JPH0728708B2 - 密封包装食品製造装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、包装食品例えばハム、プレスハム、ソーセー
ジ、蒲鉾、すり身材料、その他の製品に用いられる食品
材料を包装膜内に収納した状態において、通電作用のみ
により自動的に熟熱殺菌処理せしめると共に包装膜の両
端を締縛して密封状とした密封包装食品製造装置に関す
る。

従来の技術 従来、包装食品例えばハム、プレスハム、ソーセージ、
蒲鉾、その他の練製品の所要材料を包装用筒体内に収納
した状態において通電作用のみにより自動的に然かも短
時間で確実に製造する密封包装食品製造は本出願前例え
ば特公昭48−28159号公報に記載されていて知られてお
り、これが内容を第５図及び第６図について説明する。
すなわち、内部に固泥状材料３を充填した包装薄膜筒体
２の両側に電極筒4,4を挿入して両側が電極筒4,4によつ
て閉塞された包装品５を作製し、次いで該包装品５を両
端を開放した耐熱容器１内へ挿入した後、電極筒4,4を
弾圧装置6,6により弾圧しながら電極筒4,4間に通電操作
を施して固泥材料３を熟熱せしめると共に、固泥材料３
が所定温度まで熟熱されたら電極筒4,4への通電操作を
自動的に断つて暫次放置せしめた後、電極筒4,4を僅か
に引き出しながら捻曲して捻曲部を締縛具７で締縛して
密封包装食品を製造したものである。なお８は押杆であ
る。

発明が解決しようとする問題点 ところで、従前のこの種、密封包装食品製造方法におい
ては、その製造時に際して、一対の電極筒により両側を
閉塞した包装品を両端開放状の耐熱容器内へ挿入した
後、電極筒を弾圧しながら通電を施して熟熱し、次いで
電極筒を引き出しながら捻曲した後、締縛して密封包装
食品を製造したものであるから、通電加工後、両端部を
捻曲して締縛部を作るために、包装薄膜筒体の長さは、
挿入した夫々の電極筒が覆われる長さが必要となる。し
たがつて、前記一対の電極筒の表面は包装薄膜体により
覆われている状態となるため、通電加工後、捻曲作業を
行う時に一対の電極筒を包装薄膜筒体より引き出そうと
しても、包装薄膜筒体の上からでは簡単に引き出すこと
ができない許りか、電極筒と押杆とは別個に構成され、
一体状となつていないため押杆の捻転作用で一対の電極
筒を互いに反対方向に向け確実に捻曲回転させることが
できず、その結果、正確な捻曲作動ができないため強固
な捻曲部を得ることができず、完全な密封包装食品が製
造できない問題が生じた。

問題を解決するための手段 本発明は、前記問題点を解決するものであつて、以下に
その内容を実施例に対応する第１図ないし第４図につい
て説明する。

すなわち、本発明においては、両側に締縛用余剰端部10
3,103が形成されるように食品材料Ａを充填した包装膜1
02の両側開放部に、中央に電極支柱109を備えた絶縁筒1
08と、包装膜102の締縛用余剰端部103を内周面に沿い折
返し状に装填した取付筒110を一体に設けた一対の電極1
07,107を抜き差し自在に挿入して包装品Ｂを作製する。

上記包装品Ｂは絶縁容器101内に出し入れ自在に収納す
る。そして前記絶縁容器101の両側開放部には弾機114を
内設した電極押圧蓋112,112を取外し自在に被蓋して食
品材料Ａを一対の電極107,107で押圧せしめると同時に
絶縁筒108,108を電極押圧蓋112,112外に突出せしめて密
封包装食品製造装置を構成したものである。

作用 今、筒状を呈する包装膜102内に、両側に締縛用余剰端
部103,103が残るように生の食品材料Ａを充填する。次
いで前記包装膜102の両側開放部に、中央に電極支柱109
を備えた絶縁筒108と、その外方に取付筒110を一体に設
けた電極107,107を夫々嵌装せしめると共に包装膜102の
締縛用余剰端部103,103を取付筒110,110の内周面に沿つ
て折返し状に装填せしめて両側が上記電極107,107によ
り閉塞された包装品Ｂを作製する。

