JPH07300200A - 走行作業機の燃料供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 走行作業機に搭載された燃料タンクにキャッ
プを装着するだけで外部から燃料の供給を容易に行うと
共に、簡潔な構成となし取り扱い易い燃料供給装置を提
供する。 【構成】 作動スイツチ９の操作で作動する燃料ポンプ
１０を有した吸込管１１をキャップ８に取り付けて燃料
供給装置Ａを構成し、該キャップ８を走行作業機１に搭
載した燃料タンク６の供給口６ｂに着脱可能に取着し燃
料供給作業を行うようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、トラクタ、コンバイン
又は田植機等の農業機械或いはパワーショベル等の建設
機械及び運搬車等の走行作業機に搭載される燃料タンク
に、作動スイツチで操作される燃料ポンプで外部から燃
料を補給可能とした燃料供給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、建設機械に搭載されるエンジンの
燃料タンクに燃料を補給する際、地上に設置された状態
の燃料容器から燃料をポンプで吸い上げ、補給するよう
にした燃料供給装置は、実開昭５９ー１５０８００号公
報により知られている。この燃料供給装置は、燃料タン
クの上壁に突出形成した供給口の口金に燃料ポンプを有
する吸込管を取着すると共に、該燃料ポンプを作動スイ
ツチと燃料タンク内に取着構成される燃料センサにより
操作可能に設け、前記吸込管の吸込口を燃料容器内に挿
入することにより、燃料タンク内に燃料センサが検知す
る規定量の燃料を供給するように構成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】然し、上記従来の燃料
供給装置は、吸込管及び燃料センサを燃料タンク本体に
直接取り付けるようにしているため、該燃料タンク本体
を特別に加工する必要があり、燃料タンクの製作に多く
の工程を要しコスト高になると共に、燃料供給装置付の
専用燃料タンクとして特化される欠点がある。そのため
既に市販された建設機械の燃料タンクに上記燃料供給装
置を設置することは、燃料タンク本体の再加工を必要と
し普及に困難性があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明による走行作業機の燃料供給装置は、走行作業
機に搭載した燃料タンクに、作動スイツチの操作で作動
する燃料ポンプ及び吸込管を介して、外部から燃料を供
給可能とした燃料供給装置において、該吸込管を上記燃
料タンクの供給口に着脱可能に挿着したキャップに取着
することにより、燃料タンクと連通するように設けてな
るものである。

【０００５】そして、上記作動スイツチは外部から操作
可能にスイツチ室に内装し、該スイツチ室をキャップに
一体的に設けるか、或いはキャップから所定距離だけ離
間させて設けることが好ましい。また、供給燃料を検出
する燃料センサは、キャップに取着して燃料タンク内に
臨設させると共に、上記キャップはキャップ本体と取付
部とを密閉機構を介して回動可能に構成し供給口に取着
するとよい。

【０００６】

【作用】上記燃料供給装置Ａによる燃料供給作業は、供
給口６ｂにキャップ本体１２を固定したまま取付部１４
のみを回動させて、吸込管１１が所定の向きとなるよう
に取り付けると共に、吸込管１１を伸長させ燃料ポンプ
１０を燃料容器Ｃの開口部内に挿入し、作動スイツチ９
をＯＮすることにより上記燃料ポンプ１０を作動させ、
燃料を吸込管１１及びキャップ８内を介して吸い上げ燃
料タンク６内に供給することによって行われる。そして
燃料タンク６内に規定量の燃料が供給されると、燃料セ
ンサ２１はその液面を検出し燃料ポンプ１０の作動を自
動的に停止させて、燃料溢れ等の発生を的確に防止して
燃料供給作業を確実に行うように作用する。

【０００７】

【実施例】本発明の実施例を図面に基づき説明する。１
は走行作業機の一実施例として示すトラクタであり、前
輪２及び後輪２ａに支架した機体フレーム１ａの前方に
エンジン３を搭載し、後部に耕耘装置等の作業機Ｓを装
着する作業機取付部４を設けると共に、その中間部にハ
ンドル５ａ及びシート５ｂを有する運転操作部５を設け
て構成される。６は上記シート５ｂの背後で機体に搭載
されエンジン３に燃料を送給するための燃料タンクであ
り、該燃料タンク６の上壁面には平面視円筒状の口金６
ａを突設し燃料の供給口６ｂを形成すると共に、該口金
６ａにはキャップ８が公知の係合機構で装着されてい
る。即ち該供給口６ｂにはカム状の係合段部６ｃを口金
６ａの上端部を内側に屈曲させて形成されており、キャ
ップ８側には後述するように係合段部６ｃに係合する取
付板１９が設けてある。

