JPH07292421A - 鋼帯の連続焼鈍装置およびその張力制御装置 - Google Patents

鋼帯の連続焼鈍装置およびその張力制御装置

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JPH07292421A
JPH07292421A JP6088670A JP8867094A JPH07292421A JP H07292421 A JPH07292421 A JP H07292421A JP 6088670 A JP6088670 A JP 6088670A JP 8867094 A JP8867094 A JP 8867094A JP H07292421 A JPH07292421 A JP H07292421A
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成和 今中
Toshimitsu Honda
利光 本多
Yasuo Kitawaki
康夫 北脇
Masao Ono
正男 小野
Yoshitaka Hattori
義孝 服部
Hiroo Goshi
弘雄 五師
Harumi Kato
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、絞り加工用など軟質の鋼帯を製造
するための連続プロセスラインにおいて、鋼帯のヒート
バックル、擦り疵およびウォークの発生を防止し、生産
性および品質向上を図るための連続焼鈍装置およびその
張力制御装置に関する。 【構成】 加熱帯、均熱帯、一次冷却帯、過時効帯、二
次冷却帯を有する鋼帯の連続焼鈍炉において、過時効帯
と二次冷却帯の間に炉内ブライドルロールを設け、かつ
入側および/または出側に第1ブライドルロールと、第
2ブライドルロールとこれらのブライドルロール間にて
鋼帯に当接する緩衝ロールとを設けることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絞り加工用など軟質の
鋼帯を製造するための連続プロセスラインにおいて、鋼
帯のヒートバックル、擦り疵およびウォークの発生を防
止し、生産性および品質向上を図るための連続焼鈍装置
およびそれに使用する張力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】薄鋼板等の鋼帯は、連続プロセスライン
に通板して各種の処理が行われる。処理としては、焼
鈍、酸洗、メッキなど各種あり、連続焼鈍ライン、連続
酸洗ライン、連続メッキライン等によりこれらの処理が
行われている。通板に際して、ラインの入側部ではコイ
ルに巻かれた鋼帯をペイオフリールで巻出し、先行鋼帯
の後端に溶接し、出側部ではテンションリールでコイル
状に巻取って溶接部を切断し、後行鋼帯をテンションリ
ールに巻き付ける作業が行われる。
【0003】このような連続プロセスラインにおいて、
入側部での溶接時および出側での切断時等においても、
鋼帯は焼鈍設備等の処理設備を所定の一定速度で通板さ
せる必要があるので、処理設備と入側設備の間および出
側設備の間にルーパーを設けて、速度調整を行ってい
る。また、処理すべき鋼帯コイルの板厚や板幅が変わっ
たとき、あるいは鋼種など金属組成が変わったときに
は、処理設備内の通板速度を変更することが必要にな
り、入出側設備を含めた速度調整を行っている。
【0004】特に、絞り加工用や軟質ぶりき原板用など
軟質の鋼帯は、冷間圧延した後、連続焼鈍炉にて焼鈍お
よび過時効処理を行って製造される。この連続焼鈍炉
は、鋼帯を所定温度まで加熱するための加熱帯、焼鈍す
るための均熱帯、過時効処理を行うための一次冷却帯、
過時効帯および二次冷却帯を有する長大な設備である。
通常、鋼帯等のプロセスラインにおいては、ラインの入
側および出側にブライドルロールを設けて鋼帯等に適正
な張力を付加し、安定した通板を行っている。このとき
張力が不足すると、鋼帯が蛇行して炉壁等の設備に接触
し、鋼帯に擦り疵が発生し、また張力が過剰だと、ヒー
トバックルと呼ばれる鋼帯長さ方向の絞りじわが発生す
る。
【0005】鋼帯の連続焼鈍炉は長大であるため、炉前
後のブライドルロールだけでは、炉内の全長にわたって
鋼帯に適正な張力を付加することが困難となり、炉内に
もブライドルロールを設けて張力を制御することが、実
開昭50−139707号公報により知られている。すなわち図
11に示すように、鋼帯Sは連続焼鈍炉Fの前後に設け
られた入側ブライドルロール1と出側ブライドルロール
2のほか、加熱帯4と保定帯5の間、および保定帯5と
冷却帯6(過時効帯を設けてもよいと記載されている)
の間に炉内ブライドルロール3を設けて、鋼帯Sの張力
を調整している。
【0006】また特公昭60−7693号公報には、加熱帯の
出側および均熱帯の出側にブライドルロールを設けて、
鋼帯が熱膨張する加熱帯では張力を高め、鋼帯が軟化し
た後の加熱帯出側および均熱帯では張力を低めること、
および一次冷却帯の入側と出側にブライドルロールを設
けて、急冷によるクーリングバックル等の形状変形を生
じやすい一次冷却帯での張力を低めることが開示されて
いる。
【0007】特開平1−162727号公報には、図12に示
すように、複数本のブライドルロールを2群(7Aおよ
び7Bと8Aおよび8B)に分割して、その間にダンサ
ーロール10を設け、ブライドルロールのみでは吸収でき
ないような、高い周波数で瞬間的に変動する張力変動
