JPH07286481A - ガラス戸用断熱パネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 既存のガラス戸に簡単に取り付けることがで
き、しかも２重構造のガラス戸と同様の断熱効果が得ら
れるガラス戸用断熱パネルを提供すること。 【構成】 パネル本体２の吸盤配設面をガラス戸ＧＤの
ガラス板Ｇに向き合わせ、戸枠Ｗの内側にパネル本体２
を嵌め込んで各吸盤３をガラス板Ｇに押し付けた後、パ
ネル本体２の周縁と戸枠Ｗとの隙間をシールテープＴで
封止することによって既存のガラス戸に簡単に取り付け
ることができる。取り付け後はパネル本体２とガラス板
Ｇとの間に吸盤３で規定される所定厚の密封空気層を形
成して、該空気層により２重構造のガラス戸と同様の断
熱効果が得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、既存のガラス戸に取り
付けて使用され、優れた断熱効果を発揮する断熱パネル
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】冷暖房時にガラス戸部分で生じるエネル
ギー損失（熱交換作用）を防止するため、既存のガラス
戸（単層構造のガラス戸）を２重構造のガラス戸に交換
する方法が広く採用されている。このガラス戸は２枚の
ガラス板とシール材を介して両ガラス板を囲む戸枠とか
ら構成されており、ガラス板間に形成された密封空気層
によって断熱作用を得ることができる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、２重構
造のガラス戸はそれ自体が高価であり、既存のガラス戸
と交換するにはそれ相当の工事費用と時間を要する問題
点がある。

【０００４】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、既存のガラス戸に簡単に
取り付けることができ、しかも２重構造のガラス戸と同
様の断熱効果が得られるガラス戸用断熱パネルを提供す
ることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１の発明に係る断熱パネルは、ガラス戸のガ
ラス板露出寸法に相当する大きさを有するパネル本体
と、パネル本体の一面に配設されガラス板に止着可能な
吸盤とを具備し、ガラス戸のガラス板に吸盤を押し付け
た後、パネル本体の周縁をガラス戸に封止することで取
り付けられることを特徴としている。

【０００６】請求項２の発明に係る断熱パネルは、ガラ
ス戸のガラス板露出寸法に相当する大きさを有するパネ
ル本体と、パネル本体の一面周囲に配設されガラス板に
密着可能なパッキン枠と、パネル本体のパッキン枠内側
部分に配置されパッキン枠側への空気流入を阻止する逆
止弁とを具備し、ガラス戸のガラス板にパッキン枠を押
し付けた後、ガラス板，パネル本体及びパッキン枠で画
成された空間内の空気を逆止弁を通じて抜き出して該空
間を負圧にすることで取り付けられることを特徴として
いる。

【０００７】

【作用】請求項１の発明に係る断熱パネルは、ガラス戸
のガラス板に吸盤を押し付けた後、パネル本体の周縁を
ガラス戸に封止することで取り付けられる。取り付け後
の断熱パネルのパネル本体とガラス戸のガラス板との間
には、吸盤で規定される所定厚の密封空気層が形成さ
れ、該空気層により２重構造のガラス戸と同様の断熱作
用が発揮される。

【０００８】請求項２の発明に係る断熱パネルは、ガラ
ス戸のガラス板にパッキン枠を押し付けた後、ガラス
板，パネル本体及びパッキン枠で画成された空間内の空
気を逆止弁を通じて抜き出して該空間を負圧にすること
で取り付けられる。取り付け後の断熱パネルのパネル本
体とガラス戸のガラス板との間には、パッキン枠で規定
される所定厚の密封空気層が形成され、該空気層により
２重構造のガラス戸と同様の断熱作用が発揮される。

【０００９】

【実施例】図１及び図２には本発明の第１実施例を示し
てある。本実施例の断熱パネル１は、矩形状のパネル本
体２と、該パネル本体２の一面に３×３配列で配設され
た計９個の吸盤３とから構成されている。

【００１０】パネル本体２はアクリル，塩化ビニル等の
透明樹脂から成り、５ｍｍ前後の厚みと後述するガラス
戸ＧＤのガラス板Ｇ露出部分に相当する縦横寸法を有し
ている。

【００１１】各吸盤３はＳＢＲ，ＮＢＲ等の合成ゴム、
好ましくは透明ゴムから成り、可撓性を有する椀状の吸
着部３ａと該吸着部３ａの背面中央に形成された肉厚の
固定部３ｂとを有している。視界減少を回避するため吸
盤３には直径約５ｍｍで高さが約３ｍｍの小型のものが
使用されており、各吸盤３は固定部３ｂの平坦面を接着
剤を介してパネル本体２に固着されている。

