JPH07298145A - 光電変換装置 - Google Patents

光電変換装置

Info

Publication number
JPH07298145A
JPH07298145A JP6092195A JP9219594A JPH07298145A JP H07298145 A JPH07298145 A JP H07298145A JP 6092195 A JP6092195 A JP 6092195A JP 9219594 A JP9219594 A JP 9219594A JP H07298145 A JPH07298145 A JP H07298145A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photoelectric conversion
conversion element
element array
read
element arrays
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6092195A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisaki Nakayama
寿樹 仲山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP6092195A priority Critical patent/JPH07298145A/ja
Publication of JPH07298145A publication Critical patent/JPH07298145A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transforming Light Signals Into Electric Signals (AREA)
  • Automatic Focus Adjustment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 回路を複雑にすることなく、電荷の蓄積時間
を好適に制御できるようにして最適なセンサ出力が得ら
れるようにする。 【構成】 複数の光電変換素子アレイを同一基板上に配
置する場合に、各光電変換素子アレイの読出しライン7
に付く寄生容量の差を調整するための読出しゲイン調整
用容量15を各光電変換素子アレイごとに設け、各光電
変換素子アレイごとに読出しライン7の寄生容量が異な
るような場合でも、上記読出しゲイン調整用容量15の
作用により各光電変換素子アレイの読出しゲインを略同
一にすることができるようにして、各光電変換素子アレ
イで最適な出力が得られるようにするために煩雑な処理
を行わなくても済むようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の光電変換素子ア
レイを同一基板上に配置した光電変換装置に関し、特
に、カメラの多点測距に対応した焦点検出装置などに用
いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、カメラの多点測距に対応した焦点
検出装置などに用いられる光電変換装置としては、特開
昭63−076476号や特開平1−222583号に
示される装置が提案されている。
【0003】前者の装置は、光電変換素子アレイに入射
する光量の略最大値に基づいて電荷の蓄積時間を制御す
るものである。また、後者の装置は、低コントラストの
被写体(輝度分布の場所的変化が小さい場合)でも、信
号の直流成分(DC成分)を取り除いた被写体の特徴を
示す輝度の略変化分が所定値となるように、電荷の蓄積
時間を制御するものである。
【0004】以下に、特開平1−222583号に示さ
れる光電変換装置について、図を参照しながら説明す
る。図5は、この特開平1−222583号に示される
光電変換素子アレイの等価回路図である。
【0005】図5において、1-1〜1-nは蓄積タイプの
フォトトランジスタアレイ(セル)であり、各トランジ
スタのコレクタには共通の電源が接続されている。ま
た、制御電極領域(ベース)に光電変換された電荷を蓄
積し、これを主電極領域(エミッタ)から読み出すこと
ができるような構造を有している。
【0006】このフォトトランジスタアレイ1-1〜1-n
についての具体的な内容は、例えば、特開昭62−12
8678号、特開昭62−113468号、特願昭61
−168286号、特願昭61−219668号、特願
昭61−219669号などに詳細な記載がある。
【0007】次いで、2-1〜2-nはPMOSスイッチで
あり、上記フォトトランジスタアレイ1を構成する各バ
イポーラトランジスタのベースを、信号φres が与えら
れたときに電源Vc に接続してリセットするためのもの
である。また、3-1〜3-nは第1のNMOSスイッチで
あり、上記各バイポーラトランジスタのエミッタに接続
されており、画素列1-1〜1-nに蓄積された信号を信号
φt に同期して後段の回路に取り出すためのものであ
る。
【0008】次いで、4-1〜4-nは第2のNMOSスイ
ッチであり、上記第1のNMOSスイッチ3-1〜3-n
各々に直列接続されており、蓄積容量5-1〜5-nに蓄積
された画像信号を読出しライン7に送出するためのもの
である。また、5-1〜5-nは各画素のごとの信号を読み
出すための蓄積容量(キャパシタ)であり、上記第1の
NMOSスイッチ3-1〜3-nおよび第2のNMOSスイ
ッチ4-1〜4-nの各接続点と接地点との間に接続されて
いる。
【0009】次いで、6はシフトレジスタであり、上記
第2のNMOSスイッチ4-1〜4-nを順番にオンにし
て、蓄積容量5-1〜5-nに蓄積された画像信号を逐次読
み出すためのものである。また、8は第3のNMOSス
イッチであり、上記第2のNMOSスイッチ4-1〜4-n
の出力端子が共通接続されている読出しライン7を、信
号φhrs が与えられたときに接地して初期化するための
ものである。
【0010】次いで、9は上記読出しライン7に出力さ
れた画像信号を増幅する出力アンプである。また、10
-1〜10-nは第4のNMOSスイッチであり、信号φ
vrs が与えられたときにフォトトランジスタアレイ1-1
〜1-nの各エミッタを接地するためのものである。ま
た、107’は最大最小値検出回路であり、最小値検出
回路11-1〜11-n、最大値検出回路12-1〜12-n
よび出力アンプ13、14により構成されている。な
お、Rで示される素子は、上記最小値検出回路11、最
大値検出回路12において用いられる負荷抵抗を示して
いる。
【0011】図6に上記最小値検出回路11の一単位の
構成を示す。この図6から明らかなように、ひとつの最
小値検出回路は、1個の差動増幅器30と1個のPNP
型トランジスタ31とにより構成されている。また、差
動増幅器30は、定電流回路411、PMOSトランジ
スタ407、408、NMOSトランジスタ409、4
10からなっている。
【0012】上記PNP型トランジスタ31のエミッタ
ラインは、差動増幅器30の反転入力In2 に帰還接続
されるとともに、非反転入力In1 には、フォトトラン
ジスタアレイ1-1〜1-nの各画素列の各エミッタが接続
