JPH0729919B2 - 求心性知覚c繊維と温度調節減感を引き起こすレジニフェラトキシンおよびその同族体の使用 - Google Patents

求心性知覚c繊維と温度調節減感を引き起こすレジニフェラトキシンおよびその同族体の使用

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JPH0729919B2
JPH0729919B2 JP2500630A JP50063089A JPH0729919B2 JP H0729919 B2 JPH0729919 B2 JP H0729919B2 JP 2500630 A JP2500630 A JP 2500630A JP 50063089 A JP50063089 A JP 50063089A JP H0729919 B2 JPH0729919 B2 JP H0729919B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、神経性炎症、化学的におよび熱的に誘発され
る疼痛、カプサイシンに敏感な求心性知覚経路連累応答
(responses involving sensory afferent pathways)
(例えば求心性知覚C繊維)および視床下部温度制御領
域連累応答(responses involving the hypothalamic t
emperature control region)に対して被検動物を減感
させるレジニフェラトキシン(resiniferatoxin)の使
用に関する。
発明の背景 構造的に関係のあるインゲノール(ingenol)およびレ
ジニフェロノール(resiniferonol)エステルを伴うフ
ォルボールエステル類(phorbol esters)は、ユーフォ
ルビアセアエ(Euphorbiaceae)およびチメレアセアエ
(Thymeleaceae)科の植物に由来するジテルペン誘導体
である〔エバンス,エフ.ジェイ.(Evans,F.J.)およ
びテイラー,エス.イー.(Taylor,S.E.)(1983)
「フォルトシュリッテ デル ヒェミー オルガニッシ
ェル ナチュルストッフェ(Fortshr.d.Chem.organ.Nat
urst.)」第44巻第1〜99頁;ヘッカー,イー.(Hecke
r,E.)「カルシノジェネシス(Carcinogenesis)」中
“メカニズム オブ チュモー プロモーション アン
ド コカルシノジェネシス(Mechanisms of Tumor Prom
otion and Cocarcinogenesis/癌化促進および共同発癌
のメカニズム”《ティー.ジェイ.スラガ(T.J.Slag
a),エー.シヴァク(A.Sivak)およびアール.ケー.
ボウトウェル(R.K.Boutwell)編》第2巻第11〜48頁、
ラーベン プレス(Raven Press),ニューヨーク〕。
フォルボールエステル類はそれらの癌促進活性のために
熱烈な研究興味の対象となってきた〔ヘッカー,イー.
(Hecker,E.)(1968)「キャンサー リサーチ(Cance
r Res.)」第28巻第2238〜2349頁〕。最近、プロテイン
キナーゼの調節物としてのフォルボールエステル類の役
割の詳細が研究されてきた〔アシェンデル,シー.エ
ル.(Ashendel,C.L.)(1985)「バイオキミカ エト
バイオフィジカ アクタ(Biochim.Biophys.Acta)」
第822巻第219〜242頁;ブルムバーグ,ピー.エム.(B
lumberg,P.M.)(1988)「キャンサー リサーチ(Canc
er Res.)第48巻第1〜8頁〕。これらの化合物または
潜在的刺激剤であり、それらの天然起源からの単離は、
植物の有機抽出物のマウス耳発赤分析での活性が指標に
される〔ヘッカー,イー.(Hecker,E.),イミッヒ,
エッチ(Immich H.),ブレシュ,エッチ(Bre−sch,
H.)およびシャイレル,エッチ.−ユー.(Schairer,
H.−U.)(1966)「ツァイチュリフト ケルブスフォル
シュング(Z.Kerbsforsch.)」第68巻第366〜374頁〕。
この活性に基づいて、レジニフェロノールエステルであ
るレジニフェラトキシン(RTX)は、ユーフォリビア
レジニフェラ(Euphoribia resinifera)、ユーフォリ
ビア ポイッソニー(E.poissonii)およびユーフォリ
ビア ユニスピナ(E.unispina)から単離される〔ヘル
ゲンハーン,エム.(Hergenhahn,M.),アドルフ,ヴ
ェー.(Adolph,W.)およびヘッカー,イー.(Hecker,
E.)「テトラヘドロン レターズ(Tet.Lett.)」第19
巻第1595〜1598頁;エバンス,エフ.ジェイ.(Evans,
F.J.)およびシュミット アール.ジェイ.(1976)
「フィトケミストリー(Phytochemistry)」第15巻第33
3〜335頁〕。
フォルボールエステル類にとって、C20位の環外ヒドロ
キシル基のエステル化は活性を著しく失わせる原因とな
る〔ヘッカー,イー.(Hecker,E.)「カルシノジェネ
シス(Carcinogenesis)」“メカニズム オブ チュモ
ー プロモーション アンド コカルシノジェネシス
(Mechanisms of Tumor Promotion and Cocarcinogenes
is/癌化促進および共同発癌のメカニズム”第2巻第11
〜48頁、ラーベン プレス(Raven Press),ニューヨ
ーク〕。RTXは、この位置でエステル化されている癌化
促進レシニフェロノール誘導体とは異なっている。構造
−活性分析は、この置換分4−ヒドロキシ−3−メトキ
シ−フェニルアセテートが活性決定に本質的な役割を担
っていることを示している〔アドルフ,ヴェー.(Adol
ph,W.),ソルグ,ベー(Sorg,B),ヘルゲンハーン,
エム.(Hergenhahn,M.)およびヘッカー,イー.(Hec
ker,E.)(1982)「ジェイ.ナット.プロッド.(J.Na
t.Prod.)」第45巻第347〜354頁;シュミット アー
ル.ジェイ.)およびエバンス,エフ.ジェイ.(Evan
s,F.J.)(1979)「インフラメーション(Inflammatio
n)」第3巻第273〜280頁〕。様々なトウガラシ種の実
中の刺激成分であるカプサイシン(capsaiscin)もまた
活性に決定的な4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル
置換分を持っている〔スゾルクサニー,ジェイ.(Szol
csanyi,J.)およびヤンクソ−ガボー,エー.(Jancso
−Gabor,A.)(1975)「アルツナイム−フォルシュ(Ar
zneim−Forsch)」第25巻1877〜1881頁〕。
カプサイシンのかなり報告されている一作用は体温を劇
的に低下させることである〔ヤンクソ−ガボー,エー.
(Jancso−Gabor,A.)スゾルクサニー,ジェイ.(Szol
csanyi,J.)およびヤンクソ,エヌ.(Jancso,N.)(19
70)「ジャーナル オブ フィジオロジー(J.Physio
l.)」第2111巻第449〜459頁;スジクスザイ,エム.
(Szikszay,M.),オーバル,エフ.ジュニア(Obal,F.
