JPH0730399B2 - 磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法Info
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- JPH0730399B2 JPH0730399B2 JP2121766A JP12176690A JPH0730399B2 JP H0730399 B2 JPH0730399 B2 JP H0730399B2 JP 2121766 A JP2121766 A JP 2121766A JP 12176690 A JP12176690 A JP 12176690A JP H0730399 B2 JPH0730399 B2 JP H0730399B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方
法に関する。
法に関する。
一方向性電磁鋼板は、主として変圧器、発電機その他の
電気機器の鉄芯材料として用いられ、磁気特性として励
磁特性と鉄損特性が良好でなければならないことの他、
良好な皮膜を有するものでなければならない。
電気機器の鉄芯材料として用いられ、磁気特性として励
磁特性と鉄損特性が良好でなければならないことの他、
良好な皮膜を有するものでなければならない。
一方向性電磁鋼板は、二次再結晶現象を利用して圧延面
に{110}面、圧延方向に〈001〉軸をもつ所謂ゴス方位
を有する結晶粒を発達させることによって得られる。
に{110}面、圧延方向に〈001〉軸をもつ所謂ゴス方位
を有する結晶粒を発達させることによって得られる。
前記二次再結晶現象は、周知のように、仕上焼鈍過程で
生じるが、二次再結晶の発現を十分なものとするために
は、仕上焼鈍過程における二次再結晶発現温度域まで一
次再結晶粒の成長を抑制するAlN,Mns,MnSe等の微細な析
出物、所謂インヒビターを鋼中に存在させる必要があ
る。従って、電磁鋼スラブは、インヒビター形成元素、
例えばAl,Mn,S,Se,N等を完全に固溶させるために、1350
〜1400℃といった高温に加熱される。前記スラブ中に完
全に固溶せしめられたインヒビター形成元素は、熱延板
或は最終冷間圧延前の中間板厚の段階で焼鈍によって、
AlN,MnS,MnSeとして微細に析出せしめられる。
生じるが、二次再結晶の発現を十分なものとするために
は、仕上焼鈍過程における二次再結晶発現温度域まで一
次再結晶粒の成長を抑制するAlN,Mns,MnSe等の微細な析
出物、所謂インヒビターを鋼中に存在させる必要があ
る。従って、電磁鋼スラブは、インヒビター形成元素、
例えばAl,Mn,S,Se,N等を完全に固溶させるために、1350
〜1400℃といった高温に加熱される。前記スラブ中に完
全に固溶せしめられたインヒビター形成元素は、熱延板
或は最終冷間圧延前の中間板厚の段階で焼鈍によって、
AlN,MnS,MnSeとして微細に析出せしめられる。
このようなプロセスを採るとき、電磁鋼スラブは前述の
ように高温に加熱されるから、溶融スケールの発生が多
量なものとなり、加熱炉補修の頻度を高め、メインテナ
ンスコストを高くするのみならず設備稼動率を低下せし
めさらに、燃料原単位を高くする等の問題がある。
ように高温に加熱されるから、溶融スケールの発生が多
量なものとなり、加熱炉補修の頻度を高め、メインテナ
ンスコストを高くするのみならず設備稼動率を低下せし
めさらに、燃料原単位を高くする等の問題がある。
このような問題を解決すべく、電磁鋼スラブの加熱温度
を低いものとし得る一方向性電磁鋼板の製造方法の研究
が進められている。
を低いものとし得る一方向性電磁鋼板の製造方法の研究
が進められている。
例えば、特開昭52-24116号公報には、Alの他に、Zr,Ti,
B,Nb,Ta,V,Cr,Mo等の窒化物形成元素を鋼中に含有させ
ることにより、電磁鋼スラブの加熱温度を1100〜1260℃
とする製造方法が提案されている。
B,Nb,Ta,V,Cr,Mo等の窒化物形成元素を鋼中に含有させ
ることにより、電磁鋼スラブの加熱温度を1100〜1260℃
とする製造方法が提案されている。
また、特開昭59-190324号公報には、C含有量を0.01%