されている。
【0013】そして、差動増幅器30の非反転入力In
1 のレベルが反転入力In2 のレベルより高い場合に
は、PNP型トランジスタ31のベース電位がほぼ電源
電圧レベルまで変化され、PNP型トランジスタ31が
オフにされる。したがって、図5に示した出力アンプ1
3の入力には電圧が生じない。すなわち、PNP型トラ
ンジスタ31に出力電圧が生じるのは、差動増幅器30
の非反転入力In1 に最も低い電圧が与えられた場合で
あり、これによって最小値が検出される。
【0014】また、図7に上記最大値検出回路12の一
単位の構成を示す。この図7から明らかなように、ひと
つの最大値検出回路は、1個の差動増幅器32と1個の
NPN型トランジスタ33とにより構成されている。ま
た、差動増幅器32は、定電流回路401、PMOSト
ランジスタ402、403、NMOSトランジスタ40
4、405からなっている。
【0015】上記NPN型トランジスタ33のエミッタ
ラインは、差動増幅器32の反転入力In2 に帰還され
て出力ラインとなっている。また、非反転入力In1
は、フォトトランジスタアレイ1-1〜1-nの各画素列の
各エミッタが接続されている。
【0016】そして、差動増幅器32の非反転入力In
1 のレベルが反転入力In2 のレベルより低い場合に
は、NPN型トランジスタ33のベース電位は、ほぼ負
電源の電圧レベルまで下げられ、NPN型トランジスタ
33がオフ状態となる。したがって、図5に示した出力
アンプ14の入力には電圧が生じない。すなわち、NP
N型トランジスタ33に出力電圧が生じるのは、差動増
幅器32の非反転入力In1 に最も高い電圧が与えられ
た場合であり、これによって最大値が検出される。
【0017】図8に、図5に示した光電変換素子アレイ
の動作を説明するためのタイミングチャートを示す。図
8において、まず、以下に述べるリセットが行われる。
すなわち、図8の(a)に示すように、時間t1 〜t2
期間において信号φres がローレベルにされるととも
に、PMOSスイッチ2-1〜2-nがオンされることによ
り、フォトトランジスタアレイ(以下、画素列という)
-1〜1-nのベースが電源Vc の電位に固定される。
【0018】そして、図8の(b)(c)のように、時
間t3 〜t4 期間において信号φvr s および信号φt
ハイレベル(オン)にされることにより、第4のNMO
Sスイッチ10-1〜10-nおよび第1のNMOSスイッ
チ3-1〜3-nが導通し、蓄積容量5-1〜5-nが接地され
て、残留電荷がリセットされる。このようにして、画素
列1-1〜1-nのベースおよびエミッタの各々に対するリ
セットが終了すると、次に蓄積動作に入る。
【0019】蓄積動作に入ると、光電変換された電荷
は、画素列1-1〜1-nのベース領域に蓄積される。この
とき、画素列1-1〜1-nのベースおよびエミッタは、フ
ローティング(容量負荷状態)になっており、エミッタ
にはベース電位を反映した電圧が生じる。
【0020】このエミッタに出力される電圧は、蓄積動
作の終了時において、第1のNMOSスイッチ3-1〜3
-nを介して蓄積容量5-1〜5-nに伝えられる。これによ
り、蓄積容量5-1〜5-nには、信号電荷が蓄積される。
【0021】また、信号の逐次読み出しに際しては、第
2のNMOSスイッチ4-1〜4-nをシフトレジスタ6に
よって順次オンにして、上記蓄積容量5-1〜5-nに蓄積
された信号電荷を読出しライン7に読み出す。このと
き、シフトレジスタ6は、図8の(h)に示した信号φ
ckが入力されるごとに第2のNMOSスイッチ4-1〜4
-nを順次選択する。
【0022】なお、図8の(g)に示すように、上記第
2のNMOSスイッチ4-1〜4-nを選択する直前には、
信号φhrs によって第3のNMOSスイッチ8をオン状
態とし、読出しライン7に残留している電荷をリセット
しておく。
【0023】ところで、信号の逐次読み出しの際に読出
しライン7に付く寄生容量をCH 、蓄積容量5-1〜5-n
の容量値をCT 、蓄積容量5-1〜5-nに蓄積された信号
電荷に伴う電圧をV5-1 〜V5-n とすると、読出しライ
ン7には、電圧V5-1 〜V5- n に対して容量分割比 CT /(CT +CH ) (式1) をかけた電圧V7-1 〜V7-n が逐次読み出される。すな
わち、 V7-i ={CT /(CT +CH )}×V5-i (式2) (ただし、i=1〜n) となる。
【0024】一方、特願昭63−47644号には、被
写体の明部と暗部との差が一定になるように電荷の蓄積
時間を制御することにより、被写体のパターンの特徴部
分のみをA/D変換する方法が提案されている。この方
法は、上記のような最大最小値検出回路107’を備え
た光電変換素子アレイ101’を用いて、図9または図
10のような光電変換装置を構成することにより実現さ
れるものである。
【0025】これらの光電変換装置においては、適正レ
ベルまで電荷の蓄積が行われるか否かの判定を、光電変
換素子アレイ101’の蓄積レベルの最大値Vmax と最
小値Vmin との差分が基準レベルVref に達したかどう
かによって行っている。
【0026】図9および図10において、102は蓄積
レベルの最大値Vmax と最小値Vmi n との差分をとるた
めの差動増幅器である。また、103はコンパレータで
あり、差動増幅器102の出力と所定の基準レベルV
ref とを比較し、電荷の蓄積が適正なレベルに達したこ
とを判定するためのものである。
【0027】104はマイクロコンピュータであり、コ
ンパレータ103から出力される信号φcompが反転する
ことにより、電荷の蓄積が基準レベルVref まで行われ
たこと検知し、電荷の蓄積を終了させるためのパルス信
号φt を光電変換素子アレイ101’に送出する。
【0028】すなわち、図8の(d)に示すように、時
間t4 から開始される電荷の蓄積に伴って、蓄積レベル
の最大値と最小値との差分(Vmax −Vmin )が増加し
て、時間t5 で基準レベルVref に達すると、図8の
(f)のように、信号φcompが反転する。マイクロコン
ピュータ104は、この信号φcompの反転を受けて、図
8の(c)のように信号φt をハイレベルにする。
【0029】これとほぼ同時(時間t6 )に、マイクロ
コンピュータ104は、図8の(e)のような信号SH
を記憶回路105に送出し、ここに蓄積終了時の蓄積レ
ベルの最小値Vmin を記憶させる。次に、光電変換素子
アレイ101’に読出しパルス信号φck、φhrs を送出
し、図8の(i)のような画像信号(Video信号)
を各素子から読み出す。そして、こうして読み出した画
像信号を、A/D変換器104dによってA/D変換す
る。
【0030】このA/D変換の際、図9の例では、A/
D変換レンジを画像信号の範囲に合わせてレベルシフト
している。また、図10の例では、画像信号をA/D変
換レンジに合わせてレベルシフトしている。これのレベ
ルシフトは、いずれもA/D変換が画像信号の最大値と
最小値との間で行われるようにしている。
【0031】このようにして得られたディジタル化され
た画素信号をもとに、特開昭58−142306号、特
開昭59−107313号、特開昭60−101513
