JPH07295102A - スライドマウント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 １画面毎に切断したフィルムをスライドマウ
ントへ正確、且つ、容易に装着する。 【構成】 スライドマウント１１はマウント１２と蓋１
３とを合接して形成され、該マウント１２と蓋１３の夫
々の中央部に窓１７，１８を開穿する。そして、該マウ
ント１２の窓１８の周囲にフィルム設置部１４を設け、
該フィルム設置部１４の四隅に、フィルム３１の両側部
の係止孔３２，３２…に対応させて位置決めピン１５，
１５を立設する。一方、前記蓋１３の窓の周囲で、且
つ、前記位置決めピン１５，１５…に対峙した位置に位
置決め孔１６，１６…を開穿する。そして、前記フィル
ム設置部１４へフィルム３１を載置するとともに、前記
蓋１３をフィルム３１へ押圧し乍ら該蓋１３の位置決め
孔１６，１６…を前記マウント１２の位置決めピン１
５，１５…へ嵌合すれば、該フィルム３１の係止孔３
２，３２…が位置決めピン１５，１５…へ係合し、フィ
ルム３１がスライドマウント１１へ正確に装着される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はスライドマウントに関す
るものであり、特に、１画面毎に切断したフィルムを正
確に装着するスライドマウントに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のスライドマウントを図６に従って
説明する。同図に於て、符号１はスライドマウントであ
り、該スライドマウント１は例えばプラスチックにて成
形されている。該スライドマウント１はマウント２と蓋
３とから構成され、該マウント２にはフィルム設置部４
が設けられる。該フィルム設置部４は略１画面分の大き
さで、且つ、前記マウント２の面に対して段差が設けら
れている。そして、該フィルム設置部４の中央部には窓
５が開穿されている。更に、該フィルム設置部４の周囲
には凹部６，６…が設けられ、該凹部６，６…の外周部
は突起状に形成されている。一方、前記蓋３には窓７が
設けられるとともに、該窓７の周囲に凸部８，８…が設
けられる。そして、該凸部８，８…を前記マウント２の
凹部６，６…と嵌着して、該マウント２と蓋３とを固着
することにより、前記窓５と窓７とが重合され、前記ス
ライドマウント１が形成される。

【０００３】そして、１画面単位に切断したフィルム９
を前記フィルム設置部４へ配設して、更に、前記マウン
ト２と蓋３とを嵌着すれば、該フィルム９は前記スライ
ドマウント１へ装着される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来のスライドマウン
トは、フィルム設置部の幅方向の寸法を市販フィルムの
規定値例えば３５mmと一致させたので、１画面分に切断
されたフィルムの幅方向はフィルム設置部に設けた段差
及び凹部の外周部とによって正確に位置決めされる。一
方、前記フィルムの長手方向の寸法は、該フィルムの画
面間のギャップ部をハサミ等を用いて手作業にて切断す
るため一定の寸法とすることが困難である。そこで、前
記フィルム設置部の長手方向は１画面の寸法に比して大
に設けられている。このため、該スライドマウントに挿
入されたフィルムは長手方向に遊びがあるので位置ずれ
を起す虞れがある。

【０００５】更に、該スライドマウントの窓の大きさを
フィルムの１画面と同じ大きさに開穿すると、フィルム
の長手方向の寸法が短いときは、該フィルムの端部が窓
から欠落して光が漏れる欠点があった。この欠点を解消
すべく、前記窓のサイズを１画面の寸法に比して小に設
定すると、該窓と画面の端部とが重合して画面の一部が
欠如されるという問題がある。

【０００６】そこで、１画面分のフィルムをスライドマ
ウントへ画面を欠如することなく正確、且つ、容易に装
着するために解決せらるべき技術的課題が生じてくるの
であり、本発明は該課題を解決することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために提案されたものであり、スライドフィルムを
１画面ずつスライド装置にて映写するためのスライドマ
ウントであって、前記スライドマウントはマウントと蓋
とにて形成され、マウントと蓋の中央部に夫々窓を開穿
し、マウントの窓の周囲にフィルム設置部を設け、該フ
ィルム設置部の四隅にフィルムの両側部の係止孔に対応
させて位置決めピンを立設するとともに、前記位置決め
ピンに対峙した位置に位置決め孔を開穿し、該位置決め
孔を前記位置決めピンへ嵌合してマウントと蓋とを合着
するように形成したスライドマウント、及び前記マウン
ト及び蓋に設けられた窓は、前記フィルムの１画面の大
きさに比し大に形成されたスライドマウントを提供する
ものである。

