JPH07300631A - 酸素バーナ式回転溶解炉による酸化亜鉛回収方法及び その装置 - Google Patents

酸素バーナ式回転溶解炉による酸化亜鉛回収方法及び その装置

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JPH07300631A
JPH07300631A JP6090196A JP9019694A JPH07300631A JP H07300631 A JPH07300631 A JP H07300631A JP 6090196 A JP6090196 A JP 6090196A JP 9019694 A JP9019694 A JP 9019694A JP H07300631 A JPH07300631 A JP H07300631A
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zinc oxide
zinc
exhaust gas
furnace
oxygen burner
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Application number
JP6090196A
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English (en)
Inventor
Haruyoshi Hirano
春好 平野
Hidetoshi Hirai
秀敏 平井
Yuji Kamiya
雄二 神谷
Hiroshi Kobayashi
宏 小林
Hiroichi Shirakawa
博一 白川
Tsutomu Kizaki
勉 木崎
Yuji Okada
裕二 岡田
Yasuo Takeuchi
康夫 竹内
Hiroyuki Tsuruoka
洋幸 鶴岡
Makoto Chokai
誠 鳥海
Yutaka Takimoto
豊 滝本
Yutaka Ono
裕 大野
Hirotoshi Murata
博敏 村田
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Toyota Industries Corp
Teisan KK
Toyota Motor Corp
Naniwa Roki Co Ltd
Original Assignee
Teisan KK
Toyota Motor Corp
Naniwa Roki Co Ltd
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】亜鉛を含む鉄材から、高純度で安価に酸化亜鉛
粉末を回収することができるようにする。 【構成・作用】酸素バーナ式回転溶解炉の炉体10内に
亜鉛を含む鉄材を投入し、炉体10を回転させつつ一方
の開口11aから燃料と酸素とを吹き出して燃焼させる
ことにより炉体10内の鉄材を溶解させる。この溶解工
程中に他方の開口11bから排気ガスをダクト4により
外部に排気させる。かかる溶解工程の初期における限ら
れた時間帯、排気ガスをサイクロン45に導き、サイク
ロン45により排気ガス中の酸化亜鉛粉末(ZnO)を
物理的に捕集する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸素バーナ式回転溶解
炉による酸化亜鉛回収方法及びその装置に関し、詳しく
は、酸素バーナ式回転溶解炉を用いて亜鉛を含む鉄材か
ら酸化亜鉛粉末を回収する回収方法及び回収装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、亜鉛鋼板屑等の亜鉛を含む鉄材を
原料の一部として溶解し、鋳鉄溶湯を製造する場合、通
常、キュポラや電気炉によって溶解するすることが行わ
れている。キュポラは、周知のように縦型の炉体を有し
ており、炉体上方から原料等がコークスとともに投入さ
れ、炉体下方から空気が吹き込まれ、炉底に溜まった鋳
