JPH072855A - 三環性キノキサリンジオン誘導体 - Google Patents

三環性キノキサリンジオン誘導体

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JPH072855A
JPH072855A JP6084415A JP8441594A JPH072855A JP H072855 A JPH072855 A JP H072855A JP 6084415 A JP6084415 A JP 6084415A JP 8441594 A JP8441594 A JP 8441594A JP H072855 A JPH072855 A JP H072855A
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JP
Japan
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group
compound
formula
quinoxaline
dihydro
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Pending
Application number
JP6084415A
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English (en)
Inventor
Tatsu Nagata
龍 永田
Norihiko Tanno
紀彦 丹野
Hiroshi Yamaguchi
浩史 山口
Toru Takado
透 高堂
Nobuyuki Ae
申行 阿江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd filed Critical Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
Priority to JP6084415A priority Critical patent/JPH072855A/ja
Publication of JPH072855A publication Critical patent/JPH072855A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 NMDA受容体のグリシン結合部位の選択的
拮抗剤を提供する。 【構成】一般式1で表される三環性キノキサリンジオン
誘導体またはその塩。 【化1】 式中、Xは水素、アルキル、ハロゲン、シアノ、トリフ
ルオロメチルまたはニトロ;R1は水素、アルキル、シ
クロアルキルまたはシクロアルキルアルキル;Gは式:
−CONR2−または−NR2CO−(R2は水素またはア
ルキル);Jは酸性基または生体内で酸性基に変換され
得る基;Eは塩基性基または生体内で塩基性基に変換さ
れ得る基;Yは単結合、アルキレン、アルケニレン、置
換アルキレン、または式:Y1−Q−Y2(Y1は単結合ま
たはアルキレン、Y2はアルキレンおよびQは酸素また
はイオウ);およびZはアルキレン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な三環性キノキサリ
ンジオン誘導体に関する。さらに詳しくは、本発明は脳
移行性に優れる、副作用の少ないNMDA(N−メチル
−D−アスパラギン酸)受容体のグリシン結合部位拮抗
剤に関する。本発明化合物は例えば脳卒中、低血糖症、
心臓停止、周産期仮死等の際の虚血あるいは低酸素状態
により引き起こされる中枢神経系の損傷を最小にするの
に有効であり、癲癇、ハンチントン舞踏病、パーキンソ
ン氏病、アルツハイマー病等の神経細胞変性障害の予防
または治療剤として有用である。
【0002】
【従来の技術】三環性キノキサリンジオンである、6,
7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キ
ノキサリン−2,3−ジオンおよび5,6−ジヒドロ−1
H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジ
オンは本発明の優先権主張日のあと公開されたWO/9
3/08188に、NMDA受容体やAMPA(2−ア
ミノ−3−ヒドロキシ−5−メチル−4−イソキサゾー
ルプロピオン酸)受容体などのグルタミン酸受容体の選
択的拮抗剤として開示されている。しかしながら、本発
明の化合物はインビボでWO/93/08188に例示
の化合物より全身投与下でずっと高い活性を示す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はNMDA(N
−メチル−D−アルパラギン酸)受容体のグリシン結合
部位の選択的拮抗剤である新規な三環性キノキサリンジ
オン誘導体に関する。さらに詳しくは、本発明の化合物
は全身投与下でNMDA受容体の励起に対してインビボ
で拮抗作用を示し、そのため例えば脳卒中、低血糖症、
心臓停止、周産期仮死等の際の虚血あるいは低酸素状態
により引き起こされる中枢神経系の損傷を最小にするの
に特に有用である(J.マッキュロッホ、Br.J.Cli
n.Pharmacol.,34,106(1992))。本
発明の化合物は癲癇、ハンチントン舞踏病、パーキンソ
ン氏病、アルツハイマー病等を含む多くの神経細胞変性
障害の治療剤として有用である(G.ジョンソン、Ann
u.Rep.Med.Chem.,24,41(1989)およ
びG.ジョンソンおよびC.F.ビッグ、同,26,11(1
991))。本発明化合物はこれらNMDA−グリシン拮
抗作用に基づく鎮痛作用、抗鬱作用、抗不安作用および
抗精神分裂作用も示すとされている(例えば、A.H.デ
ィッケンソンおよびE.アイダー、Neuroscie
ne Lett.,121,263(1991)、R.チュル
ラスおよびP.スコルニック、Eur.J.Pharma
col.,185,1(1990)、J.H.ケーンら、Eu
r.J.Pharmacol.,193,283(199
1)、P.H.ハトソンら、Br.J.Pharmaco
l.,103,2037(1991))。これらの文献ではN
MDA受容体のグリシン結合部位に影響を及ぼす試薬は
このような作用も有するとしている。神経細胞およびグ
リア細胞からのグルタミン酸および/またはグリシンの
過剰遊離はNMDA受容体−Ca2+チャネル複合体の過
剰励起と引き続く細胞内への大量のCa2+流入を引き起
こしそれにより神経細胞死を起こす。本発明で表すNM
DA−グリシン拮抗剤は神経細胞の正常活性を保持する
ためにNMDA受容体−Ca2+チャネル複合体のグリシ
ン調節部位からのCa2+流入量を調節していると考えら
れる。従って、本発明化合物は上記の疾病の他にグルタ
ミン酸および/またはグリシンの過剰遊離により引き起
こされる、ヒトをふくむ動物の疾病の強力な治療剤とな
りうる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は下記式(1)で示
される新規な三環性キノキサリンジオン誘導体またはそ
の薬理的に許容しうる塩を提供する。
【化3】 式中、Xは水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シア
ノ基、トリフルオロメチル基またはニトロ基;R1は水
素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはシクロア
ルキルアルキル基;Gは式:−CONR2−または−N
2CO−(R2は水素原子またはアルキル基)で示される
基;Jは酸性基または生体内で酸性基に変換され得る
基;Eは塩基性基または生体内で塩基性基に変換され得
る基;Yは単結合、アルキレン基、アルケニレン基、置
換されたアルキレン基または式:Y1−Q−Y2(Y1は単
結合またはアルキレン基、Y2はアルキレン基、および
Qは酸素原子およびイオウ原子から選ばれるヘテロ原
子)で示される基;Zはアルキレン基を表す。
【0005】本発明化合物はJで示される基とEで示さ
れる基が同時に分子内に存在することで、それらの一方
のみを有する化合物と比べインビボでより高い活性を発
現することができる。
【0006】本発明はまた下記一般式6で示され、一般
式1の化合物の合成に有用な中間体であるアニリン誘導
体に関する。
【化4】 (式中、R2、YおよびZは前記と同意義である;J0
保護されたカルボキシル基;E0は式:−NHL1、−N
HC(=NL1)NHL1(L1はアミノ基またはグアニジノ
基の保護基である)で示される基である)。
【0007】本発明において、保護されたカルボキシル
基としては、例えば式:−CO26(R6はアルキル、置
換されたアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルア
ルキル、アリールアルキル、置換されたアリールアルキ
ル、あるいはアルケニルである)で示される基が挙げら
れ、好ましい例としては−CO2Meが挙げられる。
【0008】アミノ基またはグアニジノ基の保護基とし
ては、例えば式:−CO20(R0はアルキル、シクロア
ルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、置換され
たアリール、アリールアルキル、置換されたアリールア
ルキル、あるいはアルケニルである)で示される基が挙
げられ、好ましい例としてはt−ブトキシカルボニルが
挙げられる。
【0009】アリールアルキル基としては、例えば炭素
数15以下の、アリール基と結合した直鎖または分枝鎖
アルキル基が挙げられ、具体例としてはベンジル、フェ
ニルエチル、1−または2−ナフチルメチル、および1
−または2−ナフチルプロピルが挙げられる。
【0010】アリール基としては、例えば炭素数10以
下のアリール基が挙げられ、具体例としてはフェニル、
ナフチルが挙げられる。
【0011】置換されたアリール基または置換されたア
リールアルキル基の置換基の数は3程度までであり、置
換基としてはアルキル、ハロゲン原子、トリフルオロメ
チル、アルコキシが挙げられる。
【0012】置換されたアルキル基の置換基の数は3程
度までであり、置換基としてはアルコキシ、ハロゲン原
子、トリメチルシリルが挙げられる。
【0013】アルキル基としては、例えば炭素数1〜6
の直鎖または分枝鎖アルキル基が挙げられ、具体例とし
てはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、s
ec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、n−
ペンチルおよびn−ヘキシルが挙げられる。
【0014】ハロゲン原子としては、例えばフッ素、塩
素、臭素およびヨウ素が挙げられ、とくに塩素と臭素が
挙げられる。
【0015】アルコキシ基としては、例えば炭素数1〜
6の直鎖または分枝鎖アルコキシ基が挙げられ、具体例
としてはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポ
キシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ネオペ
ントキシ、ペントキシおよびヘキソキシが挙げられる。
【0016】シクロアルキル基としては、例えば炭素数
3〜7のシクロアルキル基が挙げられ、具体例としては
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シク
ロヘキシルおよびシクロヘプチルが挙げられる。
【0017】シクロアルキルアルキル基としては、例え
ば炭素数13以下の、シクロアルキル基が結合した直鎖
または分枝鎖アルキル基が挙げられ、具体例としてはシ
クロプロピルメチル、2−シクロペンチルエチル、シク
ロヘキシルメチルおよび3−シクロヘキシルプロピルが
挙げられる。
【0018】塩基性基とは生体内で容易にプロトン化さ
れてカチオンとなる基が挙げられ、具体例としては−N
2、−NHR3E、−NR3E4E、−NH−C(=NH)
−NH2、−NH−C(=NH)−NHR3E、および−N
H−C(=NH)−NR3E4E(R3EおよびR4Eは独立し
てアルキル、シクロアルキル、アルケニルまたはシクロ
アルキルアルキル、またはR3EとR4Eは結合して環状ア
ミンを形成する)が挙げられる。
【0019】アルケニル基としては、例えば炭素数3〜
6の直鎖または分枝鎖アルケニル基でそのオレフィン炭
素は窒素原子あるいは酸素原子と直接には結合していな
いものが挙げられ、具体例としてはアリル、2−ブテニ
ルおよび3−ブテニルが挙げられる。
【0020】生体内で塩基性基に変換され得る基として
は、例えば−NHL、−NLR3E、−NH−C(=NL)
−NH2、−NH−C(=NL)−NHR3Eおよび−NH
−C(=NL)−NR3E4E(ここではR3EおよびR4E
前記と同じ意味を表し、Lは生体内で加水分解される
基、たとえばアルカノイル基またはアルコキシカルボニ
ル基である)が挙げられる。
【0021】アルカノイル基としては、例えば炭素数1
〜6の直鎖または分枝鎖アルカノイル基が挙げられ、具
体例としてはホルミル、アセチル、プロパノイル、n−
ブタノイルおよびピバロイルが挙げられる。
【0022】アルコキシカルボニル基としては、例えば
炭素数2〜6の直鎖または分枝鎖アルコキシカルボニル
基が挙げられ、具体例としてはメトキシカルボニル、エ
トキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポ
キシカルボニル、sec−ブトキシカルボニルおよびt
ert−ブトキシカルボニルが挙げられる。
【0023】酸性基としては、例えば生体内で容易に脱
プロトン化しアニオンとなる基が挙げられ、具体例とし
てはカルボキシルおよびテトラゾリルが挙げられる。
【0024】生体内で酸性基に変換され得る基とは生体
内で加水分解により酸性基を生じる基をいい、具体例と
しては−COOR3J、−CONH2、−CON(OH)
H、−CONHR3J、−CON(OH)R3J、−CON
(OR5J)R3Jおよび−CONR3J4J(R3JおよびR4J
は独立してアルキル、シクロアルキル、アルケニル、ア
リールアルキル、置換されたアリールアルキル、または
