JPH07291794A - ダイヤモンド合成方法およびダイヤモンド合成装置 - Google Patents

ダイヤモンド合成方法およびダイヤモンド合成装置

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JPH07291794A
JPH07291794A JP8687194A JP8687194A JPH07291794A JP H07291794 A JPH07291794 A JP H07291794A JP 8687194 A JP8687194 A JP 8687194A JP 8687194 A JP8687194 A JP 8687194A JP H07291794 A JPH07291794 A JP H07291794A
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plasma jet
diamond
plasma
plasma torch
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JP8687194A
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English (en)
Inventor
Tsukasa Itani
司 井谷
Kazuaki Kurihara
和明 栗原
Kenichi Sasaki
謙一 佐々木
Shinobu Akashi
忍 明石
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】気相成長によるダイヤモンドの合成方法及び合
成装置に関し、厚さ分布の制御を可能とし、大面積のダ
イヤモンド層を均一成長させることを目的とする。 【構成】プラズマトーチ10を用い、炭素を含むプラズ
マジェット20を基板30に衝突させてダイヤモンド層
40を成長させる際に、基板30に向かうプラズマジェ
ット20の流路の外部に電極50を配置し、電界により
プラズマジェット20を外側に偏向するか、又はバイア
ス電圧を印加してプラズマジェット20の流路内を流れ
る電流を発生させ、その電流に磁界を作用させてプラズ
マジェット20を偏向するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気相成長によるダイヤ
モンドの合成方法及び合成装置に関する。ダイヤモンド
は、ビッカース硬度が10000であり、耐磨耗性と化
学的安定性とに優れることから、切削や研磨用の工具材
料として各種の産業分野で広く用いられている。また、
熱伝導率が銅の4倍の2000W/mKであり、広い波
長範囲にわたって透光性に優れるので、ヒートシンクや
電気回路基板、及び光学材料として好適である。さらに
バンドギャップが5.4eVであり、半導体としても利
用し得るので、次世代の半導体デバイス材料として注目
されている。
【0002】このため、より速くより厚い良質のダイヤ
モンドを得ることのできる工業的に有用なダイヤモンド
合成方法が求められている。
【0003】
【従来の技術】結晶性の良好なダイヤモンドの合成に
は、気体の化学反応により固体を析出させる化学気相成
長(CVD)法が用いられている。特に、本発明者らが
提案したプラズマジェットCVD法(特公平4−777
10号)によれば、他の方法による場合の数十倍以上の
成膜速度でダイヤモンド層を成長させることができる。
【0004】プラズマジェットCVD法は、アーク放電
により気体を加熱してプラズマ化する非移行型のプラズ
マトーチを用い、気体の炭素化合物をプラズマトーチ又
はそれから噴出するプラズマジェットに供給し、炭素を
含む高温高速のプラズマジェットを基板に衝突させて、
基板上にダイヤモンド層を成長させるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のプラズ
マジェットCVD法による合成では、100μm/h程
度の成長速度が得られるものの、ピンチ効果によりプラ
ズマジェットの流れが絞られることから、ダイヤモンド
層の平面積(基板上でダイヤモンドが成長する範囲)が