を、ダンサーロール10の上下移動により吸収させる張力
制御装置が提案され、特開平1−165726号公報に、その
制御方法が提案されている。両公報の技術において、ダ
ンサーロール10は、デフレクタロール9Cと第二ブライ
ドルロール8Aの間で鋼帯Sを上方に吊り上げており、
ロープ11によりドラム13を介して錘り12とバランスされ
ている。14は、ドラム13を一定トルクで回転駆動させる
ためのモーターである。
【0008】また特開平5−43099 号公報には、搬送ロ
ールおよび可動搬送ロール間にストリップを通板させ、
可動搬送ロールの移動によりストリップの張力を制御す
る装置において、支持軸を中心に旋回動し、かつ支持軸
反対側端に可動搬送ロールが設けられたアームと、支持
軸に直結し、アームに支持軸を中心としたトルクを発生
させてストリップに張力を付与するための電動機と、ア
ームの旋回動の角度を検出する角度検出器と、ストリッ
プの張力を検出する張力計と、検出角度および検出張力
により、アームに発生させるトルクを補正して、ストリ
ップの張力を目標張力に制御する張力制御装置が記載さ
れている。
【0009】上記特開平5−43099 号公報の装置の主要
部を図示すると、図13のように、前記公報で搬送ロー
ルと称されているのはデフレクタロール9、同じく可動
搬送ロールと称されているのはダンサーロール10であ
り、これらがブライドルロール8に隣接されていて、ダ
ンサーロール10をアーム16に回転自在に軸支させ、アー
ム16を支持軸15を中心に旋回動させることで、ダンサー
ロール10を上下動させるものである。ダンサーロール10
をこのような機構で上下動させることにより、図12の
ようなダンサーロールに比べて機械抵抗が小さく、低慣
性の移動が可能となり、外部からの急峻な張力変動に対
しても、高応答性、高精度の張力制御が可能と、説明さ
れている。
【0010】なお図13において、18は支持軸15を旋回
動させるトルクモーター、19はアーム16の旋回角を検出
する角度検出器である。また、17はアーム16に支持軸15
を中心としたトルクを発生させるためにアーム16に設け
られたカウンターウェイト、20はカウンターウェイト17
の移動用モーター、21はカウンターウェイトの位置検出
器であり、これらは必要に応じて設置されるものであ
る。このカウンターウェイト17の位置調整により、アー
ム16に発生させるトルクを制御することができ、トルク
モーター18を小容量化できるとされている。
【0011】しかし、薄手の鋼帯を高速で通板する場合
等には、特に高周波の張力変動があり、上記図12のよ
うなダンサーロール10では、その機械系の大きな慣性ゆ
えに吸収することができなかった。また、上記図13の
ようなアーム旋回方式のダンサーロールでは機械系が低
慣性化され、ある程度までの高周波の張力変動は吸収で
きるが、ダンサーロールを設けるには、設備的にかなり
のスペースが必要であり、特に既設ラインを改造する場
合には、最も適切な位置に設置することができないとい
う問題が生じた。
【0012】特に、加熱帯、均熱帯、一次冷却帯、過時
効帯、二次冷却帯を有する鋼帯の連続焼鈍炉において、
二次冷却帯での鋼帯の冷却をガスジェットクーラーで行
った場合、鋼帯の表面に擦り疵が発生したり、その後の
水冷槽にてウォークと呼ばれる鋼帯の横揺れが発生する
ことがあった。このような擦り疵やウォークの問題は、
連続焼鈍炉の入側および出側のブライドルロールにより
炉内張力を増大させると解消するが、過時効帯にてヒー
トバックルが発生した。また炉内にブライドルロールを
設けても、上記各公報に具体的に開示されているような
位置では、効果が得られなかった。したがって従来装置
では、鋼帯の通板速度を抑えた操業を余儀なくされてい
た。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、鋼帯の連続
プロセスラインにおいて、薄手の鋼帯を高速で通板する
場合などに、入側および出側等に高周波の張力変動があ
っても、焼鈍設備等の処理設備に伝えないように張力制
御することが可能で、適正な張力のもとで安定した通板
が行え、鋼帯のバックリング、幅縮み、蛇行や弛みによ
るスリ疵発生等を確実に防止することができ、しかも既
設ラインにも容易に設置できるコンパクトな張力制御装
置を提供することを目的とする。
【0014】また、本発明は、加熱帯、均熱帯、一次冷
却帯、過時効帯、二次冷却帯を有する鋼帯の連続焼鈍炉
において、鋼帯のヒートバックル、擦り疵およびウォー
クの発生を確実に防止し、高生産性の下で品質向上を図
ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するものであり、その要旨は下記のとおりである。 (1)加熱帯、均熱帯、一次冷却帯、過時効帯、二次冷
却帯を有する鋼帯の連続焼鈍炉において、過時効帯と二
次冷却帯の間に炉内ブライドルロールを設け、前記炉内
ブライドルロールより入側の鋼帯張力を低くし、前記炉
内ブライドルロールより出側の鋼帯張力を高めることを
特徴とする鋼帯の連続焼鈍装置。
【0016】(2)鋼帯の連続プロセスラインにおい
て、処理設備の直ぐ入側および/または直ぐ出側に設置
された一組の対向する炉外ブライドルロールにおいて、
第1ブライドルロールと、第2ブライドルロールと前記
両ブライドルロール間にて鋼帯に当接する緩衝ロールと
を設け、前記緩衝ロールは該鋼帯の張力変動に応じて、
