JPH07290813A - 電着転写用原版およびその製造方法 - Google Patents

電着転写用原版およびその製造方法

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JPH07290813A
JPH07290813A JP6110155A JP11015594A JPH07290813A JP H07290813 A JPH07290813 A JP H07290813A JP 6110155 A JP6110155 A JP 6110155A JP 11015594 A JP11015594 A JP 11015594A JP H07290813 A JPH07290813 A JP H07290813A
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Shinichi Kobayashi
信一 小林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 線幅が微細であるとともに、膜厚も適度な微
細パターンを高い精度で効率よく形成することができ高
い耐久性を備えた電着転写用原版およびその製造方法を
提供する。 【構成】 少なくとも表面が導電性の基板に凹部を形成
し、該凹部内絶縁性物質からなる絶縁パターンをその表
面が基板表面より低くなるよう設けることにより、基板
と絶縁パターンとの密着力を高め、且つ被転写体からの
絶縁パターンの離型性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電着転写用原版およびそ
の製造方法に係り、特に半導体プロセス等の微細加工工
程において被転写体に高い精度で効率よく微細パターン
を形成することができる、耐久性に優れた電着転写用原
版およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷配線や回路パターンの形成あ
るいは金属板のエッチング用レジストパターンの形成な
どにおいては、スクリーン印刷法やオフセット印刷法等
の印刷手段が広く採用されている。しかし、これら印刷
法によって形成されるパターンは画線幅が50μm程度
のものが限度であり、画線幅がそれ以下の微細パターン
を形成することは困難である。
【0003】他方、高精細なパターンを形成する方法と
してはフォトリソグラフィー法が主流であり、特にEB
描画、i線描画等においては画線幅1μm以下の細線加
工が可能となっており、この高精細化の方向は今後さら
に進むものと予想される。しかし、これは8インチサイ
ズ程度の基板に加工する場合のことであって、大面積の
基板、例えばプリント配線板等における微細パターン形
成は、最小画線幅20μm程度が限度である。
【0004】画線幅10〜100μm程度の微細パター
ン形成については、フォトリソグラフィー法と印刷法の
両者が用いられている。しかし、フォトリソグラフィー
法では、上記画線幅の微細パターンの形成自体は容易で
あるが、被転写体の大型化に伴って大型露光装置を含む
専用装置が必要となり、装置に要する費用が莫大なもの
となり、製作コストが高くなるという問題がある。一
方、印刷法では、上記画線幅の微細パターンは形成し得
る限界領域のものであるため、近年、印刷法の高精度化
によってより微細なパターン形成へのアプローチが盛ん
である。特に、電着法によって版上に微細パターンを形
成し、これを被転写体へ転写して高精細な印刷パターン
を得ようとする試みがあり、有効な手段とされている。
【0005】かかる方式に用いられる電着転写用原版
は、例えば図3に示されるように、導電面を有する基板
41(図3(a))の面上に微細な絶縁パターン42が
形成された構造をなす(図3(b))。そして、この基
板41の導電面裸出部分(絶縁パターン非形成部分)4
3上に電着物質を析出させて電着インキ層44を形成し
(図3(c))、粘着性接着材層45を介して被転写体
