JPH07305643A - エンジンの制御装置 - Google Patents

エンジンの制御装置

Info

Publication number
JPH07305643A
JPH07305643A JP6123005A JP12300594A JPH07305643A JP H07305643 A JPH07305643 A JP H07305643A JP 6123005 A JP6123005 A JP 6123005A JP 12300594 A JP12300594 A JP 12300594A JP H07305643 A JPH07305643 A JP H07305643A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque down
control
torque
fuel supply
ignition timing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6123005A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Kisaka
浩幸 木坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP6123005A priority Critical patent/JPH07305643A/ja
Publication of JPH07305643A publication Critical patent/JPH07305643A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】トルクダウン制御時(AT車の変速ショック防
止時、トラクションコントロール時の双方を含む)の燃
料供給制限の終了時期を点火時期遅角の終了時期に対し
て早めることで、燃料の輸送遅れによるトルクダウンの
過制御を防止し、かつ燃料供給制限の終了時期を早めた
ことで、燃料の制御によるトルクダウン制御が不可能と
なる範囲を点火時期の遅角により補足して、この範囲の
トルクダウンを確保する。 【構成】所定のトルクダウン実行条件が成立したか否か
を判定するトルクダウン実行判定手段P1によるトルク
ダウン実行条件の成立時に、燃料の供給を制限する手段
P2と、点火時期を遅角する手段P3とを作動してトル
クダウン制御を行なう装置であって、トルクダウン制御
の終了時期を燃料供給制限手段P2と点火時期遅角手段
P3とで異ならせると共に、上記手段P2による燃料供
給制限の終了時期を上記手段P3による点火時期遅角の
終了時期に対して早める手段P4を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばAT車の変速
時のようなトルクダウン実行条件が成立した時に、燃料
供給の制限と点火時期の遅角制御とを併用して、エンジ
ントルクを低下させ、トルクショックを緩和するような
エンジンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上述例のエンジンの制御装置とし
ては、例えば、特公平3−75742号公報に記載の装
置がある。すなわちAT車の変速時においてシフトショ
ックを防止するために、燃料供給の制限と点火時期の遅
角制御とを併用し、点火時期の遅角制御によりトルクダ
ウン制御の応答性を確保し、燃料供給の制限(燃料カッ
トもしくは燃料減量)によりトルクダウン量を確保すべ
く構成したエンジンの制御装置である。
【0003】しかし、トルクダウン制御の開始時におい
ては、燃料の輸送遅れにより実際に燃料の減量が行なわ
れるまでの間に時間がかかり、トルクダウン制御開始初
期におけるトルクダウンが不充分となり、トルクダウン
制御の終了時においては、燃料の輸送遅れにより本来ト
ルクダウンが解除されている時点においても燃料の減量
が継続されるため、エンジントルクが過度に落ち込む問
題点があった。
【0004】特に、このエンジンの制御装置を例えば多
気筒エンジンにおいてグループ噴射(インジェクタを特
定の気筒毎にグループ化し、グループ化されたインジェ
クタを噴射タイミング毎に同時に噴射駆動)するもの或
は多気筒エンジンにおいて全気筒同時に噴射(全てのイ
ンジェクタを同時に噴射駆動)するものに適用した際に
は、燃料の輸送遅れの期間が長くなる関係上(例えば4
気筒エンジンにおいて合計4つのインジェクタそれぞれ
2つずつのインジェクタにグループ化した場合、1つの
グループのインジェクタの燃料噴射タイミングと他の1
つのグループのインジェクタの燃料噴射タイミングとの
間にはクランク角で180度の期間が生ずるため)、上
述のような問題点が顕著となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明の請求項1記
載の発明は、トルクダウン制御時(AT車の変速ショッ
ク防止時、トラクションコントロール時の双方を含む)
の燃料供給制限の終了時期を点火時期遅角の終了時期に
対して早めることで、燃料の輸送遅れによるトルクダウ
ンの過制御(エンジントルクの過度な落ち込み)を防止
し、かつ燃料供給制限の終了時期を早めたことで、燃料
の制御によるトルクダウン制御が不可能となる範囲を上
述の点火時期の遅角(リタード)により補足して、この
範囲のトルクダウンを確保することができるエンジンの
制御装置の提供を目的とする。
【0006】この発明の請求項2記載の発明は、自動変
速機付きエンジンの変速時におけるトルクダウン制御時
の燃料供給制限の終了時期を点火時期遅角の終了時期に
対して早めることで、燃料の輸送遅れによるトルクダウ
ンの過制御(エンジントルクの過度な落ち込み)を防止
し、かつ燃料供給制限の終了時期を早めたことで、燃料
の制御によるトルクダウン制御が不可能となる範囲を上
述の点火時期の遅角(リタード)により補足して、この
範囲のトルクダウンを確保することができるエエジンの
制御装置の提供を目的とする。
【0007】この発明の請求項3記載の発明は、多気筒
エンジンのグループ噴射系または全気筒同時噴射系を備