号、あるいは特願昭61−160824号に開示されて
いるような演算を行うことにより、合焦判定を行うこと
ができる。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例で示される光電変換素子アレイを同一基板上に複数
個配置して、複数の領域に入射した光を検出するような
用途(例えば、カメラの多点測距に対応したオートフォ
ーカス用センサ)に用いる場合、各光電変換素子アレイ
の読出しライン7に付く寄生容量CH が、配線長および
配線手段(アルミニウムやポリシリコン等)または交差
する他の配線との重なり具合によって差が生じることが
ある。
【0033】また、システム的な問題あるいはコスト的
な問題によって各光電変換素子アレイ内の光電変換素子
数が異なることがあるが、このような素子数の違いによ
っても寄生容量CH に差が生じることがある。すなわ
ち、(式1)で示される容量分割比の値が読出しライン
7ごとに異なることがある。
【0034】したがって、各光電変換素子アレイごとに
最適なセンサ出力が得られるように蓄積時間を制御する
ためには、蓄積レベルのモニタ信号となる最大値Vmax
と最小値Vmin との差分に対する比較電圧Vref を、各
光電変換素子アレイごとに最適化する必要があった。こ
のため、D/Aコンバータのような比較電圧発生手段を
複数備えることが必要であった。
【0035】また、各光電変換素子アレイで比較電圧V
ref を一律とし、各光電変換素子アレイごとにセンサ出
力の読み出しゲインを変えてセンサ出力を調整すること
も可能ではあるが、この場合には、異なる増幅率を持っ
たセンサ出力の増幅器を設けることが必要であった。さ
らに、各光電変換素子アレイのセンサ出力ごとに増幅率
を変えるようにすれば、1つの増幅器を備えるだけで済
むが、この場合には、増幅率を変えるための制御回路を
付加することが必要であった。
【0036】これにより、以上に述べた何れの場合も、
チップ面積や消費電流の増大、コストの増加、さらには
チップ温度の上昇による光電変換素子の特性の悪化をま
ねくという種々の問題があった。本発明は、このような
問題を解決するために成されたものであり、回路を複雑
にすることなく、電荷の蓄積時間を好適に制御できるよ
うにして最適なセンサ出力が得られるようにすることを
目的としている。
【0037】
【課題を解決するための手段】本発明の光電変換装置
は、複数の光電変換素子アレイを同一基板上に配置した
光電変換装置において、上記複数の光電変換素子アレイ
でそれぞれ得られる信号の読出しゲインが略同一となる
ように調整する調整手段を設けたものである。
【0038】本発明の他の特徴とするところは、上記複
数の光電変換素子アレイの出力ラインに付く寄生容量の
差を調整するための容量を、上記複数の光電変換素子ア
レイのそれぞれに設けて上記調整手段を構成したもので
ある。
【0039】本発明のその他の特徴とするところは、上
記複数の光電変換素子アレイの出力ラインに付く寄生容
量の差を調整するための容量を、上記複数の光電変換素
子アレイのうち、出力ラインに付く寄生容量が最も大き
な光電変換素子アレイ以外の他の光電変換素子アレイに
それぞれ設けて上記調整手段を構成したものである。
【0040】本発明のその他の特徴とするところは、上
記複数の光電変換素子アレイと同一基板上に備えられた
複数の容量で上記調整手段を構成し、上記複数の容量の
組合せを上記複数の光電変換素子アレイごとに選択する
ことにより、上記複数の光電変換素子アレイの出力ライ
ンに付く寄生容量の差を調整するようにしたものであ
る。
【0041】本発明のその他の特徴とするところは、上
記光電変換素子アレイと同一基板上に備えられた複数の
容量と、上記光電変換素子アレイの出力ラインとの間に
容量値選択用のスイッチ手段を設けたものである。
【0042】本発明のその他の特徴とするところは、複
数の光電変換素子アレイを同一基板上に配置した光電変
換装置において、上記複数の光電変換素子アレイでそれ
ぞれ得られる信号の読出しゲインが略同一になるように
上記光電変換素子アレイを構成する蓄積容量の容量値を
設定するようにしたものである。
【0043】本発明のその他の特徴とするところは、複
数の光電変換素子アレイを同一基板上に配置した光電変
換装置において、上記複数の光電変換素子アレイごとに
電荷の蓄積レベルをモニタするモニタ手段と、上記モニ
タ手段の出力を上記複数の光電変換素子アレイごとの読
出しゲインに略比例した倍率で増幅する増幅手段とを有
し、上記増幅手段の出力に基づいて上記複数の光電変換
素子アレイでの蓄積時間を制御するようにしたものであ
る。
【0044】
【作用】本発明は上記技術手段より成るので、種々の原
因により各光電変換素子アレイごとにその読出しゲイン
が異なるような場合でも、調整手段の作用により各光電
変換素子アレイの読出しゲインが略同一となるように調
整されることとなり、各光電変換素子アレイで最適な出
力を得るようにするための煩雑な処理を行わなくても済
むようになる。
【0045】例えば、種々の原因により光電変換素子ア
レイごとにその出力ラインに付く寄生容量が異なるよう
な場合でも、複数の光電変換素子アレイのそれぞれに設
けられた容量の作用により、各光電変換素子アレイの読
出しゲインが略同一となるように調整されるようにな
る。
【0046】また、各光電変換素子アレイごとに蓄積容
量の容量値を調整するようにした場合は、読出しゲイン
の低下の原因となる容量を付加しなくても、各光電変換
素子アレイの読出しゲインが略同一となるようにするこ
とが可能となり、各光電変換素子アレイで最適な出力が
得られるようにするために煩雑な処理を行わなくても済
むとともに、出力レベルの低下が防止されるようにな
る。
【0047】さらに、各光電変換素子アレイの蓄積レベ
ルのモニタ信号を各光電変換素子アレイごとの読出しゲ
インに略比例した倍率で増幅するようにした場合には、
各光電変換素子アレイから出力されて増幅手段で増幅さ
れた信号が略同一となるように調整されることとなり、
煩雑な処理を行わなくても電荷の蓄積時間が好適に制御
されるようになる。
【0048】
【実施例】図1は、本発明の光電変換装置の特徴となる
第1の実施例による光電変換素子アレイの構成を示す回
路図である。なお、図1において、図5に示した光電変
換素子アレイと同一の構成部分には同一符号を付して詳
細な説明を省略する。
【0049】図1から明らかなように、本実施例の光電
変換素子アレイにおいては、図5に示した従来の光電変
換素子アレイに加えて、読出しゲイン調整用容量15を
付加している。
【0050】図2は、図1の光電変換素子アレイを用い
た具体的な光電変換装置の構成を示すブロック図であ
り、2つの光電変換素子アレイを同一チップ上に配置し
た場合を示している。なお、本発明の光電変換装置で
は、同一チップ上に配置する光電変換素子アレイの数は
必ずしも2つの場合に限られず、幾つでも構わないが、
簡単のため2つの場合を例にとって説明する。また、光
電変換素子アレイを配置する方向についても、特に制限
されるものではない。
【0051】図2に示す光電変換装置では、図10に示
した従来の光電変換装置の中の光電変換素子アレイ10
1’が、図1に示したような光電変換素子アレイ101
