JPH07302300A - マーク検出方法および装置 - Google Patents
マーク検出方法および装置Info
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- JPH07302300A JPH07302300A JP7042372A JP4237295A JPH07302300A JP H07302300 A JPH07302300 A JP H07302300A JP 7042372 A JP7042372 A JP 7042372A JP 4237295 A JP4237295 A JP 4237295A JP H07302300 A JPH07302300 A JP H07302300A
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- light
- mark
- signal
- component
- irradiation
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 バーコードの様なマークを蛍光物質を用いて
形成し、そのマークを光を利用して検知するものにおい
て、外部光やマークによる反射光の成分が大きいために
検出光全体に占める蛍光の強度が極めて弱い場合にあっ
ても、蛍光成分の検出が安定して的確に行なえるように
する。 【構成】 光照射部36からマーク10に向けて、正弦
波状にその強さが変化する光12を照射する一方、光電
変換部37で入射光13を電気信号に変換する。更に、
濾波回路52を用いて外部光成分を減衰させ、引算回路
58で反射光と同一位相の引算信号61を引いて反射光
成分を減衰させたのち、乗算回路54で反射光から90
度遅れた制御信号22を掛け合わせ、その出力信号から
直流成分を取り出すことにより、蛍光成分を分離する。
形成し、そのマークを光を利用して検知するものにおい
て、外部光やマークによる反射光の成分が大きいために
検出光全体に占める蛍光の強度が極めて弱い場合にあっ
ても、蛍光成分の検出が安定して的確に行なえるように
する。 【構成】 光照射部36からマーク10に向けて、正弦
波状にその強さが変化する光12を照射する一方、光電
変換部37で入射光13を電気信号に変換する。更に、
濾波回路52を用いて外部光成分を減衰させ、引算回路
58で反射光と同一位相の引算信号61を引いて反射光
成分を減衰させたのち、乗算回路54で反射光から90
度遅れた制御信号22を掛け合わせ、その出力信号から
直流成分を取り出すことにより、蛍光成分を分離する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、通行券やテレフォン
カードなどの各種プリペイドカードをはじめとする各種
物品上に設けるバーコードや文字の様な各種のマーク
を、光学的に検出する方法およびその検出方法を実施し
た検出装置であって、特に検出用のマークが蛍光物質を
もって形成されたものに関する。
カードなどの各種プリペイドカードをはじめとする各種
物品上に設けるバーコードや文字の様な各種のマーク
を、光学的に検出する方法およびその検出方法を実施し
た検出装置であって、特に検出用のマークが蛍光物質を
もって形成されたものに関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は以前、蛍光物質で形成したマ
ーク上に光を間欠的に照射し、照射光の停止期間中にマ
ークから発生する蛍光の有無を検出することによって、
マークの形成位置を検知する方法および装置を提案した
(例えば特開平03−163694号公報参照)。
ーク上に光を間欠的に照射し、照射光の停止期間中にマ
ークから発生する蛍光の有無を検出することによって、
マークの形成位置を検知する方法および装置を提案した
(例えば特開平03−163694号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
残光を利用する方法にあっては、蛍光の波長と同一か近
傍の波長の外部光が同時に照射されると、その光がその
まま受光素子に入力されて電気信号に変換される結果、
蛍光が発生していないにもかかわらずそれを蛍光と誤認
する虞れがある。そこでかかる誤認を未然に防止するた
め、光の照射および検出位置を外部光から遮蔽して使用
することが要求されるなど、使用環境が限定される不都
合があった。
残光を利用する方法にあっては、蛍光の波長と同一か近
傍の波長の外部光が同時に照射されると、その光がその
まま受光素子に入力されて電気信号に変換される結果、
蛍光が発生していないにもかかわらずそれを蛍光と誤認
する虞れがある。そこでかかる誤認を未然に防止するた
め、光の照射および検出位置を外部光から遮蔽して使用
することが要求されるなど、使用環境が限定される不都
合があった。
【0004】本発明者らはかかる不都合に対して考察を
おこなった結果、蛍光物質に対して照射される光と発生
される蛍光との関係は、CR回路における印加電圧とコ
ンデンサの端子電圧との関係と略等価な位相関係を保持
しながら変化するのに対し、外部光は略一定の強度か又
はでたらめな強度変化を一般的にするものであり、かか
る各信号間の位相関係を利用することにより、各種の光
が混在する場合にあっても蛍光成分のみがその中から的
確に抽出できることを知見した。
おこなった結果、蛍光物質に対して照射される光と発生
される蛍光との関係は、CR回路における印加電圧とコ
ンデンサの端子電圧との関係と略等価な位相関係を保持
しながら変化するのに対し、外部光は略一定の強度か又
はでたらめな強度変化を一般的にするものであり、かか
る各信号間の位相関係を利用することにより、各種の光
が混在する場合にあっても蛍光成分のみがその中から的
確に抽出できることを知見した。
【0005】すなわち、蛍光物質で形成したマーク上に
交流的にその振幅が変化する光を照射すると、そのマー
ク部分から放出される光は、マークによる反射光と、そ
の反射光と同一周波数で位相が例えば45度程度遅れた
蛍光と、外部光とが重畳したものとなる。したがって、
照射光と同一周波数成分を選択的に取り出せば、反射光
と蛍光とは両者の位相の違いを利用して分離できるので
ある。
交流的にその振幅が変化する光を照射すると、そのマー
ク部分から放出される光は、マークによる反射光と、そ
の反射光と同一周波数で位相が例えば45度程度遅れた
蛍光と、外部光とが重畳したものとなる。したがって、
照射光と同一周波数成分を選択的に取り出せば、反射光
と蛍光とは両者の位相の違いを利用して分離できるので
ある。
【0006】更にまた、上記した反射光と蛍光の位相の
違いは蛍光物質の種類によって異なるものであり、この
値の違いを判別すれば、マークに関する情報をよりきめ
細かく取得できることを知見した。すなわち、第三者が
任意の蛍光物質をもって同一形状のマークを作成するこ
と自体は技術的にそれほど難しくないが、蛍光物質の成
分を一致させることは物理的に極めて難しく、マークを
セキュリティ用として使用する場合には特に、偽造の防
止が図れるのである。
違いは蛍光物質の種類によって異なるものであり、この
値の違いを判別すれば、マークに関する情報をよりきめ
細かく取得できることを知見した。すなわち、第三者が
任意の蛍光物質をもって同一形状のマークを作成するこ