え、燃料の輸送遅れが顕著となるものにおいて上記請求
項1記載の発明の目的を達成することができるエンジン
の制御装置を提供することにある。
【0008】この発明の請求項4記載の発明は、上記請
求項2記載の発明の目的と併せて、変速開始時点の現行
タービン回転数からトルクダウン制御終了時のタービン
回転数を予測演算し、予測演算されたトルクダウン制御
終了タービン回転数を点火時期遅角用のトルクダウン終
了時期に対応させると共に、上述のトルクダウン制御終
了タービン回転数に対して所定値が加算された加算ター
ビン回転数を燃料供給制限用のトルクダウン終了時期に
対応させることで、燃料供給制限の終了時期を点火時期
遅角の終了時期に対して確実に早めることができるエン
ジンの制御装置の提供を目的とする。
【0009】この発明の請求項5記載の発明は、上記請
求項2記載の発明の目的と併せて、トルクダウン制御の
終了時期を変速開始時点から所定期間経過した時点に設
定する燃料供給制限用および点火時期遅角用のタイマ手
段を設けて、燃料供給制限用のタイマ手段による所定期
間を点火時期遅角用のタイマ手段による所定期間に対し
て短く設定することで、燃料供給制限の終了時期を点火
時期遅角の終了時期に対して確実に早めることができる
エンジンの制御装置の提供を目的とする。
【0010】この発明の請求項6記載の発明は、駆動輪
と従動輪との速度差に起因するスリップを収束させるた
めのトラクションコントロール時において、燃料供給制
限の終了時期を点火時期遅角の終了時期に対して早める
ことで、燃料の輸送遅れによるトルクダウンの過制御
(エンジントルクの過度な落ち込み)を防止し、かつ燃
料供給制限の終了時期を早めたことで、燃料の制御によ
るトルクダウン制御が不可能となる範囲を上述の点火時
期の遅角(リタード)により補足して、この範囲のトル
クダウンを確保することができるエエジンの制御装置の
提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1記載
の発明は、所定のトルクダウン実行条件が成立したか否
かを判定するトルクダウン実行判定手段と、上記トルク
ダウン実行判定手段によるトルクダウン実行条件の成立
時に、燃料の供給を制限する燃料供給制限手段と、点火
時期を遅角する点火時期遅角手段とを作動してトルクダ
ウン制御を行なうエンジンの制御装置であって、上記ト
ルクダウン制御の終了時期を上記燃料供給制限手段と上
記点火時期遅角手段とで異ならせると共に、上記燃料供
給制限手段による燃料供給制限の終了時期を上記点火時
期遅角手段による点火時期遅角の終了時期に対して早め
る終了時期制御手段を備えたエンジンの制御装置である
ことを特徴とする。
【0012】この発明の請求項2記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成と併せて、上記トルクダウン実
行条件を自動変速機付きエンジンの変速時に設定したエ
ンジンの制御装置であることを特徴とする。
【0013】この発明の請求項3記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成と併せて、多気筒エンジンにお
いて、各気筒毎に設けられた燃料噴射手段の内、複数の
燃料噴射手段同士をグループ化し、グループ化された燃
料噴射手段を噴射タイミング毎に同時に噴射駆動するグ
ループ噴射系または多気筒エンジンにおいて全ての燃料
噴射手段を同時に噴射駆動する全気筒同時噴射系を備え
たエンジンの制御装置であることを特徴とする。
【0014】この発明の請求項4記載の発明は、上記請
求項2記載の発明の構成と併せて、変速開始時点の現行
タービン回転数を検出するタービン回転数検出手段と、
上記タービン回転数検出手段により検出された現行ター
ビン回転数からトルクダウン制御終了時のタービン回転
数を予測演算する予測演算手段とを備え、上記予測演算
手段で求められたトルクダウン制御終了タービン回転数
を点火時期遅角用のトルクダウン終了時期に対応させ、
上記予測演算手段で求められたトルクダウン制御終了タ
ービン回転数に対して所定値が加算された加算タービン
回転数を燃料供給制限用のトルクダウン終了時期に対応
させたエンジンの制御装置であることを特徴とする。
【0015】この発明の請求項5記載の発明は、上記請
求項2記載の発明の構成と併せて、上記トルクダウン制
御の終了時期を変速開始時点から所定期間経過した時点
に設定する燃料供給制限用の第1タイマ手段と、上記ト
ルクダウン制御の終了時期を変速開始時点から所定期間
経過した時点に設定する点火時期遅角用の第2タイマ手
段とを備え、上記第1タイマ手段による所定期間を上記
第2タイマ手段による所定期間に対して短く設定したエ
ンジンの制御装置であることを特徴とする。
【0016】この発明の請求項6記載の発明は、上記請
求項1記載の発明の構成と併せて、上記トルクダウン実
行条件を、駆動輪のスリップを収束するトラクションコ
ントロール時に設定したエンジンの制御装置であること
を特徴とする。
【0017】
【発明の作用及び効果】この発明の請求項1記載の発明
によれば、図7にクレーム対応図で示すように、トルク
ダウン実行判定手段P1は所定のトルクダウン実行条件
が成立したか否かを判定し、このトルクダウン実行判定
手段P1によりトルクダウン実行条件が成立したと判定
された時、燃料供給手段P2および点火時期遅角手段P
3が作動してトルクダウン制御が行なわれるが、上述の
終了時期制御手段P4は、トルクダウン制御の終了時期
を上記燃料供給制限手段P2と上記点火時期遅角手段P
3とで異ならせると共に、上述の燃料供給制限手段P2
による燃料供給制限の終了時期を輸送遅れによる影響が
生じないようにする目的で、上述の点火時期遅角手段P
3による点火時期遅角の終了時期に対して早める。
【0018】このように燃料供給制限手段P2による燃
料供給制限が早く終了するので、燃料の輸送遅れによる
トルクダウンの過制御(エンジントルクの過度な落ち込
み)を防止することができる効果がある。また燃料供給
制限手段P2による燃料供給制限の終了時期を早めたこ
