JP2008224468A - ホイップ状態を検知する方法及びホイップ食品を得る方法 - Google Patents

ホイップ状態を検知する方法及びホイップ食品を得る方法 Download PDF

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彰人 西山
Nobuhiro Otsubo
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Abstract

【課題】本発明の目的は、簡便な方法において連続的に、ホイップ状態を数値化し、誰でも用途に合うホイップ状態を得ることが出来、精度よく再現性が高く且つ自動制御系に組み込めるホイップ状態を検知する方法及び設定したホイップ状態のホイップ食品を得る方法を提供する事にある。
【解決手段】本発明は、液状及び/又は流動状原料と気相とを混合して得られるホイップ食品の製造において、ホイップ段階の進行に伴なって昇値する力率又は力率計から求められる消費電力によってホイップ状態を検知する方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ホイップ食品のホイップ状態を検知する方法及びホイップ食品を得る方法に関する。
ホイップドクリームに代表されるホイップ食品は気泡を含有している関係から食感、口当たりが良く、又容積に対してカロリーも低いので近年の食ニーズに答えうる材料の一つである。そして気泡を含んではいるがある程度の硬さ(保形性)を有しているのでデコレーションケーキの外観を装飾する材料としたり、デザートとして果物と一緒に食する材料として使用したり、パンのフィリングとして使用したりで、製菓・製パンの中心的な材料となっている。
このホイップドクリームは液状原料であるクリームを攪拌することによって気泡を取り込みある程度の硬さになったら攪拌を止めて得ることができる。
しかしながら、この攪拌を止めるという作業は多くの場合、熟練を要し、視覚、触覚等の人間の感性により判断されていた。通常攪拌中は作業者はホイップ装置についていなければならず作業負担が重く、人間による判断であるためホイップ状態の品質も一定しないという問題があった。
これらの問題を解決しようといくつかの提案がなされている。
非特許文献1のp78に、「ホイッピングクリームのホイッピングは、Fig.2に示した装置を用いて、5℃の恒温室で行った。このホイップ装置は家庭用ミキサー(GE社MODEL55型)を組み込み試作したもので、ストレインゲージと直結したセンサーが、回転するボール中のホイッピングクリームの硬さの増加を検知できるようになっている。この時、記録計上に得られるホイップ曲線をFig.3に示した。ホイッピングの終点は、Fig.3上では第4ステージに相当するが、この点は、センサーにかかる応力とオーバーラン、官能評価値、ホイップドクリームの特性、等の品質特性値との関係から、最適応力点として定義された。」が記載されている。これはセンサーにかかる応力でホイップ状態を検知する方法であり、攪拌機以外、別途特殊な装置を必要とするものであった。 特許文献1では、ホイップ用の液体原料と、気相原料とを連続的に所望の配合比で供給され、回転型攪拌機により連続的にホイップするホイップ食品の連続式製造法において、回転型攪拌機の内圧を調節することにより、ホイップ食品の硬さを制御することを特徴とするホイップ食品の連続式製造法が提案されている。これは回転型攪拌機の内圧を調節することにより硬さを調整するものである。
New Food Industry Vol.28 No.11(1986),p78 特開平03−27276号公報
本発明の目的は、簡便な方法において連続的に、ホイップ状態を数値化し、誰でも用途に合うホイップ状態を得ることが出来、精度よく再現性が高く且つ自動制御系に組み込めるホイップ状態を検知する方法及び設定したホイップ状態のホイップ食品を得る方法を提供する事にある。
