JPH07301802A - 液晶表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 液晶表示装置、特に液晶表示パネルの背面側
に、いわゆるバックライトと称する照明手段を備えた液
晶表示装置に係り、液晶表示パネルに均一な照明効果を
与え、薄型・小型で、表示性能のよい液晶表示装置を提
供することを目的とする。 【構成】 液晶表示パネル１と、該液晶表示パネルの裏
面側に該液晶表示パネルと略平行に配置された線状光源
２とを備えた液晶表示装置において、前記線状光源２か
らの光を透過しながら散乱させる機能を有し、かつ前記
液晶表示パネル１と略平行な面上で前記線状光源２の長
手方向と略平行な方向および略直交する方向における光
散乱強度を異ならせて前記線状光源２に近接する領域で
の光散乱強度が他の領域よりも漸次大きくなるようにし
た乳白色光散乱体１０を、前記液晶表示パネル１と線状
光源２との間に配置したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は液晶表示装置、特に液晶
表示パネルの背面側に、いわゆるバックライトと称する
照明手段を備えた液晶表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、この種の液晶表示装置において
は、液晶の諸特性が改善されるにつれ、液晶の応用分野
が拡大し、オモチャ用表示、クロック用表示、事務機器
用表示、端末用表示、ターミナル用表示や自動車用表示
等に応用されるのに伴って、長時間の照明、比較的大型
パネルの照明、装飾性のある照明や、効率の良い照明が
要求されるようになった。

【０００３】従来、例えば腕時計において、液晶表示パ
ネルの背面に小型ランプよりなるバックライトを備えた
ものが実用化されている。しかし、腕時計においては、
夜間ごく短時間照明して表示を識別し、時刻を知るため
にのみ最小限必要なバックライトであって、明るさ、光
の均一性、装飾性、寿命等においては充分満足のいくも
のではなかった。

【０００４】例えば図５および図６は液晶表示パネル１
の背面側（図では真下）に光源２と反射体９とを配した
従来の液晶表示装置の一例を示す縦断正面図および縦断
側面図である。

【０００５】液晶表示パネル１は、液晶３を上電極基板
４と下電極基板５の間に、スペーサ６を介して挾み、上
偏光体７と下偏光体８を付加することにより構成されて
いる。光源２から放出された光は光散乱反射体９により
反射し、乳白色の光散乱体１０を介して液晶表示パネル
１を照射する。光源２は、ヒューズ型、円筒型、ライン
フィラメント型等の線形形状をしたタングステンランプ
であった。以下、略して線状光源と呼ぶ。上記光散乱体
１０は、乳白色のポリカーボネイト樹脂や、乳白色のア
クリル樹脂により構成され、均一な厚さ、板形状であっ
た。また前記反射体９は、Ａｌ等の金属板であった。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の液
晶表示装置においては、液晶表示パネル１の真下に線状
光源２が配されるため光源２が点光源の場合に比較し
て、比較的大面積を比較的強い光で照明でき、使用光源
２の数も少なくて済む利点がある。しかし、例えば前記
のような線状光源２の端部２ｂに、非発光部もしくは中
央の発光部１ａよりも光の弱い弱発光部が存在する場合
には、表示パネル１の中央部１ａは、バックライトが強
く、端部１ｂはバックライトが弱く、場所によって表示
コントラストにムラを生じる。図７は前記図５および図
６の従来例の液晶表示装置に於いて、バックライト照明
のムラを生じた表示外観例である。表示パネル１の中心
部１ａは照明強度が強く、端部１ｂは弱い。そのため表
示中の「ＡＭ」や「３」の部分は暗く、「５：４」の部
分は明るいので、美観が損なわれる。