とで、燃料の制御(減量もしくはカット)によるトルク
ダウン制御が不可能となる範囲が生ずるが、この範囲を
上述の点火時期の遅角(リタード)により補足するの
で、同範囲のトルクダウンを確保することができる効果
がある。
【0019】この発明の請求項2記載の発明によれば、
上記請求項1記載の発明の効果と併せて、トルクダウン
実行条件を自動変速機付きエンジンの変速時に設定した
ので、燃料供給制限の早期終了による変速トルクショッ
ク防止制御不可範囲でのトルクダウンを点火時期の遅角
により補足して、適切なトルクダウンを確保しつつ、燃
料の輸送遅れによるトルクダウンの過制御を防止するこ
とができる効果がある。
【0020】この発明の請求項3記載の発明によれば、
上記請求項1記載の発明の効果と併せて、多気筒エンジ
ンにおいて燃料の噴射形態がグループ噴射もしくは全気
筒同時噴射であって、燃料の輸送遅れの期間が長くなる
エンジンにおいて、斯る輸送遅れに充分対応して、トル
クダウン制御の過不足を防止することができる効果があ
る。
【0021】この発明の請求項4記載の発明によれば、
上記請求項2記載の発明の効果と併せて、上述のタービ
ン回転数検出手段はAT車における変速開始時点の現行
タービン回転数を検出し、上述の予測演算手段はタービ
ン回転数検出手段により検出された現行タービン回転数
からトルクダウン制御終了時のタービン回転数(トルク
ダウン制御終了タービン回転数)を予測演算する。
【0022】而して、現行のタービン回転数が上述の予
測演算手段で求められたトルクダウン制御終了タービン
回転数に達した時、点火時期遅角手段によるトルクダウ
ンを終了し、現行のタービン回転数がトルクダウン制御
終了タービン回転数に所定値を加算した加算タービン回
転数に達した時、燃料供給手段によるトルクダウンを終
了する。この結果、燃料供給制限の終了時期を点火時期
遅角の終了時期に対して確実に早めることができ、トル
クダウン制御の過不足を防止することができる効果があ
る。
【0023】この発明の請求項5記載の発明によれば、
上記請求項2記載の発明の効果と併せて、上記第1タイ
マ手段による所定期間を上記第2タイマ手段による所定
期間に対して短く設定したので、燃料供給制限手段によ
る燃料供給制限の終了時期を、点火時期遅角手段による
点火時期遅角の終了時期に対して確実に早めることがで
き、トルクダウン制御の過不足を防止することができる
効果がある。
【0024】この発明の請求項6記載の発明によれば、
上記請求項1記載の発明の効果と併せて、トルクダウン
実行条件を、駆動輪のスリップを収束するトラクション
コントロール時に設定したので、燃料供給制限の早期終
了によるスリップ防止制御(トラクションコントロー
ル)不可範囲でのトルクダウンを点火時期の遅角により
補足して、適切なトルクダウンを確保しつつ、燃料の輸
送遅れによるトルクダウンの過制御(エンジントルクの
過度な落ち込み)を防止するとことができる効果があ
る。
【0025】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面はエンジンの制御装置を示し、図1におい
て、吸入空気を浄化するエアクリーナ1の後位にエアフ
ロセンサ2を接続して、このエアフロセンサ2で吸入空
気量Qを検出すべく構成している。
【0026】上述のエアフロセンサ2の後位にはスロッ
トルボディ3を接続し、このスロットルボディ3内のス
ロットルチャンバ4には、吸入空気量を制御するスロッ
トル弁5を配設している。そして、このスロットル弁5
下流の吸気通路には、所定容量を有する拡大室としての
サージタンク6を接続し、このサージタンク6下流に吸
気ポート7と連通する吸気マニホルド8を接続すると共
に、この吸気マニホルド8にはインジェクタ9を配設し
ている。
【0027】一方、自動変速機付きエンジン10の燃焼
室23と適宜連通する上述の吸気ポート7および排気ポ
ート11には、動弁機構(図示せず)により開閉操作さ
れる吸気弁12と排気弁13とをそれそれ取付け、また
シリンダヘッド24にはスパークギャップを上述の燃焼
室23に臨ませた点火プラグ14を取付けている。
【0028】上述の排気ポート11と連通する排気通路
15にO2 センサ16を配設すると共に、この排気通路
15の後位には有害ガスを無害化する触媒コンバータい
わゆるキャタリストを接続している。
【0029】また、上述のスロットル弁5をバイパスす
るバイパス通路17を設け、このバイパス通路17には
ISC(アイドルスピードコントロール)機構としての
ISCバルブ18を介設する一方、エアクリーナ1のエ
レメント19下流側には吸気温センサ20を、スロット
ルボディ3にはスロットルセンサ21を、ウォータジャ
ケットには水温センサ22をそれぞれ配設している。
【0030】なお、この実施例では多気筒エンジンの一
例として4気筒エンジンを用いると共に、図4に示す如
く、第1気筒のインジェクタ9と第3気筒のインジェク
タ9とを1つのグループにグループ化し、第2気筒のイ
ンジェクタ9と第4気筒のインジェクタ9とを他の1つ
のグループにグループ化して、これらグループ化された
各2つのインジェクタを噴射タイミング毎に同時に噴射
駆動するグループ噴射系を構成している。
【0031】図2はエンジンの制御装置の制御回路を示
し、CPU30はエアフロセンサ2からの吸入空気量
Q、ディストリビュータ31からのエンジン回転数N
e、水温センサ22からのエンジン冷却水の水温tw、
スロットルセンサ21からのスロットル開度TVO、ク
ランク角センサ32からのクランク角CA、タービン回
転数を検出するタービン回転センサ33からのタービン
回転数Nt、インヒビタスイッチ34からの選択レンジ
検出信号などの必要な各種信号入力に基づいて、ROM
35に格納されたプログラムに従って、インジェクタ
9、点火プラグ14、燃料の輸送遅れ監視用の燃料制御
カウンタ36、変速開始時点から燃料の輸送遅れにより
燃料供給制限がトルクダウンに反映されるまでの間の時
間差を計時するためのタイムラグカウンタ37、燃料カ
