JPH0729959A - ウェハ搬送装置 - Google Patents

ウェハ搬送装置

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Publication number
JPH0729959A
JPH0729959A JP17550193A JP17550193A JPH0729959A JP H0729959 A JPH0729959 A JP H0729959A JP 17550193 A JP17550193 A JP 17550193A JP 17550193 A JP17550193 A JP 17550193A JP H0729959 A JPH0729959 A JP H0729959A
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JP
Japan
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wafer
plate
single crystal
alumina
crystal alumina
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Application number
JP17550193A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Morioka
裕之 森岡
Hitoshi Atari
仁 阿多利
Mikihiro Umehara
幹裕 梅原
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ウェハ搬送装置の少なくとも当接面を単結晶ア
ルミナで形成した。 【効果】載置面を単結晶アルミナで形成してあるためボ
イドがなく、高純度であることから、ウェハに悪影響を
およぼすことなく搬送を行うことができる。しかも、硬
度が高く、耐薬品性にも優れているために磨耗すること
がなく、フッ酸などの強酸で洗浄しても、長期にわたり
使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体ウェハや液晶基
板などを支持、または真空吸着支持して移動させるため
のウェハ搬送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体ウェハや液晶基板(以
下、これらをウェハと略称する)を下側から支持して搬
送する搬送アームや、真空吸着して搬送する真空ピンセ
ットなどが広く用いられており、これらのウェハ搬送装
置を構成する材料として、石英ガラスや高純度の多結晶
アルミナ、炭化珪素質セラミックスなどが用いられてい
る。(特開昭59−124536号公報、特開昭62−
53774号公報、特開昭63−169243号公報参
照)例えば、図8に示す搬送アーム31は、石英ガラス
或いはセラミックスから成る板状体32に、表面が滑ら
かで板状体32と同じ材質から成る支持部材33を、ウ
ェハ50を三点支持するように接着剤34によって取着
したものである。そして、図10に示すように、カセット
55に収納されたウェハ50を搬送アーム31の載置面
35上に載せ、下側から持ち上げて取り出し、搬送する
ようになっていた。
【0003】又、図9に示す真空ピンセット41は、セ
ラミックス板42の内部に連通孔45を備え、この連通
孔45の先端側にて開口部43とし、後端側にて吸引孔
44としたものである。この真空ピンセット41は、搬
送アーム31と同様カセット55に収納されるウェハ5
0の上側もしくは下側に真空ピンセット41を位置さ
せ、吸引孔44から真空吸引することによってウェハ5
0を載置面46に吸着させ、搬送していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年、半導
体装置の高密度化に伴い、上記ウェハ搬送装置の載置面
35,46を形成するセラミックスの微小なボイド中に
溜まったゴミがウェハ50に付着し、悪影響をおよぼす
という問題があった。
【0005】又、ウェハ搬送装置の載置面35,46を
構成するアルミナや炭化珪素質のセラミックスは、純度
が99.9%のものが使われているが、残り0.1%中
に含まれる不純物のNaやCaなどが、ウェハ50との
間で物質移動を起こし、やはりウェハ50に悪影響を与
