JPH07289854A - 金属イオン除去装置および金属イオン除去方法 - Google Patents

金属イオン除去装置および金属イオン除去方法

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JPH07289854A
JPH07289854A JP6112289A JP11228994A JPH07289854A JP H07289854 A JPH07289854 A JP H07289854A JP 6112289 A JP6112289 A JP 6112289A JP 11228994 A JP11228994 A JP 11228994A JP H07289854 A JPH07289854 A JP H07289854A
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JP
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aqueous solution
electrode
metal
hollow fiber
fiber membrane
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JP6112289A
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English (en)
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Kiyoaki Mitsuzawa
舜明 光澤
Takashi Yasuoka
高志 安岡
Masakatsu Sano
正勝 佐野
Nobuo Katsuura
信夫 勝浦
Osamu Igarashi
治 五十嵐
Atsushi Nakayama
敦 中山
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Nikko Kogyo KK
Original Assignee
Nikko Kogyo KK
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/44Treatment of water, waste water, or sewage by dialysis, osmosis or reverse osmosis
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/46Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods
    • C02F1/461Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis
    • C02F1/467Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis by electrochemical disinfection; by electrooxydation or by electroreduction
    • C02F1/4676Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis by electrochemical disinfection; by electrooxydation or by electroreduction by electroreduction
    • C02F1/4678Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis by electrochemical disinfection; by electrooxydation or by electroreduction by electroreduction of metals

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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)
  • Electrolytic Production Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水溶液中に含有されている錆、かび、濁りお
よび汚れ等や金属イオンを効率よく除去することがで
き、かつ装置構成がコンパクトな金属イオン除去装置を