Jr.)およびオーバル,エフ.(Obal,F.Jr.)(1982)
「ノイニン−シュミーデベルグス アルヒ.ファルマコ
ル(Naunyn−Schmiedeberg's Arch.Pharmacol)」第320
巻第97〜100頁〕。本発明者等は、RTXが温度調節の役割
を持っているかどうかを決定するために、そしてこれら
の効果をカプサイシンのそれと比較するために、これら
の2種類の刺激性化合物の可能性ある相同(homology)
を探究した。
ヘッカー等(Hecker et al)による米国特許第4,716,17
9号には、無刺激性か僅かに刺激性のおよび/または癌
化促進性のジテルペンアルコールおよびその誘導体の抗
新生物剤(antineoplastic preparation)としての用途
が開示されている。レジニフェラトキシンは癌における
治療効果も有意な腫瘍抑制効果も持たないことが見出さ
れた。
発明の概要 本発明は、神経性炎症、化学的におよび熱的に誘発され
る疼痛、カプサイシンに敏感な求心性知覚経路連累応答
(例えば求心性知覚C繊維)および視床下部温度制御領
域連累応答に対して被検生体を減感させるための減感有
効量のレジニフェラトキシンおよびそのための製薬学的
に許容され得る担体を被検動物に投与することからなる
被検動物を減感させる方法に関する。
なお、レジニフェラトキシンは局所、皮下、腹腔内また
は静脈に投与されてよい。
図面の簡単な説明 図1はカプサイシンとレジニフェラトキシンの構造を対
比している。
図2はラットにおけるRTXまたはカプサイシンによる低
温症の誘発を示す。
図3はRTX投与後の時間を関数としてラットの体温を示
す。
図4は体温低下作用およびエヴァンスブルー管外流出に
対する減感の投与量依存を示す。
図5は局所RTXまたはカプサイシンにより誘発されるエ
ヴァンスブルー管外流出の投与量依存を示す。
図6はRTXまたはカプサイシンの点滴注入に応じたラッ
トにおける眼払拭の投与量依存を示す。
図7はRTX処置後のラットの後足皮膚の水分量を示す。
図8はマウスの体温を示す。
図9はマウスにおける体温変化についての投与量応答曲
線を示す。
図10はマウス体温におけるRTXまたはカプサイシンの反
復処置の効果を示す。
発明の詳細な説明 レジニフェラトキシン(RTX)は自然にジテルペンを生
じ、構造的にはポルボールエステルに関連し、そしてユ
ーポルビア(Euphorbia)の3種のラテックス〔イー.
レジニフェラ(E.resinifera)、イー.ポイッソニー
(E.poissonii)及びイー.イニスピラ(E.inispir
a)〕〔ヘルゲンハーン(Hergenhahn)他(1975)テト
ラヘドロン レター(Tetrahedron Lett.)19,1595−15
98及びシュミット(Schmidt)他(1976)植物化学(Phy
tochemistry)15,1778−1779〕中に確認された。RTXは
マウス イヤー レッドニング アッセイ(mouse ear
reddening assay)(ヘルゲンハーン他(1975)テトラ
ヘドロン レター19,1595−1598)により驚くべき活性
の元として単離され、そしてそれは代表的なポルボール
エステルであるポルボール12−ミリステート13−アセテ
ート(PMA)〔ヘッカー,イー(Hecher,E.)(1978)
(発癌性に関して),腫瘍増殖性及び発癌性の機構(Me
chanism of Tumor Promotion and Cocarcinogenesi
s),編者スラガ,ティー.ジェイ(Slaga,T.J.),シ
ヴァック,エイ(Sivak,A.)及びボウトウェル,シー.
ケイ(Boutwell,C.K.),ラーヴェン プレス(Raven P
ress),ニューヨーク),Vol.2,pp.11−48及びアドルフ
(Adolph)他(1982)J.Nat.Prod.45,347−354〕の最大
の効能よりも強さが3桁大きな効能を示す。RTXのキャ
ラクタリゼーションにより、その第一の標的がポルボー
ルエステルの標的とは異なるということが強く示唆され
た。ポルボールエステルによって誘起される永続的な炎
症とは異なり、RTXによって誘起される耳の赤化は一時
的であった〔アドルフ他(1982)J.Nat.Prod.45,347−3
54,シュミット他(1979)炎症(Inflammation)3,273−
280及びヘルゲンハーン他(1982)J.Cancer Res.Clin.O
ncol.140,31−39〕。RTXは腫瘍増殖性ではなかった〔ハ
ウゼン(Hausen)他,(1979)Proc.Natl.Acad.Sci.USA
76,782−785による〕;RTXは培養細胞系において代表的
なポルボールエステル応答を誘起しなかった〔ハウゼン
他,(1979)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 76,782−785及び
ドリートガー(Driedger)他(1980)Cancer Res.40,14
00−1404による〕;及びRTXはプロテインキナーゼCに
結合しているポルボールエステルに比べて有効ではなか
った〔ドリートガー他(1980)Proc.Natl.Acad.Sci.USA
77,567−571〕。
遊離の20個のヒドロキシル基は、ポルボールエステル活
性のために重要である〔ヘッカー,イー(1978)(発癌
性に関して),腫瘍増殖性及び発癌性の機構,編者スラ
ガ,ティー.ジェイ,シヴァック,エイ及びボウトウェ
ル,シー.ケイ,(ラーヴェン プレス,ニューヨー
ク),Vol.2,pp.11−48〕。RTXは、対照的に、この位置
が4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニルアセテートに
よりエステル化され、且つこの置換基はその異常な炎症
誘起活性のために本質的なものであることが示された
〔アドルフ他(1982)J.Nat.Prod.45,347−354及びシュ
ミット他(1979)炎症3,273−280〕。驚くべきことに、
4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル置換基は、カプ
サイシン〔レッドペッパー及びカプシクム(Capsicum)
属の他の植物の主要な刺激性成分〕の重要な特徴でもあ
る〔ジャンクソ,エヌ(Jancso,N.)(1968)痛みの薬
理学(パーガモン プレス(Pergamon Press,オックス
フォード),Vol.9,pp.33−55より、及びスゾルクサニー
(Szolcsanyi)他(1975)アルツナイム−フォルシュ.
(Arzneim−Forsch.)(Drug Res.)25,1877−1881〕
(図1参照)。カプサイシン同族体の構造−活性分析
は、更に、RTX中に見出されるようなエステル結合はカ
プサイシン中に反対に配向して存在するアミド結合によ
る置換に充分に耐えられるということを示している。
カプサイシンは、種々の生理学的効果(痛み、神経性浮
腫、及び低温症は顕著な例である)を生じさせる〔ジャ
ンクソ,エヌ(1968)痛みの薬理学(パーガモン プレ
ス,オックスフォード),Vol.9,pp.33−55より、スゾル
クサニー他(1975)アルツナイム−フォルシュ.(Drug
Res.)25,1877−1881及びバック(Buck)他(1986)Ph
armacol.Rev.38,179−226〕。激しい応答に、永続的な
脱感作が続く。仮定された細胞機構は、脱感作及び、幾
つかの条件下では、C−繊維感覚求心神経の変性により
続かれる一時的活性化による〔ジャンクソ,エヌ(196
8)痛みの薬理学(パーガモン プレス,オックスフォ
ード),Vol.9,pp.33−55より、バック他(1986)Pharma
col.Rev.38,179−226及びスキャッディング,ジェイ.
