JPH072935B2 - 無色ロジン係化合物の製造法 - Google Patents

無色ロジン係化合物の製造法

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JPH072935B2 JP8035690A JP8035690A JPH072935B2 JP H072935 B2 JPH072935 B2 JP H072935B2 JP 8035690 A JP8035690 A JP 8035690A JP 8035690 A JP8035690 A JP 8035690A JP H072935 B2 JPH072935 B2 JP H072935B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、無色、無臭かつ加熱安定性の優れたロジン系
化合物の製造法に関する。
(従来の技術) 従来よりロジンおよびその誘導体であるロジンエステル
は、粘接着剤用のタッキファイヤー、ゴム類や各種プラ
スチック類の改質剤、トラフィックペイント用樹脂、製
紙用サイズ剤、合成ゴム用乳化剤、インキ用樹脂、塗料
用樹脂等の原料として各種用途に使用されている。しか
るに、該ロジン業界において、その用途上、無色であ
り、かつ安定性の良好なロジン系化合物は最終製品の製
品価値を格段に向上しうるものであるにもかかわらず、
一般にロジン系化合物は、その外観が黄色ないし黄褐色
に着色しており、しかも臭気や加熱安定性、耐候性(以
下、安定性という)等の点で満足しうるものではなかっ
た。
このため、該ロジン系化合物の上記欠点を解決するため
に、未精製のロジンを不均化して熱安定性を改良した不
均化ロジンや未精製のロジンを水素添加してある程度安
定性を改良した水添ロジン、あるいは該不均化ロジンや
水添ロジンを使用してなるエステル化物が市販されてい
るが、いずれも色調、安定性等の点で不充分である。
特公昭45-33771号公報および特公昭49-20599号公報には
ロジンまたはロジン系化合物を特定の有機イオウ化合物
により不均化する方法が記載されているが、この方法に
よりえられた不均化ロジン、不均化ロジン系化合物はい
ずれも色調、臭気、安定性の点で不充分である。
特開昭55-9605号公報には安定性の優れたロジンエステ
ルの製造法として、不均化ロジンを精製することによ
り、原料ロジン中に含まれる高分子量物および不ケン化
物などを除去した後、得られた精製不均化ロジンとアル
コールとをエステル化する方法が記載されている。しか
し、この方法でえられたロジンエステルは従来のロジン
エステルに比べて安定性が比較的良好であるものの、該
エステル化工程において着色するとともに加熱着色に対
する安定性をも満足しうるものではなく、なお改良の余
地がある。
更に、特開昭59-230072号公報には淡色かつ安定性が良
好なロジンエステルの製造方法として、不均化能力と淡
色化能力を併有する特定の有機イオウ化合物の共存下に
蒸留精製ロジンをアルコールでエステル化する方法が記
載されているが、この方法によりえられたロジンエステ
ルもいまだ色調や安定性の点で不十分であり、しかも有
機イオウ化合物に起因して加熱時のイオウ臭が強いとい
う問題がある。
このように従来のいずれのロジンおよびロジンエステル
も色調、臭気、安定性のすべての性能を同時に満足しう
るものではない。したがって、無色かつ安定性の良好な
ロジンの出現が切望されていた。
そこで本出願人は、上記要請に合致する無色ロジン系化
合物に関わる発明につき既に特許出願(特開昭63-18678
3号および特開昭64-85265号公報参照)を行なったが、
これらの発明では原料ロジン系化合物として精製不均化
ロジンもしくは精製不均化ロジンエステルを使用し、こ
れら原料ロジン系化合物を更に水素化するものであるた
め、製品のコストが高くなるという不利があった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者らは、上記の如き実状に鑑み、従来公知のロジ
ンの色調、臭気、安定性の諸性能を更に改良したロジン
を比較的安価に提供しうる新規製造方法を開発すること
を目的とした。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは上記課題に鑑みて、鋭意検討を行なった結
