JPH07304711A - p−メトキシケイ皮酸エステルの製造法 - Google Patents
p−メトキシケイ皮酸エステルの製造法Info
- Publication number
- JPH07304711A JPH07304711A JP13238794A JP13238794A JPH07304711A JP H07304711 A JPH07304711 A JP H07304711A JP 13238794 A JP13238794 A JP 13238794A JP 13238794 A JP13238794 A JP 13238794A JP H07304711 A JPH07304711 A JP H07304711A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- anisaldehyde
- pme
- raw material
- methoxycinnamate
- vacuum distillation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 化粧品原料に適する無臭のp−メトキシケイ
皮酸イソプロピル(以下PMEとする)の製造法を提供
する。 【構成】 異臭成分を窒素気流中で減圧蒸留処理した精
製アニスアルデヒドを原料として使用する脱臭されたP
ME。
皮酸イソプロピル(以下PMEとする)の製造法を提供
する。 【構成】 異臭成分を窒素気流中で減圧蒸留処理した精
製アニスアルデヒドを原料として使用する脱臭されたP
ME。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明はPMEの製造法に関す
るもので、着色と臭気を改善して、化粧品原料用に適
し、臭気によって制限される事のない無臭のPMEを得
る製造方法である。 【0002】 近年、化粧品原料基剤は、微芳香性の傾
向が強く、安全性の面からも、マスキング剤を使用する
事のない化粧品原料基剤の開発が望まれている。 【0003】 このPMEは、化粧品分野に於いて、特
に紫外線吸収剤として、サンオイル、クリーム等に配合
されている。 【0004】 【従来の技術】 アニスアルデヒドの精製は、一般的に
減圧蒸留(全蒸留)や吸着処理方法である。この方法で
精製した品質の物で、ナトリウムアルコキシド中で酢酸
イソプロピルと反応させPMEを製造するのが一般的で
ある。 【0005】 使用する原料のアニスアルデヒドは空気
酸化されやすい為、外観の変化や酸化臭が強く、この方
法で製造されたPMEは、色、臭気が強く、化粧品原料
基剤としては適さない。 【0006】 【発明が解決する課題】 最近の化粧品配合処方では、
微芳香性の傾向が強く、安全性の面からも、マスキング
剤を使用する事のないPMEの化粧品原料基剤の開発が
望まれていた。特に紫外線吸収剤用化粧品では、特に強
く望まれていた。本来PMEは皮膚刺激の少ない紫外線
吸収剤として優れた性質を持っているが合成過程で起因
すると想定される臭気のために使用が制限されていた。
そこで臭気で使用の制限される事のない無臭のPMEを
製造する方法について検討した。 【0007】 【課題を解決する為の手段】 この結果、本発明者ら
は、生成したPMEの臭気を詳細に分析した結果、原料
のアニスアルデヒドの成分中含まれており、この臭気成
分はエステル化反応した後では主成分のPMEと分離が
困難である事を見出した。この知見をもとに更に検討し
た結果無臭のPMEはクライゼン縮合反応前のアニスア
ルデドの段階で異臭成分を除去する必要がある事を認め
た。この除去は抽出や蒸留、吸着など各種の方法がある
が特に窒素気流化の減圧蒸留が有効である事を認めて本
発明に至った。 【0008】 【作用】 以下に発明の詳細を説明する。市販のアニス
アルデヒドを多段減圧蒸留する。精留搭の段数は20〜
30段。 【0009】 この時の留分の採取方法によって、臭気
成分に影響を与えるゆえ、次の条件を満足するものとす
る。128〜130℃/5mmHg(本留分)とし、初
留分は10〜20%カット、本留分は70〜80%,蒸
留残査は10%とする。 【0010】 精留終了後、ナトリウムメチラートの存
在下で、本留分のアニスアルデヒドと酢酸イソプロピル
を反応させ、水洗、脱水、交換反応後、精留する。 【0011】 この時の初留分を10〜20%カット、
本留分60〜70%,蒸留残査は10%とする。 【0012】 【実施例】 以下に本発明を実施例及び比較例をもって
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものでない。 【0013】 【実施例1】 攪拌機、温度計、窒素導入口、冷却器を
備えた反応容器で行う。100重量部の市販のアニスア
ルデヒドを窒素気流中で減圧蒸留する。 留分のカット方法 初留分 10〜20% 110〜127℃/5
mmHg 本留分 60〜70% 128〜130℃/5
mmHg 蒸留残査 10〜20% 131℃〜 /4
mmHg 収率 75〜80% 上記の本留分の臭気成分をヘッドスペースガスクロマト
グラフイー(以下HGC)で測定すると表1と図1の結