本発明者らは鋭意研究を行った結果、液状及び/又は流動状原料と気相とを混合して得られるホイップ食品において、ホイップ状態が進むに連れて硬さが上昇しホイップ装置のモーターに負荷が掛かり、特に低負荷領域において電流値の変化率よりも力率の変化率が高いことに着目し、力率がホイップ食品のホイップ状態を検知するのに有効であるということを見出し本発明を完成させた。
即ち本発明の第1は、液状及び/又は流動状原料と気相とを混合して得られるホイップ食品の製造において、ホイップ段階の進行に伴なって昇値する力率又は力率計から求められる消費電力によってホイップ状態を検知する方法である。第2は、力率又は力率計から求められる消費電力が90°電気角に対して2.0%以下の誤差で計測できる電子式力率計を使用する、第1記載のホイップ状態を検知する方法である。第3は、最適なホイップ状態の力率又は力率計から求められる消費電力を予め設定しておき、ホイップ装置が回分式の場合は当該設定値でホイップ装置の作動を停止してホイップ食品を得る方法であり、ホイップ装置が連続式の場合は当該設定値の範囲でホイップ装置の攪拌機の回転数又は気相量を調整してホイップ食品を得る方法である。第4は、三相誘導電動機に対して力率計を付加してなるホイップ装置である。第5は、力率計が90°電気角に対して2.0%以下の誤差で計測できる電子式力率計である、第4記載のホイップ装置である。
簡便な方法において、連続的にホイップ状態を数値化し、誰でも用途に合うホイップ状態を得ることが出来、精度よく再現性が高く且つ自動制御系に組み込めるホイップ状態を検知する方法及び設定したホイップ状態のホイップ食品を得る方法を提供する事が可能になった。
本発明のホイップ食品のホイップ状態を検知する方法について説明する。
ホイップ食品としては、ホイップドクリームの他、ホイップドチョコレート、ホイップドバター、ホイップドマーガリン、ホイップヨーグルトが例示できる。何れの食品においてもホイップの終点付近で硬さが増加しホイップ装置のモーターに負荷が掛かるものであり、中でも典型的な例としてホイップドクリームが挙げられる。
<食品加工工程で使用される装置にて食品に投入される電気エネルギーと当該食品状態変化に関する考察>
ある物質に対して機械的エネルギーが投入された場合、その投入されたエネルギーは、エネルギー保存の法則により消失する事はない。
即ち、投入エネルギーは物質の状態変化(物理・化学両変化を含む)に変換された形で保存される。
ここで、通常機械的エネルギーは、モーター動力によって供給されるものが大半でありよって投入エネルギーはモーター動力の単位であるKWh(消費電力量)で表現される。
又、投入エネルギー(以下inputKWhとする)は、エネルギー保存則より、物質の状態変化の形で保存される為、下記の表現が可能である。
inputKWh=熱エネルギー+物質の状態変化 (A)
(圧力・運動・位置も含む)
食品においては、(A)式は一般的には、以下の内容になる事が多い(但しスタート静置→終了静置において)
inputKWh= 品温上昇 + 相変化 + 物性変化 (B)
品温上昇:(顕熱上昇)
相変化 :(気化熱・結晶融解熱)
物性変化:(粒子径変化・乳化状態変化・化学変化)
これを、ホイップドクリームに適用すると、
inputKWh=品温上昇+結晶融解+ホイップの状態変化
物質の抵抗が、機械的エネルギーを要求する結果となるものであり、結果抵抗摩擦熱による品温上昇,結晶融解及び抵抗による物性変化をもたらすものである。
つまり、inputKWhは物質の抵抗によって電気エネルギーが変換される為、結果としてinputKWhの瞬時値即ち、inputKW(inputKWhはinputKWの積分値)と物質の抵抗値は相関するといえる。
上記の考え方(一般的ではあるが)を利用して、今回ホイップドクリームのホイップの状態をinputKWにて数値管理することを検討するものである。
<ホイップドクリームのホイップ状態を検知する方法及びその操作の考え方>
先の概要に示す考えに立脚し、ホイップドクリームの状態変化及びその要求終点をinputKWと相関させる事が可能であると想定し実施した。