小さく、しかも層の端部に近づくほど同心円状に層の厚
さが急激に減少するという問題があった。つまり、厚さ
が均一で面積の大きなダイヤモンドを合成することが困
難であった。
【0006】本発明は、この問題に鑑みてなされたもの
で、ダイヤモンドの厚さ分布の制御を可能とし、大面積
のダイヤモンド層を均一成長させることを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るダ
イヤモンド合成方法は、上述の課題を解決するため、図
1に示すように、プラズマトーチ10を用い、炭素を含
むプラズマジェット20を基板30に衝突させてダイヤ
モンド層40を成長させる際に、前記基板30に向かう
前記プラズマジェット20の流路の外部に電極50を配
置し、前記プラズマトーチ10と前記基板30の間に電
界を発生させて前記プラズマジェット20を偏向するも
のである。
【0008】請求項2の発明に係る装置は、チャンバ7
1とプラズマトーチ11とを備え、前記チャンバ71内
に配置された基板31に炭素を含むプラズマジェット2
1を衝突させて、ダイヤモンド層41を成長させるダイ
ヤモンド合成装置1であって、前記基板31に向かう前
記プラズマジェット21の流路の外部に、前記プラズマ
ジェット21を偏向する電界を発生させるための電極5
1を有する。
【0009】請求項3の発明に係るダイヤモンド合成方
法は、図2に示すように、プラズマトーチ10を用い、
炭素を含むプラズマジェット20を基板30に衝突させ
てダイヤモンド層40を成長させる際に、前記基板30
に向かう前記プラズマジェット20に対して、前記プラ
ズマトーチ10の軸方向と交差する方向の磁界を印加す
るとともに、前記プラズマトーチ10と前記基板30と
の間にバイアス電圧を印加して前記プラズマジェット2
0の流路内を流れる電流を発生させ、その電流に前記磁
界を作用させて前記プラズマジェット20を偏向するも
のである。
【0010】請求項4の発明に係る装置は、チャンバ7
2とプラズマトーチ12とを備え、前記チャンバ72内
に配置された基板32に炭素を含むプラズマジェット2
2を衝突させて、ダイヤモンド層42を成長させるダイ
ヤモンド合成装置2であって、前記基板32に向かう前
記プラズマジェット22に対して、前記プラズマトーチ
12の軸方向と交差する方向の磁界を印加する電磁石6
0が設けられ、前記プラズマジェット22の流路内を電
流が流れるように、前記プラズマトーチ121と前記基
板32との間に電位差を生じさせるためのバイアス電圧
の印加が可能に構成されてなる。
【0011】
【作用】プラズマトーチ10に供給された放電ガスは、
陰極(カソード)101とノズル状の陽極(アノード)
102との間のアーク放電によって熱プラズマとなり、
急激な体積膨張により超高速のプラズマジェット20と
なってノズルの開口から基板30に向かって噴出する。
炭素化合物などの原料ガスは、放電ガスとともにプラズ
マトーチ10に供給され、又はプラズマトーチ10の外
部でプラズマジェット20に供給される。炭素を含むプ
ラズマジェット20は、適当な温度に保たれた基板30
と衝突して冷却される。これにより、基板30上にダイ
ヤモンド層40が成長する。
【0012】このような結晶成長に際して、例えばプラ
ズマトーチ10と基板30との間に、プラズマジェット
20の流路を囲む電極50を配置し、その電位を基板3
0及びアノード102の各電位より低電位とすると、基
板30及びアノード102の両方から電極50に向かう
電界Eが生じる。また、アノード102と電極50と間
に電流が流れ、プラズマジェット20中の元素の解離度
が高くなる。このため、プラズマジェット20中の正電
荷が電極50に引き寄せられて外側に偏向し、プラズマ
ジェット20がプラズマトーチ10の径方向に拡がり、
ダイヤモンド層40の平面積が増大し且つ厚さが均一に
なる。
【0013】また、基板30に向かうプラズマジェット
20に対して、プラズマトーチ10の軸方向と交差する
方向の磁界Hを印加すると、ローレンツ力によって荷電
粒子の進路が変わり、それに引きずられてプラズマジェ