果になる。 【表1】 臭気成分は、蒸気圧が高いので、精製蒸留する事によっ
て,消失していることが確認された。 【0014】この本留分を利用して、攪拌機、温度計、
冷却器を備えた、反応容器で反応させ、PMEを製造す
る。精製結果として保持時間の早い成分は消失してい
る。 【反応例】 酢酸イソプロピル 4
50 重量部 アニスアルデヒド (精製) 68 重量部 ナトリウムメチラート 37 重量部 の割合で、0〜5℃の間で2時間反応させ、終了後、硫
酸中和、水分離、脱水交換反応後、精留する。 精留条件〜理論段数 20〜30段 留分のカット方法 初留分 20% 110〜139℃ /3mm
Hg 本留分 70% 140〜145℃ /3mm
Hg 蒸留残査 10% 145℃ 〜 /3mm
Hg この時製造した、PMEは無色無臭の液体であり、図2
のHGC測定結果からも、臭気成分が減少していること
が確認された。 【0015】比較例 【比較例】市販のアニスアルデヒドを実施例1と同様の
反応条件でPMEを合成した。結果として精製アニスア
ルデヒドで製造したPMEをHGC測定し、比較する
と、図2からも明らかのように、保持時間の早い成分数
が多く、すなわち臭気成分が精製アニスアルデヒドで製
造したPMEより多い。 【0016】発明の効果 この方法で製造された、PMEは、無色無臭で、化粧品
配合した場合マスキング剤なしで、使用制限される事の
ない処方を組み立てることができる。例えば紫外線吸収
剤用化粧品では、特に有効である。
るもので、着色と臭気を改善して、化粧品原料用に適
し、臭気によって制限される事のない無臭のPMEを得
る製造方法である。 【0002】 近年、化粧品原料基剤は、微芳香性の傾
向が強く、安全性の面からも、マスキング剤を使用する
事のない化粧品原料基剤の開発が望まれている。 【0003】 このPMEは、化粧品分野に於いて、特
に紫外線吸収剤として、サンオイル、クリーム等に配合
されている。 【0004】 【従来の技術】 アニスアルデヒドの精製は、一般的に
減圧蒸留(全蒸留)や吸着処理方法である。この方法で
精製した品質の物で、ナトリウムアルコキシド中で酢酸
イソプロピルと反応させPMEを製造するのが一般的で
ある。 【0005】 使用する原料のアニスアルデヒドは空気
酸化されやすい為、外観の変化や酸化臭が強く、この方
法で製造されたPMEは、色、臭気が強く、化粧品原料
基剤としては適さない。 【0006】 【発明が解決する課題】 最近の化粧品配合処方では、
微芳香性の傾向が強く、安全性の面からも、マスキング
剤を使用する事のないPMEの化粧品原料基剤の開発が
望まれていた。特に紫外線吸収剤用化粧品では、特に強
く望まれていた。本来PMEは皮膚刺激の少ない紫外線
吸収剤として優れた性質を持っているが合成過程で起因
すると想定される臭気のために使用が制限されていた。
そこで臭気で使用の制限される事のない無臭のPMEを
製造する方法について検討した。 【0007】 【課題を解決する為の手段】 この結果、本発明者ら
は、生成したPMEの臭気を詳細に分析した結果、原料
のアニスアルデヒドの成分中含まれており、この臭気成
分はエステル化反応した後では主成分のPMEと分離が
困難である事を見出した。この知見をもとに更に検討し
た結果無臭のPMEはクライゼン縮合反応前のアニスア
ルデドの段階で異臭成分を除去する必要がある事を認め
た。この除去は抽出や蒸留、吸着など各種の方法がある
が特に窒素気流化の減圧蒸留が有効である事を認めて本
発明に至った。 【0008】 【作用】 以下に発明の詳細を説明する。市販のアニス
アルデヒドを多段減圧蒸留する。精留搭の段数は20〜
30段。 【0009】 この時の留分の採取方法によって、臭気
成分に影響を与えるゆえ、次の条件を満足するものとす
る。128〜130℃/5mmHg(本留分)とし、初
留分は10〜20%カット、本留分は70〜80%,蒸
留残査は10%とする。 【0010】 精留終了後、ナトリウムメチラートの存
在下で、本留分のアニスアルデヒドと酢酸イソプロピル
を反応させ、水洗、脱水、交換反応後、精留する。 【0011】 この時の初留分を10〜20%カット、
本留分60〜70%,蒸留残査は10%とする。 【0012】 【実施例】 以下に本発明を実施例及び比較例をもって
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものでない。 【0013】 【実施例1】 攪拌機、温度計、窒素導入口、冷却器を
備えた反応容器で行う。100重量部の市販のアニスア
ルデヒドを窒素気流中で減圧蒸留する。 留分のカット方法 初留分 10〜20% 110〜127℃/5
mmHg 本留分 60〜70% 128〜130℃/5
mmHg 蒸留残査 10〜20% 131℃〜 /4
mmHg 収率 75〜80% 上記の本留分の臭気成分をヘッドスペースガスクロマト
グラフイー(以下HGC)で測定すると表1と図1の結
果になる。 【表1】 臭気成分は、蒸気圧が高いので、精製蒸留する事によっ
て,消失していることが確認された。 【0014】この本留分を利用して、攪拌機、温度計、