と自体は技術的にそれほど難しくないが、蛍光物質の成
分を一致させることは物理的に極めて難しく、マークを
セキュリティ用として使用する場合には特に、偽造の防
止が図れるのである。
【0007】本発明は上記した知見に基づいてなされた
ものであって、使用環境に影響されることなく、蛍光物
質を利用したマークの光による検知が確実に行なえるマ
ークの検出方法および装置を提供することを目的とす
る。
ものであって、使用環境に影響されることなく、蛍光物
質を利用したマークの光による検知が確実に行なえるマ
ークの検出方法および装置を提供することを目的とす
る。
【0008】本発明はまた、反射光成分が大きいために
検出光全体に占める蛍光の大きさが極めて低い場合にあ
っても、蛍光成分の検出が安定して的確に行なえるマー
クの検出方法および装置を提供することを目的とする。
検出光全体に占める蛍光の大きさが極めて低い場合にあ
っても、蛍光成分の検出が安定して的確に行なえるマー
クの検出方法および装置を提供することを目的とする。
【0009】本発明は、更に、反射光に対する蛍光の位
相の遅れ量それ自体を検出することにより、マークを形
成する蛍光物質の違いをもマークで表示可能な情報とし
て利用出来るマークの検出方法を提供することを目的と
する。
相の遅れ量それ自体を検出することにより、マークを形
成する蛍光物質の違いをもマークで表示可能な情報とし
て利用出来るマークの検出方法を提供することを目的と
する。
【0010】本発明は更にまた、入射光の大小にかかわ
らず、マーク検知が精度よく行えるマーク検出装置を提
供することを目的とする。
らず、マーク検知が精度よく行えるマーク検出装置を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明にかかるマーク検出方法にあっては、図2に
例示する蛍光物質で形成されたマーク10上に、その強
さが例えば正弦波交流の様に所定の周期性をもって変化
する光12を照射する工程と、上記したマーク10の光
照射位置15から放出される光13の強度変化を電気信
号の変化に変換する工程と、変換された電気信号から、
照射光12のマーク10上での反射光17に対応する信
号成分と同一の周期性を有するが位相が互いに異なる電
気信号成分のみを選択的に取り出し可能とする位相検波
工程とを備えている。
め、本発明にかかるマーク検出方法にあっては、図2に
例示する蛍光物質で形成されたマーク10上に、その強
さが例えば正弦波交流の様に所定の周期性をもって変化
する光12を照射する工程と、上記したマーク10の光
照射位置15から放出される光13の強度変化を電気信
号の変化に変換する工程と、変換された電気信号から、
照射光12のマーク10上での反射光17に対応する信
号成分と同一の周期性を有するが位相が互いに異なる電
気信号成分のみを選択的に取り出し可能とする位相検波
工程とを備えている。
【0012】なお上記した照射光12を、蛍光物質の励
起によってマーク10から放出される蛍光18とはその
波長が異なる特定波長のものとし、上記した電気信号へ
の変換工程に先だって、入射光13から蛍光18の波長
成分を選択的に取り込む光学的濾波工程を備えることが
好ましい。
起によってマーク10から放出される蛍光18とはその
波長が異なる特定波長のものとし、上記した電気信号へ
の変換工程に先だって、入射光13から蛍光18の波長
成分を選択的に取り込む光学的濾波工程を備えることが
好ましい。
【0013】また、上記した照射光12のマーク10及
びそのマーク10が形成される媒体9による反射光17
の成分が、蛍光物質の励起によってマーク10から放出
される蛍光18の成分より悪影響を及ぼす程に大きいも
のである場合には、上記した選択的な位相検波工程に先
だって、反射光17の成分に略一致する信号を作成し、
変換された電気信号から反射光成分を差し引いたあと所
定の大きさに増幅する電気的増幅工程を備えることが好
ましい。
びそのマーク10が形成される媒体9による反射光17
の成分が、蛍光物質の励起によってマーク10から放出
される蛍光18の成分より悪影響を及ぼす程に大きいも
のである場合には、上記した選択的な位相検波工程に先
だって、反射光17の成分に略一致する信号を作成し、
変換された電気信号から反射光成分を差し引いたあと所
定の大きさに増幅する電気的増幅工程を備えることが好
ましい。
【0014】上記した位相検波工程は更に、選択的に取
り出された電気信号成分において、反射光17の成分か
らの位相のずれに対応した信号を出力可能とするもので
あってもよい。
り出された電気信号成分において、反射光17の成分か
らの位相のずれに対応した信号を出力可能とするもので
あってもよい。
【0015】一方、本発明にかかるマーク検出装置は、
図1にその概略的な構成を示す如く、蛍光物質で形成さ
れたマーク10と相対移行しながら、その強さが周期性
をもって変化する光12をマーク10上に照射する光照
射手段11と、その光照射手段11に隣接して配設さ
れ、照射光12の照射位置15から放出される光13を
取り込んで電気信号に変換する光電変換手段14と、そ
の光電変換手段14で変換された電気信号から、照射光
12のマーク10及びそのマーク10が形成される媒体
9上での反射光17に対応する信号成分と位相が異なる
が同一の周期性をもってその振幅が変化する電気信号成
分を選択的に取り出す位相検波手段16とを備えたもの
である。
図1にその概略的な構成を示す如く、蛍光物質で形成さ
れたマーク10と相対移行しながら、その強さが周期性
をもって変化する光12をマーク10上に照射する光照
射手段11と、その光照射手段11に隣接して配設さ
れ、照射光12の照射位置15から放出される光13を
取り込んで電気信号に変換する光電変換手段14と、そ
の光電変換手段14で変換された電気信号から、照射光
12のマーク10及びそのマーク10が形成される媒体
9上での反射光17に対応する信号成分と位相が異なる
が同一の周期性をもってその振幅が変化する電気信号成
分を選択的に取り出す位相検波手段16とを備えたもの
である。
【0016】上記した照射光12を、蛍光物質の励起に
よってマーク10から放出される蛍光18とはその波長
が異なる特定波長のものとし、上記した光電変換手段1
4の光入射面上に、入射光13から蛍光18の波長成分
の光が選択的に取り込まれる光学的濾波手段19を配設
することが好ましい。
よってマーク10から放出される蛍光18とはその波長
が異なる特定波長のものとし、上記した光電変換手段1
4の光入射面上に、入射光13から蛍光18の波長成分
の光が選択的に取り込まれる光学的濾波手段19を配設
することが好ましい。
【0017】また、上記した照射光12は、その照射強
度が外部光20より十分高い周波数で正弦波の様に変化
するものとし、位相検波手段16は、変換した電気信号
から外部光20の成分を取り除く低域遮断型濾波手段2
1と、反射光17の成分と略90度位相が異なった制御
信号22を作成する制御信号作成手段23と、その制御
信号作成手段23と低域遮断型濾波手段21からの出力
信号を互いに掛け合わせる乗算手段24と、該乗算手段
24の出力信号から直流成分を選択的に取り出す低域通
過型濾波手段25とを備えることができる。
度が外部光20より十分高い周波数で正弦波の様に変化
するものとし、位相検波手段16は、変換した電気信号
