JPH07292460A - 表面処理法 - Google Patents

表面処理法

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JPH07292460A
JPH07292460A JP8816694A JP8816694A JPH07292460A JP H07292460 A JPH07292460 A JP H07292460A JP 8816694 A JP8816694 A JP 8816694A JP 8816694 A JP8816694 A JP 8816694A JP H07292460 A JPH07292460 A JP H07292460A
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JP
Japan
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substrate
aluminum
metal
alloy
thin film
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Pending
Application number
JP8816694A
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English (en)
Inventor
Kokichi Ohata
耕吉 大畠
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】アルミニウムまたはアルミニウム合金,銅また
は銅合金,鉄または鉄合金、これらの一種あるいは組み
合わせによる実用材料3の表面に金属蒸気7を蒸着させ
ながら、イオンビーム5を照射して、金属と酸化物との
混合層を形成し、さらにその上に酸化物の層を形成し
た。 【効果】本発明によれば、基材と金属の層との境界が不
明瞭な混合層を介在して密着性(耐剥離性)がすぐれる絶
縁性薄膜をつけた材料、およびその処理法が実現でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、材料の表面改質に係
り、特に、実用材料の表面に密着性および絶縁性をもた
せる表面処理法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、酸化アルミニウムなどの絶縁性薄
膜のドライプロセスによるコーティングは、ターゲット
にAl23のような化合物を用いてスパッタリング法に
よってコーティングしているが、膜の組成はターゲット
の化合物の組成からずれることが多い。例えば、Al2
3のような酸化物のターゲットを用いてAr雰囲気で
スパッタリングすると、薄膜の組成は酸素が足りない状
態になる。その原因はターゲットからスパッタされた酸
素が一部排気されて有効酸素分圧が低くなってしまうか
らである。そのため、酸素ガスをAr雰囲気中に含有さ
せることにより、ターゲットと同じ組成の薄膜を作製す
ることができるように調整する。しかし、スパッタリン
グ雰囲気に酸素ガスを含有させると、ターゲット面でも
酸素ガスによる反応が起きて、スパッタリングによる成
膜速度が低下してしまい、薄膜を作製するプロセス制御
が困難になる、という問題があった。また、薄膜が基材
表面との密着性が悪く、剥離しやすい、という問題があ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来技術は、前述のよ
うに基材表面に絶縁性薄膜を形成する場合、薄膜の組成
を制御することが困難であったり、基材との密着性が悪
く剥離しやすい、ということが問題であった。
【0004】本発明の目的は、基材と薄膜との境界が不
明瞭な混合層を介在させることによって、密着性(耐剥
離性)がすぐれる絶縁性薄膜を形成する表面処理法を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、基材上に真空蒸着法によりアルミニウム
を蒸着して薄膜を形成しながら、その形成しつつある薄
膜にイオン注入法により加速した酸素イオンを前記アル
ミニウムの量に対して略2:3の割合で照射し、アルミ
ニウム,酸素,基材などの混合層を形成し、さらにその
上にアルミニウムの酸化物層を形成した。すなわち、蒸
発したアルミニウム粒子は、基材の表面に付着する前に
加速された酸素イオンと衝突して運動エネルギを得て基
材に注入されるか、または基材表面に付着した後にイオ
ンに押し込まれるようにして、混合層を形成し、さらに
その上にアルミニウムの酸化物層を形成する。従って、
基材とアルミニウムと酸素の層は原子的結合状態とな
り、基材との密着性は非常に良好で、従来の課題を解決
することができる。
【0006】ここで、アルミニウムを蒸着して薄膜を形
成しながら酸素イオンを照射するとということは、これ
らを同時に併用または交互にあるいは間歇的に行うこと
を指している。
【0007】基材は、アルミニウムまたはアルミニウム
合金,銅または銅合金,鉄または鉄合金、これらの一種
あるいは組み合わせによる実用材料を用いることができ
る。また、蒸着する金属としては、アルミニウムまたは
アルミニウム合金,銅または銅合金、あるいは珪素また
は珪素合金を用いることができる。
【0008】
【作用】アルミニウムの蒸着による薄膜形成と、その薄
膜への酸素イオンの照射によりAl23が生成するが、
AlとOの割合を略2:3とすることにより、例えば、
Al単独で膜中に存在することがなくなるため、形成さ
れた膜の絶縁性および硬さ、さらに基材との密着性を一
定レベル以上にすることができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に述べ
る。
【0010】本発明は、真空蒸着法によりアルミニウム
金属を基板に蒸着させ、それと同時にまたは間歇的に酸
素イオンを照射させる。基板として、アルミニウムまた
はアルミニウム合金,銅または銅合金,鉄または鉄合
金、またはこれらの一種あるいは組み合わせによる実用
材料が用いられる。
【0011】ここで注意すべき点は、高硬度と高抵抗で
絶縁性のある酸化アルミニウム薄膜を形成するために
は、アルミニウムと酸素との比率を略2:3(Al/O
=0.5〜0.9)の化学量論割合に保持しなければなら
ないということである。
【0012】ここで真空蒸着法による蒸着とは、電子ビ
ーム蒸着,イオンビームスパッタ,マグネトロンスパッ
タ,抵抗加熱蒸着などのいずれかまたは類似の方法によ