ット20中の各粒子が偏向され、プラズマジェット20
がプラズマトーチ10の径方向に拡がる。そのとき、プ
ラズマトーチ10と基板30との間にバイアス電圧を印
加してプラズマジェット20の流路内を流れる電流(放
電電流)Iを発生させると、ローレンツ力を受ける荷電
粒子の密度(プラズマジェットの電荷密度)が高まるこ
とから、プラズマジェット20の偏向角度が大きくな
り、より広面積のダイヤモンド層が得られる。特にカソ
ード101と基板30との間にバイアス電圧を印加する
と、アノード102と基板30との間にバイアス電圧を
印加する場合に比べて、プラズマトーチ10と基板30
との間の放電電圧が高くなり、プラズマジェット20の
電荷密度をより高めることができる。
【0014】
【実施例】図3は請求項1の発明の実施に係るダイヤモ
ンド合成装置1の構成図である。ダイヤモンド合成装置
1は、減圧用のチャンバ71、プラズマトーチ11、基
板用マニプレータ81、水冷の基板ホルダ85、偏向用
の電極51、電極位置調整用マニプレータ52などから
構成されている。
【0015】プラズマトーチ11は、カソード111及
びノズル状のアノード112からなり、チャンバ71の
上部に取付けられている。カソード111及びアノード
112は水冷構造であり、これらの間には電源151に
よりアーク放電のための電圧が印加される。
【0016】基板用マニプレータ81は、チャンバ71
の下部に鉛直方向(プラズマトーチ11の軸方向)に移
動可能に配置され、基板ホルダ85の上面に取付けられ
た基板31とプラズマトーチ11との距離の調整に用い
られる。
【0017】電極51は、プラズマトーチ11から基板
31に向かうプラズマジェット21の流路を周回する環
状の導体からなり、絶縁性のフランジ52aを介してマ
ニプレータ52に取り付けられ、プラズマトーチ11と
同心に支持されている。電極51の軸方向断面は円形で
ある。マニプレータ52は、プラズマトーチ11の軸方
向における電極51の位置調整に用いられる。
【0018】電極51と基板ホルダ85との間には、可
変電圧源90により電極側を低電位とするバイアス電圧
が印加され、これにより、プラズマトーチ11と基板3
1との間でプラズマジェット21に作用する電界が生じ
る。
【0019】以上の構成のダイヤモンド合成装置1にお
いては、真空ポンプを排気口75に接続してチャンバ7
1の内部を所定の低圧状態とし、プラズマトーチ11の
ポート113から原料ガスを連続的に供給する。原料ガ
スはアーク放電により熱プラズマとなり、アノード11
2の先端の開口からプラズマジェット21となって噴出
する。プラズマジェット21は電界により外側に偏向さ
れ、プラズマジェット21の流路が径方向に拡がる。こ
のため、基板31の広範囲の部分にほぼ均等にプラズマ
ジェット21が衝突し、厚さの均一な大面積のダイヤモ
ンド層41が成長する。なお、気相成長中はチャンバ7
1内の残留ガスの排気が行われる。
【0020】次にダイヤモンド合成装置1による合成の
具体例について説明する。基板ホルダ85に40mm角
のモリブデン基板31を固定してチャンバ71の排気を
行い、プラズマトーチ11に水素(放電ガス)及びアル
ゴン(放電安定用ガス)をそれぞれ30リットル毎分
(L/min)の流量で供給するとともに、原料ガスと
してメタンを0.3L/minの流量で供給した。
【0021】気相成長中は、カソード111とアノード
112との間の電位差を140Vに保持した。また、電
極51と基板ホルダ85との間に300Vの電圧を印加
してプラズマジェット21を偏向した。
【0022】一定時間の合成で得られたダイヤモンド層
41について、走査型電子顕微鏡(SEM)で表面を観
察するとともに、断面観察により層の厚さの分布状態を
評価した。その結果、ダイヤモンド層41の結晶性は良
好であった。また、層の厚さは350±19.5μmで
あった。すなわち、中央部の厚さは369.5(=35
0+19.5)μmであり、端部の厚さは330.5
(=350−19.5)μmであった。
【0023】比較例として、実質的に電極51を使用せ
ず、その他については上述の例と同一の条件でダイヤモ
