JPH07302600A - 燃料電池 - Google Patents
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- JPH07302600A JPH07302600A JP6093300A JP9330094A JPH07302600A JP H07302600 A JPH07302600 A JP H07302600A JP 6093300 A JP6093300 A JP 6093300A JP 9330094 A JP9330094 A JP 9330094A JP H07302600 A JPH07302600 A JP H07302600A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
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- Sustainable Energy (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
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- Electrochemistry (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、単位セルとセパレータとの間の電気
導電性を低下させることなく、単位セルとセパレータと
の間の接着を防止し、長時間運転した正常なセルを破損
することなく不良のセルを容易に交換することを主要な
目的とする。 【構成】本発明は、電解質を含浸したマトリックスを挟
んで、複数の流通溝が形成された一対のリブ付電極を配
置して成り、かつ一方のリブ付電極の流通溝に流体燃料
が、また他方のリブ付電極の流通溝に流体酸化剤がそれ
ぞれ所定流通溝の一側端部より流入し他側端部より所定
流通溝以外の残余流通溝の他側端部よりリターンして循
環する条件下で、一対のリブ付電極間から電気エネルギ
ーを出力する単位セルを、セパレータを介して交互に複
数個積層し、必要に応じて冷却板を配置して一体に締付
けて構成される燃料電池において、単位セルとセパレー
タとの間に、導電性および撥水性を有する導電・撥水層
を設けることを特徴としている。
導電性を低下させることなく、単位セルとセパレータと
の間の接着を防止し、長時間運転した正常なセルを破損
することなく不良のセルを容易に交換することを主要な
目的とする。 【構成】本発明は、電解質を含浸したマトリックスを挟
んで、複数の流通溝が形成された一対のリブ付電極を配
置して成り、かつ一方のリブ付電極の流通溝に流体燃料
が、また他方のリブ付電極の流通溝に流体酸化剤がそれ
ぞれ所定流通溝の一側端部より流入し他側端部より所定
流通溝以外の残余流通溝の他側端部よりリターンして循
環する条件下で、一対のリブ付電極間から電気エネルギ
ーを出力する単位セルを、セパレータを介して交互に複
数個積層し、必要に応じて冷却板を配置して一体に締付
けて構成される燃料電池において、単位セルとセパレー
タとの間に、導電性および撥水性を有する導電・撥水層
を設けることを特徴としている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セルおよびセパレータ
を使用して構成される燃料電池に係り、特に長時間運転
したリン酸型燃料電池のセルを容易に交換できるように
した燃料電池に関するものである。
を使用して構成される燃料電池に係り、特に長時間運転
したリン酸型燃料電池のセルを容易に交換できるように
した燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、燃料の有しているエネルギー
を直接電気的エネルギーに変換する装置として、燃料電
池が知られている。この燃料電池は、通常、電解質を含
浸したマトリックスを挟んで一対の多孔質電極を配置す
ると共に、一方の電極の背面に水素等の流体燃料を水平
方向に複数回接触(循環)させ、また他方の電極の背面
に酸素等の流体酸化剤を水平方向に複数回接触(循環)
させ、この時に起こる電気化学的反応を利用して、上記
一対の電極間から電気エネルギーを取出すように構成さ
れたものである。そして、この種の燃料電池は、流体燃
料と流体酸化剤が供給されている限り、高い変換効率で
電気エネルギーを取出すことができるものである。
を直接電気的エネルギーに変換する装置として、燃料電
池が知られている。この燃料電池は、通常、電解質を含
浸したマトリックスを挟んで一対の多孔質電極を配置す
ると共に、一方の電極の背面に水素等の流体燃料を水平
方向に複数回接触(循環)させ、また他方の電極の背面
に酸素等の流体酸化剤を水平方向に複数回接触(循環)
させ、この時に起こる電気化学的反応を利用して、上記
一対の電極間から電気エネルギーを取出すように構成さ
れたものである。そして、この種の燃料電池は、流体燃
料と流体酸化剤が供給されている限り、高い変換効率で
電気エネルギーを取出すことができるものである。
【0003】さて、上記のような原理に基づく、特にリ
ン酸を電解質とした燃料電池の単位セルは、図7(a)
にその縦断面斜視図を示すように構成されており、この
単位セルを複数個積層することによって燃料電池積層体
を構成している。
ン酸を電解質とした燃料電池の単位セルは、図7(a)
にその縦断面斜視図を示すように構成されており、この
単位セルを複数個積層することによって燃料電池積層体
を構成している。
【0004】すなわち、図7(a)においては、電解質
であるリン酸を含浸したマトリックス1を挟んで両側
に、通常炭素材から成る多孔質体で形成されて触媒が付
加されている一対のリブ付電極2を配置してなる。ま
た、この一対のリブ付電極2は、触媒付加面(マトリッ
クス1面)の反対側に、それぞれ流体燃料および流体酸
化剤の流通溝を有しており、流体燃料および流体酸化剤
が、水平方向に複数回流通するようにしている。そし
て、この単位セル5を、セパレータ3を介して交互に複
数個積層し、さらに必要に応じて冷却板4を配置して一
体に締付けて、燃料電池積層体を構成している。なお、
冷却板4間に挾持された複数の単位セル5を、ブロック
と称している。
であるリン酸を含浸したマトリックス1を挟んで両側
に、通常炭素材から成る多孔質体で形成されて触媒が付
加されている一対のリブ付電極2を配置してなる。ま
た、この一対のリブ付電極2は、触媒付加面(マトリッ
クス1面)の反対側に、それぞれ流体燃料および流体酸
化剤の流通溝を有しており、流体燃料および流体酸化剤
が、水平方向に複数回流通するようにしている。そし
て、この単位セル5を、セパレータ3を介して交互に複
数個積層し、さらに必要に応じて冷却板4を配置して一
体に締付けて、燃料電池積層体を構成している。なお、
冷却板4間に挾持された複数の単位セル5を、ブロック
と称している。
【0005】次に、流体燃料および流体酸化剤の流通に
ついて説明する。すなわち、図7(b)にその概念図を
示すように、流体燃料および流体酸化剤は、平面方向に
複数回流通する(所定流通溝の一側端部より流入し他側
端部より上記所定流通溝以外の残余流通溝の他側端部よ
りリターンして循環する)構造となっている。リブ付電
極2は仕切り部6を有し、流体燃料は流体燃料入口側7
aを通りリターンして、流体燃料リターン側7bを通過
する。また、流体酸化剤も同様に、流体酸化剤入口側8
aを通りリターンして、流体酸化剤リターン側8bを通
過する。
ついて説明する。すなわち、図7(b)にその概念図を
示すように、流体燃料および流体酸化剤は、平面方向に
複数回流通する(所定流通溝の一側端部より流入し他側
端部より上記所定流通溝以外の残余流通溝の他側端部よ