提供するとともに、水溶液中に含有されている錆、か
び、濁りおよび汚れ等や、金属イオンを効率よく除去可
能な金属イオン除去方法を提供する。 【構成】 水溶液24を収容可能な容器12内に、金属
が被覆された中空糸膜からなる電極14と、白金電極1
6とを配設し、電極14に水溶液24を吸引する定流量
ポンプ20と、直流電源18の陰極を接続し、電源16
に直流電源18の陽極を接続した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属イオン除去装置お
よび金属イオン除去方法に係わり、特に、水溶液に含有
された不要な金属イオンを除去する装置および方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、様々な材質からなる各種フィ
ルタを利用した水処理方法が行われている。このような
フィルタとしては、例えば、プリーツ型、中空糸型、デ
ィスポーザブル型およびカートリッジ型等、多岐にわた
る形状の製品が開発され、使用されている。特に、中空
糸型のフィルタは、主に、日常生活に欠かせない飲料水
中に含有されている錆、かび、濁りおよび汚れ等を効率
よく取り除くことができることから、清水器に利用され
ている。近年では、水道水の汚染やマンション等の高層
ビルに設置されている貯水タンク内に貯められた水の汚
染などが問題となってきており、清水器による水飲料水
の清水化が益々要求されるようになってきている。
【0003】また、最近では、イオン交換膜と電極との
組み合わせにより、水溶液中の化学物質を分離する装置
が開発されている。この装置は、例えば、実用レベルで
は、海水の濃縮、塩水の脱塩、工業用水の軟化、工業排
水の処理、金属イオンの除去や回収等に利用されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記中
空糸型フィルタは、飲料水のような水溶液中に含有され
ている錆、かび、濁り等は取り除くことができるが、ナ
トリウム等の金属イオンを除去することができないとい
う問題がある。このため、例えば、海水からの製塩や、
水溶液のpH調整を行おうとする場合、電気透析の原理
を利用する以外に方法はなかった。すなわち、陰陽イオ
ン交換膜で仕切った各室と、陰極および陽極からなる電
極を併用する方法である。
【0005】また、前記イオン交換膜と電極とを組み合
わせた装置は、前記水溶液を収容する容器内をイオン交
換膜で仕切り、当該イオン交換膜により分割された各エ
リアに各々の電極(陽極および陰極)を配設する構造を
有している。このため、装置が比較的大型化し、持ち運
びが困難であるという問題もある。さらに、イオン交換
膜は、前記中空糸型フィルタのように、水溶液中に含有
されている錆、かび、濁りおよび汚れ等を効率よく取り
除くことができないという問題もある。
【0006】さらにまた、イオン交換膜を使用する製塩
工業においては、Ca2+、Mg2+、SO4 2-などが、食
塩と同様に濃縮されるので、スケールが発生し、膜の劣
化をともなう。一般に、イオン交換膜では、2価のイオ
ンの方が1価のイオンより透過しやすく、その比率は、
1.2〜2.5倍になることが知られている。このた
め、1価のイオンに選択性を持たせるために、2価のイ
オンと1価のイオンのイオン半径を利用して、網目構造
を密にした薄層を膜表面に形成させる方法がとられてい
る。この他に、膜表面に固定電荷と反対電荷を持つ高分
子を吸着させることにより、電荷の高いイオンはより大
きな反発力を受けることで、1価のイオンの選択性を得
ている。例えば、陽イオン交換膜では、ポリエチレンイ
ミン等の高分子電解質の薄層を膜面上に形成させる方法
がとられている。しかしながら、この方法は、特定の高
分子を選択したり、吸着させたりするなどの複雑な作業
の経過を必要とする。
【0007】一方、これに反し、本発明に係る中空糸膜
を使用することは、以下にの述べるような大きな特徴を
有する。すなわち、分離膜自体を電極とし、電極電位を
任意に変えることにより、溶液中に溶けている金属イオ
ンの分離が行われる。また、電気透析用の従来の電極に
比べ、表面積の大きい分離膜自身を電極としているた
め、溶液の電気抵抗の低減、溶質の拡散係数の増大等を
もたらし、エネルギー消費を低減できる。
【0008】本発明は、このような従来の問題点を解決
することを課題とするものであり、水溶液中に含有され
ている錆、かび、濁りおよび汚れ等は勿論のこと、当該
水溶液中に含有されている金属イオンも効率よく取り除
くことができ、かつ装置構成がコンパクトで持ち運び性