鉄溶湯が出湯される。また、電気炉は、炉体内に堆積さ
れた原料をアーク放電又は電磁誘導によるジュール熱に
より溶融し、鋳鉄溶湯を得る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、亜鉛を含む鉄
材から酸化亜鉛粉末を回収せんとする場合、従来の鋳鉄
溶湯の製造方法では、酸化亜鉛粉末を高純度で安価に回
収することが困難であった。すなわち、キュポラにより
亜鉛を含む鉄材を溶解すれば、その鉄材は炉体の下方か
ら加熱されるため、鉄よりも融点の低い亜鉛は炉体の上
方において溶解され、向流接触である構造上、亜鉛の大
部分が炉底から出湯される鋳鉄溶湯中に含まれやすい。
一方、鋳鉄溶湯に含まれずに蒸気となった亜鉛は、炉体
内が多量に含有されるコークスの燃焼により還元雰囲気
にされているため、排気ガス中に含まれる蒸気として炉
体上方から排気されるものは主として大気に触れる際に
酸化されて酸化亜鉛粉末になるものの、炉体上方まで長
い距離を移動せざるを得ない。このため、蒸気となった
亜鉛は、移動の間に未溶解の鉄材やコークス等に付着し
た不純物と接触し、ダストを多く含んだ酸化亜鉛粉末と
してしか回収できない。また、せっかく鉄よりも早期に
溶解・蒸発し、排気ガス中に含まれる酸化亜鉛粉末であ
っても、移動時間の経過により炉体内のさらなる温度上
昇を生じるため、マンガン等の他の元素も溶解・蒸発が
行われ、排気ガス中で他の元素の酸化物とともに混合さ
れた状態でしか回収できない。
【0004】電気炉により亜鉛を含む鉄材を溶解する場
合も、キュポラと同様にその鉄材は炉体の下方から溶解
されるため、亜鉛が鋳鉄溶湯中に含まれやすい。また、
鋳鉄溶湯に含まれずに蒸気となった亜鉛も、やはり炉体
上方まで長い距離を移動する間に不純物と接触したり、
他の酸化物と混合される。したがって、いずれの方法に
よる場合も、排気ガスを濾過したとしても、低純度の酸
化亜鉛粉末しか回収できず、せっかく回収した酸化亜鉛
粉末も廃棄物として処理するしかなかった。また、電気
炉による場合は、多量の電力消費を必要とするので酸化
亜鉛粉末の回収が高価なものとなってしまう。
【0005】なお、亜鉛を含む鉄材から金属亜鉛を回収
する方法は、特開昭57−158338号公報、特開昭
60−29430号公報に記載されている。かかる方法
では、金属亜鉛を回収することはできるものの、加熱エ
ネルギーが多い等の理由により、多大なコストを要す
る。本発明は、亜鉛を含む鉄材から、高純度で安価に酸
化亜鉛粉末を回収することができるようにすることを解
決すべき課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、純酸素を利用して鋳鉄等を溶解する酸素
バーナ式回転溶解炉について、鋭意研究を行った。この
溶解炉については、「鋳物」第64巻(1992)第1
1号第812〜815頁、「鋳鍛造と熱処理」(199
1)8月号第1〜4頁及び「鋳鍛造と熱処理」(199
1)12月号第1〜6頁に開示がある。この溶解炉で
は、炉体が両端にコニカル部を有するとともに各コニカ
ル部の先端に開口をもつ円筒形をなし、耐火物で内壁が
形成されている。そして、この炉体は、軸心と略一致す
る回転軸を中心に回転可能かつ回転軸と直交する略水平
の傾動軸を中心として傾動可能に保持されている。炉体
の一方の開口には蓋部材が着脱自在に設けられており、
この蓋部材には酸素バーナが装備されている。酸素バー
ナは炉体内の原料を溶解すべく燃料と酸素とを吹き込ん
で燃焼可能になされている。また、炉体の他方の開口に
は、炉体が略水平に維持されている間、排気ガスを排気
すべくダクトが対向して配置されている。
【0007】なお、特開平6−73570号公報には、
同様の溶解炉を用いて亜鉛めっき鋼板等の金属片から亜
鉛を除去し、良質な母材金属を得る方法が開示されてい
る。しかし、この方法では、亜鉛めっき鋼板を亜鉛の融