46に電着インキ層44を転写させる(図3(d))こ
とによって被転写体46上に微細パターンを形成する
(図3(e))。
【0006】このような転写原理および版構造上、転写
時、粘着性接着材層45による電着インキ層44引き抜
きのため、絶縁パターン42の表面が粘着性接着材層4
5からの接触剥離力を受け、絶縁パターン42のエッジ
部の欠けや表面部の剥離、さらには基板からの剥離等、
種々のダメージを引き起こしやすい。転写用原版の耐久
性は絶縁パターン42と基板41との密着力ならびに粘
着性接着材層45との剥離力のバランスにより決定さ
れ、絶縁パターン42と基板41との密着力が高いほ
ど、また絶縁パターン42と粘着性接着材層45との密
着性が低いほど版の耐久性が向上する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電着転写用原版においては、絶縁パターンとしてPV
A、ポリイミド、イソプレンゴム、ブタジエンゴム等の
有機物に感光現像性を持たせたもの、あるいはSiO
2 、SiN等の無機系絶縁パターンをエッチング法によ
りパターン化したもの等が用いられており、これらは粘
着性接着材層との密着力が高いため、絶縁パターンが基
板から剥離しやすい。絶縁パターンにアンカー剤を混入
する等の処理によって基板との密着性を高めようとして
も、パターン樹脂層の中間部から構造破壊を起こしやす
く、特に無機系絶縁パターンにおいてはクラックなどを
起こしやすいという問題がある。
【0008】また従来例では、絶縁パターンが平滑な基
板導電面上に設けられているため、絶縁パターンがその
底面以外では基板と接触しないことからそれだけ基板と
の密着力が低く、また、アンカー効果などによる基板と
の密着力の向上を図ることができない。さらに転写時、
電着インキ層のみならず絶縁パターンの表面も被転写体
の粘着性接着材層と接触してしまうことから、絶縁パタ
ーンが接触剥離力を受けて損傷しやすい等の問題があ
る。
【0009】以上のようなことから、転写時、絶縁パタ
ーンが電着インキ層引き抜きによる粘着性接着材層から
の接触剥離力を受け、変形や損傷を起こしやすい。この
接触剥離力を低減するために、例えば絶縁パターンを高
離型性材料で形成することが考えられるが、高離型性材
料は導電面との離型効果もあるため、基板導電面との密
着性を高め且つ粘着性接着材層との高離型性をもたせる
ことの両立は困難である。
【0010】このような状況から、基板導電面との密着
力が強くしかも粘着性接着材層との接着性が弱い絶縁パ
ターンを有する繰り返し転写に耐え得る電着転写用原版
が要望されていた。
【0011】本発明は上述のような事情に鑑みてなされ
たものであり、線幅が精細な微細パターンを高い精度で
効率よく形成することができる、高い耐久性を備えた電
着転写用原版を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、少なくとも表面が導電性の基板と、該基板
に形成された凹部に設けた絶縁性物質からなる絶縁パタ
ーンとを備えるとともに、該絶縁パターン表面が基板表
面よりも低くなるよう形成されるような構成とした。
【0013】また本発明は、少なくとも表面が導電性の
基板に所定パターンの凹部を形成し、該凹部に絶縁絶縁
性物質を電着させ、その後前記マスキング層を除去する
ような構成とした。
【0014】
【作用】導電性基板に設けた凹部内に全面離型性の樹脂
が電着析出されて絶縁パターンが形成されるので、従来
のような平滑な基板導電面上に絶縁パターンを設けるの
に比べて絶縁パターンと導電性基板との接触面積が多く
なりそれだけ密着性が向上される一方、絶縁パターンと
粘着性接着材層との密着性が低減化される。また、絶縁
パターン表面が基板表面よりも低く形成されることか
ら、転写時にこの絶縁パターンが被転写体の粘着性接着
材層に接触することがなく、接触剥離力の影響を受ける