りリターンして循環する)構造となっている。リブ付電
極2は仕切り部6を有し、流体燃料は流体燃料入口側7
aを通りリターンして、流体燃料リターン側7bを通過
する。また、流体酸化剤も同様に、流体酸化剤入口側8
aを通りリターンして、流体酸化剤リターン側8bを通
過する。
【0006】ところで、燃料電池を長時間運転している
と、各単位セル5間の電圧にバラツキが生じ、それが徐
々に拡大されて低特性の単位セルが発生したり、あるい
は電解質の不足等によるクロスリークによる不良の単位
セルが発生した場合、新しいセルと交換する必要があ
る。
と、各単位セル5間の電圧にバラツキが生じ、それが徐
々に拡大されて低特性の単位セルが発生したり、あるい
は電解質の不足等によるクロスリークによる不良の単位
セルが発生した場合、新しいセルと交換する必要があ
る。
【0007】しかしながら、燃料電池を長時間運転した
場合には、単位セル5とセパレータ3、冷却板4等のカ
ーボン材料が接着して離れなくなり、これらを無理やり
剥がそうとすると、良品の単位セル5まで破損させてし
まう恐れがある。
場合には、単位セル5とセパレータ3、冷却板4等のカ
ーボン材料が接着して離れなくなり、これらを無理やり
剥がそうとすると、良品の単位セル5まで破損させてし
まう恐れがある。
【0008】すなわち、例えば冷却板4間に挾持された
複数の単位セル5の内、中間に位置する単位セル5にク
ロスリークが発生したような場合、その単位セル5だけ
を抜取ることは困難である。この場合、通常は、まず目
標のブロックを取出し、上の単位セル5から順番に一枚
ずつ剥がしていく。ところが、多くの単位セル5とセパ
レータ3、冷却板4等のカーボン材料が接着して離れな
いため、やむを得ず良品の単位セル5まで破損させてし
まうことになる。
複数の単位セル5の内、中間に位置する単位セル5にク
ロスリークが発生したような場合、その単位セル5だけ
を抜取ることは困難である。この場合、通常は、まず目
標のブロックを取出し、上の単位セル5から順番に一枚
ずつ剥がしていく。ところが、多くの単位セル5とセパ
レータ3、冷却板4等のカーボン材料が接着して離れな
いため、やむを得ず良品の単位セル5まで破損させてし
まうことになる。
【0009】一方、このような単位セル5とセパレータ
3、冷却板4等のカーボン材料の接着について鋭意調査
した結果、運転時間の増大に伴って接着する単位セル5
の割合が多くなること、冷却板4近傍の単位セル5ほど
接着し易いこと、また単位セル5の中でも比較的温度が
高く、蒸気圧の高い流体燃料、流体酸化剤のリターン側
の位置が、比較的多く接着していることが分かった。
3、冷却板4等のカーボン材料の接着について鋭意調査
した結果、運転時間の増大に伴って接着する単位セル5
の割合が多くなること、冷却板4近傍の単位セル5ほど
接着し易いこと、また単位セル5の中でも比較的温度が
高く、蒸気圧の高い流体燃料、流体酸化剤のリターン側
の位置が、比較的多く接着していることが分かった。
【0010】さらに、接着の原因について検討した結
果、以下のような3つの理由により接着することが分か
った。図8は、従来のリブ付電極2のセパレータ3と単
位セル5のカーボン繊維間の接着状態の一例を示す拡大
図である。
果、以下のような3つの理由により接着することが分か
った。図8は、従来のリブ付電極2のセパレータ3と単
位セル5のカーボン繊維間の接着状態の一例を示す拡大
図である。
【0011】(a)図8中のaに示すように、セパレー
タ3のミクロ断面3′の突起部9とカーボン繊維10の
先端が締付けにより押付けられた場合、先端に応力が集
中する。さらに、高温と長時間の締付けにより、粘弾性
接着を起こす。
タ3のミクロ断面3′の突起部9とカーボン繊維10の
先端が締付けにより押付けられた場合、先端に応力が集
中する。さらに、高温と長時間の締付けにより、粘弾性
接着を起こす。
【0012】(b)図8中の(b)に示すように、セパ
レータ3と単位セル5のカーボン繊維10の隙間にリン
酸蒸気が凝縮したリン酸11が入ると、毛管現象によっ
て隙間が負圧となり接着する。
レータ3と単位セル5のカーボン繊維10の隙間にリン
酸蒸気が凝縮したリン酸11が入ると、毛管現象によっ
て隙間が負圧となり接着する。
【0013】(c)図8中の(c)に示すように、セパ
レータ3と単位セル5のカーボン繊維10間に、接着性
物質12が存在することにより接着する。この接着性物
質12は、例えばマトリックスに使用しているSiC表
面に存在する、SiO2 とリン酸の反応生成物の一つで
あるピロリン酸シリカ等である。そして、長時間の運転
により、液状ピロリン酸シリカは、カーボン繊維10表
面でガスと接触することによって濃縮され、粘性液体と
なり固体表面を接着する。これらの原因が、単独あるい
は複合して、単位セル5とセパレータ3、冷却板4等の
カーボン材料を接着しているものと考えられる。
レータ3と単位セル5のカーボン繊維10間に、接着性
物質12が存在することにより接着する。この接着性物
質12は、例えばマトリックスに使用しているSiC表
面に存在する、SiO2 とリン酸の反応生成物の一つで
あるピロリン酸シリカ等である。そして、長時間の運転
により、液状ピロリン酸シリカは、カーボン繊維10表
面でガスと接触することによって濃縮され、粘性液体と
なり固体表面を接着する。これらの原因が、単独あるい
は複合して、単位セル5とセパレータ3、冷却板4等の
カーボン材料を接着しているものと考えられる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
燃料電池においては、長時間運転した場合に、単位セル
とセパレータ、冷却板等のカーボン材料が接着して離れ
なくなり、良品の単位セルまで破損させてしまい、不良
の単位セルだけを交換することは困難であるという問題
があった。
燃料電池においては、長時間運転した場合に、単位セル
とセパレータ、冷却板等のカーボン材料が接着して離れ
なくなり、良品の単位セルまで破損させてしまい、不良
の単位セルだけを交換することは困難であるという問題
があった。
【0015】本発明の目的は、単位セルとセパレータと
の間の電気導電性を低下させることなく、単位セルとセ
パレータとの間の接着を防止することができ、長時間運
転した正常なセルを破損することなく不良のセルを容易
に交換することが可能な燃料電池を提供することにあ
る。
の間の電気導電性を低下させることなく、単位セルとセ
パレータとの間の接着を防止することができ、長時間運
転した正常なセルを破損することなく不良のセルを容易
に交換することが可能な燃料電池を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明では、電解質を含浸したマトリックスを挟ん
で、複数の流通溝が形成された一対のリブ付電極を配置
して成り、かつ一方のリブ付電極の流通溝に流体燃料
が、また他方のリブ付電極の流通溝に流体酸化剤がそれ
ぞれ所定流通溝の一側端部より流入し他側端部より所定
流通溝以外の残余流通溝の他側端部よりリターンして循
環する条件下で、一対のリブ付電極間から電気エネルギ
ーを出力する単位セルを、セパレータを介して交互に複
数個積層し、さらに必要に応じて冷却板を配置して一体
に締付けて構成される燃料電池において、単位セルとセ
パレータとの間に、導電性および撥水性を有する導電・
撥水層を設けて成る。
に本発明では、電解質を含浸したマトリックスを挟ん
で、複数の流通溝が形成された一対のリブ付電極を配置
して成り、かつ一方のリブ付電極の流通溝に流体燃料
が、また他方のリブ付電極の流通溝に流体酸化剤がそれ
ぞれ所定流通溝の一側端部より流入し他側端部より所定
流通溝以外の残余流通溝の他側端部よりリターンして循