シクロアルキルアルキルを表すか、またはR3JおよびR
4Jは結合して環状アミンを形成し、R5Jはアルキルを表
す)が挙げられる。
【0025】R3EとR4E、またはR3JとR4Jが結合して
形成する環状アミンとしては、例えばアゼチジン、ピロ
リジン、ピペリジンなどの3〜7員環状アミンやピペラ
ジン、N−メチルピペラジン、モルホリンのような酸素
原子または窒素原子を含有しその酸素または窒素原子は
常に隣接するアルキレン基に結合している5〜7員環状
アミンが挙げられる。
【0026】アルキレン基としては、例えば炭素数1〜
6の直鎖または分枝鎖アルキレン基が挙げられ、具体例
としてはメチレン、ジメチレン、トリメチレン、テトラ
メチレン、2−メチルトリメチレン、3−メチルトリメ
チレン、1,1−ジメチルメチレン、ペンタメチレンお
よびヘキサメチレンが挙げられる。
【0027】アルケニレン基としては、例えば炭素数2
〜6の直鎖または分枝鎖アルケニレン基が挙げられ、具
体例としてはビニレン、1−プロペニレン、2−プロペ
ニレン、3−ブテニレン、2−エチル−3−ブテニレ
ン、4−ペンテニレン、3−メチル−4−ペンテニレン
および1−ヘキセニレンが挙げられる。
【0028】置換されたアルキレン基の置換基として
は、例えば水酸基、−OR3S、−OCOR3S、アミノ、
−NHCOR3S、−NHCO23S、カルボキシル基お
よびCO23S(R3Sはアルキル、シクロアルキル、アル
ケニルまたはシクロアルキルアルキルを表す)が挙げら
れ、置換されたアルキレン基の具体例としては、−CH
(OH)−、−CH(OAc)−、−CH(CO2−tert
−Bu)−および−CH2−CH2−CH(CO2Et)−が
挙げられる。置換基とJで示される基は同一炭素原子に
結合しているのが望ましい。
【0029】Y1−Q−Y2の具体例としては−O−CH
2−、−S−CH2−、−CH2−O−CH2−、−CH2
−S−CH2−および−CH2CH2−O−CH(CH3)−
が挙げられる。
【0030】薬理的に許容しうる塩とは、非毒性酸付加
塩および塩基付加塩の両者を含む。
【0031】一般式(1)で示される化合物と非毒性塩を
形成する酸としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、
リン酸等の無機酸、および酢酸、シュウ酸、クエン酸、
乳酸、酒石酸、マロン酸、フマル酸、マレイン酸、メタ
ンスルホン酸などの有機酸が挙げられる。一方、非毒性
塩基付加塩としては、たとえばリチウム、ナトリウム、
カリウム、マグネシウム、アルミニウムおよびバリウム
塩等の無機金属塩およびアンモニウム、トリエチルアン
モニウム、テトラブチルアンモニウム、ピリジニウム、
ピロリジニウム、ピペリジニウム塩等の有機四級アンモ
ニウム塩が挙げられる。
【0032】本発明化合物はC−5位置に不斉中心をも
つ。C−5位置に関するエナンチオマー混合物は本発明
の範囲内に含まれるが、C−5位置の好ましい絶対配置
はSである。本発明化合物が2つ以上の不斉中心をもつ
場合は、ジアステレオマーとしても存在する。そのよう
なジアステレオマー的に純粋な化合物とこれらのジアス
テレオマー混合物もまた本発明の範囲内に包含される。
【0033】本発明の三環性キノキサリンジオン誘導体
は通常の医薬製剤、たとえば経口投与では錠剤、丸剤、
カプセル剤、散剤、顆粒剤、懸濁剤、乳剤に、また非経
口投与または直腸投与では無菌注射液または坐剤にそれ
ぞれ製剤される。錠剤のような固体製剤は有効成分を乳
糖、ショ糖、トウモロコシ澱粉などの通常の薬理的に許
容しうる担体または賦形剤、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、ポリビニルピロリドン、ヒドキシプルピルメチル
セルロースなどの結合剤、カルボキシメチルセルロース
ナトリウムや澱粉グリコール酸ナトリウムなどの崩壊
剤、ステアリン酸やステアリン酸マグネシウムなどの滑
沢剤、あるいは保存剤等と混合して調製される。非経口
投与には、有効成分は水、生理食塩水、油、ブドウ糖水
溶液などの生理的に許容しうる担体に溶解または懸濁
し、これは補助剤として乳化剤、安定化剤、浸透圧調整
用塩または緩衝剤を必要に応じて含有してもよい。投与
量は特定の疾病の程度、患者の年、体重、性別および投
与方法などにより広範囲に変動する。具体的には、有効
投与量は経口投与で成人患者一人あたり1〜1000m
g/日、好ましくは10〜500mg/日が挙げられ、
一日一回または数回にわけて投与することができる。非
経口投与では、患者一人あたり0.1〜500mg/
日、さらに好ましくは3〜100mg/日の投与量が挙
げられ、一日一回または数回に分けて投与することがで
きる。
【0034】本発明の範囲内の化合物を以下に例示す
る。(S)−9−クロロ−5−[p−tert−ブトキシ
カルボニルアミノメチル−o−(メトキシカルボニル)フ
ェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,
5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−
ジオン;(S)−9−クロロ−5−(p−tert−ブト
キシカルボニルアミノメチル−o−カルボキシフェニル
カルバモイルメチル)−6,7−ジヒドロ−1H,5H−
ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオ
ン;(S)−9−クロロ−5−(p−アミノメチル−o−
カルボキシフェニルカルバモイルメチル)−6,7−ジヒ
ドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリ
ン−2,3−ジオン塩酸塩;(S)−9−ブロモ−5−[p
−tert−ブトキシカルボニルアミノメチル−o−
(メトキシカルボニル)フェニルカルバモイルメチル]−
6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]
キノキサリン−2,3−ジオン;(S)−9−ブロモ−5
−(p−tert−ブトキシカルボニルアミノメチル−
o−カルボキシフェニルカルバモイルメチル)−6,7−
ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキ
サリン−2,3−ジオン;(S)−9−ブロモ−5−(p−
アミノメチル−o−カルボキシフェニルカルバモイルメ
チル)−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3
−de]キノキサリン−2,3−ジオン塩酸塩;(±)−9
−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカルボニルア
ミノメチル−o−(メトキシカルボニル)フェニルカルバ
モイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド
[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオン;(±)
−9−ブロモ−5−[p−アミノメチル−o−(メトキシ
カルボニル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジ
ヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサ
リン−2,3−ジオン;(S)−9−クロロ−5−[p−t
ert−ブトキシカルボニルアミノメチル−o−(メト
キシカルボニルメチル)フェニルカルバモイルメチル]−
6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]
キノキサリン−2,3−ジオン;(S)−9−クロロ−5
−[p−tert−ブトキシカルボニルアミノメチル−
o−(カルボキシメチル)フェニルカルバモイルメチル]
−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−d
e]キノキサリン−2,3−ジオン;(S)−9−クロロ−
5−[p−アミノメチル−o−(カルボキシメチル)フェ
ニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5
H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジ
オン塩酸塩;(S)−9−ブロモ−5−[p−tert−
ブトキシカルボニルアミノメチル−o−(メトキシカル
ボニルメチル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−
ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキ
サリン−2,3−ジオン;(S)−9−ブロモ−5−[p−
tert−ブトキシカルボニルアミノメチル−o−(カ
ルボキシメチル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7
−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノ
キサリン−2,3−ジオン;(S)−9−ブロモ−5−[p
−アミノメチル−o−(カルボキシメチル)フェニルカル
バモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリ
ド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオン;
(±)−9−ブロモ−5−[p−(2,3−ジ−tert−
ブトキシカルボニルグアニジノメチル)−o−(メトキシ
カルボニルメチル)フェニルカルバモイルメチル]−6,
7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キ
ノキサリン−2,3−ジオン;
【0035】(±)−9−ブロモ−5−[p−(2,3−ジ
−tert−ブトキシカルボニルグアニジノメチル)−
o−(カルボキシメチル)フェニルカルバモイルメチル]
−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−d
e]キノキサリン−2,3−ジオン;(±)−9−ブロモ−
5−[p−グアニジノメチル−o−(カルボキシメチル)
フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1
H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3
−ジオン;(S)−9−クロロ−5−[p−tert−ブ
トキシカルボニルアミノメチル−o−(2−メトキシカ
ルボニルエチル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7
−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノ
キサリン−2,3−ジオン;(S)−9−クロロ−5−[p
−tert−ブトキシカルボニルアミノメチル−o−
(2−カルボキシエチル)フェニルカルバモイルメチル]
−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−d
e]キノキサリン−2,3−ジオン;(S)−9−クロロ−
5−[p−アミノメチル−o−(2−カルボキシエチル)
フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1
H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3
−ジオン塩酸塩;(S)−9−ブロモ−5−[p−ter
t−ブトキシカルボニルアミノメチル−o−(3−メト
キシカルボニルプロピル)フェニルカルバモイルメチル]
−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−d
e]キノキサリン−2,3−ジオン;(S)−9−ブロモ−
5−[p−tert−ブトキシカルボニルアミノメチル
−o−(3−カルボキシプロピル)フェニルカルバモイル
メチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,
3−de]キノキサリン−2,3−ジオン;(S)−9−ブ
ロモ−5−[アミノメチル−o−(3−カルボキシプロピ
ル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−
1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,
3−ジオン塩酸塩;(5S)−9−ブロモ−5−[p−t
ert−ブトキシカルボニルアミノメチル−o−(1−
メトキシカルボニル−1−アセトキシメチル)フェニル
カルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H−
ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオ
ン;(5S)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキ
シカルボニルアミノメチル−o−(1−カルボキシ−1
−ヒドロキシメチル)フェニルカルバモイルメチル]−
6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]
キノキサリン−2,3−ジオン;(5S)−9−ブロモ−
5−[p−アミノメチル−o−(1−カルボキシ−1−ヒ
ドロキシメチル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7
−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノ
キサリン−2,3−ジオン塩酸塩;(5S)−9−クロロ
−5−[p−tert−ブトキシカルボニルアミノメチ
ル−o−(1−メトキシカルボニル−1−アセトキシメ
チル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ
−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−