【０００７】上記表示パネル１の中心部１ａと端部１ｂ
の照明ムラは、光源２を表示パネル１から遠ざけるほど
緩和されるが、全体的に暗くなり、又、若干のムラは残
ってしまう。しかも装置全体として厚くなってしまう。
又発光部２ａを表示パネル１の見切りの長さだけ長いも
のを使用すると、非発光部１ｂは表示パネル１の両サイ
ド方向に突き出てしまい、表示パネル１に比較して、バ
ックライト部が大きくなり、効率が悪く、しかも装置が
全体として大きくなってしまう。

【０００８】また一般に、線状光源２の発光する部分の
径が、表示パネル１の側面の見切り幅に比べて小さいと
きには、表示パネル１の見切り内で、線状光源２の長手
方向と直交する方向に照明ムラが出やすい。図８は前記
従来例における表示状態の一例を示す平面図であり、
「ＡＭ ５：４５」の表示の上下部分１ｄは暗く、中心
部分１ｃは明るくなっている。ここで、線状光源２を表
示パネル１から遠ざければ、照明ムラは緩和されるが、
やはり若干残ってしまい、また、装置全体が厚くなって
しまう等の不具合があった。

【０００９】本発明は、上記の問題点を解消し、液晶表
示パネルに均一な照明効果を与え、薄型・小型で、表示
性能のよい液晶表示装置を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明による液晶表示装置は以下の構成としたも
のである。

【００１１】即ち、液晶表示パネルと、該液晶表示パネ
ルの裏面側に該液晶表示パネルと略平行に配置された線
状光源とを備えた液晶表示装置において、前記線状光源
からの光を透過しながら散乱させる機能を有し、かつ前
記液晶表示パネルと略平行な面上で前記線状光源の長手
方向と略平行な方向および略直交する方向における光散
乱強度を異ならせて前記線状光源に近接する領域での光
散乱強度が他の領域よりも漸次大きくなるようにした乳
白色光散乱体を、前記液晶表示パネルと線状光源との間
に配置したことを特徴とする。

【００１２】

【作用】上記のように液晶表示パネルと線状光源との間
に、線状光源の長手方向と略平行な方向および略直交す
る方向における光散乱強度が他の領域よりも漸次大きく
なるようにした乳白色光散乱体を配置したことにより、
線状光源から出た光は、その線状光源に近接する領域で
は、他の領域よりも、多くもしくは広く散乱されて液晶
表示パネルをより均一に照明することが可能となると共
に、光源に対応する表示面が明るく目立ってしまうのを
防ぐことができる。また、液晶表示パネルに対して光源
を大きく離さなくても、液晶表示パネル上での照明強度
を平均化することが可能となる。

【００１３】

【実施例】以下、本発明による液晶表示装置を、図に示
す実施例に基づいて具体的に説明する。図１および図２
は本発明による液晶表示装置の一実施例を示す縦断正面
図および縦断側面図、図３および図４は光散乱体の正面
図および側面図であり、前記図５および図６の従来例と
同一もしくは同様の機能を有する部材には同一の符号を
付して再度の説明を省略する。

【００１４】本実施例は、線状光源２の長手方向と略平
行な方向および略直交する方向における光散乱体１０の
厚さを、中心部は厚く、端部は漸次薄くなるようにする
ことによって、前記線状光源２に近接する領域での光散
乱強度が他の領域よりも漸次大きくなるようにしたもの
である。なお上記光散乱体１０の厚さ変化は光源側で構
成され、表示パネル側は平坦に形成されている。

【００１５】上記のように構成すると、線状光源からの
光を液晶表示パネルに均一に照射することが可能とな
り、特に前記のように光源の端部に弱発光部等がある場
合や線状光源２の発光する部分の径が、表示パネル１の
側面の見切り幅に比べて小さい場合にも、照明ムラを解
消することができる。