に優れた金属イオン除去装置を提供することを目的と
し、また、水溶液中に含有されている錆、かび、濁りお
よび汚れ等や、ナトリウム、カリウム等の金属イオンを
効率よく取り除くことができ、かつ優れた殺菌効果が得
られる金属イオン除去方法を提供することを目的とする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、水溶液を収容可能な容器内に、電気回路を
形成する電極を配設し、当該電極の一方は、金属が被覆
された中空糸膜から構成し、当該金属が被覆された中空
糸膜からなる電極を介して前記水溶液を吸引する吸引装
置を接続した金属イオン除去装置を提供するものであ
る。
【0010】そして、前記中空糸膜は、水溶液のpHに
より適宜選択される。また、この中空糸膜には、導通を
与える各種金属が被覆されていること、好ましくは、ニ
ッケルを被覆することが望ましく、また、前記ニッケル
の表面には、金を被覆することが望ましい。また、前記
ニッケルの表面には、白金、バナジウム、銀、ロジウ
ム、ハクニウム、ルテニウム等、耐薬品性の高い金属を
被覆してもよいし、ニッケルを被覆することなく、中空
糸膜にこれらを直接被覆してもよい。
【0011】そしてまた、水溶液が収容される容器内に
配設した電極の一方を、金属が被覆された中空糸膜から
構成し、前記両電極を含む電気回路に一定量の電流を流
すとともに、前記金属が被覆された中空糸膜からなる電
極を介して前記水溶液を吸引排出する金属イオン除去方
法を提供するものである。前記電流値は、10mA以
上、500mA以下、好ましくは、30mA以上、10
0mA以下、さらに好ましくは、40mA以上、80m
A以下、であることが望ましい。また、前記水溶液が、
電気分解により殺菌作用を有する物質を生成する陰イオ
ンを含有することが望ましい。
【0012】
【作用】本発明によれば、容器内に収容された水溶液
は、吸引装置により金属が被覆された中空糸膜からなる
電極を介して吸引され、排出される。すなわち、前記水
溶液は、前記中空糸膜の細孔を通過した後、排出される
が、このとき、前記水溶液に含有されている錆、かび、
濁りおよび汚れ等は、前記中空糸膜により取り除かれ
る。
【0013】また、前記金属が被覆された中空糸膜から
なる電極が陰極の場合には、前記水溶液中に含有されて
いる正の電荷を持つ金属イオンが、この電極付近に集ま
り、この金属イオン濃度が極めて高くなった水溶液が排
出される。したがって、前記水溶液に含有されている前
記金属イオンが効率よく簡単に前記容器の外に除去され
る。
【0014】一方、前記金属が被覆された中空糸膜から
なる電極が陽極の場合には、前記水溶液中に含有されて
いる正の電荷を持つ金属イオンが、この電極から遠ざか
り、この金属イオン濃度が極めて低くなった水溶液が排
出される。したがって、前記容器内に前記金属イオンが
残され、前記排出された水溶液からは、前記金属イオン
が効率よく除去される。
【0015】また、水溶液に含有されている負の電荷を
持つ金属イオンを除去する場合には、前記と同様の原理
から、前記金属が被覆された中空糸膜からなる電極が陰
極の場合には、前記容器内にこの金属イオンが残され、
前記排出された水溶液からは、当該金属イオンが効率よ
く除去される。一方、前記金属が被覆された中空糸膜か
らなる電極が陽極の場合には、前記水溶液に含有されて
いる前記金属イオンが効率よく簡単に前記容器の外に除
去される。
【0016】そしてまた、前記中空糸膜に、ニッケルを
被覆することで、前記水溶液の電気分解をさらに効率よ
く行え、前記金属イオンがより効率よく除去される。そ
してまた、前記ニッケルの表面に、金を被覆すること
で、前記水溶液の電気分解をより一層効率よく行え、前
記金属イオンがさらに効率よく除去される。
【0017】さらに、産業上の利用分野としては、本発
明に係る中空糸膜の機能により海水浄化、緊急時の飲料
水の製造、酸・アルカリイオン水の製造、重金属イオン
の除去を含めた水処理、活性炭との組み合わせによる血
液の透析、製塩工業および乳工業等のプロセス中で使用
されている電気透析工程の代替え等、幅広い分野で使用
が可能である。
【0018】また、前記電気分解時の電流値が大きいほ
ど金属イオンの除去効率は高いが、電流値が高すぎる
と、前記中空糸膜と電極との接点が溶けやすくなる。こ
れより、前記電流値を、10mA以上、500mA以
下、好ましくは、30mA以上、100mA以下、さら
に好ましくは、40mA以上、80mA以下、とするこ
とが望ましい。前記電流値が10mA未満であると、金
属イオンの除去効率が低下し、最適な金属イオンの除去
