JPH0729575Y2 - 熱電池 - Google Patents
熱電池Info
- Publication number
- JPH0729575Y2 JPH0729575Y2 JP1988007185U JP718588U JPH0729575Y2 JP H0729575 Y2 JPH0729575 Y2 JP H0729575Y2 JP 1988007185 U JP1988007185 U JP 1988007185U JP 718588 U JP718588 U JP 718588U JP H0729575 Y2 JPH0729575 Y2 JP H0729575Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- agent
- shaped
- thermal battery
- pellet
- layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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Classifications
-
- Y02E60/12—
Landscapes
- Primary Cells (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は導火孔を設けた素電池と、同じく導火孔を設け
たペレット状発熱剤とを交互に積層して得た熱電池に関
するものであり、導火孔内への導火剤の挿入が容易で活
性化時の電圧立ち上り特性の優れた熱電池を提供するも
のである。
たペレット状発熱剤とを交互に積層して得た熱電池に関
するものであり、導火孔内への導火剤の挿入が容易で活
性化時の電圧立ち上り特性の優れた熱電池を提供するも
のである。
従来の技術 熱電池は常温では固体で電導性がなく、加熱して高温に
すると溶融して電導性を帯びる無機塩を電解質とする一
次電池である。
すると溶融して電導性を帯びる無機塩を電解質とする一
次電池である。
熱電池は発熱剤を内部に保持しており、使用時にはその
発熱剤に点火することにより電池内部を瞬時に作動温度
まで加熱して電池を活性化させる。このような発熱剤と
しては、ジルコニウムとクロム酸バリウムの混合物より
なるZr/BaCrO4系のシート状発熱剤がよく知られてい
る。シート状発熱剤は発熱剤粒子をセラミックやガラス
繊維等の無機繊維と共に水中に分散させた後、シート状
に漉いたものであり、軽量で発熱量が高く燃焼速度も速
いが、発火し易く取り扱いが不便であるという欠点があ
る。
発熱剤に点火することにより電池内部を瞬時に作動温度
まで加熱して電池を活性化させる。このような発熱剤と
しては、ジルコニウムとクロム酸バリウムの混合物より
なるZr/BaCrO4系のシート状発熱剤がよく知られてい
る。シート状発熱剤は発熱剤粒子をセラミックやガラス
繊維等の無機繊維と共に水中に分散させた後、シート状
に漉いたものであり、軽量で発熱量が高く燃焼速度も速
いが、発火し易く取り扱いが不便であるという欠点があ
る。
一方、発熱剤を加圧成形して得たペレット状発熱剤は、
重量当りの発熱量が低く燃焼速度も遅いが機械的強度が
高く発火しにくいために取り扱いが容易であるという特
徴がある。ペレット状発熱剤は酸化剤と還元剤との混合
物であり、このような発熱剤としてはFe/KCIO4,Ni/KCIO
4,Fe/KBrO3,Mn/KCIO3等の組み合せが使用可能である。
重量当りの発熱量が低く燃焼速度も遅いが機械的強度が
高く発火しにくいために取り扱いが容易であるという特
徴がある。ペレット状発熱剤は酸化剤と還元剤との混合
物であり、このような発熱剤としてはFe/KCIO4,Ni/KCIO
4,Fe/KBrO3,Mn/KCIO3等の組み合せが使用可能である。
考案が解決しようとする課題 しかしながら、ペレット状発熱剤の発火しにくい性質
は、熱電池を活性化する場合は欠点となる。すなわち、
シート状発熱剤の場合は極めて着火しやすいために、積
層された素電池の中央部に導火孔を設けるのみで該導火
孔を通ってシート状発熱剤の火炎が伝播し全てのシート
状発熱剤は瞬時に着火するのに対し、ペレット状発熱剤