【０００８】上記燃料供給装置Ａは前記供給口６ｂを閉
鎖するキャップ８に、燃料ポンプ１０を有する吸込管１
１を一体的に連結することにより構成している。上記キ
ャップ８は椀型状の下端に鍔部１２ａを突設したキャッ
プ本体１２と、供給口６ｂに係合する環状の取付部１４
で分割形成し、該取付部１４をキャップ本体１２に外嵌
させると共に、取付部１４とその内側面に取着した後述
する取付板１９との間で、前記鍔部１２ａを挟持状に支
持しシールリング１３を介挿させた密閉機構により、相
対回動可能に組付け構成している。そしてキャップ本体
１２の側面には前記吸込管１１を嵌挿取着する取付筒１
５及びブリーザ孔１６を形成すると共に、上面には気密
状態に密閉したスイツチ室１７ａを形成するスイツチボ
ックス１７を設け、該スイツチ室１７ａ内に燃料ポンプ
１０の操作を行う作動スイツチ９が外部から操作可能に
内装してある。これにより燃料タンク６内の燃料が機体
の横揺れ等によって、キャップ本体１２の内壁に付着す
るようなことがあっても、スイツチ室１７ａ内に侵入す
ることを防止し作動スイツチ９の作動を安全且つ良好に
行うようにしている。

【０００９】また前記取付部１４の内面には公知の湾曲
した弾性板よりなる取付板１９が設けられ、その湾曲部
下面には既述供給口６ｂの係合段部６ｃに、取付部１４
が回動されることにより係合する係合突片１８を固着
し、キャップ８が供給口６ｂを閉鎖した係合状態におい
て、取付板１９と口金６ａと間に介挿したパッキン２０
を押圧し、供給口６ｂを機密に閉鎖するようにしてい
る。また上記取付板１９には、燃料ポンプ１０から吸込
管１１によって送給される燃料が通過する複数の通孔１
９ａを開設すると共に、央部に開設した孔１９ｂには前
記スイツチ９と直列に接続された、燃料センサ２１をハ
ーネス２５を内装する支持管２１ａにより挿通支持させ
ている。尚、キャップ本体１２に開設された孔に挿通す
る前記支持管２１ａの挿通部分には、接着剤等のコーキ
ング部材２５ａを塗布して密封にしている。

【００１０】上記燃料センサ２１は公知の近接型スイッ
チ、接触型スイッチ、或いは光電型スイッチ等によって
構成し、燃料タンク６内に規定量の燃料が供給されると
燃料ポンプ１０の作動を停止するようにしている。また
燃料ポンプ１０は、吸込管１１の先端部に形成したポン
プ室１１ｂ内に設けて、その先端に設けた吸込用の回転
羽根１０ａをポンプ室１１ｂの吸込口１１ａに臨ませて
いる。そして燃料ポンプ１０と作動スイツチ９とを接続
するハーネス２５は吸込管１１内を挿通させ、前記キャ
ップ本体１２を経由してスイツチボックス１７の作動ス
イツチ９に結線され、ここから外部の電源（バッテリ）
Ｂに接続されている。尚、上記ハーネス２５は吸込管１
１の外側に沿わせて設けてもよい。

【００１１】上記構成した燃料供給装置Ａによるトラク
タ１の燃料供給作業は、図１（Ａ）及び図２に示すよう
に行われる。即ち、走行作業機１の燃料タンク６に常装
され、適宜な構成により格納状態にある吸込管１１を取
り出して伸長させ、燃料ポンプ１０を燃料容器Ｃの開口
部から底部に至るまで挿入し、キャップ８に設けたスイ
ツチ９をＯＮすることにより燃料ポンプ１０を作動さ
せ、吸込管１１及びキャップ８内を介し燃料を吸い上げ
て燃料タンク６内に供給する。

【００１２】そして燃料タンク６内に規定量の燃料が供
給されると、前記燃料センサ２１がその液面を検出し燃
料ポンプ１０の作動を自動的に停止させ、燃料溢れ等を
生ずる惧のない燃料供給を簡単且つ能率よく遂行するこ
とができる。その後燃料ポンプ１０を燃料容器Ｃから抜
き出し吸込管１１を巻き込んで機体に格納することによ
り、トラクタ１の燃料供給作業をその都度キャップ８を
着脱したり、燃料容器Ｃを燃料タンク６の近傍に持ち上
げたりすることなく、地上に燃料容器Ｃを設置させた状
態で容易迅速に行うことができる。