ットタイマ38、点火リタードタイマ39を駆動制御
し、またRAM40は必要なデータやマップ等を記憶す
る。
【0032】ここで、上述のCPU30は所定のトルク
ダウン実行条件が成立したか否かを判定するトルクダウ
ン実行判定手段(図3に示すフローチャートの第1ステ
ップS1参照)と、上記トルクダウン実行判定手段によ
るトルクダウン実行条件の成立時に、燃料の供給を制限
(燃料カットおよび燃料減量の双方を含む)する燃料供
給制限手段(図3に示すフローチャートの第6ステップ
S6参照)と、上記トルクダウン実行判定手段によるト
ルクダウン実行条件の成立時に、点火時期を遅角する点
火時期遅角手段(図3に示すフローチャートの第12ス
テップS12参照)と、上記トルクダウン制御の終了時
期を上記燃料供給制限手段と上記点火時期遅角手段とで
異ならせると共に、上記燃料供給制限手段による燃料供
給制限の終了時期を上記点火時期遅角手段による点火時
期遅角の終了時期に対して早める終了時期制御手段(C
PU30それ自体)と、上記タービン回転センサ33に
より検出されたAT車の変速開始時点におけるタービン
回転数Ntからトルクダウン制御終了時のタービン回転
数(トルクダウン制御終了タービン回転数Nt2)を予
測演算して、点火時期遅角の終了時期を決める上記予測
演算手段(図3に示すフローチャートの第2ステップS
2参照)と、上記予測演算手段で求められたトルクダウ
ン制御終了タービン回転数Nt2に対して所定値α(図
4参照)を加算して、燃料供給制限の終了時期を決める
加算タービン回転数Nt1を求める加算手段(図3に示
すフローチャートの第3ステップS3参照)とを兼ね
る。
【0033】このように構成したエンジンの制御装置
(請求項1,2,3,4に対応する実施例)の作用を、
図3に示すシフトアップ時のフローチャートおよび図4
に示すシフトアップ時のタイムチャートを参照して、以
下に詳述する。なお、この実施例においては図2の燃料
カットタイマ38、点火リタードタイマ39は用いな
い。
【0034】第1ステップS1で、CPU30はトルク
ダウン実行条件が成立したか否か、すなわちトルクダウ
ン信号(AT車の変速開始信号)が入力されたか否かを
判定し、YES判定時にのみ次の第2ステップS2に移
行する。
【0035】この第2ステップS2で、CPU30は次
に[数1]に示す式により点火時期遅角の終了時期を決
定するところのトルクダウン制御終了タービン回転数N
t2(図4参照)を演算する。
【0036】[数1]Nt2=Nt(G0 −G1 ) ここに、Ntはトルクダウン信号入力時点のタービン回
転数 G0 は変速前のギヤ比 G1 は変速後のギヤ比 次に第3ステップS3で、CPU30は次に[数2]に
示す式により燃料供給制限の終了時期を決定するところ
の加算タービン回転数Nt1(図4参照)を演算する。
【0037】[数2]Nt1=Nt2+α ここに、Nt2はトルクダウン制御終了タービン回転数 αは所定値(図4参照) 次に第4ステップS4で、CPU30は燃料供給の制限
によりトルクダウン制御を実行するか否かを判定する。
すなわちNt>Nt1で、かつトルクダウン量が大の時
には燃料供給制限にてトルクダウン制御を実行するの
で、これらを判定して、YES判定には次の第5ステッ
プS5に移行し、NO判定時には別の第11ステップS
11に移行する。
【0038】上述の第5ステップS5で、CPU30は
燃料噴射タイミングか否かを判定し、YES判定時には
次の第6ステップS6に移行し、この第6ステップS6
で、CPU30は燃料供給の制限(燃料カットおよび燃
料減量の双方を含む)制御を実行する。次に第7ステッ
プS7で、CPU30は燃料制御カウンタ36のカウン
ト値Kfが零か否かを判定し、Kf=0の時には次の第
8ステップS8に移行する。
【0039】この第8ステップS8で、CPU30は燃
料制御カウンタ36およびタイムラグカウンタ37を共
にセットする一方、上述の第5ステップS5および第7
ステップS7でのNO判定時には第9ステップS9に移
行し、この第9ステップS9でセットされた各カウンタ
36,37のカウント値Kf,Ktを減算する。
【0040】この第10ステップS10で、CPU30
はKf=0またはKt>0の何れかの条件が成立してい
るか否かを判定し、図4にタイムチャートで示す範囲X
に相当するYES判定時には第12ステップS12に移
行し、NO判定時には第1ステップS1にリターンす
る。
【0041】上述の第12ステップS12で、CPU3
0はトルクダウン制御の開始初期に対応して、点火時期
を遅角実行するための遅角実行フラグを立てると共に点
火時期の遅角制御によるトルクダウンを実行して、応答
性の向上を図る。
【0042】一方、前述の第4ステップS4でNO判定
された時には次の第11ステップS11に移行し、この
第11ステップS11で、CPU30はNt>Nt2か
つKf=0か否かを判定する。すなわち図4のタイムチ
ャートにおける範囲Yか否かを判定し、範囲Yに相当す
るYES判定には次の第12ステップS12に移行し、
範囲Zに相当するNO判定時には別の第13ステップS
13に移行する。
【0043】上述の第12ステップS12で、CPU3
0はトルクダウン制御の終了付近乃至終了までの間に対
応して、点火時期を遅角実行するための遅角実行フラグ
を立てると共に、点火時期の遅角制御によるトルクダウ
ンを実行して、燃料制限制御によるトルクダウン制御を
終了した後のトルクダウンを点火時期の遅角(リター
ド)により確保する。
【0044】また上述の第13ステップS13で、CP
U30は図4の範囲Zに対応して、遅角実行フラグを倒
すと共に、点火時期の遅角制御を禁止する。
【0045】図4にタイムチャートで示すように、この
実施例においてはトルクダウン信号(変速開始信号)が
入力された後の燃料噴射タイミングからタービン回転数
がNt=Nt1に達するまでの間は、燃料供給の制限に
よりトルクダウンが実行され、燃料制御カウンタ36の
カウント値KfがKf=0になった時点からタービン回
転数がNt=Nt2に達するまでの間(範囲Y参照)
は、点火時期の遅角制御によりトルクダウンが実行され