に置き換えられている。また、最大最小値検出回路20
7を含む光電変換素子アレイ201、差動増幅器20
2、コンパレータ203、記憶回路205、画像信号選
択スイッチ109、209および最小値選択スイッチ1
10、210が追加されている。
【0052】ここで、上記最大最小値検出回路207お
よび光電変換素子アレイ201は、図1に示した最大最
小値検出回路107および光電変換素子アレイ101と
同様に構成されている。なお、光電変換素子アレイ10
1を第1の光電変換素子アレイとし、光電変換素子アレ
イ201を第2の光電変換素子アレイとする。以下同様
に、対応する構成同志を第1の構成、第2の構成として
区別する。
【0053】次いで、第2の差動増幅器202は、第2
の最大最小値検出回路207から出力される電荷蓄積レ
ベルの最大値Vmax2と最小値Vmin2との差分をとって、
第2の光電変換素子アレイ201の蓄積状態をモニタす
るための信号Vmon2を生成するものである。また、第2
のコンパレータ203は、上記第2の差動増幅器202
から出力されるモニタ信号Vmon2と基準レベルVref2
を比較して、適正な蓄積レベルに達したかどうかを判定
するものである。
【0054】次いで、第2の記憶回路205は、第2の
光電変換素子アレイ201から出力される電荷蓄積レベ
ルの最小値Vmin2を保持するものである。また、第1お
よび第2の画像信号選択スイッチ109、209は、第
1および第2の光電変換素子アレイ101、201のそ
れぞれから出力される画像信号(Video1 信号また
はVideo2 信号)の何れかを選択し、この選択した
画像信号の何れかを後段の処理回路に送るものである。
【0055】次いで、第1および第2の最小値選択スイ
ッチ110、210は、第1および第2の記憶回路10
5、205のそれぞれに保持されている最小値Vmin1
mi n2の何れか一方を選択し、この選択した何れかの最
小値を後段の処理回路に送るものである。
【0056】なお、マイクロコンピュータ104から出
力される信号SEL1 、SEL2 は、画像信号選択スイ
ッチ109、209および最小値選択スイッチ110、
210を切替えるための選択信号である。また、信号φ
T1、φhrs1、φCLK1、φT2、φhrs2、φCLK2は、それぞ
れ第1および第2の光電変換素子アレイ101、201
の蓄積終了パルス、読出しラインリセットパルス、読出
しパルスである。
【0057】図3に、図2に示した本実施例による光電
変換装置の動作を説明するためのタイミングチャートを
示す。なお、図3には、2つの光電変換素子アレイ10
1、201で電荷の蓄積がそれぞれ終了した後、何れか
の光電変換素子アレイを選択して信号電荷を順次読み出
すような動作が示されている。しかし、一方の光電変換
素子アレイで蓄積が終了したときに他方の光電変換素子
アレイがまだ蓄積中であっても、一方の光電変換素子ア
レイから直ちに電荷を読み出すようにしても本質的な相
違はない。
【0058】図3において、電荷の蓄積開始までの動作
は、図8に示した従来例の場合と同様であるので、説明
を省略する。蓄積動作に入ると、第1の光電変換素子ア
レイ101で光電変換された電荷は、画素列1-1〜1-n
の制御電極領域(ベース領域)に蓄積される。このと
き、画素列1-1〜1-nのベースおよびエミッタは、フロ
ーティング(容量負荷状態)になっており、エミッタに
はベース電位を反映した電圧が生じる。第2の光電変換
素子アレイ201においても同様である。
【0059】また、蓄積レベルの最大値Vmax1、Vmax2
には、それぞれ第1および第2の光電変換素子アレイ1
01、201中の画素列の最大出力に対応した出力が現
れ、蓄積レベルの最小値Vmin1、Vmin2には、それぞれ
第1および第2の光電変換素子アレイ101、201中
の画素列の最小出力に対応した出力が現れる。
【0060】そして、第1の光電変換素子アレイ101
から出力される最大値Vmax1、最小値Vmin1は、第1の
差動増幅器102に入力される。また、第2の光電変換
素子アレイ201から出力される最大値Vmax2、最小値
min2は、第2の差動増幅器202に入力される。
【0061】上記第1および第2の差動増幅器102、
202は、それぞれ同一の増幅率gを持っている。そし
て、この増幅率gを用いて、(式3)および(式4)の
ようにして各光電変換素子アレイ101、201での電
荷蓄積レベルのモニタ信号V mon1、Vmon2が生成され
る。 Vmon1=g(Vmax1−Vmin1) (式3) Vmon2=g(Vmax2−Vmin2) (式4)
【0062】こうして生成されたモニタ信号Vmon1、V
mon2は、それぞれ第1および第2のコンパレータ10
3、203に入力される。第1のコンパレータ103で
は、上記モニタ信号Vmon1と基準レベルVref2との比較
が行われる。そして、図3の(d)に示すように、モニ
タ信号Vmon1の値が電荷の蓄積に伴って増加して基準レ
ベルVref2に達すると、図3の(e)のように、信号φ
comp1 がマイクロコンピュータ104に送られる。
【0063】また、第2のコンパレータ203でも同様
に、上記モニタ信号Vmon2と基準レベルVref2との比較
が行われる。そして、図3の(j)に示すように、モニ
タ信号Vmon2の値が電荷の蓄積に伴って増加して基準レ
ベルVref2に達すると、図3の(k)のように、信号φ
comp2 がマイクロコンピュータ(CPU)104に送ら
れる。
【0064】マイクロコンピュータ104は、これらの
信号φcomp1 、φcomp2 を受けとることで各光電変換素
子アレイ101、201での蓄積レベルが適正レベルに
達したことを検知する。そして、これに対応して、図3
の(f)(l)に示すように、各光電変換素子アレイ1
01、201の蓄積終了パルスφT1、φT2を発生すると
ともに、図1に示した第1のNMOSスイッチ3-1〜3
-nをオンにして、この時点での制御電極の電位に対応し
た電圧を蓄積容量5-1〜5-nに読み出す。
【0065】これと同時に、マイクロコンピュータ10
4は、第1および第2の光電変換素子アレイ101、2
01から出力される蓄積レベルの最小値Vmin1、Vmin2
を、それぞれ記憶回路105、205に記憶させる。
【0066】次に、マイクロコンピュータ104は、上
記蓄積容量5-1〜5-nに読み出された信号を後段の処理
回路に読み出す。このとき、本実施例では、2つの光電
変換素子アレイ101、201で電荷の蓄積が終了した
後、まず、図3の(c)に示すライン選択信号SEL1
をオンにするとともに、図3の(g)(h)に示す読出
しパルスφCLK1および読出しラインリセットパルスφ
hrs1を発生して、第1の光電変換素子アレイ101の蓄
積容量5-1〜5-nから信号を読み出す。
【0067】その後、図3の(i)に示すライン選択信
号SEL2 をオンにするとともに、図3の(m)(n)
に示す読出しパルスφCLK2および読出しラインリセット
パルスφhrs2を発生して、第2の光電変換素子アレイ2
01の蓄積容量5-1〜5-nから信号を読み出している。
【0068】この信号の読み出しに際しては、第2のN
MOSスイッチ4-1〜4-nをシフトレジスタ6によって
順次オンにして、上記蓄積容量5-1〜5-nに蓄積された
