JPH0730343B2 - シリコ−ン油圧油 - Google Patents

シリコ−ン油圧油

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JPH0730343B2
JPH0730343B2 JP61274215A JP27421586A JPH0730343B2 JP H0730343 B2 JPH0730343 B2 JP H0730343B2 JP 61274215 A JP61274215 A JP 61274215A JP 27421586 A JP27421586 A JP 27421586A JP H0730343 B2 JPH0730343 B2 JP H0730343B2
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ジョーゼフ ロメネスコ デイビッド
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ダウ コ−ニング コ−ポレ−シヨン
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    • C08G77/04Polysiloxanes
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    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10MLUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
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    • C10M107/50Lubricating compositions characterised by the base-material being a macromolecular compound containing silicon
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はアルキルメチルシロキサンとジメチルシロキサ
ンのコポリマーから本質的になるブレーキ油組成物に係
る。そして、このコポリマー組成物は特に自動車のブレ
ーキ系統に用いられる。
〔従来の技術と発明が解決しようとする問題点〕
シリコーンを油圧油(hydraulic fluid)およびブレー
キ油(brake fluid)として用いることの利益は、この
特徴のある物質が開発された初期から認識されていた。
McGregorらは米国特許第2,398,187号においてジアルキ
ルシロキサンポリマーおよびコポリマーを粘度の温度変
化が僅かであり、流動点(pour point)が低く、引火点
が高いという理由から上記のような用途に用いることを
広く一般的に開示している。さらに、McGregorらはその
他の有用な特性をも認識しており、その中には低揮発
性、低収湿性、金属および油圧装置のゴム部品に対する
腐食あるいは分解作用が殆んどあるいはまったくないこ
と、いろいろな種類の油圧装置で被る高温あるいは低温
下で気化あるいは固化の傾向が殆んどあるいはまったく
ないこと、が含まれている。
ごく最近、ポリジメチルシロキサン(PDMS)は自動車の
ブレーキ油系に伝統的に用いられているグリコール系ポ
リエーテルと競合しうる代替物として商業的に注目され
てきた。PDMSは最も普遍的にかつ経済的に製造されるシ
リコーンであるので、これは驚くべきことではない。グ
リコールと比較したそのブレーキ油としての価値はすで
にG,R,Browningによって賞揚されている(1974年2月デ
トロイトでのSAE Automotive Engineering Congressに
提出された論文740128)。この文献は高沸点ポリジメチ
ルシロキサンのもう1つの重要な利点を指摘しており、
それはこの流体がグリコール油と異なり、著しい量の水
を吸収したり溶解しないことである。このようなグリコ
ール油の不可避的な経時的吸湿性は沸点を低下させ、つ
いには危険な蒸気閉塞が起きる状態やブレーキ能力の喪
失に至ることがある。
これらおよびその他の有利な特性の考慮はDOT5として知
られる運輸省による低水分許容性ブレーキ油の新しいカ
テゴリーの仕様についての法規の成立を助けた。これら
の要件は連邦自動車安全規格No.116によって詳しく規定