以下の低いものとし、S,Se,さらにAlとBを選択的に含
有させた電磁鋼スラブを素材とし、冷間圧延後の一次再
結晶焼鈍時に鋼板表面を短時間繰返し高温加熱する、所
謂パルス焼鈍を行うことにより、電磁鋼スラブの加熱温
度を1300℃以下とすることが提案されている。
以下の低いものとし、S,Se,さらにAlとBを選択的に含
有させた電磁鋼スラブを素材とし、冷間圧延後の一次再
結晶焼鈍時に鋼板表面を短時間繰返し高温加熱する、所
謂パルス焼鈍を行うことにより、電磁鋼スラブの加熱温
度を1300℃以下とすることが提案されている。
さらに、特公昭61-60896号公報には、Mn含有量を0.08〜
0.45%、S含有量を0.007%以下として〔Mn〕〔S〕積
を低くし、さらにAl,P,Nを含有せしめた電磁鋼スラブを
素材とすることにより、スラブ加熱温度を1280℃未満と
する製造プロセスが提案されている。
0.45%、S含有量を0.007%以下として〔Mn〕〔S〕積
を低くし、さらにAl,P,Nを含有せしめた電磁鋼スラブを
素材とすることにより、スラブ加熱温度を1280℃未満と
する製造プロセスが提案されている。
これは一次再結晶粒の成長を抑制する、所謂インヒビタ
ーを脱炭焼鈍以降において造り込むことを特徴としたも
のであるが、この技術思想に基づいて例えば、特願昭63
-100111号には一次再結晶完了後、高温仕上げ焼鈍以前
の段階でストリップを走行せしめる状態下で窒化する方
法が提案された。また特願平1-82393号には一次再結晶
粒の粒径と製品の磁束密度に極めて強い相関があり、一
次再結晶粒径によって窒化条件を変える必要があること
を述べている。
ーを脱炭焼鈍以降において造り込むことを特徴としたも
のであるが、この技術思想に基づいて例えば、特願昭63
-100111号には一次再結晶完了後、高温仕上げ焼鈍以前
の段階でストリップを走行せしめる状態下で窒化する方
法が提案された。また特願平1-82393号には一次再結晶
粒の粒径と製品の磁束密度に極めて強い相関があり、一
次再結晶粒径によって窒化条件を変える必要があること
を述べている。
本発明は、電磁鋼スラブの加熱温度を1200℃以下の低い
ものとして高温スラブ加熱に起因するメインテナンスコ
ストの上昇、設備稼働率の低下、さらには生産性の低下
を抑え、高生産性下に優れた磁気特性を有する一方向性
電磁鋼板を安定して生産し得る製造方法を提供すること
を目的とするものである。
ものとして高温スラブ加熱に起因するメインテナンスコ
ストの上昇、設備稼働率の低下、さらには生産性の低下
を抑え、高生産性下に優れた磁気特性を有する一方向性
電磁鋼板を安定して生産し得る製造方法を提供すること
を目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕 本発明の要旨とするところは、重量%で、C:0.025〜0.0
75%、Si:2.5〜4.5%、S≦0.015%、酸可溶性Al:0.010
〜0.050%、N≦0.010%、Mn:0.05〜0.45%を含有し、
残部Fe及び不可避的不純物からなる電磁鋼スラブを1200
℃以下の温度に加熱した後、熱間圧延し、一回または中
間焼鈍を介挿する二回以上の冷間圧延を施して最終板厚
とし、次いで脱炭焼鈍、窒化処理を行うが脱炭焼鈍後の
一次再結晶粒の平均粒径がdμmの場合の鋼板の〔N〕
量(ppm)を16d−90>N>60d−1400(下限値:100ppm)
の関係が満たされる条件下に窒化量を制御した後焼鈍分
離剤を塗布し、高温仕上げ焼鈍を施すことを特徴とする
磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法にある。
75%、Si:2.5〜4.5%、S≦0.015%、酸可溶性Al:0.010
〜0.050%、N≦0.010%、Mn:0.05〜0.45%を含有し、
残部Fe及び不可避的不純物からなる電磁鋼スラブを1200
℃以下の温度に加熱した後、熱間圧延し、一回または中
間焼鈍を介挿する二回以上の冷間圧延を施して最終板厚
とし、次いで脱炭焼鈍、窒化処理を行うが脱炭焼鈍後の
一次再結晶粒の平均粒径がdμmの場合の鋼板の〔N〕
量(ppm)を16d−90>N>60d−1400(下限値:100ppm)