冷却器を備えた、反応容器で反応させ、PMEを製造す
る。精製結果として保持時間の早い成分は消失してい
る。 【反応例】 酢酸イソプロピル 4
50 重量部 アニスアルデヒド (精製) 68 重量部 ナトリウムメチラート 37 重量部 の割合で、0〜5℃の間で2時間反応させ、終了後、硫
酸中和、水分離、脱水交換反応後、精留する。 精留条件〜理論段数 20〜30段 留分のカット方法 初留分 20% 110〜139℃ /3mm
Hg 本留分 70% 140〜145℃ /3mm
Hg 蒸留残査 10% 145℃ 〜 /3mm
Hg この時製造した、PMEは無色無臭の液体であり、図2
のHGC測定結果からも、臭気成分が減少していること
が確認された。 【0015】比較例 【比較例】市販のアニスアルデヒドを実施例1と同様の
反応条件でPMEを合成した。結果として精製アニスア
ルデヒドで製造したPMEをHGC測定し、比較する
と、図2からも明らかのように、保持時間の早い成分数
が多く、すなわち臭気成分が精製アニスアルデヒドで製
造したPMEより多い。 【0016】発明の効果 この方法で製造された、PMEは、無色無臭で、化粧品
配合した場合マスキング剤なしで、使用制限される事の
ない処方を組み立てることができる。例えば紫外線吸収
剤用化粧品では、特に有効である。
【手続補正書】
【提出日】平成6年9月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図1,図2
【補正方法】追加
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】アニスアルデヒドのヘッドスペースガスクロマ
トグラフィーです。横軸は保持時間(分)、縦軸mV
(濃度)との関係を示したグラフである。 【図2】PMEのヘッドスペースガスクロマトグラフィ
ーです。横軸は保持時間(分)、縦釉mV(濃度)との
関係を示したグラフである。
トグラフィーです。横軸は保持時間(分)、縦軸mV
(濃度)との関係を示したグラフである。 【図2】PMEのヘッドスペースガスクロマトグラフィ
ーです。横軸は保持時間(分)、縦釉mV(濃度)との
関係を示したグラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所
C07C 47/575 9049−4H
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】原料のアニスアルデヒド中の異臭成分を窒
素気流化で減圧蒸留処理した品質の物を使用する事を特
徴とした、化粧品原料使用に適した脱臭されたp−メト
キシケイ皮酸イソプロピル(以下PMEとする)を製造
する方法。 【請求項2】〔請求項1〕の減圧蒸留精製条件として、
精留塔(20〜30段)使用し、減圧蒸留し、128〜
130℃/5mmHgの留分とする。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13238794A JPH07304711A (ja) | 1994-05-10 | 1994-05-10 | p−メトキシケイ皮酸エステルの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13238794A JPH07304711A (ja) | 1994-05-10 | 1994-05-10 | p−メトキシケイ皮酸エステルの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07304711A true JPH07304711A (ja) | 1995-11-21 |
Family
ID=15080202
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13238794A Pending JPH07304711A (ja) | 1994-05-10 | 1994-05-10 | p−メトキシケイ皮酸エステルの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07304711A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002015691A1 (en) * | 2000-08-25 | 2002-02-28 | Robigus Ab | Use for conifer sapling protection against insect attack |
-
1994
- 1994-05-10 JP JP13238794A patent/JPH07304711A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002015691A1 (en) * | 2000-08-25 | 2002-02-28 | Robigus Ab | Use for conifer sapling protection against insect attack |
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