環する条件下で、一対のリブ付電極間から電気エネルギ
ーを出力する単位セルを、セパレータを介して交互に複
数個積層し、さらに必要に応じて冷却板を配置して一体
に締付けて構成される燃料電池において、単位セルとセ
パレータとの間に、導電性および撥水性を有する導電・
撥水層を設けて成る。
【0017】ここで、特に上記導電・撥水層としては、
黒鉛、カーボン、炭化タングステン、炭化タンタル、炭
化ニオブ、タンタル、タングステン、フッ化黒鉛、PT
FE、PFA、FEPの耐熱、耐リン酸性材料の少なく
とも1種以上を単体、あるいは複合体として使用するよ
うにしている。
黒鉛、カーボン、炭化タングステン、炭化タンタル、炭
化ニオブ、タンタル、タングステン、フッ化黒鉛、PT
FE、PFA、FEPの耐熱、耐リン酸性材料の少なく
とも1種以上を単体、あるいは複合体として使用するよ
うにしている。
【0018】また、上記導電・撥水層は、流体燃料の流
通溝と流体酸化剤の流通溝の各々流体燃料と流体酸化剤
がリターンしてくる側に設けるようにしている。さら
に、上記導電・撥水層は、流体燃料の流通溝と流体酸化
剤の流通溝の各々流体燃料と流体酸化剤が流入してくる
側よりもリターンしてくる側の厚みを厚くするようにし
ている。
通溝と流体酸化剤の流通溝の各々流体燃料と流体酸化剤
がリターンしてくる側に設けるようにしている。さら
に、上記導電・撥水層は、流体燃料の流通溝と流体酸化
剤の流通溝の各々流体燃料と流体酸化剤が流入してくる
側よりもリターンしてくる側の厚みを厚くするようにし
ている。
【0019】一方、上記導電・撥水層は、流体燃料の流
通溝と流体酸化剤の流通溝の各々流体燃料と流体酸化剤
が流入してくる側よりもリターンしてくる側の撥水性を
強くするようにしている。
通溝と流体酸化剤の流通溝の各々流体燃料と流体酸化剤
が流入してくる側よりもリターンしてくる側の撥水性を
強くするようにしている。
【0020】また、上記導電・撥水層は、冷却板近傍の
単位セルに設けるようにしている。さらに、上記導電・
撥水層は、中央部の単位セルよりも冷却板に近い位置に
ある単位セルの厚みを厚くするようにしている。さらに
また、上記導電・撥水層は、中央部の単位セルよりも冷
却板に近い位置にある単位セルほど撥水性を強くするよ
うにしている。
単位セルに設けるようにしている。さらに、上記導電・
撥水層は、中央部の単位セルよりも冷却板に近い位置に
ある単位セルの厚みを厚くするようにしている。さらに
また、上記導電・撥水層は、中央部の単位セルよりも冷
却板に近い位置にある単位セルほど撥水性を強くするよ
うにしている。
【0021】
【作用】従って、本発明の燃料電池においては、単位セ
ルとセパレータとの間に、導電性および撥水性を有する
導電・撥水層を設けることにより、単位セルとセパレー
タとの間の電気導電性を低下させることなく、単位セル
とセパレータとの間の接着を防止することが可能となる
ため、長時間運転した正常な単位セルを破損することな
く、不良の単位セルを容易に交換することができる。
ルとセパレータとの間に、導電性および撥水性を有する
導電・撥水層を設けることにより、単位セルとセパレー
タとの間の電気導電性を低下させることなく、単位セル
とセパレータとの間の接着を防止することが可能となる
ため、長時間運転した正常な単位セルを破損することな
く、不良の単位セルを容易に交換することができる。
【0022】また、単位セルとセパレータとの間に、導
電性および撥水性を有する導電・撥水層を設けることに
より、セパレータのミクロ的な突起部と単位セルのカー
ボン繊維先端の応力集中を緩和して、粘弾性接着を防止
することができる。
電性および撥水性を有する導電・撥水層を設けることに
より、セパレータのミクロ的な突起部と単位セルのカー
ボン繊維先端の応力集中を緩和して、粘弾性接着を防止
することができる。
【0023】さらに、導電・撥水層の撥水性により、セ
パレータと単位セルのカーボン繊維の隙間に起こるリン
酸蒸気の凝縮、ピロリン酸シリカ等の接着性物質の付着
を防止することが可能となるため、長時間運転しても単
位セルとセパレータとの接着を防止することができる。
パレータと単位セルのカーボン繊維の隙間に起こるリン
酸蒸気の凝縮、ピロリン酸シリカ等の接着性物質の付着
を防止することが可能となるため、長時間運転しても単
位セルとセパレータとの接着を防止することができる。
【0024】さらにまた、セル単位とセパレータとの間
に、導電性および撥水性を有する導電・撥水層を新たに
設けることにより、電気導電性を低下させることなく、
セパレータのリン酸浸透防止、ガス透過率の減少も図る
ことができる。
に、導電性および撥水性を有する導電・撥水層を新たに
設けることにより、電気導電性を低下させることなく、
セパレータのリン酸浸透防止、ガス透過率の減少も図る
ことができる。
【0025】
【実施例】本発明では、前述した燃料電池における、単
位セルとセパレータとの間に、導電性および撥水性を有
する導電・撥水層を設けることによって、単位セルとセ
パレータとの間の電気導電性を低下させることなく、単
位セルとセパレータとの間の接着を防止することによ
り、長時間運転した正常な単位セルを破損することな
く、不良の単位セルを容易に交換可能にするものであ
る。
位セルとセパレータとの間に、導電性および撥水性を有
する導電・撥水層を設けることによって、単位セルとセ
パレータとの間の電気導電性を低下させることなく、単
位セルとセパレータとの間の接着を防止することによ
り、長時間運転した正常な単位セルを破損することな
く、不良の単位セルを容易に交換可能にするものであ
る。
【0026】ここで、単位セルとセパレータとの間に設
ける導電性および撥水性を有する導電・撥水層として
は、導電性および撥水性の両方の性質を兼ね備えた耐
熱、耐リン酸性を有する材料単体、あるいは耐熱、耐リ
ン酸性を有する導電性材料と撥水性材料の複合体を用い
る。
ける導電性および撥水性を有する導電・撥水層として
は、導電性および撥水性の両方の性質を兼ね備えた耐
熱、耐リン酸性を有する材料単体、あるいは耐熱、耐リ
ン酸性を有する導電性材料と撥水性材料の複合体を用い
る。
【0027】この導電性および撥水性の両方の性質を兼
ね備えた耐熱、耐リン酸性を有する材料単体としては、
例えば黒鉛を用いる。また、導電性材料と撥水性材料の
複合体に使用する耐熱、耐リン酸性を有する導電性材料
としては、例えばカーボン、炭化タングステン、炭化タ
ンタル、炭化ニオブ、タンタル、タングステン等であ
る。さらに、耐熱、耐リン酸性を有する撥水性材料とし
ては、例えばフッ化黒鉛、PTFE、PFA、FEP等
である。
ね備えた耐熱、耐リン酸性を有する材料単体としては、
例えば黒鉛を用いる。また、導電性材料と撥水性材料の
複合体に使用する耐熱、耐リン酸性を有する導電性材料
としては、例えばカーボン、炭化タングステン、炭化タ
ンタル、炭化ニオブ、タンタル、タングステン等であ
る。さらに、耐熱、耐リン酸性を有する撥水性材料とし
ては、例えばフッ化黒鉛、PTFE、PFA、FEP等
である。
【0028】一方、これらの材料を用いて、導電性およ
び撥水性を有する導電・撥水層を形成する方法として
は、例えば粉体のまま単位セルあるいはセパレータに塗
布した後に圧着する方法、または粉体を適当な分散溶媒
に分散させたディスパージョンを単位セルまたはセパレ
ータにあるいは両方に塗布した後に、所定の温度(例え
ば、摂氏310〜400度)で焼成して層を形成する方
法、あるいはあらかじめ導電性材料と撥水性材料の複合
物をシート状に形成したものをセルとセパレータの間に
挾持する方法等を用いる。
び撥水性を有する導電・撥水層を形成する方法として
は、例えば粉体のまま単位セルあるいはセパレータに塗