果、原料として単なる精製ロジン系化合物を用い、これ
を水素添加反応せしめた後、特定の酸化防止剤を添加す
ることにより、前記課題を解決して、本発明の目的に合
致する外観がほぼ無色であって、しかも加熱時の臭気、
安定性などの諸性能に優れたロジン系化合物を比較的低
廉に収得しうることを見い出した。本発明はこの新しい
知見に基づいて完成されたものである。
すなわち本発明は、精製ロジンまたは精製ロジンエステ
ルである原料精製ロジン系化合物を水素化反応させたの
ち、該反応系に有機リン系化合物を添加することにより
調製されてなることを特徴とする無色ロジン系化合物の
製造法に係る。
本発明は、還元、酸化防止、着色防止などの諸機能を有
する有機リン系化合物を、原料精製ロジン系化合物の水
素化反応後の反応系に存在させることにより、外観がほ
ぼ無色であり、加熱時の臭気や安定性の点に優れたロジ
ン系化合物を提供することのできる新規な製造方法に関
するものであり、該方法によってえられるロジン系化合
物は、従来のロジン系化合物の諸性能から由来して形成
された固定観念からは到底考えられないものである。す
なわち、本発明により、従来、ロジン系化合物の外観は
黄色ないし黄褐色であるとされていた固定観念を一掃し
たほとんど無色のロジンが得られるのである。しかも該
ロジン系化合物は従来のロジン系化合物である特徴、即
ち、各種ポリマーとの幅広い相溶性を保持しているので
ある。
ところで、ロジン系化合物の着色原因は、1.原料ロジン
中に含まれる高分子量物及び不ケン化物が存在するこ
と、2.前記樹脂酸の内で共役二重結合を有するアビエチ
ン酸等の酸素吸収性が大き樹脂酸が存在すること等に基
くものと思われる。
しかして本発明は、前記原因の除去に着目して完成され
たもので、本発明においては、原料として、精製ロジ
ンまたは精製ロジンエステルである原料精製ロジン系化
合物を用いること、該精製ロジン系化合物を水素化反
応せしめること、および該水素化反応ののち該反応系
に酸化防止剤などとして機能しうる有機リン化化合物を
添加することが必須とされる。
したがって、精製ロジン系化合物を単に水素化するだけ
では、あるいはロジン系化合物を水素化したのち精製す
るだけでは本発明の目的とする優れた諸特性を有するロ
ジン系化合物を到底収得することはできない。
本発明の出発原料である精製ロジン系化合物としては、
精製ロジンまたは精製ロジンエステルが該当する。この
うち精製ロジンは、アビエチン酸、パラストリン酸、ネ
オアビエチン酸、ピマール酸、イソピマール酸、デヒド
ロアビエチン酸等の樹脂酸を主成分とするガムロジン、
ウッドロジン、トール油ロジンのごとき未精製ロジン
を、精製することにより得られるものである。
本発明において、他の出発原料である精製ロジンエステ
ルは、前記精製ロジンを使用し、以下のアルコール類と
エステル化せしめることにより容易に収得しうる。ここ
で使用されるアルコールとしては、例えばn−オクチル
アルコール、2−エチルヘキシルアルコール、デシルア
ルコール、ラウリルアルコールのような1価アルコー
ル;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの2価
アルコール;グリセリン、トリメチロールエタン、トリ
メチロールプロパンなどの3価アルコール;ペンタエリ
スリトール、ジグリセリンなどの4価アルコールが挙げ
られる。なお、反応に際しては、必ずしもエステル化触
媒は必要としないが、反応時間を短縮のために例えば酢
酸、パラトルエンスルホン酸などの酸触媒、水酸化リチ
ウムどのアルカリ金属の水酸化物、水酸化カルシウムな
どのアルカリ土類金属の水酸化物、酸化カルシウム、酸
化マグネシウムなどの金属酸化物などを使用することも
できる。
本発明においては、前記のように原料ロジン系化合物が
特定の精製物であることが必須とされるが、本明細書に
おいて精製とは、未精製原料ロジン系化合物に含まれて
いる不ケン化物および過酸化物から生起したと考えられ
る高分子量物を除去することを意味する。具体的には蒸
留、再結晶、抽出等の操作を行なえばよく、工業的には
蒸留による精製が好ましい。蒸留による場合は、通常は
温度200〜300℃、圧力1〜10mmHgの範囲から蒸留時間を