の関係が満たされる条件下に窒化量を制御した後焼鈍分
離剤を塗布し、高温仕上げ焼鈍を施すことを特徴とする
磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法にある。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において、出発材料とする電磁鋼スラブの成分組
成の限定理由は、以下の通りである。
成の限定理由は、以下の通りである。
Cは、その含有量が0.025%未満になると、二次再結晶
が不安定となりかつ、二次再結晶した場合でも製品の磁
束密度(B10値)が1.80Teslaと低いものとなる。一方、
Cの含有量が0.075%を超えて多くなり過ぎると、脱炭
焼鈍時間が長大なものとなり、生産性を著しく損なう。
が不安定となりかつ、二次再結晶した場合でも製品の磁
束密度(B10値)が1.80Teslaと低いものとなる。一方、
Cの含有量が0.075%を超えて多くなり過ぎると、脱炭
焼鈍時間が長大なものとなり、生産性を著しく損なう。
Siは、その含有量が2.5%未満になると、製品厚み0.30m
mで、W17/50で1.05W/kg以下の最高等級の鉄損特性を有
する製品を得ることができない、この観点からSi含有量
の下限は、望ましくは3.2%である。一方、Siの含有量
が4.5%を超えて多くなり過ぎると、冷間圧延時に材料
の割れ、破断が多発し、安定した冷間圧延作業を不可能
にする。
mで、W17/50で1.05W/kg以下の最高等級の鉄損特性を有
する製品を得ることができない、この観点からSi含有量
の下限は、望ましくは3.2%である。一方、Siの含有量
が4.5%を超えて多くなり過ぎると、冷間圧延時に材料
の割れ、破断が多発し、安定した冷間圧延作業を不可能
にする。
本発明の出発材料の成分系における特徴の一つは、Sは
0.015%以下、好ましくは0.0070%以下とする点にあ
る。
0.015%以下、好ましくは0.0070%以下とする点にあ
る。
Sは周知の如くMnSを形成し粒成長を抑制する作用をす
る。本発明においては二次再結晶粒を発現させるに必要
なインヒビターは脱炭焼鈍以降で造り込むことを特徴と
しており、冷間圧延以前で微細な析出物が分散すること
は一次再結晶粒径を調整して高磁束密度を得る本発明に
おいては好ましくない。従ってSは0.015%以下として
いる。またS量を少なくすることは熱延時の耳割れの低
減にも効果が大きい。
る。本発明においては二次再結晶粒を発現させるに必要
なインヒビターは脱炭焼鈍以降で造り込むことを特徴と
しており、冷間圧延以前で微細な析出物が分散すること
は一次再結晶粒径を調整して高磁束密度を得る本発明に
おいては好ましくない。従ってSは0.015%以下として
いる。またS量を少なくすることは熱延時の耳割れの低
減にも効果が大きい。
AlはAlN又は(Al,Si)Nを形成して二次再結晶に必要な
析出物を形成するために必要であり、その量は0.010%
以上、0.050%以下とする。0.010%未満では高磁束密度
の鋼板が得られず、一方0.050%を超えると二次再結晶
粒の発達が不安定となる。
析出物を形成するために必要であり、その量は0.010%
以上、0.050%以下とする。0.010%未満では高磁束密度
の鋼板が得られず、一方0.050%を超えると二次再結晶
粒の発達が不安定となる。
Nの含有量は0.010%を超えると、ブリスターと呼ばれ
る鋼板表面の脹れが発生する。
る鋼板表面の脹れが発生する。
Mnはその含有量が0.05%未満と少な過ぎると二次再結晶
が不安定となり、一方0.45%を超えて多く含有すると高
い磁束密度をもつ製品が得難くなる。
が不安定となり、一方0.45%を超えて多く含有すると高
い磁束密度をもつ製品が得難くなる。
なお、微量のCu,Sn,Cr,P,B,Tiを鋼中に単独または複合
で含有せしめることは、本発明の趣旨を損なうものでは
ない。
で含有せしめることは、本発明の趣旨を損なうものでは
ない。
次に、製造プロセスについて説明する。
電磁鋼スラブは、転炉或は電気炉等の溶解炉で鋼を溶製
し、必要に応じて溶鋼を真空脱ガス処理し、次いで、連
続鋳造によって或は造塊後分塊圧延することによって得