2,3−ジオン;(5S)−9−クロロ−5−[p−ter
t−ブトキシカルボニルアミノメチル−o−(1−カル
ボキシ−1−ヒドロキシメチル)フェニルカルバモイル
メチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,
3−de]キノキサリン−2,3−ジオン;(5S)−9−
クロロ−5−[p−アミノメチル−o−(1−カルボキシ
−1−ヒドロキシメチル)フェニルカルバモイルメチル]
−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−d
e]キノキサリン−2,3−ジオン塩酸塩;(S)−9−ク
ロロ−5−[p−tert−ブトキシカルボニルアミノ
メチル−o−(tert−ブトキシカルボニルメトキシ)
フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1
H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3
−ジオン;
【0036】(S)−9−クロロ−5−[p−アミノメチ
ル−o−(カルボキシメトキシ)フェニルカルバモイルメ
チル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3
−de]キノキサリン−2,3−ジオン塩酸塩;(S)−9
−クロロ−5−[p−tert−ブトキシカルボニルア
ミノメチル−o−(エトキシカルボニルメトキシ)フェニ
ルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H
−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオ
ン;(S)−9−クロロ−5−[p−アミノメチル−o−
(エトキシカルボニルメトキシ)フェニルカルバモイルメ
チル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3
−de]キノキサリン−2,3−ジオン塩酸塩;(S)−9
−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカルボニルア
ミノメチル−o−(tert−ブトキシカルボニルメト
キシ)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ
−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−
2,3−ジオン;(S)−9−ブロモ−5−[p−アミノメ
チル−o−(カルボキシメトキシ)フェニルカルバモイル
メチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,
3−de]キノキサリン−2,3−ジオン塩酸塩;(S)−
9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカルボニル
アミノメチル−o−(4−エトキシカルボニルブチル)フ
ェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,
5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−
ジオン;(S)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブト
キシカルボニルアミノメチル−o−(4−カルボキシブ
チル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ
−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−
2,3−ジオン;(S)−9−ブロモ−5−[p−アミノメ
チル−o−(4−カルボキシブチル)フェニルカルバモイ
ルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,
2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオン塩酸塩;
(S)−9−クロロ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(3,3−ジエトキシカルボニ
ルプロピル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジ
ヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサ
リン−2,3−ジオン;(S)−9−クロロ−5−[p−t
ert−ブトキシカルボニルアミノメチル−o−(3,3
−ジカルボキシプロピル)フェニルカルバモイルメチル]
−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−d
e]キノキサリン−2,3−ジオン;(S)−9−クロロ−
5−[アミノメチル−o−(3,3−ジカルボキシプロピ
ル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−
1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,
3−ジオン塩酸塩;(S)−9−クロロ−5−[アミノメ
チル−o−(3−カルボキシプロピル)フェニルカルバモ
イルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド
[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオン塩酸
塩;(S)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシ
カルボニルアミノメチル−o−(3,3−ジエトキシカル
ボニルプロピル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7
−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノ
キサリン−2,3−ジオン;(S)−9−ブロモ−5−[p
−tert−ブトキシカルボニルアミノメチル−o−
(3,3−ジカルボキシプロピル)フェニルカルバモイル
メチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,
3−de]キノキサリン−2,3−ジオン;(S)−9−ブ
ロモ−5−[アミノメチル−o−(3,3−ジカルボキシ
プロピル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒ
ドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリ
ン−2,3−ジオン塩酸塩;およびその塩。
【0037】本明細書における三環性キノキサリン系の
位置番号を下記の図に示す。
【化5】 本発明の化合物は以下の方法で合成することができる。
【0038】合成法A−1 一般式1の化合物は、例えばそれ自体本発明の化合物に
含まれる重要な中間体化合物3から誘導することができ
る。
【化6】 (式中、X、R1、G、Y、Z、J、E、E0およびJ0
前記と同意義である)。
【0039】合成法A−2 一般式3aの重要中間体化合物は、例えば一般式4の化
合物を一般式6の化合物と縮合させて合成することがで
きる。
【化7】 (式中、X、R1、Z、E0、Y、J0およびR2は前記と
同意義であり、G1は式:−CONR2−で示される基で
ある)。縮合反応は、例えば1−エチル−3−(3’−ジ
メチルアミノプロピル)カルボキシイミド−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール、イソ酪酸無水物−トリエチルアミ
ン、およびN,N−ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジ
ニル)ホスフィン酸クロリド−トリエチルアミンなどの
縮合剤の存在下DMF、THF、ジクロロメタンなどの
不活性溶媒中室温で実施できる。
【0040】合成法A−3 化合物4は、例えば一般式62の化合物を出発原料とし
て下記図で示すようにして合成できる。
【化8】 (式中、XとR1は前記と同意義である)。
【0041】一般式62の化合物は文献記載の方法によ
って容易に合成できる。例えば、テトラヒドロキノリン
−2−カルボン酸メチルエステルはキナルジン酸をメタ
ノール中酸化白金上水素添加し、ついでメタノール中室
温〜還流温度下塩化チオニルで処理して、あるいはキナ
ルジン酸メチルエステルを酢酸中直接水素添加して容易
に合成できる。別法として、テトラヒドロキノリン−2
−カルボン酸メチルエステルはキナルジン酸メチルエス
テルを塩化ニッケルと水素化ホウ素ナトリウムの組合せ
でメタノール中0℃〜室温で還元して合成できる。一般
式62の化合物範囲に含まれるR1置換テトラヒドロキ
ノリン−2−カルボン酸メチルエステルは例えば下記工
程にて合成できる。
【0042】a)カルボキシル基をR1置換された対応す
るキノリンのC−2位置にライザート反応ついで加水分
解により導入する(W.E.マックイーエンおよびR.L.
コブ、Chem.Rev.,55,511(1955));お
よび b)置換されたキリノン−2−カルボン酸をメチルエス
テル化し、ついで上記のように還元して対応するテトラ
ヒドロキリノン−2−カルボン酸メチルエステルを得る
ことができる。 R1置換されたキリノンは市販されているか、あるいは
スクロープ反応(R.H.F.マンスクおよびM.クルカ、
Org.React.,,59(1953))により容易に
合成できる。R1が水素原子でない場合は、一般式62
の化合物はジアステレオマー混合物として存在し、その
ようなジアステレオマー体は通常のカラムクロマトグラ
フィー法により純粋な異性体に分離できる。
【0043】1)一般式62の化合物を例えば水素化リ
チウムアルミニウムでジエチルエーテル、THFなどの
不活性溶媒中0℃〜還流温度下で還元して対応するアル
コール化合物64にすることができる。 2)化合物64は例えば2工程で化合物65に変換でき
る。a)トルエン中またはトルエン−アセトニトリル混
合溶媒中、0℃〜室温下トリフェニルホスフィン−イミ
ダゾール−ヨウ素で処理し対応するヨウ化物を得、つい
でb)該ヨウ化物をDMF中室温〜約80℃でシアン化
ナトリウムで処理してシアン化物とし化合物65を得
る。 3)化合物65を例えば12N塩酸などの強酸で加熱下
加水分解し、ついで得られたカルボン酸をメタノール中
塩化チオニルでメチル化して化合物66を得ることがで
きる。 4)化合物66を例えばクロログリオキサル酸エチル
と、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン
(THF)、酢酸エチルなどの不活性溶媒中−10〜30
℃で反応させて化合物67に変換することができる。 5)化合物67を例えば通常の芳香族求電子置換反応法
により化合物68に変換することができる(例えば、A
dvanced Organic Chemistr
y,ジェリーマーチ編、13章、576)。例えば、Xが
臭素である場合、化合物67は塩化メチレンなどのハロ
ゲン化炭化水素溶媒中、鉄粉などの触媒存在下または非
存在下臭素と反応し、化合物68に包含される臭素化さ
れた化合物を得ることができる。Xが塩素の場合、化合
物67はN−クロロスクシンイミドと、ジメチルホルム
アミド(DMF)中室温で反応し化合物68に包含される
クロロ化された化合物を得ることができる。Xが臭素の
場合、化合物68は化合物66をN−ブロモスクシンイ
ミドでジメチルホルムアミド(DMF)中直接ブロム化
し、ついでクロログリオキサル酸エチルでアシル化して
得ることもできる。
【0044】6)化合物68は通常のニトロ化条件、例
えば0℃〜室温下発煙硝酸で処理、0℃〜室温下濃硫酸
中硝酸または硝酸イソプロピルで処理、またはクロロホ
ルムや塩化メチレンなどのハロゲン化溶媒中室温下〜還
流温度で無水トリフルオロ酢酸と硝酸アンモニウムの混
合試薬で処理、またはクロロホルムや塩化メチレンなど
のハロゲン化溶媒中室温でテトラフルオロ硼酸ニトロニ
ウムで処理して、化合物69に変換できる。 7)化合物69から化合物70への還元閉環反応は、例
えばメタノール、エタノール、酢酸などのプロトン性溶
媒中、またはアセトン、THF、DMFなどの非プロト
ン性溶媒中0℃〜室温で三塩化チタン水溶液で処理して
実施できる。二塩化スズ、亜鉛、鉄粉、ギ酸−パラジウ
ム炭素などの他の還元剤もこの閉環反応に使用できる。
Xが臭素である一般式70の化合物は特に有用である。
なぜなら、Xとしての置換基臭素は容易に塩素、ヨウ
素、アルキル、トリフルオロメチルなどの種々の置換基
に、それぞれ例えば塩化銅−ジメチルスルホキシド−1
50℃、ヨウ化銅−ヨウ化カリウム−ヘキサメチルホス
ホラストリアミド−150℃、シアン化銅−ジメチルス
ルホキド−150℃、アルキル銅試薬−THF−0℃、
トリフルオロ酢酸ナトリウム−ヨウ化銅−N−メチルピ
ロリドン−160℃などの条件下にて置き換えられる。
Xが水素原子である一般式70の化合物は、例えばXが
臭素である一般式70の化合物をメタノール中パラジウ
ム−炭素上で接触水素添加して得られる。Xがニトロで
ある一般式70の化合物は例えばXが水素原子である一
般式70の化合物を通常のニトロ化して得ることができ
る。
【0045】8)カルボン酸化合物4は、例えば化合物
70を加水分解して得られる。加水分解条件としては、
アルカリ金属の水酸化物または炭酸塩、例えば水酸化リ
チウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウムなどで水とメ
タノール、エタノール、またはTHFなどのプロトン性
または非プロトン性溶媒との混合溶媒中0〜50℃で処
理するか、または1N〜12N塩酸、5〜48%臭化水
素酸などの強酸水溶液で、酢酸、ジオキサンなどのプロ
トン性または非プロトン性溶媒中室温下〜100℃で処
理して実施できる。化合物4のうちR1が水素原子であ
る光学的に活性な化合物は、その合成法がJ.Chem.
