JPH0474712B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は液晶表示パネル等の表示体用照明装
置、特に表示体を背面側から照明するいわゆるバ
ツクライトと称する照明装置に関する。

〔従来の技術〕

近年、例えば液晶表示装置における表示体用照
明装置においては、液晶の諸特性が改善されるに
つれ、液晶の応用分野が拡大し、オモチヤ用表
示、クロツク用表示、事務機器用表示、端末用表
示、ターミナル用表示や自動車用表示等に応用さ
れるのに伴つて、長時間の照明、比較的大型パネ
ルの照明、装飾性のある照明や、効率の良い照明
が要求されるようになつた。

従来、例えば腕時計において、液晶表示パネル
等の表示体の背面に小型ランプよりなるバツクラ
イトを備えたものが実用化されている。しかし、
腕時計においては、夜間ごく短時間照明して表示
を識別し、時刻を知るためにのみ最小限必要なバ
ツクライトであつて、明るさ、光の均一性、装飾
性、寿命等においては充分満足のいくものではな
かつた。

例えば第９図および第１０図は表示体としての
液晶表示パネル１の背面側（図では真下）に光源
２と反射体９とを配した従来の液晶表示装置にお
ける表示体用照明装置の一例を示す縦断正面図お
よび縦断側面図である。

液晶表示パネル１は、液晶３を上電極基板４と
下電極基板５の間に、スペーサ６を介して狭み、
上偏光体７と下偏光体８を付加することにより構
成されている。光源２から放出された光は光散乱
反射体９により反射し、乳白色の光散乱体１０を
介して液晶表示パネル１を照射する。光源２は、
ヒユーズ型、円筒型、ラインフイラメント型等の
線形形状をしたタングステンランプであつた。以
下、略して線状光源と呼ぶ。上記光散乱体１０
は、乳白色のポリカーボネイト樹脂や、乳白色の
アクリル樹脂により構成され、均一な厚さ、板形
状であつた。また前記反射体９は、Al等の金属
板であつた。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記のような従来の表示体用照明装置において
は、表示体としての液晶表示パネル１の真下に線
状光源２が配されるため光源２が点光源の場合に
比較して、比較的大面積を比較的強い光で照明で
き、使用光源２の数も少なくて済む利点がある。
しかし、例えば前記のような線状光源２の端部２
ｂに、非発光部もしくは中央の発光部１ａよりも
光の弱い弱発光部が存在する場合には、表示パネ
ル１の中央部１ａは、バツクライトが強く、端部
１ｂはバツクライトが弱く、場所によつて表示コ
ントラストにムラを生じる。第１１図は前記第９
図および第１０図の従来例を表示体用照明装置に
於いて、バツクライト照明のムラを生じた表示外
観例である。表示パネル１の中央部１ａは照明強
度が強く、端部１ｂは弱い。そのため表示中の
「AM」や「３」の部分は暗く、「５：４」の部分
は明るいので、美観が損なわれる。

上記表示パネル１の中心部１ａと端部１ｂの照
明ムラは、光源２を表示パネル１から遠ざけるほ
ど緩和されるが、全体的に暗くなり、又、若干の
ムラは残つてしまう。しかも装置全体として厚く
なつてしまう。又発光部２ａを表示パネル１の見
切りの長さだけ長いものを使用すると、非発光部
１ｂは表示パネル１の両サイド方向に突き出して
しまい、表示パネル１に比較して、バツクライト
部が大きくなり、効率が悪く、しかも装置が全体
として大きくなつてしまう等の不具合があつた。

本発明は、上記の問題点を解消し、液晶表示パ
ネル等の表示体に均一な照明効果を与え、薄型・
小型で、表示性能のよい照明装置を提供すること
を目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために本発明は以下の構
成としたものである。

即ち、液晶表示体と、その液晶表示体の裏面側
に該液晶表示体と重なるように配設された線状光
源と、その線状光源の光を反射する反射体と、上
記線状光源と上記表示体との間に配設された光散
乱体とを備えた液晶表示装置において、上記光散
乱体は、その表示体側を平面状にし、線状光源側
の厚さが線状光源に近接する領域で他の領域より
も漸次厚くなるように変化させた乳白色光散乱体
であることを特徴とする。

〔作用〕

上記のように線状光源に近接する領域での上記
光散乱体の厚さが他の領域よりも光源側で漸次厚
くなるようにしたことにより、線状光源から出た
光は、その線状光源に近接する領域では、他の領
域よりも、多くもしくは広く散乱されて表示体を
より均一に照明することが可能となると共に、光
源に対応する表示面が明るく目立つてしまうのを
防ぐことができる。また、表示体に対して光源を
大きく離さなくても、表示体上での照明強度を平
均化することが可能となる。