ダブリュ(Scadding,J.W.)(1986)J.Anat.131,473−4
84〕。これらの神経は、物質P及び結合したニューロペ
プチドを含む。C−繊維に関するこのカプサイシンの効
果に対する生化学的機構は知られていない。本発明者
は、RTX及びカプサイシンの可能な同族関係を確立し
〔即ち、両化合物は交差耐性により続かれるマウスにお
ける体温の劇的な低下を起こした(デヴリース(Devrie
s)他(1988)提起,生命科学(Life Sciences))〕、
そして以下の本文中に記載の如く、RTX及びカプサイシ
ンの効能及びイン ヴィヴォ(in vivo)活性を今や詳
細に比較した。
したがって、本発明者は、市販されてはいるがしかし大
きく未研究である天然生成物、レジニフェラトキシンを
キャラクタリゼーションした。RTXはその活性に関して
は定性的にカプサイシンに類似しているが、しかし活性
(即ち、103−104倍より活性)及び作用の比較スペクト
ルに関しては異なる。それ故、レジニフェラトキシンは
神経性の炎症、化学的及び温度的に誘起された痛み、並
びにC−繊維及び視床下部の温度制御領域を包含する感
覚求心径路を含む応答に対する脱感作を起こす。誘起さ
れた脱感作は、関節炎の,喘息の,アレルギー性の応
答、発熱、癌又はヘルペスウイルス感染に伴う痛みに関
する用途、並びに物質P又はカプサイシン処理により減
らされた他のニューロペプチドにより仲介される生化学
的方法に関する用途を有する。
上記の如く、レジニフェラトキシンはカプサイシンと同
様の効果を有するが、しかしその非常に大きな活性(10
4まで)において異なり、このことは副効果を著しく減
少させ且つより簡単な適用(即ち、能率的でない径路を
通るより少ない容量及び吸収)を可能にするであろう。
RTXは又幾分か異なる作用スペクトルを示し、与えられ
た全身的毒性水準におけるより大きな脱感作及び激しい
痛みの誘起に関するより大きな脱感作を起こすことがで
きる。
更に、レジニフェラトキシンによる脱感作は、局所性
の,静脈の,腹腔内の、及び皮下の施薬により活性化さ
せることができる。RTXは哺乳類、より特別にはマウ
ス、ラット、家畜または人間のような動物に施薬してよ
い。家畜はここではイヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ヤ
ギまたはヒツジが当てはまる。
更に、カプサイシンは試験した全ての哺乳類に関してそ
の活性を発現するが、しかし鳥類及び低級脊椎動物に関
してはその活性を発現しないということは特記すべきで
ある〔モンセリーナソーン(Monsereenusorn)他(198
2)CRC Crit.Rev.Toxicol.10,321−339〕。本願におい
て提供されたカプサイシン及びレジニフェラトキシンの
活性における類似を基礎として、我々はレジニフェラト
キシンの効果はラット及びマウスに限定されず同様に人
間に拡張されると推定する。
レジニフェラトキシンはユーポルビア(Euphobia)属の
幾つかの員中に存在する著しく刺激性のジテルペンであ
り、2−20μg/kgの範囲内の有効投与量を用いることに
より、マウスの直腸の温度を8℃低下させた。構造的に
関連した天然生成物であるカプサイシンは、1000倍低い
活性と共に同様の強さの体温低下作用を生じさせた。両
薬剤の体温低下効果に対する耐性は容易に発現し、そし
て薬剤の間の交差耐性が観察された。レジニフェラトキ
シンの著しい活性は、この種の化合物の作用機構の生化
学的分析を容易にするであろう。
RTXマウス イヤー レッドニング アッセイにおいて
その活性が顕著であった。その50%有効投与量(1.6×1
0-14モル/耳)は、代表的なポルボールエステルである
ポルボール12−ミリステート13−アセテートの最大活性
よりも1000倍大きな活性を示した。〔アドルフ,ダブリ
ュ(Adolph,W.),ソルグ.,ビー(Sorg.B.),ヘルゲン
ハーン,エム.(Hergenhahn,M.)及びヘッカー,イ
ー.(Hecher,E.)(1982)J.Nat.Prod.,Vol45,pp347−
354〕。
RTXの作用機構は広範に研究されてはいなかったけれど
も、その機構は下記理由によりポルボールエステルの機
構とは明確に異なる。
(1) ポルボールエステルは施薬3時間後及び24時間
後に類似の耳の赤化を起こすが、RTXの刺激活性は初期
の時点においてのみ見出される〔アドルフ,ダブリュ他
(1982)J.Nat.Prod.,Vol45,pp347−354;シュミット,
アール.ジェイ(Schmidt,R.J.)他(1979)炎症,Vol3,
pp273−280;ヘルゲンハーン,エム.他(1982)J.Cance
r Res.Clin.Oncol.,Vol.104,pp31−39〕 (2) RTXは腫瘍増殖性ではなく且つ培養細胞の範囲
内における誘起応答において代表的なポルボールエステ
ルよりも非常に活性が小さい。〔ハウゼン,エッチ(Ha
usen,H.),ボルンカム,ジー.ダブリュ(Bornkamm,G.
W.),シュミット,アール.(Schmidt,R.)及びヘッカ
ー,イー.(1979)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,Vol.7
6,pp782−785;ドリートガー,ピー.イー.(Driedger,
P.E.)及びブラムベルク,ピー.エム.(Blumberg,P.
M.)(1980)Cancer Res.,Vol.40,pp1400−1404によ
る〕。
(3) RTXはプロテインキナーゼC上のサイトに結合
しているポルボールエステルに比肩しない〔ドリートガ
ー,ピー.イー(Driedger,P.E.)及びブラムベルク,
ピー.エム.(1980)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,Vol.
