JPH0730083U - ホイップ食品の硬度検出装置及び該検出装置を利用したホイップ食品の連続式製造装置 - Google Patents

ホイップ食品の硬度検出装置及び該検出装置を利用したホイップ食品の連続式製造装置

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JPH0730083U
JPH0730083U JP065891U JP6589193U JPH0730083U JP H0730083 U JPH0730083 U JP H0730083U JP 065891 U JP065891 U JP 065891U JP 6589193 U JP6589193 U JP 6589193U JP H0730083 U JPH0730083 U JP H0730083U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 安全性、安定性に優れ、応答性の良いホイッ
プ食品の硬度検出装置、及び該検出装置を利用したホイ
ップ食品の連続式製造装置を供する。 【構成】 液相原料の流量を検知する手段8、気相原料
の流量を検知する手段9、ホイップ食品の粘度及び密度
の積を検知する手段11、ホイップ食品の圧力を検知す
る手段10、及び上記各手段によって検知された各々の
値から、ホイップ食品の硬度を算出する計算手段12を
備えたホイップ食品の硬度検出装置。又、前記計算手段
12に結線され、前記計算手段12により算出された硬
度に応じて回転型攪拌機4のロ−タ−5の回転数を調節
してホイップ食品の硬度を制御する手段15を有するホ
イップ食品の連続式製造装置。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、特に洋菓子の素材として用いられるホイップドクリ−ム等のホイッ プ食品の硬度検出装置及び該検出装置を利用したホイップ食品の連続式製造装置 に関する。詳しくは、本考案は、液相原料の流量を検知する手段、気相原料の流 量を検知する手段、吐出配管に配置されるホイップされた食品の粘度及び密度の 積を検知する手段、吐出配管内部の圧力を検知する手段、及び前記液相原料の流 量、気相原料の流量、ホイップ食品の圧力、ホイップ食品の粘度及び密度の積か らホイップ食品の硬度を算出する手段を備えたことを特徴とするホイップ食品の 硬度を検出する装置及び該検出装置を利用したホイップ食品の連続式製造装置に 関する。
【0002】
【従来の技術】
ホイップドクリ−ム等のオ−バ−ランを有するホイップ食品は、高級品から普 及品まで種々の洋菓子の素材等として使用されているが、このようなホイップ食 品の製造には、大量生産、製品品質、食品衛生上の問題、均一性の要求等の理由 により、連続式製造装置が多用されている。
【0003】 従来のホイップ食品の連続式製造装置の一例を図3に示す。図3は、ホイップ ドクリ−ムの連続式製造装置を示す工程図兼構成図である。原料クリ−ムはタン ク1から供給ポンプ2によって移送され、予め除菌清浄化された圧縮空気が空気 分散装置3を介して連続的に混入され、回転式攪拌機4に送給される。回転式攪 拌機4の内部にはロ−タ−5が配設されているが、回転式攪拌機4の内壁には多 段状に突起した刃が内設され、またロ−タ−5にはその刃と互い違いになるよう に突起した刃が周設されている(各々図示せず)ため、ロ−タ−5が回転すると これらの刃による剪断力によって、空気が混入した原料クリ−ムに高剪断が掛り 、気泡の微細化と粒子(脂肪球)の凝集が進行し、増粘して適度の硬度のホイッ プドクリ−ムに変化する。
【0004】 一般にホイップ食品の品質を評価する上で重要な物性には風味、オ−バ−ラン 、テクスチャ−(以下、テクスチャ−を「硬度」と記載することがある)等があ る。これらの物性の中でも硬度は特に重要であり、例えば、前記ホイップドクリ −ムの場合ではケ−キ上面にトッピング(造花)する際に重要であり、硬度が適 正である場合に限り、美しい造花が得られ、かつその造花の保形性が維持される 。
【0005】 前記連続式製造装置によるこのようなホイップクリ−ムの硬度については、以 下のような問題点があった。即ち、仮に各装置を同一の操作条件で運転した場合 であっても、原料クリ−ムの種類、温度、原料クリ−ム製造時のエ−ジング条件 等によって、得られるホイップドクリ−ムの硬度が一定しないことである。従っ て、品質管理上からは、ホイップドクリ−ムの硬度を常に監視する必要があり、 ホイップドクリ−ムの硬度が目標値からずれた場合、各操作因子を調節して速や かに硬度を変更する必要があるが、前記の連続式製造装置では、この操作を専ら オペレ−タ−の経験とカンに依存していた。
