JPH0728845Y2 - 樹木移植用の梱包資材 - Google Patents

樹木移植用の梱包資材

Info

Publication number
JPH0728845Y2
JPH0728845Y2 JP1992075925U JP7592592U JPH0728845Y2 JP H0728845 Y2 JPH0728845 Y2 JP H0728845Y2 JP 1992075925 U JP1992075925 U JP 1992075925U JP 7592592 U JP7592592 U JP 7592592U JP H0728845 Y2 JPH0728845 Y2 JP H0728845Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tree
soil
rope
transplantation
trees
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1992075925U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0638494U (ja
Inventor
敏夫 阪中
Original Assignee
敏夫 阪中
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 敏夫 阪中 filed Critical 敏夫 阪中
Priority to JP1992075925U priority Critical patent/JPH0728845Y2/ja
Publication of JPH0638494U publication Critical patent/JPH0638494U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH0728845Y2 publication Critical patent/JPH0728845Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、樹木を移植する際、掘
り起こした樹木の根を土とともに包んだり、樹木を保護
するためその幹に巻き付けたりするための梱包資材に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より樹木を移植する際には、樹木の
根に付いている土を落としてしまうと樹木が傷むので、
ある程度の量の土とともに樹木を掘り起こし、土を落と
さないため、その周囲を藁で編んだ薦で包み、さらにそ
の上から藁縄で縛って梱包している。この状態でトラッ
ク等により樹木を移植先まで輸送し、移植先では地面に
適宜な大きさの穴を掘っておき、根が薦で包まれ藁縄で
縛られたままの樹木をその穴に植え、土をかけている。
このようにすると、樹木の根は薦を透過して外部の土中
に伸びることができるとともに、時間の経過に伴い薦や
藁縄が腐朽するので、移植した樹木の根の成長が妨げら
れることがない。
【0003】また、移植により弱る樹木の木肌を直射日
光による日焼けや低温による凍傷から保護するため、樹
木の幹に薦を巻いて藁縄で縛ることも一般的に行われて
いる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、昨今は
藁を原料とする薦や藁縄は高価になり、かつ、入手が困
難であるという欠点が生じてきた。そこで、これらに代
わる梱包資材が検討されることになるが、ある程度の丈
夫さがあり、樹木の根を梱包したまま埋設でき、かつ、
価格が安いことが必要であり、そのような条件を満たす
ものとして、例えば麻袋に使用されるような目の粗い麻
布や麻縄が適当であろうと考えられた。
【0005】そこで、本考案者は、薦の代わりに、掘り
起こした樹木の根を上記の麻布で包み、その上から従来
の麻縄で縛って、そのままの状態で移植してみたが、移
植後の樹木の成長が遅く、その樹木を再び掘り起こして
調査すると、根の成長が、薦や藁縄を使用した場合に比
べて約3割程度も遅れていることがわかった。
【0006】ところで、これら麻布や麻縄は麻を原料と
するものであるが、従来は、その製造過程において原料
に含まれる不純物を除去し、かつ、粗硬な原料を柔らか
くするため、鉱物油と水および界面活性剤のエマルジョ
ンからなる軟繊剤を添加するのが一般的であり、このた
め、従来の麻布や麻縄には、その重量の約6%程度の鉱
物油が含まれていた。この鉱物油が移植した樹木の根の
成長が妨げているのであった。また、鉱物油が土中に浸
出すると、移植先の土壌を汚染するという欠点が当然生
じることになり、さらに、幹に巻き付けた際、鉱物油が
木肌を傷めてしまうという欠点が生じることにもなっ
た。
【0007】本考案は、このような従来技術の欠点を解
消し、樹木の根を包んだまま移植しても、樹木の根の成
長を妨げたり、土壌を汚染したりせず、また、樹木の幹
に巻き付けても、木肌を傷めることのない、樹木移植用
の梱包資材を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本考案による樹木移植用の梱包資材は、黄麻を原料
