JPH07292236A - 加硫ゴム用離型剤 - Google Patents

加硫ゴム用離型剤

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JPH07292236A
JPH07292236A JP11196894A JP11196894A JPH07292236A JP H07292236 A JPH07292236 A JP H07292236A JP 11196894 A JP11196894 A JP 11196894A JP 11196894 A JP11196894 A JP 11196894A JP H07292236 A JPH07292236 A JP H07292236A
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vulcanized rubber
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Katsuhiro Yoriume
勝弘 撰梅
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ゴムホースの製造等に用いるマンドレルに使
用可能な離型剤で、挿入性、引抜き性に優れた加硫ゴム
用離型剤を提供する。 【構成】 ジアミンのアルキレンオキサイド付加物であ
って、各アルキレンオキサイド付加物は、エチレンオキ
サイドとプロピレンオキサイドが交互に結合したもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加硫ゴム用離型剤に関
し、更に詳しくは、ゴムホースの製造などに用いる成形
ホース用マンドレルに使用可能な離型剤で、挿入性、引
抜き性(離型性)に優れた加硫ゴム用離型剤である。
【0002】
【従来の技術】本発明離型剤は、加硫ゴム用のものであ
るが、以下その代表としてゴムホースを例にとって説明
する。
【0003】自動車やその他の分野において、ゴムホー
スは多く使用されており、形状としては直管又は曲がり
管と呼ばれるものがある。これらの成形ホースの製造
は、所定の形状に成形されたマンドレルを用いてゴムを
加硫成形した後、加硫ゴムホースをマンドレルから引き
抜く必要があり、この引抜き工程を容易にするため、離
型剤が用いられる。
【0004】次にこの離型剤の使用工程を説明する。所
定のマンドレル(ステンレス、アルミニウム等)に未加
硫ホースを挿入する前に、予め離型剤を塗布する。塗布
方法としては所定の濃度に調整した離型剤溶液をハケ塗
り、又はスプレー塗布する。また、未加硫ゴムホースの
先端を離型剤溶液に浸漬する方法もある。更に、2つの
方法を組み合わせてもよい。
【0005】次に、所定の形状のマンドレルに未加硫ゴ
ムホースを差し込み、150℃〜180℃で30分〜1
時間加硫を行なう。加硫後、ホースをマンドレルから引
き抜き、その引き抜いた加硫ホースを溶剤による洗浄及
び水洗又は湯洗を行なえばホースができるのである。
【0006】この様な成形ホースの製造に用いられるマ
ンドレル用離型剤に求められる特性は、次の通りであ
る。 マンドレルへの未加硫ホースの挿入性が良好である
こと。 マンドレルからの加硫ホースの引抜き性が良好であ
ること。 加硫ホース内面に付着した離型剤が容易に洗浄除去
できること。
【0007】そして、現在使用されている成形ホース用
マンドレル離型剤としては、ポリプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコールの多価アルコール系化合
物、ポリオキシアルキレングリコール系化合物及び石鹸
等の界面活性剤やジメチルシリコーン、変性シリコーン
オイル等が使用される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の離型剤では次のような欠点があった。最近の曲がり
ゴムホースは、新規なゴム素材、例えばアクリルゴム、
ハイパロンエピクロルヒドリンゴム等が使用されている
ため、従来の離型剤では満足する性能は得られなかっ
た。その要因として、 離型剤のマンドレル及び未加硫ゴムホースへの付着
性が不足することによる離型性不足 生産の合理化に伴い、加硫条件の高温化によって離
型剤の耐熱性が不足することによる離型性不足 加硫ホースの洗浄方法の変化として、溶剤から水洗
(湯洗)に移行しつつあり、そのための洗浄性不足 このため、本業界では、マンドレル及び各種ゴムへの付