から外部光20の成分を取り除く低域遮断型濾波手段2
1と、反射光17の成分と略90度位相が異なった制御
信号22を作成する制御信号作成手段23と、その制御
信号作成手段23と低域遮断型濾波手段21からの出力
信号を互いに掛け合わせる乗算手段24と、該乗算手段
24の出力信号から直流成分を選択的に取り出す低域通
過型濾波手段25とを備えることができる。
【0018】更に上記した照射光12はその照射強度
が、外部光20より十分高い周波数で正弦波の様に変化
するものとし、位相検波手段16は、変換した電気信号
から外部光20の成分を取り除く低域遮断型濾波手段2
1と、該低域遮断型濾波手段21から取り出された電気
信号中の反射光17の成分と略同じ引算信号61を作成
する手段62と、該引算信号作成手段62と上記低域遮
断型濾波手段21からの出力信号を互いに差し引きする
引算手段28と、反射光17の成分と略90度位相が異
なった制御信号22を作成する手段23と、該制御信号
作成手段23と低域遮断型濾波手段21からの出力信号
を互いに掛け合わせる乗算手段24と、該乗算手段24
の出力信号から直流成分を選択的に取り出す低域通過型
濾波手段25とを備えることができる。
が、外部光20より十分高い周波数で正弦波の様に変化
するものとし、位相検波手段16は、変換した電気信号
から外部光20の成分を取り除く低域遮断型濾波手段2
1と、該低域遮断型濾波手段21から取り出された電気
信号中の反射光17の成分と略同じ引算信号61を作成
する手段62と、該引算信号作成手段62と上記低域遮
断型濾波手段21からの出力信号を互いに差し引きする
引算手段28と、反射光17の成分と略90度位相が異
なった制御信号22を作成する手段23と、該制御信号
作成手段23と低域遮断型濾波手段21からの出力信号
を互いに掛け合わせる乗算手段24と、該乗算手段24
の出力信号から直流成分を選択的に取り出す低域通過型
濾波手段25とを備えることができる。
【0019】上記した乗算手段24に入力される2つの
信号は、互いに略等しい振幅となる様に制御されること
が好ましく、制御信号22の振幅を略一定に維持する一
方、上記遮断型濾波手段21側から送られる信号を自動
利得制御機能を備えた増幅手段で増幅し、制御信号22
とその振幅を略一致させることが好ましい。
信号は、互いに略等しい振幅となる様に制御されること
が好ましく、制御信号22の振幅を略一定に維持する一
方、上記遮断型濾波手段21側から送られる信号を自動
利得制御機能を備えた増幅手段で増幅し、制御信号22
とその振幅を略一致させることが好ましい。
【0020】
【作用】上記した構成により、図1に示す光照射手段1
1から、例えば正弦波交流の様にその強さが周期的に変
化する光12がマーク10及び媒体9上に照射される
と、それに対応してマーク10からは、図2に例示する
如く、照射光12による反射光17と、照射光12によ
る蛍光18と外部光20とが重畳して放出される。この
入射光13中から、マーク10を構成する蛍光物質が発
する蛍光18の波長を光学フィルタの様な光学的濾波手
段19で選択的に取り込んだ後、光電変換手段14で電
気信号に変換したあと、位相検波手段16において、反
射光17と蛍光18とを両者の位相の違いを利用して分
離する。
1から、例えば正弦波交流の様にその強さが周期的に変
化する光12がマーク10及び媒体9上に照射される
と、それに対応してマーク10からは、図2に例示する
如く、照射光12による反射光17と、照射光12によ
る蛍光18と外部光20とが重畳して放出される。この
入射光13中から、マーク10を構成する蛍光物質が発
する蛍光18の波長を光学フィルタの様な光学的濾波手
段19で選択的に取り込んだ後、光電変換手段14で電
気信号に変換したあと、位相検波手段16において、反
射光17と蛍光18とを両者の位相の違いを利用して分
離する。
【0021】すなわち、先ず低域遮断型濾波手段21で
外部光20の成分を減衰させる。更に、引算信号作成手
段62を用いて反射光17の成分と略同一の信号を作成
し、引算手段28で入力信号との差をとることにより、
反射光17の成分を減衰させる。
外部光20の成分を減衰させる。更に、引算信号作成手
段62を用いて反射光17の成分と略同一の信号を作成
し、引算手段28で入力信号との差をとることにより、
反射光17の成分を減衰させる。
【0022】更に、制御信号作成手段23において、反
射光17の成分と略90度遅れた位相の制御信号22を
作成し、この制御信号22を乗算手段24を用いて互い
に掛け合わせる。するとこの乗算手段24からの出力信
号は、交流成分と、蛍光18の成分のみに比例した直流
成分の合成したものとなる。したがって、この出力信号
を低域通過型濾波手段25を通して交流成分を取り除く
ことにより、蛍光18の成分のみが分離され、マーク1
0の存在が判断されるのである。
射光17の成分と略90度遅れた位相の制御信号22を
作成し、この制御信号22を乗算手段24を用いて互い
に掛け合わせる。するとこの乗算手段24からの出力信
号は、交流成分と、蛍光18の成分のみに比例した直流
成分の合成したものとなる。したがって、この出力信号
を低域通過型濾波手段25を通して交流成分を取り除く
ことにより、蛍光18の成分のみが分離され、マーク1
0の存在が判断されるのである。
【0023】
【発明の効果】本発明は上記のごとく、一定周期をもっ
て交流的にその強さが変化する照射光12を使用し、反
射光17と蛍光18とを選択的に取り出し、更に両者の
位相の違いを利用して蛍光18の成分を分離する様に構
成したので、使用環境に影響されることなく、蛍光物質
を利用したマーク10の光による検知が確実に行なえ
る。
て交流的にその強さが変化する照射光12を使用し、反
射光17と蛍光18とを選択的に取り出し、更に両者の
位相の違いを利用して蛍光18の成分を分離する様に構
成したので、使用環境に影響されることなく、蛍光物質
を利用したマーク10の光による検知が確実に行なえ
る。
【0024】また、反射光17と略同一の引算信号61
を作成して入射信号に対して引算をすることにより、反
射光成分が大きいために検出光全体に占める蛍光の強度
の割合が極めて低い場合にあっても、蛍光成分の検出が
安定して的確に行なえる。
を作成して入射信号に対して引算をすることにより、反
射光成分が大きいために検出光全体に占める蛍光の強度
の割合が極めて低い場合にあっても、蛍光成分の検出が
安定して的確に行なえる。
【0025】本発明は更に、反射光17に対する蛍光1
8の位相の遅れ量それ自体を検出することにより、マー
ク10を形成する蛍光物質の違いをもマークで表示可能
な情報として利用することが可能となり、マークをセキ
ュリティ用として使用した場合に、偽造を未然に防止す
ることができる。
8の位相の遅れ量それ自体を検出することにより、マー
ク10を形成する蛍光物質の違いをもマークで表示可能
な情報として利用することが可能となり、マークをセキ
ュリティ用として使用した場合に、偽造を未然に防止す
ることができる。
【0026】本発明は更にまた、乗算手段24に入力さ
れる2つの信号のレベルを検出条件の変化に拘らず略一
定に維持する制御を行うことにより、カード表面の状態
や検出器とマークとの距離の大小に拘らず、安定して精
度よく検出動作が行える。