【００１２】ここで、上記断熱パネル１の取り付け方法
を図３を参照して説明する。尚、図３におけるＧＤは単
層構造のガラス戸、Ｇはガラス板、Ｗはガラス板Ｇの周
囲を囲む戸枠、Ｓはガラス板Ｇと戸枠Ｗとの間に介装さ
れたシール材である。

【００１３】まず、パネル本体２の吸盤配設面をガラス
戸ＧＤのガラス板Ｇに向き合わせ、戸枠Ｗの内側にパネ
ル本体２を嵌め込んで各吸盤３をガラス板Ｇに押し付け
る。これにより各吸盤３の吸着部３ａが拡開変形してガ
ラス板Ｇに止着し、パネル本体２がガラス板Ｇに取り付
けられる。次に、パネル本体２の周縁と戸枠Ｗとの隙間
をシールテープＴで封止しパネル全体の密封を行う。

【００１４】パネル本体２の縦横寸法がガラス板Ｇの露
出寸法よりも大きい場合には、パネル本体２を予めカッ
ティングしてその寸法合わせを行う。パネル本体２が樹
脂製であるので、カッターナイフ等で切り込み線を形成
し折り曲げるだけで簡単に切断除去することができる。

【００１５】取り付け後の断熱パネル１のパネル本体２
とガラス戸ＧＤのガラス板Ｇとの間には、吸盤３で規定
される所定厚の密封空気層が形成され、該空気層により
２重構造のガラス戸と同様の断熱作用と遮音作用，結露
防止作用等が発揮される。

【００１６】本実施例の断熱パネル１は既存のガラス戸
に簡単に取り付けて使用できるので、２重構造のガラス
戸に交換する場合に比べてコスト面に遥かに有利であ
り、また専門業者でなくともパネル取り付けを行える利
点がある。

【００１７】図４（Ａ）〜（Ｄ）には上記吸盤の変形例
を夫々示してある。図４（Ａ）の吸盤４は、第１実施例
同様の椀状吸着部４ａに該吸着部４ａ全体を覆う有底筒
状のカバー部４ｂを連設したもので、カバー部４ａの平
坦面を接着剤を介してパネル本体２に固着される。本例
ではカバー部４ｂによって吸着部４ａを隠蔽して室内側
からの美観を向上できる利点がある。

【００１８】図４（Ｂ）の吸盤５は、第１実施例同様の
椀状吸着部５ａを対称形に連設したもので、一方の吸着
部５ａをパネル本体２に止着して使用される。本例では
吸盤５の固着に接着剤が不要であり、吸盤５の配設位置
を利用者側で選択できる利点がある。

【００１９】図４（Ｃ）の吸盤６は、第１実施例同様の
複数の椀状吸着部６ａを板状の支持板６ｂに間隔をおい
て配設したもので、支持板６ｂの平坦面を接着剤を介し
パネル本体２に固着される。本例で複数の吸盤の固着を
支持板６ｂを用いて一括で行うことができ、しかも支持
板６ｂによって吸着部６ａを隠蔽して室内側からの美観
を向上できる利点がある。また、支持板６ｂを縦横交差
した格子状等の形状とすれば全吸盤のパネル本体２に対
する固着を一括で行うこともできる。

【００２０】図４（Ｄ）の吸盤７は、第１実施例同様の
複数の椀状吸着部７ａを断面コ字形のカバー枠７ｂの内
側に間隔をおいて配設したもので、カバー枠７ｂの平坦
面を接着剤を介してパネル本体２に固着される。本例で
は複数の吸盤の固着をカバー枠７ｂを用いて一括で行う
ことができ、しかもカバー枠７ｂによって吸着部７ａを
隠蔽して室内側からの美観を向上できる利点がある。ま
た、カバー枠７ｂを縦横交差した格子状等の形状とすれ
ば全吸盤のパネル本体２に対する固着を一括で行うこと
もできる。

【００２１】図５には本発明の第２実施例を示してあ
る。本実施例は、第１実施例に示した断熱パネル１のパ
ネル本体２に吸盤３の配列に合わせて格子状のライン２
ａを印刷したものであり、該ライン２ａによってパネル
本体２の美観向上を図っている。ライン２ａは縦方向又
は横方向の一方でもよく、ライン幅を太くすれば該ライ
ンによって吸盤３又は図４に例示した各種吸盤を室内側
から完全に隠蔽することも可能である。