点以上かつ母材の融点以下で加熱するのみであり、気化
された亜鉛を酸化物の形で回収することはしていない。
【0008】本発明者らは、酸素バーナ式回転溶解炉に
より亜鉛を含む鉄材を溶解すれば、溶解工程の初期にお
ける限られた時間帯において、高純度で安価に酸化亜鉛
粉末を回収することができることを発見し、本発明を完
成した。すなわち、 (1)請求項1の酸素バーナ式回転溶解炉による酸化亜
鉛回収方法は、酸素バーナ式回転溶解炉の炉体内に亜鉛
を含む鉄材を投入し、該炉体を回転させつつ一方の開口
から燃料と酸素とを吹き出して燃焼させることにより該
炉体内の該鉄材を溶解させ、溶解工程中に他方の開口か
ら排気ガスをダクトにより外部に排気させるとともに、
前記溶解工程の初期における限られた時間帯に前記排気
ガスを酸化亜鉛捕集手段に導き、該酸化亜鉛捕集手段に
より該排気ガス中の酸化亜鉛粉末を物理的に捕集するこ
とを特徴とする。
【0009】(2)請求項2の酸素バーナ式回転溶解炉
における酸化亜鉛回収装置は、酸素バーナ式回転溶解炉
のダクトに設けられたバイパス通路と、溶解工程の初期
における限られた時間帯に排気ガスを該バイパス通路に
導くべく開閉されるダンパと、該バイパス通路に設けら
れ、導入された排気ガス中の酸化亜鉛粉末を物理的に捕
集する酸化亜鉛捕集手段とを有することを特徴とする。
【0010】(3)請求項3の酸素バーナ式回転溶解炉
における酸化亜鉛回収装置は、請求項2記載の酸化亜鉛
回収装置において、溶解工程の初期における限られた時
間帯は排気ガスをバイパス通路に導き、該時間帯経過後
は該排気ガスをダクトに導くべく、ダンパを切替る制御
手段をもつことを特徴とする。 請求項1〜3の酸化亜鉛回収方法及びその装置におい
て、溶解工程の初期における限られた時間帯は、投入す
る鉄材量等により決定されうる。
【0011】
【作用】請求項1、2の酸化亜鉛回収方法又は酸化亜鉛
回収装置では、まず開口から炉体内に亜鉛を含む鉄材を
投入する。そして、炉体を軸心と略一致する回転軸を中
心に回転させつつ、一方の開口から燃料と酸素とを吹き
出して燃焼させることにより、炉体内の鉄材を溶解させ
る。この溶解工程中、他方の開口から排気ガスがダクト
により外部に排気される。
【0012】この間、亜鉛は融点が420℃、沸点が9
30℃であるのに対し、鋳鉄の融点は1150℃、鋼の
融点は1530℃であるため、亜鉛は420℃で溶融
し、鉄材(固体)の間を通って流下する。その後、亜鉛
は930℃で蒸気となり、排気される。そして、上層に
位置する溶解した亜鉛は、フレーム及び輻射熱によって
さらに加熱されて蒸気となる。こうして、蒸気として存
在する亜鉛は、溶解した亜鉛が上層に位置していたこと
から、他方の開口から排気されるまで長い距離を移動す
ることはなく、早期に他方の開口から排気される。この
ため、マンガン等の他の元素や鉄が溶解を始める頃まで
には、鉄材に含まれた全ての亜鉛が蒸気として排気され
ようとする。
【0013】このとき、炉体内に蒸気として存在する亜
鉛は、炉体内が燃料と酸素との割合により酸化雰囲気に
あれば、ここで酸化されて酸化亜鉛粉末になる。また、
炉体内において、鋳鉄溶湯に含有させるための炭素が一
酸化炭素として充満している場合には、蒸気として存在
する亜鉛は、排気ガスとして他方の開口とダクトとの間
隙で大気に触れる際に酸化されて酸化亜鉛粉末になる。
こうして、溶解工程の初期における限られた時間帯に優
先的に溶解され、蒸気になった亜鉛は、炉体内又は他方
の開口近傍で酸化されて酸化亜鉛粉末となる。そして、
この時間帯には排気ガスが酸化亜鉛捕集手段に導かれ
る。なお、請求項2の酸化亜鉛回収装置では、ダンパの
開閉によって排気ガスをバイパス通路に導いている。こ
のため、酸化亜鉛捕集手段により排気ガス中の酸化亜鉛
粉末が物理的に捕集される。
【0014】こうして、溶解・蒸発した亜鉛は、鋳鉄溶
湯中には含まれにくく、移動の間に未溶解の原料等に付