えるため、良質の製品を製造することができず、製品歩
留りが上がらなかった。
【0006】一方、石英ガラスを用いれば、純度が9
9.99%以上でボイドをなくすことができるが、ヤン
グ率が小さいためにウェハ搬送装置が撓み易いという問
題があった。その為、ウェハ50を取り出すときには、
ウェハ搬送装置がカセット55に当たってしまって取り
出すことができず、逆に、ウェハ50をカセット55に
収納する場合には、カセット55の間隔に上手く一致さ
せることが難しく、ウェハ50の破損事故を生じる恐れ
があった。しかも、搬送中には、ウェハ搬送装置が撓ん
でいるため、ずれおちてしまう恐れもあった。
【0007】又、石英ガラスは硬度も低いことから、搬
送の繰り返しですぐに載置面35,46が摩耗してしま
うといった問題もあった。
【0008】そこで、上記セラミックスの欠点を補うも
のとして、ウェハ50と同じ成分であるSiO2 をセラ
ミックス製のウェハ搬送装置にコーティングすることが
考えられるが、載置面35,46の面精度を出すために
研磨加工を施さなければならず、その為には100μm
以上の厚みをもったコーティング層を形成しなければな
らない。しかし、100μm以上の厚みをもったコーテ
ィング層を形成するためには、非常に長い時間を要し、
加工工程の増加にもつながることから生産効率が悪く、
大量生産には不向きであるといった問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では上記
問題に鑑み、ウェハ搬送装置のうち、少なくともウェハ
と接触する当接面を純度99.99%以上の単結晶アル
ミナで形成するとともに、当接面を中心線平均粗さ(R
a)で0.08μm以下に仕上げたことを特徴とするも
のである。
【0010】
【作用】本発明に係るウェハ搬送装置は、当接面を単結
晶アルミナで形成してあるためボイドがなく、純度が9
9.99%以上であることから、ウェハに悪影響をおよ
ぼすことはない。しかも、上記当接面は中心線平均粗さ
で0.08μm以下としてあることから、微細なゴミの
付着も低減し、ウェハに傷を付けることなく搬送を行う
ことができる。又、単結晶アルミナは硬度が高く、耐薬
品性にも優れているために磨耗することがなく、フッ酸
などの強酸で洗浄しても、浸食を受けにくいことから、
この単結晶アルミナで当接面を形成したウェハ搬送装置
は、極めて信頼性が高く、長期にわたって使用すること
ができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明実施例を説明する。
【0012】〔実施例1〕図1(a)は本発明のウェハ
搬送装置のうち、搬送アーム1を示す平面図であり、図
1(b)はその断面図を示すもので、この搬送アーム1
は、セラミックスから成る板状体2の一方の面に、ウェ
ハを三点支持できるよう単結晶アルミナから成る3個の
支持部材3を接着してある。この板状体2に支持部材3
を接合する接着剤4としては、エポキシ樹脂で接着して
も良いが、高温雰囲気中で使われる場合には、硼酸ガラ
スによって融着焼結させても良い。
【0013】このような搬送アーム1は、例えば図10
に示すように、カセット55に収納されているウェハ5
0の下側に、搬送アーム1の先端部を挿入して少し持ち
上げ、載置面3aにウェハ50を載せて支持する。そし
て、搬送アーム1をカセット55からゆっくりと引き抜
き、所定の場所まで搬送するようになっている。
【0014】ところで、本発明に係る単結晶アルミナ
は、純度が99.99%以上で、ボイド占有率がゼロで
ある。このような単結晶アルミナを製造するには、EF
G法(Edge−defined Film−fed
Growth法)により行うことが最適である。即ち、
高純度のアルミナを不活性雰囲気中で溶融し、このアル
ミナ融液と接するように内部にスリットを備えたリボン
状のサファイア単結晶育成のモリブデンダイを位置さ
せ、アルミナ融液を毛細管作用によりモリブデンダイ上
端部に上昇させ、所定の面方位を有するサファイアシー
ドをモリブデンダイ上端部のアルミナ融液と接触させ、
次いでシードを上方に引き上げて単結晶アルミナである
サファイアの育成を行う。
【0015】このようにして得られた単結晶アルミナ
は、ヤング率が3×104 kg/mm2 以上、ビッカー
ス硬度が2×103 kg/mm2 以上と優れた機械的特