Soc.Perkin.I 1977,596に記載され
ているR1が水素原子である光学的活性な化合物62を
出発原料として同様にして合成できる。
【0046】合成法A−4 化合物6(6aおよび6b)は例えば下記反応式により合
成できる。
【化9】 (式中、Z、E0、YおよびJ0は前記と同意義であり、
2aはアルキルを表す)。化合物6aは対応するニトロ
ベンゼン誘導体7を還元して合成できる。還元はパラジ
ウム−炭素や水素化パラジウムを用い酢酸エチル、メタ
ノール、エタノールなどの不活性溶媒中通常の接触水素
添加により実施できる。化合物6bは化合物6aを式:
2aIで示される化合物で炭酸カリウムや水素化ナトリ
ウムなどの塩基の存在下アルキル化して得られる。水素
化ホウ素ナトリウムや水素化シアノホウ素ナトリウムの
存在下メタノールなどのアルコール溶媒中室温下で適当
なアルデヒド化合物やケトン化合物を用いた還元アミノ
化反応も、アルキル化に使用できる。
【0047】合成法B 一般式7aの化合物は入手の容易な化合物8から合成で
きる。
【化10】 (式中、Z、E0、L1およびR6は前記と同意義、R7
アルキル、R8は水素原子またはアルキル、R9は水素原
子またはアルキル、およびZ1は単結合またはアルキレ
ンを表す)。
【0048】合成法B−1 化合物8は化合物7bおよび7cに例えば下記のように
して変換できる。 1)化合物8を例えばアゾビスイソブチロニトリル(AI
BN)または過酸化ベンゾイル(BPO)の存在下四塩化
炭素やクロロベンゼンなどの不活性溶媒中還流下N−ブ
ロモスクシンイミドでブロム化して、化合物9を得るこ
とができる。 2)DMFなどの非プロトン性溶媒中50〜80℃でフ
タルイミドカリウムと化合物9とを反応させて化合物1
0aを得る。 3)酸性条件下化合物10aを加水分解し、ついで塩化
チオニルや塩化水素などの酸プロモーター存在下、R6
OHで再エステル化して化合物11を得る。加水分解と
しては、例えば6N〜12N塩酸や25〜48%臭化水
素酸などの強酸水溶液で酢酸やジオキサンなどのプロト
ン性または非プロトン性溶媒中50〜100℃で処理な
どが挙げられる。化合物10aのフタルイミド基の加水
分解はメタノールなどのプロトン性溶媒中0〜60℃で
ヒドラジンやメチルヒドラジンを用いて実施できる。化
合物11は化合物9をDMFなどの非プロトン性溶媒中
20〜80℃でナトリウムアジドと反応させ、ついでパ
ラジウム炭素上で酢酸エチルなどの不活性溶媒中水素添
加して得られる。 4)遊離アミン化合物11をL1基で保護して一般式7b
の化合物を得る。例えば化合物11をジ炭酸ジ−t−ブ
チルと、トリエチルアミンなどの有機塩基の存在下ジク
ロロメタンや酢酸エチルなどの不活性溶媒中室温で反応
させて、L1がt−ブトキシカルボニル基である一般式
7bの化合物を得ることができる。また化合物11を
式:MeSC(=NL1)NHL1で示される化合物と、ト
リエチルアミンなどの有機塩基の存在下ジクロロメタン
や酢酸エチルなどの不活性溶媒中室温で処理して一般式
7cの化合物を得ることができる。
【0049】合成法B−2 一般式7dと7eの化合物は例えば炭酸以下の方法で合
成することができる。 1)臭化物9を適当な酸化条件で酸化してアルデヒド化
合物15を得る。酸化反応としては、例えばジメチルス
ルホキシドとトリエチルアミンN−オキシドでジクロロ
メタン中20〜40℃での反応などが挙げられる。 2)式:R7MgBrやR7Liなどのアルキル化剤でジ
エチルエーテルやTHF中−20℃〜0℃で化合物15
を処理してアルコール化合物16を得る。 3)室温下THF中、化合物16をフタルイミド、トリ
フェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジエチルを
用いミツノブ反応させて化合物10bを得、さらに化合
物10aを化合物7bに変換させる反応と同様に、一般
式7dと7eに変換させる。
【0050】合成法B−3 一般式7fと7gの化合物は、例えば下記のようにして
合成できる。 1)アルコール化合物16を適当な酸化条件下で酸化し
て対応するケトン化合物17を得る。酸化条件として
は、例えば酸化マンガンでジクロロメタン中室温下で処
理、DMSO−ClCOCOCl−トリエチルアミンで
ジクロロメタン中−70℃で処理、ピリジニウムクロロ
クロメートでジクロロメタン中室温下で処理、およびデ
ス−マーチン試薬での処理、などが挙げられる。 2)アルデヒド化合物15またはケトン化合物17とウ
ィッティッヒ試薬:PPh3=CR9−Z1−フタルイミ
ドと、THFなどの不活性溶媒中−70〜60℃で反応
させ、ついでアセトニトリル中−20〜0℃で酢酸とア
ゾジカルボン酸カリウムとの反応で生成するジイミンで
還元して化合物10cを得、これを化合物10aを化合
物7bと7cに変換させる方法と同様にして一般式7f
と7gの化合物に変換させる。
【0051】合成法C−1およびC−2 一般式7hと7iの化合物は例えば以下の方法で合成す
ることができる。
【化11】 (式中、R10とR11は独立して水素原子またはアルキ
ル、Y3は単結合またはアルキレン、R10aはアルキルを
表し、Z、E0およびJ0は前記と同意義である)。合成法C−1 1)化合物7aを例えばTHF中水素化ホウ素ナトリウ
ム−メタノールを用い室温下〜還流温度で還元してアル
コール化合物18を得る。 2)アルコール化合物18を、化合物16を化合物17
に変換する方法と同様にして対応するアルデヒド化合物
19を得る。 3)化合物19を例えばR10aMgBrやR10aLiなど
のアルキル化剤でジエチルエーテルまたはTHF中−2
0℃〜0℃でアルキル化してアルコール化合物20を得
る。 4)アルコール化合物20を適当な酸化条件下酸化して
対応するケトン化合物21を得る。酸化反応としては、
例えばDMSO−ClCOCOCl−トリエチルアミン
でジクロロメタン中−70℃で処理、ピリジニウムクロ
ロクロメートでジクロロメタン中室温下で処理、および
デス−マーチン試薬で処理、などが挙げられる。 5)アルデヒド化合物19またはケトン化合物21とウ
ィッティッヒ試薬:PPh3=CR11−Y3−J0とをT
HFなどの不活性溶媒中−70〜60℃で反応させて一
般式7hの化合物を得、これをパラジウム炭素上での接
触水素添加またはジイミン還元により、選択的に還元し
て一般式7iの化合物を得る。
【0052】合成法C−2 別法として、一般式7hと7iの化合物は化合物8を出
発原料として以下に示したようにして合成できる。 1)化合物8は、化合物7aを化合物7hと7iに変換
する方法(合成法C−1)と同様の反応により、各々化合
物25と26に変換できる。 2)化合物25と26は、化合物8を化合物7aに変換
する方法(合成法B)と同様の反応により、各々化合物7
hと7iに変換できる。
【0053】合成法C−3 一般式7の−Y−J0部分を作る簡便な方法としては、
マロン酸アニオンを用いて行う方法が挙げられる。一般
式32と7jの化合物は例えば下記の反応式の示す様に
して合成できる。
【化12】 (式中、Z、E0、R6およびR10は前記と同意義、R12
は水素原子またはアルキル基、R13は水素原子またはア
ルキル基、およびL4はCl、Br、I、OSO2Ph、
OSO2CF3などの脱離基を表す)。化合物8を、化合
物7aを化合物18と化合物20に変換させる方法(合
成法C−1,1)〜3))と類似の方法でアルコール化合物
29に変換する。化合物29を化合物30に変換する方
法としては例えば次のものが挙げられる。ClとBrは
SOCl2またはSOBr2、およびCCl4−PPh3
たはCBr4−PPh3との反応で各々導入され、IはI
2−PPh3−イミダゾールと不活性溶媒中0〜50℃で
反応させて導入される。PhSO2O−とCF3SO2
−基は、ジクロロメタンなどの不活性溶媒中0℃〜室温
下、PhSO2Cl−トリエチルアミンと(CF3SO2)2
O−トリエチルアミンで反応させて各々合成できる。化
合物30をR6OCOCHR13CO26で水素化ナトリ
ウム、カリウムt−ブトキシド、リチウムヘキサメチル
ジシラジドなどの塩基の存在下、THF、DMF、DM
SOなどの非プロトン性溶媒中、0〜60℃で処理して
化合物31を得る。化合物31は、化合物8を化合物7
aに変換する方法(合成法B)と同様にして、化合物7に
包含される化合物32に変換できる。条件によっては、
フタルイミド基の加水分解工程中に化合物32のアルコ
キシカルボニル基の一個が脱カルボキシル化して一般式
7jの化合物を得る場合もある。別法として、化合物1
8と20を、化合物29を化合物31に変換する方法と
同様にして化合物32に変換することもできる。
【0054】合成法C−4 一般式36と7kの化合物は例えば下記の反応式に従っ
て合成できる。
【化13】 (式中、Z、E0、R6、R10a、R12およびR13は前記と
同意義、R14とR15は独立して水素原子またはアルキル
を表す)。化合物19と21をPPh3=CR1415を用
い、THFなどの不活性溶媒中、−70〜60℃でウィ
ッティッヒ反応により化合物35に変換する。化合物3
0を化合物31に変換する反応と同様の条件下での化合
物35とR6OCOCHR13CO26のアニオンとの反
応により、一般式7の化合物に包含される化合物36を
得ることができる。化合物36のアルコキシカルボニル
基のうちの一つを、必要であれば、例えばDMSO中塩
化ナトリウムなどの塩の存在下加熱などの条件により脱
カルボキシル化して水素原子とし、一般式7kの化合物
を得ることができる。
【0055】合成法C−5 一般式7mと7nの化合物は例えば下記反応式により合
成できる。
【化14】 (式中、Z、E0、R6およびR13は前記と同意義、L5
OSO2PhまたはOSO2CF3などの脱離基である)。
化合物29を化合物30に変換する方法(合成法C−3)
と同様にして化合物41から容易に調製できる化合物3
7は、化合物8を化合物10a,b,cに変換する方法
(合成法B)と同様の方法により化合物38に変換でき
る。化合物31の合成(合成法C−3)で述べたような化
合物38とR6OCOCHR13CO26のアニオンとの
反応により化合物39を得、これを化合物10a,b,c
を対応する一般式7aの化合物に変換する方法(合成法
B)と同様にして、化合物7mと7nに変換する。
【0056】合成法D−1 一般式7pの化合物は、例えば下記の反応式により合成
することができる。
【化15】 (式中、Y2はアルキレンを表し、Z、E0およびR6は前
記と同意義である)。一般式7pの化合物は化合物41
