JP2008224468A - ホイップ状態を検知する方法及びホイップ食品を得る方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、液状及び/又は流動状原料と気相とを混合して得られるホイップ食品の製造において、ホイップ段階の進行に伴なって昇値する力率又は力率計から求められる消費電力によってホイップ状態を検知する方法である。
【選択図】なし
Description
このホイップドクリームは液状原料であるクリームを攪拌することによって気泡を取り込みある程度の硬さになったら攪拌を止めて得ることができる。
しかしながら、この攪拌を止めるという作業は多くの場合、熟練を要し、視覚、触覚等の人間の感性により判断されていた。通常攪拌中は作業者はホイップ装置についていなければならず作業負担が重く、人間による判断であるためホイップ状態の品質も一定しないという問題があった。
これらの問題を解決しようといくつかの提案がなされている。
非特許文献1のp78に、「ホイッピングクリームのホイッピングは、Fig.2に示した装置を用いて、5℃の恒温室で行った。このホイップ装置は家庭用ミキサー(GE社MODEL55型)を組み込み試作したもので、ストレインゲージと直結したセンサーが、回転するボール中のホイッピングクリームの硬さの増加を検知できるようになっている。この時、記録計上に得られるホイップ曲線をFig.3に示した。ホイッピングの終点は、Fig.3上では第4ステージに相当するが、この点は、センサーにかかる応力とオーバーラン、官能評価値、ホイップドクリームの特性、等の品質特性値との関係から、最適応力点として定義された。」が記載されている。これはセンサーにかかる応力でホイップ状態を検知する方法であり、攪拌機以外、別途特殊な装置を必要とするものであった。 特許文献1では、ホイップ用の液体原料と、気相原料とを連続的に所望の配合比で供給され、回転型攪拌機により連続的にホイップするホイップ食品の連続式製造法において、回転型攪拌機の内圧を調節することにより、ホイップ食品の硬さを制御することを特徴とするホイップ食品の連続式製造法が提案されている。これは回転型攪拌機の内圧を調節することにより硬さを調整するものである。
即ち本発明の第1は、液状及び/又は流動状原料と気相とを混合して得られるホイップ食品の製造において、ホイップ段階の進行に伴なって昇値する力率又は力率計から求められる消費電力によってホイップ状態を検知する方法である。第2は、力率又は力率計から求められる消費電力が90°電気角に対して2.0%以下の誤差で計測できる電子式力率計を使用する、第1記載のホイップ状態を検知する方法である。第3は、最適なホイップ状態の力率又は力率計から求められる消費電力を予め設定しておき、ホイップ装置が回分式の場合は当該設定値でホイップ装置の作動を停止してホイップ食品を得る方法であり、ホイップ装置が連続式の場合は当該設定値の範囲でホイップ装置の攪拌機の回転数又は気相量を調整してホイップ食品を得る方法である。第4は、三相誘導電動機に対して力率計を付加してなるホイップ装置である。第5は、力率計が90°電気角に対して2.0%以下の誤差で計測できる電子式力率計である、第4記載のホイップ装置である。
ホイップ食品としては、ホイップドクリームの他、ホイップドチョコレート、ホイップドバター、ホイップドマーガリン、ホイップヨーグルトが例示できる。何れの食品においてもホイップの終点付近で硬さが増加しホイップ装置のモーターに負荷が掛かるものであり、中でも典型的な例としてホイップドクリームが挙げられる。
ある物質に対して機械的エネルギーが投入された場合、その投入されたエネルギーは、エネルギー保存の法則により消失する事はない。
即ち、投入エネルギーは物質の状態変化(物理・化学両変化を含む)に変換された形で保存される。
ここで、通常機械的エネルギーは、モーター動力によって供給されるものが大半でありよって投入エネルギーはモーター動力の単位であるKWh(消費電力量)で表現される。
又、投入エネルギー(以下inputKWhとする)は、エネルギー保存則より、物質の状態変化の形で保存される為、下記の表現が可能である。
inputKWh=熱エネルギー+物質の状態変化 (A)
(圧力・運動・位置も含む)
食品においては、(A)式は一般的には、以下の内容になる事が多い(但しスタート静置→終了静置において)
inputKWh= 品温上昇 + 相変化 + 物性変化 (B)