は着火が容易でないために、上記の着火法では熱電池を
活性化することが困難であった。このためペレット状発
熱剤では、従来導火孔内に紐状,短冊状あるいは綿状の
導火薬を挿入し、各発熱剤を導火薬と接触させていた。
は、熱電池を活性化する場合は欠点となる。すなわち、
シート状発熱剤の場合は極めて着火しやすいために、積
層された素電池の中央部に導火孔を設けるのみで該導火
孔を通ってシート状発熱剤の火炎が伝播し全てのシート
状発熱剤は瞬時に着火するのに対し、ペレット状発熱剤
は着火が容易でないために、上記の着火法では熱電池を
活性化することが困難であった。このためペレット状発
熱剤では、従来導火孔内に紐状,短冊状あるいは綿状の
導火薬を挿入し、各発熱剤を導火薬と接触させていた。
しかし、導火薬の強度が低いために、内径の小さな導火
孔への挿入は容易ではなかった。つまり、導火薬はもろ
くて壊れ易いために導火孔への挿入量や挿入状態を一定
に保つのが難しく、ペレット状発熱剤との接触が悪くな
ったり、燃焼速度が一定せず活性化時の電池電圧の立ち
上り時間がばらつくという欠点があった。
孔への挿入は容易ではなかった。つまり、導火薬はもろ
くて壊れ易いために導火孔への挿入量や挿入状態を一定
に保つのが難しく、ペレット状発熱剤との接触が悪くな
ったり、燃焼速度が一定せず活性化時の電池電圧の立ち
上り時間がばらつくという欠点があった。
課題を解決するための手段 本考案は導火孔を設けた素電池と、同じく導火孔を設け
たペレット状発熱剤とを交互に積層した熱電池におい
て、無機繊維層と導火薬層の二層からなるシート状導火
剤を該導火薬層を外側にして円筒状に巻き、導火孔に挿
入したことを特徴とする。
たペレット状発熱剤とを交互に積層した熱電池におい
て、無機繊維層と導火薬層の二層からなるシート状導火
剤を該導火薬層を外側にして円筒状に巻き、導火孔に挿
入したことを特徴とする。
作用 本考案においては、無機繊維層で裏打ちされた丈夫なシ
ート状導火剤を使用するために導火孔内へ挿入しやすく
電池の組立てが容易になると共に、導火薬の破損がない
ために燃焼速度が一定であり電池電圧の立ち上り時間の
ばらつきも減少した。また導火薬層を外側にして円筒状
に巻き導火孔へ挿入するため、ペレット状発熱剤と密着
させることにより接触が良くなり着火も確実となった。
さらにシート状であるために、必要量を切断することに
より挿入量の調整も容易となった。
ート状導火剤を使用するために導火孔内へ挿入しやすく
電池の組立てが容易になると共に、導火薬の破損がない
ために燃焼速度が一定であり電池電圧の立ち上り時間の
ばらつきも減少した。また導火薬層を外側にして円筒状
に巻き導火孔へ挿入するため、ペレット状発熱剤と密着
させることにより接触が良くなり着火も確実となった。
さらにシート状であるために、必要量を切断することに
より挿入量の調整も容易となった。
実施例 以下、本考案を好適な実施例を用いて説明する。
第1図は本考案の一実施例として製作したリチウム/二
硫化鉄熱電池の断面図である。1は積層された各素電池
であり、ペレット状発熱剤2と交互に積層されている。
3は積層された素電池1およびペレット状発熱剤2の中
心部に形成された導火孔内に挿入されたシート状導火剤
である。導火剤3は素電池の積層後に導火孔の開孔部よ
り挿入するものである。4は点火具である。点火用端子
5に点火電流を流すと、点火具4が発火し直ちに導火剤
3に着火し、順次ペレット状発熱剤2に着火して熱電池
が活性化される。6は正極端子、7は負極端子である。
8は熱電池内部を断熱保温するための断熱材であり、9
は電池容器である。
硫化鉄熱電池の断面図である。1は積層された各素電池
であり、ペレット状発熱剤2と交互に積層されている。
3は積層された素電池1およびペレット状発熱剤2の中
心部に形成された導火孔内に挿入されたシート状導火剤
である。導火剤3は素電池の積層後に導火孔の開孔部よ
り挿入するものである。4は点火具である。点火用端子
5に点火電流を流すと、点火具4が発火し直ちに導火剤
3に着火し、順次ペレット状発熱剤2に着火して熱電池
が活性化される。6は正極端子、7は負極端子である。
8は熱電池内部を断熱保温するための断熱材であり、9
は電池容器である。
第2図は熱電池用素電池の断面図である。10は負極層で