【００２２】図６及び図７には本発明の第３実施例を示
してある。本実施例の断熱パネル１１は、矩形状のパネ
ル本体１２と、該パネル本体１２の一面周囲に配設され
た矩形状のパッキン枠１３と、パネル本体１２のパッキ
ン枠内側部分に配置された逆止弁１４とから構成されて
いる。

【００２３】パネル本体１２はアクリル，塩化ビニル等
の透明樹脂から成り、５ｍｍ前後の厚みと後述するガラ
ス戸ＧＤのガラス板Ｇ露出部分に相当する縦横寸法を有
している。また、パネル本体１２の下部一端には逆止弁
１４を取り付けるための孔１２ａが形成されている。

【００２４】パッキン枠１３はＳＢＲ，ＮＢＲ等の合成
ゴム、好ましくは透明ゴムから成り、３ｍｍ前後の高さ
を有し、その一面を接着剤を介してパネル本体１２に固
着されている。

【００２５】逆止弁１４は、一端に排気口１４ａを他端
に吸気口１４ｂを備え内部に弁座１４ｃを有する弁本体
１４ｄと、弁座１４ｄとの協働で吸気口１４ｂを開閉す
るボール弁１４ｅと、ボール弁１４ｅを弁座１４ｄに付
勢するコイルバネ１４ｆと、環状パッキン１４ｇと、固
定ナット１４ｈとから構成されており、弁本体１４ｄを
パッキン枠側から孔１２ａに挿入しその突出部分（ネジ
部）に固定ナット１４ｈを締結することでパネル本体１
２に固着されている。この逆止弁１４は吸気口１４ｂか
ら排気口１４ａに向かう空気の流れを許容し、逆方向の
空気の流れを阻止する機能を有している。

【００２６】ここで、上記断熱パネル１１の取り付け方
法を図８を参照して説明する。尚、図８におけるＧＤは
単層構造のガラス戸、Ｇはガラス板、Ｗはガラス板Ｇの
周囲を囲む戸枠、Ｓはガラス板Ｇと戸枠Ｗとの間に介装
されたシール材である。

【００２７】まず、パネル本体１２のパッキン枠配設面
をガラス戸ＧＤのガラス板Ｇに向き合わせ、戸枠Ｗの内
側にパネル本体１２を嵌め込んでパッキン枠１３をガラ
ス板Ｇに押し付ける。

【００２８】次に、逆止弁１４の排気口１４ａに適当な
吸引装置、例えば掃除機のホースＣの先端を接続して該
掃除機を作動させる。ガラス板Ｇ，パネル本体１２及び
パッキン枠１３で画成された空間が小容量であることか
ら、上記の吸引装置には掃除機の代わりに注射器や簡易
ポンプ等を用いることも可能である。

【００２９】これによりコイルバネ１４ｆの付勢力に抗
しボール弁１４ｅが後退して吸気口１４ｂが開放し、ガ
ラス板Ｇ，パネル本体１２及びパッキン枠１３で画成さ
れた空間内の空気が排気口１４ａから抜き出され、負圧
によりパッキン枠１３がガラス板Ｇに密着してパネル本
体１２がガラス板Ｇに取り付けられる。

【００３０】取り付け完了後にホースＣを外せば、ボー
ル弁１４ｅはコイルバネ１４ｅの付勢力によって自動的
に復帰して吸気口１４ｂが閉塞され、取り付け状態が保
持される。

【００３１】取り付け後の断熱パネル１１のパネル本体
１２とガラス戸ＧＤのガラス板Ｇとの間には、パッキン
枠１３で規定される所定厚の密封空気層が形成され、該
空気層により２重構造のガラス戸と同様の断熱作用と遮
音作用，結露防止作用等が発揮される。特に上記の密封
空気層が負圧下で形成されているので、第１実施例に比
べて結露防止の点で優れた作用が期待できる。

【００３２】本実施例の断熱パネル１１は既存のガラス
戸に簡単に取り付けて使用できるので、２重構造のガラ
ス戸に交換する場合に比べてコスト面に遥かに有利であ
り、また専門業者でなくともパネル取り付けを行える利
点がある。