ことがない。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について図1乃至図2
を参照して説明する。
【0016】図1は本発明に係る凸版タイプ電着転写用
原版の概略構成図である。図1において、電着転写用原
版1は少なくとも表面が導電性を示す基板2と、該基板
に形成された凹部7と、この凹部7内に設けられた絶縁
性物質からなる絶縁パターン9とを備えている。絶縁パ
ターン9はその表面が基板2の表面より所定の高さだけ
低くなるよう形成されている。そして隣り合う絶縁パタ
ーン9により囲まれた基板の導電面裸出部10が電着イ
ンキ層形成部をなし、この導電面裸出部10上に電着物
が析出され、後述するように電着インキ層が形成され
る。
【0017】図2は、図1に示す凸版タイプ電着転写用
原版の製造方法の一例を示す説明図である。図2におい
て、まず公知の方法によって導電性基板2上にフォトレ
ジスト層を形成し、所定パターンのフォトマスクを介し
て該フォトレジスト層に紫外線を照射後、露光・除去
(現像)して所定パターンのマスキング層5を形成する
(図2(a))。次に、このマスキング層5をエッチン
グ用マスクとして導電性基板2のマスキング層非形成部
分6をエッチングしてマスクパターンに忠実な凹部7を
形成する(図2(b))。
【0018】次に、このように形成された凹部7内に絶
縁性物質を電着させることによって絶縁パターン9を形
成する(図2(c))。絶縁パターン9の表面はマスキ
ング層5の表面より低くなるよう形成される。その後、
このマスキング層5を除去して基板2の導電面を裸出し
て電着インキ層形成部10とし、絶縁性物質からなる絶
縁パターン9を備えた凸版タイプの電着転写用原版1を
得る(図2(d))。
【0019】そして、この電着転写用原版1の電着イン
キ層形成部10に電着インキ層11を形成(図2
(e))した後、粘着性接着材層12を備えた被転写体
13と電着インキ層11とを密着させ(図2(f))、
電着インキ層11を被転写体13上に転写して微細パタ
ーンを形成する(図2(g))。このように微細パター
ンが形成された被転写体13は、公知のエッチング等の
処理により加工される。
【0020】ここで、絶縁パターン9は凹部7内に形成
されているため、その全側面および底面が基板2との接
触面となることから、従来の基板面上に絶縁パターンを
形成する例に比べて基板との接触面積がそれだけ多くな
り、基板との密着性が高められる。また、絶縁パターン
9の表面が基板2よりも低くなるよう形成されているた
め、転写時に粘着性接着材層12と電着インキ層11の
みが加圧密着され、絶縁パターン9は粘着性接着材層1
2と接触することがない。したがって、絶縁パターン9
は粘着性接着材層12による接触剥離力を受けず、変形
や損傷を防止することができる。さらに、電着インキ層
11は、マスキング層5除去跡の導電面裸出部10上に
形成されることから、最終電着パターンの面積は初期エ
ッチングレジストパターンであるマスキング層5のパタ
ーンと同一面積となり、マスキング層5を印刷微細パタ
ーンにて形成しておけば、このパターン通りに電着イン
キ層11を形成することができるので、寸法調整の必要
のない高い寸法精度で微細パターンを得ることができ
る。
【0021】本発明において、基板2としては、少なく
とも表面が導電性を有するものであればよく、チタン、
アルミニウム、銅、ステンレス等の導電性の金属板、あ
るいはガラス板、ポリエチレン、アクリル等の樹脂フィ
ルム等の絶縁性基板の表面に導電性薄膜を形成したもの
を使用することができるが、特にはチタンが好適に用い
られる。このような基板2の厚さは0.05〜1.0m
m程度が好ましい。また、原版としての耐刷性を高める
ために、基板2の表面に、クロム(Cr)、セラミック
カニゼン(Kanigen社製 Ni+P+SiC)等
の薄膜を形成してもよい。この薄膜の厚さは0.1〜
1.0μm程度が好ましい。
