JPH07291330A - 振り出し容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 開封前は確実に蓋体の回動を防止できて振り
出し孔が開くのを防止でき、しかも、余分なコストもか
からすず、製造上の便利がある優れた振り出し容器を提
案する。 【構成】 頂壁５前部に振り出し孔６を穿設した容器体
２に対して、その頂壁５上面に回動可能或いは後方への
スライドが可能に係止させた蓋板２を設け、容器体上端
部外周に嵌合する係止筒３を蓋板２と一体に連設してい
る。上記係止筒３の働きで蓋板２を回動不能或いはスラ
イド不能に係止させている。また、この係止筒３は破断
部12を介して切り取り可能に構成している。そして、係
止筒３除去後、蓋体２を回動或いは後方へスライドさせ
ることにより、振り出し孔６が開孔して容器体内容物の
振り出しが可能に構成している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は振り出し容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種容器として、円筒状の周壁上端縁
より頂壁を延設するとともに、頂壁の偏心位置に振り出
し用の透孔を穿設した容器体と、該容器体の周壁外周上
端部に回動可能且つ上方への抜け出しが不能に周壁を嵌
合させ、該周壁上端縁より、上記容器体頂壁上面を摺動
可能に閉塞し且つ偏心位置に振り出し用の透孔を穿設し
た頂壁を延設してなる蓋体とからなるものがある。

【０００３】これ等は、非使用時は蓋体をその振り出し
孔が容器体の振り出し孔と一致しない位置に止めてお
き、使用の際蓋体を回動させて両振り出し孔を一致させ
て内容物を振り出す如く構成したものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記容器は蓋体を回動
させるだけで振り出しが可能となり、また、使用後は再
び蓋体を回動させれば振り出し孔が閉じるという極めて
簡単な操作で内容物の振り出し、或いは振り出し孔の閉
塞を行える便利なものである。

【０００５】しかしながら、蓋体が容器体に対して回動
するため、使用前に振り出し孔の開口が可能であり、そ
の点に不都合がある。そのため、消費者に渡る前には一
般に容器全体をシュリンク包装したり、或いは、蓋体と
容器体とを掛け渡して紙製等のシール材でシールしたり
することが行われているが、シュリンク包装はその設備
も必要でまたフィルム等のコストもかかり、一方紙製等
のシールでも改めて貼着等しなければならず、また、こ
れらは衝撃等により破損し易いという不都合もある。

【０００６】そこで、本発明は、開封前は確実に振り出
し孔が開くのを防止出来、しかも、余分なコストもかか
らず、製造上の便利があり、また、衝撃等により破断し
て開封することがなく、構造が簡単で、しかも簡単に開
封できる優れた振り出し容器を提案することを目的とす
るものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本請求項１発明は上記課
題を解決するため、楕円筒状胴部４上端縁より頂壁５を
延設するとともに、頂壁５前部に振り出し孔６を穿設し
てなる容器体１と、上記容器体頂壁５上面に摺動可能に
載置させるとともに、下面より垂設した係止突起９を容
器体頂壁５中央部に穿設した円形透孔10に抜け出し不能
且つ回動可能に嵌合させて装着した楕円板状の蓋板２と
からなり、上記蓋板周縁部下端に破断部12を介して上端
縁を連結して容器体胴部４外周上端部に嵌合させ、且
つ、破断部12を破断させることにより切り取り可能に構
成した係止筒３を蓋板２と一体に設けてなることを特徴
とする振り出し容器として構成した。

【０００８】また、請求項２発明は、上記容器体１の振
り出し孔６と回動重複が可能な蓋体後部位置に、容器体
の振り出し孔６より小さい振り出し孔14を穿設してなる
請求項１記載の振り出し容器として構成した。

【０００９】また、請求項３発明は、容器体頂壁５中央
部より後方へ案内長孔15を穿設し、上記蓋板下面中央よ
り垂設した係止突起9aを、上記案内長孔15に抜け出し不
能且つ前後動可能に嵌合させて後方へのスライドが可能
に蓋板２を装着してなる請求項１記載の振り出し容器と
して構成した。