以上のようにして、包装品Ｂが得られたならば該包装品
Ｂを両端が開放された絶縁容器101内へ収納する。次い
で絶縁容器101の両側開放部に弾機114を備えた一対の電
極押圧蓋112,112を夫々被蓋する。さすれば一対の電極1
07,107は弾機114,114の付勢弾力で食品材料Ａを短側よ
り挾圧せしめると同時に絶縁筒108,108を電極押圧蓋11
2,112外に突出させた状態となる。このような状態とな
つたら、左右何れが一方の電極支柱109を使用して、温
度検知針116を充填された食品材料Ａの略中央部に向け
挿入し、次いで両電極107,107間に亘り通電を施して熟
熱殺菌せしめると共に食品材料Ａが所定温度まで熟熱さ
れたら温度検知針116の検知作動で自動的に通電を断
つ。そこで温度検知針116を引き抜いた後、左右の電極
押圧蓋112,112を取外し、さらに左右の絶縁筒108,18を
両手に持つて左右逆方向に捻回せしめる。さすれば絶縁
筒108,108の左右逆方向の捻回作用で、取付筒110,110の
内周面に沿つて折返し状に装填された包装膜102の締縛
用余剰端部103,103も適確に捻回されると同時に、捻曲
回数に応じ除々に取付筒110,110の内周面に沿い引き出
される。

したがつて、前記捻回操作を適当回数行えば、加工され
た包装品Ｂの両側には適宜の捻曲部が形成されるので、
その捻曲部を紐若しくは金具等の締縛具117,117で締縛
すれば、完全に殺菌された状態の密封包装食品Ｃが得ら
れる。なおこの際生じた余分の締縛用余剰端部103,103
は切捨ればよい。

なお、上記熟熱殺菌加工中において、食品材料Ａが発生
したジユール熱で、その含有水分から発散する水蒸気の
圧力で膨張した場合が生じても、包装品Ｂは周囲が絶縁
容器101で囲まれているが、両側は弾機114,114で付勢さ
れているので、膨張に応じ電極107,107は弾機114,114の
弾力に抗して左右へ適宜移動され製品に適度の締りを与
えると同時に膨張作用により包装品Ｂが破裂されること
を未然に防止せしめる。

実施例 本発明方法を実施させるための装置の構成を添附図面に
示された好適な一実施例について説明する。

第１図ないし第４図において、101は全体を絶縁性の材
料により成形した両端を開放した筒状の絶縁容器にあつ
て、該絶縁容器101は二個の半円筒101a,101bを蝶番105
と係止金具104とにより蝶番105を軸として開閉できるよ
う筒状に構成されており、しかも絶縁容器101の左右両
側には反対方向に向く係合溝106,106が適当数設けられ
ている。102は、包装食品例えば、ハム、プレスハム、
ソーセージ、蒲鉾、すり身材料、その他の食品に用いら
れる食品材料Ａを充填装入せしめるための両端開放状の
絶縁性材料で塑成された筒状の包装膜であつて、該包装
膜102の両側には食品材料Ａが充填されていない締縛用
余剰端部103,103が設けられている。107,107は、包装膜
102の両側開放部に抜き差し自在に嵌装された一対の電
極であつて、該一対の電極107は、中央に電極支柱109を
備えた絶縁筒108と、該絶縁筒108より大径となり、かつ
一側を開放状とした有低筒状を呈する取付筒110とを一
体にして構成されており、しかも前記取付筒110の内周
面には包装膜102の締縛用余剰端部103を折返し状に装填
せしめてある。そして食品材料Ａと接する夫々の電極10
7,107の内面は扁平状に形成すればこれが表面には、吸
水及び透湿性材料例えば繊維材、不織布、パルプ、紙又
は透湿性膜体例えばビニロンフイルム等に稀塩水を含湿
した含湿接電体111,111が夫々配設されている。

