JPH07292493A - 接着性に優れるアノード処理アルミニウム板 - Google Patents

接着性に優れるアノード処理アルミニウム板

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JPH07292493A
JPH07292493A JP8457094A JP8457094A JPH07292493A JP H07292493 A JPH07292493 A JP H07292493A JP 8457094 A JP8457094 A JP 8457094A JP 8457094 A JP8457094 A JP 8457094A JP H07292493 A JPH07292493 A JP H07292493A
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JP
Japan
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aluminum plate
adhesiveness
aluminum
present
adherence
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Withdrawn
Application number
JP8457094A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Honda
和彦 本田
Kimitaka Hayashi
公隆 林
Hiromasa Nomura
広正 野村
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、接着性に優れるアノード処
理アルミニウム板を提供することにある。 【構成】 アルミニウム板上に、XPS(X線光電子分
光法)から求めたAl2p軌道のスペクトルピークが消
失するまでのスパッタ時間が、10〜1000分間とな
るようなアノード処理皮膜を作製することにより、接着
性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車、建築材料、船
舶、航空機、家電等に使用される、接着性に優れるアノ
ード処理アルミニウム板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車車体の軽量化のためにアル
ミニウム板の使用量が増加してきている。しかしなが
ら、自動車のボディ全体をアルミニウム板とすることは
希であり、一般には、フードやフェンダー等の一部分に
使用されている。この結果、現在の自動車にはアルミニ
ウム板と鋼板が共存使用されているので、車体組立に際
しては両者の接合、いわゆる異材接合部位が存在する。
【0003】さて、アルミニウム板は鋼板と比較して溶
接性に劣る材料であり、また、先に述べたような鋼板と
の異材接合部位で溶接の手法を用いると電食が起こり、
溶接部の強度が著しく低下する。従って、アルミニウム
板の接合には絶縁性物質である有機高分子化合物を原料
とする接着接合が優れている。しかしながら、従来から
接着剤は強度や耐久性、さらには信頼性の点で課題が多
いとされ、接着剤そのものの改良と同時にアルミニウム
板の表面を接着に適した状態へ改良する方法が検討され
てきた。
【0004】現在、アルミニウム板の接着性を改善する
前処理法としては、学術雑誌「軽金属」41巻第10号
第650頁〜659頁に記載されているように、主に次
の2種類の方法が航空機用アルミニウム板の前処理法と
して用いられている。 (イ)硫酸−クロム酸エッチング法 濃硫酸を10重量部、重クロム酸ソーダを1重量部、脱
イオン水を30重量部含む約65℃の溶液に5〜10分
間浸漬するものである。本法によれば、アルミニウム板
の表面にはアルミニウムと酸素の濃度が著しく増加して
厚いアルミニウム酸化物層が形成される。アルミニウム
酸化物層には5角形の細い穴を持つ酸化アルミニウム層
上に直径約50Åの酸化アルミウィスカーが成長してい
る。このアルミニウム酸化物層によるアンカー効果で接
着強度が高くなると言われている。
【0005】(ロ)陽極酸化法 硫酸−クロム酸エッチングは耐水性に劣るため、耐水性
の要求が高い部分では陽極酸化が行われている。クロム
酸陽極酸化法とリン酸陽極酸化法が主に用いられてい
る。これらの方法によるとポーラスなアルミニウム酸化
層が上記(イ)の硫酸−クロム酸エッチングより厚く成
長し、接着強度が向上すると同時に耐久性も向上する。
上記(イ)と(ロ)の前処理法は、確かに接着性(接着
強度と耐久性)を向上させることはできるが、その処理
に長時間を要し作業性が悪い。
【0006】一方、特開平4−160181号公報に見
られるようにアルミニウム板の表面にめっきを施して化
成処理性を改善することによって、接着性を改善させる
方法も提案されている。しかし、例えば、自動車の組立
工程で構造用の接着剤が塗布されるのは化成処理の前工
程であるので、化成処理によって接着性や塗装性が改善
されても、いわゆる構造接着接合に対するメリットは無
い。すなわち、アルミニウム板自身が接着性に優れる表
面状態を有するものではない問題がある。以上述べたよ
うに現在、容易に作製できる接着性に優れたアルミニウ
ム板はない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アルミニウ
ム板の接着性が向上することを課題とし、アルミニウム
板の表面に接着性向上の機能を持たせたアノード処理ア
ルミニウム板を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、前記の問題点を解決するために低コスト