れる2つの信号のレベルを検出条件の変化に拘らず略一
定に維持する制御を行うことにより、カード表面の状態
や検出器とマークとの距離の大小に拘らず、安定して精
度よく検出動作が行える。
【0027】
【実施例】以下本発明を、キャッシュカード形状のカー
ド上に形成されたバーコード状のマークを読み取るマー
ク検出装置に実施した一例に基づいて更に具体的に説明
するがこれに限らず、各種の物品上に設けられた文字を
含む各種形状のマーク情報を検出する装置においても、
略同様に実施できることは勿論である。
ド上に形成されたバーコード状のマークを読み取るマー
ク検出装置に実施した一例に基づいて更に具体的に説明
するがこれに限らず、各種の物品上に設けられた文字を
含む各種形状のマーク情報を検出する装置においても、
略同様に実施できることは勿論である。
【0028】カード29は、図2に示す如く、基材30
として例えば白色のポリエステルフィルムを使用し、そ
の基材30の上面側に、予め反射率を調整した任意の意
匠の下地層31を印刷形成する一方、下面側に磁性塗料
を塗布することにより、主情報を書き換え可能に記録す
る磁性層32を形成している。更に、上面側の下地層3
1上に蛍光体層33によるマーク10を印刷形成し、セ
キュリティ用の副情報を固定可能としている。
として例えば白色のポリエステルフィルムを使用し、そ
の基材30の上面側に、予め反射率を調整した任意の意
匠の下地層31を印刷形成する一方、下面側に磁性塗料
を塗布することにより、主情報を書き換え可能に記録す
る磁性層32を形成している。更に、上面側の下地層3
1上に蛍光体層33によるマーク10を印刷形成し、セ
キュリティ用の副情報を固定可能としている。
【0029】上記した下地層31上に形成されるマーク
10は、例えば赤外線領域の光12の照射に対応して、
該照射光12の中心波長とは異なる波長の蛍光18を発
生する蛍光体層33で構成される不可視状態のものであ
って、カード29の長手方向と直交する細帯状のバーコ
ード形状のマーク10を形成するとともに、該マーク1
0でカード発行店コードあるいは暗証番号などの所定の
セキュリティ用の副情報をカード29上に記録する様に
構成している。
10は、例えば赤外線領域の光12の照射に対応して、
該照射光12の中心波長とは異なる波長の蛍光18を発
生する蛍光体層33で構成される不可視状態のものであ
って、カード29の長手方向と直交する細帯状のバーコ
ード形状のマーク10を形成するとともに、該マーク1
0でカード発行店コードあるいは暗証番号などの所定の
セキュリティ用の副情報をカード29上に記録する様に
構成している。
【0030】この蛍光体層33としては、例えばネオジ
ウム(Nd)、イッテルビウム(Yb)、ユーロビウム
(Eu)、ツリウム(Tm)、プラセオジウム(P
r)、ジスプロシウム(Dy)等の希土類元素単体、も
しくはそれらの混合物を発光中心とし、それらの発光中
心が燐酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩等の酸
化物が母体に含まれる蛍光体粉末により形成することが
好ましい。しかし、任意波長の光12を照射することに
より、残光性を有する蛍光18を発生するものであれ
ば、その材料を適宜変更して実施できることは勿論であ
る。
ウム(Nd)、イッテルビウム(Yb)、ユーロビウム
(Eu)、ツリウム(Tm)、プラセオジウム(P
r)、ジスプロシウム(Dy)等の希土類元素単体、も
しくはそれらの混合物を発光中心とし、それらの発光中
心が燐酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩等の酸
化物が母体に含まれる蛍光体粉末により形成することが
好ましい。しかし、任意波長の光12を照射することに
より、残光性を有する蛍光18を発生するものであれ
ば、その材料を適宜変更して実施できることは勿論であ
る。
【0031】本実施例では、Li(NdO.9YbO.1)P
4O12の様な蛍光体を含む蛍光塗料を印刷して形成する
ことにより、例えば波長が800nm付近の近赤外領域
の励起光を照射した時、1000nm付近の波長でピー
ク値を持つ赤外領域の蛍光18を発生する様に構成して
いる。
4O12の様な蛍光体を含む蛍光塗料を印刷して形成する
ことにより、例えば波長が800nm付近の近赤外領域
の励起光を照射した時、1000nm付近の波長でピー
ク値を持つ赤外領域の蛍光18を発生する様に構成して
いる。
【0032】本発明にかかるマーク検出装置は、図3に
示す如く、上記したカード29の走行部35と、走行さ
れるカード29上のマーク10に対する光12の照射部
36と、光12が照射されたマーク10上の位置15か
ら放出される光13を電気信号に変換する光電変換部3
7と、変換された電気信号中からマーク10の形成位置
に対応したマーク信号S6を出力するマーク検出部38
と、検出したマーク信号S6からカード29上のデータ
内容を判定するデータ処理部39とから構成される。
示す如く、上記したカード29の走行部35と、走行さ
れるカード29上のマーク10に対する光12の照射部
36と、光12が照射されたマーク10上の位置15か
ら放出される光13を電気信号に変換する光電変換部3
7と、変換された電気信号中からマーク10の形成位置
に対応したマーク信号S6を出力するマーク検出部38
と、検出したマーク信号S6からカード29上のデータ
内容を判定するデータ処理部39とから構成される。
【0033】カード走行部35は、カード29の挿入時
期に対応してモータ駆動回路40で回転駆動されるロー
ラ41によってカード29の両側縁を支持しながら一定
速度で水平移行させることにより、カード29の上面側
に蛍光体層33をもって形成されたバーコード状のマー
ク10が、光照射部36と光電変換部37の下方位置を
通過する様にしている。このモータ駆動回路40の動作
時期に関するデータは、データ処理部39に対して送ら
れ、マーク内容を判定するためのデータ処理の必要時期
を知らせる。
期に対応してモータ駆動回路40で回転駆動されるロー
ラ41によってカード29の両側縁を支持しながら一定
速度で水平移行させることにより、カード29の上面側
に蛍光体層33をもって形成されたバーコード状のマー
ク10が、光照射部36と光電変換部37の下方位置を
通過する様にしている。このモータ駆動回路40の動作
時期に関するデータは、データ処理部39に対して送ら
れ、マーク内容を判定するためのデータ処理の必要時期
を知らせる。
【0034】光照射部36は、所定周波数の正弦波状の
基準信号26を発生する発振回路42と、この発振回路
42から出力される基準信号26を電力増幅する発光源
駆動回路43と、該発光源駆動回路43による通電によ
り光12を発生する発光源44とから構成される。
基準信号26を発生する発振回路42と、この発振回路
42から出力される基準信号26を電力増幅する発光源
駆動回路43と、該発光源駆動回路43による通電によ
り光12を発生する発光源44とから構成される。
【0035】発光源44は、発光中心波長が800nm
付近の近赤外線を発生する発光ダイオードの様な発光素
子45における光放出部分に、グラスファイバー製の光
ガイド46を取り付けたものである。この光ガイド46
の先端を、カード29の表面に対して2mmあるいはそ
