JPH0730362U - 増設フィルタ、またはウォータセパレータ付き燃料ライン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 標準仕様車両に対して、増設フィルタやウォ
ータセパレータを必要時、燃料ライン上に簡単に設置で
き、しかもメンテナンスも容易とする。 【構成】 燃料タンク１からの燃料を噴射ポンプ３に供
給する燃料ラインにおいて、燃料タンク１から噴射ポン
プ３に至るライン４途中に増設フィルタ５やウォータセ
パレータ６を設け、燃料タンク１から直接燃料噴射ポン
プ３に至るライン長さと、燃料タンク１から増設フィル
タ５やウォータセパレータ６に至るライン長さとをほぼ
同一として、増設フィルタ５やウォータセパレータ６か
ら噴射ポンプ３に至るライン長さを別途設けたもの。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は建設機械における燃料ラインに係り、特に増設フィルタ、またはウォ ータセパレータ付き燃料ラインに関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、建設機械における燃料系統は一般に標準仕様の車両においては図４に 示すように燃料タンク１からフィードポンプ２１を経てフィルタ２２に入り、こ こでろ過された燃料はエンジンに設けられた燃料噴射ポンプ３から噴射ノズル２ ３によりエンジン内で噴射されるようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような建設機械は交通の不便な僻地において使用されることがあっても、 国内においては燃料も正規なものが使用されて問題は少ないが、海外においては 燃料の補給が不完全な場所もあって、パラフィン質が多い粗悪燃料や燃料管理が 不充分で水分が混入した燃料を使われることがある。このためエンジンが故障し て車両はストップし、作業が不可能となることがある。

【０００４】 このような不具合に対しては、容量を増加した増設フィルタや、ウォータセパ レータを燃料タンクと燃料噴射ポンプとのラインに設けるなどて対処している。 しかし標準仕様の車両に対して、増設フィルタやウォータセパレータを整備する 場合は、これらを燃料ラインの途中に入れる関係上、燃料の供給系統を増設フィ ルタやウォータセパレータの要・不要により２種類を予め用意しなければならな い問題があり、また、当初増設フィルタやウォータセパレータの設けられていな い標準仕様車両に対して、現地等において増設フィルタやウォータセパレータを 設ける場合には燃料供給ラインを中断することになり、燃料の洩れや、燃料ライ ンのホース交換が困難となる問題点があった。

【０００５】 本考案はこれに鑑み、標準仕様車両に対して、増設フィルタやウォータセパレ ータを必要時、燃料ライン上に簡単に設置でき、しかもメンテナンスも容易な増 設フィルタ、またはウォータセパレータ付き燃料ラインを提供して従来技術の持 つ欠点の解消を図ることを目的としてなされたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため本考案は、建設機械における燃料タンクからの燃料を 燃料フィルタに導入し、該燃料フィルタからエンジンの燃料噴射ポンプに供給し て燃料噴射ノズルにより噴射させるようにした燃料ラインにおいて、第１の特徴 は、燃料タンクから燃料噴射ポンプに至るライン途中に増設フィルタ、またはウ ォータセパレータを設け、燃料タンクから直接燃料噴射ポンプに至るライン長さ と、燃料タンクから増設フィルタ、またはウォータセパレータに至るライン長さ とをほぼ同一とすると共に、増設フィルタ、またはウォータセパレータから燃料 噴射ポンプに至るライン長さを別途設けたものであり、第２の特徴は燃料タンク から燃料噴射ポンプに至る間のラインを途中で互いに密封可能に分離して、燃料 噴射ポンプ側ラインの端部を増設フィルタ、またはウォータセパレータ側ライン の端部と、燃料タンク側ラインの端部を増設フィルタ、またはウォータセパレー タ側ラインの端部とそれぞれ密封可能なカップリングにより脱着自在に連結した ものであり、さらに、前記増設フィルタ、またはウォータセパレータを、前記エ ンジンを格納するマシンキャブ内のドアの内側付近に設けたことを第３の特徴と する。