られる。然る後、熱間圧延に先立つスラブ加熱がなされ
る。本発明のプロセスにおいては、スラブの加熱温度は
1200℃以下の低いものとして加熱エネルギ消費量を少な
くするとともに、鋼中のAlN,MnSは完全には固溶させず
不完全固溶状態とする。
し、必要に応じて溶鋼を真空脱ガス処理し、次いで、連
続鋳造によって或は造塊後分塊圧延することによって得
られる。然る後、熱間圧延に先立つスラブ加熱がなされ
る。本発明のプロセスにおいては、スラブの加熱温度は
1200℃以下の低いものとして加熱エネルギ消費量を少な
くするとともに、鋼中のAlN,MnSは完全には固溶させず
不完全固溶状態とする。
加熱後、電磁鋼スラブは熱間圧延され、そのまま或は必
要に応じて焼鈍された後、1回または中間焼鈍を介挿す
る2回以上の冷間圧延を施され、最終板厚とされる。熱
延板を900℃以上、1200℃以下の温度で少なくとも30秒
以上焼鈍すると焼鈍しない場合に比べ磁気特性は向上す
る。
要に応じて焼鈍された後、1回または中間焼鈍を介挿す
る2回以上の冷間圧延を施され、最終板厚とされる。熱
延板を900℃以上、1200℃以下の温度で少なくとも30秒
以上焼鈍すると焼鈍しない場合に比べ磁気特性は向上す
る。
ところで、本発明においては、電磁鋼スラブは1200℃以
下の低い温度に加熱される。従って、鋼中のAl,Mn,S等
を不完全固溶状態としており、このままでは、鋼板中に
二次再結晶を発現させるための充分なAlN,(Al,Si)N
等のインヒビターが存在しない。故に、二次再結晶発現
以前に、鋼中にNを侵入させ、インヒビターとして機能
する(Al,Si)Nを形成する必要がある。特公昭62-4528
5号公報記載の方法では、鋼板の窒化は占積率が90%程
度のタイトなストリップコイルの形態でなされている。
このようなタイトなストリップコイルの状態では、板間
の間隙は10μm以下と狭く、通気性が非常に悪い。従っ
て、板間の雰囲気をドライな雰囲気に置換するのに長時
間を要するのみならず、窒化源としてのN2が板間に侵
入、拡散するためにも長時間を必要とする。また、コイ
ル内温度の不均一さに起因する窒化の不均一さ、窒化量
の制御も問題となった。かかる問題を解決するために特
願平1-91956号では、脱炭焼鈍後半にNH3雰囲気中でスト
リップを走行させる状態下で鋼板の窒化処理を行うこと
によって、インヒビターとして機能する微細な(Al,S
i)Nを鋼中に形成させる方法が提案された。
下の低い温度に加熱される。従って、鋼中のAl,Mn,S等
を不完全固溶状態としており、このままでは、鋼板中に
二次再結晶を発現させるための充分なAlN,(Al,Si)N
等のインヒビターが存在しない。故に、二次再結晶発現
以前に、鋼中にNを侵入させ、インヒビターとして機能
する(Al,Si)Nを形成する必要がある。特公昭62-4528
5号公報記載の方法では、鋼板の窒化は占積率が90%程
度のタイトなストリップコイルの形態でなされている。
このようなタイトなストリップコイルの状態では、板間
の間隙は10μm以下と狭く、通気性が非常に悪い。従っ
て、板間の雰囲気をドライな雰囲気に置換するのに長時
間を要するのみならず、窒化源としてのN2が板間に侵
入、拡散するためにも長時間を必要とする。また、コイ
ル内温度の不均一さに起因する窒化の不均一さ、窒化量
の制御も問題となった。かかる問題を解決するために特
願平1-91956号では、脱炭焼鈍後半にNH3雰囲気中でスト
リップを走行させる状態下で鋼板の窒化処理を行うこと
によって、インヒビターとして機能する微細な(Al,S
i)Nを鋼中に形成させる方法が提案された。
インラインで鋼板(ストリップ)を窒化することを考え
る場合、短時間(30秒間〜1分間)に鋼板を窒化処理で
きることが不可欠である。
る場合、短時間(30秒間〜1分間)に鋼板を窒化処理で
きることが不可欠である。
脱炭焼鈍を行う前に鋼板を窒化すれば、窒素を容易に鋼
中に侵入させることができるけれども、それが脱炭焼鈍
中に生成する一次再結晶粒の成長を阻害し、ひいては製
品の磁束密度に直接的に関係する一次再結晶粒の方向性
或いは成長を阻害する結果となる。
中に侵入させることができるけれども、それが脱炭焼鈍