【0022】凹部7の形成は、上記図1〜2で示した実
施例ではフォトレジスト(マスキング層5)を用いたエ
ッチングにより形成したが、これに限らず、サンドブラ
スト、機械切削等の手段により形成することができる。
フォトレジストを用いたエッチングの方法の場合におい
ては、マスキング層5は、例えばイオンプレーティング
法、真空蒸着法、スパッタリング法、化学的気相蒸着法
(CVD法)等の各種の薄膜形成法により、基板2上に
シリカ(SiO2 )薄膜、チッ化シリコン(SiNx
薄膜、96%アルミナ薄膜、ベリリヤ薄膜、フォルステ
ライト薄膜等の電気絶縁性の高い薄膜を形成し、次に、
この薄膜上にフォトレジストを塗布してから所定形状の
マスクを介して露光・現像することによりエッチング形
成することができる。このマスキング層5の形成に使用
するフォトレジストとしては、ゼラチン、カゼイン、ポ
リビニルアルコール等に重クロム酸塩等の感光剤を添加
したものを挙げることができる。このように形成される
マスキング層5の厚さは0.5〜10.0μm程度が好
ましい。なおエッチングの方法は、ディップ、スプレー
等のウエットエッチングや、ドライエッチング等の公知
の慣用手段で行うことができるが、例えば基板がSUS
板の場合は塩化第二鉄液に接触(浸漬など)させること
によって、基板がTi板の場合にはHF−H22 −H
2 O液に接触させること等によって、好適に行われる。
他方、サンドブラスト法による凹部形成の場合は、基板
2に例えばAl23 粉末を吹き付けること等によって
凹部7を形成する。機械切削による凹部形成の場合は、
基板2に例えばドリル加工、レーザー加工等を行うこと
によって凹部7を形成する。
【0023】なお、このようにして凹部7を形成した
後、さらにこの凹部7の表面を粗面化処理することによ
り、凹部7内に形成される絶縁パターン9の基板2への
密着性をより向上させることができる。粗面化処理は、
例えばTi基板の場合、HF−NH4 液、HF液等に数
十秒間程度浸漬させることによって行うことができる
が、これに限定されるものではない。
【0024】絶縁パターン9は、絶縁性物質からなる電
着材料である。絶縁パターンの電着材料は、一般に有機
材料(高分子材料)からなり、その原形は電着塗装法と
してよく知られている。電着塗装では、電気化学的な主
電極との反応によりカチオン電着とアニオン電着とがあ
る。これは、電着材料がカチオンとして存在するか、ア
ニオンとして挙動するかで分類される。電着に用いられ
る有機高分子物質としては、天然油脂系、合成油脂系、
アルキッド樹脂系、ポリエステル樹脂系、アクリル樹脂
系、エポキシ樹脂系、ポリイミド樹脂系等の種々の有機
高分子物質が挙げられる。アニオン型では、古くからマ
レイン化油やポリブタジエン系樹脂が知られており、電
着物質の硬化は酸化重合反応による。カチオン型はエポ
キシ樹脂系が多く、単独あるいは変性されて使用でき
る。その他に、メラミン樹脂系、アクリル樹脂系等のい
わゆるポリアミノ系樹脂が多く用いられ、熱硬化や光硬
化等により強固な絶縁パターン層を形成できる。
【0025】特に離型性を良好にするために、上記樹脂
にフッ素を導入したものやフッ素系ポリマー粒子を分散
させたもの等が好適に用いられる。これらフッ素系樹脂
としては、四フッ化エチレン分散型電着樹脂やアクリル
主鎖あるいは側鎖へのフッ素結合型電着樹脂などが特に
好適に用いられ、四フッ化エチレン分散型電着樹脂とし
てはフッ素アクリル樹脂(PAFC)等が例示的に挙げ
られ、アクリル主鎖へのフッ素結合型電着樹脂としては
主鎖にフッ素を含むフルオロオレフィン−ビニルエーテ
ル共重合体等が例示的に挙げられる。また、塗膜の強度
を高めるために、熱硬化性メラミン樹脂を共析させ、熱
処理を行うとよい。
【0026】このように絶縁パターンに上記絶縁性物質
を用いることにより、絶縁パターンが粘着性接着材層か
らの離型性が良好となり、転写時の接触剥離力の影響を
低減することができる。