77,pp567−571〕。
RTX(本発明の活性成分)は、適切な薬剤担体又は希釈
剤と混合することにより薬剤組成物に形成することがで
きる。例えば、RTXは油、プロピレングリコール又は注
射用溶液を製造するために通常使用される他の溶媒に溶
解することができる。適する担体は生理食塩水、ポリエ
チレングリコール、エタノール、ゴマ油、クレモポール
(cremophor)及びイソプロピルミリステートを包含す
る。局処用途のためには、RTXは軟膏又はクリームとし
て製剤化することができる。
下記方法及び賦形剤は単なる例示であり、そして本発明
を何ら限定するものではない。
薬剤投与形態における本発明の化合物は、それらの薬学
的に許容される塩の形態で使用してもよいし、そして単
独又は適切な混合物として、並びに他の薬学的に活性な
化合物と組み合わせて使用してもよい。
本発明の化合物は、水性溶媒例えば通常の塩類、5%デ
キストロースに、又は非水性触媒例えば植物油、合成脂
肪酸グリセリド、高級脂肪酸若しくはポリプロピレング
リコールのエステルに;そして所望により慣用の添加剤
例えば可溶化剤、等張剤、懸濁剤、乳化剤、安定剤及び
防腐剤と共にそれらを溶解、懸濁又は乳化することによ
り、注射用製剤に加工し得る。
本発明の化合物は、所望の効果を有する他の化合物と混
合してもよい。
本発明の化合物の望ましい投与量は、目的、投与形態、
方法及び施薬期間に応じて変わる。しかしながら、望ま
しい効果を得るためには、一般的に単独使用又は複合使
用においても本発明の化合物を体重当たり1×10-5ない
し5×10-2mg/kg、好ましくは0.1×10-3ないし5×10-2
mg/kg、特別には0.1×10-3ないし5×10-3mg/kg施薬す
ることが必要である。
組成物の表現においては、化合物は0.0001ないし10重量
%、好ましくは0.0001ないし1重量%存在すべきであ
る。
したがって、下記実施例はレジニフェラトキシンはユー
ポルビア族の幾つかの員のラテックス中に存在する炎症
誘起性のジテルペンであるということを具体的に説明す
る。その作用機構は、構造的に関連するポルボールエス
テルの作用機構とは明確に異なる。RTXは4−ヒドロキ
シ−3−メトキシフェニル置換基を有する(カプサイシ
ンの主な特徴であり、カプシクム属の植物の主な刺激性
成分)ので、代表的なカプサイシン応答を誘起するRTX
の能力を試験する。RTXを用いたラットの処理(実施例
1)、カプサイシンを用いた同種の処理は、低温症、神
経性炎症及び痛みを起こす。これらの応答には、神経性
炎症に対する脱感作により、並びに化学的及び熱的痛覚
脱失により、RTXとカプサイシンの間の交差耐性と共に
温度調節の喪失が続く。RTXは温度調節及び神経性炎症
に関する効果については、カプサイシンよりも3−4桁
強いより大きな効能を示す。RTXはカプサイシンとは効
能に関して類似するのみであり、激しい痛みの誘起及び
激しい痛みに対する脱間作に対する分析は、他の応答に
対する脱感作を起こした量よりもより少量のRTXを必要
とすることを示す。それ故、RTXは超効能カプサイシン
類似物として作用し、そしてカプサイシン応答の副群の
間で特異的であろう。
下記実施例により、特許請求した発明を詳細に説明する
ことを意図しており、そして当業者は本発明をより完全
に理解することができるであろう。しかしながら、本発
明はこれらの代表的な実施例のみに限定されているとい
うように解釈すべきではない。
実施例1 方法 スプラグエ−ドーリー(Sprague−Dawley)種ラット
(メス、250−300g)をジヴィック−ミラー ラボラト
リー(Zivic−Miller Laboratories)から購入する。実
験の間、動物は任意に食物と水を取れる。種々の実験で
使用される動物の数は表1−3と図1−10の説明に示
す。RTX(分子量 628)は「ケミカルス フオー カン
サー リサーチ」社(Chemicals for Cancer Research,
Inc.)(シャンハッセン エムエフ(Chanhassen M
N))から入手し、カプサイシン(capsaicin)(分子量
305)はポリサイエンシース(Polysciences)(ワー
リントン,ピーエー(Warrington,PA))から購入す
る。これら化合物は、特に記載のない限り、10%エタノ
ール/10%トウィーン−80/80%生理食塩水にいれて投与
する。
痛感誘発強度 化合物の痛感誘発強度は、ここでは参考文献に包含され
ている文献のジャンクソ他〔参照:ジャンクソ他(196
1)アフタ フィジオロ.アカデ.サイ.ハンガリー(A
cta Physiol.Acad.Sci.Hung.)19,113−131〕により記
述されているようにして検定した。簡単に述べると、生
理食塩水中の10倍づつに増やした濃度の化合物をラット
の眼に滴下し、防御動作(前足による眼拭き)の回数を
決める。催涙によって洗浄される刺戟物を最少にするた
めに滲み込ませは一回だけ繰り返す。薬剤の入っていな
い溶液そのものは眼拭きを誘発しない。10回の眼拭き
(適度の痛感−誘発強度)と同等の反応を誘発する濃度
を薬量−反応曲線から計算する〔参照:スゾルクサンイ
他(1975)アルツナイフォルシュング(Arzneim−Forsc
h.(Drug Res.))25,1877−1881〕。
これらの実験以外は、RTXとカプサイシンの両方は、不
必要な痛みを避けるために軽いエーテル麻酔下投与す
る。
血管透過性の解析 血漿アルブミンに対する血管透過性における変化は、エ
バンス青技術を使用して解析する〔参照:ザリア他(19
83)ジェイ.ニューロサイ. メト.(J.Neurosci.Met
h.)8,41−49〕。各々の時点と薬量において、8−12頭
のラットをペントバルビトン(pentobarbitone)(40mg
/kg)で麻酔し、右側頚動脈を露出する。そして、20mg/
kgのエバンス青(100IU/mlのヘパリンを含有する生理食
塩水中の1%エバンス青溶液)を注射する〔参照:ザリ
ア他(1983)ジェイ.ニューロサイ. メト.(J.Neur
osci.Meth.)8,41−49〕。注射後の指示した時間(特に
記述がなければ、例えば、典型的には30分)に、動物を
殺し、組織(例えば、皮膚、肺、卵巣、胃、腸)を取り
出す。取り出した組織を過剰の液体を取るために濾紙で
乾かし、即座に重量を測定し、エバンス青を抽出するた
めに50℃で24時間にわたり4.0mlのホルムアミド中に入
れておく。島津分光光度計中で620nmにおける吸光度を
決める。
浮腫の程度 刺戟物または溶媒により後足を処理して浮腫の程度を測
定する。指示した時間(例えば、30分)に動物を殺し、
直径1cmの皮膚の切片を取り、速やかに秤量し、そして5
0℃で24時間にわたり乾燥した後、皮膚の切片を再秤量
する。刺戟物で処理した動物と溶媒で処理した動物の間
の水含有量の差異は浮腫の程度を示している〔参照:フ
ィシャー他(1988)カンサー リサーチ(Cancer Resea
rch).48,659−664〕。
観察した炎症の神経(原)性の起源の直接の証拠を得る
ために、10−14頭の神経除去したラットをジヴィック
ミラー ラボラトリーから購入する。RTXに反応する浮
腫の程度の定量は、左側の伏在の神経を上腿部で切断し
てから3日後に行う〔参照:ジャンクソ他(1967)ビー
アール.ジェイ.ファーマコロ.ヒェモテラピ(Br.J.P
harmocol.Chemother.)31,138−151〕。
刺戟物を両後足に施用し;右側の無傷の後足は陽性の対
照になる。
体温 ラットの体温は、スジクセイ他(1982)〔参照:ナウニ