され、連邦自動車安全規格および規則、追補80(1974年
10月23日)として刊行された(以下、簡単にDOT5と指称
する)。
これら全部の長所にもかかわらずポリジメチルシロキサ
ンはある特定の用途におけるる1つの大きな不利を保有
している。その比較的高い固化温度(−50℃)のために
オールラウンドな(寒帯/熱帯で用いる運用ブレーキ油
として用いることが排斥されている。このような欠点は
1官能性の単位および3官能性の単位を2官能性のシロ
キサンと共重合させて不規則な構造(すなわち非線状シ
ロキサン)を形成して結晶化の傾向を大幅に低減するこ
とによってこの液体において技術的に解決されている。
シリコーンブレーキ油のこの能力も厳密な仕様として規
定されている。但し、これは単仕様MIL−B−46176とし
てであり、これは以降簡単にMILと指称する。この仕様
は特に低温流動性/外観、引火点、蒸気閉塞温度および
ゴムシール部品の膨張の領域ではDOT5よりもより必要と
されている。
非線状シロキサンの例はHolbrookらによって米国特許第
4,137,189号に開示されている。この場合、自動車の油
圧式伝動系統全部に用いることができる油圧油を提供す
ることが目的であった。この用途では金属に対する潤滑
性がブレーキ油用途において通常必要なより大きいこと
が必要とされた。しかしながら、ブレーキ系統において
もシリンダーに傷が付くのを防止するためにいくらかの
潤滑性が必要であることが認識されるべきである。一般
的にポリジメチルシロキサンの潤滑性はごく僅かであ
る。こうして、Holbrookらは非線状シロキサン油、クロ
レンド酸ジエステルならびにアンチモンと鉛のジチオカ
ルバメートとホスホロジチオエートから選んだ潤滑剤添
加物から本質的になる組成物を開示している。
Holbrookらの教示の変形がKeilによって米国特許第4,44
3,351号明細書に開示されており、より安価な、線状ポ
リジメチルシロキサン、またはPDMSとアルキルメチルシ
ロキサンのコポリマーを、クロレンド酸ジエステル、潤
滑剤添加剤(上記の如き)およびポリジメチルシロキサ
ンポリブタジエンのブロックコポマーとブレンドするこ
とが提案されている。このような組成物は前記潤滑剤添
加剤の濃縮物として利用され、その他のシロキサン油圧
油に添加しあるいは独立に用いることができ、そして広
範囲の温度において(添加剤の)沈澱安定性(settling
stability)を与える。
シロキサンの潤滑性を高めるさらに別の手段がBrenner
によって米国特許第3,671,433号に開示されている。ア
ルキルメチルポリシロキサン流体が少量のドデセニルサ
クシン酸と混合された。アルキル基が6〜18個の炭素原
子を含有する場合に優れた潤滑特性が得られることが示
されている。残念ながら、これらの流体は、PDMSより製
造コストがかなり高いのみならず、ゴムシール部品の許
容できない高い膨潤を引き起こす。さらに、これらは、
一般的に、MIL仕様よりかなり低いDOT5に合格せず、ブ
レーキ油の候補として魅力が低い。
従って、高沸点ポリジメチルシロキサン流体が安定かつ
多用性のブレーキ液を必要とする用途における大きく有
利であることが示される。さらに、自動車設計はより高
性能かつ小型のエンジンおよびブレーキ系を目指して進
んでいるので、そのような環境に伴なう高温で操作でき
る改良されたブレーキ油に対する需要が増加している。
これは、さらに、例えば長期の始動−停止運転あるいは
長い急勾配の降下の際にブレーキ液に加わる著しい温度
上昇によってより重要になる。例えばHolbrook(1981年
6月ミシガン州デアボーンのSAEPassenger Car Meeting
の論文810803)はこのような運転条件は流体温度を周囲
よりも100℃以上も増加させることがあることを述べて
いる。
こうして、1度自動車のブレーキ系の機械的側面が決定
されると、ブレーキ油自身による全ブレーキペダル走行
(ブレーキ系のコンプライアンス)に対する3つの重要
な温度に関係する要因がある。すなわち、1)流体の圧
縮性、2)流体の揮発性、3)流体中に溶解した永久気
体、典型的には空気である。ブレーキ系コンプライアン
スをできるだけ低く保つことが一般的に好ましいが、圧
縮性の変化は一般的に問題の温度において円滑であり、
従って他の2つの要因よりも影響が小さい。第2の要因
については蒸気閉塞の形ですでに述べたが、ある成分
(あるいは流体自体)が高温のために突然に蒸発(沸