【0027】本発明においては、この絶縁パターン9
は、その表面が基板2の面よりも低くなるよう形成され
る。これは、凹部7内への絶縁性物質の電着析出におい
て、電着析出された絶縁性物質の縁辺部が凹部側面壁の
上端に到達する程度に析出が進行した時点で電着を止め
ることにより、略中央部が凹状をなしその表面が基板面
よりも低い絶縁パターン9を形成することができる。こ
のように絶縁パターン9の表面を基板2よりも低く形成
することにより、転写時、絶縁パターンと被転写体の粘
着性接着材層との接触がまったくなく、接触剥離等の影
響を受けず変形や損傷のおそれがない。なお、本発明に
おいては、絶縁パターン9表面は基板2よりも1μm程
度低く形成されるのが好ましい。
【0028】次に、実験例を示して本発明を更に詳細に
説明する。
【0029】(実験例1)チタン(Ti)製の基板(厚
さ0.4mm)の表面にスピンコート法(回転数150
0rpm、40sec)によりフォトレジスト(東京応
化(株)製;OFPR800)を塗布し、最小線幅5μ
mの所定形状のマスクを用いて露光処理、現像処理を行
って所定パターンを有するマスキング層(膜厚1.0μ
m)を形成した。これをHF(2.5wt%)−H2
2 (15wt%)−H2 O(残部)液中でTi基板の露
出部をエッチング(2min、エッチング深さ2μm)
し、凹部を形成した。その後、電着物質の基板密着性を
より向上させることを目的にHF−NH4 液中で凹部表
面を粗面化した(30sec)。
【0030】次に、上記マスキング層を電着用マスクと
して、上記凹部内に四フッ化エチレン分散型電着樹脂
((株)シミズ製;エレコートナイスロン)を25mA
/dm2 にて下地電着後、20V定電圧で約60秒間の
電着を行うことによって、図1に示したように略中央部
が凹状をなししかもその表面がTi基板面よりも低くな
るよう電着膜を析出させ、絶縁パターンを形成した。
【0031】次いで、本基板を循環オーブンにて110
℃、30分間焼き付けを行った後、マスキング層のみを
常温、30secアセトン浸漬にて溶解除去し、電着樹
脂層(絶縁性物質)のみ180℃×30minでクリー
ンオーブンにて焼き付けを行い、凸版構造の電着転写用
原版を作製した。
【0032】このようにして作製した電着転写用原版の
基板の導電面裸出部に下記のメッキ条件にしたがってピ
ロリン酸系Cuメッキ液にて銅メッキを行い、金属銅パ
ターン(厚さ約1.5μm)を形成した。メッキ条件 ・メッキ浴組成: Cu227 ・3H2 O 94g/l K427 340g/l P比 7.0 ・pH : 8.8 ・液 温 : 55℃ ・電流密度 : 5A/dm2 ・時間 : 1.5min その後、被転写体としてアクリル系粘着性接着剤(日本
カーバイド工業(株)(製);PE−118)をガラス
基板(100mm×100mm×1.1mm)上にスピ
ンコート法(回転数3000rpm、30sec)で塗
布したものを用い、これを電着転写用原版に密着後、版
表面を裏面から加圧ロールを速度50cm/分にて転動
させて圧着後、銅電着インキ層を版から剥離して被転写
体に転写した。このようにして転写して形成された銅メ
ッキ層からなる微細パターンの解像度は5μmであっ
た。この時、従来方式でみられたような原版の絶縁パタ
ーンの破壊はまったく観察されなかった。
【0033】その後、さらに上記の電着転写用原版を用
いて同様の微細パターン形成を100回繰り返し行った
が、100回の連続転写に対しても絶縁パターンの変形
は全く観察されず、また、解像度を測定したところ1回
目の転写微細パターンと同じであり、本発明の電着転写
用原版が優れた耐久性をもち、高精度の微細パターン形
成が可能であることが確認された。
【0034】(実験例2)Ti製の基板(厚さ0.4m
m)の表面にスピンコート法(回転数1500rpm、
40sec)によりフォトレジスト(東京応化(株)
製;OFPR800)を塗布し、最小線幅5μmの所定