ンシュミーデベルク′ス アーク.ファーマコロ.(Na
unyn−Schmiedeberg's Arch.Pharmacol.)320,97−10
0〕により記載されているのと同じにして決められる。
処理の前に、ラットを室温(20℃)と直腸より5cmの深
さに導入した小動物温度検体(コレパーマー,シカゴ、
アイエル(Cole−Parmer,Chicago,IL))に慣らす。
急性の化学的痛みに対する不感性化は眼拭き試験を使用
して検査する。RTXを皮下注射し、4時間後にカプサイ
シンを眼に滲み込ませる。慢性的痛感に対する抗痛感受
容効果は、ズブィイソン他(1977)〔参照:ペイン(Pa
in)4,161−174〕の方法により試験される。5%のホル
マリン溶液を、RTXまたはカプサイシンの局部的投与の
後4時間後に右側の前足の足底の表面下に注射する。動
物の行動は、ズブィイソン他(1977)〔参照:ペイン
(Pain)4,161−174〕に記載されているようにして、60
分間の観察時間にわたり評点される。
熱感受容は、50℃における尻尾浸漬試験で検査される
〔参照:ド′アムール他(1941)ジャーナル オブ フ
ァーマコロジカル.エックスペ.テラピ.(J.Phamaco
l.Exp.Ther.)およびガムセ,アール(1982)ナウニン
シュミーデベルク′ス アーク.ファーマコロ.(Naun
yn−Schmiedeberg's Arch.Pharmacol.)320,205−21
6〕。
炎症反応に対する不感性化は、神経性の炎症の有効な誘
発剤であるキシレンで上腿部を塗布した後の管外溢出し
たエバンス青を測定することにより決められる〔参照:
ジャンクソ他(1967)ビーアル.ジェイ.ファーマコ
ロ.ヒェモテラピ(Br.J.Pharmocol.Chemother.)31,13
8−151〕。不感性化は、デキストラン(50μlの体積中
の25μg)を後足に皮下注射した後の管外溢出したエバ
ンス青を測定することによっても決められる;デキスト
ランは神経性の炎症の原因にならない血管作動性の物質
を遊離する〔参照:ジャンクソ他(1967)ビーアル.ジ
ェイ.ファーマコロ.ヒェモテラピ(Br.J.Pharmocol.C
hemother.)31,138−151〕。
結果 カプサイシンは、哺乳動物における体温調節に深遠な影
響を与える〔参照:ジャンクソ−ガボール他(1970)ジ
ャーナル オブ フィジオロジー(ロンドン)(J.Phis
iol.(Lond.))206,495−507,ウィルス他(1979)ライ
フサイエンス(Life Sci.)25,1273−1284,モンゼリー
ヌーソルン他(1982)シーアールシー シーアールアイ
テー.レビュー.トキシコロジー(CRC Crit.Rev.Toxic
ol.)10,321−339およびヤックシュ他(1979)サイエン
ス(Science)ワシントンD.C.(Wash.D.C.)206,481−4
83〕。RTXも、カプサイシンと同様に、20℃に保持した
ラットを処理した1時間後に直腸内温度において2−3
℃の低下を及ぼす(図2を参照)。RTXのED50は、カプ
サイシンのED50 2×10-3g/kgと比較して、3×10-7g/
kgである。
カプサイシンで繰り返し処理すると、体温低下効果に対
して全く不感性になる。〔参照:ジャンクソ,エヌ.
(1968)ファマコロジー オフ ペイン(Pharmacology
of pain)(パーガモン プレス,オックスフォード)
9巻、33−55頁およびヤックシュ他(1979)サイエンス
(Science)ワシントンD.C.(Wash.D.C.)206,481−48
3〕。
同様にして、RTXを1×10-4g/kgで処理すると体温の急
激な低下を招くが3時間後には対照の水準に戻る(図3A
を参照)。RTXによる2回目の処理は、限定した反応を
招くだけであり、更に処理すると影響がでない。不感性
になった動物は、カプサイシンに対して交叉不感性(10
-2g/kg)を示すが、一方対照の動物はカプサイシンに対
して顕著な体温低下を示す。
カプサイシンで不感性にしたラットは、熱ストレスに対
して適応する能力が無いことを示す〔参照:ジャンク
ソ,エヌ(1968)ファマコロジー オフ ペイン(Phar
macology of pain)(パーガモン プレス,オックスフ
ォード)9巻、33−55頁およびウィルス他(1979)ライ
フサイエンス(Life Sci.)25,1273−1284〕。上昇する
環境温度下におくと、RTXで不感性にしたラットは、対
照動物とは対照的に、体温が着実に上昇するのを示し、
最後には衰弱する(図3Bを参照)。
カプサイシンにより不感性化は、一回の大量投薬のまた
は繰り返し増加する投薬量の方法によりできる〔参照:
ジャンクソ,エヌ.(1968)ファマコロジー オフ ペ
イン(Pharmacology of pain)(パーガモン プレス,
オックスフォード)9巻、33−55頁およびブック他(19
86)ファーマコロジカル レビュウ(Pharmacolog.Re
v.)38,179−226〕。前者の手順は、量表現と比較のた
めにはより便利である。従って、薬量依存性は、RTXの
一回の、皮下注射による前処理に次ぐRTX−誘導体温低
下に対する不感性で決められた(図4参照)。薬量感応
曲線は、極端に急勾配であり、5×10-6g/kgのED50にな
った。この値は、大体、直接の体温低下効果のED50より
大きい大きさの位数であるが、最大の感応を与える値と
同程度である。
神経性の炎症の誘導はカプサイシンの反応の2番目の顕
著な特徴である〔参照:ジャンクソ他(1967)ビーア
ル.ジェイ.ファーマコロ.ヒェモテラピ(Br.J.Pharm
ocol.Chemother.)31,138−151,ウィルス他(1979)ラ
イフサイエンス(Life Sci.)25,1273−1284およびモン
ゼリーヌールソン他(1982)シーアールシー シーアー
ルアイテー.レビュー.トキシコロジー.(CRC Cirt.R
ev.Toxicol.)10,321−339〕。炎症は染料であるエバン
ス青の管外溢出を測定することにより定量化される。カ
プサイシンと同様に、ラットの後足に局部的に投与した
RTXは劇的な管外溢出を起こす。局部投与のRTXのED
50は、カプサイシンの3×10-2g/後足のED50と比較し
て、3×10-5g/後足である(図5参照)。浮腫形成の速
度は、時間の函数として後足皮膚の水含有量から求めら
れる。30分までは、浮腫の形成は観察されない;水の含
有量は90分後に最大に達する;そして浮腫は4時間で消
失する(図7参照)。溶媒のアセトンそのものは何らの
影響がない。
カプサイシンが原因になる炎症は、神経(原)性なの
で、それらの反応を無傷の後足に於けるのと、ラットの
腿中の伏在的神経の横断により神経除去した後足に於け
るRTXと比較する。神経除去は、下記の表1中に示した
ように、エバンス青の管外溢出によるまたは水含有量に
おける増加による測定のいずれかによっても全体的にRT
Xに対する炎症反応を遮断する。
左側の伏在的神経を試験の3日前に切断する。両方の後
足上に、アセトン50μl中の刺戟物を局部的に与える;
無傷の後足は陽性の対照になる。
値は、平均値±SEM(2試験における10−14頭の動物の
平均値の標準誤差)である。
エバンス青の管外溢出は、RTXによる後足の局部的処理
に続いてのみ定量化されるというものの、RTXの静脈内
注射(0.1μg/kg)の後の浸透的管外溢出の視覚による
検査を行った。RTXはカプサイシンに就いて報告された
のと同様の管外溢出のパターンを誘導する〔参照:ザリ
ア他(1983)ナウニンシュミーデベルク′ス アーク.
