JPH07305292A - ポリ塩化ビニル湿式抄造紙の製造方法 - Google Patents

ポリ塩化ビニル湿式抄造紙の製造方法

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JPH07305292A
JPH07305292A JP9737794A JP9737794A JPH07305292A JP H07305292 A JPH07305292 A JP H07305292A JP 9737794 A JP9737794 A JP 9737794A JP 9737794 A JP9737794 A JP 9737794A JP H07305292 A JPH07305292 A JP H07305292A
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JP
Japan
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polyvinyl chloride
paper
wet papermaking
pulp
fiber
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JP9737794A
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English (en)
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Kensho Sasaki
憲昭 佐々木
Tsutomu Kiriyama
勉 桐山
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、均一で耐硫酸性に富んだポ
リ塩化ビニル湿式抄造紙の製造方法を提供することにあ
る。 【構成】 ポリ塩化ビニル湿式抄造紙の製造方法におい
て、ポリ塩化ビニル繊維の繊維長が5〜15mm、バイ
ンダーとしてポリオレフィンパルプを用い、ポリ塩化ビ
ニル繊維/ポリオレフィンパルプの重量比率が95/5
〜60/40であることを特徴とするポリ塩化ビニル湿
式抄造紙の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、ポリ塩化ビニル繊維
からなる湿式抄造紙の製造方法に関する。本発明の製造
方法で得られるポリ塩化ビニル湿式抄造紙はイオン交換
膜の隔膜、電解法の隔膜補強材等の用途に利用される。
【0002】
【従来の技術】 ポリ塩化ビニル素材への要請は、イオ
ン交換膜の隔膜用、電解法の隔膜補強材等種々の分野か
ら来ている。これらの分野では今までは布が使用されて
きた。さらに最近ではスパンレースといった乾式不織布
の検討も始まっている。しかし布はその工程が複雑でコ
スト高という問題があり、乾式不織布は均一性が劣る等
の問題があった。これに対し湿式抄造法では低コスト
で、容易に均一な紙が得られる。しかし湿式抄紙におい
ては適当なバインダーが不足しており、バインダーが不
適当であるためイオン交換膜用基材として用いたときに
耐硫酸性が低下するなどの問題があった。
【0003】本発明者は、かかる問題を克服すべく鋭意
研究の結果、ポリオレフィンパルプをバインダー成分と
して用いると、ポリ塩化ビニル繊維の抄紙が可能であ
り、かつ得られた湿式抄造紙がイオン交換膜用基材とし
て充分に実用可能であることを見出し本発明を完成する
に至った。
【0004】
【発明の目的】本発明の目的はポリ塩化ビニル繊維から
なる均一な湿式抄造紙の製造方法を提供することにあ
る。
【0005】
【発明の構成】すなわち、本発明は「(請求項1) ポ
リ塩化ビニル湿式抄造紙の製造方法において、ポリ塩化
ビニル繊維の繊維長が5〜15mm、バインダーとして
ポリオレフィンパルプを用い、ポリ塩化ビニル繊維/ポ
リオレフィンパルプの重量比率が95/5〜60/40
であることを特徴とするポリ塩化ビニル湿式抄造紙の製
造方法。 (請求項2) ポリオレフィンパルプがポリエチレンパ
ルプである請求項1のポリ塩化ビニル湿式抄造紙の製造
方法。 (請求項3) ポリオレフィンパルプがポリプロピレン
パルプである請求項1のポリ塩化ビニル湿式抄造紙の製
造方法。」である。
【0006】通常、ポリ塩化ビニル繊維は単糸繊度が
2.0〜4.0デニールのものが市販されている。これ
は製造が容易で広く行き渡り、入手も容易である。これ
に対し、単糸繊度が2.0デニール以下のポリ塩化ビニ
ル繊維は製造がやや困難になる。しかし、単糸繊度が
2.0デニール以下のポリ塩化ビニル繊維を用いて湿式
抄造して得られた湿式抄造紙は非常に緻密であり、しか
も均一になるという傾向を有している。
【0007】ポリ塩化ビニル繊維に対するバインダーの
ポリオレフィンパルプの比率はカレンダー加工前の乾燥