布した後に圧着する方法、または粉体を適当な分散溶媒
に分散させたディスパージョンを単位セルまたはセパレ
ータにあるいは両方に塗布した後に、所定の温度(例え
ば、摂氏310〜400度)で焼成して層を形成する方
法、あるいはあらかじめ導電性材料と撥水性材料の複合
物をシート状に形成したものをセルとセパレータの間に
挾持する方法等を用いる。
【0029】ここで、撥水性材料と導電性材料の複合物
を使用する場合には、導電性と撥水性の両方の特性を満
足させる混合比(撥水性材料/導電性材料)が重要であ
り、本発明者は、この両方の特性を満足する混合比を見
出した。
を使用する場合には、導電性と撥水性の両方の特性を満
足させる混合比(撥水性材料/導電性材料)が重要であ
り、本発明者は、この両方の特性を満足する混合比を見
出した。
【0030】図6は、粉末のPFAとカーボンの混合比
(PFA/カーボンの重量比)に対するリン酸付着量と
電気抵抗の関係例を示す特性図である。PFAは、平均
粒径10μmを、カーボンは平均粒径0.5μmの熱分
解カーボンを使用する。また、リン酸付着量は、所定の
混合比のサンプルを型に入れて圧縮し、摂氏350度で
10分間焼成した後に型から取り出し、85%リン酸中
に浸せきさせて付着したリン酸重量を測定する。
(PFA/カーボンの重量比)に対するリン酸付着量と
電気抵抗の関係例を示す特性図である。PFAは、平均
粒径10μmを、カーボンは平均粒径0.5μmの熱分
解カーボンを使用する。また、リン酸付着量は、所定の
混合比のサンプルを型に入れて圧縮し、摂氏350度で
10分間焼成した後に型から取り出し、85%リン酸中
に浸せきさせて付着したリン酸重量を測定する。
【0031】以上の結果、混合比0.2以上でリン酸付
着量は少なく、電気抵抗も小さい。また、混合比0.5
以上では、電気抵抗が急激に増加する傾向が見られた。
すなわち、重量混合比0.2〜0.5の間が、導電性と
撥水性の両方の特性を満足させることができる。これら
は、材料の種類、粒径等によって異なるがほぼ同じ傾向
を示す。
着量は少なく、電気抵抗も小さい。また、混合比0.5
以上では、電気抵抗が急激に増加する傾向が見られた。
すなわち、重量混合比0.2〜0.5の間が、導電性と
撥水性の両方の特性を満足させることができる。これら
は、材料の種類、粒径等によって異なるがほぼ同じ傾向
を示す。
【0032】一方、導電性および撥水性を有する導電・
撥水層の厚さとしては、数10μm〜数100μmあれ
ば、セパレータ表面の凹凸を吸収し、かつ表面に層を形
成できるので、カーボン繊維先端にかかる応力集中を緩
和することができる。そして、これ以上厚くなると、電
池積層高さが高くなるため、余り好ましくない。
撥水層の厚さとしては、数10μm〜数100μmあれ
ば、セパレータ表面の凹凸を吸収し、かつ表面に層を形
成できるので、カーボン繊維先端にかかる応力集中を緩
和することができる。そして、これ以上厚くなると、電
池積層高さが高くなるため、余り好ましくない。
【0033】以下、上記のような考え方に基づく本発明
の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。 (第1の実施例)まず、流体燃料と流体酸化剤が平面方
向に複数回流通している(所定流通溝の一側端部より流
入し他側端部より上記所定流通溝以外の残余流通溝の他
側端部よりリターンして循環する)流体燃料の流通溝と
流体酸化剤の流通溝の各々流体燃料と流体酸化剤が流入
してくる側およびリターンしてくる側の全体に、導電性
および撥水性を有する導電・撥水層を設ける場合の実施
例について説明する。
の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。 (第1の実施例)まず、流体燃料と流体酸化剤が平面方
向に複数回流通している(所定流通溝の一側端部より流
入し他側端部より上記所定流通溝以外の残余流通溝の他
側端部よりリターンして循環する)流体燃料の流通溝と
流体酸化剤の流通溝の各々流体燃料と流体酸化剤が流入
してくる側およびリターンしてくる側の全体に、導電性
および撥水性を有する導電・撥水層を設ける場合の実施
例について説明する。
【0034】図1は、本発明の第1の実施例による燃料
電池の構成例を示す断面図であり、図7と同一要素には
同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部
分についてのみ述べる。
電池の構成例を示す断面図であり、図7と同一要素には
同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部
分についてのみ述べる。
【0035】すなわち、本実施例の燃料電池は、図1に
示すように、単位セル5のリブ付き電極2とセパレータ
3との間に、導電性および撥水性を有する導電・撥水層
13を、全体にわたって設けた構成としている。
示すように、単位セル5のリブ付き電極2とセパレータ
3との間に、導電性および撥水性を有する導電・撥水層
13を、全体にわたって設けた構成としている。
【0036】ここで、導電性および撥水性を有する導電
・撥水層13としては、次のようにして形成する。すな
わち、撥水性材料として、例えば平均粒径10μmのP
FA粉末を、また導電性材料として、例えば平均粒径
0.5μmの黒鉛粉末を使用する。そして、PFAと黒
鉛とを重量混合比0.4で混合した後に、溶媒に分散さ
せたディスパージョンを、リブ付き電極2とセパレータ
3に塗布した。この場合、リブ付き電極2は片面に、セ
パレータ3は両面にそれぞれ塗布した。そして、塗布
後、摂氏350度で10分間焼成して、導電・撥水層1
3を形成する。この時の導電・撥水層13の厚さは、2
0〜30μmであった。また、リブ付き電極2は、導電
・撥水層13を形成した後に溝加工を行なった。
・撥水層13としては、次のようにして形成する。すな
わち、撥水性材料として、例えば平均粒径10μmのP
FA粉末を、また導電性材料として、例えば平均粒径
0.5μmの黒鉛粉末を使用する。そして、PFAと黒
鉛とを重量混合比0.4で混合した後に、溶媒に分散さ
せたディスパージョンを、リブ付き電極2とセパレータ
3に塗布した。この場合、リブ付き電極2は片面に、セ
パレータ3は両面にそれぞれ塗布した。そして、塗布
後、摂氏350度で10分間焼成して、導電・撥水層1
3を形成する。この時の導電・撥水層13の厚さは、2
0〜30μmであった。また、リブ付き電極2は、導電
・撥水層13を形成した後に溝加工を行なった。
【0037】次に、電解質であるリン酸を含浸したマト
リックス1を挟んで、両側に触媒が付加されている一対
のリブ付電極2を配置して単位セル5を構成し、そして
この単位セル5をセパレータ3を介して交互に21セル
積層し、一体化して燃料電池積層体を組立てた後に、所
定の運転条件で発電試験を行なった。そして、約100
00時間運転後に、燃料電池を解体して単位セル5とセ
パレータ3と間の接着状態を調べた。表1は、その結果
を示すものである。
リックス1を挟んで、両側に触媒が付加されている一対
のリブ付電極2を配置して単位セル5を構成し、そして
この単位セル5をセパレータ3を介して交互に21セル
積層し、一体化して燃料電池積層体を組立てた後に、所
定の運転条件で発電試験を行なった。そして、約100
00時間運転後に、燃料電池を解体して単位セル5とセ
パレータ3と間の接着状態を調べた。表1は、その結果
を示すものである。
【0038】
【表1】
【0039】表1からわかるように、従来の燃料電池構
造では、約1/2に接着が認められたが、本実施例の燃
料電池構造では、1枚だけであった。それも、単位セル
5全体が接着しているのではなく、流体燃料がリターン