性を有することから最適な載置面3aを形成することが
できる。特に、載置面3aを純度が99.99%以上
で、且つボイドがない単結晶アルミナで構成したのは、
純度が99.99%未満であると、不純物中のNaやC
aの量が増大するため、ウェハ50を載置した時に単結
晶アルミナ中のNaやCaが物質移動を起こし、ウェハ
50に悪影響を与えてしまうからで、ボイドがあると、
そこに溜まった塵埃がやはりウェハ50に悪影響を与え
るといった問題があるからである。
【0016】又、単結晶アルミナには3種類の面方位が
あり、図2に示すように、結晶のC軸に対して直角方向
に(0001)面(以下、C面と呼ぶ)が存在し、この
C面に対して直交し、且つ120°中心角になるように
回転対称方向にa1 軸、a2軸、a3 軸があり、これら
3種類の軸にできる3つの面は等価であり、その面が
(112−0)面(以下、A面と呼ぶ、又、指数の後の
−は、負の成分を示す)である。又、C軸に対してm軸
方向(m軸方向とは六角柱の側面に垂直な軸をいう)に
57.6°傾いたR軸に垂直な面が(11−02)面
(以下、R面と呼ぶ)である。そして、この3種類の面
のうち、どの面が載置面3aを構成していても良いが、
好ましくはA面が載置面3aを構成したほうがよい。こ
れは単結晶アルミナの結晶構造が六方晶形であり、結晶
学的に考えた場合、A面が最も安定であるからである。
即ち、3種類の面方位のうち、A面が最も強度及び硬度
が高いため、載置面3aをA面で形成することで、非常
に摩耗し難い面とすることができ、安定したウェハ50
の支持を提供することができる。
【0017】しかも、上記EFG法を用いれば、簡単に
所定の面方位を持った単結晶アルミナを大量に育成する
ことができる。なお、他のHEM法、CZ法を用いて単
結晶アルミナを育成したものであってもよい。
【0018】又、載置面3aの面粗さは中心線平均粗さ
(Ra)で0.08μm以下とすることが重要である。
これは面粗さが0.08μmより大きいと、載置面3a
の凹部にゴミが溜まりやすく、載置するウェハ50に悪
影響を与えるばかりか、搬送中の微振動によってウェハ
50に傷を付けてしまうからである。
【0019】このように、搬送アーム1の載置面3aを
単結晶アルミナで形成したことにより、不純物や塵埃の
付着によるウェハ50の品質低下を防止し、安定した支
持を行うことができる。
【0020】一方、搬送アーム1をなす板状体2は、比
重が低く、ヤング率が2×104 kg/mm2 以上を有
する多結晶アルミナ、炭化珪素、窒化珪素などのセラミ
ックス或いはサファイアで形成してあればよく、このよ
うな板状体2は厚みtを1mmとして8インチ径のウェ
ハ50を載置しても撓むことはなく、駆動部(不図示)
に大きな負荷をかけることもないため、安定した搬送を
行うことができる。
【0021】なお、実施例の搬送アーム1では三点支持
するものを示したが、四点支持或いは多点支持したもの
でもよく、ウェハ50を安定に支持できる構造であれば
よい。
【0022】〔実施例2〕図3(a)は本発明のウェハ
搬送装置のうち、他の搬送アーム5を示す平面図であ
り、図3(b)はその断面図を示すものである。なお、
図1と同一部分は同一符号で示す。
【0023】この搬送アーム5は、多結晶アルミナセラ
ミックス或いは単結晶アルミナから成る板状体2の一方
の面に、ウェハ50を三点支持できるよう単結晶アルミ
ナから成る3個の支持部材3を焼結して接合したもので
ある。又、載置面3aは中心線平均粗さで0.08μm
以下の鏡面に仕上げてある。
【0024】上記多結晶アルミナセラミックスから成る
板状体2に支持部材3を接合するには、各接合面2e,
3eを中心線平均粗さ(Ra)で0.2μm以下の鏡面
に研磨し、支持部材3を板状体2に摺り合わせたあと、
1700〜1800℃程度の温度で焼成することで、各
接合面2e,3eにあるアルミナ粒子同士が拡散作用に
よって焼結し、接合することができる。特に、支持部材
3を板状体2に接合するにあたって重要なのは、各接合
面2e,3eを中心線平均粗さで0.2μm以下の鏡面
に研磨する点にある。つまり、接合面2e,3eが鏡面
でないと、接合面2e,3eを形成するアルミナ粒子同
士の接触面積が小さいために、拡散作用があったとして
も少ない範囲での拡散しか起こっておらず、十分な接合
強度を得ることができない。