騰)して、ベーパーポケットを形成する。最後の要因
は、本発明者らが知る限りでは、本発明より先に検討さ
れているが、ペダル走行性(pedal travel)の増加をも
たらす可能性がある。例えば、ディスクブレーキ近傍の
油圧管中の流体はブレーキ操作の繰り返しによって急速
に加熱されることがある。その結果、流体中に新しく
(低い)平衡空気濃度を達成するために、溶解した空気
の一部が溶液から出なければならない。このような変化
がある程度以上に急激であると、気泡が発生して流体中
にエアーポケットが形成される。このようなエアーポケ
ットは、(ブレーキパッドに取付けられた)キャピラー
がブレーキペダルで活性化されてブレーキディスクと摩
擦係合する前に、圧縮し除去しなければならない。これ
は、結果として、ブレーキ性能を失なわせることがあ
る。さらに、周囲大気圧の低下が同様の不所望な作用を
引き起こすことがある。従って、ブレーキ油用途におけ
るPDMSの全利点にもかかわらず、これらの物質は、分岐
状であるか線状であるが、慣用のグリコール系流体より
もかなり大きい空気溶解性を有する。
〔問題点を解決するための手段および作用効果〕
ここに、ジメチルシロキサンとアルキルメチルシロキサ
ンとのあるランダムコポリマーにおいて、気体、典型的
には空気の溶解性の著しい減少が達成できることが見い
出された。また、これはPDMS流体のブレーキ油用途にお
けるその他の望ましい特性を保有したままで達成でき
る。換言すると、これらの流体は前述のDOT5およびMIL
仕様に規定された要件を満たし、そして屡々それらをし
のぐように調製することができる。このような空気溶解
性の減少は前記のような苛酷な運転条件下での安全性の
余裕の増大を意味する。
本発明は、一般式(R′)−SiO[R(CH3)SiO]x
[(CH32SiO]y−Si(R′)〔式中、Rは5〜10
個の炭素原子を有するアルキル基から選ばれ、かつx/
(x+y)で定められる比は、Rがペンチル基である場
合には0.5〜1.0、Rがヘキシル基である場合には0.25〜
0.7、Rが7〜10個の炭素原子を含む場合には0.1〜0.7
であり、R′は1〜8個の炭素原子を有するアルキル基
とフェニル基からなる群から選ばれた有機基である。〕
を有しかつ25℃で15〜50csの粘度を有するシリコーンラ
ンダムコポリマーから本質的になる油圧油に係る。
こうして、本発明によれば、自動車のブレーキペダル手
段からマスターブレーキシリンダー手段に接続された油
圧配管手段を介してブレーキ作動手段に力を伝達する方
法が提供され、これらの油圧配管手段、マスターシリン
ダー手段およびブレーキ作動手段は上記のシリコーンラ
ンダムコポリマーから本質的になる流体で満たされる。
本発明は選択された範囲のアルキルメチルシロキサン−
ジメチルシロキサンコポリマーブレーキ油組成物に係
り、匹敵する分子量の線状または分岐状ポリジメチルシ
ロキサン(PDMS)に関して15%以上の空気溶解性の減少
が達成される。さらに、これらの結果は、DOT5および場
合によってはMILのブレーキ油仕様の厳しい要件を満た
すPDMS流体のその他の望ましい特性を損なうことなく達
成され、これらのコポリマーは基本流体とも指称される
が、いろいろな少量成分と混合して完全に調合したブレ
ーキ油が提供される。
本発明コポリマーは一般式(R′)−SiO[R(CH3
SiO]x[(CH32SiO]y−Si(R′)〔式中、Rは
5〜10個の炭素原子を有する線状または分岐状アルキル
基、例えばn−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキ
シル基、n−ペプチル基、n−オクチル基、ジイソブチ
ル(2,4,4−トリメチルペンチル)基、n−ノニル基ま
たはn−デシル基である。〕 で表わすことができる。末端ケイ素原子と結合したR′
は同一でも異なっていてもよく、1〜8個の炭素原子を
有する短鎖アルキル基、例えばメチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ヘキシル基、またはオクチル基で
あり、メチル基が好ましい。あるいは、R′はアリール
基、例えばフェニル基でもよい。コポリマーはDOT5また
はMILに定められた低温要件(すなわち、前述した試験
条件で固化してはならない)を満たすためにランダムコ
ポリマー(すなわち非ブロックコポリマー)でなければ
ならない。
本発明の有効性は、末端基を除く、ランダムコポリマー