品温上昇:(顕熱上昇)
相変化 :(気化熱・結晶融解熱)
物性変化:(粒子径変化・乳化状態変化・化学変化)
inputKWh=品温上昇+結晶融解+ホイップの状態変化
物質の抵抗が、機械的エネルギーを要求する結果となるものであり、結果抵抗摩擦熱による品温上昇,結晶融解及び抵抗による物性変化をもたらすものである。
つまり、inputKWhは物質の抵抗によって電気エネルギーが変換される為、結果としてinputKWhの瞬時値即ち、inputKW(inputKWhはinputKWの積分値)と物質の抵抗値は相関するといえる。
上記の考え方(一般的ではあるが)を利用して、今回ホイップドクリームのホイップの状態をinputKWにて数値管理することを検討するものである。
先の概要に示す考えに立脚し、ホイップドクリームの状態変化及びその要求終点をinputKWと相関させる事が可能であると想定し実施した。
通常液状原料であるクリームからホイップドクリームを製造する工程は、殆ど人間の経験及び感性に頼っている。
しかしながら、上記内容の作業には熟練と人間の監視が必要であり、作業自体非常に非効率であり不安定さも内包している。
今回、本問題点解消を目的として、概要に立脚してホイップ状態の終点を数値管理する為のホイップの状態と力率(inputKWの構成因子)との相関検討を行った。
具体的には、クリームはホイップが進むにつれて硬さが発現し、結果として攪拌機の羽根への抵抗が増加し、モーターのinputKWが増大する。
inputKW=(3の2分の1乗)×(電流)×(電圧)×力率×モーター効率 (1)
(消費電力)
電圧;現場においては、ほぼ一定である。但し、工場全体の負荷が増減した場合若干の変化は発生する。
通常±10%内におさめるトランス能力設計となっており、仮にそれ以上の変化が発生すると、制御系の誤動作が発生する可能性があり、工場運転が不能となる場合がある為、範囲内の管理がなされる。
電流;現場の各機器においては、機械保護を目的として、動力負荷の変化を間接的に見る為に、電流管理を行なう事が通常手段である。
しかし、今回実施した結果から読み取れるように、低負荷領域においては、電流値の変化は極めて少ない。その領域においては、電流値は一定とみなす事が出来る。
効率;inputKW変化に伴い、理論的にモーター磁界コイルでの熱発生によるエネルギー損失は、inputKWに対して比例的に変化する。従って、効率としては一定とみなす事が出来る。(但し、実際の測定は極めて困難)
力率;計器に測定表示される電流値には無効電流(仕事をしない電流)が含まれる。力率とは実効電流を全電流で割り返した数値である。次頁の多くの実施例が示す通り、本力率は低負荷領域においてドラスティックに変化した。
inputKW=K×力率 (2)
(K=(3の2分の1乗)×(電流)×(電圧)×モーター効率=一定)
この点に着目して、ホイップの状態と力率との相関を検討するに至った。
ここでinputKWと攪拌羽根にかかる力即ちT(トルク)との関係は下式で示す通りである。
T(kgf・cm)=97400×(KW/rpm) (3)
一定回転数(rpm)にてホイップを行なう場合、(3)式は
T=(97400/rpm)×KW (4)
となる。
(4)式より、inputKWと羽根にかかるトルクは、比例関係にある事が解る。
(2)を(4)に代入すると
T=(97400/rpm)・K×力率 (5)
の関係が成立する。
T=A×力率 (6)
(A=97400・K/rpm=一定)
よって、T(トルク)と力率は、ほぼ 比例関係にあるといえる。(電流,電圧,効率=ほぼ一定)
従って、ホイップドクリームの硬さが大きくなると(6)式より力率が上昇する事になる。
以上の考察に鑑み、以下に示す実験結果により、ホイップの状態は力率を因子とする数値管理で可能であることが判明した。
従来、力率はエネルギー効率の指標として多く用いられていたが、今回のようなホイップ食品のホイップ状態を検知する指標としての利用はなかった。
即ち、液状及び/又は流動状原料と気相とを混合して得られるホイップ食品の製造において、ホイップ段階の進行に伴なって昇値する力率又は力率計から求められる消費電力によってホイップ状態を検知する方法である。
検知制御装置の概略を図1に示した。