あり、多孔体に含浸保持したリチウムやリチウム−アル
ミニウム合金,リチウム−シリコン合金,リチウム−ホ
ウ素合金等のリチウム合金が用いられる。11は電解質層
であり、MgOやY2O3等のセラミック粉末で流動性を低下
させた溶融塩電解質が用いられる。12は正極層であり二
硫化鉄を主成分とし、電解質とその電解質を保持するた
めのバインダー粉末との混合物である。13は負極集電
板,14は正極集電板である。15は素電池の中央部に設け
た導火孔である。
あり、多孔体に含浸保持したリチウムやリチウム−アル
ミニウム合金,リチウム−シリコン合金,リチウム−ホ
ウ素合金等のリチウム合金が用いられる。11は電解質層
であり、MgOやY2O3等のセラミック粉末で流動性を低下
させた溶融塩電解質が用いられる。12は正極層であり二
硫化鉄を主成分とし、電解質とその電解質を保持するた
めのバインダー粉末との混合物である。13は負極集電
板,14は正極集電板である。15は素電池の中央部に設け
た導火孔である。
第3図はペレット状発熱剤の断面図である。16はペレッ
ト状発熱剤であり中央部に導火孔15′を有している。ペ
レット状発熱剤16は酸化剤と還元剤との混合物を加圧成
形により強固な板状にしたものであり、機械的強度が高
く、発火しにくいために取り扱いが容易である。実施例
では鉄と過塩素酸カリウムの混合物を使用した。
ト状発熱剤であり中央部に導火孔15′を有している。ペ
レット状発熱剤16は酸化剤と還元剤との混合物を加圧成
形により強固な板状にしたものであり、機械的強度が高
く、発火しにくいために取り扱いが容易である。実施例
では鉄と過塩素酸カリウムの混合物を使用した。
第4図はシート状導火剤の斜視図である。17は無機繊維
であり、18はZrとBaCrO4との混合物からなる導火薬層で
ある。シート状導火剤は無機繊維17と導火薬層18の二層
からなり、該導火薬層を外側にして円筒状に巻いたもの
である。シート状導火剤は水に分散させた原料を漉いて
製造したものであり、ガラス繊維,セラミック繊維,ア
スベスト等からなる一層目を漉いた後、その上に導火薬
層を漉いたものである。本来、導火薬層は脆くて壊れ易
いものであるが、無機繊維層との二層にすることにより
丈夫なシートとなり曲げても折れなくなる。円筒状にす
ることにより更に強度が高くなり、導火孔への挿入が容
易となった。
であり、18はZrとBaCrO4との混合物からなる導火薬層で
ある。シート状導火剤は無機繊維17と導火薬層18の二層
からなり、該導火薬層を外側にして円筒状に巻いたもの
である。シート状導火剤は水に分散させた原料を漉いて
製造したものであり、ガラス繊維,セラミック繊維,ア
スベスト等からなる一層目を漉いた後、その上に導火薬
層を漉いたものである。本来、導火薬層は脆くて壊れ易
いものであるが、無機繊維層との二層にすることにより
丈夫なシートとなり曲げても折れなくなる。円筒状にす
ることにより更に強度が高くなり、導火孔への挿入が容
易となった。
次に本考案によるリチウム/二硫化鉄熱電池と、本考案
に用いた導火剤の代わりに短冊状の導火薬を使用した従
来のリチウム/二硫化鉄熱電池とを各10個用いて使用時
の電圧立ち上り時間を調べた。試験温度−35℃におい
て、点火具の活性化電流を通電後、熱電池の電圧が22V
に立ち上るまでの時間は、本考案熱電池では0.19〜0.23
秒であった。従来の熱電池の場合は0.25〜0.68秒とばら
ついていたが、これは導火薬の強度が低く、挿入時に折
れたり遍在したりして火炎の移動が防げられ燃焼速度が
遅くなったためである。
に用いた導火剤の代わりに短冊状の導火薬を使用した従
来のリチウム/二硫化鉄熱電池とを各10個用いて使用時
の電圧立ち上り時間を調べた。試験温度−35℃におい
て、点火具の活性化電流を通電後、熱電池の電圧が22V
に立ち上るまでの時間は、本考案熱電池では0.19〜0.23
秒であった。従来の熱電池の場合は0.25〜0.68秒とばら
ついていたが、これは導火薬の強度が低く、挿入時に折
れたり遍在したりして火炎の移動が防げられ燃焼速度が
遅くなったためである。
考案の効果 本考案により、 (イ)導火剤が丈夫なために挿入が容易である。