考慮して適宜選択される。再結晶による場合には、例え
ば未精製ロジンを良溶媒に溶解し、ついでこの良溶媒を
留去して濃厚な溶液となし、この溶液に貧溶媒を添加す
ることにより行なうことができる。良溶媒としてはベン
ゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、低級アルコ
ール、アセトン等のケトン類、酢酸エチル等の酢酸低級
アルキル等が挙げられ、貧溶媒としてはn−ヘキサン、
n−ヘプタン、シクロヘキサン、イソオクタン等が挙げ
られる。更に前記精製はアルカリ水を用いて未精製原料
ロジン系化合物をアルカリ水溶液となし、不溶性の不ケ
ン化物を有機溶媒により抽出したのち水層を中和して原
料精製ロジン系化合物をうることもできる。
本発明では、前記のようにして得られた原料精製ロジン
系化合物を、ついで水素化反応に供することが必要とさ
れる。水素化反応は通常の条件で行なえばよく、例えば
前記精製ロジン系化合物を水素添加触媒および必要によ
りn−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどの
脂肪族または脂環族の飽和炭化水素系有機溶媒の存在下
に、密閉容器中で水素初圧50〜200kg/cm2にて100〜300
℃、好ましくは200〜280℃で加熱することにより行なう
ことができる。ここで、水素添加触媒としては特に制限
なく各種公知のものが使用でき、例えばパラジウムカー
ボン、ロジウムカーボン、ニッケル、白金等の金属粉末
等を例示しうる。また該触媒の使用量は精製ロジン系化
合物に対して0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量
%とされる。
本発明では、前記水素化工程を経由して原料精製ロジン
系化合物の水素化物を得た後、該反応系に対し、還元、
酸化防止、着色防止などの諸機能を有する有機リン係化
合物を添加することが必要であり、これにより初めて本
発明の目的物を得ることができる。
ここに有機リン系化合物としては、 一般式(1):(R-O-)3−P (式中、Rは同一または相異なって、炭素数1〜12のア
ルキル基、フェニル基、炭素数1〜12のアルキル基を有
するアルキルフェニル基および炭素数1〜12のアルキル
基を2個有するジアルキルフェニル基からなる群より選
択される少なくとも一種を示す。)で表される各種のも
のを列挙しうる。
それらの具体例としては、トリフェニルホスファイト、
トリクレジルファスファイト、ジフェニルイソデシルホ
スファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4
−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェ
ニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、サイクリックネ
オペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイ
ト)、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス
(ジノニルフェニル)ホスファイト、9,10−ジヒドロ−
9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサ
イド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファ
フェナンスレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,
10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレ
ンなどを例示できる。
上記のうち、淡色化効果、安定化効果、コストをより考
慮した場合にはトリフェニルホスファイト、ジフェニル
イソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスフ
ァイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリ
ス(ジノニルフェニル)ホスファイトなどの各種ホスフ