から合成できる。例えば化合物41を、炭酸カリウム、
カリウムt−ブトキシド、あるいは水素化ナトリウムな
どの塩基の存在下、アセトニトリル、THF、DMF、
DMSOなどの不活性溶媒中0〜60℃でBrY2CO2
6と反応させて化合物42を得る。化合物8を一般式
7aの化合物に変換させる方法(合成法B)と同様にし
て、化合物42から一般式7pの化合物を得ることがで
きる。
【0057】合成法D−2 一般式7qの化合物は、例えば下記反応式に示したよう
にして合成できる。
【化16】 (式中、Z、E0、Y2、L5およびR6は前記と同意義で
ある)。一般式7qの化合物を化合物38から合成する
には、例えば化合物38を水素化ナトリウム、カリウム
t−ブトキシド、リチウムヘキサメチルジシラジドなど
の塩基の存在下、THF、DMF、DMSOなどの非プ
ロトン性溶媒中0〜60℃で、HS−Y2CO26と反
応させて化合物44を得、化合物10a,b,cを対応す
る一般式7aの一般式に変換する方法(合成法B)と同様
にして、化合物44を一般式7qの化合物に変換する方
法が挙げられる。
【0058】一般式7rの化合物は、例えば下記の反応
式により合成することができる。
【化17】 (式中、Z、E0、J0、L4、Y3、Y2、R12およびR6
は前記と同意義、およびY5は単結合またはアルキレン
を表す)。化合物30を例えばTHF、DMF、DMS
Oなどの非極性溶媒中、室温〜60℃でシアン化ナトリ
ウムと反応させ、酸加水分解およびエステル化して化合
物51を得ることができる。化合物8、26および51
は、化合物8を化合物29に変換する方法(合成法C−
3)と同様にして容易に一般式48の化合物に変換する
ことができる。化合物48を、化合物41を化合物42
に変換する方法(合成法D−1)と同様にしBrY2CO2
6と反応させ、化合物8を一般式7aの化合物に変換
する方法(合成法B)と同様に処理して一般式7rの化合
物を得ることができる。
【0059】合成法E−2 一般式7sの化合物は、例えば下記の反応式により合成
することができる。
【化18】 (式中、Z、E0、L5、Y5、Y2、R12およびR6は前記
と同意義である)。化合物48を、化合物41を化合物
38に変換する方法(合成法C−5)と同様に処理して化
合物52に変換することができる。化合物52を、化合
物38を化合物44に変換する方法(合成法D−2)と同
様にして、HSY2CO26と反応させ、ついで化合物
10a,b,cを対応する一般式7aの化合物に変換する
方法(合成法B)と同様に処理して一般式7sの化合物
を得ることができる。
【0060】合成法F−1 一般式7tの化合物は、例えば下記の反応式により合成
することができる。
【化19】 (式中、Z、E0、J0、R3S、R6、Y5およびR12は前
記と同意義、およびXはR3SO−、R3SCO2−、R3S
CONH−またはR3SOCONH−を表す)。化合物1
6を化合物17に変換する方法(合成法B)と同様にし
て、化合物48を酸化して容易に一般式49の化合物を
得ることができる。化合物49をジクロロメタン中ヨウ
化亜鉛の存在下0〜40℃でトリメチルシリルシアニド
で処理し、ついで酸加水分解、さらに生じるカルボン酸
をJ0に、アルコールをX2に保護により変換して、化合
物50のうちX2がR3SO−、R3SCOO−(R3Sは前記
と同意義)である化合物を得る。アルコールの保護によ
る−OR3Sへの変換としては、例えば水素化ナトリウ
ム、炭酸カリウム、リチウムヘキサメチルジシラジドな
どの塩基の存在下、DMF、THF、DMSOなどの非
プロトン性溶媒中、40〜80℃でR3SIとの処理が挙
げられる。また、アルコールの保護による−OCOR3S
への変換としては、例えばトリエチルアミンやピリジン
などの有機塩基の存在下、ジクロロメタンなどの不活性
溶媒中室温下R3SCOClまたは(R3SCO2)2Oでの処
理が挙げられる。同様に、通常のストレッカーまたはブ
ッキラー(Bucherer)合成法、ついで生成物を保
護して、化合物49を一般式50の化合物のうちX2
3SCONH−あるいはR3SOCONH−である化合物
に変換することができる。生成したアミンの保護方法と
しては、例えばトリエチルアミン、ピリジンなどの有機
塩基の存在下、ジクロロメタンなどの不活性溶媒中室温
下でR3SCOCl、(R3SCO2)2O、R3SOCOCl、
(R3SOCO)2Oなどで処理する方法が挙げられる。化
合物50を、化合物8を化合物7aに変換する方法(合
成法B)と同様に処理して一般式7tの化合物に変換す
ることができる。
【0061】合成法F−2 一般式7uの化合物は、例えば下記の反応式により合成
することができる。
【化20】 (式中、Z、E0、J0、Y5、R12およびR6は前記と同
意義、Y6は単結合またはアルキレンを、R16は水素原
子またはアルキルを表す)。一般式49の化合物をTH
Fなどの不活性溶媒中−70〜60℃で、ウィッテッヒ
試薬:PPh3=CR16−Y6−J0と反応させ、化合物
8を化合物7aに変換する方法(合成法B)と同様に処理
して一般式7uの化合物を得ることができる。
【0062】合成法G 一般式3bの化合物は、例えば下記の反応式により合成
することができる。
【化21】 (式中、X、R1、R2、Z、E0、YおよびJ0は前記と
同意義である)。一般式1の化合物のうち、Gが−NR2
CO−である化合物は、そのもの自体も本発明に包含さ
れる重要な中間体化合物3bより誘導することができ
る。重要な中間体化合物3bは例えば化合物55と化合
物57を、化合物4と化合物6の縮合(合成法A−2)と
同様に縮合して合成できる。
【0063】合成法H−1 一般式55(55aと55bを含む)の化合物は、例えば
化合物64を出発物質として下記反応式に示した方法に
より合成することができる。
【化22】 (式中、X、R1およびR2aは前記と同意義である)。 1)化合物64を2段階の反応で化合物73に変換する
ことができる。a)トルエン、またはトルエン−アセト
ニトリル混合溶媒中、0℃〜室温下で、トリフェニルホ
スフィン−イミダゾール−ヨウ素で処理し、対応するヨ
ウ化物を得、b)該ヨウ化物をDMF中室温下〜約80
℃でフタルイミドカリウムで処理してフタルイミド化合
物にして化合物73を得る。別法として、化合物62か
ら3段階の反応で化合物73を得ることができる。a)
化合物62をメタノール中アンモニアと処理し対応する
アミド化合物を得ることができ、b)該アミド化合物を
THF中水素化リチウムアルミニウムを用い還流温度で
処理して、対応するジアミン化合物を得、c)ジアミン
化合物をトルエン中無水フタル酸と共沸条件で縮合す
る。 2)化合物73を、化合物66を化合物70に変換する
方法と同様にして化合物74とする。一般式74の化合
物のうち、XがBrである化合物は特に有用である。な
ぜならXとしての置換基Brが容易に種々の置換基、例
えばCl、I、CN、アルキル、CF3などに、塩化銅
−ジメチルスルホキシド−150℃、ヨウ化銅−ヨウ化
カリウム−ヘキサメチルホスフォラストリアミド−15
0℃、シアン化銅−ジメチルスルホキシド−150℃、
アルキル銅試薬−THF−0℃、およびトリフルオロ酢
酸ナトリウム−ヨウ化銅−N−メチルピロリドン−16
0℃、などの条件で各々置き換えられるからである。一
般式74の化合物のうちXが水素原子である化合物は、
一般式74の化合物のうちXが臭素である化合物をパラ
ジウム炭素を用いメタノール中で接触水素添加して得ら
れる。一般式74の化合物のうちXがニトロである化合
物は、一般式74の化合物のうちXが水素原子である化
合物を通常のニトロ化により得られる。
【0064】3)化合物74を酸加水分解して一般式5
5aの化合物を得ることができる。酸加水分解条件とし
ては、例えば6N〜12N塩酸、25〜48%臭化水素
酸などの強酸水溶液で、酢酸やジオキサンなどのプロト
ン性または非プロトン性溶媒中、50〜100℃で処理
して実施できる。化合物55bは、化合物55aを例え
ば炭酸カリウムや水素化ナトリウムなどの塩基の存在下
2aIで処理して得られる。水素化ホウ素ナトリウムや
水素化シアノホウ素ナトリウムの存在下、メタノールな
どのアルコール溶媒中、室温下での適当なアルデヒドま
たはケトンを用いた還元アミノ化反応も、アルキル化に
利用できる。同様に、化合物55のうちR1が水素原子
である光学的活性の化合物は、J.Chem.Soc.P
erkin I 1977,596にその製造法が開示
されている化合物62のうちR1が水素原子の光学活性
の化合物を出発原料として合成することができる。
【0065】合成法H−2 重要な中間体化合物57は、例えば化合物6aより合成
できる。
【化23】 (式中、Z、E0、YおよびJ0は前記と同意義である)。
化合物6aを、シアン化銅の存在下アセトニトリルなど
の不活性溶媒中亜硝酸イソプロピルなどの亜硝酸アルキ
ルと反応させ、ついで生じたシアノ基を酸またはアルカ
リ加水分解し、側鎖のカルボン酸基のみを選択的に再保
護してJ0とし、アミノ基またはグアニジノ基を必要で
あれば保護してE0として化合物57を得る。加水分解
条件としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物または
炭酸塩で水とメタノール、エタノール、THFなどのプ
ロトン性または非プロトン性溶媒との混合溶媒中、0〜
50℃で処理、または1N〜12N塩酸、5〜48%臭
化水素酸などの強酸水溶液で、酢酸やジオキサンなどの
プロトン性または非プロトン性溶媒中、室温下〜100
℃で処理、などが挙げられる。
【0066】合成法J 本発明の化合物3は、例えば水酸化リチウム、水酸化ナ
トリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液でメタノ
ールとTHFの混合溶媒中室温下処理して加水分解し、
一般式1の化合物のうちEがE0、JがCO2Hである化
合物を得ることができる。一般式1の化合物のうちEが
0、JがCO2Hである化合物は、NH3、NH23J
HNR3J4J、HN(OH)R3J、HN(OR5J)R3J、H
2NOH、HOR3Jと縮合して、一般式1の化合物のう
ちJがCONH2、CONHR3J、CONR3J4J、C
ON(OH)R3J、CON(OR5J)R3J、CON(OH)
H、CO23J(R3J、R4JおよびR5Jは前記と同意
義)、EがE0である化合物にそれぞれ変換される。縮
合反応は、例えば1−エチル−3−(3’−ジメチルア
ミノプロピル)カルボキシイミド−ヒドロキシベンゾト