前記緩衝ロール前後のロールを結ぶパスラインと交差す
る方向に、旋回移動可能で、かつ前記緩衝ロールのアー
ムとパスラインとのなす角αを制御し鋼帯の張力を調整
することを特徴とする鋼帯の張力制御装置。
【0017】(3)緩衝ロールのアームとパスラインと
のなす角αを下記(1)式で表されるようなFが極大値
を示すα0 を境として0°<α≦α0 またはα0 ≦α<
90°となる角度を制御範囲として鋼帯の張力を調整す
ることを特徴とする(2)記載の鋼帯の張力制御装置。
【0018】
【数2】 A:緩衝ロール支点 b:パスラインと支点との距離 c:支点と第2ブライドルロール 入側ロール間距離 α:緩衝ロールのアームとパスラインのなす角 R:緩衝ロールのアーム長さ a:第1ブライドルロール出側ロール(あるいはデフレ
クタロール)と第2ブライドルロール入側ロール(ある
いはデフレクタロール)間距離 TM :板張力 F:緩衝ロールが板張力TM により押しつけられる力
【0019】(4)鋼帯の連続焼鈍炉において、過時効
帯と二次冷却帯の通板パス間に炉内ブライドルロールを
設け、さらに前記連続焼鈍炉の入側および/または出側
に、少なくとも一組の対向する炉外ブライドルロールお
よびその間で、鋼帯に当接する緩衝ロールよりなる鋼帯
の張力制御装置とを設けることを特徴とする鋼帯の連続
焼鈍装置。
【0020】(5)緩衝ロールの軸が、支持軸に固定さ
れたアームに回転自在に軸支され、前記支持軸を回動さ
せるトルクモーターを設ける(2)から(4)のいずれ
かに記載の鋼帯の張力制御装置。 (6)支持軸にカウンターウェイトを設ける(5)記載
の鋼帯の張力制御装置。
【0021】以下、本発明について添付図面に基づいて
詳述する。本発明の第1の技術的特徴は、図1に示すよ
うに、加熱帯22、均熱帯23、一次冷却帯24、過時効帯2
5、二次冷却帯26を有する鋼帯の連続焼鈍炉Fにおい
て、過時効帯25と二次冷却帯26の間に炉内ブライドルロ
ール3を設けたことにある。さらに、第2の技術的特徴
は、鋼帯の連続プロセスラインにおいて、図2に示すご
とく、第1ブライドルロールと、第2ブライドルロール
と、前記両ブライドルロール間にて鋼帯に当接する緩衝
ロールとを設け、前記緩衝ロールは鋼帯の張力変動に応
じて緩衝ロール前後のロールを結ぶパスラインと交差す
る方向に旋回移動可能で、、緩衝ロールのアームとパス
ラインとのなす角αを下記(1)式で表されるようなF
が極大値を示すα0 を境として0°<α≦α0 またはα
0 ≦α<90°となる角度を制御範囲として鋼帯の張力
を調整することを特徴とする鋼帯の張力制御装置にあ
る。
【0022】
【数3】 A:緩衝ロール支点 b:パスラインと支点との距離 c:支点と第2ブライドルロール 入側ロール間距離 α:緩衝ロールのアームとパスラインのなす角 R:緩衝ロールのアーム長さ a:第1ブライドルロール出側ロール(あるいはデフレ
クタロール)と第2ブライドルロール入側ロール(ある
いはデフレクタロール)間距離 TM :板張力 F:緩衝ロールが板張力TM により押しつけられる力 まず、第1の特徴点について以下に説明する。
【0023】図1において、冷間圧延された鋼帯Sは、
図示しないペイオフリールから洗浄装置、入側ルーパー
等を通り、入側ブライドルロール1を経て連続焼鈍炉F
に入る。連続焼鈍炉Fでは、加熱帯22で所定温度まで加
熱され、均熱帯23で焼鈍温度に所定時間均熱されて焼鈍
され、一次冷却帯24で冷却された後、過時効帯25にて過
時効処理され、ついで二次冷却帯26および水冷槽28で冷
却されて、絞り性等の所望の加工性を有する鋼帯とな
る。二次冷却帯26では、鋼帯はガスジェットクーラー27
により適正な冷却速度で冷却される。その後、ドライヤ
ー29で乾燥され、最終冷却帯30で調質圧延可能な温度ま
で冷却される。ついで、出側ブライドルロール2、およ
び図示しない調質圧延機等を経てテンションリールに巻
き取られる。なお、調質圧延機がインラインに設置され
てないラインもあり、その場合は最終冷却帯30は必ずし
も設置する必要はない。
【0024】各ブライドルロール1,2,3は、表面の
摩擦係数が大きく、かつ鋼帯Sとの接触面積を大きくす
るように、複数のロールを配置して構成している。本発
明装置においては、まず入側ブライドルロール1と炉内
ブライドルロール3の周速差を調整して、加熱帯22、均
熱帯23、一次冷却帯24および過時効帯25における鋼帯S
の張力を調整する。そして炉内ブライドルロール3と出
側ブライドルロール2の周速差を調整して、二次冷却帯
26および水冷槽28における張力を調整する。
【0025】絞り性など加工性の優れた薄鋼板を製造す
るためには、過時効処理後の鋼帯を段階的に適正な冷却
速度で冷却する必要があり、またクーリングバックル等
の形状不良発生を防止するため二次冷却帯26にてガスジ
ェットクーラー27で比較的ゆるやかな冷却をした後、経
済的な冷却設備である水冷槽28で急速に冷却している。
従来装置では、鋼帯Sの板厚が薄く幅が広い場合等にお
いて、二次冷却帯26ではガスジェットクーラー27の強風
で鋼帯Sが大きく振れ、前述のように該クーラー27に接
触して擦り疵が発生し、また水冷槽28ではハイドロプレ
ーニング現象により鋼帯Sのウォークが発生し易かっ
た。これらの対策として連続焼鈍炉F内の張力を高める
と、鋼帯温度が比較的高い過時効帯25にて鋼帯Sにヒー
トバックルが発生し易いという問題があった。