る。
【0046】以上要するに、トルクダウン実行判定手段
(第1ステップS1参照)は所定のトルクダウン実行条
件が成立したか否かを判定し、このトルクダウン実行判
定手段によりトルクダウン実行条件が成立したと判定さ
れた時(AT車の変速時)、燃料供給制限手段(第6ス
テップS6参照)および点火時期遅角手段(第12ステ
ップS12参照)が作動してトルクダウン制御が行なわ
れるが、上述の終了時期制御手段(CPU30参照)
は、トルクダウン制御の終了時期を上記燃料供給制限手
段(第6ステップS6参照)と上記点火時期遅角手段
(第12ステップS12参照)とで異ならせると共に、
上述の燃料供給制限手段(第6ステップS6参照)によ
る燃料供給制限の終了時期(図4のNt1に相当する時
期)を輸送遅れによる影響が生じないようにする目的
で、上述の点火時期遅角手段(第12ステップS12参
照)による点火時期遅角の終了時期(図4のNt2に相
当する時期)に対して早める。
【0047】このように燃料供給制限手段による燃料供
給制限が早く終了するので、燃料の輸送遅れによるトル
クダウンの過制御(エンジントルクの過度な落ち込み)
を防止することができる効果がある。また燃料供給制限
手段による燃料供給制限の終了時期を早めたことで、燃
料の制御(減量もしくはカット)によるトルクダウン制
御が不可能となる範囲Yが生ずるが、この範囲Yを上述
の点火時期の遅角(リタード)により補足するので、同
範囲Yのトルクダウンを確保することができる効果があ
り、図4のタイムチャートにトルクダウン制御時におい
て燃料供給制限および点火時期遅角の何れも実行しない
無補正のアウトプットトルクを実線aで、点火時期遅角
のみを実行するアウトプットトルクを実線bで、燃料供
給制限のみを実行するアウトプットトルクを実線cで、
本願実施例の制御によるアウトプットトルクを実線d
で、それぞれ示すように、この実施例においてはトルク
ショックの突き上げおよび引き込みを大幅に低減するこ
とができる効果がある。
【0048】また、トルクダウン実行条件を自動変速機
付きエンジンの変速時に設定したので、燃料供給制限の
早期終了による変速トルクショック防止制御不可範囲で
のトルクダウンを点火時期の遅角により補足して、適切
なトルクダウンを確保しつつ、燃料の輸送遅れによるト
ルクダウンの過制御を防止することができる効果があ
る。
【0049】さらに、多気筒エンジンにおいて燃料の噴
射形態がグループ噴射もしくは全気筒同時噴射であっ
て、燃料の輸送遅れの期間が長くなるエンジンにおい
て、斯る輸送遅れに充分対応して、トルクダウン制御の
過不足を防止することができる効果がある。
【0050】加えて、上述のタービン回転数検出手段
(タービン回転センサ33参照)はAT車における変速
開始時点の現行タービン回転数(Nt)を検出し、上述
の予測演算手段(第2ステップS2参照)はタービン回
転数検出手段により検出された現行タービン回転数(N
t)からトルクダウン制御終了時のタービン回転数(ト
ルクダウン制御終了タービン回転数)を予測演算する。
【0051】而して、現行のタービン回転数が上述の予
測演算手段で求められたトルクダウン制御終了タービン
回転数(Nt2)に達した時、点火時期遅角手段(第1
2ステップS12参照)によるトルクダウンを終了し、
現行のタービン回転数(Nt)がトルクダウン制御終了
タービン回転数(Nt2)に所定値(α)を加算した加
算タービン回転数(Nt2+α=Nt1)(Nt2)に
達した時、燃料供給手段(第6ステップS6参照)によ
るトルクダウンを終了する。この結果、燃料供給制限の
終了時期を点火時期遅角の終了時期に対して確実に早め
ることができ、トルクダウン制御の過不足を防止するこ
とができる効果がある。
【0052】図5はエンジンの制御装置の他の実施例を
示し、この実施例ではトルクダウン制御の終了時期を変
速開始時点(図6のt0 参照)から所定期間(T1)
経過した時点(t1 )に設定する燃料カットタイマ3
8と、トルクダウン制御の終了時期を変速開始時点(図
6のt0 参照)から所定期間T2経過した時点(t2
)に設定する点火リタードタイマ39とを備えて、上
記所定期間をT1<T2の関係式が成立するように設定
することで、燃料供給制限手段による燃料供給制限の終
了時期を点火時期遅角手段による点火時期遅角の終了期
間に対して早めるように構成している。なお、この実施
例においても図1、図2の回路装置を用いるが、この場
合、上述のCPU30は、所定のトルクダウン実行条件
が成立したか否かを判定するトルクダウン実行判定手段
(図5に示すフローチャートの第3ステップS23参
照)と、上記トルクダウン実行判定手段によるトルクダ
ウン実行条件の成立時に、燃料の供給を制限(この実施
例の場合には燃料カット)する燃料供給制限手段(図5
に示すフローチャートの第11ステップS31参照)
と、上記トルクダウン実行判定手段によるトルクダウン
実行条件の成立時に、点火時期を遅角する点火時期遅角
手段(図5に示すフローチャートの第16ステップS3
6参照)と、上記トルクダウン制御の終了時期を上記燃
料供給制限手段と上記点火時期遅角手段とで異ならせる
と共に、上記燃料供給制限手段による燃料供給制限の終
了時期を上記点火時期遅角手段による点火時期遅角の終
了時期に対して早める終了時期制御手段(CPU30そ
れ自体)とを兼ねる。
【0053】このように構成したエンジンの制御装置
(請求項1,2,3,5に対する実施例)の作用を、図
5に示すシフトダウン時のフローチャートおよび図6に
示すシフトダウン時のタイムチャートを参照して、以下
に詳述する。なお、この実施例においては図2の燃料制
御カウンタ36、タイムラグカウンタ37は用いない。
【0054】第1ステップS21で、CPU30は燃料
噴射基本パルスTpを演算する。この演算は例えば(Q
/Ne)×K(但し、Qは吸入空気量、Neはエンジン
回転数、Kは定数)の式により求めることができる。次
に第2ステップS22で、CPU30は基本点火時期を
演算し、次の第3ステップS23で、CPU30はトル