ンドを合成した。それにより得られた層の厚さは570
±77μmであった。
【0024】また、基板31に対する電極51の電位を
種々変更してダイヤモンドを合成し、厚さ分布を評価し
た。その結果を図4に示す。基板31と電極51との間
の電位差が大きいほど、すなわち電界が強いほど、プラ
ズマジェット21の拡がりが顕著である。
【0025】これらのことから明らかなように、電極5
1による電界の印加は、ダイヤモンド層41の厚さの均
一化に有効である。なお、プラズマジェット21の拡が
りにともなって成長速度が低下するが、それでも他の合
成方法よりは桁違いに成長が速い。
【0026】このように電界によりプラズマジェット2
1を偏向するダイヤモンド合成に際して、電極51の配
置位置は、プラズマジェット21の発生条件などに応じ
て最適化すればよい。
【0027】図5は電極位置による厚さの変化を示すグ
ラフである。電極51の電位は、電極位置に係わらず、
基板51に対して−300Vとした。図5の例では、電
極51とアノード112との距離が60mmのときに、
厚さの均一性が最良となっている。
【0028】図6は請求項3の発明の実施に係るダイヤ
モンド合成装置2の構成図である。ダイヤモンド合成装
置2は、減圧用のチャンバ72、プラズマトーチ12、
基板用マニプレータ82、水冷の基板ホルダ86、及び
偏向用の電磁石60などから構成されている。
【0029】プラズマトーチ12は、カソード121と
ノズル状の2つのアノード122,123からなる大出
力型トーチであり、下方にプラズマジェット22を噴出
するようにチャンバ71の上部に取付けられている。カ
ソード121及びアノード122,123は水冷構造の
タングステン電極であり、これらの間の間隙寸法は絶縁
体127,128によって規定されている。
【0030】カソード121と内側のアノード122
は、アーク放電用の電源91に接続される。また、カソ
ード121と外側のアノード123は、アーク放電用の
電源92に接続される。アノード123の開口の径は1
0mmである。なお、アノード123の先端部には、軸
方向の磁界を発生させて陽極点の回転を促すために、防
錆加工を施したNd−Fe−B系の永久磁石129が内
蔵されている。
【0031】基板用マニプレータ82は、チャンバ72
の下部にXYZ方向に移動可能に配置され、銅製の基板
ホルダ85の上面に取付けられた基板32とプラズマト
ーチ12との配置関係の調整に用いられる。
【0032】電磁石60は、アノード123の開口直下
の空間を水平面内の左右前後の4方から挟む形状のヨー
ク61と、水冷容器内に納められた励磁コイル62とを
有する4極型電磁石である。励磁コイル62は図示しな
い周波数可変型の2相交流電源に接続され、これにより
ヨーク61で挟まれたギャップ内に、ほぼ水平面に沿っ
て一定周期で回転する磁界を発生させることができる。
磁束密度は最大1000ガウスである。
【0033】このような電磁石60による磁界の作用を
高めるため、本実施例のダイヤモンド合成装置2では、
カソード121と基板ホルダ86とをバイアス電源93
に接続し、プラズマトーチ12と基板32との間で放電
を生じさせることができる。
【0034】なお、原料ガスは、放電ガスとともにポー
ト124,125からプラズマトーチ12に供給しても
よいし、チャンバ72のポート77から雰囲気ガスとし
て供給してもよい。さらに配管78を介してプラズマト
ーチ12の噴射口の近傍に供給することもできる。
【0035】以上の構成のダイヤモンド合成装置2にお
いては、メカニカルブースターポンプ及びロータリーポ
ンプからなる排気系を排気口76に接続してチャンバ7
2の内部を所定の減圧状態とし、プラズマトーチ12に
放電ガスを連続的に供給する。放電ガスはアーク放電に
より熱プラズマとなり、プラズマジェット22となって
噴出する。プラズマジェット22は回転磁界により水平
面内における中心から外側に向かう各方向に均等に偏向
される。このとき、バイアス電源93によって放電を生
じさせると、磁気作用を受ける電荷の密度が増大するこ
とから、偏向角度が増大する。このため、基板32の広