形状のマスクを用いて露光処理、現像処理を行って所定
パターンを有するマスキング層(膜厚1.0μm)を形
成した。これをHF(2.5wt%)−H22 (15
wt%)−H2 O(残部)液中でTi基板の露出部をエ
ッチング(2min、エッチング深さ2μm)し、凹部
を形成した。その後、電着物質の基板密着性をより向上
させることを目的にHF−NH4 F液中で凹部表面を粗
面化した(30sec)。
【0035】次に、上記マスキング層を電着用マスクと
して、上記凹部内にエポキシ型電着樹脂((株)シミズ
製;エレコートCM)を70V定電圧で約10秒間の電
着を行うことによって、図1に示したように略中央部が
凹状をなししかもその表面がTi基板面よりも低くなる
よう電着膜を析出させ、絶縁パターンを形成した。その
表面がTi基板より約0.5μm低くなるよう電着膜を
析出させて電着パターンを形成した。
【0036】次いで、本基板を循環オーブンにて110
℃、30分間焼き付けを行った後、マスキング層のみを
常温、30secアセトン浸漬にて溶解除去し、電着樹
脂層(絶縁性物質)のみ180℃×30minでクリー
ンオーブンにて焼き付けを行い、凸版構造の電着転写用
原版を作製した。
【0037】このようにして作製した電着転写用原版の
基板の導電面裸出部に上記実験例1で用いたメッキ条件
にしたがってピロリン酸系Cuメッキ液にて銅メッキを
行い、金属銅パターン(厚さ約1.5μm)を形成し
た。
【0038】その後、被転写体としてアクリル系粘着性
接着剤(日本カーバイド工業(株)(製);PE−11
8)をガラス基板(100mm×100mm×1.1m
m)上にスピンコート法(回転数3000rpm、30
sec)で塗布したものを用い、これを電着転写用原版
に密着後、版表面を裏面から加圧ロールを速度50cm
/分にて転動させて圧着後、銅電着インキ層を版から剥
離して被転写体に転写した。このようにして転写して形
成された銅メッキ層からなる微細パターンの解像度は5
μmであった。この時、従来方式でみられたような原版
の絶縁パターンの破壊はまったく観察されなかった。
【0039】その後、さらに上記の電着転写用原版を用
いて同様の微細パターン形成を100回繰り返し行った
が、100回の連続転写に対しても絶縁パターンのダメ
ージは全く観察されず、また、解像度を測定したところ
1回目の転写微細パターンと同じであり、本発明の電着
転写用原版が優れた耐久性をもち、高精度の微細パター
ン形成が可能であることが確認された。
【0040】(実験例3)Ti製の基板(厚さ0.4m
m)の表面にスピンコート法(回転数1500rpm、
40sec)によりフォトレジスト(東京応化(株)
製;OFPR800)を塗布し、最小線幅5μmの所定
形状のマスクを用いて露光処理、現像処理を行って所定
パターンを有するマスキング層(膜厚1.0μm)を形
成した。これをHF(2.5wt%)−H22 (15
wt%)−H2 O(残部)液中でTi基板の露出部をエ
ッチング(2min、エッチング深さ2μm)し、凹部
を形成した。その後、電着物質の基板密着性をより向上
させることを目的にHF−NH4 F液中で凹部表面を粗
面化した(30sec)。
【0041】次に、上記マスキング層を電着用マスクと
して、上記凹部内にポリアミック酸の薄膜を50V定電
圧で約10秒間の電着を行うことによって、図1に示し
たように略中央部が凹状をなししかもその表面がTi基
板面よりも低くなるよう電着膜を析出させ、絶縁パター
ンを形成した。
【0042】次いで、本基板を循環オーブンにて110
℃、30分間焼き付けを行った後、マスキング層のみを
常温、30secアセトン浸漬にて溶解除去し、続いて
基板をポリジン、無水酢酸、ベンゼンを体積比1:1:
3の割合で混合した溶液中に室温で12時間浸漬して、
ポリイミド皮膜からなる絶縁パターンを有する凸版構造
の電着転写用原版を作製した。なお、電着液は以下の手
順で作成した。すなわち、p−フェニレンジアミン3.