ァイト系化合物が好ましい。
該有機リン系化合物の使用量は、原料精製ロジン系化合
物に対して0.01〜1.0重量%、好ましくは0.01〜0.5重量
%とされる。0.01重量%未満の場合には該有機リン系化
合物の添加効果が不充分となり、また1.0重量%を越え
る場合には過剰に使用する意義がなくかえって不経済と
なる。
有機リン系化合物の添加方法は、水素化反応終了後に該
反応系に添加するかぎり特に制限はされないが、通常は
水素化反応終了後に常圧に戻した後、可及的速やかに添
加するのがよく、更には酸素不存在の雰囲気下に添加す
るのが好ましい。また、有機リン系化合物の添加時の反
応系の温度についても特に制限されないが、該有機リン
系化合物の分解温度以下であればよく、通常は250℃以
下とされる。なお、有機リン系化合物が水素化反応中に
存在している場合には、むしろ水素化反応の進行を阻害
したり、得られるロジン系化合物の色調を低下させる傾
向にあるため好ましくない。
本発明方法でえられた最終目的物たるロジン系化合物
は、その外観がほとんど無色に近い色調をしており、し
かも加熱時の臭気、安定性、相溶性等の諸性能に優れて
いるものである。したがって、最終目的物たるロジン系
化合物のうち非エステル化物は、石鹸系洗浄剤組成物の
改質剤として好適に使用できるのみならず、当該ロジン
のアルカリ金属塩は合成ゴム、乳化重合用乳化剤として
好適に使用できる。また、最終目的物たるロジン系化合
物のうちエステル化物は、感圧性接着剤またはホットメ
ルト接着剤用のタッキファイヤー、ゴム類や各種プラス
チック類の改質剤、トラフィックペイント用原材料、チ
ューインガム基材、インキ・塗料の改質剤、顔料コーテ
ィング剤、ハンダ用フラックス等として好適に使用で
き、これら用途における最終製品の商品価値を向上しう
る。
なお、前記の特開昭63-186783号および特開昭64-85265
号公報に記載した発明における原料精製ロジン化合物
(精製不均化ロジン、精製不均化ロジンエステル)を使
用して、本発明を適用することができることはもとより
であるが、前記のようにコスト高となる。
(実施例) 以下、実施例および比較例をあげて本発明方法を更に具
体的に説明するが、本発明はかかる実施例に限定される
ものではない。
実施例1 (1) 精製 酸価171、軟化点(JIS 5902に規定する環球法により測
定、以下同様)74℃、色調ガードナー6の未精製中国産
ガムロジンを、窒素シール下に3mmHgの減圧下で蒸留
し、酸価180.4、軟化点80.0℃、色調ガードナー4の主
留を精製ロジンとした。
なお、蒸留条件は次のとおりである。
(2) 水素化 前記(1)でえられた精製ロジン200gおよび5%パラジ
ウムカーボン(含水率50%)1.0gを1振盪式オートク
レーブに仕込み、系内の酸素を除去した後、系内を水素
にて50kg/cm2に加圧し260℃まで上昇し、同温度で3時
間水素化反応を行ない、酸価175、軟化点82℃、色調ガ
ードナー2のロジン系化合物をえた。
(3) 有機リン系化合物の添加 前記(2)のロジン系化合物100gに、有機リン系化合物
(トリフェニルホスファイト)0.1gを添加し、約200℃
で30分間撹拌したのち、系内を常温まで冷却し、酸価17
5、軟化点82℃、色調ハーゼン100の最終ロジン系化合物
をえた。
実施例2〜3 実施例1(3)において、有機リン系化合物の種類を順
にトリス(ノニル・フェニル)ホスファイト、ジフェニ
ルイソデシルホスファイトに代え、更にそれらの使用量
をそれぞれ0.2gとしたほかは同様にして行い、最終ロジ
ン系化合物をえた。実施例2のものは酸価176、軟化点8
1℃、色調ハーゼン120であった。また実施例3のものは
酸価175、軟化点80℃、色調ハーゼン120であった。
実施例4 実施例1(1)でえた精製ロジン500gを1容の4つ口
フラスコに取り、窒素シール下で180℃まで昇温し、溶
解撹拌下に200℃でグリセリン60gを加えたのち、280℃
にまで昇温し、同温度で12時間エステル化反応を行い、
酸価7.5、軟化点90℃、色調ガードナー5の精製ロジン
エステルをえた。該精製ロジンエステル200gと5%パラ
ジウムカーボン(含水率50%)2gを1振盪式オートク
レーブに仕込み、系内の酸素を除去した後、系内を水素