着した不純物と接触しにくい。さらに、酸化亜鉛粉末も
マンガン等の他の元素の酸化物と混合されにくい。請求
項3の酸化亜鉛回収装置では、制御手段が溶解工程の初
期における限られた時間帯は排気ガスをバイパス通路に
導き、時間帯経過後は排気ガスを外部に導くべく、ダン
パを切替る。このため、投入する鉄材量等により時間帯
を設定すれば、酸化亜鉛粉末の回収を自動的に行うこと
ができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例1〜3を図
面を参照しつつ説明する。 (実施例1)実施例1の酸素バーナ式回転溶解炉による
酸化亜鉛回収方法及びその装置は、請求項1、2を具体
化したものである。
【0016】まず、酸素バーナ式回転溶解炉について説
明すれば、この溶解炉は、図1に示すように、炉体10
が両端にコニカル部10a、10bを有するとともに各
コニカル部10a、10bの先端に開口11a、11b
をもつ円筒形をなし、耐火物で内壁が形成されている。
炉体10の周面には図示しない2本の円鍔部が巻着され
ており、各円鍔部と整合するローラがモータによって回
転させられることによって、炉体10は軸心と略一致す
る回転軸Xを中心に回転可能になされている。
【0017】また、炉体10の側方には、図示しない基
台が設けられており、炉体10は、ローラ及びモータと
ともに、回転軸Xと直交するこの基台の略水平に設定さ
れた傾動軸Yを中心として水平状態から垂直状態まで図
示のように傾動可能に保持されている。炉体10の一方
の開口11aには、炉体10の回転時も回転しない蓋部
材2が図示しない開閉機構によって着脱自在に設けられ
ており、この蓋部材2の中央には酸素バーナ3が装備さ
れている。酸素バーナ3は炉体10内の原料を溶解すべ
く、図示しない配管により、燃料としてのプロパンガス
と、酸素とを吹き出して燃焼可能になされている。
【0018】また、炉体10の他方の開口11bには、
炉体10が略水平に維持されている間、排気ガスを排気
すべくダクト4が対向して配置されている。このダクト
4には、実施例1の特徴的な構成として、酸化亜鉛回収
装置が装備されている。すなわち、ダクト4には、側方
でバイパス通路42が連通されている。ダクト4とバイ
パス通路42との間には、両者を手動により選択的に開
閉するダンパ43が設けられている。バイパス通路42
の下流側には冷却室44が接続されており、冷却室44
の下流側にはサイクロン45が接続され、サイクロン4
5の下端には回収箱46が載置されている。なお、サイ
クロン45の上端開口はダクト4に再び連通して外部に
開放されている。
【0019】かかる溶解炉により、亜鉛めっき鋼板屑等
の亜鉛を含む鉄材を原料の一部として溶解し、鋳鉄溶湯
を製造する場合、まず水平状態に維持された炉体10に
おいて、酸素バーナ3が装備された蓋部材2を開いて他
の蓋部材を開口11aに装備する。そして、炉体10を
ローラ及びモータとともに傾動させ、この状態で亜鉛鋼
板屑等の亜鉛を含む鉄材を原料として、開口11bから
投入し、炉体10を再び水平状態に戻す。このとき、原
料には加炭材等も含まれる。また、投入する鉄材量等に
より時間帯を決定する。
【0020】この後、炉体10を軸心と略一致する回転
軸Xを中心に回転させつつ、酸素バーナ3に着火して燃
料と酸素とを吹き出して燃焼させることにより、炉体1
0内の原料を溶解させる。このとき、燃料としてプロパ
ン(C3 8 )を例にとると、これが完全燃焼するに必
要な酸素(O2 )は、 C3 8 +5O2 →3CO2 +4H2 O の反応式より、プロパン1モルに対して酸素5モルであ
る。このため、プロパン1モルの完全燃焼に要する酸素
5モルに相当する酸素/燃料流量比率をλ=1とすれ
ば、溶解工程の初期には、λ=1.0〜1.3とする。
かかる雰囲気の下、炉体10内の原料を溶解する。そし
て、他方の開口11bから排気ガスがダクト4内に排気