【００３３】図９（Ａ），（Ｂ）には逆止弁の変形例を
夫々示してある。図９（Ａ）の逆止弁１５は、一端に排
気口１５ａを他端に吸気口１５ｂを備え内部に弁座１５
ｃを有する弁本体１５ｄと、弁座１５ｄとの協働で吸気
口１５ｂを開閉する弁体１５ｅと、弁体１５ｅの後部に
一体形成された螺旋状のバネ部１５ｆと、環状パッキン
１５ｇと、固定ナット１５ｈとから構成されている。こ
の逆止弁１５は上記逆止弁１４と同様に、弁本体１５ｄ
をパッキン枠側から孔１２ａに挿入しその突出部分（ネ
ジ部）に固定ナット１５ｈを締結することでパネル本体
１２に固着される。本例の逆止弁１５は弁体１５ｅとバ
ネ部１５ｆとが一体形成されているので、上記逆止弁１
４に比べて部品点数が少なくその分安価に形成できる利
点がある。

【００３４】図９（Ｂ）の逆止弁１６は、通孔１６ａを
有する本体１６ｂと、その一端を本体１６ｂに接続され
たシート弁１６ｃとから構成されている。シート弁１６
ｃは筒状フィルム材、或いは２枚の縦長フィルムを重ね
合わせて両側縁を接着させて形成されており、端部位置
に形成される密着部分で上記同様の弁作用、即ち通孔１
６ａから弁シート１６ｃに向かう空気の流れを許容し、
逆方向の空気の流れを阻止する機能を有している。この
逆止弁１６は、本体１６ｂをパネル本体１２の孔１２ａ
に挿入しこれを接着することでパネル本体１２の固着さ
れる。本例の逆止弁１６は構造が極めて簡素であり、上
記の逆止弁１４，１５に比べて格段安価にできる利点が
ある。

【００３５】図１０には本発明の第４実施例を示してあ
る。本実施例は、第３実施例に示した断熱パネル１１の
パッキン枠１３に縦長の補強部１３ａを増設したもので
あり、各補強部１３ａには取り付け時の空気流通を確保
するための孔１３ｂが形成されている。本実施例では取
り付け時にパネル本体１２に発生する撓みを補強部１３
ａによって防止することができる。勿論、補強部１３ａ
は横長のものや縦横の組み合わせ形状であってもよい。

【００３６】尚、第１〜第４実施例におけるパネル本体
は必ずしも透明である必要はなく、有彩，無彩色で着色
した半透明或いは非透明のものであってもよい。また、
パネル本体に模様や絵柄等を印刷しておけば装飾効果を
同時に得ることもできる。

【００３７】

【発明の効果】以上詳述したように、請求項１及び２の
発明によれば、既存のガラス戸に簡単に取り付けて使用
できるので、２重構造のガラス戸に交換する場合に比べ
てコスト面に遥かに有利であり、また専門業者でなくと
もパネル取り付けを行える利点がある。また、取り付け
後はパネル本体とガラス板との間に形成される密閉空気
層によって２重構造のガラス戸と同様の断熱効果が得る
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例に係る断熱パネルの斜視図

【図２】図１の要部断面図

【図３】図１に示した断熱パネルの取り付け方法説明図

【図４】吸盤の変形例を示す図

【図５】本発明の第２実施例に係る断熱パネルの正面図

【図６】本発明の第３実施例に係る断熱パネルの斜視図

【図７】図６の要部断面図

【図８】図６に示した断熱パネルの取り付け方法説明図

【図９】逆止弁の変形例を示す図

【図１０】本発明の第４実施例に係る断熱パネルの斜視
図

【符号の説明】

１…断熱パネル、２…パネル本体、３，４，５，６，７
…吸盤、１１…断熱パネル、１２…パネル本体、１３…
パッキン枠、１４，１５，１６…逆止弁、ＧＤ…ガラス
戸、Ｇ…ガラス板。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガラス戸のガラス板露出寸法に相当する
   大きさを有するパネル本体と、パネル本体の一面に配設
   されガラス板に止着可能な吸盤とを具備し、 ガラス戸のガラス板に吸盤を押し付けた後、パネル本体
   の周縁をガラス戸に封止することで取り付けられる、 ことを特徴とするガラス戸用断熱パネル。
2. 【請求項２】 ガラス戸のガラス板露出寸法に相当する
   大きさを有するパネル本体と、パネル本体の一面周囲に
   配設されガラス板に密着可能なパッキン枠と、パネル本
   体のパッキン枠内側部分に配置されパッキン枠側への空
   気流入を阻止する逆止弁とを具備し、 ガラス戸のガラス板にパッキン枠を押し付けた後、ガラ
   ス板，パネル本体及びパッキン枠で画成された空間内の
   空気を逆止弁を通じて抜き出して該空間を負圧にするこ
   とで取り付けられる、 ことを特徴とするガラス戸用断熱パネル。