【０００７】

【作用】

上記構成により、第１の特徴では増設フィルタ、または、ウォータセパレータ を使用した場合、燃料タンクからの増設フィルタ、または、ウォータセパレータ に至る燃料供給ラインの長さは、標準仕様車における燃料タンクから燃料噴射ポ ンプに至るラインの長さとほぼ同じであるから、共通に使用でき、増設フィルタ 、またはウォータセパレータから燃料噴射ポンプに至るライン長さ分を別途設け れば良い。第２の特徴では増設フィルタ、または、ウォータセパレータを使用す る場合には標準仕様車における燃料タンクから燃料噴射ポンプに至るラインの長 さを途中で分割し、別途設けた増設フィルタ、または、ウォータセパレータのラ インを連結すれば良い。第３の特徴では増設フィルタ、または、ウォータセパレ ータはマシンキャブのドアを開くことにより、増設フィルタの交換、またはウォ ータセパレータの水抜き操作等が容易となる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案を図１乃至図３に示す一実施例を参照して説明する。本考案にか かる増設フィルタ、またはウォータセパレータ付き燃料ラインの第１の実施例は 図１に示すように建設機械（油圧ショベルの上部旋回体に設けた場合の例）にお ける燃料タンク１からの燃料をエンジン２の燃料噴射ポンプ３に供給して燃料フ ィルタ（図示せず）に導入し、該燃料フィルタを経て燃料噴射ノズルにより噴射 させるようにした燃料ラインにおいて、燃料タンク１から燃料噴射ポンプ３に至 るライン４途中に増設フィルタ５、またはウォータセパレータ６を設け、燃料タ ンク１から直接燃料噴射ポンプ３に至るライン長さｌと、燃料タンク１から増設 フィルタ５、またはウォータセパレータ６に至るライン長さｌ₁ とをほぼ同一と すると共に、増設フィルタ５、またはウォータセパレータ６から燃料噴射ポンプ ３に至るライン長さｌ₂ を別途設けたものである。

【０００９】 したがって増設フィルタ５、またはウォータセパレータ６（あるいは両方同時 に設けこともある）を設けていない標準仕様車の場合の燃料タンク１から直接燃 料噴射ポンプ３に至るライン長さｌに対して、増設フィルタ５、またはウォータ セパレータ６を設ける特殊仕様車の場合は、燃料タンク１から増設フィルタ５、 またはウォータセパレータ６に至るライン長さｌ₁ がｌと同じになるからこの間 のホース等の配管が共通となり、増設フィルタ５、またはウォータセパレータ６ から燃料噴射ポンプ３に至るライン長さｌ₂ のみを追加すればよいことになる。

【００１０】 図２は本考案の第２の実施例を示すもので、図１と同じように燃料タンク１か ら燃料噴射ポンプ３に至る間のライン４を途中で互いに密封可能に４₁ ，４₂ に 分離して、燃料噴射ポンプ３側ライン４₂ の端部を増設フィルタ５、またはウォ ータセパレータ６側ライン７の端部と、燃料タンク１側ライン４₁ の端部を増設 フィルタ５、またはウォータセパレータ側ライン８の端部とそれぞれ密封可能な カップリング９等により脱着自在に連結したものである。

【００１１】 これによれば、標準仕様車の場合は増設フィルタ５、またはウォータセパレー タ６を設けていないら、燃料タンク１から燃料噴射ポンプ３に至る間のライン４ は分離することなく使用し、増設フィルタ５、またはウォータセパレータ６の必 要な特殊仕様車の場合はライン４を途中で４₁ ，４₂ に分離してそれぞれ増設フ ィルタ５、またはウォータセパレータ６側のライン７の端部、およびライン８の 端部とを連結することができる。この場合各ライン端部の分離・結合は公知のカ ップリング９により互いに密封となっているから燃料の外部洩れは生ずることな く、容易にしかも確実に行える。

【００１２】 本考案の第３は図３の実施例のような配置になっており、前記増設フィルタ５ 、またはウォータセパレータ６を、図１，２のように前記エンジン２を格納する マシンキャブ１０内のドア１１の側柱１２のブラケット１３に設けたものである 。したがって整備時にはドア１１を開くことにより外部から増設フィルタ５やウ ォータセパレータ６の点検が容易に行えることになる。