中に生成する一次再結晶粒の成長を阻害し、ひいては製
品の磁束密度に直接的に関係する一次再結晶粒の方向性
或いは成長を阻害する結果となる。
一次再結晶粒径を一定の大きさに調整した後、例えば脱
炭焼鈍の後半で窒化処理を行えば理想的な窒化が可能と
なる。
炭焼鈍の後半で窒化処理を行えば理想的な窒化が可能と
なる。
本発明者等はこの技術を詳細に検討した結果、鋼板の一
次再結晶粒径と窒化量に一定の関係が成り立つ条件下で
磁気特性の特に優れた成品が得られることを見出した。
次再結晶粒径と窒化量に一定の関係が成り立つ条件下で
磁気特性の特に優れた成品が得られることを見出した。
本発明は、この知見に基づいて完成された。
以下、本発明を実験結果に基づいてさらに詳細に説明す
る。
る。
供試材として、C:0.054%、Si:3.3%、Mn:0.12%、酸可
溶性Al:0.028%、Cr:0.12%、N:0.0075%を含み、残部F
eおよび不可避的不純物からなり、S含有量を0.03〜0.1
5%の範囲に変化させた真空溶解材を1150℃に加熱し、
熱間圧延を施して2.0mmの厚さの熱延板を準備した。こ
の熱延板に、1120℃×60秒+900℃×120秒の焼鈍を施し
た後、100℃の熱湯で急冷却し、酸洗し、次いで冷間圧
延して0.23mm厚さの冷延板とした。然る後、800〜870℃
の温度で120秒間の脱炭焼鈍を湿水素、窒素雰囲気中で
行なった。この後750℃×30秒の窒化処理をH2:75%、
N2:25%のドライ雰囲気中でNH3の添加量を変えて行なっ
た。その後MgOとTiO2を主成分とする焼鈍分離剤を塗布
し、次いで1200℃×20時間の仕上げ焼鈍を行なった。第
1図にその結果を、一次再結晶粒径と窒化後〔N〕量と
磁気特性の関係で示す。
溶性Al:0.028%、Cr:0.12%、N:0.0075%を含み、残部F
eおよび不可避的不純物からなり、S含有量を0.03〜0.1
5%の範囲に変化させた真空溶解材を1150℃に加熱し、
熱間圧延を施して2.0mmの厚さの熱延板を準備した。こ
の熱延板に、1120℃×60秒+900℃×120秒の焼鈍を施し
た後、100℃の熱湯で急冷却し、酸洗し、次いで冷間圧
延して0.23mm厚さの冷延板とした。然る後、800〜870℃
の温度で120秒間の脱炭焼鈍を湿水素、窒素雰囲気中で
行なった。この後750℃×30秒の窒化処理をH2:75%、
N2:25%のドライ雰囲気中でNH3の添加量を変えて行なっ
た。その後MgOとTiO2を主成分とする焼鈍分離剤を塗布
し、次いで1200℃×20時間の仕上げ焼鈍を行なった。第
1図にその結果を、一次再結晶粒径と窒化後〔N〕量と
磁気特性の関係で示す。
なお、結晶粒径の調整は素材のS含有量と脱炭焼鈍温度
の組合せで行ない、一方〔N〕量はNH3の添加量で調整
した。図において、○印は鉄損特性がW17/50で0.95w/kg
以上であり、●印は0.94w/kg以下の特性を示す。また△
印は二次再結晶粒の発達が悪く、磁気特性が非常に劣る
ものである。磁気特性の優れた成品の得られる領域は鋼
板の〔N〕量(ppm)をN、一次再結晶の平均粒径をd
μmとすると、16d−90>N>60d−1400の関係が成立つ
範囲にあり、かつNの下限は100ppmである。上限は好ま
しくは250ppm以下がよい。これを超えると被膜形成に悪
影響を与える傾向がある。この関係は成品板厚が変って
も適用可能である。
の組合せで行ない、一方〔N〕量はNH3の添加量で調整
した。図において、○印は鉄損特性がW17/50で0.95w/kg
以上であり、●印は0.94w/kg以下の特性を示す。また△
印は二次再結晶粒の発達が悪く、磁気特性が非常に劣る
ものである。磁気特性の優れた成品の得られる領域は鋼
板の〔N〕量(ppm)をN、一次再結晶の平均粒径をd
μmとすると、16d−90>N>60d−1400の関係が成立つ
範囲にあり、かつNの下限は100ppmである。上限は好ま
しくは250ppm以下がよい。これを超えると被膜形成に悪
影響を与える傾向がある。この関係は成品板厚が変って
も適用可能である。
次に窒化条件について述べる。
鋼板を窒化するための温度は、700〜900℃、好ましくは
800℃前後である。900℃を超えると、鋼板(ストリッ
プ)の集合組織が変化するから二次再結晶不良となる。