3重量部をN,N−ジメチルホルムアルデヒド90重量
部に溶解し、ピロメリット酸二無水物6.7重量部を加
えて室温で1時間反応させて、ポリアミック酸塩溶液と
した。この溶液60重量部にメタノール40重量部を加
えて電着液とした。
【0043】このようにして作製した電着転写用原版の
基板の導電面裸出部に上記実験例1で用いたメッキ条件
にしたがってピロリン酸系Cuメッキ液にて銅メッキを
行い、金属銅パターン(厚さ約1.5μm)を形成し
た。
【0044】その後、被転写体としてアクリル系粘着性
接着剤(日本カーバイド工業(株)(製);PE−11
8)をガラス基板(100mm×100mm×1.1m
m)上にスピンコート法(回転数3000rpm、30
sec)で塗布したものを用い、これを電着転写用原版
に密着後、版表面を裏面から加圧ロールを速度50cm
/分にて転動させて圧着後、銅電着インキ層を版から剥
離して被転写体に転写した。このようにして転写して形
成された銅メッキ層からなる微細パターンの解像度は5
μmであった。この時、従来方式でみられたような原版
の絶縁パターンの破壊はまったく観察されなかった。
【0045】その後、さらに上記の電着転写用原版を用
いて同様の微細パターン形成を100回繰り返し行った
が、100回の連続転写に対しても絶縁パターンのダメ
ージは全く観察されず、また、解像度を測定したところ
1回目の転写微細パターンと同じであり、本発明の電着
転写用原版が優れた耐久性をもち、高精度の微細パター
ン形成が可能であることが確認された。
【0046】(実験例4)Ti製の基板(厚さ0.4m
m)の表面にスピンコート法(回転数1500rpm、
40sec)によりフォトレジスト(東京応化(株)
製;OFPR800)を塗布し、最小線幅5μmの所定
形状のマスクを用いて露光処理、現像処理を行って所定
パターンを有するマスキング層(膜厚1.0μm)を形
成した。これをHF(2.5wt%)−H22 (15
wt%)−H2 O(残部)液中でTi基板の露出部をエ
ッチング(2min、エッチング深さ2μm)し、凹部
を形成した。その後、電着物質の基板密着性をより向上
させることを目的にHF−NH4 F液中で凹部表面を粗
面化した(30sec)。
【0047】次に、上記マスキング層を電着用マスクと
して、上記凹部内にポリエステル系電着樹脂を20V定
電圧で約30秒間の電着を行うことによって、図1に示
したように略中央部が凹状をなししかもその表面がTi
基板面よりも低くなるよう電着膜を析出させ、絶縁パタ
ーンを形成した。
【0048】次いで、本基板を循環オーブンにて110
℃、30分間焼き付けを行った後、マスキング層のみを
常温、30secアセトン浸漬にて溶解除去し、電着樹
脂層(絶縁性物質)のみ175℃×30minでクリー
ンオーブンにて焼き付けを行い、凸版構造の電着転写用
原版を作製した。なお、電着液は以下の手順で作成し
た。すなわち、ポリエステル樹脂(神東塗料(株)製)
60重量部、メラミン樹脂(三和ケミカル(株)製;ニ
カラックMX−40)15重量部、ブチルセルソルブ4
5重量部、n−ブタノール5重量部、トリエチルアミン
4重量部を主成分とするワニスにイオン交換水800重
量部を加えて電着液とした。
【0049】このようにして作製した電着転写用原版の
基板の導電面裸出部に上記実験例1で用いたメッキ条件
にしたがってピロリン酸系Cuメッキ液にて銅メッキを
行い、金属銅パターン(厚さ約1.5μm)を形成し
た。
【0050】その後、被転写体としてアクリル系粘着性
接着剤(日本カーバイド工業(株)(製);PE−11
8)をガラス基板(100mm×100mm×1.1m
m)上にスピンコート法(回転数3000rpm、30
sec)で塗布したものを用い、これを電着転写用原版
に密着後、版表面を裏面から加圧ロールを速度50cm
/分にて転動させて圧着後、銅電着インキ層を版から剥
離して被転写体に転写した。このようにして転写して形
成された銅メッキ層からなる微細パターンの解像度は5
μmであった。この時、従来方式でみられたような原版
の絶縁パターンの破壊はまったく観察されなかった。
【0051】その後、さらに上記の電着転写用原版を用
いて同様の微細パターン形成を100回繰り返し行った
が、100回の連続転写に対しても絶縁パターンのダメ
ージは全く観察されず、また、解像度を測定したところ
1回目の転写微細パターンと同じであり、本発明の電着
転写用原版が優れた耐久性をもち、高精度の微細パター
ン形成が可能であることが確認された。
【0052】(比較例1)電着転写用原版に凹部を設け