検知制御装置は、各相の電圧、電流及びそれらデーターから演算にて求められる力率、消費電力(KW)を表示出来、その数値をもとに制御できる装置とした。ホイップ装置への電源線より、電流値、電圧値、力率、消費電力を測定する電子式力率計(MM)、三菱電機(株)製、型式 ME110NSR−4APHを使用した。なおその電流値を検出するためのカレントトランスフォーマ(CT)には、三菱電機(株)製、型式 CW5LPを使用した。
本電子式力率計においては、力率の測定は90°電気角に対して2.0%以下の誤差、好ましくは1.0%以下、更に0.5%以下の誤差で正確に測定できるものが好ましい。
本検知制御装置はホイップ装置が回分式のコートミキサーの場合は、コートミキサー(カントー(株)CS型20Eのモーター)と220ボルト電源間に割込み設置し、電流値・力率の経時変化を測定した。
連続式の場合は連続ホイップ装置の攪拌機と440ボルト電源間に割込み設置し、電流値・力率の経時変化を測定した。
本検知制御装置はホイップ装置内に内蔵してもいいし、別体の検知制御装置としても良い。
本検知制御装置は回分式でも連続式でも何れのホイップ装置にも使用できる。
このように本発明のホイップ装置は三相誘導電動機に対して力率計を付加してなるものであり、好ましくは力率計が90°電気角に対して2.0%以下の誤差で計測できる電子式力率計であるのが好ましい。
ホイップドクリームの硬さの測定は、レオメーター(不動工業株式会社製)にて行った。測定条件は、サンプル容器:77mm内径40mm高さ、プランジャー30mm直径、送り台速度5cm/分、2cm進入したときの硬さで評価した。
ホイップに使用する原料は、ホイッピングクリームである不二製油(株)製、YC200N(商品名;トッピング200N、無脂乳固形分 4.0%、乳脂肪分 2.0%、植物性脂肪分 43.0%)を使用した。
YC200Nを5℃冷蔵庫にて24時間保管後、品温が5℃であることを確認し、20℃に温度調整された部屋に設置されたコートミキサーにてホイップを実施した。使用したコートミキサーは、カントー(株)製、CS型20Eであり、モーターは日立(株)製、TFO型式、容量0.4KWであり、コートミキサーの攪拌速度は中高速で実施した。
図1に示した検知制御装置で判定回路を付加していない検知装置をコートミキサーと220ボルト電源間に割込み設置し、ホイップの進行に伴なう電流値、力率の変化を測定した。(力率の測定は90°電気角に対して2.0%以下の誤差で計測できる電子式力率計を用いた。)
本コートミキサーに5KgのYC200Nと400gの上白糖を仕込み、状態変化を視覚で観察しホイップ終点と判断したところでホイップを止めた。その時の力率が0.39であり、ホイップ状態は8分程度であった。そこでホイップを続け力率0.43でホイップを停止した。ホイップ状態は最適なものであった。
実施例1−2
実施例1−1と同様な条件でホイッピングクリームであるYC200Nをホイップしてホイップの進行に伴なう電流値、力率の変化を測定した。
結果はホイップ開始30秒後、力率が0.21であり、終点時の力率が0.43であり、硬さを測定したところ140g/cm2であった。
ホイップ時間(秒)に対しての力率と電流値の経時的変化を図2に示した。
図2より電流値の変化率より力率の変化率が高くホイップ状態の終点を決定するのに力率が有効であることが示唆された。
実施例1−3
判定回路を付加した図1の検知制御装置を用いて判定回路を力率0.43で停止の設定し 実施例1−1と同様な条件で、同テストを4回繰り返し、力率が0.43でホイップを終了した硬さを測定したところ、100g/cm2、140g/cm2、140g/cm2、150g/cm2で何れも良好なホイップ状態であった。
実施例2−1においては、実施例1−1で使用したホイッピングクリームである不二製油(株)製、YC200N(商品名;トッピング200N、無脂乳固形分 4.0%、乳脂肪分 2.0%、植物性脂肪分 43.0%)をホイッピングクリームである不二製油(株)製、YC200F(商品名;トッピング200F、無脂乳固形分 7.0%、植物性脂肪分 40.0%)に替えた以外は実施例1−1と同様な操作により、状態変化を観察しながらホイップ状態が終点と判断したところでホイップを止めた。その時の力率は0.42であり、ホイップ状態は8分程度であった。そこでホイップを続け力率0.47でホイップを停止した。ホイップ状態は最適なものであった。
実施例2−2
実施例2−1と同様な条件でホイッピングクリームであるYC200Fをホイップしてホイップの進行に伴なう電流値、力率の変化を測定した。