通常液状原料であるクリームからホイップドクリームを製造する工程は、殆ど人間の経験及び感性に頼っている。
しかしながら、上記内容の作業には熟練と人間の監視が必要であり、作業自体非常に非効率であり不安定さも内包している。
今回、本問題点解消を目的として、概要に立脚してホイップ状態の終点を数値管理する為のホイップの状態と力率(inputKWの構成因子)との相関検討を行った。
具体的には、クリームはホイップが進むにつれて硬さが発現し、結果として攪拌機の羽根への抵抗が増加し、モーターのinputKWが増大する。
モーターinputKWは下記の算出式にて計算可能であるが、通常工程管理において「力率」の想定をすることは殆どない。
inputKW=(3の2分の1乗)×(電流)×(電圧)×力率×モーター効率 (1)
(消費電力)
電圧;現場においては、ほぼ一定である。但し、工場全体の負荷が増減した場合若干の変化は発生する。
通常±10%内におさめるトランス能力設計となっており、仮にそれ以上の変化が発生すると、制御系の誤動作が発生する可能性があり、工場運転が不能となる場合がある為、範囲内の管理がなされる。
電流;現場の各機器においては、機械保護を目的として、動力負荷の変化を間接的に見る為に、電流管理を行なう事が通常手段である。
しかし、今回実施した結果から読み取れるように、低負荷領域においては、電流値の変化は極めて少ない。その領域においては、電流値は一定とみなす事が出来る。
効率;inputKW変化に伴い、理論的にモーター磁界コイルでの熱発生によるエネルギー損失は、inputKWに対して比例的に変化する。従って、効率としては一定とみなす事が出来る。(但し、実際の測定は極めて困難)
力率;計器に測定表示される電流値には無効電流(仕事をしない電流)が含まれる。力率とは実効電流を全電流で割り返した数値である。次頁の多くの実施例が示す通り、本力率は低負荷領域においてドラスティックに変化した。
以上の各因子の解釈より、(1)式は下式に纏める事が可能と判断する。
inputKW=K×力率 (2)
(K=(3の2分の1乗)×(電流)×(電圧)×モーター効率=一定)
この点に着目して、ホイップの状態と力率との相関を検討するに至った。
ここでinputKWと攪拌羽根にかかる力即ちT(トルク)との関係は下式で示す通りである。
T(kgf・cm)=97400×(KW/rpm) (3)
一定回転数(rpm)にてホイップを行なう場合、(3)式は
T=(97400/rpm)×KW (4)
となる。
(4)式より、inputKWと羽根にかかるトルクは、比例関係にある事が解る。
(2)を(4)に代入すると
T=(97400/rpm)・K×力率 (5)
の関係が成立する。
T=A×力率 (6)
(A=97400・K/rpm=一定)
よって、T(トルク)と力率は、ほぼ 比例関係にあるといえる。(電流,電圧,効率=ほぼ一定)
現象的に表現すると、トルクが上昇するという事は、物の抵抗が増加するという事である。物の抵抗が増加するという事は、ホイップドクリームの硬さが大きくなるという事である。
従って、ホイップドクリームの硬さが大きくなると(6)式より力率が上昇する事になる。
以上の考察に鑑み、以下に示す実験結果により、ホイップの状態は力率を因子とする数値管理で可能であることが判明した。
従来、力率はエネルギー効率の指標として多く用いられていたが、今回のようなホイップ食品のホイップ状態を検知する指標としての利用はなかった。
即ち、液状及び/又は流動状原料と気相とを混合して得られるホイップ食品の製造において、ホイップ段階の進行に伴なって昇値する力率又は力率計から求められる消費電力によってホイップ状態を検知する方法である。
実施にあたっては、データー測定の為、出願人にてホイップ状態検知の為の検知制御装置を製作した。
検知制御装置の概略を図1に示した。