【００１３】また燃料タンク６内の燃料は、機体の横揺
れ等によってキャップ本体１２の内壁に付着するような
ことがあっても、密閉状に構成されたスイツチ室１７ａ
内に侵入することがないので、該スイツチ室１７ａ内に
侵入した燃料がガス化しスイツチ作動時のスパークによ
って生ずる、火災等の災害を確実に防止することができ
ると共に、上記スイツチ室７ａはキャップ８と一体的に
構成することにより、燃料供給装置Ａをコンパクトで取
り扱い易く、また燃料センサ２１の取り付けを簡潔な構
成で廉価に製作することができる。さらにキャップ８を
燃料タンク６の供給口６ｂに取着する際に、キャップ本
体１２と取付部１４とは密閉機構により相対回動可能に
構成しているので、吸込管１１の取り付け方向が走行作
業機１の一定方向に制約されるような場合に、キャップ
本体１２を固定したまま取付部１４のみを回動し、係合
突起１８を係合段部６ｃに係合させ、吸込管１１が供給
口６ｂに所定の向きとなるようにキャップ８を円滑に固
定することができる。

【００１４】従って、上述構成による燃料供給装置Ａは
近年高齢化する農業作業者や婦女子にとって、安心して
簡単に使用することのできる実用的な燃料供給装置を提
供することができる特徴を有するものである。また上記
燃料供給装置Ａは上述の如く工場出荷時において、燃料
タンク６のキャップ８にセットされた燃料ポンプ１０付
の吸込管１１を、機体に適宜構成される格納部に収容さ
せて装着した常装式の走行作業機とする他、燃料供給装
置Ａをアタッチメント扱いにして、既に市販された走行
作業機１の燃料タンク６のキャップと取り替えて装着す
るようにしてもよい。この装着にあたり供給口６ｂの大
きさは各社のものがほとんど統一化されているので、そ
の取付けが容易であると共に燃料タンク６本体に穴を開
けたり特別に加工することなく、従前のキャップと付け
替えるだけで、上記のような燃料供給装置Ａを廉価に提
供することができる。

【００１５】次に図１（Ａ）及び同図（Ｂ）において、
既述の燃料供給装置Ａを、運転操作部５の前方でエンジ
ン３を覆うボンネット３ａ内に設置した燃料タンク６に
装着する他の実施例について説明する。この燃料供給装
置Ａのキャップ８は上記燃料タンク６の供給口６ｂに対
して、吸込管１１の向きが機体右側方の燃料供給作業勝
手となるように取着され、通常作業時において吸込管１
１は、ボンネット３ａの壁面下側内に沿わせて構成した
収納部３ｂ内に巻き込んで格納されている。

【００１６】上記構成による燃料供給装置Ａで燃料供給
作業を行う場合には同図（Ｂ）に示すように、収納部３
ｂを形成する箱状の受部材３ｃを取付軸３ｄを中心に側
方に開動させ、点線で示す吸込管１１の取り出し姿勢に
し、吸込管１１を燃料容器Ｃ内に挿入して燃料供給作業
を行う。また作業終了後は燃料ポンプ１０及び吸込管１
１を元の収納状態に格納したのち、耕耘作業等の通常作
業を行う。このようにボンネット３ａ内の空間を利用し
て吸込管１１等の格納装置を構成すると、燃料供給装置
Ａの保護を良好に図りながら簡潔な構成で、取り扱い易
くコンパクトな走行作業機の燃料供給装置を提供できる
利点がある。

【００１７】尚、上記燃料ポンプ１０の作動スイツチ９
を内装するスイツチボックス１７は図４に示すように構
成してもよい。即ち、前記吸込管１１を嵌挿取着するキ
ャップ本体１２の上面には燃料ポンプ１０から電源Ｂに
至るハーネス２５を突出させ、該キャップ本体１２と所
定距離だけ離間した部位に、気密状態に密閉したスイツ
チ室１７ａを形成するスイツチボックス１７を設け、該
スイツチ室１７ａ内に燃料ポンプ１０の操作を行う作動
スイツチ９を外部から可能に内装している。この場合に
は燃料タンク６から離れた所にスイツチ室１７ａがある
ので、該スイツチ室１７ａ内への燃料の侵入等がなく、
作動スイツチ９の作動時による火災等の危険を確実に防
止することができると共に、作動スイツチ９を操作性の
よい所望の場所に設けることができる特徴がある。