800℃前後である。900℃を超えると、鋼板(ストリッ
プ)の集合組織が変化するから二次再結晶不良となる。
窒化処理時間は、特にこだわらないがインラインで鋼板
を窒化することを考える場合、30〜60秒間程度が好まし
い。
を窒化することを考える場合、30〜60秒間程度が好まし
い。
雰囲気は、H2或はH2とN2の混合ガスにNH3ガスを添加し
たものとする。
たものとする。
雰囲気の露点は低い(ドライな)方が好ましい。
窒化処理後の鋼板に、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を
塗布する。この焼鈍分離剤にTiO2等公知の添加物を加え
てもよい。
塗布する。この焼鈍分離剤にTiO2等公知の添加物を加え
てもよい。
仕上げ焼鈍は、1100℃以上の高温で行い、二次再結晶粒
を発現させ、良好な絶縁被膜を鋼板に形成せしめる。
を発現させ、良好な絶縁被膜を鋼板に形成せしめる。
実施例1 重量で、C:0.050%、Si:3.3%、Mn:0.12%、Al:0.028
%、S:0.009%、Cr:0.12%、N:0.0075%、残部Feおよび
不可避的不純物からなる電磁鋼スラブを、1200℃に加熱
して熱間圧延し、2.3mm厚さの熱延板とした。
%、S:0.009%、Cr:0.12%、N:0.0075%、残部Feおよび
不可避的不純物からなる電磁鋼スラブを、1200℃に加熱
して熱間圧延し、2.3mm厚さの熱延板とした。
この熱延板を1120℃×2.5分+900℃×2分焼鈍後、100
℃の湯中にて冷却した。次いで、酸洗し、冷間圧延し、
0.30mmの最終板厚とした。次いで脱炭焼鈍を800℃、830
℃、850℃、の温度で120秒間行なった。雰囲気ガスはN2
25%、H275%の混合ガスを用い、露点は50℃とした。
℃の湯中にて冷却した。次いで、酸洗し、冷間圧延し、
0.30mmの最終板厚とした。次いで脱炭焼鈍を800℃、830
℃、850℃、の温度で120秒間行なった。雰囲気ガスはN2
25%、H275%の混合ガスを用い、露点は50℃とした。
脱炭焼鈍後の平均結晶粒径はそれぞれ15μm、21μm、
26μmであった。次いでN225%、H275%のドライ雰囲気
ガス中にNH3を添加し、750℃×30秒の窒化処理を施し
た。窒化後の〔N〕量はほぼ、150ppm、220ppm、310ppm
であった。この後MgOとTiO2を混合した焼鈍分離剤を塗
布し1200℃×20時間の焼鈍を行なった。磁気特性を第1
表に示す。
26μmであった。次いでN225%、H275%のドライ雰囲気
ガス中にNH3を添加し、750℃×30秒の窒化処理を施し
た。窒化後の〔N〕量はほぼ、150ppm、220ppm、310ppm
であった。この後MgOとTiO2を混合した焼鈍分離剤を塗
布し1200℃×20時間の焼鈍を行なった。磁気特性を第1
表に示す。
各結晶粒径に対して本発明の条件を満すN量の範囲にお
いて磁気特性の優れたものが得られた。
いて磁気特性の優れたものが得られた。
〈実施例2〉 重量で、C:0.045%、Si:3.2%、Mn:0.10%、Al:0.030
%、S:0.005%、N:0.0070%、残部Feおよび不可避的不
純物からなる電磁鋼スラブを、1150℃に加熱した後熱間
圧延し、2.3mm厚さの熱延板とした。この熱延板を酸洗
し、冷間圧延し、0.35mmの最終板厚とした。次いで脱炭
焼鈍を820℃と850℃の温度で160秒間行なった。雰囲気
ガスはN225%、H275%の混合ガスを用い、露点は60℃と
した。脱炭焼鈍板の平均結晶粒径は19μmと25μmであ
った。この後N225%、H275%のドライ雰囲気ガス中にNH
3を添加し、750℃×30秒の窒化処理をし、窒化後の
〔N〕量はほぼ、150ppmと250ppmにした。この後MgOとT
iO2を混合した焼鈍分離剤を塗布し、1200℃×20時間の
焼鈍を行なった。磁気特性を第2表に示す。
%、S:0.005%、N:0.0070%、残部Feおよび不可避的不
純物からなる電磁鋼スラブを、1150℃に加熱した後熱間
圧延し、2.3mm厚さの熱延板とした。この熱延板を酸洗
し、冷間圧延し、0.35mmの最終板厚とした。次いで脱炭