検知制御装置は、各相の電圧、電流及びそれらデーターから演算にて求められる力率、消費電力(KW)を表示出来、その数値をもとに制御できる装置とした。ホイップ装置への電源線より、電流値、電圧値、力率、消費電力を測定する電子式力率計(MM)、三菱電機(株)製、型式 ME110NSR−4APHを使用した。なおその電流値を検出するためのカレントトランスフォーマ(CT)には、三菱電機(株)製、型式 CW5LPを使用した。
本電子式力率計においては、力率の測定は90°電気角に対して2.0%以下の誤差、好ましくは1.0%以下、更に0.5%以下の誤差で正確に測定できるものが好ましい。
本検知制御装置はホイップ装置が回分式のコートミキサーの場合は、コートミキサー(カントー(株)CS型20Eのモーター)と220ボルト電源間に割込み設置し、電流値・力率の経時変化を測定した。
連続式の場合は連続ホイップ装置の攪拌機と440ボルト電源間に割込み設置し、電流値・力率の経時変化を測定した。
本検知制御装置はホイップ装置内に内蔵してもいいし、別体の検知制御装置としても良い。
本発明のホイップ食品を得る方法としては、最適なホイップ状態の力率又は力率計から求められる消費電力を求めておき、ホイップ装置が回分式の場合は力率又は消費電力を判定回路に設定しておき、設定値になったらホイップ装置の作動が停止してホイップ食品を得る方法であり、ホイップ装置が連続式の場合は力率又は力率計から求められる消費電力が設定値の範囲でホイップ装置の攪拌機の回転数又は気相量を調整してホイップ食品を得る方法である。
本発明においては、ホイップドクリ−ムを製造するホイップ装置としては、上記したように主に二種類がある。一つは回分式でもう一つは連続式である。回分式のホイップ装置は、主に攪拌機であって、ボウル等の容器に液状原料を貯留し、これを攪拌機によって泡だててホイップドクリ−ムを製造する方法である。この回分式製造法は、一般家庭、洋菓子店等においてホイップドクリ−ムを製造する際に広く実施されている方法である。
また連続式のホイップ装置は、ホイップ用の液状及び/又は流動状原料と気相原料とを連続的に所望の気泡含有率で供給し、回転型撹拌機により連続的にホイップし、ホイップしたホイップドクリ−ムを連続的に排出することにより連続的に製造するホイップ装置である。この連続式製造法は、大量処理が必要な食品工場において多用されている。
本検知制御装置は回分式でも連続式でも何れのホイップ装置にも使用できる。
このように本発明のホイップ装置は三相誘導電動機に対して力率計を付加してなるものであり、好ましくは力率計が90°電気角に対して2.0%以下の誤差で計測できる電子式力率計であるのが好ましい。
以下に本発明の実施例を示し本発明をより詳細に説明するが、本発明の精神は以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、%及び部は、いずれも重量基準を意味する。
ホイップドクリームの硬さの測定は、レオメーター(不動工業株式会社製)にて行った。測定条件は、サンプル容器:77mm内径40mm高さ、プランジャー30mm直径、送り台速度5cm/分、2cm進入したときの硬さで評価した。
実施例1−1
ホイップに使用する原料は、ホイッピングクリームである不二製油(株)製、YC200N(商品名;トッピング200N、無脂乳固形分 4.0%、乳脂肪分 2.0%、植物性脂肪分 43.0%)を使用した。
YC200Nを5℃冷蔵庫にて24時間保管後、品温が5℃であることを確認し、20℃に温度調整された部屋に設置されたコートミキサーにてホイップを実施した。使用したコートミキサーは、カントー(株)製、CS型20Eであり、モーターは日立(株)製、TFO型式、容量0.4KWであり、コートミキサーの攪拌速度は中高速で実施した。
図1に示した検知制御装置で判定回路を付加していない検知装置をコートミキサーと220ボルト電源間に割込み設置し、ホイップの進行に伴なう電流値、力率の変化を測定した。(力率の測定は90°電気角に対して2.0%以下の誤差で計測できる電子式力率計を用いた。)