範囲の部分にほぼ均等にプラズマジェット22が衝突
し、厚さの均一な大面積のダイヤモンド層42が成長す
る。気相成長中はチャンバ72内の残留ガスの排気が行
われる。
【0036】次にダイヤモンド合成装置2による合成の
具体例について説明する。基板32として、直径200
mm、厚さ5mmのモリブデン板を用いた。基板32を
基板ホルダ86に固定し、チャンバ72内を0.01T
orr以下とした後、ガス供給源3からアルゴン(10
L/min)、水素(10L/min)、及び原料ガス
のメタン(0.6L/min)を供給した。
【0037】チャンバ72内の圧力を30Torrに保
った状態で、まず、カソード121とアノード122と
の間で電流が20Aのアーク放電を生じさせ、次にカソ
ード121とアノード123との間で100Aのアーク
放電を生じさせ、さらにカソード121と基板31との
間で放電を生じさせて20Aのバイアス電流を流した。
このとき、総消費電力は100kWであった。
【0038】続いて、電磁石60に周波数が100Hz
の2相交流を印加し、ピーク磁束密度が500ガウスの
磁界を発生させた。そして、基板32を徐々にプラズマ
トーチ12に近づけ、表面温度が1000℃になる位置
に配置し、1時間のダイヤモンド合成を行った。
【0039】以上の合成により得られたダイヤモンド層
42を走査電子顕微鏡(SEM)で観察し、X線回折及
びラマン分光により結晶性を評価するとともに、二次イ
オン質量分析計(SIMS)を用いて不純物濃度を分析
した。
【0040】図7は図6の装置によるダイヤモンド層4
2の厚さ分布を示すグラフである。図7においては、比
較のため、バイアス電流を流さず、その他については上
述の条件で合成したダイヤモンド層の厚さ分布を合わせ
て示してある。
【0041】バイアス電圧を印加しない場合は、直径が
80mm程度の範囲において厚さが均一である。これに
対して、バイアス電圧を印加した場合は、直径が150
mm程度の範囲において厚さが均一である。なお、厚さ
についてみると成長速度はバイアス電圧の印加により低
下するが、体積ついてみると成長速度はバイアス電圧の
印加により高まっている。
【0042】また、X線回折ではダイヤモンドのピーク
のみが検出され,ラマン分光でもダイヤモンドのピーク
のみが検出され,グラファイトや非晶質炭素は検出され
なかった。さらにSIMSよる分析では、電極材である
タングステンの濃度は1ppm以下であった。
【0043】図6の実施例によれば、アーク放電空間を
軸方向に延長し、プラズマジェットよりも電荷密度の高
いアーク放電に磁界を印加する場合に比べて、電磁石6
0のヨーク61の下方にアーク放電用電極(アノード)
を設ける必要がないので、プラズマトーチ12の構造が
簡単になる。
【0044】図3の実施例において、プラズマトーチ1
1を軸方向に移動可能とし、電極51を固定した状態で
トーチ11を移動させて、電極51とトーチ11との相
対位置関係を調整するようにしてもよい。また、電極5
1の配置位置はプラズマジェットの流路の外側(側方)
に限られず、例えば基板31の下方など用途に適した位
置に電極51を設けることができる。
【0045】図6の実施例において、バイアス電圧をア
ノード123と基板32との間に印加するようにしても
よい。ただし、上述のようにカソード121と基板32
との間に印加する方がプラズマジェット22の電荷密度
をより高めることができる。
【0046】なお、ガスの種類や流量などの合成条件
は、上述の例に限定されず、本発明の主旨に沿って適宜
選定することができる。また、合成装置1,2の構造、
各部の材質などは種々変更することができ、各種の電源
を合成装置1,2と一体化してもよいし、別装置として
設けてもよい。
【0047】また、上述の実施例においては、層の厚さ
を均一化するためにプラズマジェットを外側に偏向する
例を挙げたが、電界E又は磁界Hの印加形態を適当に変
更し、任意の厚さ分布を得るようにプラズマジェットを
偏向してもよい。
【0048】
【発明の効果】請求項1乃至請求項4の発明によれば、
ダイヤモンド層の厚さの制御が可能となる。それによ