にて100kg/cm2に加圧し275℃まで昇温し、同温度で3時
間水素添加反応を行ない、酸価12.5、軟化点86℃、色調
ガードナー2のロジン系化合物をえた。該ロジン系化合
物100gにトリフェニルホスファイト0.1gを添加し、約20
0℃で30分間撹拌したのち、系内を常温まで冷却し、酸
価12.5、軟化点86℃、色調ハーゼン80の最終ロジン系化
合物をえた。
実施例5〜6 実施例4において、有機リン系化合物の種類を順にトリ
ス(ノニル・フェニル)ホスファイト、ジフェニルイソ
デシルホスファイトに代え、更にそれらの使用量をそれ
ぞれ0.2gとしたほかは同様にして行い、最終ロジン系化
合物をえた。実施例5のものは酸価12.3、軟化点85.5
℃、色調ハーゼン100であった。また実施例6のものは
酸価12.1、軟化点85℃、色調ハーゼン100であった。
比較例1 実施例1(2)で得られたロジン系化合物を使用した。
このものは前記のように水素化反応終了直後は、酸価17
5、軟化点82℃、色調ガードナー2であったが、室温下
に30日間放置した場合には、酸価175、軟化点82℃、色
調ガードナー4へと変化した。
比較例2 比較例1で得られた30日放置後のロジン系化合物100g
に、窒素雰囲気下にキシレン100gおよびトリフェニルホ
スファイト0.2gを添加し、撹拌溶解した後、脱キシレン
し、酸価175、軟化点82℃、色調ガードナー4の最終ロ
ジン系化合物を得た。
比較例3 実施例4で得られたトリフェニルホスファイトの添加前
のロジン系化合物を使用した。このものは前記のように
水素化反応終了直後は、酸価12.5、軟化点86℃、色調ガ
ードナー3であったが、室温下に30日間放置した場合に
は、酸価12.5、軟化点86℃、色調ガードナー3へと変化
した。
比較例4 比較例3で得られた30日放置後のロジン系化合物100g
に、窒素雰囲気下にキシレン100gおよびトリフェニルフ
ァイト0.2gを添加し、撹拌溶解した後、脱キシレンし、
酸価12.5、軟化点86℃、色調ガードナー3の最終ロジン
系化合物を得た。
前記実施例1〜6および比較例1〜4(但し、比較例1
および3では常温放置前のものを使用した。)でえられ
たロジン系化合物につき以下のようにして評価した。
(加熱安定性) 内径1.5cm、高さ15cmの試験管にサンプル10gを入れ、蓋
をしないまま200℃の循風乾燥器に静置して経時による
色調(ガードナー)の変化を観察した。結果は第1表に
示した。
(耐候性) 60〜100メッシュの粒度に揃えた樹脂2.0gを内径5.6cm、
高さ1cmの軟膏缶に入れ、400w水銀灯((株)東芝製、
型式:H400F)を40cmの距離から15時間照射したときの重
量増加(酸素吸収量)及び色調(ガードナー)の変化を
観察した。尚、色調は50%キシレン溶液での評価によ
る。結果は第1表に示した。
(発明の効果) 本発明により、従来公知のロジン系化合物に比較して色
調、臭気、安定性等の諸性能を顕著に改良したロジン系
化合物を比較的安価に提供しうるという効果が奏され
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】精製ロジンまたは精製ロジンエステルであ
    る原料精製ロジン系化合物を水素化反応させたのち、該
    反応系に有機リン系化合物を添加することにより調製さ
    れてなることを特徴とする無色ロジン系化合物の製造
    法。
  2. 【請求項2】有機リン系化合物が下記一般式(1)で表
    されるものである請求項1記載の無色ロジン系化合物の
    製造法。 一般式(1):(R-O-)3−P (式中、Rは同一または相異なって、炭素数1〜12のア
    ルキル基、フェニル基、炭素数1〜12のアルキル基を有
    するアルキルフェニル基および炭素数1〜12のアルキル
    基を2個有するジアルキルフェニル基からなる群より選
    択される少なくとも一種を示す。)
  3. 【請求項3】有機リン系化合物の添加量が原料精製ロジ
    ン系化合物に対して0.01〜1.0重量%である請求項1ま
    たは2記載の無色ロジン系化合物の製造法。
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