してくる側の一部だけが接着していた。この単位セル5
についてさらに良く調べた所、接着の起きている部分
は、リブ付電極2の密度の高い部分であった。密度が高
いと、圧縮弾性率が高く、カーボン繊維の先端に応力集
中が起きて、導電性および撥水性を有する導電・撥水層
13を破り、セパレータ3と粘弾性接着を起こしたもの
であり、層の厚さをもう少し増加させれば問題は無い。
造では、約1/2に接着が認められたが、本実施例の燃
料電池構造では、1枚だけであった。それも、単位セル
5全体が接着しているのではなく、流体燃料がリターン
してくる側の一部だけが接着していた。この単位セル5
についてさらに良く調べた所、接着の起きている部分
は、リブ付電極2の密度の高い部分であった。密度が高
いと、圧縮弾性率が高く、カーボン繊維の先端に応力集
中が起きて、導電性および撥水性を有する導電・撥水層
13を破り、セパレータ3と粘弾性接着を起こしたもの
であり、層の厚さをもう少し増加させれば問題は無い。
【0040】上述したように、本実施例による燃料電池
においては、単位セル5のリブ付き電極2とセパレータ
3との間に、導電性および撥水性を有する導電・撥水層
13を、全体にわたって設けるようにしたので、単位セ
ル5、セパレータ3の表面の凹凸を吸収して表面に層を
形成するため、単位セル5のカーボン繊維先端にかかる
応力集中を緩和することができる。
においては、単位セル5のリブ付き電極2とセパレータ
3との間に、導電性および撥水性を有する導電・撥水層
13を、全体にわたって設けるようにしたので、単位セ
ル5、セパレータ3の表面の凹凸を吸収して表面に層を
形成するため、単位セル5のカーボン繊維先端にかかる
応力集中を緩和することができる。
【0041】また、撥水性により凝縮したリン酸の付
着、接着性物質の付着を防止するため、単位セル5とセ
パレータ3との接着を防止することができる。さらに、
セパレータ3の導電性および撥水性を有する導電・撥水
層13の表面には、リン酸の付着はほとんどなく、セパ
レータ3のリン酸浸透防止効果も得ることができる。
着、接着性物質の付着を防止するため、単位セル5とセ
パレータ3との接着を防止することができる。さらに、
セパレータ3の導電性および撥水性を有する導電・撥水
層13の表面には、リン酸の付着はほとんどなく、セパ
レータ3のリン酸浸透防止効果も得ることができる。
【0042】以上により、単位セル5とセパレータ3と
間の電気導電性を低下させることなく、単位セル5とセ
パレータ3との間の接着を防止することができ、長時間
運転しても接着することはなく、正常な単位セル5を破
損すること無く不良な単位セル5の交換を容易に行なう
ことが可能となる。
間の電気導電性を低下させることなく、単位セル5とセ
パレータ3との間の接着を防止することができ、長時間
運転しても接着することはなく、正常な単位セル5を破
損すること無く不良な単位セル5の交換を容易に行なう
ことが可能となる。
【0043】なお、本実施例では、効果を確実にするた
めに、単位セル5のリブ付き電極2とセパレータ3の両
方の表面全体に、導電性および撥水性を有する導電・撥
水層13を設けたが、いずれか片側に導電・撥水層13
を設けても、同様の効果が得られる。そして、この場合
には、導電・撥水層13の厚さを厚くすればよい。
めに、単位セル5のリブ付き電極2とセパレータ3の両
方の表面全体に、導電性および撥水性を有する導電・撥
水層13を設けたが、いずれか片側に導電・撥水層13
を設けても、同様の効果が得られる。そして、この場合
には、導電・撥水層13の厚さを厚くすればよい。
【0044】また、本実施例は、撥水性材料としてPF
Aを、導電性材料として黒鉛を用いたが、他の撥水性材
料、導電性材料を用いても、同様の効果が得られること
は言うまでもない。
Aを、導電性材料として黒鉛を用いたが、他の撥水性材
料、導電性材料を用いても、同様の効果が得られること
は言うまでもない。
【0045】(第2の実施例)次に、流体燃料と流体酸
化剤が平面方向に複数回流通している(所定流通溝の一
側端部より流入し他側端部より上記所定流通溝以外の残
余流通溝の他側端部よりリターンして循環する)流体燃
料の流通溝と流体酸化剤の流通溝の各々流体燃料と流体
酸化剤がリターンしてくる側のみに、導電性および撥水
性を有する導電・撥水層を設ける場合の実施例について
説明する。
化剤が平面方向に複数回流通している(所定流通溝の一
側端部より流入し他側端部より上記所定流通溝以外の残
余流通溝の他側端部よりリターンして循環する)流体燃
料の流通溝と流体酸化剤の流通溝の各々流体燃料と流体
酸化剤がリターンしてくる側のみに、導電性および撥水
性を有する導電・撥水層を設ける場合の実施例について
説明する。
【0046】図2は、本発明の第2の実施例による燃料
電池の構成例を示す断面図であり、図7と同一要素には
同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部
分についてのみ述べる。
電池の構成例を示す断面図であり、図7と同一要素には
同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部
分についてのみ述べる。
【0047】すなわち、本実施例の燃料電池は、図2に
示すように、単位セル5のリブ付き電極2とセパレータ
3との間に、流体燃料の流通溝における流体燃料のリタ
ーン側7bに、導電性および撥水性を有する導電・撥水
層13を設けた構成としている。
示すように、単位セル5のリブ付き電極2とセパレータ
3との間に、流体燃料の流通溝における流体燃料のリタ
ーン側7bに、導電性および撥水性を有する導電・撥水
層13を設けた構成としている。
【0048】なお、酸化剤極側の構成についても、燃料
極側と同様の構成であるので、ここではその図示および
説明を省略する。ここで、導電性および撥水性を有する
導電・撥水層13としては、次のようにして形成する。
すなわち、第1の実施例の場合と同様に、撥水性材料と
して、例えば平均粒径10μmのPFA粉末を、また導
電性材料として、例えば平均粒径0.5μmの黒鉛粉末
を使用する。そして、PFAと黒鉛とを重量混合比0.
4で混合した後に、溶媒に分散させたディスパージョン
を、リブ付き電極2とセパレータ3の流体燃料と流体酸
化剤のリターン側に塗布した。そして、塗布後、摂氏3
50度で10分間焼成して、導電・撥水層13を形成す
る。この時の導電・撥水層13の厚さは、第1の実施例
の場合よりもやや厚く30〜40μmであった。また、
リブ付き電極2は、第1の実施例の場合と同様に、導電
・撥水層13を形成した後に溝加工を行なった。
極側と同様の構成であるので、ここではその図示および
説明を省略する。ここで、導電性および撥水性を有する
導電・撥水層13としては、次のようにして形成する。
すなわち、第1の実施例の場合と同様に、撥水性材料と
して、例えば平均粒径10μmのPFA粉末を、また導
電性材料として、例えば平均粒径0.5μmの黒鉛粉末
を使用する。そして、PFAと黒鉛とを重量混合比0.
4で混合した後に、溶媒に分散させたディスパージョン
を、リブ付き電極2とセパレータ3の流体燃料と流体酸
化剤のリターン側に塗布した。そして、塗布後、摂氏3
50度で10分間焼成して、導電・撥水層13を形成す
る。この時の導電・撥水層13の厚さは、第1の実施例
の場合よりもやや厚く30〜40μmであった。また、
リブ付き電極2は、第1の実施例の場合と同様に、導電
・撥水層13を形成した後に溝加工を行なった。
【0049】次に、電解質であるリン酸を含浸したマト
リックス1を挟んで、両側に触媒が付加されている一対
のリブ付電極2を配置して単位セル5を構成し、そして
この単位セル5をセパレータ3を介して交互に21セル