リアゾール、イソ酪酸無水物−トリエチルアミン、N,
N−ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィ
ン酸クロリド−トリエチルアミンなどの縮合剤の存在下
DMF、THF、ジクロロメタンなどの不活性溶媒中0
℃〜室温下で実施できる。
【0067】一般式1の化合物のうちEがE0であり、
JがCO2Hである化合物を、例えばトリフェニルホス
フィン、アゾジカルボン酸ジエチルおよびシアン化トリ
メチルシリルで、THF中室温下処理して同様に縮合
し、アルカリ加水分解して一般式1の化合物のうちJが
テトラゾリルでEがE0である化合物を得る。一般式1
の化合物のうちEがE0である化合物を弱酸加水分解で
選択的に脱保護して、一般式1の化合物のうちEが−N
2、−NHC(=NH)NH2である化合物を得ることが
できる。加水分解条件としては、例えば0.1〜4N塩
化水素で1,4−ジオキサンや酢酸エチルなどの不活性
溶媒中室温下での処理、などが挙げられる。一般式1の
化合物のうちEが−NHR3Eあるいは−NHC(=NH)
NHR3Eである化合物は、一般式1の化合物のうちEが
−NH2または−NHC(=NH)NH2である化合物を、
例えばR3EI(R3Eは前記と同意義である)で炭酸カリウ
ムや水素化ナトリウムなどの塩基の存在下アルキル化し
て得られる。一般式1の化合物のうちEがNR3E4E
たは−NHC(=NH)NR3E4Eである化合物は、例え
ば一般式1の化合物のうちEがNHR3Eまたは−NHC
(=NH)NHR3Eである化合物を例えば上記のようにR
4EIでさらにアルキル化して得られる(R3EおよびR4E
は前記と同意義である)。一般式1の化合物のうちEが
NR3E4Eまたは−NHC(=NH)NR3E4E(R3E
よびR4Eは結合して環状アミンを形成する場合)である
化合物は、一般式1の化合物のうちEがNH2または−
NHC(=NH)NH2である化合物を上記のようにI−
2−I(Q2は炭素数2〜6の直鎖アルキレン基、炭素
数4〜6の一個の酸素原子または一個の窒素原子を含ん
だ直鎖アルキレン基である。但し、Q2中の酸素原子ま
たは窒素原子は常に隣接するアルキレン基に結合してい
る)でアルキル化して合成できる。適当なアルデヒド化
合物あるいはケトン化合物を用い、水素化ホウ素ナトリ
ウム、水素化シアノホウ素ナトリウムの存在下、メタノ
ールなどのアルコール溶媒中、室温下で還元アミノ化反
応することによっても、R3EおよびR4Eを導入できる。
一般式1の化合物のうちEが−NH2、−NHR3E、−
NH−C(=NH)−NH2、−NHC(=NH)−NHR
3E、および−NH−C(=NH)−NR3E4Eである化合
物は、一般式1の化合物のうちEが−NHL、−NLR
3E、−NH−C(=NL)−NH2、−NH−C(=NL)
NHR3E、−NH−C(=NL)−NR3E4E(LはR17
COまたはR17OCOであり、R17はアルキル、R3E
4Eは前記と同意義である)である化合物に変換でき
る。変換は、例えばトリエチルアミン、ピリジンなどの
有機塩基の存在下、ジクロロメタンなどの不活性溶媒中
室温下で、R17COCl、(R17CO)2O、R17OCO
Cl、(R17OCO)2Oで処理して実施できる。
【0068】上記の方法によれば、本発明の化合物はラ
セミ体として得ることがある。しかしながら、本発明の
化合物は合成過程で適当なラセミの中間体を光学分割す
ることにより、あるいは本発明の化合物そのものを光学
分割することにより、光学的に純品として得ることもで
きる。光学分割法としては、例えば塩基性基をもつ化合
物を光学的純粋な酸(例えば、(+)−酒石酸)と塩を形成
するか、酸性基をもつ化合物と光学的純粋なアミン(例
えば、キニン、キニジン)と塩を形成し、ついで分割再
結晶して親化合物を再生成させる方法が挙げられる。光
学分割法としては、またカルボン酸基、アミン、アルコ
ールをもつ化合物とキラルオーキシアリーとでアミドま
たはエステルを形成し、ついでクロマトグラフィーで分
離して、つづいてオーキシアリーを除く方法が挙げられ
る。別法の光学分割法としては、合成過程での中間体あ
るいは本発明の化合物そのもののエステルまたはアミド
の酵素的加水分解が挙げられる。本発明のある化合物
は、要すればあるいは望ましければ、上記の合成過程中
通常の保護−脱保護法を用いて得られる。そのような方
法は、T.W.グリーン、Protective Gro
ups in Organic Synthesis、
ジョン ウィリー アンド サンズ,1981に開示さ
れている。
【0069】本発明の化合物は[3H]5,7−ジクロロキ
ヌレン酸(DCKA)および[3H]グリシン両者のラット
脳シナプス膜標本への結合を強く阻害し、そのことよ
り、これらの化合物はNMDA(N−メチルD−アルパ
ラギン酸)受容体のストリキニーネ−非感受性グリシン
調節部位へ強い親和性をもつと言える(例えば、Y.ヨネ
ダら、J.Neurochem.,60,634(1993)
参照)。化合物のこの活性は下記に示した[3H]DCKA
と[3H]グリシン結合阻害実験により測定した。
【0070】[3H]グリシン結合実験 粗ラット脳シナプス膜標本を50mMトリス酢酸緩衝液
(pH7.4)で50,000×gで30分間遠心分離して
3回洗浄した。得られた沈殿物を0.23Mショ糖溶液
に懸濁し、−80℃で保存した。結合実験には、凍結し
た懸濁液を溶融し、0.08%トリトンX−100で2
℃で10分間処理し、ついで上記のように遠心分離にて
2回洗浄して使用した。こうして得られたシナプス膜
(約150〜200μg蛋白)を10nM[3H]グリシン
(1.11TBq/ミリモル)と試験化合物(10ng/m
l〜0.1ng/ml)と、50mMトリス酢酸緩衝液
(pH7.4)中2℃で10分間インキュベートした。イ
ンキュベーションをワットマンGF/Bガラスフィルタ
ーを用いて吸引濾過して終了させた。フィルター上の膜
に結合した放射活性をシンチレーションカウンターにて
測定した。非特異的結合を0.1mMD−セリンの存在
下でのインキュベーション時に測定した放射活性から計
算して求めた。[3H]グリシン結合は0.1mMストリキ
ニーネの添加では阻害されなかった。
【0071】[3H]DCKA結合実験 粗ラット脳シナプス膜標本を50mMトリス酢酸緩衝液
(pH7.4)で50,000×gで30分間遠心分離して
3回洗浄した。得られた沈殿物を0.23Mショ糖溶液
に懸濁し、−80℃で保存した。結合実験には、凍結し
た懸濁液を溶融し、0.08%トリトンX−100で2
℃で10分間処理し、上記のように遠心分離にて2回洗
浄して使用した。こうして得られたシナプス膜(約10
0μg蛋白)を10nM[3H](DCKA)(603GBq
/ミリモル)と試験化合物(10ng/ml〜0.1ng
/ml)と2℃で50mMトリス酢酸緩衝液(pH7.4)
中で10分間インキュベートした。インキュベーション
をワットマンGF/Bガラスフィルターを用いて吸引濾
過して終了させた。フィルター上の膜に結合した放射活
性をシンチレーションカウンターにて測定した。非特異
的結合を0.1mMグリシン存在下でのインキュベーシ
ョン時に測定した放射活性から計算して求めた。
【0072】本発明の化合物は下記のインビボモデルに
おいて全身投与によりNMDA誘発痙攣を強力に抑制し
た。NMDA誘発痙攣モデル 試験化合物(0.3〜30mg/kg)を10匹の各供試
マウスに腹腔内投与10分後、NMDA(5ナノモル)を
脳室内投与(i.c.v.)した。試験化合物での前処理し
ない条件下では、すべてのマウスは強直性痙攣を起こし
た。NMDAのi.c.v.投与後強直性痙攣を起こさな
かったマウスの数を有効なものとして計数した。試験化
合物の活性はED50値で表した。望ましい例としては、
実施例31、35および11の化合物はそれぞれED50
値1.0、2.1および3.1mg/kgで痙攣を阻害し
た。
【0073】参考例1 9−ブロモ−5−メトキシカルボニルメチル−6,7−
ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキ
サリン−2,3−ジオン 1)2−ヒドロキシメチルテトラヒドロキノリン 水素化リチウムアルミニウム8.3g(0.22モル)のT
HF200ml懸濁液に2−メトキシカルボニルテトラ
ヒドロキノリン42g(0.22モル)のTHF200m
l溶液を0℃で滴下する。混合液を室温で3時間撹拌
し、0.5時間還流する。過剰の試薬を水酸化ナトリウ
ムのTHF溶液を添加して分解する。有機層を分離し、
食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して
2−ヒドロキシメチルテトラヒドロキノリン38.4g
(定量的)を得る。1 H NMR(270MHz、CDCl3)δ6.95〜7.
00(m,2H),6.63(t,1H,J=7.4Hz),6.5
4(d,1H,J=7.4Hz),3.74(dd,1H,J=1
0.2,3.6Hz),3.56(dd,1H,J=10.2,8.
6Hz),3.41〜3.49(m,1H),2.70〜2.85
(m,2H),1.85〜1.90(m,1H),1.68〜1.7
7(m,1H)
【0074】2)2−シアノメチルテトラヒドロキノリ
ン 2−ヒドロキシメチルテトラヒドロキノリン35.9g
(0.22モル)、イミダゾール35.95g(0.528モ
ル)およびトリフェニルホスフィン69.24g(0.26
4モル)のトルエン/アセトニトリル(5:1)混合溶媒
750ml溶液にヨウ素61.42g(0.242モル)を
0℃で加える。混合液を0℃で15分間撹拌し、さらに
室温で30分間撹拌し、チオ硫酸ナトリウム水溶液20
0mlを加える。有機層を分離し、食塩水で洗浄し、硫
酸マグネシウムで乾燥し、濃縮する。残渣をジエチルエ
ーテルでトリチュレイトし、不溶物を濾過して除く。濾
液を濃縮し、油状残渣をDMF200mlに溶解する。
該溶液にシアン化ナトリウム43.2g(0.881モル)
を加え、80℃で10時間加熱する。得られる混合物を
氷水に注ぎ、トルエン/酢酸エチルで抽出する。有機層
を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮す
る。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶
媒:ヘキサン/ジクロロメタン(1:1)〜100%ジク
ロロメタン)で精製して標記化合物31.6g(94%)を
得る。1 H NMR(270MHz、CDCl3)δ6.97〜7.