れ以下の距離にまで接近させるとともに、光ガイド46
の全体を、マーク10の移行方向と直交する面上で且つ
水平方向から45〜60゜の傾斜角を設けて配置してい
る。
付近の近赤外線を発生する発光ダイオードの様な発光素
子45における光放出部分に、グラスファイバー製の光
ガイド46を取り付けたものである。この光ガイド46
の先端を、カード29の表面に対して2mmあるいはそ
れ以下の距離にまで接近させるとともに、光ガイド46
の全体を、マーク10の移行方向と直交する面上で且つ
水平方向から45〜60゜の傾斜角を設けて配置してい
る。
【0036】発振回路42は、例えば1kHz程度の発
振周波数を有する正弦波交流信号を発生するものであっ
て、更に発光源駆動回路43において、その基準信号2
6の振幅値より稍大きい直流電圧を加算して、LEDの
様な通電の方向性を有する発光素子45に対応した脈流
状態にしたあと更に電流増幅し、発光素子45に対して
十分な電流を流す。すると発光素子45は所定波長で且
つ正弦波状にその発光強度が変化する光12が、走行す
るカード29上に連続的に照射されるのである。
振周波数を有する正弦波交流信号を発生するものであっ
て、更に発光源駆動回路43において、その基準信号2
6の振幅値より稍大きい直流電圧を加算して、LEDの
様な通電の方向性を有する発光素子45に対応した脈流
状態にしたあと更に電流増幅し、発光素子45に対して
十分な電流を流す。すると発光素子45は所定波長で且
つ正弦波状にその発光強度が変化する光12が、走行す
るカード29上に連続的に照射されるのである。
【0037】このカード29上における光照射位置15
から放出される光13を電気信号に変換する光電変換部
37は、入射した光13を電流の変化に変換する検出器
47と、電流変化を電圧変化に変換したのち所定大きさ
に増幅する増幅回路48とから構成される。
から放出される光13を電気信号に変換する光電変換部
37は、入射した光13を電流の変化に変換する検出器
47と、電流変化を電圧変化に変換したのち所定大きさ
に増幅する増幅回路48とから構成される。
【0038】検出器47は、赤外域に受光感度を有する
フォトダイオードやフォトセルの様な受光素子49にお
ける受光面上に、マーク10から発生される蛍光18の
波長の光を選択的に通す光学フィルタ50を介して、発
光源44側と略同様な光ガイド51を固定したものが使
用される。
フォトダイオードやフォトセルの様な受光素子49にお
ける受光面上に、マーク10から発生される蛍光18の
波長の光を選択的に通す光学フィルタ50を介して、発
光源44側と略同様な光ガイド51を固定したものが使
用される。
【0039】ここで、検出器47側の光ガイド51の先
端を、発光源44側の光ガイド46の先端に隣接させる
とともに、上記したマーク10の移行方向と直交する面
上で且つ例えば105〜115゜程度の傾斜角を設ける
ことにより、マーク10の表面に対する照射光12の照
射位置15から発せられる光13のみを取り込む。この
取り込まれた光13は、受光素子49で入射光の強度に
比例した電流に変換されるとともに、増幅回路48で所
定の電圧値に増幅されたあと、マーク検出部38に入力
されて、マーク位置に対応した信号のみが選択して取り
出される。
端を、発光源44側の光ガイド46の先端に隣接させる
とともに、上記したマーク10の移行方向と直交する面
上で且つ例えば105〜115゜程度の傾斜角を設ける
ことにより、マーク10の表面に対する照射光12の照
射位置15から発せられる光13のみを取り込む。この
取り込まれた光13は、受光素子49で入射光の強度に
比例した電流に変換されるとともに、増幅回路48で所
定の電圧値に増幅されたあと、マーク検出部38に入力
されて、マーク位置に対応した信号のみが選択して取り
出される。
【0040】ところで、マーク検出部38に入力される
電気信号S2には、光照射部36からの照射光12によ
る反射光17の成分であるY・sinωt(但し、ω:
発振回路の角周波数、t:時間、Y:振幅の最大値)
と、マーク10から発生される蛍光18の成分であるX
・sin(ωt−θ)(但し、θ:反射光と蛍光を電気
信号に変換した際の位相のずれ、X:振幅の最大値)
と、外部光20の変化成分であるB・sinω’t(但
し、ω’:外部光の角周波数、B:振幅の最大値)と、
外部光20の直流成分Dとが重畳して含まれる。
電気信号S2には、光照射部36からの照射光12によ
る反射光17の成分であるY・sinωt(但し、ω:
発振回路の角周波数、t:時間、Y:振幅の最大値)
と、マーク10から発生される蛍光18の成分であるX
・sin(ωt−θ)(但し、θ:反射光と蛍光を電気
信号に変換した際の位相のずれ、X:振幅の最大値)
と、外部光20の変化成分であるB・sinω’t(但
し、ω’:外部光の角周波数、B:振幅の最大値)と、
外部光20の直流成分Dとが重畳して含まれる。
【0041】ここで上記した光の合成である電気信号S
2に対し、反射光17の成分と90度位相がずれた正弦
波信号であるZ・cosωt(但し、Z:振幅の最大
値)を制御信号22として掛け合わせると、Z/2・
〔Y・sin2ωt+X・sin(2ωt−θ)−X・
sinθ+B{sin(ω+ω’)t−X・sin(ω
−ω’)t}+D・cosωt}となる。したがって、
例えば低域通過型濾波回路を通して直流またはそれに近
い成分のみを選択的にとりだすことにより、式中におけ
るωを含む項が全て取り除かれ、ZX/2・sinθと
いう項のみが残ることになる。この式中でZは制御信号
22における振幅の最大値であり、予め設定した一定値
であるため、蛍光18の成分にのみ対応した値であるこ
とが判る。
2に対し、反射光17の成分と90度位相がずれた正弦
波信号であるZ・cosωt(但し、Z:振幅の最大
値)を制御信号22として掛け合わせると、Z/2・
〔Y・sin2ωt+X・sin(2ωt−θ)−X・
sinθ+B{sin(ω+ω’)t−X・sin(ω
−ω’)t}+D・cosωt}となる。したがって、
例えば低域通過型濾波回路を通して直流またはそれに近
い成分のみを選択的にとりだすことにより、式中におけ
るωを含む項が全て取り除かれ、ZX/2・sinθと
いう項のみが残ることになる。この式中でZは制御信号
22における振幅の最大値であり、予め設定した一定値
であるため、蛍光18の成分にのみ対応した値であるこ
とが判る。
【0042】本発明は上記したマーク検出部38の構成
に特徴を有するものであって、更に本実施例にあって
は、上記した各信号間の位相関係を利用し、入力電気信
号中から、蛍光18の成分に比例する成分のみを選択し
て取り出し可能とする。
に特徴を有するものであって、更に本実施例にあって
は、上記した各信号間の位相関係を利用し、入力電気信
号中から、蛍光18の成分に比例する成分のみを選択し
て取り出し可能とする。
【0043】すなわち、入力電気信号S2を低域遮断型
濾波回路52に通して外部光20における直流成分を十
分に抑制した信号S3と、発振回路42から出力される
基準信号26を位相調整回路53を通して形成した制御
信号22とを、乗算回路54に同時に入力して掛け合わ
せたのち、その出力信号S4を低域通過型濾波回路55
を通して信号中における直流成分のみを選択的に取り出
して信号S5を作成する。この信号S5を更に、比較回