【００１３】 なお、本考案は増設フィルタ、またはウォータセパレータの何れかを設置した 場合について説明したが、各実施例に示したように両方を直列して設けることも できる。ただしその場合は増設フィルタとウォータセパレータは互いに連通する ように取付けるものとする。また、本考案の場合の噴射ポンプのドレーンライン と、噴射ノズルからのスピルラインは標準仕様車と同一で、ドレーンラインは噴 射ポンプから燃料タンクへ、スピルラインは噴射ノズルから燃料タンクへ同一径 路を通すことになる。

【００１４】

【考案の効果】 本考案は以上説明したように構成したから、第１の特徴では増設フィルタ、ま たは、ウォータセパレータを使用した場合、燃料タンクからの増設フィルタ、ま たは、ウォータセパレータに至る燃料供給ラインの長さは、標準仕様車における 燃料タンクから燃料噴射ポンプに至るラインの長さとほぼ同じであるから、特殊 仕様車にも共通に使用でき、増設フィルタ、またはウォータセパレータから燃料 噴射ポンプに至るライン長さ分のみを別途設ければ良い。したがって全てのホー ス等の交換は不要となり、付け替えが容易に行える。また、第２の特徴では増設 フィルタ、または、ウォータセパレータを使用する場合には標準仕様車における 燃料タンクから燃料噴射ポンプに至るラインの長さを途中で分割し、別途設けた 増設フィルタ、または、ウォータセパレータのラインをそれぞれ連結すれば良い ので、この場合も付け替えがより容易に行える。さらに第３の特徴では増設フィ ルタ、または、ウォータセパレータはマシンキャブのドアを開くことにより、増 設フィルタの交換やウォータセパレータの水抜き操作等が容易に行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案にかかる増設フィルタ、またはウォータ
セパレータ付き燃料ラインの一実施例を示す平面図であ
る。

【図２】本考案にかかる増設フィルタ、またはウォータ
セパレータ付き燃料ラインの他の実施例を示す平面図で
ある。

【図３】本考案にかかる増設フィルタ、およびウォータ
セパレータの取付け位置を示す側面図（図２のＺ視図）
である。

【図４】現状の標準仕様車の燃料ラインを示す説明図で
ある。

【符号の説明】

１…燃料タンク，２…エンジン，３…燃料噴射ポンプ，
４，４₁ ，４₂ …燃料ライン，５…増設フィルタ，６…
ウォータセパレータ，７，８，…燃料ライン，９…カッ
プリング，１０…マシンキャブ，１１…ドア，１２…側
柱，１３…ブラケット，ｌ，ｌ₁ ，ｌ₂ …ライン長
さ。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 建設機械における燃料タンクからの燃料
   を燃料フィルタに導入し、該燃料フィルタからエンジン
   の燃料噴射ポンプに供給して燃料噴射ノズルにより噴射
   させるようにした燃料ラインにおいて、燃料タンクから
   燃料噴射ポンプに至るライン途中に増設フィルタ、また
   はウォータセパレータを設け、燃料タンクから直接燃料
   噴射ポンプに至るライン長さと、燃料タンクから増設フ
   ィルタ、またはウォータセパレータに至るライン長さと
   をほぼ同一とすると共に、増設フィルタ、またはウォー
   タセパレータから燃料噴射ポンプに至るライン長さを別
   途設けたことを特徴とする増設フィルタ、またはウォー
   タセパレータ付き燃料ライン。
2. 【請求項２】 建設機械における燃料タンクからの燃料
   を燃料フィルタに導入し、該燃料フィルタからエンジン
   の燃料噴射ポンプに供給して燃料噴射ノズルにより噴射
   させるようにした燃料ラインにおいて、燃料タンクから
   燃料噴射ポンプに至る間のラインを途中で互いに密封可
   能に分離して、燃料噴射ポンプ側ラインの端部を増設フ
   ィルタ、またはウォータセパレータ側ラインの端部と、
   燃料タンク側ラインの端部を増設フィルタ、またはウォ
   ータセパレータ側ラインの端部とそれぞれ密封可能なカ
   ップリングにより脱着自在に連結したことを特徴とする
   増設フィルタ、またはウォータセパレータ付き燃料ライ
   ン。
3. 【請求項３】 前記増設フィルタ、またはウォータセパ
   レータは、前記エンジンを格納するマシンキャブ内のド
   アの内側付近に設けたことを特徴とする請求項１および
   ２記載の増設フィルタ、またはウォータセパレータ付き
   燃料ライン。