【0025】又、上記単結晶アルミナから成る板状体2
に支持部材3を接合するには、各接合面2e,3eをダ
イヤモンド砥粒によるラッピング加工を施し、次にクロ
スによるポリッシング研磨を行うことにより、中心線平
均粗さ(Ra)で0.02μm以下、好ましくは0.0
1μm以下で、且つ平坦度が20μm以下、好ましくは
5μm以下の面に仕上げることが必要である。そして、
鏡面研磨された板状体2及び支持部材3の接合面2e,
3eを重合わせ、50g/cm2 の圧力を加えた状態
で、真空炉に入れ約1700℃で3時間程度アニール処
理することにより一体接合することができる。なお、高
温炉は、真空炉以外でも接合可能であるが、好ましくは
真空炉で行う方が好ましく、処理温度は、1000℃以
上で、且つサファイアの融点以下でできるだけ高い温度
で行った方が好ましい。
【0026】さらに、単結晶アルミナから成る板状体2
と支持部材3を接合する場合には、引張応力が生じる方
向に各単結晶アルミナのC軸を併せることで、載置面3
a及び板状体2の上下面がA面で形成されることから、
よりいっそう搬送アーム5の強度を高めることができ
る。
【0027】このような搬送アーム5は、耐熱性、耐薬
品性に優れるとともに、支持部材3と板状体2が焼結に
より接合してあるため、高温下でも使用することができ
る。しかも、長期にわたる使用の間に載置面3aに溜ま
った塵埃を取り除くために、強酸による洗浄を繰り返し
ても載置面3a及び、接合部が浸食を受けることもない
ため長期使用が可能となり、信頼性の高い搬送アーム5
とすることができる。 〔実施例3〕図4(a)は本発明の真空ピンセット11
を示す平面図であり、図4(b)はその断面図で、この
真空ピンセット11は、2枚の多結晶アルミナセラミッ
クスから成る板状体12,13の一方に溝12bを形成
し、他方の板状体13には上記溝12bの両端部と一致
するように2つの孔を穿設してあり、2枚の板状体1
2,13を焼結により接合したものである。そして、板
状体12の溝12bが連通孔16として作用し、この連
通孔16は先端側の孔にて開口部14を、後端側の孔に
て吸引孔15をなしている。又、開口部14のまわりに
は、単結晶アルミナから成るリング17を焼結によって
接合して、吸着面17aとしてある。なお、リング17
と板状体12の接合は、実施例2と同じ方法で接合して
あり、吸着面17aは中心線平均粗さで0.08μm以
下の鏡面に仕上げてある。そして、この真空ピンセット
11の吸引孔15より真空吸引することによって、吸着
面17aにウェハ50を吸着・支持するようになってい
る。
【0028】このような真空ピンセット11は、リング
17を単結晶アルミナで形成して、中心線平均粗さで
0.08μm以下の鏡面としてあるため、塵埃などを寄
せ付けず、吸引力によってウェハ50を吸着面17aに
押し付けて傷を付けるようなこともない。しかも、強酸
による洗浄を繰り返し施すことができるというように信
頼性の高い真空ピンセット11とすることができる。
【0029】〔実施例4〕図5(a),(b)は本発明
に係る他の真空ピンセット21で、多結晶アルミナセラ
ミックスから成る板状体22に溝22bを形成し、表面
を中心線平均粗さで0.08μm以下に研磨した単結晶
アルミナから成る板状体23には、上記溝22bの両端
部と一致するように2つの孔が穿設してあり、2枚の板
状体22,23を実施例2と同様の方法で焼結により接
合したものである。そして、板状体22の溝22bを連
通孔26として、この連通孔26とつながる先端側の孔
を開口部24とし、後端側の孔を吸引孔25としてあ
る。
【0030】このような真空ピンセット21は、多結晶
アルミナセラミックスから成る板状体22と、単結晶ア
ルミナから成る板状体23とを接合した構造としてある
ため、薄型の真空ピンセット21とすることができる。
その為、収納スペースが狭いカセット55でも簡単にウ
ェハ50の出し入れが可能であり、板状体23の表面が
そのまま吸着面23aとなるため、吸着面23aを大き
くとることができ、安定したウェハ50の支持ができ
る。
【0031】〔実施例5〕図6(a),(b)は本発明
に係るさらに別の真空ピンセット31で、2枚の単結晶
アルミナから成る板状体32,33の一方に溝32bを
形成し、他方の板状体33には上記溝32bの両端部と
一致するように2つの孔が穿設してあり、これら2枚の