クダウン実行条件が成立したか否か、すなわちトルクダ
ウン信号(AT車の変速用開始信号)が入力されたか否
かを判定し、N0判定時には次の第4ステップS24
に、YES判定時には別の第8ステップS28にそれぞ
れ移行する 上述の第4ステップS24で、CPU30は非トルクダ
ウン制御時に対応して、燃料カット係数(図6参照)を
「1」に設定し(この実施例では燃料カット係数=1の
時、燃料カットが実行されないように設定している)、
次の第5ステップS25で、CPU30は燃料カットタ
イマ38の所定期間T1を零に設定し、次の第6ステッ
プS26で、CPU30は点火リタード量(図6参照)
を零に設定し、さらに次の第7ステップS27で、CP
U30は点火リタードタイマ39の所定期間T2を零に
設定する。すなわち、トルクダウン制御を必要としない
状態に対応して上述の各ステップS24〜S27では燃
料カット係数を「1」に設定し、点火リタード量、各タ
イマ38,39の所定期間T1,T2をそれぞれ零に設
定する。
【0055】一方、上述の第8ステップS28で、CP
U30はトルクダウン要求時に対応して、燃料カットタ
イマ38の所定期間T1をセットし、次の第9ステップ
S29で、CPU30は点火リタードタイマ39の所定
期間T2をセットする。次に第10ステップS30で、
CPU30は燃料カットタイマ38の所定期間がT1≠
0か否かを判定し、T1≠0のYES判定時には次の第
11ステップS31に移行し、T1=0のNO判定時に
は別の第13ステップS33に移行する。
【0056】上述の第11ステップS31で、CPU3
0は燃料カット係数を零に設定する(この実施例では燃
料カット係数=0の時、燃料カットが実行される)。次
に第12ステップS32で、CPU30は燃料カットタ
イマ38の所定期間T1デクリメントする。すなわち、
図6のタイムチャートの時点t0 から時点t1 まで
の間はルーチンの繰返し処理により所定期間T1が零に
なるまでデクリメントされる。
【0057】一方、上述の第10ステップS30で、T
1=0と判定された時には上述の第13ステップS33
に移行し、この第13ステップS33で、CPU30は
燃料カット係数を「1」に設定する(この実施例では燃
料カット係数=1の時、燃料カットが実行されないこと
は既述した通りである)。
【0058】次に第14ステップS34で、CPU30
は燃料カットタイマ38の所定期間T1を零にし、所謂
同タイマ38をリセットする。次に第15ステップS3
5で、CPU30は点火リタードタイマ39の所定期間
がT2≠0か否かを判定し、T2≠0のYES判定時に
は次の第16ステップS36に移行し、T2=0のNO
判定時には別の第18ステップS38に移行する。
【0059】上述の第16ステップS36で、CPU3
0は点火リタード量をセットし、次の第17ステップS
37で、CPU30は点火リタードタイマ39の所定期
間T2をデクリメントする。すなわち、図6のタイムチ
ャートの時点t0 から時点t2 までの間はルーチン
の繰返し処理により所定期間T2が零になるまでデクリ
メントされT2≠0の間において図6に示す点火リター
ド量が点火時期に反映される。
【0060】一方、上述の第18ステップS38で、C
PU30はT2=0に対応して点火リタード量を零に設
定し、次の第19ステップS39で、CPU30は点火
リタード量39の所定期間T2を零にし、所謂同タイマ
39をリセットする。
【0061】次に第20ステップS40で、CPU30
は燃料噴射最終パルスを演算し、次の第21ステップS
41で、CPU30は最終点火時期を演算し、次の第2
2ステップS42で、CPU30は燃料噴射タイミング
に符合してインジェクタ9を駆動して、燃料の噴射を実
行し、次の第23ステップS43で、CPU30は点火
タイミングに符合して点火プラグ14を駆動して、点火
を実行する。
【0062】図6にタイムチャートて示すように、この
実施例においてはトルクダウン信号(変速開始信号)が
入力された時点t0 から燃料カットタイマ38がタイ
ムアップする時点t1 までの間は燃料カットが実行さ
れ、トルクダウン信号(変速開始信号)が入力された時
点t0 から点火リタードタイマ39がタイムアップす
る時点t2 までの間は点火時期の遅角(リタード)が
実行され、上記両タイマ38,39所定時間をT1<T
2の関係に設定したので、燃料供給制限手段による燃料
供給制限の終了時期(時点t1 参照)を点火時期遅角
手段による点火時期遅角の終了時期(時点t2 参照)
に対して早めることができる。
【0063】以上要するに、図7にクレーム対応図で示
すように、トルクダウン実行判定手段(第3ステップS
23参照)は所定のトルクダウン実行条件が成立したか
否かを判定し、このトルクダウン実行判定手段によりト
ルクダウン実行条件が成立したと判定された時、燃料供
給手段(第11ステップS31参照)および点火時期遅
角手段(第16ステップS36参照)が作動してトルク
ダウン制御が行なわれるが、上述の終了時期制御手段
(CPU30参照)は、トルクダウン制御の終了時期を
上記燃料供給制限手段(第11ステップS31参照)と
上記点火時期遅角手段(第16ステップS36参照)と
で異ならせると共に、上述の燃料供給制限手段による燃
料供給制限の終了時期を輸送遅れによる影響が生じない
ようにする目的で、上述の点火時期遅角手段による点火
時期遅角の終了時期に対して早める。
【0064】このように燃料供給制限手段(第11ステ
ップS31参照)による燃料供給制限が早く終了するの
で、燃料の輸送遅れによるトルクダウンの過制御(エン
ジントルクの過度な落ち込み)を防止することができる
効果がある。また燃料供給制限手段による燃料供給制限
の終了時期を早めたことで、燃料の制御(この実施例で
は燃料カット)によるトルクダウン制御が不可能となる
範囲(図6のタイムチャートにおけるt1 ,t2
間)が生ずるが、この範囲を上述の点火時期の遅角(リ
タード)により補足するので、同範囲のトルクダウンを
確保することができる効果がある。
【0065】また、トルクダウン実行条件を自動変速機