信号を読出しライン7に読み出す。このとき、シフトレ
ジスタ6は、図3の(h)または(n)に示した読出し
パルスφCLK1、φCLK2が入力されるごとに、第2のNM
OSスイッチ4-1〜4-nを順次選択する。
【0069】また、図3の(g)(m)に示したよう
に、上記第2のNMOSスイッチ4-1〜4-nを選択する
直前には、読出しラインリセットパルスφhrs1、φhrs2
によって第3のNMOSスイッチ8をオン状態とし、読
出しライン7に残留している電荷をリセットしておくよ
うにする。
【0070】以上のようにして第1の光電変換素子アレ
イ101または第2の光電変換素子アレイ201から読
み出された画像信号(図3の(o)で示されるVide
o信号)は、画像信号選択スイッチ109または209
を介して差動増幅器108の一方の入力端子に入力され
る。
【0071】差動増幅器108の他方の入力端子には、
第1の記憶回路105または第2の記憶回路205に記
憶されている蓄積レベルの最小値Vmin1またはVmin2
入力される。そして、この差動増幅器108により、上
記一方の入力端子に入力される画像信号がA/D変換レ
ベルVref に合わせてレベルシフトされた後、A/D変
換器104dに与えらる。
【0072】ところで、本実施例の各光電変換素子アレ
イ101、201で付加した読出しゲイン調整用容量1
5の容量値をそれぞれC1 、C2 とし、各光電変換素子
アレイ101、201の蓄積容量5-1〜5-nの容量値を
共にCT とする。また、各光電変換素子アレイ101、
201の読出しライン7に付く寄生容量をそれぞれ
H1、CH2としたとき、容量値C1 、C2 を C1 +CH1=C2 +CH2 (式5) を概ね満たすように選択する。
【0073】このようにすることにより、2つの光電変
換素子アレイ101、201に関する(式6)および
(式7)で示されるセンサ出力の読出しゲインは、ほぼ
等しくなる。 CT /(CT +C1 +CH1) (式6) CT /(CT +C2 +CH2) (式7)
【0074】したがって、第1および第2のコンパレー
タ103、203の比較電圧を変えたり、読出し対象と
する光電変換素子アレイごとに差動増幅器108の増幅
率を変えたりするといった煩雑な処理を行うことなく、
各光電変換素子アレイ101、201から読み出される
画像信号がA/D変換器104dのレンジに合わせて最
適となるように、蓄積時間の制御を行うことができる。
【0075】以上のように、第1の実施例によれば、複
数の光電変換素子アレイを同一基板上に形成する場合
に、各々の光電変換素子アレイに読出しゲイン調整用容
量15を設けるようにしている。これにより、システム
上あるいはコスト上の要求により各センサのビット数
(各光電変換素子アレイ内の光電変換素子数)が異なっ
たり、レイアウトの都合で配線容量が異なったりするこ
とによって読出しゲインに差が生じるようなときでも、
上記読出しゲイン調整用容量15の作用により、各光電
変換素子アレイの読出しゲインが略同一となるようにす
ることができる。
【0076】したがって、蓄積終了を判定するための基
準レベルを複数用意したり、差動増幅器108のような
読出しアンプの増幅率を各光電変換素子アレイごとに切
替えたりするための煩雑な処理を行わなくても済むよう
になる。しかも、このような煩雑な処理を行うための回
路を設けなくても済むので、コストの低減、消費電流の
低減、装置の小型化を図ることができる。また、消費電
流の低減により回路での発熱が抑えられるようになるの
で、光電変換素子の暗電流の発生を抑制することがで
き、センサ特性の改善にもつながる。
【0077】なお、この第1の実施例では、2つの光電
変換素子アレイ101、201の両方に読出しゲイン調
整用容量15を設けているが、例えば、複数の光電変換
素子アレイのうち、読出しライン7に付く寄生容量が最
も大きい光電変換素子アレイについては読出しゲイン調
整用容量15を設けないようにする。そして、最も小さ
い読出しゲインに合わせるように、他の光電変換素子ア
レイに読出しゲイン調整用容量15を設けるようにする
こともできる。
【0078】このことは、例えば、各光電変換素子アレ
イ101、201の寄生容量がCH1>CH2であるとき、
(式5)においてC1 =0とし、 CH1=C2 +CH2 (式8) を満たすように読出しゲイン調整用容量15の容量値C
2 を選択する場合に相当する。
【0079】このようにすれば、余分な調整容量を付加
することによって読出しゲインが低下したり、見かけ上
のセンサ感度が低下したりするという不都合を防止する
ことができる。
【0080】次に、図4に第2の実施例による光電変換
素子アレイの構成を示す。図4において、図1に示した
光電変換素子アレイとの違いは、各光電変換素子アレイ
ごとの読出しゲイン調整用容量15の他に、微調整用の
容量16-1、16 -2、…と、スイッチ17-1、17-2
…とを付加している点である。
【0081】一般に、読出しライン7に付く寄生容量を
設計段階で正確に見積もることは困難である。そこで、
この第2の実施例では、微調整用容量16-1、16-2
…を準備しておき、必要に応じて後から微調整を行うよ
うにすることにより、各光電変換素子アレイの読出しゲ
インを正確に調整できるようにしている。
【0082】ところで、微調整の方法には、以下に述べ
る3つの方法がある。1つ目の方法は、光電変換素子ア
レイの試作結果を基にして配線を変更し、全ての光電変
換素子アレイの基板に対して、共通の微調整用容量16
-1、16-2、…を読出しライン7に付加する方法であ
る。
【0083】この場合、スイッチ17-1、17-2、…
は、アルミニウムやポリシリコン等の配線のマスクを変
更して、読出しライン7と各微調整用容量16-1、16
-2、…との間をハード的に短絡または開放にする。ある
いは、読出しライン7と各微調整用容量16-1、1
-2、…との間にNMOSを備え、そのゲート電極を電
源電圧または接地電位に接続して短絡または開放にする
ことで実現する。
【0084】2つ目の方法は、例えば、読出しライン7
と各微調整用容量16-1、16-2、…との間にそれぞれ
NMOSを備え、そのゲート電位をマイクロコンピュー
タ104からの制御信号、または別途設けたメモリ手段
からの出力信号に応じて制御することにより、各読出し
ライン7に付く寄生容量の容量値をソフト的に制御する
ものである。また、3つ目の方法は、上述した1つ目の
方法と2つ目の方法とを合わせたものである。
【0085】上述の2つ目の方法と3つ目の方法では、
製品出荷時に各チップごとに調整値を変えることができ
るので、より精度の高い読出しゲインの調整を行うこと
ができるようになる。
【0086】なお、本実施例では、微調整用容量1
-1、16-2、…は、要求される精度に合わせていくつ
設けるようにしてもよい。また、容量値が固定である読
出しゲイン調整用容量15は必ずしも必要ではなく、ゲ
イン調整用の容量を、全て調整が可能な容量によって構
成するようにしてもよい。本実施例による光電変換装置
の動作については第1の実施例と同様であるので、説明
を省略する。
【0087】次に、第3の実施例について述べる。本実
施例による光電変換素子アレイの回路構成は、図5に示