着性、耐熱性及び離型性に優れ、水洗により洗浄可能な
離型剤が待望されていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、鋭
意研究の結果本発明離型剤を完成させたものであり、そ
の特徴とするところは、下記一般式化1で示されるジア
ミンのアルキレンオキサイド付加物からなる点にある。
【化1】〔ただし、2≦A≦6、m1, m2, m3, m4は1以
上の整数であり、 0≦a1+a2+a3+a4≦20 1≦b1+b2+b3+b4≦12 1≦c1+c2+c3+c4≦20 0≦d1+d2+d3+d4≦12 4≦a1+a2+a3+a4+c1+c2+c3+c4≦80 4≦b1+b2+b3+b4+d1+d2+d3+d4≦50である。〕
【0010】ここで、前記一般式中の、プロピレンオキ
サイドの合計付加モル数が4以下の場合、マンドレル用
離型剤としての潤滑性に乏しく、生産工程においてホー
スを挿入、離型する性能を有しない。一方、それが80
より大きい場合、その製造コストが高くなり、さらには
水による洗浄性が悪くなる。離型剤としての具備条件及
び製造コストを考慮した場合、プロピレンオキサイドの
合計付加モル数の好ましい範囲は7〜40である。一
方、エチレンオキサイドの合計付加モル数が4以下の場
合、加硫ホースについた離型剤の洗浄性が乏しいため生
産性が低下する。また、それが50以上の場合、凝固点
が上昇しマンドレル離型剤としての潤滑性に劣る。そこ
で、離型剤としてエチレンオキサイドの合計付加モル数
の特に好ましい範囲は10〜40である。また、アルキ
レンオキサイド付加物を形成するアミンは、エチレンジ
アミン、トリエチレンジアミン、テトラエチレンジアミ
ン、ペンタエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン
である。
【0011】この化合物以外に含有してもよい成分とし
ては、水、低級アルコール(炭素数1〜3)等がある。
また、本発明の離型剤は単独でも十分使用可能である
が、公知のポリプロピレングリコール、ポリエチレング
リコール等の多価アルコール系化合物、ポリオキシアル
キレングリコール系化合物及び石鹸等の界面活性剤やジ
メチルシリコーン、変性シリコーンオイル、鉱物油、植
物油及び鉱油等と併用してもよい。
【0012】
【実施例】
実施例1 5000mlのオートクレーブにエチレンジアミン6
0.1g(1mol)、及びアルカリ触媒として48%KO
H25gを仕込み、チッ素ガスにて置換した後、温度1
05℃に昇温し、減圧下にて脱水を行なった。次に、プ
ロピレンオキサイド464g(8 mol) を徐々に仕込
み、圧力2Kg/cm2 、温度120℃に保ちつつ、付加重
合を行なった。次にエチレンオキサイド1320g(30
mol)を、同条件で付加重合させた。重合終了後、酢酸を
使用してpHを約10に調整し、加硫ゴム用離型剤を得
た。この得られた化合物は、特許請求の範囲においては
a1, a2, a3, a4=2、b1, b2, b3, b4=7.5、m=
1、A=2、他の値は0のものに相当する。
【0013】実施例2 エチレンジアミン60.1g(1mol)にプロプレンオキ
サイド1740g(30mol)と、エチレンオキサイド13
20g(30mol)を同時に仕込み、付加重合を行ない、重
合終了後、実施例と同様の方法で加硫ゴム用離型剤を得
た。この場合には、a1, a2, a3, a4が各7.5、b1, b
2, b3, b4も7.5となり、プロプレンオキサイドとエ
チレンオキサイドがランダムに結合している。勿論、請
求項1の範囲には含まれる。
【0014】実施例3 トリエチレンジアミン74g(1mol)に、プロプレンオ
キサイド696g(12mol)を仕込み付加重合させ、次に
エチレンオキサイド1584g(36mol)を仕込み付加重
合させ、次にプロプレンオキサイド1392g(24mol)
を仕込み付加重合を行ない加硫ゴム用離型剤を得た。こ
の得られた化合物は、特許請求の範囲においてはa1, a
2, a3, a4=3、b1, b2, b3, b4=9、c1, c2, c3, c4
=6、m=1、A=3、他の値は0のものに相当する。
【0015】実施例4 ペンタエチレンジアミン102g(1mol)に、エチレン
オキサイド1056g(24mol)を仕込み付加重合させ、
次にプロプレンオキサイド1392g(24mol)を仕込み
付加重合を行ない加硫ゴム用離型剤を得た。この得られ