板状体32,33を接合したものである。そして、板状
体32の溝32bが連通孔36として作用し、この連通
孔36とつながる先端側の孔を開口部34とし、後端側
の孔を吸引孔35としてある。又、ウェハの吸着面33
aをなす板状体33の表面を中心線平均粗さで0.08
μm以下の鏡面に仕上げてある。
【0032】この2枚の単結晶アルミナから成る板状体
32,33を接合するには、実施例2の単結晶アルミナ
製の板状体2と支持部材3との接合同様、各接合面32
e,33eをダイヤモンド砥粒によるラッピング加工を
施し、次にクロスによるポリッシング研磨を行うことに
より、中心線平均粗さ(Ra)で0.02μm以下、好
ましくは0.01μm以下で、且つ平坦度が20μm以
下、好ましくは5μm以下の面に仕上げることが必要で
ある。そして、鏡面研磨された板状体32,33の接合
面32e,33eを重合わせ、50g/cm2 の圧力を
加えた状態で、真空炉に入れ約1700℃で3時間程度
アニール処理することにより一体接合することができ
る。
【0033】又、各板状体32,33を接合する場合に
は、引張応力が生じる方向に各単結晶アルミナのC軸を
併せることで、吸着面33aを含む面がA面となること
から、よりいっそう真空ピンセット31の強度を高める
ことができる。
【0034】その為、このような構造を有する真空ピン
セット31は、小型で安定な支持ができるとともに、高
温化で最も信頼性があり、洗浄による使用回数が最も長
いものとすることができる。
【0035】なお、本発明のウェハ搬送装置は、以上の
実施例に示した構造のものだけに限定されるものではな
く、少なくとも載置面に純度が99.99%以上の単結
晶アルミナを用いたものであれば本発明の範囲にあるこ
とは言うまでもない。
【0036】〔実験例〕本発明に係る単結晶アルミナ
(サファイア)と、比較例として従来用いられていた石
英、多結晶アルミナ、及び炭化珪素でテストピースを作
製し、表面に存在する直径5μm以上のボイドの個数
と、耐薬品性について実験を行った。なお、各試料の特
性は表1に示す通りであり、ボイドは1cm2 当りの個
数を測定し、耐薬品性については、液温が60℃のフッ
酸(濃度46%)に24時間浸したときの浸食量を測定
した。
【0037】その結果は表1の通りである。
【0038】
【表1】
【0039】表1より判るように、試料3及び試料4に
は、多数のボイドが存在しており、しかも、耐薬品性に
ついても、少しではあるが浸食を受けている。その為、
ウェハに傷を付けたり、悪影響を与える恐れがあること
や、洗浄の繰り返しによって載置面の面精度が損なわれ
るのは避けられないことが判る。
【0040】又、試料2にあっては、ボイドの数がゼロ
と優れているものの、ヤング率が他の材料に比してかな
り劣っており、しかも、強酸に対して浸食し易いことが
判る。
【0041】これに対し、本発明の試料1の材料は、ボ
イドの数がゼロと優れており、載置面を形成するのに最
適な材料であることが判る。又、耐薬品性についても、
本発明の試料1は全く浸食していないことから、洗浄を
繰り返しても載置面の面精度が損なわれることはなく、
長期にわたり使用できることが判る。
【0042】又、試料3及び4の材料では、純度を9
9.99%以上とするのは困難であるが、本発明の単結
晶アルミナでは可能である。
【0043】次に、本発明の載置面を構成するサファイ
アの表面粗さを変えたときのシリコンの付着量について
実験を行った。
【0044】サファイア板の表面にラップ加工を施して
種々の表面粗さとし、その上に10mm角のシリコンウ
ェハを載せて、上から500gの荷重を掛ける。そし
て、シリコンウェハを10m摺動させときにサファイア
板の表面に付着する径が20μm以上のパ−ティクル数
をカウントしてグラフに表した。なお、表面粗さは中心
線平均粗さで算出してある。
【0045】結果は、図7に示す通りである。
【0046】図7から判るように、中心線平均粗さが
0.08μmより大きい場合は、サファイアといえども
シリコンの付着は避けられない。
【0047】これに対して、中心線平均粗さが0.08
μm以下ではパーティクル数は、非常に少なくなり載置
面として最適な面であることが判る。その為、このよう
な表面粗さを有するサファイアを載置面としたウェハ搬
送装置では、搬送の際に生じる摺れ合いによって、ウェ