本コートミキサーに5KgのYC200Nと400gの上白糖を仕込み、状態変化を視覚で観察しホイップ終点と判断したところでホイップを止めた。その時の力率が0.39であり、ホイップ状態は8分程度であった。そこでホイップを続け力率0.43でホイップを停止した。ホイップ状態は最適なものであった。
実施例1−2
実施例1−1と同様な条件でホイッピングクリームであるYC200Nをホイップしてホイップの進行に伴なう電流値、力率の変化を測定した。
結果はホイップ開始30秒後、力率が0.21であり、終点時の力率が0.43であり、硬さを測定したところ140g/cm2であった。
ホイップ時間(秒)に対しての力率と電流値の経時的変化を図2に示した。
図2より電流値の変化率より力率の変化率が高くホイップ状態の終点を決定するのに力率が有効であることが示唆された。
実施例1−3
判定回路を付加した図1の検知制御装置を用いて判定回路を力率0.43で停止の設定し 実施例1−1と同様な条件で、同テストを4回繰り返し、力率が0.43でホイップを終了した硬さを測定したところ、100g/cm2、140g/cm2、140g/cm2、150g/cm2で何れも良好なホイップ状態であった。
実施例2−1
実施例2−1においては、実施例1−1で使用したホイッピングクリームである不二製油(株)製、YC200N(商品名;トッピング200N、無脂乳固形分 4.0%、乳脂肪分 2.0%、植物性脂肪分 43.0%)をホイッピングクリームである不二製油(株)製、YC200F(商品名;トッピング200F、無脂乳固形分 7.0%、植物性脂肪分 40.0%)に替えた以外は実施例1−1と同様な操作により、状態変化を観察しながらホイップ状態が終点と判断したところでホイップを止めた。その時の力率は0.42であり、ホイップ状態は8分程度であった。そこでホイップを続け力率0.47でホイップを停止した。ホイップ状態は最適なものであった。
実施例2−2
実施例2−1と同様な条件でホイッピングクリームであるYC200Fをホイップしてホイップの進行に伴なう電流値、力率の変化を測定した。
結果はホイップ開始30秒後、力率が0.22であり、終点時の力率が0.47であり、硬さを測定したところ120g/cm2であった。
ホイップ時間(秒)に対しての力率と電流値の経時的変化を図2に示した。
図2より電流値の変化率より力率の変化率が高くホイップ状態の終点を決定するのに力率が有効であることが示唆された。
実施例3−1
実施例3−1においては、実施例1−1で使用したホイッピングクリームである不二製油(株)製、YC200N(商品名;トッピング200N、無脂乳固形分 4.0%、乳脂肪分 2.0%、植物性脂肪分 43.0%)をホイッピングクリームである不二製油(株)製、YC400(商品名;トッピング400、無脂乳固形分 5.0%、乳脂肪分 7.0%、植物性脂肪分 38.0%)に替えた以外は実施例1−1と同様な操作により、状態変化を観察しながらホイップ状態が終点と判断したところでホイップを止めた。その時の力率は0.36であり、ホイップ状態は9分程度であった。そこでホイップを続け力率0.39でホイップを停止した。ホイップ状態は最適なものであった。
実施例3−2
実施例3−1と同様な条件でホイッピングクリームであるYC400をホイップしてホイップの進行に伴なう電流値、力率の変化を測定した。
結果はホイップ開始30秒後、力率が0.22であり、終点時の力率が0.39であり、硬さを測定したところ140g/cm2であった。
ホイップ時間(秒)に対しての力率と電流値の経時的変化を図3に示した。
図3より電流値の変化率より力率の変化率が高くホイップ状態の終点を決定するのに力率が有効であることが示唆された。
実施例4−1