積層し、一体化して燃料電池積層体を組立てた後に、所
定の運転条件で発電試験を行なった。そして、約100
00時間運転後に、燃料電池を解体して単位セル5とセ
パレータ3と間の接着状態を調べた。表2は、その結果
を示すものである。
リックス1を挟んで、両側に触媒が付加されている一対
のリブ付電極2を配置して単位セル5を構成し、そして
この単位セル5をセパレータ3を介して交互に21セル
積層し、一体化して燃料電池積層体を組立てた後に、所
定の運転条件で発電試験を行なった。そして、約100
00時間運転後に、燃料電池を解体して単位セル5とセ
パレータ3と間の接着状態を調べた。表2は、その結果
を示すものである。
【0050】
【表2】
【0051】表2からわかるように、従来の燃料電池構
造では、約1/2に接着が認められたが、本実施例の燃
料電池構造では、単位セル5とセパレータ3との接着は
なかった。
造では、約1/2に接着が認められたが、本実施例の燃
料電池構造では、単位セル5とセパレータ3との接着は
なかった。
【0052】これは、単位セル5とセパレータ3との接
着は、凝縮したリン酸の付着と接着性物質の影響が大き
いことを示している。これは、流体リターン側の蒸気圧
が高くリン酸が凝縮し易いこと、および比較的温度が高
く接着性物質が生成し易いことによるものと考えられ
る。
着は、凝縮したリン酸の付着と接着性物質の影響が大き
いことを示している。これは、流体リターン側の蒸気圧
が高くリン酸が凝縮し易いこと、および比較的温度が高
く接着性物質が生成し易いことによるものと考えられ
る。
【0053】上述したように、本実施例による燃料電池
においては、単位セル5のリブ付き電極2とセパレータ
3との間に、流体燃料の流通溝と流体酸化剤の流通溝の
各々流体燃料と流体酸化剤がリターンしてくる側に、導
電性および撥水性を有する導電・撥水層13を設けるよ
うにしたので、単位セル5とセパレータ3との間の電気
導電性を低下させることなく、接着を防止することがで
きる。
においては、単位セル5のリブ付き電極2とセパレータ
3との間に、流体燃料の流通溝と流体酸化剤の流通溝の
各々流体燃料と流体酸化剤がリターンしてくる側に、導
電性および撥水性を有する導電・撥水層13を設けるよ
うにしたので、単位セル5とセパレータ3との間の電気
導電性を低下させることなく、接着を防止することがで
きる。
【0054】また、流体リターン側のみに、導電・撥水
層13を形成することによって、流体リターン側が厚く
なり、締付けの不均一化によって単位セル5の接着抵抗
が増大することが概念されるが、接触抵抗はほとんど変
化なく、発電にはほとんど影響がないことが分かった。
層13を形成することによって、流体リターン側が厚く
なり、締付けの不均一化によって単位セル5の接着抵抗
が増大することが概念されるが、接触抵抗はほとんど変
化なく、発電にはほとんど影響がないことが分かった。
【0055】さらに、かかる効果をより確実にするため
に、好ましくは導電性および撥水性を有する導電・撥水
層13は、厚みを流体入口側より流体リターン側の方を
厚くすれば良い。例えば、流体入口側の厚みを10〜3
0μm、流体リターン側の厚みを30〜50μmにする
と、さらに長時間にわたって確実に接着を防止すること
ができる。
に、好ましくは導電性および撥水性を有する導電・撥水
層13は、厚みを流体入口側より流体リターン側の方を
厚くすれば良い。例えば、流体入口側の厚みを10〜3
0μm、流体リターン側の厚みを30〜50μmにする
と、さらに長時間にわたって確実に接着を防止すること
ができる。
【0056】同様に、撥水性材料を入口側よりリターン
側の方の撥水性を強くすれば良く、例えばリターン側に
撥水性の強いフッ化黒鉛を加えることにより達成でき、
より一層効果的である。
側の方の撥水性を強くすれば良く、例えばリターン側に
撥水性の強いフッ化黒鉛を加えることにより達成でき、
より一層効果的である。
【0057】以上により、単位セル5とセパレータ3と
間の電気導電性を低下させることなく、単位セル5とセ
パレータ3との間の接着を防止することができ、長時間
運転しても接着することはなく、正常な単位セル5を破
損すること無く不良な単位セル5の交換を容易に行なう
ことが可能となる。
間の電気導電性を低下させることなく、単位セル5とセ
パレータ3との間の接着を防止することができ、長時間
運転しても接着することはなく、正常な単位セル5を破
損すること無く不良な単位セル5の交換を容易に行なう
ことが可能となる。
【0058】(第3の実施例)次に、事前調査により、
冷却板4近傍の単位セル5とセパレータ3との間に、接
着が比較的多く発生することを見出したことから、それ
に基づいて、冷却板4に近い位置の単位セル5とセパレ
ータ3との間のみに、導電性および撥水性を有する導電
・撥水層を設ける場合の実施例について説明する。
冷却板4近傍の単位セル5とセパレータ3との間に、接
着が比較的多く発生することを見出したことから、それ
に基づいて、冷却板4に近い位置の単位セル5とセパレ
ータ3との間のみに、導電性および撥水性を有する導電
・撥水層を設ける場合の実施例について説明する。
【0059】図3は、本発明の第3の実施例による燃料
電池の構成例を示す断面図であり、図7と同一要素には
同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部
分についてのみ述べる。
電池の構成例を示す断面図であり、図7と同一要素には
同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部
分についてのみ述べる。
【0060】すなわち、本実施例の燃料電池は、図3に
示すように、各冷却板4間に5枚の単位セル5を挾持さ
せ、冷却板4近傍の上下2枚ずつの単位セル5aのみに
おける単位セル5aとセパレータ3との間に、導電性お
よび撥水性を有する導電・撥水層13を設けた構成とし
ている。
示すように、各冷却板4間に5枚の単位セル5を挾持さ
せ、冷却板4近傍の上下2枚ずつの単位セル5aのみに
おける単位セル5aとセパレータ3との間に、導電性お
よび撥水性を有する導電・撥水層13を設けた構成とし
ている。
【0061】なお、中央部の単位セル5bとセパレータ
3との間には、導電・撥水層13は設けていない。ここ
で、導電性および撥水性を有する導電・撥水層13とし
ては、次のようにして形成する。すなわち、第1の実施
例の場合と同様に、撥水性材料として、例えば平均粒径
10μmのPFA粉末を、また導電性材料として、例え
ば平均粒径0.5μmの黒鉛粉末を使用する。そして、
PFAと黒鉛とを重量混合比0.4で混合した後に、溶
媒に分散させたディスパージョンを、リブ付き電極2の
片面とセパレータ3の両面とに塗布した。そして、塗布
後、摂氏350度で10分間焼成して、導電・撥水層1
3を形成する。この時の導電・撥水層13の厚さは、第
2の実施例の場合と同様に30〜40μmであった。ま
た、リブ付き電極2は、第1および第2の実施例の場合
と同様に、導電・撥水層13を形成した後に溝加工を行
なった。
3との間には、導電・撥水層13は設けていない。ここ
で、導電性および撥水性を有する導電・撥水層13とし
ては、次のようにして形成する。すなわち、第1の実施
例の場合と同様に、撥水性材料として、例えば平均粒径
10μmのPFA粉末を、また導電性材料として、例え
ば平均粒径0.5μmの黒鉛粉末を使用する。そして、
PFAと黒鉛とを重量混合比0.4で混合した後に、溶
媒に分散させたディスパージョンを、リブ付き電極2の
片面とセパレータ3の両面とに塗布した。そして、塗布
後、摂氏350度で10分間焼成して、導電・撥水層1
3を形成する。この時の導電・撥水層13の厚さは、第