中のアルキルメチルシロキサン対ジメチルシロキサンの
平均モル比に依存する。x/(x+y)で表わされるこの
比の値は以降単純に「比」と指称する。前記アルキル基
Rがペンチル基である場合、0.5〜1.0の比によって匹敵
する分子量のポリジメチルシロキサンより少なくとも15
%低い空気溶解度を有するコポリマーがもたらされる。
重合度約25、粘度約20csの線状または分岐状PDMSの空気
溶解度は常温常圧(すなわち、25℃、1気圧)で約15.4
体積%であるが、本発明のコポリマーは13.1%あるいは
それ以下の空気溶解度を示す。これらのランダムコポリ
マーはDOT5仕様に合格するシリコーンブレーキ油として
の調合に適合する物理的特性を示す。同様に、Rがヘキ
シルでありかつ比が0.25〜0.7である場合、あるいはR
がヘプチル基、オクチル基、ノニル基またはデシル基で
ありかつ比が0.1〜0.7である場合には、得られる特性は
本発明の目的の範囲内である。同時に、上記一般式中の
xおよびyの値は流体の粘度が25℃で約15〜50センチス
トークス(cs)であるように選択する。好ましい粘度は
約15〜25csである。本発明の好ましい態様によれば、
R′がメチル基である場合、Rがn−ペンチル基のとき
比x/(x+y)は0.6〜0.7であり、Rがn−ヘキシル基
のとき比は0.3〜0.6であり、Rがn−オクチルのとき比
は0.1〜0.5であり、Rがn−デシルのとき比は0.1〜0.4
である。
本発明の最も好ましい態様によれば、厳しいMIL仕様に
合格するようなブレーキ油の処方に適合する物理特性を
示す。このような組成物には、Rがn−デシル基であり
かつ比x/(x+y)が0.1〜0.3のコポリマー、Rがn−
オクチル基でありかつ比が0.1〜0.3のコポリマー、Rが
n−ヘキシル基でありかつ比が0.3〜0.6のコポリマーが
あり、これらの中でもn−ヘキシル基のコポリマーが最
も好ましい。
さらに、Rがフェニル基であるコポリマーはDOT5および
MILに合格するブレーキ油を処方するのに適合する。ま
た、これらの流体はヘキシル基のコポリマーについて記
載した比の範囲内の減少した空気溶解度を有する。しか
しながら、これらの物質は製造コストが高く、潤滑性が
低い欠点を有する。
本発明のコポリマーブレーキ油のさらに2つの利点につ
いて述べる。第1に、上記のように、PDMSへの少量のア
ルキルメチルシロキサンの導入でも潤滑性が改良され
る。これは「ストローク」試験の際に観察することがで
きる。ストローク試験では自動車ブレーキ系の模擬装置
で温度と圧力の条件をコントロールして調製したブレー
キ油を繰り返しストロークさせる。所定数のサイクル
後、DOT5またはMILいずれかの仕様に従って、機械部品
の摩耗と傷を観察し、またゴムシール材の壊変や膨潤を
調べる。第2に、このコポリマー流体はポリジメチルシ
ロキサンと比べて減少した圧縮性を示す。これはブレー
キ系全体のコンプライアンスを低減する。
完全に処方されたブレーキ油を製造するためには本発明
のランダムコポリマー(基本流体)にいろいろな添加剤
を添加しなければならない。流体を完全な形のDOT5また
はMIL試験に供するのはこの処方した形においてであ
る。
ゴム膨潤添加剤、例えばジ(2−エチルヘキシル)アゼ
レートあるいはリン酸トリブチルは約1〜5重量%配合
できる。これらはPDMSに典型的に使用される。というの
はこれらの基本流体はゴム成分から可塑剤を浸出させて
ゴム成分を収縮させる傾向があるからである。一般的に
アルキルメチル含分あるいはR基の寸法が増加するほど
必要な膨潤添加剤は少ない。
水許容添加剤、例えばジエチレングリコールメチルエー
テルを約0.05〜0.4重量%配合することができる。これ
らの化合物は基本流体に溶解されたどんなに少ない水と
も合して極低温下での曇り(hage)の発生を防止する。
アルキル基を昇温した操作温度での酸化から保護し、ま
たゴム成分を酸化から保護するために、一般的に、p,
p′−ジオクチルジフェニルアミンおよびブチル化ヒド
ロキシトルエンのような酸化防止剤が約0.1〜0.5重量%
の濃度で必要である。また、染料も主として識別目的で
少量配合される。
その他の非必須成分、例えば難燃剤、粘度調整剤、耐摩
耗性添加剤および腐食抑制剤も本発明の基本流体(コポ
リマー)に有効に混合することができる。
本発明の有効性が限定された範囲にある理由は本発明の
目的に付随する反対方向の作用のためであると考えられ
る。1方では、苛酷な運転条件下でガスポケットの発生