路56において設定値と比較することにより、蛍光18
の入力時期に対応して出力される信号S6を取り出すの
である。
濾波回路52に通して外部光20における直流成分を十
分に抑制した信号S3と、発振回路42から出力される
基準信号26を位相調整回路53を通して形成した制御
信号22とを、乗算回路54に同時に入力して掛け合わ
せたのち、その出力信号S4を低域通過型濾波回路55
を通して信号中における直流成分のみを選択的に取り出
して信号S5を作成する。この信号S5を更に、比較回
路56において設定値と比較することにより、蛍光18
の入力時期に対応して出力される信号S6を取り出すの
である。
【0044】ところで上記した低域遮断型濾波回路52
は、光学フィルタ50を通過した主として外部光20に
おける直流または比較的周波数の低い脈動成分の通過を
阻止するものである。しかしながら、上記した発振周波
数の基準信号26を外部光20における振幅変動の主要
な周波数成分よりも十分に高く設定する一方、その発振
周波数を選択的に通過させるバンドパスタイプの濾波回
路とすることにより、不要な成分がより的確に除去可能
となる。
は、光学フィルタ50を通過した主として外部光20に
おける直流または比較的周波数の低い脈動成分の通過を
阻止するものである。しかしながら、上記した発振周波
数の基準信号26を外部光20における振幅変動の主要
な周波数成分よりも十分に高く設定する一方、その発振
周波数を選択的に通過させるバンドパスタイプの濾波回
路とすることにより、不要な成分がより的確に除去可能
となる。
【0045】一方、位相調整回路53は、発振回路42
から出力される基準信号26を入力とし、その信号26
の周波数を変更することなく位相のみを変更した制御信
号22を乗算回路54に出力可能とするものである。実
際には、低域遮断型濾波回路52からの出力信号S3中
に含まれる反射光17の成分と略90度位相が異なる様
に、使用に先立つ予備調整時にその位相の調整量が微調
整される。すなわち、マーク10を形成していない白色
面を検知した時に検出量が最小となる様に、その制御信
号22の位相を調整するのである。
から出力される基準信号26を入力とし、その信号26
の周波数を変更することなく位相のみを変更した制御信
号22を乗算回路54に出力可能とするものである。実
際には、低域遮断型濾波回路52からの出力信号S3中
に含まれる反射光17の成分と略90度位相が異なる様
に、使用に先立つ予備調整時にその位相の調整量が微調
整される。すなわち、マーク10を形成していない白色
面を検知した時に検出量が最小となる様に、その制御信
号22の位相を調整するのである。
【0046】乗算回路54は、正弦波的にその振幅が変
動する2種類の電気信号を4象限にわたって連続的に互
いに掛け合わせ、それをアナログ電気信号として出力可
能とするものである。この出力信号S4中には、上記し
た計算式で判るように、蛍光18の成分に対応した直流
分に交流成分が重畳されている。そこで、乗算回路54
からの出力信号S4を低域通過型濾波回路55を通し、
直流またはそれに近い脈動分のみを取り出すことによ
り、発光源44からの照射光12がマーク10上を通過
するのに対応してその出力電圧が急激に上昇する信号S
5が得られる。
動する2種類の電気信号を4象限にわたって連続的に互
いに掛け合わせ、それをアナログ電気信号として出力可
能とするものである。この出力信号S4中には、上記し
た計算式で判るように、蛍光18の成分に対応した直流
分に交流成分が重畳されている。そこで、乗算回路54
からの出力信号S4を低域通過型濾波回路55を通し、
直流またはそれに近い脈動分のみを取り出すことによ
り、発光源44からの照射光12がマーク10上を通過
するのに対応してその出力電圧が急激に上昇する信号S
5が得られる。
【0047】なお、上記した増幅回路48として自動利
得制御機能を有するものを使用し、乗算回路54に入力
される2つの信号の振幅を略同一にすることが好まし
い。かかる構成により、カード29の表面状態や検出器
との距離変化にかかわらず入力信号の大きさが略一定と
なり、信号が小さすぎで検出精度が低下したり、逆に大
きすぎて波形歪みを起こして誤動作することが未然に防
止され、安定した検出動作を可能とする。
得制御機能を有するものを使用し、乗算回路54に入力
される2つの信号の振幅を略同一にすることが好まし
い。かかる構成により、カード29の表面状態や検出器
との距離変化にかかわらず入力信号の大きさが略一定と
なり、信号が小さすぎで検出精度が低下したり、逆に大
きすぎて波形歪みを起こして誤動作することが未然に防
止され、安定した検出動作を可能とする。
【0048】この信号S5は更に、OPアンプを使用し
た比較回路56入力され、定電圧ダイオードで安定化し
た電圧を可変抵抗器で分圧した比較電圧とその大きさが
比較され、比較電圧を上回る有為な信号が入力されると
その出力を「H」レベル状態にし、マーク位置の検出を
特定するマーク信号S6が出力されるので、例えばマイ
コンを使用したデータ処理部において、このマーク信号
S6の幅あるいは数の検出の様な所定の信号処理を行う
ことにより、マーク10で構成されたデータ内容の判定
動作が行われるのである。
た比較回路56入力され、定電圧ダイオードで安定化し
た電圧を可変抵抗器で分圧した比較電圧とその大きさが
比較され、比較電圧を上回る有為な信号が入力されると
その出力を「H」レベル状態にし、マーク位置の検出を
特定するマーク信号S6が出力されるので、例えばマイ
コンを使用したデータ処理部において、このマーク信号
S6の幅あるいは数の検出の様な所定の信号処理を行う
ことにより、マーク10で構成されたデータ内容の判定
動作が行われるのである。
【0049】たとえば、従来の残光を利用したマークの
検出方法にあっては、200Lux程度の白熱電球の光
の影響を受けて誤検知となったが、上記した実施例にあ
っては、3000Luxを超える外部光20の照射時に
おいても、蛍光18の分離が行われた。
検出方法にあっては、200Lux程度の白熱電球の光
の影響を受けて誤検知となったが、上記した実施例にあ
っては、3000Luxを超える外部光20の照射時に
おいても、蛍光18の分離が行われた。
【0050】
【他の実施例】図4は本発明の他の実施例であって、照
射光12と蛍光18の波長が接近しているために、光学
フィルタ50をもってしても反射光17の成分を十分に
減衰させることが難しく、光電変換部37から出力され
る電気信号S2中における蛍光18の成分が入射光13
中における数%以下となる場合にあっても、安定したマ
ーク位置検知を可能とするものである。なお、上記した
第1実施例とは、マーク検出部38中において、低域遮
断型濾波回路52と乗算回路54間に下記の各回路を介
装した点のみを異にし他は略同一の構成であるので、そ
の説明は省略する。
射光12と蛍光18の波長が接近しているために、光学
フィルタ50をもってしても反射光17の成分を十分に
減衰させることが難しく、光電変換部37から出力され
る電気信号S2中における蛍光18の成分が入射光13
中における数%以下となる場合にあっても、安定したマ
ーク位置検知を可能とするものである。なお、上記した
第1実施例とは、マーク検出部38中において、低域遮
断型濾波回路52と乗算回路54間に下記の各回路を介