焼鈍を820℃と850℃の温度で160秒間行なった。雰囲気
ガスはN225%、H275%の混合ガスを用い、露点は60℃と
した。脱炭焼鈍板の平均結晶粒径は19μmと25μmであ
った。この後N225%、H275%のドライ雰囲気ガス中にNH
3を添加し、750℃×30秒の窒化処理をし、窒化後の
〔N〕量はほぼ、150ppmと250ppmにした。この後MgOとT
iO2を混合した焼鈍分離剤を塗布し、1200℃×20時間の
焼鈍を行なった。磁気特性を第2表に示す。
本発明の条件範囲内にあるものが磁気特性が優れてい
る。
る。
(発明の効果) 本発明によれば磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板が得
られる。
られる。
第1図は一次再結晶粒径と窒化後のN量と磁気特性の関
係を示す図である。
係を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】重量でC:0.025〜0.075%、Si:2.5〜4.5
%、S≦0.015%、酸可溶性Al:0.010〜0.050%、N≦0.
010%、Mn:0.05〜0.45%を含有し、残部Fe及び不可避的
不純物からなる電磁鋼スラブを1200℃以下の温度に加熱
した後熱間圧延し、一回或いは中間焼鈍を介挿する二回
以上の冷間圧延を施して最終板厚とし、ついで脱炭焼
鈍、焼鈍分離剤塗布を行った後、高温仕上げ焼鈍を施す
一方向性電磁鋼板の製造方法において、一次再結晶完了
後高温仕上げ焼鈍以前の段階でストリップを走行せしめ
る状態下で平均結晶粒径d(μm)における鋼板の窒素
量〔N〕(ppm)を16d−90>N>60d−1400(下限値:10
0ppm)の範囲になるように窒化量を制御することを特徴
とする磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項2】熱延板を900℃以上1200℃以下で焼鈍する
ことを特徴とする請求項1記載の磁気特性の優れた一方
向性電磁鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2121766A JPH0730399B2 (ja) | 1990-05-11 | 1990-05-11 | 磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2121766A JPH0730399B2 (ja) | 1990-05-11 | 1990-05-11 | 磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0417618A JPH0417618A (ja) | 1992-01-22 |
JPH0730399B2 true JPH0730399B2 (ja) | 1995-04-05 |
Family
ID=14819358
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2121766A Expired - Fee Related JPH0730399B2 (ja) | 1990-05-11 | 1990-05-11 | 磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH0730399B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100435464B1 (ko) * | 1999-12-20 | 2004-06-10 | 주식회사 포스코 | 고자속밀도 방향성 전기강판 제조방법 |
KR100482207B1 (ko) * | 2000-10-19 | 2005-04-13 | 주식회사 포스코 | 방향성 전기강판의 제조방법 |
-
1990
- 1990-05-11 JP JP2121766A patent/JPH0730399B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0417618A (ja) | 1992-01-22 |
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