を制限するためにポリジメチルシロキサン(PDMS)より
低い空気溶解度が望ましい。本発明は、アルキルメチル
シロキサンとジメチルシロキサンを共重合することによ
ってこれを達成し得ることを明白に示した。実際、Rが
6個より多くの炭素原子を含む場合、PDMSよりも15%の
空気溶解度の低減を実現するのに相対的に少ない量のア
ルキルメチルシロキサンが必要であった。他方、アルキ
ルメチルシロキサン含分が100%に向って増加すると、
屡々、これらの基本流体をDOT5またはMIL仕様に従って
処方することができない不満足なポリマーが得られる。
影響を受けた2つの重要な特性は低温での外観および流
動性である。これはRがオクチル基より大きい場合に特
にそうである。このような組成物は、空気溶解度のさら
なる減少にもかかわらず、DOT5の「低温浸漬(ソー
ク)」試験もしくはMILの流動試験のいずれかまたはそ
の両者において失格する傾向がある。DOT5試験は、流体
をチャンバー内で−40℃に144時間そして−50℃に6時
間さらした後本質的に清澄のままであることを要求す
る。MIL試験は流体粘度が−55℃で900csより大きくない
ことを要求する。
さらに、コポリマーのアルキルメチルシロキサン含分が
増加すると、ゴムブレーキ系部品の膨潤も増加する。こ
れはDOT5の考慮においては一般的に重要でないが、MIL
の要件では重要な障害になる。というのは、MILはとり
わけEPDMゴムの体積膨潤量を0〜10%の狭い範囲に制限
しているからである。
当業者は、DOT5およびMILの要件のいくつかは基本流体
の分子量を変更しかつ/または添加剤で処方することに
よって満足されうるが、上述のような重要な特性はその
ような操作では通常解決できないことを認めるであろ
う。従って、例えば、基本流体(すなわち本発明のシロ
キサンコポリマー)が低温で固化したりあるいはゴム成
分を過剰に膨潤させる傾向がある場合、その基本流体を
DOT5またはMIL試験をパスするように完全なブレーキ油
に処方することは一般的に可能でないであろう。従っ
て、上記の重要な特性要件を合格しない基本流体組成物
はDOT5またはMILと適合しないと判断された。
本発明のコポリマーは業界公知の方法で調製できる。例
えば、これらは適当なジオルガノジアルコキシシランま
たはジオルガノジクロロシランの同時加水分解およびそ
の後の縮合によって合成できる。この方法では、所望量
の末端封鎖剤、(R′)3SiZを反応混合物中に含めて生
成物の分子量を調整する(すなわち、末端封鎖剤が多い
ほど低分子量の生成物を与える)。末端封鎖剤のR′は
先に定義されている。Z基はハライド(例えば塩素、フ
ッ素、臭素)またはアルコキシ基(例えば、メトキシ
基、エトキシ基)などの加水分解性の基である。
もう1つのそして好ましい方法は一般式 〔式中、Meはメチル基を表わし、R′は前に定義された
通りである。〕のSiH官能性ランダムコポリマー中間体
を調製することである。これらの中間体は業界において
よく知られており、いろいろな比の市販のポリ(メチル
ヒドロゲンシロキサン)と環状ジメチルシロキサンとの
酸平衡化反応によって調製できる。この中間体の分子量
は適当な量の末端封鎖モノマー例えばヘキサメチルジシ
ロキサンを配合することによって調整できる。次にSiH
官能性中間体は約25%過剰の所望アルケンと反応して、
アルケンをSiH官能性中間体のSiH基に化学的に付加す
る。この付加反応は業界公知の白金錯体で触媒される。
従って、本発明によれば、自動車のブレーキペダル手段
から油圧シリンダー手段および油圧配管を介して油圧騒
動式ブレーキ手段に油圧を伝達し、かつその油圧油が一
般式(R′)−SiO[R(CH3)SiO]x[(CH32Si
O]y−Si(R′)〔式中、R,R′,xおよびyは前に定
義した通りである。〕で表わされるランダムコポリマー
から本質的になる改良方法が提供される。
〔実施例〕
以下の実施例は本発明を説明するためのものであり、本
発明を限定するものではない。
例1(調製) 撹拌器、温度計、凝縮器、追加ロートおよび乾操窒素ガ
スによるパージ手段を装備したフラスコに、次の平均組
成:Me3SiO(MeHSiO)4.4(Me2SiO)9.8SiMe3のシロキサ
ンランダムコポリマー1000グラムを加えた。
コポリマーを約68℃に加熱し、368g(25%過剰)のヘキ
セン−1を2段階で添加した。最初に約50mlのヘキセン
−1を添加した。加熱を止め、ヘキサクロロ白金酸の0.