を行うことが困難になる。一方、前記電流値が500m
Aを越えると、前記中空糸膜と電極との接点が溶けやす
くなり、金属イオン除去装置の寿命を低下させるととも
に、最適な金属イオンの除去を行うことが困難になる。
【0019】そしてまた、前記水溶液は、電気分解によ
り殺菌作用を有する物質を生成する陰イオンを含有する
ことが望ましい。前記殺菌作用を有する物質としては、
例えば、過酸化水素(H2 2 )、次亜塩素酸(HCl
O)、酸素(02 )等があげられる。過酸化水素(H2
2 )を生成する陰イオンとしては、たとえば、硫酸イ
オン(SO4 2- )がある。この硫酸イオンは、以下に示
す反応式 2SO4 2- →2SO4 - +2e 2SO4 - →S2O8 2- S2O8 2- +H2 O→SO5 2- +H2 SO4 SO5 2- +H2 O→H2 2 +SO4 2- のように、硫酸イオン(SO4 2- )を生成する。陰イオ
ンが硫酸イオンの場合、硫酸イオンの濃度が低い場合に
は、水酸化物イオン(水の電離による)が電気分解を受
けるが、硫酸イオンの濃度が高くなるにしたがって、上
記反応が起こるようになり、過酸化水素が生じる。
【0020】また、次亜塩素酸(HClO)を生成する
陰イオンとしては、例えば、塩化物イオン(Cl- )が
ある。この塩化物イオンは、以下に示す反応式 2Cl- →Cl2 +2e Cl2 +H2 O→HCl+HClO のように、次亜塩素酸(HClO)を生成する。
【0021】そしてまた、酸素(O2 )を生成する陰イ
オンとしては、例えば、硝酸イオン(NO3 - )があ
る。この硝酸イオンは、以下に示す反応式 4HO- →2H2 O+O2 のように、酸素(O2 )を生成する。
【0022】このように、前記電気分解により、殺菌作
用を有する物質が生成することで、金属イオンの除去と
同時に、殺菌を行うことができる。
【0023】
【実施例】次に、本発明に係る実施例について図面を参
照して説明する。 (実施例1)図1は、本発明の実施例1に係る金属イオ
ン除去装置の模式図である。図1に示す金属イオン除去
装置10Aは、水溶液24を収容する容器12と、容器
12内に配設された電極14および16と、電極14お
よび16に電流を供給する直流電源18と、電極16に
接続された吸引装置である定流量ポンプ20と、を備え
ている。
【0024】前記電極14は、外側がニッケルで被覆さ
れた中空糸膜から構成されており、下端には栓15が設
けられ、上端にはタイゴンチューブ22が接続されてい
る。このタイゴンチューブ22には、定流量ポンプ20
が接続されており、前記容器12内に収容されている溶
液24を、前記電極14を介して吸引する(汲み上げ
る)ようになっている。すなわち、前記水溶液24は、
定流量ポンプ20が作動すると、電極14を構成してい
る中空糸膜の細孔を通過してタイゴンチューブ22に至
り、外部に排出されるようになっている。また、電極1
4は、直流電源18の陰極に接続されている。一方、前
記電極16は、白金から構成されており、直流電源18
の陽極に接続されている。
【0025】次に、実施例1に係わる金属イオン除去装
置10Aの具体的動作について説明する。実施例1で
は、水溶液24からナトリウムイオン(Na+ )を除去
する場合について説明する。
【0026】容器12内に、金属イオンとしてナトリウ
ムイオン(Na+ )が含有された水溶液24を収容す
る。次に、直流電源18を作動して40mAの一定電流
を流して水溶液24の電気分解を行うとともに、定流量
ポンプ20を作動して一定流速で水溶液24を吸引す
る。このとき、正の電荷を持つナトリウムイオン(Na
+)が、陰極である電極14付近に集まり、この付近の
水溶液のナトリウムイオン(Na+ )濃度が極めて高く
なる。したがって、このナトリウムイオン(Na+)濃
度が極めて高い水溶液が、電極14を構成している中空
糸膜の細孔を通過し、タイゴンチューブ22を経て外部
に排出される。このため、水溶液24に含有されている
ナトリウムイオン(Na+ )は、効率よく簡単に容器1
2の外に除去され、かつ、水溶液24に含有されている
錆、かび、濁りおよび汚れ等は、前記中空糸膜により取
り除かれる。
【0027】次に、前記容器12内に、ナトリウムイオ
ン(Na+ )濃度が10ppm である水溶液を収容し、以
下に示す電流量および吸引条件(水溶液を吸引した際の
流速)で電気分解を行い、当該電気分解時間(分)と容
器12内に残留した水溶液のナトリウムイオン(N
+ )濃度(ppm) との関係を調査した。また、前記電気