実施例4−1においては、実施例1−1で使用したホイッピングクリームである不二製油(株)製、YC200N(商品名;トッピング200N、無脂乳固形分 4.0%、乳脂肪分 2.0%、植物性脂肪分 43.0%)をホイッピングクリームである不二製油(株)製、YC400F(商品名;トッピング400F、無脂乳固形分 5.0%、乳脂肪分 7.0%、植物性脂肪分 38.0%)に替えた以外は実施例1−1と同様な操作により、状態変化を観察しながらホイップ状態が終点と判断したところでホイップを止めた。その時の力率は0.41であり、ホイップ状態は9分程度であった。そこでホイップを続け力率0.46でホイップを停止した。ホイップ状態は最適なものであった。
実施例4−2
実施例4−1と同様な条件でホイッピングクリームであるYC400Fをホイップしてホイップの進行に伴なう電流値、力率の変化を測定した。
結果はホイップ開始30秒後、力率が0.22であり、終点時の力率が0.46であり、硬さを測定したところ140g/cm2であった。
ホイップ時間(秒)に対しての力率と電流値の経時的変化を図3に示した。
図3より電流値の変化率より力率の変化率が高くホイップ状態の終点を決定するのに力率が有効であることが示唆された。
実施例5−1
実施例5−1においては、ホイッピングクリームである不二製油(株)製、YCL(商品名;トッピングL、無脂乳固形分 4.0%、乳脂肪分 0.5%、植物性脂肪分 40.0%)をホイップに使用する原料とした。YCLは糖を含有したクリームであるので上白糖は仕込まないで、YCL,5Kgを仕込み、実施例1−1と同様な操作により、状態変化を観察しながらホイップ状態が終点と判断したところでホイップを止めた。その時の力率は0.50であり、ホイップ状態は9分程度であった。そこでホイップを続け力率0.54でホイップを停止した。ホイップ状態は最適なものであった。
実施例5−2
実施例5−1と同様な条件でホイッピングクリームであるYCLをホイップしてホイップの進行に伴なう電流値、力率の変化を測定した。
結果はホイップ開始30秒後、力率が0.23であり、終点時の力率が0.54であり、硬さを測定したところで120g/cm2あった。
ホイップ時間(秒)に対しての力率と電流値の経時的変化を図4に示した。
図4より電流値の変化率より力率の変化率が高くホイップ状態の終点を決定するのに力率が有効であることが示唆された。
実施例6−1
実施例6−1においては、ホイッピングクリームである不二製油(株)製、YCP33(商品名;トッピングP33、無脂乳固形分 1.5%、植物性脂肪分 26.0%)をホイップに使用する原料とした。YCP33は糖を含有したクリームであるので上白糖は仕込まないで、YCP33、5Kgを仕込み、実施例1−1と同様な操作により、状態変化を観察しながらホイップ状態が終点と判断したところでホイップを止めた。その時の力率は0.48であり、ホイップ状態は9分程度であった。そこでホイップを続け力率0.49でホイップを停止した。ホイップ状態は最適なものであった。
実施例6−2
実施例6−1と同様な条件でホイッピングクリームであるYCP33をホイップしてホイップの進行に伴なう電流値、力率の変化を測定した。
結果はホイップ開始30秒後、力率が0.23であり、終点時の力率が0.49であり、硬さを測定したところ100g/cm2であった。
ホイップ時間(秒)に対しての力率と電流値の経時的変化を図4に示した。
図4より電流値の変化率より力率の変化率が高くホイップ状態の終点を決定するのに力率が有効であることが示唆された。
実施例7−1
実施例7−1においては、実施例1−1で使用したホイッピングクリームである不二製油(株)製、YC200N(商品名;トッピング200N、無脂乳固形分 4.0%、乳脂肪分 2.0%、植物性脂肪分 43.0%)をホイッピングクリームである不二製油(株)製、YE950MLT(商品名;Mホイップ950LT、無脂乳固形分 6.0%、植物性脂肪分 35.0%)に替えた以外は実施例1−1と同様な操作により、状態変化を観察しながらホイップ状態が終点と判断したところでホイップを止めた。その時の力率は0.43であり、ホイップ状態は9分程度であった。そこでホイップを続け力率0.59でホイップを停止した。ホイップ状態は最適なものであった。
実施例7−2