1Mイソプロピルアルコール溶液0.35ccを添加し、その時
点で温度を2分間以内92℃に昇温した。次いで残りのヘ
キセン−1を1時間かけて滴下し、最後温度は106℃で
あった。内容物を還流(134〜138℃)した。3時間後、
クロロ白金酸0.35ccを添加し、還流をさらに2時間続け
た。
生成物を真空ストリップした。最初は(主として過剰の
ヘキセン−1を除去するために)100mmHgで43℃のポッ
ト温度、次いで(高い引火点を達成するために)20mmHg
で250℃のポット温度で真空ストリップした。生成物
は、この時点で10ppmより少ない残留SiH量を有するが、
フラー±約14グラムを混合して清澄化し、それから加圧
下で濾過した。生成物はほぼ平均組成:Me3SiO(MeHexSi
O)4.4(Me2SiO)9.8SiMe3〔式中、MeおよびHexはそれ
ぞれメチル基およびn−ヘキシル基を表わす。〕を有し
た。
例2(調製) 例1に記載した合成法と同様な方法で本発明の範囲内の
その他の基本流体を調製した。これらの組成物は表1に
示す。
例3 すべての基本流体ならびに5種の比較例を連邦自動車安
全規格No.116(DOT5)に記載された方法に従って低温外
観(低温浸漬)について試験した。簡単に述べると、こ
の手順は直径37.0±0.05mmの4オンス(113kg)びんに
−40℃で144±4時間貯蔵した100mlの流体の試験であ
る。それから−50℃で6時間±12分この手順を繰り返
す。この試験を合格するためには、流体は清澄のままで
ありかつスラッジ、沈澱、結晶化あるいは層理があって
はならない。
基本流体を単仕様MIL−B−46176(MIL)に従って低温
粘度およびEPDMゴム膨潤について試験した。標準管式粘
度計を用いて−55℃で動粘度を測定し、900csより大き
くないときこの試験を合格する。EPDMゴムカップの膨潤
は流体中に120±2℃で7±2時間浸漬して測定した。
体積膨潤率は25℃で測定したときの重量変化から計算
し、この試験に合格するためには0〜10%でなければな
らない。
最後に、これらの物質を以下のようにポーラログラフィ
ーで間接的に空気溶解度を測定した。クロロベンゼンに
溶解したテトラブチルアンモニウムペルクロレートの0.
2モル溶液からなる電解液8ミリリットルおよびベンゼ
ン1ミリリットルを標準ポーラログラフィーの測定セル
に導入した。この混合物を約5分間それに窒素をバブル
して溶解した酸素をバージした。次いで所定のシリコー
ンコポリマーの1ミリリットル試料を添加し、得られる
電流対電圧曲線から体積酸素含分を測定した。この値を
0.21(すなわち、空気中の酸素含分を21体積%と仮定し
た)で割って空気溶解度を得た。結果を表1に示す。
本発明のすべての基本流体は13.1%以下の空気溶解度の
値を有した(すなわち、ポリ(ジメチルシロキサン)比
較流体に比べて15%以上の減少)。最良の対照流体はDO
T5の低温浸漬試験を合格するが、n−ブチルメチルシロ
キサンとジメチルシロキサンのランダムコポリマー(x/
(x+y)の比が0.6)であった。この流体は13.6%の
空気溶解度を有した。25℃で15〜25csの好ましい範囲内
の粘度を有する本発明の基本流体が好ましい場合、−55
℃での対応する粘度は900cs以下であり、従ってMIL仕様
に適合する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(R′)−SiO[R(CH3)SiO]
    x[(CH32SiO]y−Si(R′)〔式中、Rは5〜1
    0個の炭素原子を持つアルキル基から選ばれ、但しx/
    (x+y)で表わされる比は、Rがペンチル基の場合0.
    5〜1.0であり、Rがヘキシル基の場合0.25〜0.7であ
    り、Rが7〜10個の炭素原子を含む場合0.1〜0.7であ
    り、そしてR′は1〜8個の炭素原子を持つアルキル基
    とフェニル基からなる群から選ばれる有機基である。〕
    を有しかつ25℃で15〜50csの粘度を有するシリコーンラ
    ンダムコポリマーから本質的になる油圧油組成物。
JP61274215A 1985-11-25 1986-11-19 シリコ−ン油圧油 Expired - Lifetime JPH0730343B2 (ja)

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