【0026】本発明装置では、過時効帯25と二次冷却帯
26の間に炉内ブライドルロール3を設けているので、そ
の前後の張力をそれぞれ独立に調整することができる。
すなわち、図1の張力分布に示すように、過時効帯25で
の張力を過大にすることなく、二次冷却帯26および水冷
槽28における張力を、適正な値に高めることができる。
このため、過時効帯25でヒートバックルを発生させるこ
となく、二次冷却帯26での擦り疵発生および水冷槽28で
のウォーク発生を確実に防止することができる。
【0027】なお、図1の本発明装置において、加熱帯
22、均熱帯23、一次冷却帯24および過時効帯25における
鋼帯Sの張力が変動した場合、入側ダンサーロール31を
上下させて張力を調整することができる。張力の変動
は、入側ブライドルロール1と炉内ブライドルロール3
の間のロール、例えば32を張力検出ロールとして検出
し、それを入側ダンサーロール31の駆動モータのトルク
指令にフィードバックさせる。入側ダンサーロール31を
上下させた後は、炉内の張力を変動させないように入側
ブライドルロール1の周速を調整しながら入側ダンサー
ロール31を元の位置に復帰させる。
【0028】また、二次冷却帯26および水冷槽28におけ
る鋼帯Sの張力が変動した場合は、出側ブライドルロー
ル2の手前の出側ダンサーロール34を上下させて張力を
調整することができる。張力の変動は、張力検出ロール
33等で検出することができ、出側ダンサーロール34を上
下させた後は、張力を変動させないように出側ブライド
ルロール2の周速を調整しながら出側ダンサーロール34
を元の位置に復帰させる。
【0029】また、過時効帯25内および二次冷却帯26内
にそれぞれ張力検出器35および36を設けて張力を測定
し、それらを炉内ブライドルロール3と出側ブライドル
ロール2の駆動にフィードバックすることも有効であ
る。次に、本発明の第2の技術的特徴点である鋼帯の張
力制御装置について以下に説明する。
【0030】本発明装置は、図2の例に示すように、第
1ブライドルロール7Aおよび7Bと、第2ブライドル
ロール8Aおよび8Bと、緩衝ロール37とを設けてい
る。緩衝ロール37は、第1ブライドルロール7Aおよび
7Bと第2ブライドルロール8Aおよび8Bとの間にて
鋼帯Sに当接し、鋼帯Sの張力変動に応じて、緩衝ロー
ル37の前後のロール(図2では第1ブライドルロールの
2本目のロール7Bと第2ブライドルロールの1本目の
ロール8A)を結ぶパスラインLと交差する方向(矢印
の方向)に旋回移動可能であり、かつ、緩衝ロールのア
ームとパスラインとのなす角αとして、図9の関係から
下記(1)式で表されるようなFが極大値を示すα0
境として0°<α≦α0 またはα0 ≦α<90°となる
角度を制御範囲として鋼帯の張力を調整するものであ
る。
【0031】
【数4】 A:緩衝ロール支点 b:パスラインと支点との距離 c:支点と第2ブライドルロール 入側ロール間距離 α:緩衝ロールのアームとパスラインのなす角 R:緩衝ロールのアーム長さ a:第1ブライドルロール出側ロール(あるいはデフレ
クタロール)と第2ブライドルロール入側ロール(ある
いはデフレクタロール)間距離 TM :板張力 F:緩衝ロールが板張力TM により押しつけられる力 図10にαとFの関係を示す。TM 、a、b、c、Rは
設置条件により決定され、Fが極大値Fmax を示すα0
を有する。
【0032】上記(1)式はα0 を極大点とするような
上に凸のグラフとなる。α0 前後でFが増減するため制
御としては0°<α≦α0 またはα0 ≦α<90°とな
る範囲で使用するのが望ましい。さらに、機械的設備条
件を考慮すれば、αを0°<α≦α0 とするのがより望
ましい。但し、実際は後述するごとく、F=TM cos
α(sinθ1 +sinθ2 )という式で補正をかけて
いるため0°<α<90°の範囲で使用しても問題な
い。 傾斜角θは、緩衝ロール37の移動位置にもよるが
入側と出側で異なり、図示のとおり入側をθ1 、出側を
θ2 とした。
【0033】本発明装置における緩衝ロール37の移動範
囲はこのようにして設計され、しかも中空の軽量ロール
を採用することで極めて低慣性化され、図12および図
13に示すような従来のダンサーロール10よりも、張力
変動に対してより敏感な動きをすることができる。した
がって、本発明装置の入側あるいは出側における鋼帯S
の張力が急激に高周波変動しても、緩衝ロール37によ
り、それを吸収することができる。
【0034】図2の例は、本発明の好ましい態様を示し
ており、緩衝ロール37は中空ロールであって、アーム16
に回転自在に軸支され、アーム16は支持軸15に固定され
ている。支持軸15は図示しない架台等に軸支されてい
て、トルクモーター18で支持軸15を回動することによ
り、緩衝ロール37がパスラインLと交差する方向に旋回
移動可能になっている。
【0035】なお本発明において、緩衝ロール37の旋回
移動は、図2のようなトルクモーター18で行う他、油圧
あるいは空気圧等により行うこともできる。図2におい
て、各ブライドルロール7A,7B,8A,8Bは、摩
擦係数の大きい表面を有し、かつ鋼帯Sとの接触面積を
大きくするように配置され、駆動モーター38A,38B,
39A,39Bで回転駆動される。緩衝ロール37は非駆動
で、鋼帯Sの通板に伴い自由に回転できるようにアーム
16に軸支されている。
【0036】鋼帯Sは、各ブライドルロール7A,7