【００１８】図５は円筒部からなる燃料ポンプ１０の取
り付け構成を示す他の実施例を示し、ポンプ室１１ｂに
内装される燃料ポンプ１０を簡単な構成で的確に支持す
ると共に、装脱を行い易くしたものである。即ち、該ポ
ンプ室１１ｂは順次先細りとなる円錐筒部の外周に燃料
ポンプ固定用の突起１１ｃを適数凹入形成し、また上端
に形成した取付筒１１ｄを吸込管１１の端部内に挿通支
持させると共に、下端の開口部に形成した係合部２７に
吸込口１１ａを有する蓋２８の環状突起２８ｃ部を着脱
可能に取着するようにしている。また該蓋２８の内側面
には回転羽根１０ａを囲繞する渦巻き状の支持壁２８ａ
を突出形成すると共に、下端外側面に放射方向に突出す
る複数のリブ２８ｂを一体的に形成している。これによ
りポンプ室１１ｂに嵌装された燃料ポンプ１０は、前記
突起１１ｃによりその上部を受け止められた状態で、前
記蓋２８が係合部２７に装着されることにより、下部が
支持壁２８ａによって押接されて挟持状に安定支持され
るものである。

【００１９】

【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載するような効果を奏する。

【００２０】請求項１により、燃料供給装置を燃料ポン
プに連通する吸込管を備えたキャップを供給口に装着す
るだけで設置することができるので、燃料タンクを特別
に加工することなく、簡潔な構成で取り扱い易く廉価に
製作することができる。また上記燃料供給装置をアタッ
チメント的に使用するとき、従前のキャップと取り替え
て装脱できるので、燃料供給作業を容易に行うことがで
きる。

【００２１】請求項２により、燃料タンク内の燃料がス
イツチ室内へ侵入することがないので、火災等の危険を
確実に防止できると共に、スイツチ室をキャップと一体
的に形成して燃料供給装置の構成、及びその取り付けを
簡潔で廉価に製作できると共に、燃料供給作業を容易に
行うことができる。

【００２２】請求項３により、スイツチ室は燃料タンク
外へ離間しているので火災等の危険防止効果を一層高揚
できると共に、スイツチ室を操作の行い易い所望の場所
に設けることを可能とし燃料供給作業を容易にする。

【００２３】請求項４により、燃料センサを燃料タンク
に特別な加工を施すことなくキャップに一体的に構成し
たので、製作及び構成を簡潔で廉価にできると共に、燃
料タンク内の清掃等に便利である。

【００２４】請求項５により、キャップ本体と取付部は
密閉機構により回動可能に形成したので、キャップを燃
料タンクに取着する際に、キャップ本体を固定したまま
取付部のみを回動させて、キャップを供給口に吸込管が
所定の向きとなるように的確に固定することができ、走
行作業機の燃料供給作業勝手に適応させて燃料供給作業
を行い易くすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）は本発明の燃料供給装置を備えたトラク
タの斜視図。（Ｂ）はボンネット内の燃料タンクに設置
した燃料供給装置の取り付け構成を示す断面図。

【図２】燃料供給装置の構成を示す断面図。

【図３】図２におけるキャップの平面図。

【図４】キャップの他の実施例を示す断面図。

【図５】（Ａ）は燃料ポンプの取り付け構成を示す他の
実施例の断面図。（Ｂ）は同図（Ａ）の平面図。

【符号の説明】

１ 走行作業機 ６ 燃料タンク ６ｂ 供給口 ８ キャップ ９ 作動スイツチ １０ 燃料ポンプ １１ 吸込管 １２ キャップ本体 １４ 取付部 １７ａ スイツチ室 ２１ 燃料センサ ２１ａ 支持管 Ａ 燃料供給装置。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 走行作業機に搭載した燃料タンクに、作
   動スイツチの操作で作動する燃料ポンプ及び吸込管を介
   して、外部から燃料を供給可能とした燃料供給装置にお
   いて、該吸込管を上記燃料タンクの供給口に着脱可能に
   挿着したキャップに取着することにより、燃料タンクと
   連通するようにしたことを特徴とする走行作業機の燃料
   供給装置。
2. 【請求項２】 キャップに密閉状に形成されたスイツチ
   室を一体的に形成し、該スイツチ室内に作動スイツチを
   外部から操作可能に内装した請求項１記載の走行作業機
   の燃料供給装置。
3. 【請求項３】 作動スイツチをキャップ外にて所定距離
   離間する位置に設けた密閉状のスイツチ室内に、外部か
   ら操作可能に装設した請求項１記載の走行作業機の燃料
   供給装置。
4. 【請求項４】 キャップに燃料センサを取着して燃料タ
   ンク内に臨設させた請求項１記載の走行作業機の燃料供
   給装置。
5. 【請求項５】 キャップを吸込管が取着されるキャップ
   本体と、供給口に着脱可能に取着する取付部とで構成
   し、該取付部をキャップ本体に密閉機構を介して回動可
   能に取着した請求項１記載の走行作業機の燃料供給装
   置。