【００１６】即ち、線状光源２の長手方向と略平行な方
向および略直交する方向における光散乱体１０の中央部
は、発光強度の強い線状光源２の中心部２ａと近距離に
あるため強い光が当たり、光散乱体１０の端部は非発光
または発光強度の弱い線状光源２の端部２ｂと近距離に
あり発光の中心部２ａと遠距離にあるため、当たる光が
弱いが、強い光の当たる光散乱体１０の中央部は厚くな
っているため、光を散乱して端部に伝えると共に、中心
部の光強度は若干弱くなる。一方、散乱体１０の端部に
於いては、厚さが薄いため光をよく通すと共に、中心で
散乱された光が伝えられ、光散乱強度が大きくなり光散
乱体１０の中心部と端部は照明強度がほぼ平均され均一
な光散乱強度を生ずる。

【００１７】その結果、照明ムラのない表示性能の優れ
た液晶表示装置を提供することが可能となり、比較的長
時間の照明あるいは常時照明において、観賞者に満足感
を与え、装飾効果も大きい。また本発明は、光源２と液
晶表示パネル１の距離が短くて済み、光散乱体１０の形
を変えるだけなので、均一な照明効果を与える液晶表示
装置が、容易に薄型、小型化できる。

【００１８】なお前記の光源２としては、従来のタング
ステンランプその他適宜であるが、好ましくは冷陰極放
電管を用いるとよい。以下その理由を述べる。この種の
液晶表示装置としては、一般に液晶表示パネルが薄型で
ある特性を生かすため小型・薄型・低価格で、かつ低消
費電力を満足する必要性があり、かかる光源はタングテ
ンランプがよいとされてきたが、本発明者等は冷陰極放
電管に着目した。

【００１９】タングステンランプは、第１に色温度が２
０００°Ｋ前後であり、やや赤い発光分光特性をもち、
液晶の透過分光特性が赤い光を強調する傾向があるた
め、液晶のバックライトとしては、見栄えや色合いが悪
くなる不具合がある。また第２に、メーカーにより定義
に若干の差異はあるが、ランプの５割から８割が断線し
ない点灯寿命がせいぜい数万時間であり、長時間点灯あ
るいは常時点灯用として使用する場合には、ランプ交換
を容易に行える構造にする必要があり、構造が複雑にな
り、小型化に不利になる。また、例えばランプ交換を容
易にするためにソケット等を使用すると、その分コスト
アップになる。さらに照明面積が大きくなり、ランプの
使用数が多くなると、そのうち１個が断線し、取替える
確率が増大し、より不利になる。また、線状光源とする
には、フィラメント部を線状にする必要があり長くなる
程構造上無理がかかるので、寿命や信頼性をより低下さ
せる原因となる。

【００２０】これに対し、冷陰極放電管は、第１に断線
寿命は定格で使用する限り、ほぼ半永久的であり常時点
灯した際、発光強度が半減する時間も数万時間以上であ
り、光源交換の必要性を生じない利点がある。また第２
に発光色が白であり、特に液晶のバックライトとして使
用すると、色合いが液晶とよく調和し、液晶の点灯状態
がよく栄え、バックライト装飾効果の大きい利点があ
る。この為、特に色偏光板や色フィルターを使用した液
晶のカラー表示用やゲストホストタイプのカラー表示用
のバックライトとして最適であり、相転位型やＤＳ型、
ＤＴＮ型のバックライトとしても適する。以上の理由に
より、常時点灯用、あるいは長時間点灯用の装飾性のあ
る液晶照明用光源としては冷陰極放電管が好ましい。

【００２１】また液晶表示パネル１と光散乱体１０との
間には、必要に応じて前記図１および図２の実施例のよ
うに半透過反射体１１を設けることができる。そのよう
にすると光源２を点灯させない昼間の状態ではパネル１
側から入射する光を半透過反射体１１が反射させ、光源
２を点灯させた状態では、バックライトを散乱、透過さ
せる。このため周囲が明るい時には光源２を消してバッ
クライトなしで表示し、暗いときのみ光源２を点灯させ
ることができ、バックライトの消費電力を小さくでき
る。また、半透過反射体１１自体にも光散乱効果があ
り、光散乱体１０と重ねて使用することにより光のムラ
をより小さくできる。またバックライトの照度が強すぎ
る場合、半透過反射体１１の挿入により液晶表示パネル
１の照明する光の強さを適当に落とすことができる。