【0006】 以上のように、一般にホイップ食品の連続式製造装置においてホイップ食品の 硬度を検出すること、及び硬度を自動制御することの必要性は高く、このための 技術が種々開示されている。例えば、特公昭62−60053号公報、特公 昭63−65286号公報、特開平3−27276号公報、特開平3−39 040号公報、特開平3−47036号公報等である。
【0007】 前記及びは、ホイップ食品の硬度を検出する技術に特徴があり、は排出 されるホイップ食品の抗力を受ける物体(ストレインゲ−ジセンサ−)を介在さ せ、この物体がホイップ食品から受ける抗力を検知することによって、ホイップ 食品の硬度を検出する方法であり、はホイップ食品が流れる吐出配管における 摩擦損失を圧力センサ−で検知することによって、ホイップ食品の硬度を検出す る方法である。また、前記〜はホイップ食品の硬度を制御する手段に特徴が ある。
【0008】 更に、近年配管に直接設置できるオンライン型回転式粘度計が市販されており 、これをホイップ食品の硬度の検出に使用することも検討されている。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】
ホイップ食品の連続式製造装置においてホイップ食品の硬度を精度良く自動制 御するためには、ホイップ食品の硬度を精度良く検出する必要があり、この精度 が高いほど安定して制御できる。従って、前記〜においても、さらに精度良 く硬度を検出する技術が待望されていたが、前記及びは各々以下に記載する ような精度上の限界があった。即ちは、吐出配管を流れるホイップ食品の速度 が変化した場合、検出結果が影響を受けることであり、も同様に速度の影響を 受けること、更に、相当の長さの配管を流れた後でなければ硬度を検出できない ため、変動に対する応答速度が遅いこと等、より高い精度を求めるためには限界 があった。
【0010】 結局、従来は、より精度の高いホイップ食品の硬度検出装置が実用化されてお らず、従って、より高い精度でホイップ食品の硬度を自動制御する連続式製造装 置も実現されていなかった。
【0011】 また、前記オンライン型回転式粘度計は、センサ−部における圧力損失が大き く、回転子の回転剪断によってホイップ食品の物性(硬度)に影響を与える可能 性があり、ホイップ食品の硬度の検出に用いることは好ましくなかった。
【0012】 前記従来技術の実状に鑑みて、本考案者らは、ホイップ食品の硬度をより高い 精度で検出する装置、及び自動制御する製造装置について、鋭意研究を行った結 果、ホイップ食品の硬度は、極めて多数の因子により変動し、それらの因子を特 定の条件で組合わせることによって、精度良く検出し得ることを見出し、本考案 を完成した。
【0013】 本考案の目的は、ホイップ食品の製造ラインにおける流速の影響を受けず、検 出の応答が早く、得られるホイップ食品の物性に影響を与えない高精度なホイッ プ食品の硬度検出装置を提供することである。
【0014】 本考案の他の目的は、ホイップ食品の硬度を精度良く自動制御し、ホイップ食 品を連続的に製造する装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
次に、前記課題を解決するための本考案の構成を説明するが、本考案の要素に は後述する実施例又は試験例の要素との対応を容易にするため、実施例又は試験 例の要素の符号をカッコで囲んだものを付記している。
【0016】 本考案を後述する実施例又は試験例の符号と対応させて説明する理由は、本考 案の理解を容易にするためであって本考案の範囲を後述する実施例又は試験例に 限定するためではない。
【0017】 図1は、本考案のホイップ食品の硬度検出装置の一実施例を示す工程図兼構成 図であり、図2は、本考案のホイップ食品の連続式製造装置の一実施例を示す工 程図兼構成図である。
【0018】 前記課題を解決するための本考案の第1の考案は、液相原料の流量を検知する 手段(8)、気相原料の流量を検知する手段(9)、吐出配管(14)に配置さ れるホイップされた食品の粘度及び密度の積を検知する手段(11)、吐出配管 (14)内部の圧力を検知する手段(10)、及び前記液相原料の流量、気相原 料の流量、ホイップ食品の圧力、ホイップ食品の粘度及び密度の積からホイップ 食品の硬度を算出する手段(12)を備えたことを特徴とするホイップ食品の硬 度検出装置、である。