紙全体の重量の5〜50重量%である。好ましくは10
〜30重量%である。ポリオレフィンパルプ量が5重量
%未満では、バインダー効果が不十分となり抄紙困難に
なる。ポリオレフィンパルプが50重量%を越えると、
湿式抄造紙物性が低下する。ポリオレフィンパルプとし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等
種々のポリオレフィンが考えられるが、ポリエチレン又
はポリプロピレンのパルプが一般に入手しやすい。ポリ
オレフィンパルプは一般にフィブリル化されたものが製
造され市販されている。ポリオレフィンパルプは、使用
にあたっては水中に完全に分散する必要がある。分散方
法としては、ミキサーによる分散方法が容易でかつ簡単
である。
【0008】このポリ塩化ビニル繊維からなる湿式抄造
紙をイオン交換膜用基材等として使用するためには、耐
酸性、特に耐硫酸性が必要である。イオン交換膜紙を製
造するときは、イオン交換膜素材を基材に塗布した後、
濃硫酸中に浸して陽イオン交換膜を作製する。このよう
に濃硫酸中で使用するので、濃硫酸に浸した後の機械物
性の保持率の高いことが必要である。ポリ塩化ビニル繊
維の耐硫酸性はきわめて高く、機械物性の保持率は10
0%である。一方、ポリオレフィン繊維もその耐硫酸性
は良好であり機械物性の保持率は100%である。パル
プ状ポリオレフィンの場合も同様であり、ポリ塩化ビニ
ルとポリオレフィンからなる湿式抄造紙の場合も機械物
性の耐硫酸性は問題はなく、機械物性の保持率は100
%である。 ポリ塩化ビニル短繊維の繊維長は5〜15
mmである。好ましくは、5〜10mmである。繊維長
が5mm未満になると湿式抄造して得られた湿式抄造紙
の強度伸度等の機械物性不足が生じるため好ましくな
い。繊維長が15mmを超えると湿式抄造工程において
短繊維の水中での分散が十分でなくなり均一な湿式抄造
紙が得られなくなる。
【0009】湿式抄造紙の坪量は20〜50g/m2
加熱加圧加工後の湿式抄造紙の嵩密度は0.25〜0.
85g/m3 になるように湿式抄造紙をカレンダー加工
する。このカレンダー加工は、通常、直径約15〜80
cmの硬質表面ロールと直径約30〜100cmの変形
可能な弾性ロールとを用いて行なう。このときの硬質表
面ロ−ルの表面温度は100〜150℃で適当であり、
特に好ましくは130〜140℃である。加圧力は約5
0〜300Kg/cmで適当であり、特に好ましくは1
00〜200Kg/cmである。カレンダーロールの表
面温度、加圧力が上記範囲をはずれると、湿式抄造紙の
嵩密度が0.25〜0.85g/m2 の範囲に入らない
ばかりか、強伸度等の機械物性が低下するのみならず、
抄紙性が低下する等、種々の問題が生じる。
【0010】
【発明の効果】本発明によって得られる湿式抄造紙は上
述のとおり、良好な均一性を有する湿式紙であり、イオ
ン交換膜基材等の隔膜用や電解法の隔膜材のような補強
材として有用である。
【0011】以下に本発明の実施例を示す。下記の実施
例では特記のないかぎり重量法による。湿式抄造紙の物
性は約65%の相対湿度及び20℃で5時間調湿したの
ち下記の測定法で評価した。 <湿式紙の厚さ>ピーコック式厚み計を用いて、JI
S.C2111.5.2に準じて測定した 。<嵩密度>JIS.C2111.6.1Sに従い下式
で算定した。
【0012】 嵩密度(g/m3 )=坪量(g/m2 )/厚さ(μm) <強伸度>湿式抄造紙の15mm巾の試験片を測定長5
0mmとして、定伸長型引張試験機(インストロン)を
用い、JIS.C.2111−7に準じて測定した。 <耐硫酸性>湿式抄造紙を98%の濃硫酸に30秒間、
浸した前後で湿式抄造紙重量を測定し、下式で保持率を
算定した。
【0013】強力保持率(%)=(硫酸浸漬後の強力/
硫酸浸漬前の強力)×100 伸度保持率(%)=(硫酸浸漬後の伸度/硫酸浸漬前の
伸度)×100
【0014】
【実施例1】単糸繊度2.0デニール、繊維長5mmの
ポリ塩化ビニル繊維(延伸糸)とバインダーのポリエチ
レンパルプを用いた。なおポリ塩化ビニル繊維は帝人株
式会社製のテビロンを使用した。ポリ塩化ビニル繊維/
ポリエチレンパルプの重量比を90/10重量%として
素材を0.05重量%の濃度で水中に分散し、坪量40
g/m2 になるように25cm×25cmのタッピー式
手抄機で抄紙した。得られた湿式抄造紙をロータリー式
乾燥機を用いて100℃で乾燥した。乾燥したポリ塩化
ビニル湿式抄造紙を温度135℃、線圧100Kg/c
mの条件下でカレンダー加工した。カレンダー加工して
得られた湿式抄造紙の厚さは85μmであり、嵩密度は
0.47g/m3 であった。評価結果を表1に示した。
【0015】
【実施例2】単糸繊度2.5デニール、繊維長10mm
のポリ塩化ビニル繊維(延伸糸)とバインダーとしてポ