される。
【0021】この間、亜鉛は融点が420℃、沸点が9
30℃であるのに対し、鋳鉄の融点は1150℃、鋼の
融点は1530℃であるため、亜鉛は420℃で溶融
し、鉄材(固体)の間を通って流下する。その後、亜鉛
は930℃で蒸気となり、排気される。そして、上層に
位置する溶解した亜鉛は、フレーム及び輻射熱によって
さらに加熱されて蒸気となる。こうして、炉体10内で
蒸気として存在する亜鉛は、溶解した亜鉛が上層に位置
していたことから、他方の開口11bから排気されるま
で長い距離を移動することはなく、早期に他方の開口1
1bから排気される。このため、マンガン等の他の元素
や鉄が溶解を始める頃までには、鉄材に含まれた全ての
亜鉛が蒸気として排気されようとする。
【0022】このとき、炉体10内に蒸気として存在す
る亜鉛は、炉体10内がλ=1.0〜1.3でほぼ酸化
雰囲気にあるため、ここで酸化されて酸化亜鉛(Zn
O)粉末になる。また、炉体10内において、鋳鉄溶湯
に含有させるための炭素が一酸化炭素として充満してお
り、蒸気として存在する亜鉛は、排気ガスとして他方の
開口11bとダクト4との間隙で大気に触れる際に酸化
されて酸化亜鉛粉末になる。こうして、溶解工程の初期
における限られた時間帯に優先的に溶解され、蒸気にな
った亜鉛は、炉体10内又は他方の開口11b近傍で酸
化されて酸化亜鉛粉末となる。
【0023】この間、この時間帯には、ダンパ4のダク
ト43より下流側を閉鎖し、バイパス通路42を開放す
べく、手動によりダンパ43を操作する。このため、開
口11bから排出された排気ガスは、バイパス通路42
を経て冷却室44内に導入される。高温の酸化亜鉛粉
末、二酸化炭素及び水蒸気からなる排気ガスは、この冷
却室44で冷却され、サイクロン45に導かれる。サイ
クロン45では遠心力により酸化亜鉛粉末が内壁に衝突
して捕集されるため、酸化亜鉛粉末は下端の開口から回
収箱46内に回収される。なお、二酸化炭素及び水蒸気
は、サイクロン45の上端の開口から再びダクト4を経
て外部に排気される。
【0024】こうして、溶解・蒸発した亜鉛は、鋳鉄溶
湯中には含まれにくく、移動の間に未溶解の原料等に付
着した不純物と接触しにくい。さらに、酸化亜鉛粉末も
マンガン等の他の元素の酸化物と混合されにくい。な
お、時間帯経過後は、排気ガスに酸化亜鉛粉末がほとん
ど含まれていないため、バイパス通路42を閉鎖し、ダ
ンパ4のダクト43より下流側を開放すべく、手動によ
りダンパ43を操作する。このため、開口11bから排
出された排気ガスは、ダンパ4を経て外部に排気され
る。そして、時間帯を経過し、ほぼ鉄材の溶解が終了す
れば、λ=0.8〜0.99とする。かかる雰囲気の
下、炉体10内の原料を昇温する。こうして、炉体10
の回転で原料及び溶湯の攪拌と熱移動とを行い、所望の
鋳鉄溶湯を得る。
【0025】したがって、この酸化亜鉛回収装置では、
亜鉛を含む鉄材から、高純度で安価に酸化亜鉛粉末を回
収することができる。 (実施例2)実施例2の酸化亜鉛回収方法及びその装置
は、請求項1、2、3を具体化したものである。
【0026】この酸化亜鉛回収装置では、図2に示すよ
うに、ダクト4とバイパス通路42との間に位置するダ
ンパ43がモータ43aにより回動可能になされてお
り、モータ43aは制御手段としての制御ユニット43
bによって制御されている。また、バイパス通路42に
は、図3に示すように、酸化亜鉛捕集手段としての捕集
ユニット47が排気ガスを通過可能に設けられており、
捕集ユニット47内には3つの網部材47a〜47cが
重装されている。そして、図2に示すように、捕集ユニ
ット47の下流側には圧力計48が設けられている。他
の構成は実施例1と同一である。
【0027】この酸化亜鉛回収装置では、ダクト4のダ
ンパ43は、溶解工程の初期における限られた時間帯に
は、排気ガスをバイパス通路42に導くべく、制御ユニ
ット43bがダクト4のダンパ43より下流側を閉鎖
