合気体通路と、拡散気体通路とを内部に有している
    実質的に円筒形の本体と、 該本体の円筒形表面から半径方向外向きに延在している
    複数の燃料インジェクタであって、該燃料インジェクタ
    の各々は、前記予混合気体通路と流体連通している少な
    くとも1つの噴射口を有している、複数の燃料インジェ
    クタと、 前記本体の円筒形表面に形成されていると共に、前記拡
    散気体通路と流体連通している複数の吐き出しオリフィ
    スとを含んでいるガスタービン装置。
  6. 【請求項6】 前記本体は、複数の同心管と、該管の前
    端に設けられている吐き出しチップとを含んでおり、前
    記予混合気体通路と、前記拡散気体通路とは、前記管の
    うちの隣接している管の間に形成されており、前記吐き
    出しオリフィスは、前記吐き出しチップに形成されてい
    る請求項5に記載のガスタービン装置。
  7. 【請求項7】 前記吐き出しオリフィスを前記拡散気体
    通路に流体連結するように前記吐き出しチップに形成さ
    れている複数のチャンネルを更に含んでいる請求項6に
    記載のガスタービン装置。
  8. 【請求項8】 前記チャンネルの各々は、前記本体の長
    さ方向軸線とある角度を成している請求項7に記載のガ
    スタービン装置。
  9. 【請求項9】 前記本体に設けられている液体燃料通路
    と、 前記本体の円筒形表面に形成されており、前記液体燃料
    通路と流体連通している複数の第2の吐き出しオリフィ
    スと、 前記本体に設けられている噴霧空気通路と、 前記本体の円筒形表面に形成されており、前記噴霧空気
    通路と流体連通している複数の第3の吐き出しオリフィ
    スとを更に含んでいる請求項5に記載のガスタービン装
    置。
  10. 【請求項10】 少なくとも1つの燃焼室を有している
    低NOx ガスタービン装置における燃焼不安定性を低減
    する方法であって、 パージ空気を前記燃焼室に、該燃焼室への1次流れを横
    切る方向に射出する工程を備えた低NOx ガスタービン
    装置における燃焼不安定性を低減する方法。
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