分解時間(分)と容器12内に残留した水溶液のpHと
の関係を調査した。なお、ナトリウムイオン(Na+
濃度は、原子吸光光度計により測定した。電気分解時間
(分)とナトリウムイオン(Na+ )濃度(ppm) との関
係を図2に、電気分解時間(分)とpHとの関係を図3
に示す。 電流量 40mA 吸引条件 流速10(0.88ml/min) 流速6 (0.53ml/min) 流速4 (0.34ml/min)
【0028】図2から、容器12内に残留した水溶液の
ナトリウムイオン(Na+ )濃度は、最大で0.8ppm
程度まで減少することがわかる。すなわち、ナトリウム
イオン(Na+ )は、最大92%程度除去できることが
確認された。
【0029】また、図3から、容器12内に残留した水
溶液のpHは、ナトリウムイオン(Na+ )の減少に伴
って、低下したことがわかる。
【0030】(実施例2)次に、本発明の実施例2につ
いて説明する。図4は、本発明の実施例2に係る金属イ
オン除去装置の模式図である。なお、実施例2では、実
施例1と同様の部材には、同一の符号を付してその説明
は省略する。
【0031】図4に示す金属イオン除去装置10Bの実
施例1と異なる点は、電極の構成でである。実施例2に
係る電極26は、実施例1に係る電極14のニッケル表
面に金を被覆した構造を備えている。この電極26は、
直流電源18の陽極に接続されている。一方、前記電極
16は、白金から構成されており、直流電源18の陰極
に接続されている。
【0032】次に、実施例2に係わる金属イオン除去装
置10Bの具体的動作について説明する。実施例2で
は、水溶液24からナトリウムイオン(Na+ )を除去
する場合について説明する。
【0033】容器12内に、金属イオンとしてナトリウ
ムイオン(Na+ )が含有された水溶液24を収容す
る。次に、直流電源18を作動して40mAの一定電流
を流して水溶液24の電気分解を行うとともに、定流量
ポンプ20を作動して一定流速で水溶液24を吸引す
る。このとき、正の電荷を持つナトリウムイオン(Na
+)が、陽極である電極26付近から遠ざかり、この付
近の水溶液のナトリウムイオン(Na+ )濃度が極めて
低くなる。この時、電極表面では、陰イオンが電気分解
を受け、酸や酸素が発生する。したがって、このナトリ
ウムイオン(Na+)濃度が極めて低い水溶液が、電極
26を構成している中空糸膜の細孔を通過し、タイゴン
チューブ22を経て外部に排出される。このため、水溶
液24に含有されているナトリウムイオン(Na+
は、容器12内に残されるため、結果的に、前記排出さ
れた水溶液からナトリウムイオン(Na+ )を効率よく
簡単に除去できることになる。また、水溶液24に含有
されていた錆、かび、濁りおよび汚れ等は、電極26を
構成している中空糸膜により取り除かれる。
【0034】次に、前記容器12内に、ナトリウムイオ
ン(Na+ )濃度が10ppm である水溶液を収容し、以
下に示す電流量および吸引条件で電気分解を行い、当該
電気分解時間(分)と容器12から排出された水溶液の
ナトリウムイオン(Na+ )濃度(ppm) との関係を調査
した。なお、ナトリウムイオン(Na+ )濃度は、原子
吸光光度計により測定した。この結果を図5に示す。 電流量 40mA 吸引条件 流速10(0.88ml/min) 流速4 (0.34ml/min)
【0035】図5から、容器12から排出された水溶液
のナトリウムイオン(Na+ )濃度は、1ppm 以下であ
り、ナトリウムイオン(Na+ )は、最大98%程度除
去できることが確認された。
【0036】次に、実施例2に係わる金属イオン除去装
置10Bを使用して、表1に示す濃度(ppm) でナトリウ
ムイオン(Na+ )を含有する各々の水溶液に、以下に
示す電流量および吸引条件で電気分解を行い、容器12
から排出された水溶液のナトリウムイオン(Na+ )濃
度(ppm) を、原子吸光光度計により測定した。この結果
を表1に示す。 電流量 40mA 吸引条件 流速10(0.88ml/min)
【0037】
【表1】
【0038】表1から、含有されるナトリウムイオン
(Na+ )濃度が高い水溶液ほど、ナトリウムイオン
(Na+ )の除去効率が悪くなることがわかる。
【0039】次に、実施例2に係わる金属イオン除去装
置10Bを使用して、ナトリウムイオン(Na+ )を1
0ppm 含有する水溶液を、表2に示す各々の流速で吸引
しかつ40mAの電流量で電気分解を行い、容器12か
ら排出された水溶液のナトリウムイオン(Na+ )濃度
(ppm)を、原子吸光光度計により測定した。この結果を