付きエンジンの変速時に設定したので、燃料供給制限の
早期終了による変速トルクショック防止制御不可範囲で
のトルクダウンを点火時期の遅角により補足して、適切
なトルクダウンを確保しつつ、燃料の輸送遅れによるト
ルクダウンの過制御を防止することができる効果があ
る。
【0066】さらに、多気筒エンジンにおいて燃料の噴
射形態がグループ噴射もしくは全気筒同時噴射であっ
て、燃料の輸送遅れの期間が長くなるエンジンにおい
て、斯る輸送遅れに充分対応して、トルクダウン制御の
過不足を防止することができる効果がある。
【0067】加えて、上記第1タイマ手段(燃料カット
タイマ38参照)による所定期間T1を上記第2タイマ
手段(点火リタードタイマ39参照)による所定期間T
2に対して短く設定したので、燃料供給制限手段による
燃料供給制限の終了時期を、点火時期遅角手段による点
火時期遅角の終了時期に対して確実に早めることがで
き、トルクダウン制御の過不足を防止することができる
効果がある。
【0068】ところで、上述のトルクダウン実行条件を
AT車の変速時の他に、駆動輪のスリップを収束するト
ラクションコントロール時に設定し、このトラクション
制御に上記トルクダウン制御を適用してもよい。この場
合、駆動輪の回転速度を検出する駆動輪速度センサと、
従動輪の回転速度を検出する従動輪速度センサとを設
け、これら各センサ出力の差が所定値より大の時にトル
クダウン実行条件が成立したことを判定すべく構成する
とよい。このように構成すると、燃料供給制限の早期終
了によるスリップ防止制御(トラクションコントロー
ル)不可範囲でのトルクダウンを点火時期の遅角により
補足して、適切なトルクダウンを確保しつつ、燃料の輸
送遅れによるトルクダウンの過制御(エンジントルクの
過度な落ち込み)を防止するとことができる効果があ
る。
【0069】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明のトルクダウン実行判定手段は、実
施例の各ステップS1,S23に対応し、以下同様に、
燃料供給制限手段は、各ステップS6,S31に対応
し、点火時期遅角手段は、各ステップS12,S36に
対応し、終了時期制御手段は、CPU30に対応し、燃
料噴射手段は、インジェクタ9に対応し、タービン回転
数検出手段は、タービン回転センサ33に対応し、予測
演算手段は、図3の第2ステップS2に対応し、第1タ
イマ手段は、燃料カットタイマ38に対応し、第2タイ
マ手段は、点火リタードタイマ39に対応するも、この
発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものでは
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエンジンの制御装置を示す系統図。
【図2】制御回路ブロック図。
【図3】シフトアップ時のトルクダウン制御を示すフロ
ーチャート。
【図4】シフトアップ時のトルクダウン制御を示すタイ
ムチャート。
【図5】シフトダウン時のトルクダウン制御を示すフロ
ーチャート。
【図6】シフトダウン時のトルクダウン制御を示すタイ
ムチャート。
【図7】クレーム対応図。
【符号の説明】
S1,S23…トルクダウン実行判定手段 S2…予測演算手段 S6,S31…燃料供給制限手段 S12,S36…点火時期遅角手段 9…インジェクタ 30…CPU(終了時期制御手段) 38…燃料カットタイマ 39…点火リタードタイマ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 41/22 330 E 41/34 G 9247−3G 43/00 301 B H 45/00 312 M 345 G F02P 5/15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定のトルクダウン実行条件が成立したか
    否かを判定するトルクダウン実行判定手段と、上記トル
    クダウン実行判定手段によるトルクダウン実行条件の成
    立時に、燃料の供給を制限する燃料供給制限手段と、点
    火時期を遅角する点火時期遅角手段とを作動してトルク
    ダウン制御を行なうエンジンの制御装置であって、上記
    トルクダウン制御の終了時期を上記燃料供給制限手段と
    上記点火時期遅角手段とで異ならせると共に、上記燃料
    供給制限手段による燃料供給制限の終了時期を上記点火
    時期遅角手段による点火時期遅角の終了時期に対して早
    める終了時期制御手段を備えたエンジンの制御装置。
  2. 【請求項2】上記トルクダウン実行条件を自動変速機付
    きエンジンの変速時に設定した請求項1記載のエンジン
    の制御装置。
  3. 【請求項3】多気筒エンジンにおいて、各気筒毎に設け
    られた燃料噴射手段の内、複数の燃料噴射手段同士をグ
    ループ化し、グループ化された燃料噴射手段を噴射タイ
    ミング毎に同時に噴射駆動するグループ噴射系または多
    気筒エンジンにおいて全ての燃料噴射手段を同時に噴射
    駆動する全気筒同時噴射系を備えた請求項1記載のエン
    ジンの制御装置。
  4. 【請求項4】変速開始時点の現行タービン回転数を検出
    するタービン回転数検出手段と、上記タービン回転数検
    出手段により検出された現行タービン回転数からトルク
    ダウン制御終了時のタービン回転数を予測演算する予測
    演算手段とを備え、上記予測演算手段で求められたトル
    クダウン制御終了タービン回転数を点火時期遅角用のト
    ルクダウン終了時期に対応させ、上記予測演算手段で求
    められたトルクダウン制御終了タービン回転数に対して
    所定値が加算された加算タービン回転数を燃料供給制限
    用のトルクダウン終了時期に対応させた請求項2記載の
    エンジンの制御装置。
  5. 【請求項5】上記トルクダウン制御の終了時期を変速開
    始時点から所定期間経過した時点に設定する燃料供給制