したものと同様である。また、この光電変換素子アレイ
を利用した光電変換装置の構成は、第1の実施例および
第2の実施例で説明したものと同様であるが、各光電変
換素子アレイの蓄積容量5-1〜5-nの容量値を、各光電
変換素子アレイの読出しゲインがほぼ等しくなるように
(式9)を満たすような値に調整している点で、第1の
実施例および第2の実施例と異なっている。
【0088】 CT1/(CT1+CH1)=CT2/(CT2+CH2)=… (式9) すなわち、 CH1/CT1=CH2/CT2=… (式10)
【0089】なお、上記の(式10)中において、各光
電変換素子アレイの蓄積容量5-1〜5-nの容量値をCT
とし、各光電変換素子アレイの読出しライン7に付く寄
生容量をCH としている。また、各記号に付した添数字
は、同一基板上に配置される複数の光電変換素子アレイ
の番号を示している。
【0090】上述した第1の実施例および第2の実施例
では、読出しライン7に付く寄生容量が最も大きな光電
変換素子アレイ、すなわち、読出しゲインが最も小さい
光電変換素子アレイから出力される信号に対して、他の
光電変換素子アレイから出力される信号のレベルを合わ
せるような調整法となっている。
【0091】しかし、これでは、上記他の光電変換素子
アレイにおいて、見かけ上のセンサ感度が低下してしま
うという欠点がある。特に、図1のように光電変換素子
アレイが同一基板上に2つだけ配置されているのではな
く、同一基板上に多数の光電変換素子アレイ配置されて
いるような場合には、センサ感度が低下してしまう上記
他の光電変換素子アレイが多くなるので、センサ感度の
点で不利である。
【0092】そこで、この第3の実施例では、読出しラ
イン7に付く寄生容量が最も小さい光電変換素子アレ
イ、すなわち、読出しゲインが最も大きい光電変換素子
アレイから出力される信号に対して、他の光電変換素子
アレイから出力される信号のレベルを合わせるようにし
ている。これにより、見かけ上のセンサ感度が低下して
しまうという不都合をなくすことができるようになる。
【0093】以下、この第3の実施例による光電変換装
置の動作を、上述の第1の実施例および第2の実施例と
異なる点についてのみ説明する。なお、本実施例の光電
変換装置では、同一チップ上に配置する光電変換素子ア
レイの数は幾つでも構わないが、簡単のため2つの光電
変換素子アレイを同一基板上に配置した場合について説
明する。
【0094】すなわち、図3の(d)(j)に示すよう
に、電荷の蓄積中に第1および第2の光電変換素子アレ
イ101、201のモニタ信号Vmon1、Vmon2がそれぞ
れ基準レベルVref2に達すると、図3の(e)(k)の
ように、コンパレータ103、203の出力信号φ
comp1 、φcomp2 が反転する。
【0095】そして、これらの反転した信号φcomp1
φcomp2 がマイクロコンピュータ104に送られること
によって各光電変換素子アレイ101、201での蓄積
レベルが適正レベル(蓄積終了レベル)に達したことが
検知される。
【0096】これに対応して、図3の(f)(l)に示
した各光電変換素子アレイ101、201の蓄積終了パ
ルスφT1、φT2がマイクロコンピュータ104から出力
されるとともに、図1に示した第1のNMOSスイッチ
-1〜3-nがオンにされる。これにより、各光電変換素
子アレイ101、201の画素列1-1〜1-nで得られる
信号が蓄積容量5-1〜5-nに読み出される。
【0097】このとき、蓄積容量5-1〜5-nに読み出さ
れる信号の最大値と最小値との差は、第1の光電変換素
子アレイ101および第2の光電変換素子アレイ201
の両方とも、 Vref2/g となる。なお、gは差動増幅器102、202の増幅率
である。
【0098】その後、各光電変換素子アレイ101、2
01のライン選択信号SEL1 、SEL2 、読出し(シ
フトレジスタ駆動)パルスφCLK1、φCLK2および読出し
ラインリセットパルスφhrs1、φhrs2がマイクロコンピ
ュータ104から出力されて、上記蓄積容量5-1〜5-n
に蓄積された信号が読出しライン7を介してVideo
端子に逐次読み出される。
【0099】こうしてVideo端子に読み出される信
号の最大値と最小値との差は、第1の光電変換素子アレ
イ101については、 (Vref2/g)・(CT1/(CT1+CH1)) (式11) となる。また、第2の光電変換素子アレイ201につい
ては、 (Vref2/g)・(CT2/(CT2+CH2)) (式12) となる。ここで、この(式11)および(式12)に上
記した(式10)を適用すると、(式11)および(式
12)で示される値は互いに等しくなる。
【0100】そして、図2の差動増幅器108で(式1
1)および(式12)で示される値に対して所定の増幅
率をかけて、A/D変換器104dのA/D変換レンジ
re f とほぼ等しくなるようにする。これにより、A/
D変換器104dのダイナミックレンジをフルに使える
ように、電荷の蓄積時間を好適に制御することができ
る。
【0101】以上のように、この第3の実施例によれ
ば、複数の光電変換素子アレイを同一基板上に形成する
場合に、各光電変換素子アレイごとに読出しゲインが略
同一となるように、各光電変換素子アレイの蓄積容量5
-1〜5-nの容量値を設定するようにしている。
【0102】したがって、システム上あるいはコスト上
の要求によって各光電変換素子アレイのビット数が異な
ったり、レイアウトの都合で配線容量が異なったりする
ときでも、蓄積終了を判定するための基準レベルを複数
用意したり、読出しアンプの増幅率を各光電変換素子ア
レイごとに切替えたりするための煩雑な処理を行わなく
ても済むようになる。
【0103】しかも、このような煩雑な処理を行うため
の回路を設けなくても済むので、コストの低減、消費電
流の低減、装置の小型化を図ることができる。また、消
費電流の低減により回路での発熱が抑えられるようにな
るので、光電変換素子の暗電流の発生を抑制することが
できる。
【0104】次に、第4の実施例について述べる。本実
施例による光電変換素子アレイの回路構成、およびこの
光電変換素子アレイを利用した光電変換装置の構成は、
第3の実施例で説明したものと同様である。しかし、各
光電変換素子アレイにおける蓄積レベルのモニタ信号を
作るための差動増幅器のゲインを、(式13)に示すよ
うに、各光電変換素子アレイの読出しゲインに略比例す
るようにしている点で、第3の実施例と異なっている。
【0105】 g1 /(CT /(CT +CH1))=g2 /((CT +CH2))=… (式13 ) なお、この(式13)中において、g1 、g2 はそれぞ
れ第1および第2の差動増幅器102、202のゲイン
を示し、CT は各光電変換素子アレイに共通の蓄積容量
-1〜5-nの容量値を示している。また、CH1、CH2
それぞれ第1および第2の光電変換素子アレイ101、
201の読出しライン7に付く寄生容量を示している。
【0106】以下では、第3の実施例と同様に、2つの
光電変換素子アレイを同一基板上に配置した場合につい
て考える。電荷の蓄積を開始してから、第1および第2
の光電変換素子アレイ101、201のモニタ信号V
mon1、Vmon2がそれぞれ基準レベルVref2に達すると、