B,8A,8Bの回転により矢印の方向に通板され、各
ロールとの摩擦抵抗により、入側張力T1 と出側張力T
2 が切り離される。本発明装置は、第一ブライドルロー
ル7Aおよび7Bと第二ブライドルロール8Aおよび8
Bの間にて、緩衝ロール37をストリップSに当接させ、
図2の例ではパスラインLの上方に鋼帯Sを押上げて、
中間張力TM を付与している。
【0037】この状態で、例えば入側張力T1 が高周波
の張力変動ΔTを含んだT1 +ΔTに変化すると、中間
張力TM もTM +ΔTに変化しようとするが、緩衝ロー
ル37はトルクモーター18による一定のトルクで鋼帯Sを
押上げており、このトルクは中間張力TM とバランスし
ているので、低慣性化された緩衝ロール37は張力変動分
ΔTに応じて旋回移動により機械的に上下動し、中間張
力はTM に維持される。すなわち緩衝ロール37は、ΔT
がプラスなら下方に、ΔTがマイナスなら上方に移動
し、入側張力T1 が変動しても、その変動分を吸収して
出側張力T2 に影響を及ぼさない。そして、入側張力が
1 に復帰すると、緩衝ロール37も元の位置に復帰す
る。同様に出側張力T2 が変動しても、入側張力T1
影響を及ぼさない。
【0038】また、入側張力T1 がT1 +ΔTに変動し
た場合、中間張力もTM +ΔTに変動するが、これを検
出し、トルクモーター18の駆動力を制御し、角度αを変
化させ緩衝ロールを電気的に上下動させて吸収させるこ
とも可能である。仮に、この制御が追従できないような
高周波の張力変動があっても、TM とバランスしたトル
クで鋼帯を押上ている緩衝ロール37が機械的に上下動す
ることで、その変動を吸収することができる。
【0039】本発明装置において、緩衝ロール37には、
トルクモーター18の一定駆動力により上向きのトルクを
付与して鋼帯Sを押上げ、傾斜角αによって、その押上
げ力を制御するものである。機械的には、0≦α≦90
°の範囲で制御可能ではあるが、ある一定のα位置での
制御では張力設定値を入力し、トルクモーター18に駆動
力を付与し、その時の張力を検出し、目標張力値となる
ようにフィードバックさせている。また、緩衝ロール37
に付与される力は中間張力TM 一定でも傾斜角α、傾斜
角θ1 およびθ2 によって変化するため、(2)式によ
り張力補正をかける。このFを入力し、トルクモーター
18のトルクを設定する。
【0040】 F=TM cosα(sinθ1 +sinθ2 ) (2) F:緩衝ロール37を押付ける力 TM :緩衝ロール37部張力(中間張力) なお本発明装置において、鋼帯Sの張力変動が緩慢な場
合は、トルクモーター18のトルクを調整するか、第1ブ
ライドルロール7Aおよび7Bあるいは第2ブライドル
ロール8Aおよび8Bの回転周速を、駆動モーター38A
および38Bあるいは39Aおよび39Bにより調整すること
で、制御することができる。また、前記の張力変動ΔT
が緩衝ロール37により吸収された後、緩衝ロール37を元
の位置に復帰させる場合、第1ブライドルロールの周速
あるいはトルクモーター18のトルクを調整する。
【0041】このような本発明装置を、鋼帯の連続プロ
セスラインにおいて、焼鈍設備等の処理設備の入側及び
/または出側に設置することにより、ライン入出側のル
ーパーの作動における急速な加減速等において発生する
張力変動を、処理設備に伝播させることなく、処理設備
内のストリップを常に適正な一定張力で通板することが
でき、バックリングやすり疵発生を確実に防止すること
ができる。さらに、処理設備の通板速度を変えたときの
張力変動を吸収することができ、同様にバックリングや
すり疵発生を確実に防止することができる。
【0042】つぎに本発明において、緩衝ロール37の支
持軸15には、図3の例に示すようにカウンターウェイト
17を設けるのが好ましい。図3の例では、カウンターウ
ェイト17により緩衝ロール37に上向きのトルクが生じ、
これを図2の例に採用すれば、トルクモーター18の駆動
力を減ずることができる。カウンターウェイト17は、図
3の例のほか、ストリップSに対する緩衝ロール37の当
接の向き、およびトルクの大きさによって、位置や重量
を調整することができる。
【0043】本発明装置を連続プロセスラインに適用す
るに際しては、新設ラインあるいは既設ラインであって
も、最も適した位置に容易に設置することができる。そ
の適用例を図4(a)〜図4(f)に示す。図4(a)
は、緩衝ロール37と第1ブライドルロール7Bとの間お
よび第2ブライドルロール8Aとの間にデフレクターロ
ール9を設けており、各ブライドルロールにおけるスト
リップSの巻付け角が、緩衝ロール37の旋回移動位置に
関係なく一定であり、ブライドルロールは影響を受けな
い。
【0044】しかし、デフレクターロール9がなく、図
2の場合、あるいは図4(b)以下のように、ブライド
ルロール7Bおよび8Aの巻付け角が、緩衝ロール37の
旋回移動位置によって変化しても、ブライドルロールと
して必要な巻付け角が保持されていれば問題ない。さら
に緩衝ロール37は図4(b)および図4(c)のように
ストリップSを下方に押し付けるもの、あるいは図4
(d)のように上方に吊り下げるもの、さらに図4
(e)および図4(f)のように横方向に押し付けるも
のでもよい。なお、ブライドルロールは2本組にしたも
のの他、図4(e)の第1ブライドルロールのように7
A,7B,7Cと3本組にしてもよく、あるいは1本で