    限用の第1タイマ手段と、上記トルクダウン制御の終了
    時期を変速開始時点から所定期間経過した時点に設定す
    る点火時期遅角用の第2タイマ手段とを備え、上記第1
    タイマ手段による所定期間を上記第2タイマ手段による
    所定期間に対して短く設定した請求項2記載のエンジン
    の制御装置。
  6. 【請求項6】上記トルクダウン実行条件を、駆動輪のス
    リップを収束するトラクションコントロール時に設定し
    た請求項1記載のエンジンの制御装置。
JP6123005A 1994-05-11 1994-05-11 エンジンの制御装置 Pending JPH07305643A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6123005A JPH07305643A (ja) 1994-05-11 1994-05-11 エンジンの制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6123005A JPH07305643A (ja) 1994-05-11 1994-05-11 エンジンの制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07305643A true JPH07305643A (ja) 1995-11-21

Family

ID=14849905

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6123005A Pending JPH07305643A (ja) 1994-05-11 1994-05-11 エンジンの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07305643A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010168993A (ja) * 2009-01-22 2010-08-05 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
JP2010261377A (ja) * 2009-05-08 2010-11-18 Mazda Motor Corp パワートレインシステムの制御方法及びパワートレインシステム
JP2014238060A (ja) * 2013-06-07 2014-12-18 スズキ株式会社 エンジンの制御装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010168993A (ja) * 2009-01-22 2010-08-05 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
JP2010261377A (ja) * 2009-05-08 2010-11-18 Mazda Motor Corp パワートレインシステムの制御方法及びパワートレインシステム
JP2014238060A (ja) * 2013-06-07 2014-12-18 スズキ株式会社 エンジンの制御装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4434768A (en) Air-fuel ratio control for internal combustion engine
US4508075A (en) Method and apparatus for controlling internal combustion engines
US4442812A (en) Method and apparatus for controlling internal combustion engines
US4448162A (en) Optimum control for internal combustion engines
JPS6212382B2 (ja)
US4457282A (en) Electronic control for fuel injection
JPS6134330A (ja) 内燃機関の空燃比制御装置
JPH0141823B2 (ja)
US5469826A (en) Method of load and speed modifying on fuel lean-out for internal combustion engines
JPS6313011B2 (ja)
JP3791032B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射制御装置
JPH0541818B2 (ja)
JPS6052301B2 (ja) 空燃比制御装置
JPH07305643A (ja) エンジンの制御装置
JPH0575896B2 (ja)
JP4378665B2 (ja) 内燃機関の制御装置及び制御方法
US4805578A (en) Air-Fuel ratio control system for internal combustion engine
US4520784A (en) Method of and apparatus for controlling fuel injection
US5427082A (en) Method of proportional deceleration fuel lean-out for internal combustion engines
US5427071A (en) Method of catalyst purging fuel lean-out for internal combustion engines
JPH0573907B2 (ja)
JPH0463222B2 (ja)
JP2581033B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射量制御方法
JPH0742876B2 (ja) 内燃機関の電子制御装置
JP2905938B2 (ja) エンジンのアイドル回転数制御装置