リプロピレンパルプを用い、ポリ塩化ビニル繊維/ポリ
プロピレンパルプの重量比を70/30として0.1重
量%の固形分濃度で水中に分散し、坪量35g/m2
なるように25cm×25cmのタッピー式手抄機で抄
紙した。得られた湿紙はロータリー式乾燥機を用いて乾
燥した。乾燥した湿式抄造紙は温度125℃、線圧30
0Kg/cmの条件でカレンダー加工した。得られた湿
式抄造紙は厚さ68μmであり、嵩密度は0.51g/
cm3 であった。評価結果を表1に示した。
【0016】
【実施例3】単糸繊度1.5デニール、繊維長5mmの
ポリ塩化ビニル繊維(延伸糸)とバインダーとしてポリ
エチレンパルプを用い、ポリ塩化ビニル繊維/ポリエチ
レンパルプの重量比を60/40として水中に分散し、
0.1重量%の固形分のスラリーを調整した。坪量15
g/m2 になるように25cm×25cmのタッピー式
手抄機で抄紙し脱水後、得られた湿式抄造紙をロータリ
ー式乾燥機を用いて乾燥した。この湿式抄造紙を温度1
30℃、線圧50Kg/cmの条件でカレンダー加工
し、厚さ45μm、嵩密度0.33g/cm3 の湿式抄
造紙を得た。得られた湿式抄造紙(薄紙)の耐硫酸性、
その他の諸物性を表1に示した。
【0017】
【実施例4】単糸繊度3.0デニール、繊維長15mm
のポリ塩化ビニル繊維(延伸糸)とバインダーとしてポ
リプロピレンパルプを用いて、ポリ塩化ビニル繊維/ポ
リプロピレンパルプの重量比を95/5として水中に分
散し、0.08重量%の固形分のスラリーを調整し、3
5g/m2 になるように25cm×25cm大のタッピ
ー式手抄機で抄紙した。得られた湿式抄造紙を105℃
のロータリー式乾燥機を用いて乾燥した。乾燥した湿式
抄造紙を温度125℃、線圧200Kg/cmのカレン
ダー条件でカレンダー加工した。得られた湿式抄造紙は
紙厚95μm、嵩密度0.37g/cm3 であった。評
価結果を表1に示した。
【0018】
【比較例1】単糸繊度4.0デニール、繊維長1mmの
ポリ塩化ビニル繊維(延伸糸)とバインダーとしてポリ
エチレンパルプを用い、ポリ塩化ビニル繊維/ポリエチ
レンパルプの重量比を98/2として水中に分散し、
0.05重量%の固形分のスラリーを調整し、坪量50
g/m2 になるように25cm×25cm大のタッピー
式手抄機で抄紙を試みた。しかしタッピー抄紙金網から
の紙の分離が悪く抄紙することができなかった。
【0019】
【比較例2】単糸繊度1.5デニール、繊維長15mm
のポリ塩化ビニル繊維(延伸糸)とバインダーとしてポ
リプロピレンパルプを用い、ポリ塩化ビニル繊維/ポリ
プロピレンパルプの重量比を50/50として水中に分
散し、0.05重量%の固形分のスラリーを調整し、坪
量50g/m2 になるように25cm×25cmのタッ
ピー式手抄機で抄紙した。得られた湿式抄造紙をロータ
リー乾燥機で105℃で乾燥し、温度135℃、線圧3
00Kg/cmのカレンダー条件でカレンダー加工し
た。得られた湿式抄造紙は紙厚58μm、嵩密度0.8
6g/cm3 であった。評価結果を表1に示した。
【0020】
【表1】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ塩化ビニル湿式抄造紙の製造方法に
    おいて、ポリ塩化ビニル繊維の繊維長が5〜15mm、
    バインダーとしてポリオレフィンパルプを用い、ポリ塩
    化ビニル繊維/ポリオレフィンパルプの重量比率が95
    /5〜60/40であることを特徴とするポリ塩化ビニ
    ル湿式抄造紙の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィンパルプがポリエチレンで
    ある請求項1のポリ塩化ビニル湿式抄造紙の製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィンパルプがポリプロピレン
    である請求項1のポリ塩化ビニル湿式抄造紙の製造方
    法。
JP9737794A 1994-05-11 1994-05-11 ポリ塩化ビニル湿式抄造紙の製造方法 Pending JPH07305292A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015182366A1 (ja) * 2014-05-29 2015-12-03 住友ベークライト株式会社 樹脂シート、物品、および樹脂シートの製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015182366A1 (ja) * 2014-05-29 2015-12-03 住友ベークライト株式会社 樹脂シート、物品、および樹脂シートの製造方法
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