JPH0555853B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は液晶表示装置、特に液晶表示パネルを
背面側から照明するいわゆるバツクライトと称す
る照明装置を備えた液晶表示装置に関する。

〔従来の技術〕

近年この種の液晶表示装置においては、液晶の
諸特性が改善されるにつれ、液晶の応用分野が拡
大し、オモチヤ用表示、クロツク用表示、事務機
器用表示、端末用表示、ターミナル用表示や自動
車用表示等に応用されるのに伴つて、長時間の照
明、比較的大型パネルの照明、装飾性のある照明
や、効率の良い照明が要求されるようになつた。

従来、例えば腕時計において、液晶表示パネル
の背面に小型ランプによりなるバツクライトを備
えたものが実用化されている。しかし、腕時計に
おいては、夜間ごく短時間照明して表示を識別
し、時刻を知るためにのみ最小限必要なバツクラ
イトであつて、明るさ、光の均一性、装飾性、寿
命等においては充分満足のいくものではなかつ
た。

第９図および第１０図は液晶表示パネル１の背
面側に光源２と反射体９とを配した従来の液晶表
示装置の一例を示す縦断正面図および縦断側面図
である。

液晶表示パネル１は、液晶３を上電極基板４と
下電極基板５の間に、スペーサ６を介して挟み、
上偏光体７と下偏光体８を付加することにより構
成されている。図中２は光源で、その光源２から
放出された光は、光散乱反射体９で反射し、乳白
色の光散乱体１０を介して液晶表示パネル１に照
射される。

上記の光源２としては、従来一般にヒユーズ
型、円筒型、ラインフイラメント型等の線形形状
をしたタングステンランプが用いられている。以
下、略して線上光源と呼ぶ。

また光散乱体１０としては、一般に乳白色のポ
リカーボネイト樹脂や、乳白色のアクリル樹脂が
用いられ、均一な厚さの平板状であつた。さら
に、前記反射板９としては、Al等の金属板が用
いられている。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記のような従来の液晶表示装置においては、
液晶表示パネル１の真下に線状光源２が配される
ため、光源２に近い領域は明るく、光源から離れ
た領域は暗くなつて照明ムラが生じたり、あるい
は表示パネル表面の線状光源に沿う部分が線状に
明るくなつて目立つてしまう等の不具合がある。

特に第９図に示すように線状光源２の端部２ｂ
に非発光部又は弱発光部が存在する場合には、線
状光源２の長手方向に照明ムラが生じやすい。

第１１図は上記のような非発光部または弱発光
部が存在する線状光源を用いた場合の表示状態の
一例を示すもので、光散乱体１０の中央部は、発
光強度の強い線状光源２の中心部２ａと近距離に
あるので強い光が当たり、光散乱体１０の端部は
非発光または発光強度の弱い線状光源２の端部２
ｂと近距離にあり発光の中心部２ａと遠距離にあ
るので当たる光が弱い。そのため第１１図の表示
状態においては、液晶表示パネル１の端部１ｂの
表示「AM」や「３」の部分は暗く、中央部１ａ
の表示「５：４」の部分は明るいので、美観が損
なわれる。この場合、線状光源２を液晶表示パネ
ル１から遠ざければ、照明ムラは多少緩和される
が、やはり若干残つてしまい、また液晶表示装置
全体が厚くなつてしまう。

また線状光源２の発光する部分の径は、一般に
液晶表示パネル１の側面の見切り幅に比べて小さ
いため、表示パネル１の見切り内で、線状光源２
の長手方向と交差する方向に照明ムラが出やす
い。

第１２図は前記従来例における表示状態の一例
を示す平面図であり、「AM ５：45」の表示の上
下部分１ｄは暗く、中心部分１ｃは明るくなつて
いる。ここで、線状光源２を表示パネル１から遠
ざければ、照明ムラは緩和されるが、やはり若干
残つてしまい、また、液晶表示装置全体が厚くな
つてしまう等の不具合があつた。

さらに従来は線状光源として前述のように一般
にタングステンランプが用いられているため、そ
の熱影響で光散乱体や液晶が劣化したり、変質す
る等のおそれがあつた。

本発明は上記の問題点に鑑みて提案されたもの
で、液晶表示パネル表面を均一に照明するこがで
き、しかも小型かつ薄型で表示性能および耐久性
のよい液晶表示装置を提供することを目的とす
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために本発明は以下の構
成としたものである。