(ロ)導火薬の破損がないために燃焼速度の変化がな
く、電圧立ち上り時間のばらつきも少ない。
く、電圧立ち上り時間のばらつきも少ない。
(ハ)導火剤がシート状であるために必要量を切断する
ことにより挿入量の調整が容易にできる。
ことにより挿入量の調整が容易にできる。
(ニ)導火薬層が外側になるように円筒状に巻いて導火
孔に挿入するため、ペレット状発熱剤と密着させること
ができ着火も確実である。
孔に挿入するため、ペレット状発熱剤と密着させること
ができ着火も確実である。
(ホ)無機繊維層と導火薬層の二層からなるシート状導
火剤を使用することにより、無機繊維の使用量を増加し
ても導火薬層の燃焼性に変化はなく、導火薬層が直接ペ
レット状発熱剤と接触するために着火が確実である。従
来のシート状導火剤のように無機繊維と導火薬とを混合
していないために、無機繊維の量を増加しても着火不良
を生じるおそれがない。
火剤を使用することにより、無機繊維の使用量を増加し
ても導火薬層の燃焼性に変化はなく、導火薬層が直接ペ
レット状発熱剤と接触するために着火が確実である。従
来のシート状導火剤のように無機繊維と導火薬とを混合
していないために、無機繊維の量を増加しても着火不良
を生じるおそれがない。
等の優れた特徴を有する組立てが容易で信頼性の高い熱
電池を得ることができる。
電池を得ることができる。
第1図は本考案熱電池の断面図である。第2図は素電池
の断面図、第3図はペレット状発熱剤の断面図、第4図
は導火剤の斜視図である。 1……素電池,2……ペレット状発熱剤 15および15′……導火孔,17……無機繊維層 18……導火薬層
の断面図、第3図はペレット状発熱剤の断面図、第4図
は導火剤の斜視図である。 1……素電池,2……ペレット状発熱剤 15および15′……導火孔,17……無機繊維層 18……導火薬層
Claims (1)
- 【請求項1】中心部に導火孔を設けた素電池と、同じく
中心部に導火孔を設けたペレット状発熱剤とを、交互に
積層して構成した熱電池において、無機繊維層と導火薬
層の二層からなるシート状導火剤が該導火薬層を外側に
して円筒状に巻かれ、該導火孔に挿入されていることを
特徴とする熱電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1988007185U JPH0729575Y2 (ja) | 1988-01-22 | 1988-01-22 | 熱電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1988007185U JPH0729575Y2 (ja) | 1988-01-22 | 1988-01-22 | 熱電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01111460U JPH01111460U (ja) | 1989-07-27 |
JPH0729575Y2 true JPH0729575Y2 (ja) | 1995-07-05 |
Family
ID=31211988
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1988007185U Expired - Lifetime JPH0729575Y2 (ja) | 1988-01-22 | 1988-01-22 | 熱電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0729575Y2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62133672A (ja) * | 1985-12-05 | 1987-06-16 | Japan Storage Battery Co Ltd | 熱電池 |
-
1988
- 1988-01-22 JP JP1988007185U patent/JPH0729575Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01111460U (ja) | 1989-07-27 |
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