た化合物は、特許請求の範囲においてはb1, b2, b3, b4
=6、c1, c2, c3, c4=6、m=1、A=5、他の値は
0のものに相当する。
【0016】実施例5 エチレンジアミン60.1g(1mol)に、エチレンオキ
サイド1056g(24mol)を仕込み付加重合させ、次に
プロプレンオキサイド1392g(24mol)を仕込み付加
重合を行ない、次にエチレンオキサイド352g(8mo
l)を仕込み付加重合させ加硫ゴム用離型剤を得た。この
得られた化合物は、特許請求の範囲においてはb1, b2,
b3, b4=6、c1, c2, c3, c4=6、d1, d2, d3, d4=
2、m=1、A=2、他の値は0のものに相当する。
【0017】比較例1 5000mlのオートクレーブにエチレンジアミン6
0.1g(1mol)、及びアルカリ触媒として48%KO
H25gを仕込み、チッ素ガスにて置換した後、温度1
05℃に昇温し、減圧下にて脱水を行なった。次に、プ
ロピレンオキサイド174g(3 mol) を徐々に仕込
み、圧力2Kg/cm2 、温度120℃に保ちつつ、付加重
合を行なった。次にエチレンオキサイド1408g(32
mol)を、同条件で付加重合させた。重合終了後、酢酸を
使用してpHを約10に調整し離型剤を得た。この得ら
れた化合物は、特許請求の範囲の記載方法においてはa
1, a2,a3, a4=0.75、b1, b2, b3, b4=8、m=
1、A=2、他の値は0のものに相当する。
【0018】比較例2 以下比較例1と同様の方法であるため、使用するアミン
とアルキレンオキサイドのみを記す。エチレンジアミン
60.1g(1mol)、次にエチレンオキサイド1408
g(32mol)、次にプロプレンオキサイド5800g(10
0 mol)。この得られた化合物は、特許請求の範囲の記載
方法においてはa1, a2, a3, a4=0、b1, b2, b3, b4=
8、c1, c2, c3, c4=25、m=1、A=2、他の値は
0のものに相当する。
【0019】比較例3 トリエチレンジアミン64g(1mol)、次にプロプレン
オキサイド1740g(30mol)、次にエチレンオキサイ
ド132g(3mol)、。この得られた化合物は、特許請
求の範囲の記載方法においてはa1, a2, a3, a4=7.
5、b1, b2, b3,b4=0.75、m=1、A=3、他の
値は0のものに相当する。
【0020】比較例4 エチレンジアミン60.1g(1mol)、次にプロプレン
オキサイド1740g(30mol)、次にエチレンオキサイ
ド2640g(60mol)。この得られた化合物は、特許請
求の範囲の記載方法においてはa1, a2, a3, a4=7.
5、b1, b2, b3,b4=15、m=1、A=2、他の値は
0のものに相当する。
【0021】離型性の評価 成形ホース用マンドレルの外表面に、表に示す離型剤を
塗布し、更に未加硫ホース先端に離型剤を浸漬後、マン
ドレルに挿入する。次に、これを150℃で30分蒸気
加硫する。その後、マンドレルから加硫したホースを引
抜き、離型性(引抜き性)を評価した。評価基準は次の
通りである。 ◎:作業がきわめて容易である。 ○:作業が容易である。 △:作業効率が悪い。 ×:作業効率がきわめて悪い。
【0022】洗浄性の評価 上記加硫ホースを各温水(30℃、60℃)で洗浄し、
離型剤の除去性を評価した。評価基準は次の通りであ
る。 ◎:きわめて容易に離型剤が除去される。 ○:簡単な洗浄で離型剤が除去される。 ×:離型剤が除去できない。
【0023】
【発明の効果】以上の結果を表1に示す。この表から、
本発明が従来品よりも優れ、離型性、洗浄性の両面にお
いて問題がないことが分かる。
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式化1で示されるジアミンのア
    ルキレンオキサイド付加物からなることを特徴とする加
    硫ゴム用離型剤、 【化1】 〔ただし、2≦A≦6、m1, m2, m3, m4は1以上の整数
    であり、 0≦a1+a2+a3+a4≦20 1≦b1+b2+b3+b4≦12 1≦c1+c2+c3+c4≦20 0≦d1+d2+d3+d4≦12 4≦a1+a2+a3+a4+c1+c2+c3+c4≦80 4≦b1+b2+b3+b4+d1+d2+d3+d4≦50である。〕
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