即ち、液晶表示パネルと、その液晶表示パネル
の背面側に該液晶表示パネルと略平行に配設した
線状光源とを備えた液晶表示装置において、上記
線状光源からの光を透過すると同時に散乱させる
機能を有し、かつ前記液晶表示パネルと略平行な
面上での光散乱強度を異ならせて前記線状光源に
近接する領域での光散乱強度が他の領域よりも漸
次大きくなるようにした合成樹脂よりなる光散乱
体を、前記線状光源と液晶表示パネルとの間に配
設すると共に、上記線状光源として冷陰極放電管
を用い、その冷陰極放電管よりなる線状光源を上
記光散乱体の背面側に、該背面の略全面を照射す
るようにして近接配置し、かつ上記線状光源の背
面側に該線状光源を囲むようにして光散乱反射体
を設けたことを特徴とする。

〔作用〕

上記のように構成したことによつて、線状光源
から出た光は、直接もしくは光散乱反射体を反射
して散乱体背面の略全面に照射され、線状光源に
近接する領域では、他の領域よりも、多くもしく
は広く散乱されて液晶表示パネルをより均一に照
明することが可能となると共に、光散乱体ひいて
は液晶表示パネルに対して線状光源を大きく離さ
なくても表示パネル上での照明強度を良好に平均
化することが可能となる。

〔実施例〕

以下、図に示す実施例に基づいて本発明を具体
的に説明する。

第１図および第２図は本発明による液晶表示装
置の一実施例を示す縦断正面図および縦断側面図
であり、前記第９図・第１０図と同一もしくは同
様の機能を有する部材には同一の符号を付して再
度の説明を省略する。

本実施例は液晶表示パネル１の背面側に光散乱
体１０を配置すると共に、その光散乱体１０の背
面側に、その背面全面を照射するようにして線状
光源２を上記光散乱体１０に近接させて配置し、
その線状光源２の背面側に該線状光源２を囲むよ
うにして断面略Ｕ字状の光散乱反射体９を設けた
設けたものである。

光散乱体１０は、本実施例においては、線状光
源２の長手方向と平行する方向の乳白色の光散乱
体１の中心部の厚さが端部よりも漸次厚くなるよ
うにして光源中央部での光散乱体の光散乱機能が
漸次大きくなるようにしたもので、その厚さ変化
は光源側で構成され、表示パネル側は平坦に形成
されている。

上記のように構成すると、光散乱体１０の中央
部は、発光強度の強い線状光源２の中心部２ａと
近距離にあるため強い光が当たり、光散乱体１０
の端部は非発光または発光強度の弱い線状光源２
の端部２ｂと近距離にあり発光の中心部２ａと遠
距離にあるため、当たる光が弱いが、強い光の当
たる光散乱体１０の中央部は厚くなつているた
め、光を散乱して端部に伝えると共に、中心部の
光強度は若干弱くなる。一方、散乱体１０の端部
に於いては、厚さが薄いため光をよく通すと共
に、中心で散乱された光が伝えられ、光散乱強度
が大きくなり光散乱体１０の中心部と端部は照明
強度がほぼ平均され均一な光散乱強度を生ずる。
従つて表示パネル表面上での照明ムラがなくな
り、前記のように光源の端部に弱発光部等かある
場合にも照明ムラを解消することができる。その
ため、比較的長時間の照明あるいは常時照明にお
いて、観賞者に満足感を与え、装飾効果も大き
い。また本発明は光源２と液晶表示パネル１の距
離が短くて済み、光散乱体１０の形を変えるだけ
なので、均一な照明効果を与える液晶表示装置
が、容易に薄型、小型化できる。

また本発明においては線状光源として冷陰極放
電管を用いたので、以下のような利点がある。

即ち、この種の液晶表示装置においては、一般
に液晶表示パネル薄型である特性を生かすため小
型・薄型・低価格で、かつ低消費電力を満足する
必要性があり、かかる光源はタングステンランプ
がよいとされてきたが、本発明者等は冷陰極放電
管に着目した。