【0019】 前記課題を解決するための本考案の第2の考案は、液相原料の流量を検知する 手段(8)、気相原料の流量を検知する手段(9)、吐出配管(14)に配置さ れるホイップされた食品の粘度及び密度の積を検知する手段(11)、吐出配管 (14)内部の圧力を検知する手段(10)、及び前記液相原料の流量、気相原 料の流量、ホイップ食品の圧力、ホイップ食品の粘度及び密度の積からホイップ 食品の硬度を算出する手段(12)、並びに既算出手段の算出結果に応じて回転 型攪拌機(4)のロ−タ−(5)回転数を調節する手段(15)を備えたこと特 徴とするホイップ食品の連続式製造装置、である。
【0020】 更に、本考案は、ホイップ食品の粘度及び密度の積を検知する手段(11)が 超音波振動粘度計であることを望ましい態様としてもいる。
【0021】 次に、本考案の構成を詳しく説明する。
【0022】 本考案の第1の考案である硬度検出装置においては、ホイップ食品用液相原料 の流量を検知する手段(8)、ホイップ食品用気相原料の流量を検知する手段( 9)、ホイップ食品の粘度及び密度の積を検知する手段(11)、ホイップ食品 の圧力を検知する手段(10)、及び上記各手段によって検知された各々の値か ら、ホイップ食品の硬度を算出する手段(12)を備えている。
【0023】 ホイップ食品用液相原料の流量を検知する手段(8)としては、差圧式、面積 式、電磁式、超音波式、タ−ビン式、容積式等の種々の流量計があるが、電磁式 流量計が望ましく、ホイップ食品用液相原料の供給ライン(13)に配設される 。
【0024】 ホイップ食品用気相原料の流量を検知する手段(9)としては、差圧式、面積 式、容積式等の流量計、熱式質量流量計等があるが、熱式質量流量計が望ましく 、ホイップ食品用気相原料の供給ライン(16)に配設される。
【0025】 ホイップ食品の圧力を検知する手段(10)としては、力平衡式、インダクタ ンス式、容量式、ストレインゲ−ジ式、振動式等の圧力計があるが、ストレイン ゲ−ジ式圧力計が望ましく、ホイップ食品の吐出配管(14)に配設される。尚 、圧力を検知する手段として圧力センサを使用した場合、増幅器を必要とするが 、図1には示していない。
【0026】 ホイップ食品の粘度及び密度の積を検知する手段(11)としては、市販の超 音波振動粘度計(山内邦夫ら編、「ミルク総合辞典」、第418ペ−ジ〜420 ペ−ジ、朝倉書店、1992年)が望ましく、ホイップ食品の吐出配管(14) に配設される。
【0027】 ホイップ食品の硬度を算出する手段(12)としては、市販のパーソナルコン ピュ−タで良く、デスクトップ型、ノ−ト型等いかなる形態のものでも良い。
【0028】 これらの各手段を、例えば図1に例示するように組合わせて本考案のホイップ 食品の硬度検出装置は、構成されている。
【0029】 本考案の第2の考案であるホイップ食品の連続式製造装置は、図3で例示した 従来の連続式製造装置の構成要素に加えて、前記本考案の第一の考案である硬度 検出装置の構成要素を各々備え、さらに、ホイップ食品の硬度に応じて、回転型 攪拌機(4)内部のロ−タ−(5)の回転数を調節する制御手段(15)を備え ている。制御手段(15)としては、市販のコントロ−ラ−を用いることができ 、連続PID型(アナログ出力)が望ましい。
【0030】 制御手段(15)は前記計算手段(12)と統合して一つの計算出力手段とす ることもでき、逆に制御手段(15)を複数用いることもできる。
【0031】 また、制御する対象である操作因子としては、前記ロ−タ−(5)の回転数以 外にも、回転型攪拌装置(4)の内圧、回転型攪拌装置(4)内部の品温、ホイ ップ食品のオ−バ−ラン等、ホイップ食品の硬度を調節できる因子であれば、い かなるものを選択しても良く、この中の複数を組み合わせて用いても良い。しか し、簡便性を考慮すれば、ロ−タ−(5)の回転数を操作因子とすることが最も 望ましい。
【0032】 本考案においてホイップ食品は、気相原料と液相原料との混合、攪拌により形 成された微細気泡を含有する全ての食品であり、ホイップドクリ−ム、ホイップ ドバタ−、ホイップヨ−グルト、ホイップドゼリ−、ム−ス、マシュマロなどを 例示できるが、特にホイップドクリ−ムは硬度が重要な評価指標であることから 、ホイップドクリ−ムに本考案を適用することはとくに望ましい。