っても達成できることは明らかである。
【0013】以下、本発明の一実施例を図面を用いて詳
細に説明する。図1は本発明の表面処理法の一実施例に
用いた装置の概略を示す。図2は本発明の一実施例の基
板上の酸化アルミニウム膜の表面抵抗を測定した結果を
示す。図3は同じく酸化アルミニウム膜の硬さ測定結果
を示す。図4は同じく酸化アルミニウム膜の断面をオー
ジェ電子分光分析装置により表面から基材側への断面を
分析した結果を示す。また、図5は同じく酸化アルミニ
ウム膜の密着力を測定した結果を示す。
【0014】図1に示すように、排気された真空チャン
バ1内の水冷回転式のホルダ2にとりつけた基板3に対
して、まずイオン源4より発生する、例えば、20kV
で加速した0.3mA/cm2の酸素イオンビーム5を照射
してスパッタ,クリーニングする。基板は直径50mm厚
さ2mmのSUS304鋼板である。ついで蒸発源6より蒸着す
る、例えば蒸着速度10Å/sのアルミニウム蒸気7を
蒸着させながら、酸素イオンビーム5を照射して、基板
3に酸化アルミニウムの薄膜を形成させた。イオン源4
と真空チャンバ1は、あらかじめ2×10-6Torrまで真
空度を高め、薄膜形成中も1×10-5Torrの真空度に保
持した。さらにこの薄膜を形成させるとき加速電圧や蒸
着速度ばかりでなく、種々の条件で薄膜を形成させ、各
試料について、X線回折,表面抵抗測定,硬さ測定,深
さ方向の元素分析,膜の密着力測定などを実施した。
【0015】鉄合金(SUS304)基板に形成した酸化アル
ミニウム膜をX線回折した結果、アルミニウムと酸素と
の比率を略2:3(2:2〜4)の化学量論比にして形
成した膜は、X線の最強ピークがJCPD31−26のAl23
のそれと一致することからほぼAl23のみからなって
いることがわかった。
【0016】表面抵抗計を用いて膜の表面抵抗を測定し
た結果、図2に示すように、アルミニウムと酸素との比
率を略2:3(2:2〜4)の化学量論比にして形成した
膜は、イオンの加速電圧が10kVで表面抵抗が1×1
10Ω/□以上となる。表面抵抗が、例えば1×1010
Ω/□以上となるアルミニウムと酸素との比率は、イオ
ンの加速電圧が3kVでは略2:2〜5となるが、20
kVでは低抵抗のままである。これはイオンの加速電圧
が比較的高いと反挑注入の効果により酸素が内部に入っ
てしまったもので、膜の表面抵抗が1×1010Ω/□以
上となるようにするには、イオンの加速電圧が13kV
程度以下が望ましいことがわかる。
【0017】ビッカース硬さ計を用いて膜の硬さを測定
した結果、図3に示すようになり、イオンの加速電圧が
10kVで、アルミニウムと酸素との比率が略2:3の
ときに、硬さが最も高くなることがわかる。
【0018】オージェ電子分光分析装置により表面から
基材側への断面を分析した結果、図4に示すように、表
面にはAl+Oの層が形成されており、表面から基材ま
での間でAl+Oが徐々に減少(Feが徐々に増加)し
ている部分が比較的長く形成されている。これは表面層
と基材との間にAl+Oと基材の主成分であるFeとの
混合層が形成されていることを示している。これに対し
て、イオンを照射せずに蒸着しただけでは、急激にAl
+O層が減少して、混合層の形成がなく(図示せず)、
ほとんど機械的にしか付着していない。
【0019】また、膜の密着力を測定した結果、図5に
示すように、イオンを照射せずに蒸着しただけでは殆ん
ど密着力はないが、イオンを照射することによって密着
力を著しく高められることがわかる。
【0020】以上、具体例の一部を述べたが、本発明は
実施例の記述のみに制限されるものではない。例えば、
基材として鉄合金(SUS304)の基板の実施例を示した
が、鉄,アルミニウムまたはアルミニウム合金,銅また
は銅合金、これらの一種あるいは組み合わせによる実用
材料などについても同じである。さらに、蒸着する金属
としてアルミニウムの実施例を示したが、アルミニウム
合金,銅または銅合金,珪素または珪素合金、などにつ
いても同じである。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、金属材料の基材と絶縁
性薄膜の層との境界が不明瞭な混合層を介在させて密着
性(耐剥離性)がすぐれる絶縁性薄膜をつけた実用材
料、およびその処理法が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のダイナミックミキシングに
よる表面処理法を示す説明図。
【図2】本発明の一実施例の酸化アルミニウム膜の電気
抵抗を測定した結果を示す特性図。
【図3】本発明の一実施例の酸化アルミニウム膜の硬さ
測定結果を示す特性図。
【図4】本発明の一実施例の酸化アルミニウム膜のオー
ジェ電子分光分析装置により表面から基材側への断面を
分析した結果を示す特性図。
【図5】本発明の一実施例の酸化アルミニウム膜の密着
力、およびイオンを照射せずに蒸着しただけの膜の密着
力を測定した結果を示す特性図。
【符号の説明】
1…真空チャンバ、2…基板ホルダ、3…基板、4…イ
オン源、5…イオンビーム、6…蒸発源、7…アルミニ
ウム蒸気。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材表面に、金属を蒸着しながら加速した
    粒子を照射することにより、前記基材の表面に金属化合
    物を形成させて、前記金属化合物が前記基材の表面から
    内部にわたって濃度を減少させ、前記基材との明瞭な境
    界がなく、密着性および絶縁性をもたせていることを特
    徴とする表面処理法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記基材がアルミニウ
    ムまたはアルミニウム合金,銅または銅合金,鉄または
    鉄合金、これらの一種あるいは組み合わせによる実用材
    料である表面処理法。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記蒸着する金属がア
    ルミニウムまたはアルミニウム合金,珪素または珪素合
    金、あるいは銅または銅合金である表面処理法。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記照射する加速した
    粒子が酸素イオンである表面処理法。
  5. 【請求項5】請求項1において、前記金属化合物が酸化
    物である表面処理法。
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