JP2530109Y2 - 注出キャップ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は注出キャップに関する。

「従来の技術及び考案が解決しようとする課題」 注出キャップとして、周壁上端縁より頂壁を延設する
とともに、該頂壁に注出口を穿設してなるキャップ本体
と、該本体後部にその後部を回動可能に連結して注出口
上面を開閉自在に被覆する蓋体とからなるものが知られ
ている。これ等注出キャップは容器体口頚部に嵌着させ
て使用するが、内容物の未使用を表現する為に、注出キ
ャップを被覆して、或いは注出キャップを含む容器全体
を被覆して合成樹脂フィルム等によりシュリンクパック
することが一般に行われている。しかしながら、シュリ
ンクパックは原料コストも嵩み、又、その為の設備も必
要である。

本考案は、この様な特殊包装をしなくても内容物の未
使用を表現でき、しかも一旦開封後は、それが開封済み
であることが判る注出キャップを提供することを目的と
するものである。

「課題を解決する為の手段」 周壁４上端縁より延設した頂壁中央に注出口を設けて
なるキャップ本体２と、該本体２後部上端に後部下端を
回動可能に連結してキャップ本体２上面を開閉自在に設
けた蓋体３とからなる注出キャップにおいて、上記キャ
ップ本体２の前部上端に所定間隔をもって突設した一対
の破断可能な棒状連結片６を介してキャップ本体前部に
位置する横断面円弧状をなす板状シール部材５の両端面
上部を連結し、該シール部材５の下端をキャップ本体２
下端位置まで垂下させるとともに、シール部材５の裏面
上部中央より後方へ係止突起７を突設し、上記蓋体３の
前部下端より前方へ突設した係合突起８を上記係止突起
７上方より押圧して、脱離不能に乗り越え嵌合させるこ
とにより、蓋体３をキャップ本体２にシールしてなるこ
と。

「作用」 使用に際しては、キャップ本体２の周壁４を容器体口
頸部（図示せず）外周に嵌合させて使用する。又、開封
に際しては、第１図の状態からシール部材５下端を上方
へ引き上げれば各連結片６が切断されてシール部材５が
切り取られ、開蓋が可能となる。この際、シール部材５
の下端は、キャップ本体の下端位置まで垂下させている
ので、連結片６を破断する際に小さな力でシール部材５
の切り取りを容易に行える。また、シール部材５が外力
により各連結片６の部分を中心として回動することによ
り蓋体の係止が解除されることを防止している。即ち、
シール部材５が回動しようにも、その下端がキャップ本
体２の周壁４により下方への回動を阻止されるため、係
合が外れる虞はない。

「実施例」 以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。

第１図〜第４図は本考案の一実施例を示し、図中１は
注出キャップを示す。該キャップ１は、キャップ本体２
と、該本体２後部上端に後部下端を回動可能に連結して
キャップ本体２上面を開閉可能に設けてなる蓋体３とを
合成樹脂の一体成型により形成して構成している。

キャップ本体２は、円筒状の周壁４上端縁より延設し
た頂壁中央に注出口を設けてなる公知構成をなしてい
る。又、その前部上端にはシール部材５を一体に突設し
ている。このシール部材５は、横断面形状が円弧状をな
す板状で、キャップ本体２の前部上端に所定間隔をもっ
て突設した一対の破断可能な棒状連結片６を介して、そ
の両端面上部を連結しており、その下端をキャップ本体
２の下端位置まで垂下させている。又、シール部材５の
裏面上端中央より後方へ、係止突起７を突設している。

又、蓋体３前部下端より前方に係合突起８を突設して
いる。該突起８は、上記シール部材５の内側へ上方より
挿入可能な大きさを有している。

上記の如く構成した蓋体３を閉じた際、蓋体３の係合
突起８を、シール部材５の係止突起７を乗り越えて脱離
不能に嵌合させることにより、蓋体３をキャップ本体２
にシールしている。

「考案の効果」 以上説明した如く本考案注出キャップは、既述構成と
したことにより、シール部材を切断除去しない限り蓋体
は開かず、シュリンクパックの様な特殊包装をしなくて
も容器の未使用を表現でき、良好なバージンシール性を
発揮できるものである。又、シール部は容易に切り取る
ことが出来、又、切り取ることによって容器が開封済み
であることが一目瞭然であり、使用済み或いは使用中で
あることも明瞭に表現できる利点がある。

又、シール部材の下端がキャップ本体下端位置まで垂
下させているため、シール部材の切り取りが容易である
とともに、係合が外れてしまう不具合を生じることはな
い。又、シール部材は開封の際には円弧状に膨らんだ下
端中央の突出部分に容易に指を掛けることができ、しか
も下端縁から棒状連結片まではできるだけ大きな距離と
しているため、梃の原理で小さな力で容易に連結片を破
断することができ、容易な開封が可能となる。また、シ
ール部材下端縁に指を掛けることが可能であるため、シ
ール部材をキャップ本体より上方へ突出させないで済
み、外力によりシール部材を介して連結片が不用意に破
断するという虞を極力なくしている。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は本考案注出キャ
ップの一実施例を示す要部縦断面図、第２図は平面図、
第３図は正面図である。 ２……キャップ本体、３……蓋体、５……シール部材

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】周壁４上端縁より延設した頂壁中央に注出
   口を設けてなるキャップ本体２と、該本体２後部上端に
   後部下端を回動可能に連結してキャップ本体２上面を開
   閉自在に設けた蓋体３とからなる注出キャップにおい
   て、上記キャップ本体２の前部上端に所定間隔をもって
   突設した一対の破断可能な棒状連結片６を介してキャッ
   プ本体前部に位置する横断面円弧状をなす板状シール部
   材５の両端面上部を連結し、該シール部材５の下端をキ
   ャップ本体２下端位置まで垂下させるとともに、シール
   部材５の裏面上部中央より後方へ係止突起７を突設し、
   上記蓋体３の前部下端より前方へ突設した係合突起８を
   上記係止突起７上方より押圧して、脱離不能に乗り越え
   嵌合させることにより、蓋体３をキャップ本体２にシー
   ルしてなることを特徴とする注出キャップ。