【0033】
【作用】
次に前記本考案の構成に基づいて本考案の作用を説明する。
【0034】 液相原料の流量を検知する手段(8)及び気相原料の流量を検知する手段(9 )が各々検知した値は出力値(A)及び(B)として、計算手段(12)に入力 される。同様に、粘度及び密度の積の検出値は出力値(C)として計算手段(1 2)に入力され、また、ホイップ食品の圧力を検知する手段(10)の検出値は (D)として同様に入力される。
【0035】 計算手段(12)においては、前記入力値(A)、(B)、(D)によってホ イップ食品の密度が求められ(菊地基和ら、化学工学会第24回秋季大会研究発 表講演要旨集、216ペ−ジ、化学工学会、1991年)、更に入力値(C)と 前記密度の値から、ホイップ食品のみかけ粘度が、次式により求められる。
【0036】 μa =R・(P+P0 ・FG /FL )/(ρc ・P) [ただし、上式においてμa はホイップ食品のみかけ粘度、Rはホイップ食品の 粘度及び密度の積、Pはホイップ食品の圧力、P0 は標準圧力、FL は液相原料 の流量、FG は気相原料の流量、ρc は液相原料の密度を表す] みかけ粘度μa の値は、後記の試験例1に記載するようにホイップ食品の硬度 PE と相関しているため、予め回帰式を作成して逐次計算すれば、ホイップ食品 の硬度PE として連続的に出力することができる。
【0037】 尚、ホイップドクリ−ムは非ニュ−トン流体であるため、一般にみかけ粘度の 値はそのみかけ粘度を測定する際の剪断速度によって異なるものとなる。例えば 、粘度及び密度の積を検知する手段(11)として超音波振動式粘度計を使用し た場合は、剪断速度は約14000sec-1であり、みかけ粘度μa の値は、こ れよりも剪断速度の遅い一般の粘度計(例えばB型粘度計等)で測定した測定値 とは必ずしも一致しない。
【0038】 次に本考案の連続式製造装置の作用を同様に説明する。
【0039】 前記の計算手段(12)が算出した結果が制御手段(15)に出力される。制 御手段(15)では、計算手段(12)から出力された硬度の値が目標とする硬 度の値になるように制御条件が算出され、算出結果が回転型攪拌機(4)の可変 速モ−タ−(7)に出力されてロ−タ−(5)の回転数が調節され、全体として ホイップ食品の硬度がフィ−ドバック制御されることによって、ホイップ食品の 硬度が目標とする硬度の値に収束するように精度良くコントロ−ルされる。
【0040】 次に本考案の実施例、試験例及び比較例を示して本考案を更に詳述するが、本 考案は以下の実施例、試験例に限定されるものではない。
【0041】
【実施例】
実施例1 本考案の検出装置をホイップドクリ−ムに適用した実施例を図1に模式的に示 す。
【0042】 回転型攪拌機4(森永乳業株式会社製、M−6型)には供給配管13及び吐出 配管14が接続され、この供給配管13には、空気分散装置3を介して気相原料 供給配管16が接続されている。
【0043】 供給配管13にはクリ−ム流量計8(横河電気株式会社製、AM202DH) が、気相原料供給配管16には空気流量計9(ブルックインスツルメント株式会 社製、5878A)が、吐出配管14には圧力計10(ミネベア株式会社製、P R110S)及び超音波振動粘度計11(富士工業製、FUV−1)が各々配設 され、これらの各計器は各々ケ−ブルで計算機12(NEC製、PC9801V X)に結線される。
【0044】 次に本実施例の作用を説明する。
【0045】 クリ−ム流量計8によって原料クリ−ムの流量が検知され、その結果は入力信 号Aとして計算機12に入力される。また、空気流量計9によって圧縮空気の流 量が検知され、同じく入力信号Bとして計算機12に入力される。同様に超音波 振動粘度計11(富士工業製、FUV−1)によって粘度及び密度の積が検知さ れ、また圧力計10によって圧力が検知され、入力信号CおよびDとして各々計 算機12に入力される。
【0046】 計算機12では入力信号A〜D、及びホイップドクリ−ムのみかけ粘度と硬度 との回帰式から、ホイップドクリ−ムの硬度が求められ、結果が出力されて、表 示装置(図示せず)に表示される。
【0047】 実施例2 本考案の連続式製造装置をホイップドクリ−ムに適用した場合の実施例を図2 に模式的に示す。