ファーマコロ.(Naunyn−Schmiedeberg's Arch.Pharma
col.)324,212−218〕:皮膚、肺、卵巣および殆どの他
の組織における管外溢出、しかし特異的に胃と腸にはな
い。
カプサイシンの処理の後、神経性の炎症に対する不感性
化が続く〔参照:ジャンクソ,エヌ.(1968)ファマコ
ロジー オフ ペイン(Pharmacology of pain)(パー
ガモン プレス,オックスフォード)9巻、33−55頁、
ブック他(1986)ファーマコロジカル レビュウ(Phar
macolog.Rev.)38,179−226、ウィルス他(1979)ライ
フサイエンス(Life Sci.)25,1273−1284およびモンゼ
リーヌールソン他(1982)シーアールシー シーアール
アイテー.レビュー.トキシコロジー.(CRC Cirt.Re
v.Toxicol.)10,321−339〕。
RTXの皮下注射は、同様に、下記の表2に示したよう
に、RTXまたはカプサイシンのいずれかによる4時間後
の投与でのエバンス青の管外溢出を妨害する。RTXの前
処理は同様にキシレン、他の強い神経性の刺戟物に対す
る反応をブロックする〔参照:ジャンクソ他(1967)ビ
ーアル.ジェイ.ファーマコロ.ヒェモテラピ(Br.J.P
harmocol.Chemother.)31,138−151〕が、非神経性の機
作による強い刺戟物であるデキストランに対する反応に
は影響が殆ど無い。
RTX(300μg/kg)を、背中の皮膚中に注射する。対照に
は賦形剤だけを注射する。4時間後に、キシレン、カプ
サイシン、またはRTXを後足の皮膚上に塗るかまたはデ
キストランを皮膚下に注射する。エバンス青の管外溢出
を、キシレンまたはデキストランの処理の10分後そして
カプサイシンまたはRTX処理の30分後に決める。値は、
2試験における8−10頭の動物の平均値である。
RTXの皮膚下の注射により誘導される不感性化は早く発
現し、長時間継続する。神経性の炎症の抑制は、1時間
後には70%以上であり、4時間後には平原状になり、こ
れは続く4日間維持される。処理後7日間、反応性は一
部分回復するのみである。
RTXの皮下注射による、キシレン−誘導のエバンス青の
管外溢出の抑制のためのED50は、5×10-6g/kg(図4を
参照)である。同様に、カプサイシンの皮下注射によ
る、キシレン−誘導のエバンス青の管外溢出の抑制のた
めのED50は、10-1g/kg(図4を参照)である。カプサイ
シンの場合は、最高許容皮下薬量の一回の投与では部分
的な不感化だけを与え、それに対してRTXでは完全な不
感性化が与えられる。
カプサイシンは、化学原性の痛感受容器を強く刺戟し
〔参照:ジャンクソ,エヌ(1968)ファマコロジー オ
フ ペイン(Pharmacology of pain)(パーガモン プ
レス,オックスフォード)9巻、33−55頁およびモンゼ
リーヌールソン他(1982)シーアールシー シーアール
アイテー.レビュー.トキシコロジー.(CRC Cirt.Re
v.Toxicol.)10,321−339〕、そして眼に対する刺戟は
定量的なカプサイシン構造−活性相関にかなり広く利用
されて来た〔スゾルクサンイ他(1975)アルツナイフォ
ルシュング(Arzneim−Forsch.(Drug Res.))25,1877
−1881およびジャンク他(1961)アクタフィジオロ.ア
カデ.サイ.ハンガリー(Acta Physiol.Acad.Sci.Hun
g.)19,113−131〕。他の検定におけるのと同様に(例
えば、上述したもの)、RTXはカプサイシンよりより薬
効があることが証明された(図6A参照)。しかし、この
強さの差異は、体温低下と炎症効果で観察される103−1
04−倍の差異より遥かに少ない。これに加えて、カプサ
イシン浸潤における即座の反応と比較して、RTX処理は
5−10秒の潜伏期間が観察され、そして反応の持続は長
い。より高いレベルに対する眼拭き反応(eye wiping r
esponse)のための薬量反応曲線の延長は、過度の痛み
を避けるために行っていない。
RTXの皮下注射は、カプサイシンに対する眼拭き反応の
不感性化の原因になる。RTXのED50は1×10-7g/kgであ
り、この薬量は体温低下と炎症効果に対する不感性化の
ためのED50より顕著に少ない。
この差異は1×10-6g/kgにおいてRTXで処理した動物に
於いて確認され、眼拭き反応とエバンス青の管外溢出の
両方を評価した。
化学的または熱的痛感受容に対するRTXの不感性化は、
(i)前足へのホルマリンの注射に対する反応〔参照:
ズブィイソン他(1977)ペイン(Pain)4,161−174およ
びハイエス他(1981)ニューロファーマコロ(Neuropha
rmacol)20,505−511〕および(ii)50℃の水への尻尾
の浸漬〔参照:ド′アムール他(1941)ジャーナル オ
ブ ファーマコロジカル.エックスペ.テラピ.(J.Ph
armacol.Exp.Ther.)およびガムセ,アール(1982)ナ
ウニンシュミーデベルク′ス アーク.ファーマコロ.
(Naunyn−Schmiedeberg's Arch.Pharmacol.)320,205
−216〕のような2種の他の標準検定法でも検査され
る。RTXは、下記の表3に示してあるように両方の場合
について、カプサイシンがするよりはより強く痛感受容
をブロックする。
a:カプサイシンおよびRTXは示された投与量を50μの
容量で前足の足裏面に注射する。
b:前処理4時間後、5%ホルマリン溶液50μを処理後
の足に注射する。動物の行動を注射1時間後に観察し、
そして痛み応答を(Dubuisson等(1977),Pain4,161−1
74)の記載に従って定量する。
c:同じ動物において前処理8時間後、尾引込みの潜在時
間が決定される(D'Amour等(1941),J.Parmacol.Exp.T
her.72,74−79およびGamse,R.(1982)Naunyn−Schmied
eberg's Arch.Pharmacol.320,205−216)。値は2つの
試験において6−10匹の動物に対して平均値±SEMであ
る。
論考 データはRTXがカプサイシン類似対として作用すること
を強く示唆している。RTXはカプサイシンに対して調べ
られている3つの特徴的な鋭敏な生理学的応答、すなわ
ち低体温、神経性炎症および痛みの各々を誘導する。RT
Xに対する鋭敏な応答には、カプサイシンの典型的特徴
であって非関連の刺激物の特徴ではない脱感作が続く。
RTX脱感作動物はさらにカプサイシンに対して交差許容
性を示す。
RTXは質的な作用においてカプサイシンに類似するが、
量的にそれは効力において顕著に異なっている。RTXは
上記生理学的応答に対してカプサイシンに比べより高い
効力を示す:低体温の誘導に対して(7×103倍,皮下
投与),神経性炎症の誘導に対して(1×103倍,局部
塗布),神経性炎症の脱感作に対して(2×105,皮下投
与)。マウスにおける研究において(下の実施例2参
照)、RTXはまた低体温の誘導に対して2×103倍のより
高い効力であることが見出されている。
上記アッセイにより示されるようなカプサイシンより高
い効力であることに加えて、RTXはまた作用の異なるス
ペクトルを示す。鋭い痛みの測定である眼払拭アッセイ
におけるRTXの効力は、上記の103−105倍の差異とは異
なり、カプサイシンの効力の2のファクター内にある。
神経性炎症の脱感作のために、RTXの単一投与で完全な
脱感作が得られ、一方カプサイシンの最大許容投与では
部分的な脱感作を起こすのみである。この質的差異は皮
下投与に関する異なる相対的毒性を反映するかもしれな