タングステンランプは、第１に色温度が
2000°K前後であり、やや赤い発光分光特性をも
ち、液晶の透過分光特性が赤い光を強調する傾向
があるため、液晶のバツクライトとしては、見栄
えや色合いが悪くなる不具合がある。また第２
に、メーカーにより定義に若干の差異はあるが、
ランプの５割から８割が断線しない点灯寿命がせ
いぜい数万時間であり、長時間点灯あるいは常時
点灯用として使用する場合には、ランプ交換を容
易に行える構造にする必要があり、構造が複雑に
なり、小型化に不利になる。また、例えばランプ
交換を容易にするためにソケツト等を使用する
と、その分コストアツプになる。さらに照明面積
が大きくなり、ランプの使用数が多くなると、そ
のうち１個が断線し、取替える確率が増大し、よ
り不利になる。また、線状光源とするには、フイ
ラメント部を線状にする必要がありあまり長くな
る程構造上無理がかかるので、寿命や信頼性をよ
り低下させる原因となる。

これに対し、冷陰極放電管は、第１に断線寿命
は定格で使用する限り、ほぼ半永久的であり常時
点灯した際、発光強度が半減する時間も数万時間
以上であり、光源交換の必要性を生じない利点が
ある。また第２に発光色が白であり、特に液晶の
バツクライトとして使用した場合には、色合いが
液晶とよく調和し、液晶の点灯状態がよく栄え、
バツクライト装飾効果の大きい利点がある。この
ため、特に色偏光板や色フイルターを使用した液
晶のカラー表示用やゲストホストタイプのカラー
表示用のバツクライトとして最適であり、相転位
型やDS型、DTN型のバツクライトとしても適す
る。以上の理由により、常時点灯用、あるいは長
時間点灯用の装飾性のある液晶照明用光源として
は冷陰極放電管が好ましく、そこで本発明におい
ては冷陰極放電管を用いたものである。

光散乱反射体９としては、例えばAl、Fe、ス
テンレス等の金属板、または金属板上にAlやNi、
Ag等をメツキ、蒸着、スパツタしたもの、また
は、内側の反射方向にポリカーボネート樹脂やア
クリル樹脂等の透明プラスチツク導光体を形成し
て、外側に上記金属板や金属箔やアルミとプラス
チツクのラミネートシートを接着、機械的取付、
機械的圧力等で装着したもの、あるいはAlやNi、
Agを導光体に蒸着やスパツタしたり、接着剤や
塗料中に混合し、塗ることにより構成されたもの
を用いることができる。

なお第１図・第２図に示すように液晶表示パネ
ル１と光散乱体１０との間に必要に応じて半透過
反射体１１を設けるようにしてもよい。そのよう
にすると、光源２を点灯させない昼間の状態では
パネル１側から入射する光を半透過反射体１１が
反射させ、光源２を点灯させた状態では、バツク
ライトを散乱、透過させる。このため周囲が明る
い時には光源２を消してバツクライトなしで表示
し、暗いときのみ光源２を点灯させることがで
き、バツクライトの消費電力を小さくできる。ま
た、半透過反射体１１自体にも光散乱効果があ
り、光散乱体１０と重ねて使用することにより光
のムラをより小さくできる。またバツクライトの
照度が強すぎる場合、半透過反射体１１の挿入に
より液晶表示パネル１の照明する光の強さを適当
に落とすことができる。

第３図・第４図は上記実施例における一部の変
更例を示すもので、線状光源２の下面および光源
の長手に沿う両側面を覆う断面略Ｕ字状の反射体
９ａの両端部にも、線状光源２の長手方向両端部
側を覆う反射体９ｂを前記反射体９と同様の構成
により一体的に設けたものである。

上記のように線状光源２の長手方向両端部側に
も反射体９ｂを設けると、特に前記のように線状
光源２の端部２ｂに弱発光部等が存在する場合に
も、反射体９ｂで光散乱されるため、両端に発光
部が、あたかも存在するが如く表示面の光量不足
を補うことができる。従つて、その分、光のムラ
がなく、光散乱体１０の製造・製作も容易にな
り、また光散乱体１０の中心部の厚さを薄くでき
る。その結果、バツクライト部を薄くでき、全体
として薄型・小型の照明装置を構成できる。ま
た、端部の光散乱反射体９ｂの存在する分、光の
ロスをなくすことができ照明効率を向上させるこ
とができる。

第５図・第６図は本発明による液晶表示装置の
他の実施例を示すもので、線状光源２の長手方向
及びそれと交差する方向における光散乱体１０の
厚さをそれぞれ変化させることによつて、線状光
源の長手方向およびそれと直交する方向における
中央部での光散乱強度が他の領域よりも漸次大き
くなるようにした例を示す。他の構成は前記第１
図・第２図の実施例の場合と同様である。