し、バイパス通路42を開放する。このため、開口11
bから排出された排気ガスは、この間、捕集ユニット4
7内に導入される。排気ガス中の酸化亜鉛粉末は、この
捕集ユニット47を通過する際、網部材47a〜47c
によって捕集される。
【0028】また、この酸化亜鉛回収装置では、酸化亜
鉛粉末により上流側の網部材47aが大きな濾過抵抗を
有するようになれば、圧力計48が低い値を示すため、
作業者は上流側の網部材47aを抜き出し、下流側の網
部材47b、同様にさらに下流側の網部材47cでさら
に酸化亜鉛粉末の捕集を行わせることができる。なお、
時間帯経過後、ダクト4のダンパ43は、酸化亜鉛粉末
がほとんど含まれていない排気ガスをダクト4に導くべ
く、制御ユニット43bがバイパス通路42を閉鎖し、
ダクト4のダンパ43より下流側を開放する。このた
め、開口11bから排出された排気ガスは外部に排気さ
れる。
【0029】したがって、この酸化亜鉛回収装置では、
実施例1と同様の作用及び効果を奏することができると
ともに、酸化亜鉛粉末の回収を自動的に行うことができ
る。 (実施例3)実施例3の酸化亜鉛回収方法及びその装置
も、請求項1、2、3を具体化したものである。
【0030】この酸化亜鉛回収装置は、図4及び図5に
示す捕集ユニット(酸化亜鉛捕集手段)49を採用して
いる。この捕集ユニット49は、網部材49aが駆動ロ
ーラ50及び従動ローラ51間で上下にエンドレスで架
設され、下流側の面にはブラシ49bが当接されてい
る。駆動ローラ50には歯車52が取り付けられてお
り、歯車52はモータ53の駆動軸に固定された歯車5
3aが噛合されている。そして、網部材49aの下端に
は回収箱54が設けられている。他の構成は実施例1、
2と同一である。
【0031】この酸化亜鉛回収装置では、溶解工程にお
ける限られた時間帯に開口11bから排出された排気ガ
スが捕集ユニット49内に導入される。排気ガス中の酸
化亜鉛粉末は、この捕集ユニット49を通過する際、網
部材49aによって捕集される。この間、捕集ユニット
49のモータ53が一定速度で回転しているため、網部
材49aの上流側の面が捕集した酸化亜鉛粉末は、下流
側に移動した際にブラシ49bによって払い落とされ、
回収箱54内に回収される。そして、ブラシ49bによ
って酸化亜鉛粉末が払い落とされた網部材49aは再び
上流側に移動して酸化亜鉛粉末を捕集する。
【0032】したがって、この酸化亜鉛回収装置におい
ても、実施例1と同様の作用及び効果を奏することがで
きるとともに、酸化亜鉛粉末の回収を自動的に行うこと
ができる。なお、酸化亜鉛捕集手段としては、バグフィ
ルタ等を採用することもできる。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1、2の酸
化亜鉛回収方法及びその装置では、請求項1又は2記載
の構成を採用しているため、亜鉛を含む鉄材から、高純
度で安価に酸化亜鉛粉末を回収することができる。した
がって、この酸化亜鉛回収方法又はその装置を採用すれ
ば、高純度の酸化亜鉛粉末を安価に回収することができ
るため、回収した酸化亜鉛粉末を顔料、医薬、ゴムの配
合剤、ガラスの原料、化粧品、触媒等に再利用すること
が容易になる。
【0034】また、請求項3の酸化亜鉛回収装置では、
請求項3記載の構成を採用しているため、酸化亜鉛粉末
の自動的な回収が可能となり、省力化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の酸化亜鉛回収装置を示す模式断面図
である。
【図2】実施例2の酸化亜鉛回収装置の一部を示す側面
図である。
【図3】実施例2の酸化亜鉛回収装置の一部である酸化
亜鉛捕集手段を示す斜視図である。
【図4】実施例3の酸化亜鉛回収装置の一部である酸化
亜鉛捕集手段を示す斜視図である。
【図5】実施例3の酸化亜鉛回収装置の一部である酸化