い。RTXの最大許容投与量は神経性炎症の脱感作のため
のED50約100倍であり、一方カプサイシンに対するED50
その最大許容投与量である。薬動力学における差異は相
対的な効力の相違のいくつかを説明するが、それが観察
される105倍の差異を説明するとは考えられない。
眼払拭およびエバンスブルー管外遊出応答における脱感
作に対するRTXの効力の比較はまた、作用の均一性を暗
示する。RTXでの脱感作は両方の場合において同一の様
式で行われ、そして実際の両方の応答は同一動物で評価
され得るが、眼払拭アッセイにおける脱感作は後者のア
ッセイにおけるよりもRTXの100倍低い投与量で達成され
る。
カプサイシンおよび同様の関連類似体の従来の研究は異
なる同属動物に対する応答が異なるパターンであること
を示唆している。カプサイシンは鋭敏な刺激および長く
持続する脱感作を引き起こす一方、ショウガ中の刺激成
分であるジンゲロンは脱感作活性を欠いている(Jancs
o,N.(1968),「痛みの薬学(Pharmacology of Pai
n)」(ペルガモン・プレス(Pergamon Press),オッ
クスフォード),第9巻,33−55頁)。カプサイシンに
存在するがジンゲロンには存在しないアクリルアミド結
合が脱感作に対して必須であるかもしれないということ
が示唆された(Jancso,N.(1968),「痛みの薬学」
(ペルガモン・プレス,オックスフォード),第9巻,3
3−55頁)。RTXの高い脱感作効力はこの示唆に反論する
ものである。
RTXは痛み、神経性炎症および体温制御の機構を追跡す
るための強力で新規な道具であることを示す。その高い
効力はレセプター分析を促進し;ホルボル関連ジテルペ
ンに対する構造的関係は誘導体の新規なファミリーを付
与し、カプサイシン薬剤運搬体(pharmacophore)を明
らかにする。C繊維脱感作の可能性のある治療的意味を
与える際に、RTXの作用のユニークなスペクトルは特に
興味深い。
実施例1の図面はより詳細に以下において論議されてい
る。
図1はカプサイシンとレジニフェラトキシンの構造の比
較を示す。
図2はRTXまたはカプサイシによるラットへの低体温の
誘導を示す。直腸温度の低下は示された投与量でRTX
(●)またはカプサイシン(○)の皮下注射1時間後に
測定される。各点は2回の実験での10匹の動物に対する
平均値を示す。
図3はRTXの投与後の時間の関数としてラットの体温を
示す。
A)動物は黒ヌリ矢印により示された時間RTX100μg/kg
を注射される(●)。交差許容性はカプサイシン10mg/k
gの注射により試験される(白ヌキ矢印)。ビヒクル対
照は同じ投与量のカプサイシンを注射される(○)。値
は2回の実験における6−8匹の動物の平均値である。
B)ビヒクル対照(▲)またはRTX400μg/kgの累加投与
量の注射により脱感作された動物(■)を高い周囲温度
(38℃)に曝す。低体温はラットに虚脱状態をもたら
す。値は2回の実験における8匹の動物の平均値であ
る。
図4は低体温作用およびエバンスブルー管外遊出に対す
る脱感作の投与量依存性を示す。RTX(▲)またはカプ
サイシン(△)を示された投与量で皮下注射した4時間
後にキシレン(50μ/足)により管外遊出は誘導され
る。値は3回の実験における8−12匹の動物に対する平
均値±SEMである。■はビヒクル対照におけるキシレン
誘導されたエバンスブルー管外遊出を示す。示された投
与量でRTX前処理(●)12時間後に最高の応答を与える
投与量であるRTX100g/kgの注射により低体温は誘導され
る。時間間隔は前処理と試験投与により得られる低体温
の間になんら妨害を生じないように選択される。値は2
回の実験における8−10匹の動物の平均値である。
図5は局部的RTXまたはカプサイシンにより誘導された
エバンスブルー管外遊出の投与依存性を示す。示された
投与量でのRTX(●)またはカプサイシン(○)は50μ
アセトン中で後ろ足の皮膚に塗布される。管外遊出は
塗布30分後に測定される。各点は2回の実験における10
匹の動物に対する平均値±SEMである。
図6はRTXまたはカプサイシンの滴下に対する応答にお
ける眼払拭の投与量依存性を示す。
A)示された濃度のRTX(●)またはカプサイシン
(○)がラットの眼の中に滴下される。各値は3回の実
験における12匹の動物に対する平均値±SEMである。
B)動物は示された投与量でRTX(▲)の皮下注射によ
り処理され、そして10-3g/mlカプサイシンに対する眼払
拭応答が6時間後に決定される。値は2回の実験おける
8−10匹の動物に対する平均値±SEMである。
図7はRTX処理後にラットの後ろ足の皮膚の含水量を示
す。レジニフェラトキシン50μgをラットの後ろ足の皮
膚に塗布し、そして皮膚の含水量を10分と4時間の間に
及び示された時間で測定する。各点は塗布後の各時間で
の5匹の動物からの平均値を示す。実験をもう1回繰り
返し、そして同様の結果を得た。
実施例2 物質と材料 マウスの体温はオバル(Obal)及び共同研究者によって
記載されたように本質的に決定される〔Szikszay,M,Oba
l,F.Jr.及びObal,F.氏著(1982)、Naunyn−Schmiedebe
rg's Arch.Pharmacol.,Vol.320,p.97−100〕。
10−36匹のメスCD−1マウス25−30gを処理前に実験室
(22−23℃)、及び2.5cmの深さまで直腸に導入される
小動物用温度探針(Cole−Parmer,Chicago,IL)に慣ら
す。薬剤は10%エタノール/10%Tween−80/80%リン酸
緩衝食塩水で調製され、レジニフェラトキシン0.2−40u
g/kgまたはカプサイシン2−15mg/kgの指示された投与
量で0.1ml以下の容量で投与される。実験の途中にもか
かわらず、動物は自由に食物や水を取ることができる。
投与量応答曲線(Dose response curves)は曲線適合プ
ログラム(curve−fitting program)KAによって分析さ
れる(McPherson,G.A.,Molenaar,P.,Raper,C.及びMalt
a,E.氏著,(1983),J.Pharmacol.Methods,Vol.10,p.23
1−241)。
レジニフェラトキシン(分子量628)はCancer Research
(Chanhassen,MN)のための化学物質から得られ、およ
びPolysciences(Warrington,PA)からカプサイシン
(分子量305)は得られる。
結果 カプサイシン(15mg/kg)は図8に見られるような皮下
注射におけるマウスの体温(直腸温度)での深い降下を
つくり出す。効果は1時間で最大であり、3時間までに
基線に戻る。RTX(20g/kg)は体温で匹敵する降下を生
じる。しかし、RTXの作用の持続時間は数倍長い。
カプサイシン及びRTXの相対的な有効性は、処理1時間
後の体温の降下を測定することによって決定される。RT
Xは3g/kgの50%有効投与量を持ち、カプサイシンは図9
に示されるように7mg/kgの50%有効投与量を示す。最大
に許容される投与量で両剤によって誘導された体温の降
下は約8℃である。
腹膜内に投与されるとき、カプサイシンは一過性の効果
のみを生じ、そのうえ、皮下投与に必要な量より多くの
投与量でのみ生じる。RTXで得られた結果は投与経路と
は無関係であることを示している(図8及び10参照)。
カプサイシンの低体温の効果に対する著しい耐性は、図
10に示されるように処理2日後までに発現する。耐性は
RTXに対しても発現するが、より長期間の後である。ど
ちらの薬剤に曝されても、約1.5℃の高熱の休息状態(r