112,112は、絶縁容器101の両側開放部を被蓋するための
一対からなる電極押圧蓋であつて、該電極押圧蓋112,11
2の内面には弾機114,114の基端側を止着した弾機止台11
3,113を夫々装着せしめて、被蓋時に前記弾機114,114の
弾発力により一対の電極107,107を食品材料Ａへ圧接せ
しめると同時に絶縁筒108,108を電極押圧蓋112,112より
外側に夫々突出せしめる。したがつて、前記一対の電極
押圧蓋112,112の中央には絶縁筒108,108が貫通する孔11
8が設けられている。なお前記絶縁容器101の両側開放部
に被蓋されて電極押圧蓋112,112の内周面には絶縁容器1
01の左右両側に反対方向に向け設けられた係合溝106,10
6に係合される係合突起115……を付設して、係合溝106
の係合突起115との係合作用で電極押圧蓋112,112を確実
に絶縁容器101の両側の係止せしめる。

Ｂは食品材料Ａを充填した包装膜102の左右両側に、一
対の電極107,107を挿入して形成した包装品である。

前述した、一対の電極支柱109,109の何れか一方は中空
状に形成せしめて、温度検知針116を中空部を通して充
填された食品材料Ａの略中央部位置へ挿入せしめて食品
材料Ａの熟熱温度を検知すると同時に食品材料Ａが所定
の熟熱温度に達したら一対の電極107,107への通電を断
つように作動せしめる。117,117は、左右一対の絶縁筒1
08,108を互いに反対方向へ向け捻回することで、締縛用
余剰端部103,103を捻曲して得られた捻曲部を締結する
ための締縛具で紐若しくは金具等が採用される。

発明の効果 要するに本発明の装置によれば、食品材料Ａを充填した
包装膜102の両側に設けられた締縛用余剰端部103,103
に、中央に電極支柱109を備えた絶縁筒108とその外方に
締縛用余剰端部103が内周面に沿つて折返し状に装填さ
れる取付筒110を一体に設けた一対の電極107,107を挿入
せしめたことで両側が確実に閉塞された包装品Ｂを簡単
に得ることができる許りか該包装品Ｂは両端を開放した
絶縁容器101内に収納した後、絶縁容器101の両側を弾機
114を内設した電極押圧蓋114,114で被蓋したから、前記
一対の電極107,107は弾機114,114の附勢弾力で確実に食
品材料Ａに圧接されると同時に通電加工時に食品材料Ａ
が如何に膨張しても破損することなく製品に適度の締り
を与えながら通電作用を良好に行わせ、食品材料Ａを短
時間内に熟熱殺菌せしめることができると共に、取付筒
110,10の内周面には特に包装膜102の締縛用余剰端部10
3,103が折返し状に装填され、しかも絶縁筒108,108は電
極押圧蓋112,112外に突出されているので、通電終了以
後において絶縁筒108,108を互いに反対方向に捻回せし
めた際には、取付筒110,110に密着状に装填された締縛
用余剰端部103,103を辷ることなく絶縁筒108,108と共に
反対方向に捻回せしめて隙間のない捻曲部を形成し、こ
れが捻局部を締縛することにより加工された包装品Ｂ内
に雑菌が進入することがなく略完全な密封包装食品を簡
単に製造することができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る製造装置の一実施例を示すものであ
つて、第１図は通電状態時の縦断正面図、第２図は一部
を切欠した絶縁容器と電極押圧蓋との展開斜視図、第３
図は絶縁容器を開放し、内部に包装品を収納した状態を
示す正面図、第４図は締縛終了状態時を示す正面図、第
５図は従来例の縦断正面図、第６図は従来例の締縛終了
状態図を示す正面図である。 101……絶縁容器、102……包装膜、103……締縛用余剰
端部、107……電極、108……絶縁筒、109……電極支
柱、110……取付筒、112……電極押圧蓋、114……弾
機、Ａ……食品材料、Ｂ……包装品、Ｃ……密封包装食
品

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】両側に締縛用余剰端部が形成されるように
   食品材料を充填した包装膜の両側開放部に、中央に電極
   支柱を備えた絶縁筒と、包装膜の締縛用余剰端部を内周
   面に沿い折り返し状に装填した取付筒を一体に設けた一
   対の電極を抜き差し自在に挿入して形成した包装品を絶
   縁容器内に出し入れ自在に収納し、前記絶縁容器の両側
   開放部には弾機を内設した電極押圧蓋を取外し自在に被
   蓋して食品材料を一対の電極で押圧せしめると同時に、
   絶縁筒を電極押圧蓋外に突出せしめたことを特徴とする
   密封包装食品製造装置。