【００１０】

【作用】係止筒３が容器体胴部４に嵌合した図１或いは
図５の状態では、蓋板２は回動も後方へのスライドもせ
ずに振り出し孔６が開孔することはない。この状態から
突片13を持って係止筒３を破断部12部分で破断して取り
外すと、蓋板２は回動可能或いは後方へのスライド可能
となり、その結果、容器体１の振り出し孔６が開孔する
位置まで蓋板２を回動或いはスライドさせれば内容物を
振り出すことが出来る。

【００１１】使用後は、蓋板２を回動或いはスライドさ
せれば元の振り出し孔閉塞状態となる。

【００１２】また、図１〜図４に示す実施例では、蓋板
２を約180 °回動させれば、蓋板２の小さい振り出し孔
14が容器体１の大きい振り出し孔６に重複して小量の振
り出しを行える。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。

【００１４】本発明容器は図１乃至図４に示す如く、容
器体１と、蓋板２と、該蓋板２に一体に設けた回り止め
用の係止筒３とから構成している。

【００１５】容器体１は合成樹脂等により形成されたも
ので、楕円筒状胴部４上端縁より水平な頂壁５を延設
し、該頂壁５の前部に振り出し孔６を穿設している。ま
た、本実施例では胴部４の底壁を、別体に構成した底蓋
７を嵌着固定することにより構成している。

【００１６】蓋板２は、容器体頂壁５上面に摺動可能に
載置させた楕円板状をなし、下面中央部からは、外周下
部に突条８を周設した円筒状の係止突起９を垂設し、該
突起９を容器体頂壁５中央部に穿設した円形透孔10に上
方から強制的に挿通させて、その突条８を上記透孔10周
縁部の容器体頂壁５裏面に係合させ、抜け出し不能且つ
回動可能に容器体１に装着させている。本実施例では、
蓋板２周縁部を山形に立設した突条部11に形成して蓋板
２の回動をより行い易く構成するとともに、その外面に
は滑り止め用のローレット加工を施している。この突条
部11を設けることにより、開封後蓋板２の度重なる開閉
を行っても、良好な容器体１内の気密性を長期にわたっ
て維持できる。即ち、該突条部11の内側は内方へ下る傾
斜壁となっているため、弾性を付与することが出来、蓋
板２下面を容器体頂壁５上面に圧接させることができる
からである。

【００１７】係止筒３は蓋板２とともに合成樹脂の一体
成形により形成されたもので、蓋板２周縁下端部に薄肉
の破断部12を介して上端内縁部を一体に連結した楕円筒
状をなし、上記容器体胴部４外周上端部に上方より嵌合
させている。

【００１８】また、係止筒３の下端縁一部より下方へ突
片13を突設し、この突片13の基端部一側より係止筒３を
斜めに縦断して上記破断部12に至る薄肉の補助破断部12
a を形成し、この突片13を掴んで側方に引くことによ
り、容易に係止筒３を切断除去できる如く構成してい
る。

【００１９】尚、係止筒３の切断除去が可能な構成とし
て、図示しないが、単に係止筒３を縦断する薄肉の補助
破断部を設けたものであっても良く、或いは係止筒３の
一部に離間部を形成し、該離間部一側縁より外方へ突出
した後容器体胴部４外面に沿って離間部他端部に延びる
指掛け突起を突設しても良い。

【００２０】また、本実施例では、上記蓋板２の後部
に、容器体頂壁５に穿設した振り出し孔６より小さい振
り出し孔６を穿設している。そして、係止筒３を切断除
去した後、所定角度（本実施例では約９０°程度）蓋板
２を回動させれば、容器体１の振り出し孔６が開孔して
容器体１の内容物が振り出し可能に構成している。一
方、蓋板２を約１８０°回動させると、容器体１の振り
出し孔６に蓋板２の振り出し孔６が重複し、この際、蓋
板２の振り出し孔６が小さく構成されているため、振り
出し量を小量に規制することが出来る如く構成してい
る。