【０００８】

【作用】請求項１記載の発明は、マウントと蓋の中央部
に夫々窓を開穿し、マウントの窓の周囲にフィルム設置
部を設けた。ここで、スライドマウントに装着するフィ
ルムには、両側部に孔が夫々対峙して等間隔に開穿され
ている。該一対の孔と画面間のギャップ部とを一致させ
るように撮影し、該フィルムの１画面の両端部に設けら
れたギャップ部を切断すれば、前記一対の孔は夫々中心
部から切断されて、該フィルムの両端部に係止孔が形成
される。

【０００９】そして、マウントのフィルム設置部を上向
きに配設して、前記切断した１画面分のフィルムを該フ
ィルム設置部へ載置すれば、該フィルムは両端部を前記
フィルム設置部に当接し乍ら、該フィルムの中央部を凸
状に湾曲して配設される。更に、該フィルムの上方から
蓋を当接させて、下方へ押圧すれば、該フィルムは凸状
の中央部が前記フィルム設置部へ圧接されるとともに、
長手方向に伸長されて該フィルムの両端部の係止孔が夫
々位置決めピンへ係合される。そして、前記蓋の位置決
め孔を該位置決めピンへ嵌合すれば、該フィルムはスラ
イドマウントへ正確に装着される。

【００１０】請求項２の発明は、マウント及び蓋に設け
た窓の寸法が前記フィルムの画面の大きさに比し大に形
成されており、且つ、該フィルムの画面はスライドマウ
ントの同一位置に正確に配設されるため、前記フィルム
の画面は該窓と重合されることなく、該窓の内部に装着
される。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１乃至図５に従
って詳述する。図１（ａ）（ｂ）はスライドマウント１
１を示し、該スライドマウント１１はマウント１２及び
蓋１３とから構成されている。図１（ａ）に示すよう
に、前記マウント１２の中央部にフィルム設置部１４を
設け、該フィルム設置部１４には前記マウント１２の面
からフィルムの厚さに蓋１３の厚さを加えた分に等しい
段差か、或いは僅かに深い段差を設けている。そして、
該フィルム設置部１４の四隅であって、後述するフィル
ムの両側部の係止孔に対応する位置に位置決めピン１
５，１５…を立設して、図１（ｂ）に示すように、前記
蓋１３には該位置決めピン１５，１５…と係合せられる
べき位置に位置決め孔１６，１６…が開穿されている。
更に、該マウント１２及び蓋１３には窓１７，１８が夫
々開穿され、該窓１７，１８は前記位置決めピン１５，
１５…及び位置決め孔１６，１６…の内側に配設されて
いる。

【００１２】図２はフィルム２１を示しており、該フィ
ルム２１はスライド用のポジフィルムを現像したもので
ある。該フィルム２１の幅は３５mmに形成されて、該フ
ィルム２１の側部に孔２２，２２…が夫々対峙して開穿
されている。そして、該フィルム２１には画面２３，２
３…が撮影されており、該画面２３，２３…の長手方向
はギャップ部２４，２４…にて分離されている。尚、該
ギャップ部２４，２４…は前記対峙して設けられた孔２
２ａ，２２ａ…の間に位置するように、予め撮影時に設
定されている。このため、該ギャップ部２４，２４…の
中心線は前記孔２２ａ，２２ａ…の中心を結ぶ線と一致
している。

【００１３】該フィルム２１の画面２３の両端に設けら
れたギャップ部２４，２４…と両側部の孔２２ａ，２２
ａ…とをハサミ等を用いて切断すると、図３に示すよう
にフィルム３１が形成される。該フィルム３１の両側の
端部には前記孔２２ａ，２２ａ…が略１／２に切断され
て、係止孔３２，３２…が形成されている。そして、該
フィルム３１はポジフィルムを現像したため、該画面２
３の周囲の未露光部分３３は黒色であり、該未露光部分
３３は光を遮断する。

【００１４】然るとき、前記スライドマウント１１に該
フィルム３１を配設する場合は、図４に示すように、先
ず該フィルム３１を前記マウント１２のフィルム設置部
１４へ載置する。そして、該フィルム３１の両端部に設
けられた係止孔３２，３２…を前記位置決めピン１５，
１５…に係合せられる位置に配設する。このとき、前記
フィルム３１は乳材面を内側として長手方向及び幅方向
に湾曲されているため、該フィルム３１を前記フィルム
設置部１４に載置すると、該フィルム３１は中央部を凸
状に湾曲して配設される。そこで、前記蓋１３を水平に
して該マウント１２へ載置し、該蓋１３をマウント１２
へ上方から下方へ移動すると、該蓋１３は前記フィルム
３１の凸部表面に当接される。