表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2から、水溶液の流速が遅い(すなわ
ち、定流量ポンプの吸引力が小さいほうが、ナトリウム
イオン(Na+ )の除去効率が良くなることがわかる。
【0042】(実施例3)次に、本発明の実施例3につ
いて説明する。図6は、本発明の実施例3に係る金属イ
オン除去装置の模式図である。なお、実施例3では、実
施例1と同様の部材には、同一の符号を付してその説明
は省略する。
【0043】図6に示す金属イオン除去装置10Cの実
施例1と異なる点は、電極の構成でである。実施例3に
係る電極28は、実施例1に係る電極14より大きな径
を備えた中空糸膜の外側をニッケルで被覆した構造を備
えている。電極28には、電極16が、電極28と隙間
をおいて内設されている。この電極28は、直流電源1
8の陰極に接続されている。一方、前記電極16は、直
流電源18の陽極に接続されている。
【0044】次に、実施例3に係わる金属イオン除去装
置10Cの具体的動作について説明する。実施例3で
は、水溶液24からナトリウムイオン(Na+ )を除去
する場合について説明する。
【0045】容器12内に、金属イオンとしてナトリウ
ムイオン(Na+ )が含有された水溶液24を収容す
る。次に、直流電源18を作動して20mAの一定電流
を流して水溶液24の電気分解を行うとともに、定流量
ポンプ20を作動して一定流速で水溶液24を吸引す
る。このとき、正の電荷を持つナトリウムイオン(Na
+)が、陰極である電極28付近に集まるが、電極28
を構成している中空糸膜の細孔を通過した水溶液に含有
されているナトリウムイオン(Na+ )は、陽極である
電極16と反発して電極28の外側に追い出される。こ
のため、ナトリウムイオン(Na+ )濃度が極めて低い
水溶液がタイゴンチューブ22を経て外部に排出され
る。すなわち、水溶液24に含有されているナトリウム
イオン(Na+)は、容器12内に残されるため、結果
的に、前記排出された水溶液からナトリウムイオン(N
+ )を効率よく簡単に除去できることになる。また、
水溶液24に含有されていた錆、かび、濁りおよび汚れ
等は、電極28を構成している中空糸膜により取り除か
れる。
【0046】次に、前記容器12内に、ナトリウムイオ
ン(Na+ )濃度が10ppm である水溶液を収容し、以
下に示す電流量および吸引条件で電気分解を行い、容器
12から排出された水溶液のナトリウムイオン(N
+ )濃度(ppm)を、原子吸光光度計により測定した。
この結果を表1に示す。 電流量 20mA 吸引条件 流速10(0.88ml/min) 流速4 (0.34ml/min)
【0047】
【表3】
【0048】表3から、容器12から排出された水溶液
のナトリウムイオン(Na+ )は、最大91%程度除去
できることが確認された。
【0049】なお、実施例1ないし実施例3では、中空
糸膜の表面にニッケルを被覆した電極について説明した
が、これに限らず、本発明に係る電極は、中空糸膜の表
面に例えば、銀、銅、白金、バナジウム等の他の金属お
よびカーボンを被覆してもよい。また、実施例2では、
ニッケルの表面に金を被覆した電極について説明した
が、これに限らず、ニッケルの表面には、例えば、白
金、バナジウム、銀等、水溶液のpHに影響されにくい
金属およびカーボンを被覆してもよい。
【0050】そしてまた、実施例1ないし実施例3で
は、ナトリウムイオン(Na+ )が、含有された水溶液
からナトリウムイオン(Na+ )を除去する場合につい
て説明したが、これに限らず、本発明に係る金属イオン
除去装置は、例えば、リチウム、カリウム、カルシウ
ム、マグネシウム、アンモニウム、ルビジウム、セシウ
ム、バリウム、亜鉛、鉄、銅、アルミニウム、他の重金
属等、正の電荷を持つ他の金属イオンを除去することも
でき、また、塩素以外にも臭素、フッ素、沃素や、Cl
4 - 、OH- 、NO3 - 、SO4 2- 、SO3 - 等、負
の電荷を持つ他のイオンを除去することもできる。
【0051】そしてまた、前記水溶液24に、例えば、
前記電気分解により、過酸化水素、次亜塩素酸、酸素等
の殺菌作用を有する物質を生成する陰イオンを含有させ
ることで、前記水溶液24から金属イオンを除去するこ
とができるとともに、殺菌を行うこともできる。このよ
うな陰イオンとしては、例えば、塩化物イオン、硝酸イ
オン、硫酸イオン等がある。
【0052】また、前記電気回路に、流す電流値は、前
記実施例1ないし実施例3で説明した値に限らず、金属