ることなく、該基板上に絶縁パターンを形成した以外は
上記実験例1と同様にして微細パターン形成用原版を作
成した。そして、実験例1と同様にして銅電着インキ層
形成および被転写体への銅電着インキ層転写を繰り返し
行ったところ、10回目の繰り返し転写後、絶縁パター
ンの変形が認められた。
【0053】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、導
電性基板に形成された凹部内に全面離型性の樹脂が該基
板よりも低くなるよう電着析出されて絶縁パターンが形
成されるため、絶縁パターンと基板との接触面積が大き
く絶縁パターンと導電性基板との密着性が向上する。さ
らに、絶縁パターンと被転写体の粘着性接着材層とがま
ったく接触することなく転写が行われるため、接触剥離
力による影響を受けない。これらのことから、基板の絶
縁パターン非形成部(導電部パターン)に析出させた電
着物質を被転写体に転写する際の絶縁パターンの破壊は
極めて少ないものとなるので、本発明の転写用原版は、
膜厚が均一で線幅も一定な寸法精度の高い微細パターン
を多数回に亘って被転写体に転写することのできる優れ
た耐久性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電着転写用原版の一実施例を示す概略
構成図である。
【図2】図1の電着転写用原版の製造工程の説明図であ
る。
【図3】従来の電着転写用原版を説明するための概略構
成図である。
【符号の説明】
1…電着転写用原版 2…基板 5…マスキング層 7…凹部 9…絶縁パターン 11…電着インキ層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも表面が導電性の基板と、該基
    板に形成された凹部に設けた絶縁性物質からなる絶縁パ
    ターンとを備えるとともに、該絶縁パターン表面が基板
    表面よりも低くなるよう形成されていることを特徴とす
    る電着転写用原版。
  2. 【請求項2】 絶縁性物質が、アクリル系樹脂、アルキ
    ッド系樹脂、ポリイミド系樹脂、メラミン系樹脂、ポリ
    エステル系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、エポキシ系樹
    脂から選択されるいずれか1種以上からなることを特徴
    とする請求項1に記載の電着転写用原版。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の絶縁性物質にさらにフ
    ッ素が導入され、あるいはフッ素系ポリマー粒子が分散
    されてなることを特徴とする請求項2に記載の電着転写
    用原版。
  4. 【請求項4】 基板がチタン(Ti)からなることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電着転写用原
    版。
  5. 【請求項5】 少なくとも表面が導電性の基板に所定パ
    ターンの凹部を形成し、該凹部に絶縁性物質を電着さ
    せ、その後前記マスキング層を除去することを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載の電着転写用原版を製
    造するための製造方法。
  6. 【請求項6】 凹部をフォトレジスト層を用いたエッチ
    ング法、サンドブラスト法、あるいは機械切削のいずれ
    かの方法により形成することを特徴とする請求項5に記
    載の製造方法。
  7. 【請求項7】 凹部に粗面化処理を行うことを特徴とす
    る請求項5または6に記載の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008087256A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Toppan Printing Co Ltd 凸版、印刷機、有機電子デバイスの製造方法、及び凸版の製造方法
WO2009096241A1 (ja) * 2008-02-01 2009-08-06 Konica Minolta Holdings, Inc. 電子部材の製造方法および電子部材
JP2013188046A (ja) * 2012-03-09 2013-09-19 Citizen Holdings Co Ltd エレクトレット基板およびエレクトレット基板の製造方法

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