電荷の蓄積が終了する。
【0107】続いて、この蓄積期間中に蓄積された信号
の読出しが行われる訳だが、その際に蓄積容量5-1〜5
-nに読み出される信号の最大値と最小値との差は、第1
の光電変換素子アレイ101については、 Vref2/g1 (式14) となる。また、第2の光電変換素子アレイ201につい
ては、 Vref2/g2 (式15) となる。
【0108】その後、各光電変換素子アレイ101、2
01のライン選択信号SEL1 、SEL2 、読出しパル
スφCLK1、φCLK2および読出しラインリセットパルスφ
hrs1、φhrs2がマイクロコンピュータ104から出力さ
れて、上記蓄積容量5-1〜5 -nに蓄積された信号が読出
しライン7を介してVideo端子に逐次読み出され
る。
【0109】こうしてVideo端子に読み出される信
号の最大値と最小値との差は、第1の光電変換素子アレ
イ101については、 (Vref2/g1 )・(CT /(CT +CH1)) (式16) となる。また、第2の光電変換素子アレイ201につい
ては、 (Vref2/g2 )・(CT /(CT +CH2)) (式17) となる。ここで、この(式16)および(式17)に上
記した(式13)を適用すると、(式16)および(式
17)で示される値は互いに等しくなる。
【0110】そして、図2の差動増幅器108で(式1
6)および(式17)で示される値に対して所定の増幅
率をかけて、A/D変換器104dのA/D変換レンジ
re f とほぼ等しくなるようにすれば、A/D変換器1
04dのダイナミックレンジをフルに使えるように、電
荷の蓄積時間を好適に制御することができる。
【0111】以上のように、第4の実施例によれば、複
数の光電変換素子アレイを同一基板上に形成する場合
に、各光電変換素子アレイにおける蓄積レベルのモニタ
信号を作るための差動増幅器のゲインを、各光電変換素
子アレイの読出しゲインに略比例するような値に設定す
るようにしている。
【0112】したがって、第3の実施例と同様に、余分
な容量を付加することなく、または蓄積終了を判定する
ための基準レベルを複数用意したり、読出しアンプの増
幅率を各光電変換素子アレイごとに切替えたりするため
の回路を設けることなく、光電変換素子の蓄積時間が最
適となるように制御することができるようになる。
【0113】なお、以上に述べた第1〜第4の実施例を
それぞれ単独で用いるのではなく、任意の実施例を組み
合わせて用いても同等の効果を得ることができる。
【0114】
【発明の効果】本発明は上述したように、複数の光電変
換素子アレイを同一基板上に配置する場合に、上記複数
の光電変換素子アレイで得られる信号の読出しゲインが
略同一となるように調整する調整手段を設けるようにし
たので、種々の原因により各光電変換素子アレイごとに
その読出しゲインが異なる場合でも、各光電変換素子ア
レイの読出しゲインが略同一となるようにすることがで
きる。したがって、各光電変換素子アレイで最適な出力
が得られるようにするために、例えば、電荷の蓄積終了
を判定するための基準レベルを各光電変換素子アレイご
とに設けたり、各光電変換素子アレイで得られる信号を
増幅するための読出しアンプの増幅率を各光電変換素子
アレイごとに切替えたりするなどのような煩雑な処理を
行わなくても済むようになるとともに、このような処理
を行うための回路を設けなくても済むようになるので、
コストの低減、消費電流の低減、装置の小型化を図るこ
とができる。また、消費電流の低減により回路での発熱
を抑えることができるので、光電変換素子の暗電流の発
生を抑制することができ、光電変換素子の特性の劣化を
少なくすることもできる。
【0115】また、各光電変換素子アレイごとに蓄積容
量の容量値を調整するようにした場合は、読出しゲイン
の低下の原因となる容量を付加しなくても、各光電変換
素子アレイの読出しゲインが略同一となるようにするこ
とができる。また、各光電変換素子アレイの蓄積レベル
のモニタ信号を各光電変換素子アレイごとの読出しゲイ
ンに略比例した倍率で増幅するようにした場合は、容量
を付加することなく、増幅された信号が略同一となるよ
うにすることができる。したがって、これらの場合に
は、上述した効果を得ることができるだけでなく、各光
電変換素子アレイの出力レベルが低下しないようにする
こともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光電変換装置の特徴となる第1の実施
例による光電変換素子アレイの構成を示す回路図であ
る。
【図2】本実施例の光電変換素子アレイを用いた光電変
換装置の構成を示す図である。
【図3】本実施例による光電変換装置の動作を説明する
ためのタイミングチャートである。
【図4】本発明の光電変換装置の特徴となる第2の実施
例による光電変換素子アレイの構成を示す回路図であ
る。
【図5】従来の光電変換装置の特徴となる光電変換素子
アレイの構成を示す回路図である。
【図6】最小値検出回路の一例を示す回路図である。
【図7】最大値検出回路の一例を示す回路図である。
【図8】従来の光電変換装置の動作を説明するタイミン
グチャートである。
【図9】従来の光電変換素子アレイを用いた光電変換装
置の構成例を示す図である。
【図10】従来の光電変換素子アレイを用いた光電変換
装置の他の構成例を示す図である。
【符号の説明】
-1〜5-n 蓄積容量 7 読出しライン 15 読出しゲイン調整用容量 16-1、16-2、16-3 微調整用容量 17-1、17-2、17-3 スイッチ 101、201 光電変換素子アレイ 102、202 差動増幅器 103、203 コンパレータ 107、207 最大最小値検出回路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の光電変換素子アレイを同一基板上
    に配置した光電変換装置において、 上記複数の光電変換素子アレイでそれぞれ得られる信号
    の読出しゲインが略同一となるように調整する調整手段
    を設けたことを特徴とする光電変換装置。
  2. 【請求項2】 上記複数の光電変換素子アレイの出力ラ
    インに付く寄生容量の差を調整するための容量を、上記
    複数の光電変換素子アレイにそれぞれ設けて上記調整手
    段を構成したことを特徴とする請求項1記載の光電変換
    装置。
  3. 【請求項3】 上記複数の光電変換素子アレイの出力ラ
    インに付く寄生容量の差を調整するための容量を、上記
    複数の光電変換素子アレイのうち、出力ラインに付く寄
    生容量が最も大きな光電変換素子アレイ以外の他の光電
    変換素子アレイにそれぞれ設けて上記調整手段を構成し
    たことを特徴とする請求項1記載の光電変換装置。
  4. 【請求項4】 上記調整手段は、上記複数の光電変換素
    子アレイと同一基板上に備えられた複数の容量であり、
    上記複数の容量の組合せを上記複数の光電変換素子アレ
    イごとに選択することにより、上記複数の光電変換素子
    アレイの出力ラインに付く寄生容量の差を調整するよう
    にしたことを特徴とする請求項1記載の光電変換装置。
  5. 【請求項5】 上記光電変換素子アレイと同一基板上に