実施例7−1と同様な条件でホイッピングクリームであるYE950MLTをホイップしてホイップの進行に伴なう電流値、力率の変化を測定した。
結果はホイップ開始30秒後、力率が0.26であり、終点時の力率が0.59であり、硬さを測定したところ100g/cm2であった。
ホイップ時間(秒)に対しての力率と電流値の経時的変化を図5に示した。
図5より電流値の変化率より力率の変化率が高くホイップ状態の終点を決定するのに力率が有効であることが示唆された。
実施例8−1
実施例8−1においては、実施例1−1で使用したホイッピングクリームである不二製油(株)製、YC200N(商品名;トッピング200N、無脂乳固形分 4.0%、乳脂肪分 2.0%、植物性脂肪分 43.0%)をホイッピングクリームである不二製油(株)製、YE2000(商品名;ヨーロピアンホイップ2000、無脂乳固形分 6.0%、植物性脂肪分 35.0%)に替えた以外は実施例1−1と同様な操作により、状態変化を観察しながらホイップ状態が終点と判断したところでホイップを止めた。その時の力率は0.39であり、ホイップ状態は9分程度であった。そこでホイップを続け力率0.43でホイップを停止した。ホイップ状態は最適なものであった。
実施例8−2
実施例8−1と同様な条件でホイッピングクリームであるYE2000をホイップしてホイップの進行に伴なう電流値、力率の変化を測定した。
結果はホイップ開始30秒後、力率が0.24であり、終点時の力率が0.43であり、硬さを測定したところ140g/cm2であった。
ホイップ時間(秒)に対しての力率と電流値の経時的変化を図5に示した。
図5より電流値の変化率より力率の変化率が高くホイップ状態の終点を決定するのに力率が有効であることが示唆された。
表1に実施例1−2〜実施例8−2のホイップドクリームについてホイップ時間(秒)に対して力率と電流値を経時的に纏めた。
Figure 2008224468
本発明は、ホイップ食品のホイップ状態を検知する方法及びホイップ食品を得る方法に関するものである。
検知制御装置の概略図 実施例1−2、YC200N 実施例2−2、YC200Fについてのホイップ時間(秒)に対しての力率と電流値の経時的変化を示す図 実施例3−2、YC400 実施例4−2、YC400Fについてのホイップ時間(秒)に対しての力率と電流値の経時的変化を示す図 実施例5−2、YCL 実施例6−2、YCP33についてのホイップ時間(秒)に対しての力率と電流値の経時的変化を示す図 実施例7−2、YE950MLT 実施例8−2、YE2000についてのホイップ時間(秒)に対しての力率と電流値の経時的変化を示す図
符号の説明
1 電子式力率計(MM)
各相の電圧、電流より力率、消費電力を計算し
電圧、電流、力率、消費電力、皮相電力、無効電力を表示
及び外部出力する装置

2 カレントトランスフォーマ(CT)
ホイップ装置のモーターの定格電流に合わせて
選定される変流器

Claims (5)

  1. 液状及び/又は流動状原料と気相とを混合して得られるホイップ食品の製造において、ホイップ段階の進行に伴なって昇値する力率又は力率計から求められる消費電力によってホイップ状態を検知する方法。
  2. 力率又は力率計から求められる消費電力が90°電気角に対して2.0%以下の誤差で計測できる電子式力率計を使用する、請求項1記載のホイップ状態を検知する方法。
  3. 最適なホイップ状態の力率又は力率計から求められる消費電力を予め設定しておき、ホイップ装置が回分式の場合は当該設定値でホイップ装置の作動を停止してホイップ食品を得る方法であり、ホイップ装置が連続式の場合は当該設定値の範囲でホイップ装置の攪拌機の回転数又は気相量を調整してホイップ食品を得る方法。
  4. 三相誘導電動機に対して力率計を付加してなるホイップ装置。
  5. 力率計が90°電気角に対して2.0%以下の誤差で計測できる電子式力率計である、請求項4記載のホイップ装置。
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