ハに傷を付けることなく、移動させることができる。さ
らに、本発明実施例2の搬送アーム5を用意し、8inch
シリコンウェハを載置したときの板状体2の撓み量を測
定した。
【0048】本発明実施例2の搬送アーム5は、長さ2
00mm、幅30mm、厚み1.5mmの多結晶アルミ
ナセラミックス及びサファイアから成る板状体2で形成
し、10mm角で、厚みが1mmのサファイアから成る
3個の支持部材3を焼結により接合したものである。
又、比較例として、本発明の搬送アーム5と同一寸法で
板状体及び支持部材が石英ガラスから成る搬送アームを
用意して実験を行った。なお、上記搬送アームを構成す
る材質は表1に示す通りである。
【0049】実験の結果、比較例の搬送アームは、石英
ガラスのヤング率が7700kg/mm2 と低いため、
8inchシリコンウェハ(約50g)を載置すると2.7
5mmも撓んだ。 これに対して本発明実施例2の各搬
送アーム5は8inchシリコンウェハを載置しても、多結
晶アルミナセラミックス製の板状体2では0.57m
m、サファイア製の板状体2にあっては0.48mmと
非常に撓み量が少なかった。又、搬送アーム5の板状体
2の厚みをさらに薄くして実験を行った結果、多結晶ア
ルミナセラミックス製の板状体2では1mmの厚みのも
のまで使用可能であり、サファイア製の板状体2にあっ
ては0.9mmの厚みのものまで使用できることが判っ
た。その為、本発明実施例2の各搬送アーム5を用いれ
ば、現在では収納間隙の限界と言われるウェハの収納間
隙が2mmのカセットからでも容易にウェハの取り出し
或いは収納を行うことができる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、少なくともウェハと接
触する当接面を単結晶アルミナで形成し、その面粗さを
中心線平均粗さ(Ra)で0.08μm以下としたこと
により、ゴミの付着を大幅に低減し、ウェハに傷を付け
ることなく載置或いは吸着させることができる。しか
も、高純度であるため、NaやCaを殆ど含有していな
いことから、物質移動によるウェハへの悪影響を与える
ことない。
【0051】又、単結晶アルミナで形成したウェハ搬送
装置は高強度で耐薬品性に優れているため、たわむこと
がなく、狭いカセットに収納されたウェハをスムーズに
取り出すことができるとともに、何回洗浄を繰り返した
としても、浸食を受けないため、長期にわたり使用する
ことができるというように、極めて信頼性の高いウェハ
搬送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明実施例に係るウェハ搬送装置の
うち、搬送アームを示す平面図であり、(b)は(a)
のX−X線断面図である。
【図2】単結晶アルミナの面方位を示す図である。
【図3】(a)は本発明に係る他の搬送アームの平面図
であり、(b)は(a)のY−Y線断面図である。
【図4】(a)は本発明に係るウェハ搬送装置のうち、
真空ピンセットを示す平面図であり、(b)は(a)の
Z−Z線断面図である。
【図5】(a)は本発明に係る他の真空ピンセットの平
面図であり、(b)は(a)のW−W線断面図である。
【図6】(a)は本発明に係る他の真空ピンセットの平
面図であり、(b)は(a)のV−V線断面図である。
【図7】本発明に係る単結晶アルミナの表面粗さとシリ
コンの付着量を示したグラフである。
【図8】従来の搬送アームを示す斜視図である。
【図9】従来の真空ピンセットを示す斜視図である。
【図10】一般的なウェハ搬送装置の使用状態を示した図
である。
【符号の説明】
1:搬送アーム 2:板状体 3:支持部材 4:接着剤 3a:載置面

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウェハを載置或いは真空吸着して移動させ
    る搬送装置において、少なくともウェハと接触する当接
    面を純度が99.99%以上の単結晶アルミナで形成
    し、該当接面を中心線平均粗さ(Ra)で0.08μm
    以下の面としたことを特徴とするウェハ搬送装置。
JP17550193A 1993-07-15 1993-07-15 ウェハ搬送装置 Pending JPH0729959A (ja)

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