すなわち、本例の光散乱体１０は、第７図に示
すように、線状光源２の長手方向と平行する方向
の厚さを、中心部は厚く、端部は漸次薄くなるよ
うにすると共に、第８図に示すように線状光源２
と交差する方向の厚さも、中心部は厚く、端部は
漸次薄くなるようにして上記両方向における光散
乱強度を変化させたものである。

上記のように線状光源２と交差する方向の光散
乱強度を変化させると、前記第１図・第２図例の
場合とほぼ同様の理由で、線状光源２と交差する
方向の照明ムラをも解消することができる。特に
前述のように線状光源２の発光する部分の径が、
液晶表示パネル１の側面の見切り幅に比べて小さ
いときには、表示パネル１の見切り内で、線状光
源２の長手方向と交差する方向に照明ムラが出や
すいが、そのような照明ムラをもなくすことがで
き、表示性能および装飾効果の優れた液晶表示装
置を提供することができるものである。

なお本実施例においても光散乱体１０の液晶表
示パネル１側の面に半透過反射体１１を設ける
と、周囲が暗いときには光源２を点灯させて表示
を見ることができ、周囲が明るいときには光源２
を点灯させることなく、パネル表面から入射する
光を半透過反射体１１で反射させて表示を見るこ
とが可能なり、光源２の消費電力を低減させるこ
とができる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明は液晶表示パネル
１と、その液晶液晶表示パネル１の背面側に該液
晶液晶表示パネル１と略平行に配設した線状光源
２とを備えた液晶表示装置において、上記線状光
源２からの光を透過すると同時に散乱させる機能
を有し、かつ前記液晶表示パネル１と略平行な面
上での光散乱強度を異ならせて前記線状光源に近
接する領域での光散乱強度が他の領域よりも漸次
大きくなるようにした合成樹脂よりなる光散乱体
１０を、前記線状光源２と液晶液晶表示パネル１
との間に配設すると共に、上記線状光源２として
冷陰極放電管を用い、その冷陰極放電管よりなる
線状光源２を上記光散乱体１０の背面側に、該背
面の略全面を照射するようにして近接配置し、か
つ上記線状光源２の背面側に該線状光源を囲むよ
うにして光散乱反射体９を設けたから、線状光源
２から出た光は、直接もしくは光散乱反射体９を
反射して光散乱体背面の略全面に照射され、線状
光源２に近接する領域では、他の領域よりも、多
くもしくは広く散乱されて液晶表示パネル１をよ
り均一に照明することが可能となると共に、光源
に対応する表示面が前述従来のように明るく目立
つてしまうのを防ぐことができる。また、光散乱
体１０ひいては液晶表示パネル１に対して線状光
源２を近接させた状態で液晶表示パネル１上での
照明強度を平均化することができるので、小型で
表示性能の優れた液晶表示装置を提供できる。し
かも、線状光源２として冷陰極放電管を用いたの
で発熱が少なく、上記のように線状光源２を光散
乱体１０ひいては液晶表示パネル１に近接させて
配置しても光散乱体１０や液晶が劣化したり、変
質等することがなく、耐久性を大幅に向上させる
ことができる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による液晶表示装置の一実施例
を示す縦断正面図、第２図はその縦断側面図、第
３図は変形例の縦断正面図、第４図はその縦断側
面図、第５図は他の実施例の縦断正面図、第６図
はその縦断側面図、第７図は光散乱体の正面図、
第８図はその側面図、第９図は従来の液晶表示装
置の縦断正面図、第１０図はその縦断側面図、第
１１図及び第１２図は従来の液晶表示装置による
表示状態の一例を示す平面図である。 １は液晶表示パネル、２は線状光源、９は光散
乱反射体、１０は光散乱体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 液晶表示パネルと、その液晶表示パネルの背
   面側に該液晶表示パネルと略平行に配設した線状
   光源とを備えた液晶表示装置において、 上記線状光源からの光を透過すると同時に散乱
   させる機能を有し、かつ前記液晶表示パネルと略
   平行な面上での光散乱強度を異ならせて前記線状
   光源に近接する領域での光散乱強度が他の領域よ
   りも漸次大きくなるようにした合成樹脂よりなる
   光散乱体を、前記線状光源と液晶表示パネルとの
   間に配設すると共に、上記線状光源として冷陰極
   放電管を用い、その冷陰極放電管よりなる線状光
   源を上記光散乱体の背面側に、該背面の略全面を
   照射するようにして近接配置し、かつ上記線状光
   源の背面側に該線状光源を囲むようにして光散乱
   反射体を設けたことを特徴とする液晶表示装置。