イオンの除去効率が低下することを抑制でき、かつ中空
糸膜に支障をきたさない電流値であればよく、具体的に
は、10mA以上、500mA以下、好ましくは、30
mA以上、100mA以下、さらに好ましくは、40m
A以上、80mA以下、とすることが望ましい。
【0053】また、実施例1ないし実施例3では、吸引
装置として定流量ポンプを使用したが、これに限らず、
他の構造を有する吸引装置を使用してもよい。また、実
施例1ないし実施例3では、直流電源により電極に電流
を流して電気回路を形成したが、これに限らず、電極を
含んだ電気回路を構成することが可能であれば、他の電
源を用いてもよい。
【0054】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明よれ
ば、電極を構成する中空糸膜により水溶液中に含有され
ている錆、かび、濁りおよび汚れ等を効率よく除去する
ことができるとともに、当該水溶液を電気分解すること
により、当該水溶液に含有されていつ金属イオンも効率
よく除去することができる。また、電極がフィルタの役
割も果たしているため、装置構成をコンパクトにするこ
とができる。
【0055】さらに、10mA以上、500mA以下の
電流値で電気分解を行うことで、金属イオンの除去効率
を向上できるとともに、金属イオン除去装置の寿命も向
上することができる。そしてまた、前記水溶液が、電気
分解により殺菌作用を有する物質を生成する陰イオンを
含有することで、金属イオンの除去と同時に殺菌も行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る金属イオン除去装置の
模式図である。
【図2】本発明の実施例1に係る金属イオン除去装置を
使用した際の電気分解時間(分)とナトリウムイオン
(Na+ )濃度(ppm)との関係を示す図である。
【図3】本発明の実施例1に係る金属イオン除去装置を
使用した際の電気分解時間(分)と水溶液のpHとの関
係を示す図である。
【図4】本発明の実施例2に係る金属イオン除去装置の
模式図である。
【図5】本発明の実施例2に係る金属イオン除去装置を
使用した際の電気分解時間(分)とナトリウムイオン
(Na+ )濃度(ppm)との関係を示す図である。
【図6】本発明の実施例3に係る金属イオン除去装置の
模式図である。
【符号の説明】
10A 金属イオン除去装置 10B 金属イオン除去装置 10C 金属イオン除去装置 12 容器 14 電極 16 電極 18 直流電源 20 定流量ポンプ 24 水溶液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 勝浦 信夫 神奈川県相模原市西橋本2丁目23番3号 日幸工業株式会社R&Dセンター内 (72)発明者 五十嵐 治 神奈川県相模原市西橋本2丁目23番3号 日幸工業株式会社R&Dセンター内 (72)発明者 中山 敦 神奈川県相模原市西橋本2丁目23番3号 日幸工業株式会社R&Dセンター内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶液を収容可能な容器内に、電気回路
    を形成する電極を配設し、当該電極の一方を金属が被覆
    された中空糸膜から構成し、当該金属が被覆された中空
    糸膜からなる電極に、この電極を介して前記水溶液を吸
    引する吸引装置を接続した金属イオン除去装置。
  2. 【請求項2】 前記中空糸膜にニッケルを被覆した請求
    項1記載の金属イオン除去装置。
  3. 【請求項3】 前記ニッケルの表面に金を被覆した請求
    項2記載の金属イオン除去装置。
  4. 【請求項4】 水溶液が収容される容器内に配設した電
    極の一方を、金属が被覆された中空糸膜から構成し、前
    記両電極を含む電気回路に所定量の電流を流すととも
    に、前記金属が被覆された中空糸膜からなる電極を介し
    て前記水溶液を吸引排出する金属イオン除去方法。
  5. 【請求項5】 前記電流値が、10mA以上、500m
    A以下である請求項4記載の金属イオン除去方法。
  6. 【請求項6】 前記水溶液が、電気分解により殺菌作用
    を有する物質を生成する陰イオンを含有する請求項4ま
    たは請求項5記載の金属イオン除去方法。
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Cited By (5)

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