亜鉛捕集手段の断面図である。
【符号の説明】
10…炉体 11a、11b…開口 4…ダ
クト 45…サイクロン、47、49…捕集ユニット(酸化亜
鉛捕集手段) 42…バイパス通路 43…ダンパ 43b…制御ユ
ニット(制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F27D 17/00 A (71)出願人 591181089 株式会社ナニワ炉機研究所 大阪府八尾市上尾町5丁目1番地の8 (72)発明者 平野 春好 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 平井 秀敏 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 神谷 雄二 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 小林 宏 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 白川 博一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 木崎 勉 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 岡田 裕二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 竹内 康夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 鶴岡 洋幸 東京都江東区東雲1丁目9番1号 テイサ ン株式会社本社分室内 (72)発明者 鳥海 誠 東京都江東区東雲1丁目9番1号 テイサ ン株式会社本社分室内 (72)発明者 滝本 豊 東京都江東区東雲1丁目9番1号 テイサ ン株式会社本社分室内 (72)発明者 大野 裕 東京都江東区東雲1丁目9番1号 テイサ ン株式会社本社分室内 (72)発明者 村田 博敏 大阪府八尾市上尾町5丁目1番地の8 株 式会社ナニワ炉機研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸素バーナ式回転溶解炉の炉体内に亜鉛を
    含む鉄材を投入し、該炉体を回転させつつ一方の開口か
    ら燃料と酸素とを吹き出して燃焼させることにより該炉
    体内の該鉄材を溶解させ、溶解工程中に他方の開口から
    排気ガスをダクトにより外部に排気させるとともに、前
    記溶解工程の初期における限られた時間帯に前記排気ガ
    スを酸化亜鉛捕集手段に導き、該酸化亜鉛捕集手段によ
    り該排気ガス中の酸化亜鉛粉末を物理的に捕集すること
    を特徴とする酸素バーナ式回転溶解炉による酸化亜鉛回
    収方法。
  2. 【請求項2】酸素バーナ式回転溶解炉のダクトに設けら
    れたバイパス通路と、溶解工程の初期における限られた
    時間帯に排気ガスを該バイパス通路に導くべく開閉され
    るダンパと、該バイパス通路に設けられ、導入された排
    気ガス中の酸化亜鉛粉末を物理的に捕集する酸化亜鉛捕
    集手段とを有することを特徴とする酸素バーナ式回転溶
    解炉における酸化亜鉛回収装置。
  3. 【請求項3】溶解工程の初期における限られた時間帯は
    排気ガスをバイパス通路に導き、該時間帯経過後は該排
    気ガスをダクトに導くべく、ダンパを切替る制御手段を
    もつことを特徴とする請求項2記載の酸素バーナ式回転
    溶解炉における酸化亜鉛回収装置。
JP6090196A 1994-04-27 1994-04-27 酸素バーナ式回転溶解炉による酸化亜鉛回収方法及び その装置 Pending JPH07300631A (ja)

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