もよい。
【0045】次に、本発明の第3の技術的特徴点につい
て説明する。この実施態様の一例を図5に示す。これは
前述の第1の特徴点と第2の特徴点を組み合わせたもの
である。すなわち、連続焼鈍部の過時効帯25と二次冷却
帯26の間にブライドルロール3を設け、さらに、炉外に
隣接して入側および/または出側にブライドルロール7
A,7B,8A,8B を少なくとも一組以上を対向して設け、そ
の間に前述の緩衝ロール37を少くとも一箇所に設けたも
のである。このようにすることによって、過時効帯25と
二次冷却帯26の間の炉内ブライドルロール3を設けてい
るのでその前後の張力をそれぞれ独立に調整することが
可能となる。さらに、入側および/または出側のブライ
ドルロール7A,7B,8A,8B と緩衝ロール37によって、ライ
ン入出側のルーパーの作動における急速な加減速等にお
いて発生する張力変動を、連続焼鈍設備内の鋼帯に伝播
させることなく、適正な一定張力で通板することが可能
となる。
【0046】以下に本発明の実施例に基づいてさらに説
明する。 〔実施例〕 実施例1:図2に示す本発明装置に、板厚0.24mmおよび
0.26mm、板幅1024mmの軟鋼鋼帯を通板し連続焼鈍を行っ
た。二次冷却帯26において、ガスジェットクーラー27と
鋼帯Sとの間隔は 150mm、ガスジェットクーラー27から
の風速は30m/秒とし、通板速度は、板厚0.24mmの場合
は 500m/分、0.26mmの場合は 430m/分とした。炉内
ブライドルロール3と出側ブライドルロール2により、
二次冷却帯26における鋼帯Sの張力Tb を変化させたと
きの、鋼帯Sの振れ量を測定した結果、加熱帯22〜過時
効帯25における張力Ta より大にして、図6(a)に示
すように、その差ΔT(=Tb −Ta )を4N/mm2
上とすることにより、鋼帯Sの振れ量Wが 100mm以内に
安定し、擦り疵の発生が皆無となった。なお、加熱帯22
〜過時効帯25における張力Ta は6N/mm2 とした。振
れ量Wは図6(b)のように、破線で示す鋼帯Sのパス
ラインからの片側の振れ量である。
【0047】また、ΔTを4N/mm2 以上とすることに
より、鋼帯Sのウォークの問題も解消した。このウォー
クは、水冷槽28において鋼帯Sとロールとの間に水が入
り込み、ハイドロプレーニング現象により鋼帯がロール
の軸方向に揺動することにより発生していたが、本発明
装置によって張力を高めることで水の侵入が抑えられた
ため解消した。
【0048】なお、このように二次冷却帯26での鋼帯S
の張力を調整しても、過時効帯25およびそれより前の炉
内での張力は一定に保持され、ヒートバックルの発生は
認められなかった。
【0049】比較例:図1に示す連続焼鈍炉Fにおい
て、炉内ブライドルロール3を設けず、図7のように、
二次冷却帯26の各パス毎に上下のロールの間に2箇所、
ガスジェットクーラー27の間で鋼帯Sに接触するサポー
トロール40を設置し、鋼帯Sの振れを抑えた。ΔT=0
とした他は上記本発明例と同様の条件で通板した結果、
ガスジェットクーラー27との接触による擦り疵は発生を
抑えることができたが、その場合、サポートロール40を
駆動させる必要があった。また、サポートロール40の設
置箇所にはガスジェットクーラー27を設置することがで
きず、全体として有効冷却長が減少するため、二次冷却
帯26のパス数を増やす必要も生じた。したがって本発明
例に対し、機械設備および電気設備に約3倍のコストを
要した。
【0050】実施例2:冷間圧延した鋼帯の連続焼鈍ラ
インにおいて、焼鈍設備の入出側に本発明装置を設け
て、張力制御を行った。焼鈍設備入側における張力制御
について、図8により説明する。鋼帯Sは、第1ブライ
ドルロール7Aおよび7B、デフレクターロール9、緩
衝ロール37、デフレクターロール9、第2ブライドルロ
ール8Aおよび8B、デフレクターロール9を通って、
図示しない焼鈍設備に導入される。
【0051】各ブライドルロール7A,7B,8A,8
Bはそれぞれ駆動モータ38A,38B,39A,39
Bで駆動し、かつ緩衝ロール37は駆動モータ18で駆
動することで鋼帯に適正な張力を付与している。張力検
出器41は鋼帯Sの中間張力TM を検出するものであり
7Bロール近辺に設置している。また、張力検出器42
は鋼帯Sの焼鈍設備内張力T2 を検出するものであり、
第2ブライドルロール8Bの後に設置している。
【0052】張力検出器42の検出張力は鋼帯Sに付与
すべき目標張力56(T2 )に対してフィードバックさ
れ、その張力偏差が張力制御器52に入力されて調整す
べき速度指令に換算される。この換算された速度指令は
炉内速度基準値57に加算されて速度制御器50に速度
指令として入力される。この速度指令により第2ブライ
ドルロール8A,8B用駆動モータ39A,39Bを速
度制御して焼鈍設備内張力を目標張力T2 に制御する。
【0053】張力検出器41の検出張力は鋼帯Sに付与
すべき目標張力55(TM )に対してフィードバックさ
れ、その張力偏差が張力制御器51に入力されて調整す
べきトルク指令に換算される。この換算されたトルク指
令は電流制御器47にトルク指令(電流指令)として入
力される。このトルク指令により緩衝ロール37用駆動
モータ18を電流制御して鋼帯Sの中間張力を目標張力
M に制御する。
【0054】緩衝ロール37には、トルクモータ18の
一定駆動力により上向きのトルクを付与して鋼帯Sを押