り、厚さの均一な大面積のダイヤモンド層を得ることが
でき、ダイヤモンド合成の実用性を高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の原理図である。
【図2】請求項3の発明の原理図である。
【図3】請求項1の発明の実施に係るダイヤモンド合成
装置の構成図である。
【図4】図3の装置によるダイヤモンド層の厚さ分布を
示すグラフである。
【図5】電極位置による厚さの変化を示すグラフであ
る。
【図6】請求項3の発明の実施に係るダイヤモンド合成
装置の構成図である。
【図7】図6の装置によるダイヤモンド層の厚さ分布を
示すグラフである。
【符号の説明】
1,2 ダイヤモンド合成装置 10,11,12 プラズマトーチ 20,21,22 プラズマジェット 30,31,32 基板 40,41,42 ダイヤモンド層 50,51 電極 60 電磁石 71,72 チャンバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 明石 忍 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマトーチ(10)を用い、炭素を含
    むプラズマジェット(20)を基板(30)に衝突させ
    てダイヤモンド層(40)を成長させるダイヤモンド合
    成方法であって、 前記基板(30)に向かう前記プラズマジェット(2
    0)の流路の外部に電極(50)を配置し、前記プラズ
    マトーチ(10)と前記基板(30)の間に電界を発生
    させて前記プラズマジェット(20)を偏向することを
    特徴とするダイヤモンド合成方法。
  2. 【請求項2】チャンバ(71)とプラズマトーチ(1
    1)とを備え、前記チャンバ(71)内に配置された基
    板(31)に炭素を含むプラズマジェット(21)を衝
    突させて、ダイヤモンド層(41)を成長させるダイヤ
    モンド合成装置(1)であって、 前記基板(31)に向かう前記プラズマジェット(2
    1)の流路の外部に、前記プラズマジェット(21)を
    偏向する電界を発生させるための電極(51)を有する
    ことを特徴とするダイヤモンド合成装置。
  3. 【請求項3】プラズマトーチ(10)を用い、炭素を含
    むプラズマジェット(20)を基板(30)に衝突させ
    てダイヤモンド層(40)を成長させるダイヤモンド合
    成方法であって、 前記基板(30)に向かう前記プラズマジェット(2
    0)に対して、前記プラズマトーチ(10)の軸方向と
    交差する方向の磁界を印加するとともに、前記プラズマ
    トーチ(10)と前記基板(30)との間にバイアス電
    圧を印加して前記プラズマジェット(20)の流路内を
    流れる電流を発生させ、その電流に前記磁界を作用させ
    て前記プラズマジェット(20)を偏向することを特徴
    とするダイヤモンド合成方法。
  4. 【請求項4】チャンバ(72)とプラズマトーチ(1
    2)とを備え、前記チャンバ(72)内に配置された基
    板(32)に炭素を含むプラズマジェット(22)を衝
    突させて、ダイヤモンド層(42)を成長させるダイヤ
    モンド合成装置(2)であって、 前記基板(32)に向かう前記プラズマジェット(2
    2)に対して、前記プラズマトーチ(12)の軸方向と
    交差する方向の磁界を印加する電磁石(60)が設けら
    れ、 前記プラズマジェット(22)の流路内を電流が流れる
    ように、前記プラズマトーチ(12)と前記基板(3
    2)との間に電位差を生じさせるためのバイアス電圧の
    印加が可能に構成されてなることを特徴とするダイヤモ
    ンド合成装置。
JP8687194A 1994-04-25 1994-04-25 ダイヤモンド合成方法およびダイヤモンド合成装置 Withdrawn JPH07291794A (ja)

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