として、製織および製縄時に植物油を含浸させてなるこ
とを特徴とするものである。
【0009】
【作用】本考案による樹木移植用の梱包資材は、製織お
よび製縄時に植物油を添加したりして製作する。これを
用いて、樹木を移植する際、土とともに掘り起こした樹
木の根を梱包して保護でき、移植先ではそのままの状態
で樹木を植え付けることができる。また、移植により弱
る樹木の幹に巻き付けて、木肌を日焼けや凍傷から保護
することができる。
【0010】
【実施例】以下、本考案の一実施例を説明する。原料の
黄麻に含まれる不純物を除去し、かつ、粗硬な原料を柔
らかくするため、ひまし油と水および界面活性剤のエマ
ルジョンからなる軟繊剤を必要最小限の量だけ添加し
た。そして、この原料をカードにかけ、20番手(黄麻
糸番手,以下同様)の太さに紡績した。次いで、この黄
麻糸を縦糸および横糸として、図1に示すように、目の
隙間Pが約3mmになるようにしてヘシアンクロス1を
織った。また、同様の原料から、図2に示すような麻縄
を撚った。このヘシアンクロス1および麻縄2のひまし
油の含有量を測定すると、約2.5重量%であった。
【0011】このヘシアンクロス1および麻縄2を用い
て、薦および藁縄を用いた場合との比較試験を行った。
すなわち、図3に示すように、高さ約3mの松Aの根を
一定量の土とともに掘り起こし、その根を土とともにヘ
シアンクロス1で包み、麻縄2で縛った。また、松Aの
幹にヘシアンクロス1を巻き付け、麻縄2で縛った。こ
れと同様に、松Bの根を藁で編んだ薦3で包んで藁縄4
で縛り、その幹に薦3を巻き付けて藁縄4で縛った。そ
して、地面に穴を掘って松AおよびBを植え、その上か
ら土をかけた。
【0012】この状態で適宜に灌水しながら四ヶ月間様
子を見たが、松Aと松Bとでは、葉の色艶や新芽の出具
合に全く差異がなかった。また、その後松AおよびBを
掘り起こして根の状態を調べたが、松Aではヘシアンク
ロス1を透過して細い根が張り出しており、その成長度
合いは薦3を透過した松Bの根と同様であった。さら
に、松AおよびBの幹に巻いていたヘシアンクロス1お
よび薦3を外してみたが、その木肌の状態にも差異がな
かった。ヘシアンクロス1および麻縄2に含浸している
植物油は、鉱物油に比べて毒性が低いので、樹木の根の
成長を妨げたり木肌を傷めたりする可能性が低く、ま
た、鉱物油に比べて土中で分解されやすいので、土壌を
汚染する可能性も低いといえる。
【0013】前記実施例では梱包資材に含浸させる植物
油としてひまし油を用いたが、椰子油その他の植物油を
用いてもよい。ただし、植物油は価格の安いものを用い
るのが望ましい。また、ヘシアンクロス1を織る際の黄
麻糸の太さは、必要な強度が得られる程度でよく、移植
する樹木の大きさに応じて、15〜50番手程度の黄麻
糸を使い分ければよい。さらに、ヘシアンクロス1を織
るときの目の隙間Pは、詰まり過ぎていると水や樹木の
根が透過しにくい上、高価にもなるので、隙間から土砂
がこぼれ落ちない程度に荒くしておくのがよく、2〜3
mm程度が好適である。
【0014】なお、本考案におけるヘシアンクロスのよ
うに、移植時に樹木の根を梱包する目的で用いる布とし
ては、黄麻以外の麻織物(亜麻織物や苧麻織物)および
綿布なども検討したが、ヘシアンクロスが、糸が太く目
が粗いので通気性と透水性に優れ、土中で腐朽しやす
く、しかも丈夫でかつ安価であるなどの点で最も優れて
いた。
【0015】また、いったん含浸した鉱物油を従来の麻
布や麻縄から脱脂して除去することは理論的には可能で
あるが、費用の点などから現実的でなく、さらに、脱脂
された麻布や麻縄は、柔軟性が失われて取り扱いに不都
合を来すものであった。したがって、鉱物油の代わりに
植物油を含浸させた本考案の梱包資材が樹木移植用には
最も適しているものである。ただし、本考案の樹木移植
用の梱包資材の製造過程は前記実施例に限定されるもの
ではない。さらに、本考案の樹木移植用の梱包資材はヘ
シアンクロスや麻縄に限られず、例えば黄麻を原料とし
たフェルトのようなものも考えられる。
【0016】
【考案の効果】以上のように構成したので、本考案によ
る樹木移植用の梱包資材は、ある程度の丈夫さと取扱い
の容易さおよび価格の安さを備えるとともに、鉱物油が
含浸させられていないので、樹木の根を包んだままの状
態で移植しても、従来のヘシアンクロスや麻縄のように
移植後の樹木の根の成長を妨げることがなく、移植先の
土壌を汚染することもなく、さらに、樹木の幹に巻き付
けても木肌を傷めることがないなど、樹木移植の際に根
や幹を保護するために、極めて好適に実施できるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の樹木移植用の梱包資材の一例としての
ヘシアンクロスを示す斜視図である。
【図2】本考案の樹木移植用の梱包資材の一例としての
麻縄を示す斜視図である。
【図3】松の移植の比較試験を説明する図である。
【符号の説明】
1 本考案の樹木移植用の梱包資材の一例としてのヘ
シアンクロス 2 本考案の樹木移植用の梱包資材の一例としての麻
縄 P ヘシアンクロスの目の隙間 A,B 松