上げ、パスラインとの傾斜角θ1 及びθ2 をともに約1
1°、パスラインとアームのなす角αを約30°として
緩衝ロール37の基準位置としている。また、緩衝ロー
ル37に付与される力Fは、中間張力TM が一定でも傾斜
角α、傾斜角θ1 およびθ2 によって変化するため、
(2)式により張力補正をかける。このFを張力設定器
56より張力制御器52に入力し、トルクモーター18のトル
クを設定する。
【0055】 F=TM cosα(sinθ1 +sinθ2 ) (2) F:緩衝ロール37を押付ける力 TM :緩衝ロール37部張力(中間張力) 入側張力T1 がT1 +ΔTに変動した場合、中間張力も
M +ΔTに変動するが、これを張力検出器41で検出
し、トルクモーター18の駆動力を制御し、緩衝ロールを
上下動させて吸収する。この制御が追従できないような
高周波の張力変動があっても、TM バランスしたトルク
で鋼帯を押上ている緩衝ロール37が上下動することで、
その変動を吸収することができた。
【0056】トルクモーター18には角度検出器19を設け
てあり、入側張力T1 の変動で上記のように緩衝ロール
37が上下動したとき、トルクモーター18の回動角度を検
出し、第一ブライドルロール7Aおよび7Bの回転周速
を調整して、緩衝ロール37の位置を元の状態に復帰させ
る。つまり、角度検出器19を用いて検出したアーム角
度αを目標位置設定値(目標角度)54に対してフィー
ドバックして調整すべき偏差を求め、それを位置制御器
53で速度指令値に換算する。その速度指令値は炉内速
度基準57に加算されて速度制御器49に速度指令とし
て入力される。この速度指令により第1ブライドルロー
ル7A,7B用駆動モータ38A,38Bを速度制御し
てアーム角αを目標角度に制御する。
【0057】57は炉内速度基準値であり、第1ブライド
ルロール7A,7Bの速度制御器49、および第2ブライ
ドルロール8A,8Bの速度制御器50に、所定の炉内速
度を入力している。このような本発明の制御方式では、
第1ブライドルロール入側からの張力変動等に対して張
力検出器41及び42を用いた緩衝ロール37及び第2
ブライドルロール8A,8Bによる2段の張力制御系を
組んでおり、さらには緩衝ロール37の上下動に対して
は角度検出器19を用いた位置制御系を組んでおり従来
の制御方式と比較すると高い応答性で且つ高い精度で鋼
帯Sの張力制御が可能となる。
【0058】尚、本緩衝ロールは低慣性化されており、
上記張力制御系で吸収できない張力変動に対しては機械
的に緩衝ロールが上下動して張力変動を吸収できる。ち
なみに、本発明と従来の制御方式による張力制御の効果
をシミュレーションにより比較したところ以下の結果が
得られた。尚、解析の前程条件としては前段ブライドル
ロール入側から90kgの張力変動を印加した時の後段ブラ
イドルロール出側での張力実績(即ち張力検出器42の
値)である。
【0059】
【表1】
【0060】表1より、本発明方式は従来方式に比較し
て最も優れていることがわかる。
【0061】
【発明の効果】以上の説明のごとく、本発明の張力制御
装置は極めて低慣性の緩衝ロールを採用しており、これ
を薄鋼板の連続焼鈍ライン等、鋼帯の連続プロセスライ
ンに使用することにより、薄手の鋼帯を高速で通板する
場合など、入側設備および出側設備等に高周波の張力変
動があっても、焼鈍等の処理設備に伝播されず、適正な
張力のもとで安定して通板でき、鋼帯のバックリングや
すり疵発生等を確実に防止することができる。さらに設
置スペースが狭く、既設ラインにも最適な位置に容易に
設置できる。
【0062】また、本発明装置によれば、加熱帯、均熱
帯、一次冷却帯、過時効帯、二次冷却帯を有する鋼帯の
連続焼鈍炉において、過時効帯と二次冷却帯の間に炉内
ブライドルロールを設けたことにより、過時効帯以前と
二次冷却帯以降での鋼帯の張力を独立に調整することが
できる。このため、過時効帯での高すぎる張力によるヒ
ートバックルを防止し、ガスジェットクーラーとの接触
による鋼帯の擦り疵、水冷層での水侵入によるウォーク
発生が確実に防止される。
【0063】したがって、従来のように、ヒートバック
ル、擦り疵およびウォークをおそれて鋼帯の通板速度を
低下させる必要もなく、高生産性を維持した上で品質向
上を図ることができる。さらに、付加した炉内ブライド
ルロールは装置の構造もシンプルで、建設費用や維持費
用も安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の例を示す縦断面図である。
【図2】本発明装置の例を示す斜視図である。
【図3】本発明装置における緩衝ロールの別の例を示す
斜視図である。
【図4】(a)図〜(f)図は本発明に係る張力制御装
置における別の例を示す説明図である。
【図5】本発明装置の例を示す縦断面図である。
【図6】本発明に係る張力制御装置において、(a)図
は本発明装置の実施例を示すグラフであり、(b)図は
本発明の実施例における鋼帯の振れ量Wの説明図であ
る。
【図7】比較例の装置を示す縦断面図である。
【図8】本発明の実施例における制御系統図である。
【図9】本発明の緩衝ロールの張力制御の説明図であ
る。
【図10】本発明の緩衝ロールのアーム角度と張力との
関係を示す図である。
【図11】従来の装置の例を示す縦断面図である。
【図12】従来の装置の例を示す説明図である。