〔実施例〕

以下、図に示す実施例に基づいて本発明の具体
的に説明する。

第１図および第２図は本発明による表示体用照
明装置の第１の実施例を示す縦断正面図および縦
断側面図であり、前記第９図・第１０図と同一も
しくは同様の機能を有する部材には同一の符号を
付して再度の説明を省略する。

光散乱反射体９は、Al、Fe、ステンレス等の
金属板、または金属板上にAlやNi、Ag等をメツ
キ、蒸着、スパツタしたもの、または、内側の反
射方向にポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂等
の透明プラスチツク導光体を形成して、外側に上
記金属板や金属箔やアルミとプラスチツクのラミ
ネートシートを接着、機械的取付、機械的圧力等
で装着したもの、あるいはAlやNi、Agを導光体
に蒸着やスパツタしたり、接着剤や塗料中に混合
し、塗ることにより構成される。

本発明の第１の実施例に於いては、線状光源２
の長手方向と平行する方向の乳白色の光散乱体１
の厚さを中心部は厚く、端部は薄くなるようにし
たもので、その厚さ変化は光源側で構成され、表
示パネル側は平坦に形成されている。

上記のように構成すると、前記のように光源の
端部に弱発光部等がある場合にも照明ムラを解消
することができる。即ち、光散乱体１０の中央部
は、発光強度の強い線状光源２の中心部２ａと近
距離にあるため強い光が当たり、光散乱体１０の
端部は非発光または発光強度の弱い線状光源２の
端部２ｂと近距離にあり発光の中心部２ａと遠距
離にあるため、当たる光が弱いが、強い光の当た
る光散乱体１０の中央部は厚くなつているため、
光を散乱して端部に伝えると共に、中心部の光強
度は若干弱くなる。一方、散乱体１０の端部に於
いては、厚さが薄いため光をよく通ると共に、中
心で散乱された光が伝えられ、光散乱強度が大き
くなり光散乱体１０の中心と端部は照明強度がほ
ぼ平均され均一な光散乱強度を生ずる。従つてム
ラがなくなり比較的長時間の照明あるいは常時照
明において、観賞者に満足感を与え、装飾効果も
大きい。また本発明は、光源２と表示体としての
液晶表示パネル１の距離が短くて済み、光散乱体
１０の形を変えるだけなので、均一な照明効果を
与える液晶表示装置が、容易に薄型、小型化でき
る。

なお光源としては、従来のタングステンランプ
その他適宜であるが、好ましくは冷陰極放電管を
用いるとよい。以下その理由を述べる。

この種の照明装置としては、一般に液晶表示パ
ネル等の表示体が薄型である特性を行かすため小
型・薄型・低価格で、かつ低消費電力を満足する
必要性があり、かかる光源はタングテンランプが
よいとされてきたが、本発明者等は冷陰極放電管
に着目した。

タングステンランプは、第１に色温度が
2000°K前後であり、やや赤い発光分光特性をも
ち、液晶の透過分光特性が赤い光を協調する傾向
があるため、液晶のバツクライトとしては、見栄
えや色合いが悪くなる不具合がある。また第２
に、メーカーにより定義に若干の差異はあるが、
ランプの５割から８割が断線しない点灯寿命がせ
いぜい数万時間であり、長時間点灯あるいは常時
点灯用として使用する場合には、ランプ交換を容
易に行える構造にする必要があり、構造が複雑に
なり、小型化に不利になる。また、例えばランプ
交換を容易にするためにソケツト等を使用する
と、その分コストアツプになる。さらに照明面積
が大きくなり、ランプの使用数が多くなると、そ
のうち１個が断線し、取替える確率が増大し、よ
り不利になる。また、線状光源にするには、フイ
ラメント部を線状にする必要があり長くなる程構
造上無理がかかるので、寿命や信頼性をより低下
させる原因となる。

これに対し、冷陰極放電管は、第１に断線寿命
は定格で使用する限り、ほぼ半永久的であり常時
点灯した際、発光強度が半減する時間も数万時間
以上であり、光源交換の必要性を生じない利点が
ある。また第２に発光色が白であり、特に液晶の
バツクライトとして使用すると、色合いが液晶と
よく調和し、液晶の点灯状態がよく栄え、バツク
ライト装飾効果の大きい利点がある。この為、特
に色偏光板や色フイルターを使用した液晶のカラ
ー表示用やゲストホストタイプのカラー表示用の
バツクライトとして最適であり、相転位型やDS
型、DTN型のバツクライトとしても適する。以
上の理由により、常時点灯用、あるいは長時間点
灯用の装飾性のある液晶照明用光源としては冷陰
極放電管が好ましい。