    備えられた複数の容量と、上記光電変換素子アレイの出
    力ラインとの間に容量値選択用のスイッチ手段を設けた
    ことを特徴とする請求項4記載の光電変換装置。
  6. 【請求項6】 複数の光電変換素子アレイを同一基板上
    に配置した光電変換装置において、 上記複数の光電変換素子アレイでそれぞれ得られる信号
    の読出しゲインが略同一となるように上記光電変換素子
    アレイを構成する蓄積容量の容量値を設定したことを特
    徴とする光電変換装置。
  7. 【請求項7】 複数の光電変換素子アレイを同一基板上
    に配置した光電変換装置において、 上記複数の光電変換素子アレイごとに電荷の蓄積レベル
    をモニタするモニタ手段と、 上記モニタ手段の出力を上記複数の光電変換素子アレイ
    ごとの読出しゲインに略比例した倍率で増幅する増幅手
    段とを有し、 上記増幅手段の出力に基づいて上記複数の光電変換素子
    アレイでの蓄積時間を制御するようにしたことを特徴と
    する光電変換装置。
JP6092195A 1994-04-28 1994-04-28 光電変換装置 Pending JPH07298145A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6092195A JPH07298145A (ja) 1994-04-28 1994-04-28 光電変換装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6092195A JPH07298145A (ja) 1994-04-28 1994-04-28 光電変換装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07298145A true JPH07298145A (ja) 1995-11-10

Family

ID=14047670

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6092195A Pending JPH07298145A (ja) 1994-04-28 1994-04-28 光電変換装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07298145A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006301341A (ja) * 2005-04-21 2006-11-02 Canon Inc 焦点検出用固体撮像装置
JP2009225301A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Canon Inc 光電変換装置の駆動方法
US8754978B2 (en) 2011-09-08 2014-06-17 Canon Kabushiki Kaisha Semiconductor device

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006301341A (ja) * 2005-04-21 2006-11-02 Canon Inc 焦点検出用固体撮像装置
US8243190B2 (en) 2005-04-21 2012-08-14 Canon Kabushiki Kaisha Solid state image pickup device and camera with focus detection using level shifting
JP2009225301A (ja) * 2008-03-18 2009-10-01 Canon Inc 光電変換装置の駆動方法
US8754978B2 (en) 2011-09-08 2014-06-17 Canon Kabushiki Kaisha Semiconductor device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4206134B2 (ja) Cmos画像センサに対する直流オフセット及び利得訂正
US8243190B2 (en) Solid state image pickup device and camera with focus detection using level shifting
US20120092538A1 (en) Solid-state imaging device, driving control method, and imaging apparatus
JP6132583B2 (ja) 光電変換装置
US20050057675A1 (en) CMOS image sensor
JP2001128070A (ja) 自己補償型相関二重サンプリング回路
JP2002507340A (ja) 改善された充填比を有するcmos画像センサ
KR20010013303A (ko) 고정 패턴 잡음이 감소된 cmos 영상 센서
JP2008258973A (ja) 熱型赤外線固体撮像素子及び赤外線カメラ
US20020012058A1 (en) Photosensitive device
US9549138B2 (en) Imaging device, imaging system, and driving method of imaging device using comparator in analog-to-digital converter
JP2003348464A (ja) 撮像信号処理方法、撮像信号処理装置、撮像装置
JP4654046B2 (ja) Cmosイメージセンサのクランプ回路
JP2019216316A (ja) 撮像装置、半導体装置及びカメラ
JP3372555B2 (ja) 光電変換装置
CN111447385B (zh) 全局快门图像传感器像素结构及其信号采样读取方法
JPWO2021166584A5 (ja)
US6781627B1 (en) Solid state imaging device and electric charge detecting apparatus used for the same
CN111447384B (zh) 高动态范围全局快门像素结构及其信号采样读取方法
JPWO2007066762A1 (ja) 固体撮像装置
US10560653B2 (en) Image sensing apparatus and control method for performing analog-to-digital conversion
JP2548809B2 (ja) 光電変換装置
JP7155420B2 (ja) 超高ダイナミックレンジcmosセンサ
JPH07298145A (ja) 光電変換装置
US8648950B2 (en) Image sensor for minimizing variation of control signal level

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040302

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040629