【００１５】更に、該蓋１３を下方へ付勢すると、該蓋
１３が前記フィルム３１を押圧して該フィルム３１の凸
部裏面が前記フィルム設置部１４へ当接し、該フィルム
３１は水平方向に拡張される。そして、該蓋１３の位置
決め孔１６，１６…を前記位置決めピン１５，１５…に
嵌合する。このとき、該フィルム３１の両端部に設けら
れた係止孔３２，３２…と前記位置決めピン１５，１５
…は係合して、該フィルム３１は位置決めピン１５，１
５…へ係止される。

【００１６】図５はフィルム３１をスライドマウント１
１に装着した状態を示している。該フィルム３１は左右
方向については、両端の係止孔３２，３２…を位置決め
ピン１５，１５…に係合して、拘止される。そして、該
フィルム３１の上下方向は該フィルムの側部とフィルム
設置部１４に設けられた段差とが嵌合して係止される。

【００１７】尚、本実施例では位置決めピン１５，１５
…の形状を円形としたが、三角、四角等の多角形であっ
ても同様の効果を有することができ、円形に限定せられ
るべきものではない。更に、位置決めピン１５，１５…
をフィルム３１との係合後に折曲させるように形成して
もよい。然るときは、該フィルム３１はフィルム設置部
１４へ正確に位置決めされる。

【００１８】又、該スライドマウント１１に設けられた
窓１７，１８は画面２３のサイズより大きく開穿されて
いるので、該フィルム３１の画面２３は前記窓１７，１
８の内側に装着される。尚、フィルム３１は、本実施例
で３５mm幅のものを用いたが、フィルムの両側部に対峙
して孔が配設されたフィルムに於いては同様の効果を有
することができ、３５mm幅に限定せられるべきものでは
ない。

【００１９】而して、本発明は、本発明の精神を逸脱し
ない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明
が該改変されたものに及ぶことは当然である。

【００２０】

【発明の効果】この発明は、上記一実施例にて詳述せる
如く、請求項１記載の発明は、フィルムの両側部に対峙
して設けられた孔をマウントの位置決めピンへ係止し乍
ら、蓋に設けた位置決め孔を該位置決めピンへ嵌合する
ので、前記フィルムをスライドマウントへ容易に装着で
きる。そして、前記フィルムの両側部に高精度に開穿さ
れた孔を係止孔として用いてマウントの位置決めピンと
係合させたので、該フィルムをスライドマウントへ正確
に位置決めできる。

【００２１】請求項２記載の発明は、スライドマウント
の窓をフィルムの画面よりも大きく開穿したので、該画
面が前記窓にて欠如されることがなくなるとともに、該
フィルムの黒色に現像された未露光部分を画面の枠とし
て用いることが可能となり、依って、画面枠を鮮明に写
し出すことができる等、正に諸種の効果を奏する発明で
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示し、（ａ）はマウントの
平面図、（ｂ）は蓋の平面図。

【図２】フィルムの形状を示し、その平面図。

【図３】１画面に切断したフィルムの形状を示し、その
平面図。

【図４】スライドマウントにフィルムを配設する状態を
示し、その解説斜視図。

【図５】スライドマウントにフィルムを配設した状態を
示し、その平面図。

【図６】従来例を示し、その平面図。

【符号の説明】

１１ スライドマウント １２ マウント １３ 蓋 １４ フィルム設置部 １５ 位置決めピン １６ 位置決め孔 １７，１８ 窓 ２１，３１ フィルム ３２ 係止孔

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 スライドフィルムを１画面ずつスライド
   装置にて映写するためのスライドマウントであって、前
   記スライドマウントはマウントと蓋とにて形成され、マ
   ウントと蓋の中央部に夫々窓を開穿し、マウントの窓の
   周囲にフィルム設置部を設け、該フィルム設置部の四隅
   にフィルムの両側部の係止孔に対応させて位置決めピン
   を立設するとともに、前記位置決めピンに対峙した位置
   に位置決め孔を開穿し、該位置決め孔を前記位置決めピ
   ンへ嵌合してマウントと蓋とを合着するように形成した
   ことを特徴とするスライドマウント。
2. 【請求項２】 前記マウント及び蓋に設けられた窓は、
   前記フィルムの１画面の大きさに比し大に形成されたこ
   とを特徴とする請求項１記載のスライドマウント。