2の実施例の場合と同様に30〜40μmであった。ま
た、リブ付き電極2は、第1および第2の実施例の場合
と同様に、導電・撥水層13を形成した後に溝加工を行
なった。
【0062】次に、電解質であるリン酸を含浸したマト
リックス1を挟んで、両側に触媒が付加されている一対
のリブ付電極2を配置して単位セル5を構成し、そして
この単位セル5を5枚セパレータ3を介して交互に積層
し、一体化して燃料電池積層体を組立てた後に、所定の
運転条件で発電試験を行なった。そして、約10000
時間運転後に、燃料電池を解体して単位セル5とセパレ
ータ3と間の接着状態を調べた。
リックス1を挟んで、両側に触媒が付加されている一対
のリブ付電極2を配置して単位セル5を構成し、そして
この単位セル5を5枚セパレータ3を介して交互に積層
し、一体化して燃料電池積層体を組立てた後に、所定の
運転条件で発電試験を行なった。そして、約10000
時間運転後に、燃料電池を解体して単位セル5とセパレ
ータ3と間の接着状態を調べた。
【0063】その結果、本実施例の燃料電池構造では、
単位セル5とセパレータ3との接着はいずれも見られ
ず、少なくとも冷却板4近傍の上下2枚ずつの単位セル
5aとセパレータ3との間に、導電性および撥水性を有
する導電・撥水層13を設ければよいことが分かった。
単位セル5とセパレータ3との接着はいずれも見られ
ず、少なくとも冷却板4近傍の上下2枚ずつの単位セル
5aとセパレータ3との間に、導電性および撥水性を有
する導電・撥水層13を設ければよいことが分かった。
【0064】これは、冷却板4間に挾持した5枚の単位
セル5では、中央部の単位セル5bの温度が最も高く、
冷却板4に近くなるほど温度は低下するため、冷却板4
付近の単位セル5aとセパレータ3との間には、リン酸
が凝縮し易いからである。
セル5では、中央部の単位セル5bの温度が最も高く、
冷却板4に近くなるほど温度は低下するため、冷却板4
付近の単位セル5aとセパレータ3との間には、リン酸
が凝縮し易いからである。
【0065】また、材料弾性率を調べると、冷却板4が
最も大きく、リブ付き電極2は小さい。そのため、中央
部では、リブ付き電極2の影響が大きいが、冷却板4に
近くなるほど冷却板4の影響を受けて、リブ付き電極2
のリブ部のカーボン繊維先端には応力が集中しやすいた
め、冷却板4近傍の単位セル5aとセパレータ3とが接
着するものと考えられる。
最も大きく、リブ付き電極2は小さい。そのため、中央
部では、リブ付き電極2の影響が大きいが、冷却板4に
近くなるほど冷却板4の影響を受けて、リブ付き電極2
のリブ部のカーボン繊維先端には応力が集中しやすいた
め、冷却板4近傍の単位セル5aとセパレータ3とが接
着するものと考えられる。
【0066】さらに、かかる効果をより一層確実にする
ために、好ましくは導電性および撥水性を有する導電・
撥水層13は、厚みを中央部の単位セル5bよりも冷却
板4近傍の単位セル5aの方を厚くすればよい。例え
ば、中央部の単位セル5bの厚みを10〜30μm、冷
却板4近傍の単位セル5aの厚みを30〜50μmにす
ると、さらに長時間にわたって確実に接着を防止するこ
とができる。
ために、好ましくは導電性および撥水性を有する導電・
撥水層13は、厚みを中央部の単位セル5bよりも冷却
板4近傍の単位セル5aの方を厚くすればよい。例え
ば、中央部の単位セル5bの厚みを10〜30μm、冷
却板4近傍の単位セル5aの厚みを30〜50μmにす
ると、さらに長時間にわたって確実に接着を防止するこ
とができる。
【0067】同様に、撥水性材料を中央部の単位セル5
bよりも、冷却板4近傍の単位セル5aの方を強い材料
を使用すればよい、例えば、冷却板4近傍の単位セル5
aにフッ化黒鉛を加えることにより達成でき、より一層
効果的である。
bよりも、冷却板4近傍の単位セル5aの方を強い材料
を使用すればよい、例えば、冷却板4近傍の単位セル5
aにフッ化黒鉛を加えることにより達成でき、より一層
効果的である。
【0068】以上により、単位セル5とセパレータ3と
間の電気導電性を低下させることなく、単位セル5とセ
パレータ3との間の接着を防止することができ、長時間
運転しても接着することはなく、正常な単位セル5を破
損すること無く不良な単位セル5の交換を容易に行なう
ことが可能となる。
間の電気導電性を低下させることなく、単位セル5とセ
パレータ3との間の接着を防止することができ、長時間
運転しても接着することはなく、正常な単位セル5を破
損すること無く不良な単位セル5の交換を容易に行なう
ことが可能となる。
【0069】(第4の実施例)以上の各実施例では、P
FAと黒鉛とを混合した後に、溶媒に分散させた溶液
を、リブ付き電極2とセパレータ3上に塗布し、焼成し
て導電性および撥水性を有する導電・撥水層13を形成
したが、粉体の状態で導電・撥水層13を形成すること
も可能であり、この場合の実施例について説明する。
FAと黒鉛とを混合した後に、溶媒に分散させた溶液
を、リブ付き電極2とセパレータ3上に塗布し、焼成し
て導電性および撥水性を有する導電・撥水層13を形成
したが、粉体の状態で導電・撥水層13を形成すること
も可能であり、この場合の実施例について説明する。
【0070】本実施例では、導電性および撥水性の両方
の性質を兼ね備えた黒鉛を用いる。すなわち、図4に示
すように、プレス14上に平板15を載置し、さらにそ
の上に平均粒径0.5μmの黒鉛粉末16を均一に散布
する。そして、その上に溝加工したリブ付き電極2をリ
ブ面を下にして載置し、加圧する。
の性質を兼ね備えた黒鉛を用いる。すなわち、図4に示
すように、プレス14上に平板15を載置し、さらにそ
の上に平均粒径0.5μmの黒鉛粉末16を均一に散布
する。そして、その上に溝加工したリブ付き電極2をリ
ブ面を下にして載置し、加圧する。
【0071】この時、圧力は、プレスでリブ付き電極2
の座屈強度以下であり、好ましくは5〜10MPaとす
る。そして、この加圧により、黒鉛粉末は、リブ部の先
端の一部に埋め込まれ、表面には黒鉛層の平滑面が得ら
れる。すなわち、導電性および撥水性の両方の性質を兼
ね備えた導電・撥水層13が得られる。
の座屈強度以下であり、好ましくは5〜10MPaとす
る。そして、この加圧により、黒鉛粉末は、リブ部の先
端の一部に埋め込まれ、表面には黒鉛層の平滑面が得ら
れる。すなわち、導電性および撥水性の両方の性質を兼
ね備えた導電・撥水層13が得られる。
【0072】一方、セパレータ3は、リブ付き電極2と
同様にプレスで加圧し、表面の凹凸部に黒鉛を埋め込
む。そして、表面に付着した過剰の黒鉛は、スキージー
で除去して平滑面を得る。
同様にプレスで加圧し、表面の凹凸部に黒鉛を埋め込
む。そして、表面に付着した過剰の黒鉛は、スキージー
で除去して平滑面を得る。
【0073】以上により、リブ付き電極2、セパレータ
3共に平滑面が得られているため、カーボン繊維先端に
応力集中が起こり難い。また、撥水性であるため、リン
酸の凝縮、接着性物質が付着し難いため、リブ付き電極
2とセパレータ3との接着は起こらない。
3共に平滑面が得られているため、カーボン繊維先端に
応力集中が起こり難い。また、撥水性であるため、リン
酸の凝縮、接着性物質が付着し難いため、リブ付き電極
2とセパレータ3との接着は起こらない。
【0074】また、一度積層すれば締付けによって導電
・撥水層13は固定されるため、PFA等で結着しなく
ても導電・撥水層13を維持することができる。なお、
黒鉛以外の導電性材料と撥水性材料を、重量混合比0.
2〜0.5で混合して使用しても、同様の効果が得られ
た。
・撥水層13は固定されるため、PFA等で結着しなく
ても導電・撥水層13を維持することができる。なお、
黒鉛以外の導電性材料と撥水性材料を、重量混合比0.