esting state)を作り出す。カプサイシンか、またはRT
Xのどちらかで処理した4日後に、他の化合物に対する
動物の低体温の応答が試験される(図10)。カプサイシ
ンで予備処理された動物はRTXに対して同等に耐性であ
る。RTXで予備処理された動物は部分的にカプサイシン
に耐性である。
考察 RTX及びカプサイシンは、マウスの直腸温度の劇的な鎮
圧効果を共有する。この効果は一部、熱放射を高めるの
に貢献する両化合物の刺激/血管拡張作用のためかもし
れない。さらに、脳の思考領域に対するカプサイシンの
適用は、この化合物の体温調節作用の中枢であると強く
論じられている(Monsereenusorn,Y.,Kongsamut,S.及び
Pezalla,P.D.氏著,(1982),CRC Crit.Rev.Toxicol.,V
ol.10,p.321−339)。
RTXにより誘導された体温低下の速度および程度はま
た、作用の中枢であると論じてもよい。
カプサイシンは肝ミクロソーム薬物−代謝系と有効に相
互に作用し、ミクロソームタンパク質と不可逆に結合す
ると報告されている(Miller,M.S.,Brendel,K.,Burks,
T.F.及びSipes,I.G.氏著,(1983),Biochem.Pharmaco
l.,Vol.32,p.547−551)。
生物変換(biotransformation)に対する感受性は、カ
プサイシンの作用の相対的に短い持続時間と、腹膜内に
投与されたときの有効性の欠如を説明しうる。
耐性がこれらの低体温剤の効果に対して発現するメカニ
ズムはたぶん、高められた代謝を分解する、特に上記の
薬剤−代謝系とカプサイシンの相互作用と考えられる幾
つかの成分を含む。
ラットにおけるカプサイシンに関してここで記され、前
に記載されている最初の暴露に続き、得られた温度での
観察された高さ〔(Jancso−Gabor,A.,Szolcsanyi,J.及
びJancso,N.氏,(1970),J.Physiol.,Vol.208,p.449−
459; Szikszay,M.氏等,(1982),Naunyn−Schmiedeberg's A
rch.Pharmacol,Vol.320,p.97−100)〕は、低体温のス
トレスに対する中枢応答の幾つかの形態を示し、観察さ
れた耐性および交差耐性に寄与しうる。
刺激剤および低体温剤の両方としてRTXの著しい有効性
は、薬理的手段としてその有効性を示す。カプサイシン
の作用メカニズムの解明は、この薬剤の相対的に適度な
有効性によって妨げられる。種々の他のパラダイムにお
けるRTXとカプサイシンの作用間の比較は、これらの興
味深い天然生成物のメカニズムを詳述する際に有利に証
明してもよい。
実施例2の図を、以下より詳細に説明する。
図8は、時間“0"に於いて媒体(■)、200μg/kgのRTX
(●)または15mg/kgのカプサイシン(◆)を皮下に投
与後の時間を関数として、マウスの体温を示す。それぞ
れのデータ点は4匹の動物±s.e.m.からの中間値であ
る。
図9はRTX(●)またはカプサイシン(◆)で処理1時
間後の体温の変化の投与量応答曲線を示す。RTXは腹膜
内に投与され、カプサイシンは皮下に投与される。それ
ぞれのデータ点は、5つの個々の実験において、2−4
匹の動物に対する処理前と処理後の平均値の差を示す。
図10は体温に関してRTXまたはカプサイシンの反復処理
の効果を示す。値は、皮下注射された4匹の動物から得
られた平均値およびs.e.m値を示す。体温は処理前
(□,○,◇)及び処理1時間後(■,●,◆)に測定
された。媒体の対照(□,■)。1日目および2日目に
20μg/kg、及び3日目および4日目に40μg/kgの割合に
よりRTXで処理する。5日目に交差耐性は15mg/kgのカプ
サイシン注射によって試験される。
1日目および2日目に15μg/kg、及び3日目および4日
目に30μg/kgの投与でカプサイシン(◇,◆)で処理さ
れる。5日目に交差耐性は20g/kgのRTX注射によって試
験される。
本発明はこのように記載され、同様に多くの方法で変化
されうることは明らかであろう。そのような変法は本発
明の本質および範囲から逸脱したものと見るべきではな
い。当該分野の当業者に明らかである全ての改良は、以
下のクレームの範囲内に含まれることを意味する。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】神経性炎症、化学的および熱的に誘発され
    る疼痛、カプサイシンに敏感な求心性知覚経路連累応答
    および視床下部温度制御領域連累応答に対して被検生体
    を減感させるための減感有効量のレジニフェラトキシン
    およびそのための製薬学的に許容され得る担体を被検動
    物に投与することからなるヒト以外の被検動物を減感さ
    せる方法。
  2. 【請求項2】レジニフェラトキシンが局所、皮下または
    腹腔内に投与される請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】レジニフェラトキシンが1×10-5mg/kgな
    いし5×10-2mg/kgの範囲内で投与される請求項1記載
    の方法。
  4. 【請求項4】被検生体がヒト以外の哺乳動物である請求
    項1記載の方法。
  5. 【請求項5】被検哺乳動物がマウス、ラットまたは家畜
    である請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】家畜がイヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ヤ
    ギまたはヒツジである請求項5記載の方法
  7. 【請求項7】レジニフェラトキシンが単一または重複適
    用で投与される請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】神経性炎症に対して被検生体を減感させる
    ための治療上の減感有効量のレジニフェラトキシンおよ
    びそのための製薬学的に許容され得る担体を被検動物に
    投与することからなる請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】化学的および熱的に誘発される疼痛に対し
    て被検生体を減感させるための治療上の減感有効量のレ
    ジニフェラトキシンおよびそのための製薬学的に許容さ
    れ得る担体を被検動物に投与することからなる請求項1
    記載の方法。
  10. 【請求項10】カプサイシンに敏感な求心性知覚経路連
    累応答に対して被検生体を減感させるための治療上の減
    感有効量のレジニフェラトキシンおよびそのための製薬
    学的に許容され得る担体を被検動物に投与することから
    なる請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】視床下部温度制御領域連累応答に対して
    被検生体を減感させるための減感有効量のレジニフェラ
    トキシンおよびそのための製薬学的に許容され得る担体
    を被検動物に投与することからなる請求項1記載の方
    法。
  12. 【請求項12】レジニフェラトキシンおよびそのための
    製薬学的に許容され得る担体からなり、神経性炎症、化
    学的および熱的に誘発される疼痛、カプサイシンに敏感
    な求心性知覚経路連累応答および視床下部温度制御領域
    連累応答に対して被検生体を減感させるための薬剤組成
    物。
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