装した点のみを異にし他は略同一の構成であるので、そ
の説明は省略する。
【0051】すなわち、発振回路42から出力される基
準信号26を振幅制御回路57を用いて反射光17と同
位相の引算信号61を作って引算回路58に加え、低域
遮断型濾波回路52から出力される信号S3から反射光
17の成分を引き算することによって、入射光13中に
おける反射光17の成分のみを選択的に減衰させたあ
と、増幅回路59を通して必要な大きさに振幅を増幅す
るのである。
準信号26を振幅制御回路57を用いて反射光17と同
位相の引算信号61を作って引算回路58に加え、低域
遮断型濾波回路52から出力される信号S3から反射光
17の成分を引き算することによって、入射光13中に
おける反射光17の成分のみを選択的に減衰させたあ
と、増幅回路59を通して必要な大きさに振幅を増幅す
るのである。
【0052】ところで、反射光17の強度はマーク10
の形成位置における下地層31の反射率の違いに対応し
て大きく変化する。そこで本実施例にあっては、低域遮
断型濾波回路52からの出力信号S3を整流平滑回路6
0を通すことによって反射光17における振幅値の変化
を自動検出し、その検出値で振幅制御回路57から出力
される引算信号61の振幅制御を行なうことにより、引
算回路58から出力される信号S7中に含まれる反射光
17の成分における振幅値が、蛍光18の成分の振幅値
と略等しい一定値を維持する様にしている。
の形成位置における下地層31の反射率の違いに対応し
て大きく変化する。そこで本実施例にあっては、低域遮
断型濾波回路52からの出力信号S3を整流平滑回路6
0を通すことによって反射光17における振幅値の変化
を自動検出し、その検出値で振幅制御回路57から出力
される引算信号61の振幅制御を行なうことにより、引
算回路58から出力される信号S7中に含まれる反射光
17の成分における振幅値が、蛍光18の成分の振幅値
と略等しい一定値を維持する様にしている。
【0053】上記第2実施例の構成をとることにより、
反射光17の成分に対し蛍光18の成分が10%を下回
る場合にあっても、蛍光18の成分を50%以上に上昇
できることが確かめられた。
反射光17の成分に対し蛍光18の成分が10%を下回
る場合にあっても、蛍光18の成分を50%以上に上昇
できることが確かめられた。
【0054】なお、上記したマーク検出部38の構成は
例示であって、反射光17と蛍光18が同一周波数であ
るが位相が異なることを利用して、入射光13中から蛍
光18の成分を取り出し可能とするものであれば、その
構成を適宜変更して実施できることは勿論である。
例示であって、反射光17と蛍光18が同一周波数であ
るが位相が異なることを利用して、入射光13中から蛍
光18の成分を取り出し可能とするものであれば、その
構成を適宜変更して実施できることは勿論である。
【0055】例えば、上記した低域遮断型濾波回路52
を用いることにより外部光20の成分が、また引算回路
58を用いることにより反射光17の成分が、ともに蛍
光18の成分に比して無視できるくらいまで小さく減衰
できる場合は、乗算回路54を用いた反射光17の除去
手段を省略することができる。予め反射光17の強度が
一定になる様にマーク10上における反射率などを設定
しておけば、引算信号61の振幅を制御することなく、
一定値に設定しても良い。
を用いることにより外部光20の成分が、また引算回路
58を用いることにより反射光17の成分が、ともに蛍
光18の成分に比して無視できるくらいまで小さく減衰
できる場合は、乗算回路54を用いた反射光17の除去
手段を省略することができる。予め反射光17の強度が
一定になる様にマーク10上における反射率などを設定
しておけば、引算信号61の振幅を制御することなく、
一定値に設定しても良い。
【0056】また上記したマーク検出部38における比
較回路56において、単に蛍光18の成分の有無を検知
するのに加えて、反射光17と蛍光18の位相のずれを
正確に求めることにより、マーク10の形成に利用され
ている蛍光物質の種類を判定する様に構成してもよい。
較回路56において、単に蛍光18の成分の有無を検知
するのに加えて、反射光17と蛍光18の位相のずれを
正確に求めることにより、マーク10の形成に利用され
ている蛍光物質の種類を判定する様に構成してもよい。
【0057】更に上記した実施例は何れも、発振回路4
2から出力される基準信号26を正弦波交流とした例を
示した。しかしながら、矩形波や三角波などの他の波形
形状の場合にあっても、反射光17に対して蛍光18は
位相や波形のずれを生ずる。従って、このずれを利用し
て、上記した実施例と略同様に反射光17と蛍光18の
分離が行なえることは勿論である。
2から出力される基準信号26を正弦波交流とした例を
示した。しかしながら、矩形波や三角波などの他の波形
形状の場合にあっても、反射光17に対して蛍光18は
位相や波形のずれを生ずる。従って、このずれを利用し
て、上記した実施例と略同様に反射光17と蛍光18の
分離が行なえることは勿論である。
【0058】また、マーク検出装置側を固定してマーク
10を移行させるのに代えて、例えば光照射部36と光
電変換部37を一体的な携帯型のプローブ形状とし、マ
ーク10側を固定して検出装置側を手動あるいは自動的
に移行させる様にしてもよい。また、照射光12を走査
させ、その走査位置から放出される光を検出器47で検
出する様にしてもよい。
10を移行させるのに代えて、例えば光照射部36と光
電変換部37を一体的な携帯型のプローブ形状とし、マ
ーク10側を固定して検出装置側を手動あるいは自動的
に移行させる様にしてもよい。また、照射光12を走査
させ、その走査位置から放出される光を検出器47で検
出する様にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的な構成を示す概略図である。
【図2】本発明を実施した一例を示すブロック図であ
る。
る。
【図3】マークに対する照射光と放出光との関係を示す
説明図である。
説明図である。
【図4】本発明の他の実施例を示すブロック図である。
9 媒体 10 マーク 11 光照射手段 12 照射光 13 入射光 14 光電変換手段 16 位相検波手段 17 反射光 18 蛍光 19 光学的濾波手段 21 低域遮断型濾波手段 22 制御信号 23 制御信号作成手段 24 乗算手段 25 低域通過型濾波手段 26 基準信号 27 基準信号作成手段 28 引算手段 29 カード 33 蛍光体層 36 光照射部 37 光電変換部 38 マーク検出部 39 データ処理部 42 発振回路 44 発光源 47 検出器 50 光学フィルタ 52 低域遮断型濾波回路 53 位相調整回路 54 乗算回路 55 低域通過型濾波回路 56 比較回路 57 振幅制御回路 58 引算回路 60 整流平滑回路 61 引算信号 62 引算信号作成手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大橋 邦敏 京都府乙訓郡大山崎町字大山崎小字鏡田45 番地101 マクセル精器株式会社内 (72)発明者 大嶋 敏夫 大阪府茨木市丑寅1丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内
Claims (10)