【図13】従来の別の装置の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…入側ブライドルロール 2…出側ブライドルロール 3…炉内ブライドルロール 4…加熱帯 5…保定帯 6…冷却帯 7A,7B,7C…第1ブライドルロール 8A,8B,8C…第2ブライドルロール 9…デフレクターロール 10…ダンサーロール 11…ロープ 12…錘り 13…ドラム 14…モーター 15…支持軸 16…アーム 17…カウンターウエイト 18…トルクモーター 19…角度検出器 20…カウンターウエイト駆動用モーター 21…カウンターウエイト位置検出器 22…加熱帯 23…均熱帯 24…一次冷却帯 25…過時効帯 26…二次冷却帯 27…ガスジェットクーラー 28…水冷槽 29…ドライヤー 30…最終冷却帯 31…入側ダンサーロール 32,33…張力検出ロール 34…出側ダンサーロール 35,36…張力検出器 37…緩衝ロール 38A,38B,39A,39B…駆動モーター 40…サポートロール 41,42…張力検出器 43A,43B,44,45A,45B…インバーター 46,47,48…電流制御器 49,50…速度制御器 51,52…張力制御器 53…位置制御器 54…位置設定値 55,56…張力設定値 57…炉内速度基準値 F…連続焼鈍炉 S…鋼帯 W…振れ量 L…パスライン Q1 ,Q2 …傾斜角 α…アームとパスラインのなす角 T1 ,T2 ,TM …鋼帯張力
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本多 利光 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1−1 新日 本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 北脇 康夫 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1−1 新日 本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 小野 正男 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 (72)発明者 服部 義孝 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 五師 弘雄 愛知県東海市東海町5−3 新日本製鐵株 式会社名古屋製鐵所内 (72)発明者 加藤 晴美 福岡県北九州市戸畑区大字中原46−59 日 鐵プラント設計株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱帯、均熱帯、一次冷却帯、過時効
    帯、二次冷却帯を有する鋼帯の連続焼鈍炉において、過
    時効帯と二次冷却帯の間に炉内ブライドルロールを設
    け、該炉内ブライドルロールより入側の鋼帯張力を低く
    し、該炉内ブライドルロールより出側の鋼帯張力を高め
    ることを特徴とする鋼帯の連続焼鈍装置。
  2. 【請求項2】 鋼帯の連続プロセスラインにおいて、処
    理設備の直ぐ入側および/または直ぐ出側に設置された
    一組の対向する炉外ブライドルロールにおいて、第1ブ
    ライドルロールと、第2ブライドルロールと該両ブライ
    ドルロール間にて鋼帯に当接する緩衝ロールとを設け、
    該緩衝ロールは該鋼帯の張力変動に応じて、該緩衝ロー
    ル前後のロールを結ぶパスラインと交差する方向に、旋
    回移動可能で、かつ該緩衝ロールのアームとパスライン
    とのなす角αを制御し鋼帯の張力を調整することを特徴
    とする鋼帯の張力制御装置。
  3. 【請求項3】 緩衝ロールのアームとパスラインとのな
    す角αを下記(1)式で表されるようなFが極大値を示
    すα0 を境として0°<α≦α0 またはα0≦α<90
    °となる角度を制御範囲として鋼帯の張力を調整するこ
    とを特徴とする請求項2記載の鋼帯の張力制御装置。 【数1】 A:緩衝ロール支点 b:パスラインと支点との距離 c:支点と第2ブライドルロール 入側ロール間距離 α:緩衝ロールのアームとパスラインのなす角 R:緩衝ロールのアーム長さ a:第1ブライドルロール出側ロール(あるいはデフレ
    クタロール)と第2ブライドルロール入側ロール(ある
    いはデフレクタロール)間距離 TM :板張力 F:緩衝ロールが板張力TM により押しつけられる力
  4. 【請求項4】 鋼帯の連続焼鈍炉において、過時効帯と
    二次冷却帯の通板パス間に炉内ブライドルロールを設
    け、さらに該連続焼鈍炉の入側および/または出側に、
    少なくとも一組の対向する炉外ブライドルロールおよび
    その間で、鋼帯に当接する緩衝ロールよりなる鋼帯の張
    力制御装置とを設けることを特徴とする鋼帯の連続焼鈍
    装置。
  5. 【請求項5】 緩衝ロールの軸が、支持軸に固定された
    アームに回転自在に軸支され、該支持軸を回動させるト
    ルクモーターを設ける請求項2から4のいずれかに記載
    の鋼帯の張力制御装置。
  6. 【請求項6】 支持軸にカウンターウェイトを設ける請
    求項5記載の鋼帯の張力制御装置。
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