【００２２】さらに前記線状光源２の背面側には、前記
実施例のように光散乱反射体９を設けるとよく、その場
合、線状光源２の端部側にも反射体９ｂを設けるとよ
い。図の場合は線状光源２および液晶表示パネル１の背
面側を覆う略Ｕ字状の反射体９の両端部に反射体９ｂを
一体的に設けたもので、上記のよう線状光源２の端部側
にも反射体９ｂを設けると、前記のように線状光源２の
端部に非発光部２ｂ等が存在する場合に、上記端部の反
射体９ｂで光散乱されるため、両端に発光部が、あたか
も存在したのと同様の効果がえられる。従って、その
分、光のムラがなく、光散乱体１０の製造・製作も容易
になり、また光散乱体１０の中心部の厚さを薄くでき
る。その結果、バックライト部を薄くでき、全体として
薄型・小型の液晶表示装置を構成できる。また、端部の
光散乱反射体９ｂの存在する分、光のロスをなくす効率
が向上する。

【００２３】上記の光散乱反射体９としては、Ａｌ、Ｆ
ｅ、ステンレス等の金属板、または金属板上にＡｌやＮ
ｉ、Ａｇ等をメッキ、蒸着、スパッタしたもの、また
は、内側の反射方向にポリカーボネート樹脂やアクリル
樹脂等の透明プラスチック導光体を形成して、外側に上
記金属板や金属箔やアルミとプラスチックのラミネート
シートを接着、機械的取付、機械的圧力等で装着したも
の、あるいはＡｌやＮｉ、Ａｇを導光体に蒸着やスパッ
タしたり、接着剤や塗料中に混合し、塗ることにより構
成することができる。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明による液晶
表示装置は、液晶表示パネルと線状光源との間に、線状
光源からの光を透過しながら散乱させる機能を有し、か
つ前記液晶表示パネルと略平行な面上で前記線状光源の
長手方向と略平行な方向および略直交する方向における
光散乱強度を異ならせて前記線状光源に近接する領域で
の光散乱強度が他の領域よりも漸次大きくなるようにし
た乳白色光散乱体を配置したから、線状光源から出た光
は、その線状光源に近接する領域では、他の領域より
も、多くもしくは広く散乱されて液晶表示パネルを均一
に照明することが可能となると共に、光源に対応する表
示面が明るく目立ってしまうのを防ぐことができる。ま
た、液晶表示パネルに対して光源を大きく離さなくて
も、表示パネル上での照明強度を平均化することが可能
となるため小型で表示性能の優れた液晶表示装置を提供
できる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による液晶表示装置の一実施例を示す縦
断正面図。

【図２】上記実施例における縦断側面図。

【図３】上記実施例における光散乱体の正面図。

【図４】上記実施例における光散乱体の側面図

【図５】従来の液晶表示装置の一例を示す縦断正面図

【図６】上記従来例の縦断側面図

【図７】従来の液晶表示装置による表示状態の一例を示
す平面図。

【図８】従来の液晶表示装置による表示状態の他の例を
示す平面図。

【符号の説明】

１ 液晶表示パネル ２ 線状光源 ９ 反射体 １０ 光散乱体

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液晶表示パネルと、該液晶表示パネルの
   裏面側に該液晶表示パネルと略平行に配置された線状光
   源とを備えた液晶表示装置において、 前記線状光源からの光を透過しながら散乱させる機能を
   有し、かつ前記液晶表示パネルと略平行な面上で前記線
   状光源の長手方向と略平行な方向および略直交する方向
   における光散乱強度を異ならせて前記線状光源に近接す
   る領域での光散乱強度が他の領域よりも漸次大きくなる
   ようにした乳白色光散乱体を、前記液晶表示パネルと線
   状光源との間に配置したことを特徴とする液晶表示装
   置。