2〜0.5で混合して使用しても、同様の効果が得られ
た。
【0075】(第5の実施例)以上の各実施例(第4の
実施例を除く)では、PFAと黒鉛とを混合した後に、
溶媒に分散させた溶液を、リブ付き電極2とセパレータ
3上に塗布し、焼成して導電性および撥水性を有する導
電・撥水層13を形成したが、あらかじめ導電性材料と
撥水性材料の複合物をシート状に形成したものを、単位
セルとセパレータとの間に挾持する方法等によって導電
・撥水層13を形成することも可能であり、この場合の
実施例について説明する。
実施例を除く)では、PFAと黒鉛とを混合した後に、
溶媒に分散させた溶液を、リブ付き電極2とセパレータ
3上に塗布し、焼成して導電性および撥水性を有する導
電・撥水層13を形成したが、あらかじめ導電性材料と
撥水性材料の複合物をシート状に形成したものを、単位
セルとセパレータとの間に挾持する方法等によって導電
・撥水層13を形成することも可能であり、この場合の
実施例について説明する。
【0076】本実施例では、撥水性材料としてPFAを
用い、導電性材料を結着してシート状とする。この場
合、撥水性材料としては平均粒径10μmのPFA粉末
を、導電性材料としては平均粒径0.5μmの黒鉛粉末
を使用する。
用い、導電性材料を結着してシート状とする。この場
合、撥水性材料としては平均粒径10μmのPFA粉末
を、導電性材料としては平均粒径0.5μmの黒鉛粉末
を使用する。
【0077】すなわち、図5に示すように、重量混合比
0.4で混合したPFAと黒鉛との混合粉末17を、熱
間プレス18上に均一に散布する。次に、摂氏350〜
400度にヒーター19で加熱しながら、プレスで加圧
してシートにする。
0.4で混合したPFAと黒鉛との混合粉末17を、熱
間プレス18上に均一に散布する。次に、摂氏350〜
400度にヒーター19で加熱しながら、プレスで加圧
してシートにする。
【0078】この時、シートの厚みは、材料の塗布量と
ストッパー20の寸法で管理する。そして、このシート
を作製した後に、単位セルとセパレータとの間に挾持さ
せて積層する。このシートは、均一な厚みであるので、
導電性および撥水性に対して信頼性がある。
ストッパー20の寸法で管理する。そして、このシート
を作製した後に、単位セルとセパレータとの間に挾持さ
せて積層する。このシートは、均一な厚みであるので、
導電性および撥水性に対して信頼性がある。
【0079】尚、上記各実施例では、燃料電池における
単位セル5とセパレータ3との間に導電性および撥水性
を有する導電・撥水層13を設けて、単位セル5とセパ
レータ3との間の接着を防止する場合について説明した
が、これに限らず、本発明の導電・撥水層を、他の炭素
材料同志の接着防止に使用するようにしても、前述の場
合と同様の効果が得られることは言うまでもない。
単位セル5とセパレータ3との間に導電性および撥水性
を有する導電・撥水層13を設けて、単位セル5とセパ
レータ3との間の接着を防止する場合について説明した
が、これに限らず、本発明の導電・撥水層を、他の炭素
材料同志の接着防止に使用するようにしても、前述の場
合と同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、電
解質を含浸したマトリックスを挟んで、複数の流通溝が
形成された一対のリブ付電極を配置して成り、かつ一方
のリブ付電極の流通溝に流体燃料が、また他方のリブ付
電極の流通溝に流体酸化剤がそれぞれ所定流通溝の一側
端部より流入し他側端部より所定流通溝以外の残余流通
溝の他側端部よりリターンして循環する条件下で、一対
のリブ付電極間から電気エネルギーを出力する単位セル
を、セパレータを介して交互に複数個積層し、さらに必
要に応じて冷却板を配置して一体に締付けて構成される
燃料電池において、単位セルとセパレータとの間に、導
電性および撥水性を有する導電・撥水層を設けるように
したので、単位セルとセパレータとの間の電気導電性を
低下させることなく、単位セルとセパレータとの間の接
着を防止することができ、長時間運転した正常なセルを
破損することなく不良のセルを容易に交換することが可
能な燃料電池が提供できる。
解質を含浸したマトリックスを挟んで、複数の流通溝が
形成された一対のリブ付電極を配置して成り、かつ一方
のリブ付電極の流通溝に流体燃料が、また他方のリブ付
電極の流通溝に流体酸化剤がそれぞれ所定流通溝の一側
端部より流入し他側端部より所定流通溝以外の残余流通
溝の他側端部よりリターンして循環する条件下で、一対
のリブ付電極間から電気エネルギーを出力する単位セル
を、セパレータを介して交互に複数個積層し、さらに必
要に応じて冷却板を配置して一体に締付けて構成される
燃料電池において、単位セルとセパレータとの間に、導
電性および撥水性を有する導電・撥水層を設けるように
したので、単位セルとセパレータとの間の電気導電性を
低下させることなく、単位セルとセパレータとの間の接
着を防止することができ、長時間運転した正常なセルを
破損することなく不良のセルを容易に交換することが可
能な燃料電池が提供できる。
【図1】本発明の第1の実施例による燃料電池の構成例
を示す断面図。
を示す断面図。
【図2】本発明の第2の実施例による燃料電池の構成例
を示す断面図。
を示す断面図。
【図3】本発明の第3の実施例による燃料電池の構成例
を示す断面図。
を示す断面図。
【図4】本発明の第4の実施例による燃料電池の構成例
を示す断面図。
を示す断面図。
【図5】本発明の第5の実施例による燃料電池の構成例
を示す断面図。
を示す断面図。
【図6】PFAと黒鉛との混合比に対するリン酸付着量
と電気抵抗の関係の一例を示す特性図。
と電気抵抗の関係の一例を示す特性図。
【図7】従来のリブ付電極積層体、およびその単位セル
の流体燃料および流体酸化剤の流れを示す斜視図。
の流体燃料および流体酸化剤の流れを示す斜視図。
【図8】従来のリブ付電極の単位セルとセパレータとの
間の接着状態を示す拡大図。
間の接着状態を示す拡大図。
1…マトリックス、2…リブ付電極、3…セパレータ、
4…冷却板、5…単体セル、5a…冷却板近傍の単体セ
ル、5b…中央部の単体セル、7a…流体燃料入口側、
7b…流体燃料リターン側、8a…流体酸化剤入口側、
8b…流体酸化剤リターン側、13…導電・撥水層、1
4…プレス、16…黒鉛粉末、17…PFAと黒鉛の混
合粉末、18…熱間プレス、20…ストッパー。
4…冷却板、5…単体セル、5a…冷却板近傍の単体セ
ル、5b…中央部の単体セル、7a…流体燃料入口側、
7b…流体燃料リターン側、8a…流体酸化剤入口側、
8b…流体酸化剤リターン側、13…導電・撥水層、1
4…プレス、16…黒鉛粉末、17…PFAと黒鉛の混
合粉末、18…熱間プレス、20…ストッパー。
フロントページの続き (72)発明者 前川 全 神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株 式会社東芝浜川崎工場内
Claims (8)
- 【請求項1】 電解質を含浸したマトリックスを挟ん
で、複数の流通溝が形成された一対のリブ付電極を配置
して成り、かつ前記一方のリブ付電極の流通溝に流体燃
料が、また他方のリブ付電極の流通溝に流体酸化剤がそ
れぞれ所定流通溝の一側端部より流入し他側端部より前
記所定流通溝以外の残余流通溝の他側端部よりリターン
して循環する条件下で、前記一対のリブ付電極間から電
気エネルギーを出力する単位セルを、セパレータを介し
て交互に複数個積層し、さらに必要に応じて冷却板を配
置して一体に締付けて構成される燃料電池において、 前記単位セルとセパレータとの間に、導電性および撥水
性を有する導電・撥水層を設けて成ることを特徴とする
燃料電池。 - 【請求項2】 前記導電・撥水層としては、黒鉛、カー
ボン、炭化タングステン、炭化タンタル、炭化ニオブ、
タンタル、タングステン、フッ化黒鉛、PTFE、PF
A、FEPの耐熱、耐リン酸性材料の少なくとも1種以
上を単体、あるいは複合体として使用するようにしたこ
とを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。 - 【請求項3】 前記導電・撥水層は、前記流体燃料の流
通溝と流体酸化剤の流通溝の各々流体燃料と流体酸化剤
がリターンしてくる側に設けるようにしたことを特徴と
する請求項1に記載の燃料電池。 - 【請求項4】 前記導電・撥水層は、前記流体燃料の流
通溝と流体酸化剤の流通溝の各々流体燃料と流体酸化剤
が流入してくる側よりもリターンしてくる側の厚みを厚
くするようにしたことを特徴とする請求項1に記載の燃
料電池。 - 【請求項5】 前記導電・撥水層は、前記流体燃料の流
通溝と流体酸化剤の流通溝の各々流体燃料と流体酸化剤
が流入してくる側よりもリターンしてくる側の撥水性を
強くするようにしたことを特徴とする請求項1に記載の
燃料電池。 - 【請求項6】 前記導電・撥水層は、前記冷却板近傍の
単位セルに設けるようにしたことを特徴とする請求項1
に記載の燃料電池。 - 【請求項7】 前記導電・撥水層は、中央部の単位セル
よりも冷却板に近い位置にある単位セルの厚みを厚くす
るようにしたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電
池。 - 【請求項8】 前記導電・撥水層は、中央部の単位セル
よりも冷却板に近い位置にある単位セルほど撥水性を強
くするようにしたことを特徴とする請求項1に記載の燃
料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6093300A JPH07302600A (ja) | 1994-05-02 | 1994-05-02 | 燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6093300A JPH07302600A (ja) | 1994-05-02 | 1994-05-02 | 燃料電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07302600A true JPH07302600A (ja) | 1995-11-14 |
Family
ID=14078508
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6093300A Pending JPH07302600A (ja) | 1994-05-02 | 1994-05-02 | 燃料電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07302600A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100421708B1 (ko) * | 1998-08-20 | 2004-03-11 | 마쯔시다덴기산교 가부시키가이샤 | 연료전지 및 그 제조방법 |
-
1994
- 1994-05-02 JP JP6093300A patent/JPH07302600A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100421708B1 (ko) * | 1998-08-20 | 2004-03-11 | 마쯔시다덴기산교 가부시키가이샤 | 연료전지 및 그 제조방법 |
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