【0048】 原料クリ−ムを保持するタンク1(安田鉄工所製、200l型冷却機能付)と 、回転型攪拌機4(森永乳業株式会社製、M−6型)は供給配管13によって接 続され、この供給配管13には、供給ポンプ2及び空気分散装置3が順に設けら れている。回転型攪拌機4にはホイップドクリ−ムを排出する吐出配管14が配 設されており、供給ポンプ2、ロ−タ−5の回転数は、各々可変速モ−タ−6、 7によって自由に変更できる。
【0049】 供給配管13にはクリ−ム流量計8(横河電気株式会社製、AM202DH) が、気相原料供給配管16には空気流量計9(ブルックインスツルメント株式会 社製、5878A)が、吐出配管14には圧力計10(ミネベア株式会社製、P R110S)及び超音波振動粘度計11(富士工業製、FUV−1)が各々配設 され、これらの各計器は各々ケ−ブルで計算機12(NEC製、PC9801V X)に結線される。さらに計算機12にコントロ−ラ−15(山武ハネウェル製 、SDC200)が接続されており、コントロ−ラ−15はロ−タ−5を回転さ せる可変速モ−タ−7とケ−ブルで結線されている。
【0050】 実施例1と同様に計算機12によってホイップ食品の硬度が計算されるが、コ ントロ−ラ−15は、計算機12によって求められた結果から、硬度が目標値に 収束する条件をPID演算し、その結果を出力信号Eとして可変速モ−タ−7に 出力し、ロ−タ−5の回転数をフィ−ドバック制御する。
【0051】 次に試験例を示して本考案を詳述する。 試験例1 実施例2(図2参照)の装置を使用して、前記超音波振動粘度計(富士工業社 製、FUV−1)によって検出されるみかけ粘度とホイップドクリ−ムの硬度と の関係を測定する実験を行った。
【0052】 (1)実験装置及び原料 ホイップ装置 実施例2の装置 カップ(円筒形アクリル製) 内径46.5mm×内高さ59.0mm 原料クリ−ム 脂肪含量45.0%(森永乳業社製) (2)実験方法 実施例2の連続式製造装置により原料クリ−ムを連続的にホイップし、排出さ れたホイップドクリ−ムを一部採取してカップに入れた。採取時には計算手段1 2が算出するホイップドクリ−ムのみかけ粘度の値を記録した。
【0053】 カップ上端をすり切ることによって採取したホイップドクリ−ムの表面を平滑 にし、次にこのホイップドクリ−ムの硬度を針入度試験(penetratio n test:高分子学会レオロジ−委員会著、「レオロジ−測定法」、第13 0ページ〜第131ペ−ジ、第2版、共立出版、昭和43年)によって測定した 。詳述すれば、針入度試験器(cone penetrometer)を用い、 円錐角度40度、重量12gの円錐体をホイップドクリ−ム中に5秒間貫入させ 、円錐体がホイップドクリ−ム中に貫入した深さを1mm単位で読み取り、これ を針入度PE とした。従ってPE の値が大きいほどホイップドクリ−ムが軟らか いことを示す。
【0054】 以上の手順を、連続式製造装置のホイッピング条件を様々に変更しながら繰り 返し、本考案によって算出されたみかけ粘度μa と実際のホイップドクリ−ムの 硬度PE との関係を導いた。
【0055】 (3)試験結果 この試験の結果は、図4に示すとおりである。図4は、ホイップドクリ−ムの 硬度とみかけ粘度との関係を示し、図中横軸及び縦軸は、それぞれホイップドク リ−ムの硬度PE (単位:ミリメ−トル)及びみかけ粘度μa (単位:ミリパス カル・セコンド)を示す。この結果から、ホイップドクリ−ムの硬度PE とみか け粘度μa が完全に相関し、一つの回帰式で表現し得ることが判明した。
【0056】 試験例2 前記実施例2(図2参照)の装置によってホイップドクリ−ムの連続製造試験 を実施した。
【0057】 1.装置、原料、運転条件等 1)回転型攪拌機仕様 攪拌室内径 120mm ロ−タ−外径 116mm ロ−タ−長 430mm 2)原料クリ−ム仕様 脂肪含量45.0%のハイホイップエキストラ(森永乳業社製) 3)運転条件 原料クリ−ム流量 80l/h 回転型攪拌機入り口温度 6℃ 回転型攪拌機出口温度 10℃ 圧縮空気流量 96Nl/h
【0058】 2.試験方法 前記1.の3)の条件でロ−タ−回転数を400rpmで固定して運転し、硬 度PE の目標値を17mmとしたフィ−ドバック制御に切り替え、硬度が安定し た後、原料クリ−ム流量及び圧縮空気流量を、それぞれ100l/h及び120 Nl/hに故意に変動させ、制御の応答性を試験した。これと同時に、本考案の 装置で製造した試料(試験試料)について、運転時から経時的に試験例1と同一 の針入度試験により測定した。