- 【請求項1】 蛍光物質で形成されたマーク上に、その
強さが所定の周期性をもって変化する光を照射する工程
と、 上記したマークの光照射位置から放出される光の強度変
化を電気信号の変化に変換する工程と、 変換された電気信号から、照射光のマーク上での反射光
に対応する信号成分と同一の周期性を有するが位相が互
いに異なる電気信号成分のみを選択的に取り出し可能と
する位相検波工程とを備えたマーク検出方法。 - 【請求項2】 上記した照射光は、蛍光物質の励起によ
ってマークから放出される蛍光とはその波長が異なる特
定波長のものであり、 上記した電気信号への変換工程に先だって、入射光から
蛍光の波長成分を選択的に取り込む光学的濾波工程を備
えた請求項1記載のマーク検出方法。 - 【請求項3】 上記した照射光のマークおよび媒体によ
る反射光の成分が、蛍光物質の励起によってマークから
放出される蛍光の成分より十分に大きいものであり、 上記した位相検波工程に先だって、反射光の成分に略一
致する信号を作成し、変換された電気信号との差をとっ
たあと所定大きさに増幅する電気的濾波工程を備えた請
求項2記載のマーク検出方法。 - 【請求項4】 上記した位相検波工程は、選択的に取り
出された電気信号成分における反射光の成分からの位相
のずれに対応した信号を出力可能とする請求項1ないし
3の何れかに記載のマーク検出方法。 - 【請求項5】 任意の媒体上に蛍光物質をもって形成さ
れたマーク(10)に対してその強さが周期性をもって
変化する光(12)を照射する光照射手段(11)と、 照射光(12)の照射位置(15)から放出される光を
取り込んで電気信号に変換する光電変換手段(14)
と、 該光電変換手段(14)で変換された電気信号から、照
射光(12)のマーク(10)および媒体(9)上での
反射光(17)に対応する信号成分を選択的に取り除く
位相検波手段(16)とを備えたマーク検出装置。 - 【請求項6】 上記した照射光(12)は、蛍光物質の
励起によってマーク(10)から放出される蛍光(1
8)とはその波長が異なる特定波長のものであり、 上記した光電変換手段(14)の光入射面上に、入射光
(13)から蛍光(18)の波長成分の光が選択的に取
り込まれる光学的濾波手段(19)が配設されている請
求項5記載のマーク検出装置。 - 【請求項7】 上記した照射光(12)は、その照射強
度が外部光(20)より十分高い周波数で正弦波的に変
化するものであって、 位相検波手段(16)は、 反射光(17)の成分と略90度位相が異なった制御信
号(22)と光電変換手段(21)側から送られる信号
を互いに掛け合わせたあと、低周波数成分を選択的に取
り出す請求項6記載のマーク検出装置。 - 【請求項8】 上記した照射光(12)はその照射強度
が、外部光(20)の変動周波数より十分高い周波数で
正弦波的に変化するものであって、 位相検波手段(16)は、 変換した電気信号から外部光(20)の成分を取り除く
低域遮断型濾波手段(21)と、 該低域遮断型濾波手段(21)から取り出された電気信
号中の反射光(17)の成分と略同じ引算信号(61)
を作成する引算信号作成手段(62)と、 該引算信号作成手段(62)と上記低域遮断型濾波手段
(21)からの信号を互いに差し引きする引算手段(2
8)と、 反射光(17)の成分と略90度位相が異なった制御信
号(22)を作成する制御信号作成手段(23)と、 該制御信号作成手段(23)から送られる制御信号(2
2)と、引算手段(28)から送られる信号を互いに掛
け合わせる乗算手段(24)と、 該乗算手段(24)の出力信号から低域周波数成分を選
択的に取り出す低域通過型濾波手段(25)とを備えて
いる請求項6記載のマーク検出装置。 - 【請求項9】 上記した乗算手段(24)に入力される
2つの信号は、互いに略等しい振幅となる様に制御され
ている請求項7または8記載のマーク検出装置。 - 【請求項10】 上記した入力信号における振幅の制御
は、制御信号(22)の振幅を略一定に維持する一方、
上記低域遮断型濾波手段(21)側から送られる信号を
自動利得制御機能を備えた増幅手段で増幅し、制御信号
(22)とその振幅を略一致させる請求項9記載のマー
ク検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7042372A JPH07302300A (ja) | 1994-03-08 | 1995-02-06 | マーク検出方法および装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-65733 | 1994-03-08 | ||
JP6573394 | 1994-03-08 | ||
JP7042372A JPH07302300A (ja) | 1994-03-08 | 1995-02-06 | マーク検出方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07302300A true JPH07302300A (ja) | 1995-11-14 |
Family
ID=26382039
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7042372A Withdrawn JPH07302300A (ja) | 1994-03-08 | 1995-02-06 | マーク検出方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07302300A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100867394B1 (ko) * | 2001-03-01 | 2008-11-06 | 시크파 홀딩 에스.에이. | 개량된 발광 특성 검출기 |
EP2054715A2 (en) * | 2006-08-18 | 2009-05-06 | RIC Investments, LLC. | System and method of compensating for system delay in analyte analyzation |
-
1995
- 1995-02-06 JP JP7042372A patent/JPH07302300A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100867394B1 (ko) * | 2001-03-01 | 2008-11-06 | 시크파 홀딩 에스.에이. | 개량된 발광 특성 검출기 |
EP2054715A2 (en) * | 2006-08-18 | 2009-05-06 | RIC Investments, LLC. | System and method of compensating for system delay in analyte analyzation |
EP2054715A4 (en) * | 2006-08-18 | 2010-12-22 | Ric Investments Llc | SYSTEM AND SYSTEM DELAY COMPENSATION METHOD IN ANALYTE ANALYSIS |
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