で接着性に優れる表面処理法の開発について鋭意研究を
重ねた結果、アルミニウム板の表面をアノード処理する
ことによって、特定の皮膜を形成して優れた接着性が得
られることを見いだして本発明をなした。すなわち、本
発明の要旨は、XPS(X線光電子分光法)から求めた
Al2p軌道のスペクトルピークが消失するまでのスパ
ッタ時間が、10〜1000分間となるようなアノード
処理皮膜を表面に有することを特徴とする接着性に優れ
るアノード処理アルミニウム板である。なお本発明にお
いてアルミニウム板とは、アルミニウム板及びアルミニ
ウム合金板を含めて称する。
【0009】
【作用】以下に本発明を詳細に説明する。本発明におい
てアノード処理は、アルミニウム板の接着性を向上させ
るために行うが、本発明のようにアノード処理によって
接着性を向上させたものはこれまでにない。アノード処
理を行うことによって接着性が向上する理由は、はっき
りと解明されていないが以下のことが考えられる。 (1)電気化学的にアノード処理を行うことによって、
表面の自然酸化膜が除去される。 (2)電気化学的にアノード処理を行うことによって、
表面の自然酸化膜とは異なる皮膜ができる。本発明が前
記陽極酸化法と相違する点は、陽極酸化法がアルミニウ
ム酸化層のアンカー効果を利用するために酸化膜を厚く
つけるのに対し、本発明ではアルミニウム表面の物理的
変化を利用するためにこの必要がなく工業的に非常に有
利であることである。
【0010】本発明のアノード処理皮膜は、XPS(X
線光電子分光法)から求めたAl2p軌道のスペクトル
ピークが消失するまでのスパッタ時間を10〜1000
分間とする。10分以上とした理由は、10分未満では
密着性が悪いためであり、1000分以下とした理由
は、1000分を超えると厚い酸化膜ができ作業性が悪
く、コストがかかるためである。望ましくは10分以上
500分以下である。
【0011】本発明においては、アルミニウム板の表面
で電気化学的なアノード反応が行われ、所定の膜厚の皮
膜が生成していればいかなる方法でもよく、代表的に次
のようなものを挙げることができる。 (1)硫酸浴、リン酸浴、しゅう酸浴及びクロム酸浴な
どの酸性浴中で、アルミニウム板を電解する。 (2)硫酸浴、リン酸浴、しゅう酸浴及びクロム酸浴な
どの酸性浴中で、アルミニウム板と、それより電気化学
的に貴な金属とを接触させる。 (3)酸化剤を加えた、硫酸浴、リン酸浴、しゅう酸浴
及びクロム酸浴などの酸性浴中に、アルミニウム板を浸
漬する。すなわち電気化学的なアノード処理とは、外部
から強制的に通電を行う処理、金属同士の電位差を利用
して通電を行う処理、溶液中のイオンとアルミニウム板
表面の酸化還元反応を利用する処理などを広く包含する
ものである。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。まず、素材としてJIS5182−O材の圧延板
を準備し、これを脱脂、酸洗後、表1に示す種々の酸浴
中で、アルミニウムをアノード、白金電極をカソードと
して電解を行い、アノード処理した。アノード処理皮膜
の厚さは、XPS(X線光電子分光法)から求めたAl
2p軌道のスペクトルピークが消失するまでのスパッタ
時間を測定することによって求めた。接着性試験は接着
剤に一液硬化型エポキシ系の接着剤を用い、JISK6
850に従った試験片を作製し、作製直後と乾湿繰り返
し試験(CCT)30日後、2段階で引っ張りせん断試
験を行い、各アノード処理アルミニウム板の接着強度の
測定と破壊形態の観察をした。尚、CCTは35℃、5
重量%のNaCl水溶液への浸漬1時間、次いで50
℃、RH40%の条件での強制乾燥2時間を1サイクル
とした。評価は良(◎)、可(〇)、不可(△)の3段
階とした。結果を表1に示す。アノード処理を行ったア
ルミニウム板は良好な接着性を有しており、本発明の有
効性を示している。
【0013】
【表1】
【0014】
【発明の効果】本発明は従来のアルミニウム板の問題点
であった接着性を改善することを可能にした、アノード
処理アルミニウム板に関するものである。本発明により
アルミニウム板の接着性が改善され、自動車材料をはじ
め幅広い分野でのアルミニウム板の利用が可能になるこ
とが予想される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 XPS(X線光電子分光法)から求めた
    Al2p軌道のスペクトルピークが消失するまでのスパ
    ッタ時間が、10〜1000分間となるようなアノード
    処理皮膜を表面に有することを特徴とする接着性に優れ
    るアノード処理アルミニウム板。
JP8457094A 1994-04-22 1994-04-22 接着性に優れるアノード処理アルミニウム板 Withdrawn JPH07292493A (ja)

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ID=13834335

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008208464A (ja) * 2001-12-04 2008-09-11 Nippon Steel Corp 金属酸化物及び/又は金属水酸化物被覆金属材料とその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Legal Events

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Effective date: 20010703