【0059】 3.試験結果 この試験の結果は図5に示すとおりである。図5は、運転時時刻とホイップド クリ−ムの硬度との関係を示し、図中横軸及び縦軸は、それぞれ運転時時刻(分 )及びホイップドクリ−ムの硬度PE (単位:ミリメ−トル)を示す。同図の実 線は本考案の硬度検出装置による連続的出力値を示し、○は試料の針入度試験に よる測定値を示す。
【0060】 図5から明らかなように自動制御開始後約4分でホイップドクリ−ムの硬度が 目標値に達し、原料クリ−ム流量及び圧縮空気流量の故意の変動に対しても安定 性が認められた。自動制御による試料の測定値は、○で示した針入度試験のそれ ともよく一致しており、流量変更による配管中の流速の影響を受けないことが、 判明した。
【0061】 従って、本考案の装置を用いてホイップドクリ−ムを製造した場合は、流量の 変動(即ち製造量の変更)に伴うオペレ−タ−の過誤も防止できる。このことは 、実際の製造において、不良品の発生率が極めて低く、歩留まりが格段に優れて いることを示している。
【0062】 以上の結果から本考案を製品硬度の自動制御に適用した場合の効果が顕著であ ることが実証された。
【0063】
【考案の効果】
(1)ホイップ食品の硬度をオンラインで、しかも配管中の流量の影響を受けず に精度良く測定できる。 (2)変動に対する応答性が速く、従って硬度を自動制御する場合、製造条件の 変動に対する追随が、極めて良好である。 (3)センサ−自身がホイップ食品の物性に影響を及ぼすことがなく、安全性、 安定性に優れる。 (4)超音波振動方式のセンサ−部は構造が簡単であり、可動部分が全くないた め、保守点検性、洗浄性、衛生面に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の硬度検出装置の一実施例を示す工程図
兼構成図である。
【図2】本考案の連続式製造装置の他の実施例を示す工
程図兼構成図である。
【図3】従来のホイップドクリ−ムの連続式製造法を示
す工程図兼構成図である。
【図4】ホイップドクリ−ムのみかけ粘度と硬度との関
係を示す。
【図5】本考案の連続式装置を使用した場合の硬度の経
時変化を示す。
【符号の説明】
1 タンク 2 供給ポンプ 3 空気分散装置 4 回転型攪拌機 5 ロ−タ− 6 可変速モ−タ− 7 可変速モ−タ− 8 クリ−ム流量計 9 空気流量計 10 圧力計 11 粘度計 12 計算機 13 供給配管 14 吐出配管 15 コントロ−ラ− 16 気相原料供給配管
フロントページの続き (72)考案者 宮本 哲夫 東京都東大和市南街1−37−19 森永南街 寮317

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液相原料の流量を検知する手段、気相原
    料の流量を検知する手段、吐出配管に配置されるホイッ
    プされた食品の粘度及び密度の積を検知する手段、吐出
    配管内部の圧力を検知する手段、及び前記液相原料の流
    量、気相原料の流量、ホイップ食品の圧力、ホイップ食
    品の粘度及び密度の積からホイップ食品の硬度を算出す
    る手段を備えたことを特徴とするホイップ食品の硬度検
    出装置。
  2. 【請求項2】 ホイップ食品の粘度及び密度の積を検知
    する手段が、超音波振動粘度計である請求項1記載のホ
    イップ食品の硬度検出装置。
  3. 【請求項3】 液相原料の流量を検知する手段、気相原
    料の流量を検知する手段、吐出配管に配置されるホイッ
    プされた食品の粘度及び密度の積を検知する手段、吐出
    配管内部の圧力を検知する手段、及び前記液相原料の流
    量、気相原料の流量、ホイップ食品の圧力、ホイップ食
    品の粘度及び密度の積からホイップ食品の硬度を算出す
    る手段、並びに既算出手段の算出結果に応じて回転型攪
    拌機のロ−タ−回転数を調節する手段を備えたこと特徴
    とするホイップ食品の連続式製造装置。
  4. 【請求項4】 ホイップ食品の粘度及び密度の積を検知
    する手段が、超音波振動粘度計である請求項3記載のホ
    イップ食品の連続式製造装置。
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