結果はホイップ開始30秒後、力率が0.22であり、終点時の力率が0.47であり、硬さを測定したところ120g/cm2であった。
ホイップ時間(秒)に対しての力率と電流値の経時的変化を図2に示した。
図2より電流値の変化率より力率の変化率が高くホイップ状態の終点を決定するのに力率が有効であることが示唆された。
実施例3−1においては、実施例1−1で使用したホイッピングクリームである不二製油(株)製、YC200N(商品名;トッピング200N、無脂乳固形分 4.0%、乳脂肪分 2.0%、植物性脂肪分 43.0%)をホイッピングクリームである不二製油(株)製、YC400(商品名;トッピング400、無脂乳固形分 5.0%、乳脂肪分 7.0%、植物性脂肪分 38.0%)に替えた以外は実施例1−1と同様な操作により、状態変化を観察しながらホイップ状態が終点と判断したところでホイップを止めた。その時の力率は0.36であり、ホイップ状態は9分程度であった。そこでホイップを続け力率0.39でホイップを停止した。ホイップ状態は最適なものであった。
実施例3−2
実施例3−1と同様な条件でホイッピングクリームであるYC400をホイップしてホイップの進行に伴なう電流値、力率の変化を測定した。
結果はホイップ開始30秒後、力率が0.22であり、終点時の力率が0.39であり、硬さを測定したところ140g/cm2であった。
ホイップ時間(秒)に対しての力率と電流値の経時的変化を図3に示した。
図3より電流値の変化率より力率の変化率が高くホイップ状態の終点を決定するのに力率が有効であることが示唆された。
実施例4−1においては、実施例1−1で使用したホイッピングクリームである不二製油(株)製、YC200N(商品名;トッピング200N、無脂乳固形分 4.0%、乳脂肪分 2.0%、植物性脂肪分 43.0%)をホイッピングクリームである不二製油(株)製、YC400F(商品名;トッピング400F、無脂乳固形分 5.0%、乳脂肪分 7.0%、植物性脂肪分 38.0%)に替えた以外は実施例1−1と同様な操作により、状態変化を観察しながらホイップ状態が終点と判断したところでホイップを止めた。その時の力率は0.41であり、ホイップ状態は9分程度であった。そこでホイップを続け力率0.46でホイップを停止した。ホイップ状態は最適なものであった。
実施例4−2
実施例4−1と同様な条件でホイッピングクリームであるYC400Fをホイップしてホイップの進行に伴なう電流値、力率の変化を測定した。
結果はホイップ開始30秒後、力率が0.22であり、終点時の力率が0.46であり、硬さを測定したところ140g/cm2であった。
ホイップ時間(秒)に対しての力率と電流値の経時的変化を図3に示した。
図3より電流値の変化率より力率の変化率が高くホイップ状態の終点を決定するのに力率が有効であることが示唆された。
実施例5−1においては、ホイッピングクリームである不二製油(株)製、YCL(商品名;トッピングL、無脂乳固形分 4.0%、乳脂肪分 0.5%、植物性脂肪分 40.0%)をホイップに使用する原料とした。YCLは糖を含有したクリームであるので上白糖は仕込まないで、YCL,5Kgを仕込み、実施例1−1と同様な操作により、状態変化を観察しながらホイップ状態が終点と判断したところでホイップを止めた。その時の力率は0.50であり、ホイップ状態は9分程度であった。そこでホイップを続け力率0.54でホイップを停止した。ホイップ状態は最適なものであった。
実施例5−2
実施例5−1と同様な条件でホイッピングクリームであるYCLをホイップしてホイップの進行に伴なう電流値、力率の変化を測定した。
結果はホイップ開始30秒後、力率が0.23であり、終点時の力率が0.54であり、硬さを測定したところで120g/cm2あった。
ホイップ時間(秒)に対しての力率と電流値の経時的変化を図4に示した。
図4より電流値の変化率より力率の変化率が高くホイップ状態の終点を決定するのに力率が有効であることが示唆された。
実施例6−1においては、ホイッピングクリームである不二製油(株)製、YCP33(商品名;トッピングP33、無脂乳固形分 1.5%、植物性脂肪分 26.0%)をホイップに使用する原料とした。YCP33は糖を含有したクリームであるので上白糖は仕込まないで、YCP33、5Kgを仕込み、実施例1−1と同様な操作により、状態変化を観察しながらホイップ状態が終点と判断したところでホイップを止めた。その時の力率は0.48であり、ホイップ状態は9分程度であった。そこでホイップを続け力率0.49でホイップを停止した。ホイップ状態は最適なものであった。