また第１図・第２図に示すように液晶表示パネ
ル１と光散乱体１０との間に必要に応じて半透過
反射体１１を設けるとよい。そのようにすると光
源２を点灯させない昼間の状態ではパネル１側か
ら入射する光を半透過反射体１１が反射させ、光
源２を点灯させた状態では、バツクライトを散
乱、透過させる。このため周囲が明るい時には光
源２を消してバツクライトなしで表示し、暗いと
きのみ光源２を点灯させることができ、バツクラ
イトの消費電力を小さくできる。また、半透過反
射体１１自体にも光散乱効果があり、光散乱体１
０と重ねて使用することにより光のムラをより小
さくできる。またバツクライトの照度が強すぎる
場合、半透過反射体１１の挿入により液晶表示パ
ネル１の照明する光の強さを適当に落とすことが
できる。

第３図及び第４図は本発明の第２の実施例の縦
断正面図及び縦断側面図である。

本実施例が前記第１の実施例と異なるのは、線
状光源２の端部側にも反射体９ｂを一体的に設け
た点である。上記のように線状光源２の側方にも
反射体９を設けると、線状光源２の端部に非発光
部２ｂ等が存在する場合に、上記端部の反射体９
ｂで光散乱させるため、両端に発光部が、あたか
も存在したのと同様の効果がえられる。従つて、
その分、光のムラがなく、光散乱体１０の製造・
製作も容易になり、また光散乱体１０の中心部の
厚さを薄くできる。その結果、バツクライト部を
薄くでき、全体として薄型・小型の照明装置を構
成できる。また、端部の光散乱反射体９ｂの存在
する分、光のロスをなくす効率が向上する。

第５図および第６図は、本発明の第３の実施例
の縦断正面図および縦断側面図である。

本実施例が前記の第２の実施例と異なる点は光
散乱体１０の形状であり、他の構成は前記例と同
様である。

その光散乱体１０は、第７図及び第８図に示す
ように、線状光源２の長手方向と平行する方向の
厚さを、中心部は厚く、端部は漸次薄くなるよう
にすると共に、線状光源２と交差する方向の厚さ
も、中心部は厚く、端部は漸次薄くなるように、
それぞれ光源側で変化させたものである。

一般に、線状光源２の発光する部分の径が、表
示パネル１の側面の見切り幅に比べて小さいとき
には、表示パネル１の見切り内で、線状光源２の
長手方向と直交する方向に照明ムラが出やすい。
第１２図は前記従来例における表示状態の一例を
示す平面図であり、「AM ５：45」の表示の上下
部分１ｄは暗く、中心部分１ｃは明るくなつてい
る。ここで、線状光源２を表示パネル１から遠ざ
ければ、照明ムラは緩和されるが、やはり若干残
つてしまい、また、装置全体が厚くなつてしま
う。

ところが、上記のように、線状光源２と交差す
る方向の光散乱体１０の厚さを、光源に近い中心
部は厚く、光源から遠い端部は薄くすることによ
り、前記第１図・第２図例の場合とほぼ同様の理
由で、線状光源と直交方向の照明ムラをもなくす
ことができ、表示性能および装飾効果の大きい表
示体照明装置を提供することができる。

〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明は表示体の裏面側
に線状光源と反射体とを配設し、その線状光源と
上記表示体との間に不透明の平面状光散乱体を配
置してなる表示体用照明装置において、上記線状
光源に近接する領域での上記光散乱体の厚さが他
の領域よりも光源側で漸次厚くなるようにしたか
ら、線状光源から出た光は、その線状光源に近接
する領域では、他の領域よりも、多くもしくは広
く散乱されて表示体をより均一に照明することが
可能となると共に、光源に対応する表示面が明る
く目立つてしまうのを防ぐことができる。また、
表示体に対して光源を大きく離さなくても、表示
体上での照明強度を平均化することが可能となる
もので小型で表示性能の優れた表示体用照明装置
を提供できる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による表示体用照明装置の第１
実施例の縦断正面図、第２図はその縦断側面図、
第３図は第２実施例の縦断正面図、第４図はその
縦断側面図、第５図は第３実施例の縦断正面図、
第６図はその縦断側面図、第７図は光散乱体の正
面図、第８図はその側面図、第９図は従来の表示
体用照明装置の縦断正面図、第１０図はその縦断
側面図、第１１図及び第１２図はそれぞれ従来の
表示体用照明装置による表示状態の一例を示す平
面図である。 １は表示体（液晶表示パネル）、２は線状光源、
９は反射体、１０は光散乱体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 液晶表示体と、その液晶表示体の裏面側に該
   液晶表示体と重なるように配設された線状光源
   と、その線状光源の光を反射する反射体と、上記
   線状光源と上記表示体との間に配設された光散乱
   体とを備えた表示体用照明装置において、 上記光散乱体は、その表示体側を平面状にし、
   線状光源側の厚さが線状光源に近接する領域で他
   の領域よりも漸次厚くなるように変化させた乳白
   色光散乱体であることを特徴とする表示体用照明
   装置。