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 黄麻を原料として、製織および製縄時に
    植物油を含浸させてなることを特徴とする樹木移植用の
    梱包資材。
JP1992075925U 1992-11-02 1992-11-02 樹木移植用の梱包資材 Expired - Lifetime JPH0728845Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1992075925U JPH0728845Y2 (ja) 1992-11-02 1992-11-02 樹木移植用の梱包資材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1992075925U JPH0728845Y2 (ja) 1992-11-02 1992-11-02 樹木移植用の梱包資材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0638494U JPH0638494U (ja) 1994-05-24
JPH0728845Y2 true JPH0728845Y2 (ja) 1995-07-05

Family

ID=13590361

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1992075925U Expired - Lifetime JPH0728845Y2 (ja) 1992-11-02 1992-11-02 樹木移植用の梱包資材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0728845Y2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2519419Y2 (ja) * 1993-03-04 1996-12-04 谷口産業株式会社 根鉢用包装材

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4931655U (ja) * 1972-06-17 1974-03-19
JPS5468726U (ja) * 1977-10-26 1979-05-16

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0638494U (ja) 1994-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3316675A (en) Plant container
US5768825A (en) Plant preservation bag and method
CN104770272B (zh) 百年以上古银杏树的移植方法
US20150047257A1 (en) Fabric plant pot
CA2647918A1 (en) Coir fibre rope, plant liner, pot and insulating product
KR101439366B1 (ko) 수목 이식용 보호 직물
JPH0728845Y2 (ja) 樹木移植用の梱包資材
CN104969792A (zh) 便于花盆起苗的材料以及种植和起苗方法
Hubbard Cotton and the cotton market
CN207284538U (zh) 一种大规格树木土球保护兜
JP2987487B2 (ja) 植生マットによる緑化方法及び植生マット
JP2641001B2 (ja) 底なし容器とヤシの実の皮から得られる繊維とを使用した水生植物の水耕栽培方法
JPH086444Y2 (ja) 植物根の梱包用紐材
KR101825510B1 (ko) 수목의 뿌리 보호망 제조방법
KR200258561Y1 (ko) 굴취수목의 뿌리분용 결속밴드
KR20100088839A (ko) 수목 이식용 부대
CN106941985A (zh) 一种麻纤维水果套袋
US994816A (en) Basket for growing plants.
CN207340904U (zh) 植物葆青罐扣合装置
Aldhous Polythene bags for movements of forest nursery stock
KR20110007864U (ko) 수목 이식용 수피보호대
JP2024017198A (ja) 根巻きキット及びその使用方法
JPS63216411A (ja) 植物の栽培方法
CZ4431U1 (cs) Geotextilní pytel na ochranu kořenů rostlin
JP2001128569A (ja) 植樹用袋

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term