04(m,2H),6.68(t,1H,J=7.4Hz),6.5
4(d,1H,J=7.4Hz),4.03(br,1H),3.7
0(m,1H),2.70〜2.86(m,2H),2.54(d,
1H,J=6.6Hz),2.02〜2.13(m,1H),1.
78〜1.91(m,1H)
【0075】3)2−メトキシカルボニルメチルテトラ
ヒドロキノリン 2−シアノメチルテトラヒドロキノリン28.0g(0.
163ミリモル)を濃塩酸200mlに溶解し、混合物
を4時間還流する。混合液を濃縮し残渣をメタノール5
00mlに溶解する。塩化チオニル36ml(0.49ミ
リモル)を0℃でゆっくりと加え、5時間還流し濃縮す
る。固体様残渣に飽和炭酸水素ナトリウム1リットルを
ゆっくりと加え、酢酸エチルで抽出する。有機層を食塩
水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して標記
化合物31.6g(94%)を得る。2−メトキシカルボ
ニルメチルテトラヒドロキノリン塩酸塩。1 H NMR(270MHz、CDCl3)δ7.69〜7.
72(m,1H),7.23〜7.38(m,3H),3.96〜
4.05(m,1H),3.75(s,3H),3.48〜3.55
(m,1H),2.96〜3.12(m,3H),2.19〜2.4
1(m,1H)
【0076】4)6−ブロモ−2−メトキシカルボニル
メチルテトラヒドロキノリン 2−メトキシカルボニルメチルテトラヒドロキノリン3
1.5g(0.153モル)のDMF750ml溶液に、N
−ブロモスクシンイミド27.41g(0.154モル)の
DMF550ml溶液を0℃でゆっくりと滴下する。混
合液を同温度で2時間撹拌し、水2リットル中に注ぎ、
トルエン/酢酸エチル混液で抽出する。有機層を水洗
し、硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮して標記化合物4
4.72g(定量的)に得る。1 H NMR(270MHz、CDCl3)δ7.02〜7.
06(m,2H),6.38(dd,1H,J=1.7,7.3H
z),4.53(br,1H),3.75(s,3H),3.72〜
3.75(m,4H),2.70〜2.85(m,2H),2.49
〜2.53(m,1H),1.89〜1.99(m,1H),1.6
1〜1.75(m,1H)
【0077】5)6−ブロモ−2−メトキシカルボニル
メチル−N−エトキサリルテトラヒドロキノリン 6−ブロモ−2−メトキシカルボニルメチルテトラヒド
ロキノリン43.8g(0.153モル)とトリエチルアミ
ン37.5g(0.371モル)のジクロロメタン700m
l溶液にクロロオキサル酸エチル25.5g(0.187
モル)を0℃でゆっくりと加える。混合液を0℃で3時
間撹拌し、0.3N塩酸750ml中に注ぎ、ジクロロ
メタンで抽出する。有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、濃縮する。残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=
4:1〜3:1)で精製して標記化合物56.9g(97
%)を得る。1 H NMR(270MHz、CDCl3)δ7.36(s,
1H),7.30(d,1H,J=8.3Hz),6.92(d,1
H,J=8.3Hz),4.94〜5.01(m,1H),4.1
3〜4.16(m,2H),3.64(s,3H),2.43〜2.
75(m,6H),1.11〜1.26(m,3H)
【0078】6)6−ブロモ−2−メトキシカルボニル
メチル−8−ニトロ−N−エトキサリルテトラヒドロキ
ノリン 6−ブロモ−2−メトキシカルボニルメチル−N−エト
キサリルテトラヒドロキノリン56.0g(0.146モ
ル)のジクロロメタン500ml溶液をテトラフルオロ
ホウ酸ニトロニウム25.0g(0.179モル)のジクロ
ロメタン500ml懸濁液に0℃で滴下する。混合液を
0℃で3時間撹拌し、氷水中に注ぎ、ジクロロメタンで
抽出する。有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム
で乾燥し、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3:1〜
2:1)で精製して標記化合物52.0g(83%)を得
る。1 H NMR(270MHz、CDCl3)δ8.11およ
び7.99(dおよびd,1H,J=2Hz),7.66およ
び7.61(dおよびd,1H,J=2Hz),5.03〜5.
16および4.74〜4.85(mおよびm,1H),4.3
7〜4.49および4.13(mおよびq,2H,J=7.2
Hz),3.72および3.62(sおよびs,3H),2.4
4〜3.02(m,5H),1.65〜1.80および1.50
〜1.60(mおよびm,1H),1.42および1.23(t
およびt,3H,J=7.2および7.2Hz)
【0079】7)9−ブロモ−5−メトキシカルボニル
メチル−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,
3−de]キノキサリン−2,3−ジオン 20%三塩化チタン水溶液670g(0.867モル)、
水500ml、およびアセトン500mlの混合液に6
−ブロモ−2−メトキシカルボニルメチル−8−ニトロ
−N−エトキサリルテトラヒドロキノリン52.0g
(0.121モル)のアセトン600ml溶液を0℃で滴
下する。混合液を室温で一晩撹拌し、約1リットルまで
濃縮し、水1リットルで希釈する。沈殿物を濾取し、水
洗し、真空乾燥して標記化合物35.2gを得る。濾液
を酢酸エチルで抽出し、有機層を食塩水で洗浄し、硫酸
マグネシウムで乾燥し、濃縮する。残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(溶媒:酢酸エチル)で精製して
標記化合物6.0g(合計89%)を得る。 mp 185〜187℃1 H NMR(270MHz、DMSO−d6)δ12.0
4(bs,1H),7.20(d,1H,J=2Hz),7.15
(d,1H,J=2Hz),5.04〜5.13(m,1H),3.
62(s,3H),2.94(ddd,1H,J=17.1,1
3.5,4.5Hz),2.78(dm,1H,J=17.1H
z),2.63(dd,1H,J=18,7.2Hz),2.5
7(dd,1H,J=18,3.6Hz),2.09(dm,1
H,J=13.5Hz),1.80〜1.95(m,1H)
【0080】8)9−ブロモ−5−カルボキシメチル−
6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]
キノキサリン−2,3−ジオン 9−ブロモ−5−メトキシカルボニルメチル−6,7−
ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキ
サリン−2,3−ジオン25.0g(0.071モル)のT
HF350mlとメタノール350ml混合溶液に1N
水酸化ナトリウム水溶液440mlを加え、室温で2時
間撹拌する。混合液を約500mlまで濃縮し、1N塩
酸水溶液を加えて酸性にする。沈殿物を濾取し、蒸留水
で洗浄し、真空乾燥して標記化合物22.9g(95%)
を得る。 mp >270℃1 H NMR(270MHz、DMSO−d6)δ12.0
6(bs,1H),7.20(d,1H,J=2Hz),7.15
(d,1H,J=2Hz),5.02〜5.12(m,1H),2.
95(ddd,1H,J=17.1,13.5,4.5Hz),
2.79(dm,1H,J=17.1Hz),2.43〜2.6
1(m,2H),2.12(dm,1H,J=13.5Hz),1.
78〜1.96(m,1H)
【0081】参考例2 9−クロロ−5−カルボキシメチル−6,7−ジヒドロ
−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−
2,3−ジオン 1)9−クロロ−5−メトキシカルボニルメチル−6,7
−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノ
キサリン−2,3−ジオン 9−ブロモ−5−メトキシカルボニルメチル−6,7−
ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキ
サリン−2,3−ジオン530mg(1.50ミリモル)と
塩化銅1.0g(10.1ミリモル)のジメチルスルホキシ
ド5ml混合液を160℃で4.5時間加熱し、1N塩
化アンモニウム水溶液200ml中に注ぐ。混合液をT
HFと酢酸エチルの混合溶媒600mlで抽出する。抽
出液を1N塩化アンモニウム水溶液200mlで2回と
食塩水200mlで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
し、濃縮する。残渣をエタノールから再結晶して標記化
合物125mg(27%)を得る。 mp 218〜220℃(分解)1 H NMR(270MHz、DMSO−d6)δ12.0
8(bs,1H),7.08(d,1H,J=2Hz),7.02
(d,1H,J=2Hz),5.04〜5.13(m,1H),3.
62(s,3H),2.94(ddd,1H,J=17.1,1
3.5,4.5Hz),2.78(dm,1H,J=17.1H
z),2.63(dd,1H,J=18,7.2Hz),2.57
(dd,1H,J=18,3.6Hz),2.09(dm,1H,
J=13.5Hz),1.80〜1.95(m,1H)
【0082】2)9−クロロ−5−カルボキシメチル−
6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]
キノキサリン−2,3−ジオン 9−クロロ−5−メトキシカルボニルメチル−6,7−
ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキ
サリン−2,3−ジオン246mg(0.8ミリモル)を参
考例1−8)の様に加水分解して標記化合物210mg
(89%)を得る。 mp >280℃1 H NMR(270MHz、DMSO−d6)δ12.0
6(bs,1H),7.08(d,1H,J=2Hz),7.02
(d,1H,J=2Hz),5.02〜5.13(m,1H),2.
95(ddd,1H,J=17.1,13.5,4.5Hz),
2.78(dm,1H,J=17.1Hz),2.41〜2.6
0(m,2H),2.14(dm,1H,J=13.5Hz),1.