【００２１】上記の如く構成した容器に内容物を充填す
る場合は、例えば、蓋板２及び係止筒３を嵌着固定した
容器体１の底蓋７を外した状態で内容物を充填する。

【００２２】図５乃至図７は本発明の他の実施例を示す
もので、本実施例では、蓋板２を容器体１に対して後方
へスライド可能に構成するとともに、蓋板２には小さい
振り出し孔を穿設していない以外は前記実施例と同様に
構成されている。

【００２３】本実施例では、容器体頂壁５中央部から後
部に至る案内長孔15を穿設し、蓋板２裏面中央部から、
外周下端に突条8aを周設した楕円筒状の係止突起9aを突
設して、この突起9aを上記案内長孔15に前後動可能且つ
抜け出し不能に嵌合させている。

【００２４】

【発明の効果】以上説明した如く本発明容器は、係止筒
の働きで開封前には確実に蓋の回動或いはスライドを防
止出来て、振り出し孔の開口を防止でき、しかも蓋体と
係止筒は一体に形成されているため従来品のようにシュ
リンク包装や帯状シール等の余分なコストもかからず、
製造上の便利を伴う。

【００２５】また、紙等のシール材と違って衝撃等によ
り破断部が破損してしまう虞れはなく、しかも破断部を
破断して係止筒を除去することにより容易に開封するこ
とが出来る等の利点を兼ね備えている。

【００２６】また、蓋板を回動可能に装着し、且つ蓋板
に小さい振り出し孔を設けたものは、容器体の大きな振
り出し孔での振り出しと、小さい振り出し孔での振り出
しとを選択でき、二種類の量の相違する振り出しを行え
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例を示す要部縦断面図であ
る。

【図２】 同実施例の側面図である。

【図３】 同実施例の係止筒を取り除いた状態の側面図
である。

【図４】 同実施例の振り出し孔開孔状態の平面図であ
る。

【図５】 本発明の他の実施例を示す要部縦断面図であ
る。

【図６】 同実施例の振り出し孔開孔状態の要部側面図
である。

【図７】 同実施例の振り出し孔開孔状態の平面図であ
る。

【符号の説明】

１…容器体，２…蓋板，３…係止筒，４…容器体胴部，
５…容器体頂壁，６…振り出し孔，９，9a…係止突起，
10…円形透孔，12…破断部，14…振り出し孔，15…案内
長孔

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 楕円筒状胴部４上端縁より頂壁５を延設
   するとともに、頂壁５前部に振り出し孔６を穿設してな
   る容器体１と、上記容器体頂壁５上面に摺動可能に載置
   させるとともに、下面より垂設した係止突起９を容器体
   頂壁５中央部に穿設した円形透孔10に抜け出し不能且つ
   回動可能に嵌合させて装着した楕円板状の蓋板２とから
   なり、上記蓋板周縁部下端に破断部12を介して上端縁を
   連結して容器体胴部４外周上端部に嵌合させ、且つ、破
   断部12を破断させることにより切り取り可能に構成した
   係止筒３を蓋板２と一体に設けてなることを特徴とする
   振り出し容器。
2. 【請求項２】 上記容器体１の振り出し孔６と回動重複
   が可能な蓋体後部位置に、容器体の振り出し孔６より小
   さい振り出し孔14を穿設してなる請求項１記載の振り出
   し容器。
3. 【請求項３】 容器体頂壁５中央部より後方へ案内長孔
   15を穿設し、上記蓋板下面中央より垂設した係止突起9a
   を、上記案内長孔15に抜け出し不能且つ前後動可能に嵌
   合させて後方へのスライドが可能に蓋板２を装着してな
   る請求項１記載の振り出し容器。