実施例6−2
実施例6−1と同様な条件でホイッピングクリームであるYCP33をホイップしてホイップの進行に伴なう電流値、力率の変化を測定した。
結果はホイップ開始30秒後、力率が0.23であり、終点時の力率が0.49であり、硬さを測定したところ100g/cm2であった。
ホイップ時間(秒)に対しての力率と電流値の経時的変化を図4に示した。
図4より電流値の変化率より力率の変化率が高くホイップ状態の終点を決定するのに力率が有効であることが示唆された。
実施例7−1においては、実施例1−1で使用したホイッピングクリームである不二製油(株)製、YC200N(商品名;トッピング200N、無脂乳固形分 4.0%、乳脂肪分 2.0%、植物性脂肪分 43.0%)をホイッピングクリームである不二製油(株)製、YE950MLT(商品名;Mホイップ950LT、無脂乳固形分 6.0%、植物性脂肪分 35.0%)に替えた以外は実施例1−1と同様な操作により、状態変化を観察しながらホイップ状態が終点と判断したところでホイップを止めた。その時の力率は0.43であり、ホイップ状態は9分程度であった。そこでホイップを続け力率0.59でホイップを停止した。ホイップ状態は最適なものであった。
実施例7−2
実施例7−1と同様な条件でホイッピングクリームであるYE950MLTをホイップしてホイップの進行に伴なう電流値、力率の変化を測定した。
結果はホイップ開始30秒後、力率が0.26であり、終点時の力率が0.59であり、硬さを測定したところ100g/cm2であった。
ホイップ時間(秒)に対しての力率と電流値の経時的変化を図5に示した。
図5より電流値の変化率より力率の変化率が高くホイップ状態の終点を決定するのに力率が有効であることが示唆された。
実施例8−1においては、実施例1−1で使用したホイッピングクリームである不二製油(株)製、YC200N(商品名;トッピング200N、無脂乳固形分 4.0%、乳脂肪分 2.0%、植物性脂肪分 43.0%)をホイッピングクリームである不二製油(株)製、YE2000(商品名;ヨーロピアンホイップ2000、無脂乳固形分 6.0%、植物性脂肪分 35.0%)に替えた以外は実施例1−1と同様な操作により、状態変化を観察しながらホイップ状態が終点と判断したところでホイップを止めた。その時の力率は0.39であり、ホイップ状態は9分程度であった。そこでホイップを続け力率0.43でホイップを停止した。ホイップ状態は最適なものであった。
実施例8−2
実施例8−1と同様な条件でホイッピングクリームであるYE2000をホイップしてホイップの進行に伴なう電流値、力率の変化を測定した。
結果はホイップ開始30秒後、力率が0.24であり、終点時の力率が0.43であり、硬さを測定したところ140g/cm2であった。
ホイップ時間(秒)に対しての力率と電流値の経時的変化を図5に示した。
図5より電流値の変化率より力率の変化率が高くホイップ状態の終点を決定するのに力率が有効であることが示唆された。
各相の電圧、電流より力率、消費電力を計算し
電圧、電流、力率、消費電力、皮相電力、無効電力を表示
及び外部出力する装置
2 カレントトランスフォーマ(CT)
ホイップ装置のモーターの定格電流に合わせて
選定される変流器
Claims (5)
- 液状及び/又は流動状原料と気相とを混合して得られるホイップ食品の製造において、ホイップ段階の進行に伴なって昇値する力率又は力率計から求められる消費電力によってホイップ状態を検知する方法。
- 力率又は力率計から求められる消費電力が90°電気角に対して2.0%以下の誤差で計測できる電子式力率計を使用する、請求項1記載のホイップ状態を検知する方法。
- 最適なホイップ状態の力率又は力率計から求められる消費電力を予め設定しておき、ホイップ装置が回分式の場合は当該設定値でホイップ装置の作動を停止してホイップ食品を得る方法であり、ホイップ装置が連続式の場合は当該設定値の範囲でホイップ装置の攪拌機の回転数又は気相量を調整してホイップ食品を得る方法。
- 三相誘導電動機に対して力率計を付加してなるホイップ装置。
- 力率計が90°電気角に対して2.0%以下の誤差で計測できる電子式力率計である、請求項4記載のホイップ装置。
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