88〜1.95(m,1H)
【0083】実施例1 (S)−9−クロロ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(メトキシカルボニル)フェニ
ルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H
−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオ
【化24】 1)(S)−9−クロロ−5−カルボキシメチル−6,7−
ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキ
サリン−2,3−ジオン (S)−2−メトキシカルボニルテトラヒドロキノリン
([α]D=+41.4゜)を参考例1と2の方法に準じて処
理し標記化合物を得る。 [α]D=−126.1゜(c=1.0、メタノール)
【0084】2)5−アジドメチル−2−ニトロ安息香
酸メチル 5−メチル−2−ニトロ安息香酸メチル5.5g(30ミ
リモル)、N−ブロモスクシンイミド(NBS)5.87g
(33ミリモル)およびアゾビスイソブチロニトリル(A
IBN)200mgの四塩化炭素60ml混合物を3時
間還流する。生じた不溶物を濾過して除き、濾液を濃縮
する。残渣をDMF10mlに溶解し、ナトリウムアジ
ド2.92g(45ミリモル)を加える。混合物を50℃
で2時間撹拌し、食塩水に注ぎ、トルエン/酢酸エチル
(1:1)混合液で抽出する。有機層を食塩水で洗浄し、
硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮する。残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン/酢酸エ
チル=4:1)で精製して標記化合物3.97g(56%)
を得る。1 H NMR(CDCl3)δ7.95(d,1H,J=8.1
Hz),7.69(d,1H,J=2Hz),7.57(dd,1
H,J=8.1,2Hz),4.52(s,2H),3.96(s,
3H)
【0085】3)5−tert−ブトキシカルボニルア
ミノメチルアントラニル酸メチル 5−アジドメチル−2−ニトロ安息香酸メチル8.19
g(34.7ミリモル)の酢酸エチル300ml溶液をジ
カルボン酸ジ−tert−ブチル8.3g(38.1ミリ
モル)と10%パラジウム炭素1gの存在下水素常圧下
室温で10時間水素添加する。触媒をセライト上で濾過
し、濾液を濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4:1)で精
製して標記化合物6.5g(67%)を得る。1 H NMR(CDCl3)δ7.75(d,1H,J=2H
z),7.21(dd,1H,J=8.1,2Hz),6.64
(d,1H,J=8.1Hz),5.64〜5.76(br,2
H),4.66〜4.72(br,1H),4.17(bd,2H,
J=6.3Hz),3.88(s,3H),1.47(s,9H) 4)(S)−9−クロロ−5−[p−tert−ブトキシカ
ルボニルアミノメチル−o−(メトキシカルボニル)フェ
ニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5
H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジ
オン 5−tert−ブトキシカルボニルアミノメチルアント
ラニル酸メチル802mg(2.85ミリモル)、(S)−
9−クロロ−5−カルボキシメチル−6,7−ジヒドロ
−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−
2,3−ジオン756mg(2.57ミリモル)、トリエチ
ルアミン0.86ml(6.16ミリモル)およびN,N−
ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)−ホスフィン
酸クロリド(Boc−Cl)726mg(2.85ミリモ
ル)のジクロロメタン8ml混合物を室温下3.5時間撹
拌する。Boc−Cl726mgを加え、混合物をさら
に2時間撹拌する。混合物を酢酸エチル800mlで希
釈し、5%硫酸水素カリウム、水、1/15リン酸緩衝
液(pH7.5)、水、および食塩水で順次洗浄し、硫酸
マグネシウムで乾燥し、濃縮する。残渣をアセトン/酢
酸エチルで再結晶して標記化合物445mgを得る。母
液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(溶媒:酢酸エチル〜100%THF)で精製してさら
に63mg(36%)の標記化合物を得る。1 H NMR(DMSO−d6)δ12.0〜12.5(br,
1H),10.46(s,1H),8.03(d,1H,J=8.6
Hz),7.75(d,1H,J=2Hz),7.45(bt,1
H,J=5.9Hz),7.45(dd,1H,J=8.6,2H
z),7.11(d,1H,J=2Hz),7.04(d,1H,J
=2Hz),5.18(m,1H),4.11(d,2H,J=5.
9Hz),3.84(s,3H),3.0〜3.15(m,1H),
2.83(dm,1H,J=17.1Hz),2.60〜2.7
8(m,2H),2.17(dm,1H,J=14Hz),1.8
0〜2.00(m,1H),1.40(s,9H)
【0086】実施例2 (S)−9−クロロ−5−(p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−カルボキシフェニルカルバモ
イルメチル)−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド
[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオン (S)−9−クロロ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(メトキシカルボニル)フェニ
ルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H
−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオ
ン445mgの1N水酸化ナトリウム5ml、THF5
mlおよびメタノール5ml溶液を室温下3.5時間撹
拌し、溶媒を約5mlまで濃縮する。残渣に5%硫酸水
素カリウムを加え、生成する沈殿物を濾取し、水洗し、
乾燥して標記化合物453mgを得る。
【0087】実施例3 (S)−9−クロロ−5−(p−アミノメチル−o−カル
ボキシフェニルカルバモイルメチル)−6,7−ジヒドロ
−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−
2,3−ジオン (S)−9−クロロ−5−(p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−カルボキシフェニルカルバモ
イルメチル)−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド
[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオン430
mgの塩化水素の1,4−ジオキサン2N溶液14ml
懸濁液を室温下一晩撹拌し、ジエチルエーテルで希釈す
る。沈殿物を濾取し、水から再結晶して標記化合物35
0mgを得る。1 H NMR(DMSO−d6)δ12.0〜13.0(br,
1H),12.12(bs,1H),11.06(bs,1H),
8.36(d,1H,J=8.6Hz),8.20〜8.40(b
r,3H),8.10(d,1H,J=2.3Hz),7.69(d
d,1H,J=8.6,2.3Hz),7.10(d,1H,J=
2.3Hz),7.07(d,1H,J=2.3Hz),5.20
(m,1H),4.03(bd,2H,J=6.6Hz),3.00
〜3.15(m,1H),2.78〜2.90(dm,1H,J=
14.0Hz),2.71(bd,2H,J=7.3Hz),2.
15〜2.28(dm,1H,J=14.0Hz),1.82〜
2.00(m,1H)
【0088】実施例4 (S)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(メトキシカルボニル)フェニ
ルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H
−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオ
ン 1)(S)−9−ブロモ−5−カルボキシメチル−6,7−
ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキ
サリン−2,3−ジオン (S)−2−メトキシカルボニルテトラヒドロキノリン
([α]D=+41.4°)を参照例1と同様に処理して標記
化合物を得る。 [α]D=−108.3°(c=0.1,メタノール)
【0089】2)(S)−9−ブロモ−5−[p−tert
−ブトキシカルボニルアミノメチル−o−(メトキシカ
ルボニル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒ
ドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリ
ン−2,3−ジオン (S)−9−ブロモ−5−カルボキシメチル−6,7−ジ
ヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサ
リン−2,3−ジオン760mg(2.24ミリモル)と5
−tert−ブトキシカルボニルアミノメチルアントラ
ニル酸メチル700mg(2.49ミリモル)を実施例1
−4)と同様に処理して標記化合物640mg(48%)
を得る。1 H NMR(DMSO−d6)δ12.06(bs,1H),
10.44(s,1H),8.01(d,1H,J=8.1Hz),
7.76(d,1H,J=2Hz),7.42〜7.50(m,2
H),7.24(d,1H,J=2Hz),7.17(d,1H,J
=2Hz),5.11〜5.27(m,1H),4.12(d,2
H,J=6.3Hz),3.84(s,3H),3.05(ddd,
1H,J=17.1,13.5,4,5Hz),2.83(dm,
1H,J=17.1Hz),2.60〜2.76(m,2H),
2.17(dm,1H,J=13.5Hz),1.78〜1.9
7(m,1H),1.39(s,9H)
【0090】実施例5 (S)−9−ブロモ−5−(p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−カルボキシフェニルカルバモ
イルメチル)−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド
[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオン (S)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(メトキシカルボニル)フェニ
ルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H
−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオ
ン680mg(1.06ミリモル)の1N水酸化ナトリウ
ム6ml、THF6mlおよびメタノール6ml溶液を
室温下3.5時間撹拌し、溶媒を約6mlまで濃縮す
る。残渣に5%硫酸水素カリウムを加え、酢酸エチルで
抽出する。有機層を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥
し、濃縮して標記化合物608mgを得る。1 H NMR(DMSO−d6)δ12.06(bs,1H),
11.93(s,1H),8.31(d,1H,J=8.6Hz),
7.85(d,1H,J=2Hz),7.30〜7.46(m,2
H),7.10〜7.30(m,4H),7.17(d,1H,J=
2Hz),5.11〜5.27(m,1H),4.08(d,2H,
J=6.3Hz),3.05(ddd,1H,J=17.1,1
3.5,4,5Hz),2.80(dm,1H,J=17.1H
z),2.60〜2.76(m,2H),2.17(dm,1H,J
=13.5Hz),1.78〜1.97(m,1H),1.39
(s,9H)
【0091】実施例6 (S)−9−ブロモ−5−(p−アミノメチル−o−カル
ボキシフェニルカルバモイルメチル)−6,7−ジヒドロ
−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−
2,3−ジオン塩酸塩 (S)−9−ブロモ−5−(p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−カルボキシフェニルカルバモ
イルメチル)−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド
[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオン350
mgを実施例3と同様に処理して標記化合物275mg
を得る。1 H NMR(CD3OD)δ8.58(d,1H,J=8.1
Hz),8.20(d,1H,J=2Hz),7.64(dd,1
H,J=8.1,2Hz),7.24(bs,1H),7.22(b
s,1H),5.35〜5.46(m,1H),4.13(s,2
H),3.15(ddd,1H,J=17.1,13.5,4.5
Hz),2.92(dm,1H,J=17.1Hz),2.84
(dd,1H,J=6.3,13.5Hz),2.75(dd,1
H,J=8.1,13.5Hz),2.34(dm,1H,J=1
3.5Hz),1.97〜2.15(m,1H) [α]D=−37.6°(c=1.0、メタノール)
【0092】実施例7 (±)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(メトキシカルボニル)フェニ
ルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H
−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオ
ン (±)−9−ブロモ−5−カルボキシメチル−6,7−ジ
ヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサ
リン−2,3−ジオン300mg(1.17ミリモル)と5
−tert−ブトキシカルボニルアミノメチルアントラ
ニル酸メチル361mg(1.28ミリモル)を実施例1
〜4と同様に処理して標記化合物を得る。
【0093】実施例8 (±)−9−ブロモ−5−[p−アミノメチル−o−(メト
キシカルボニル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7
−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノ
キサリン−2,3−ジオン (±)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(メトキシカルボニル)フェニ
ルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H
−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオ
ン35mgを実施例3と同様に処理して標記化合物31
mg(89%)を得る。1 H NMR(CD3OD)δ8.50(d,1H,J=8.1
Hz),8.16(d,1H,J=2Hz),7.66(dd,1
H,J=2,8.1Hz),7.25(bs,1H),7.23(b
s,1H),5.37〜5.47(m,1H),4.16(s,2
H),3.95(s,3H),3.16(ddd,1H,J=17.
1,13.5,4.5Hz),2.91(dm,1H,J=17.
1Hz),2.86(dd,1H,J=6.3,13.5Hz),
2.75(dd,1H,J=8.1,13.5Hz),2.39
(dm,1H,J=13.5Hz),1.99〜2.14(m,1
H)
【0094】実施例9 (S)−9−クロロ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(メトキシカルボニルメチル)
フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1
H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3
−ジオン
【化25】 1)4−ニトロ−3−トリフルオロメタンスルホニルオ
キシトルエン 3−メチル−6−ニトロフェノール3.06g(20ミリ
モル)と2,4,6−コリジン4.0ml(30ミリモル)の
ジクロロメタン100ml溶液に無水トリフルオロメタ
ンスルホン酸7.05g(25ミリモル)を室温下で加え
る。混合物を同温度で一晩撹拌し、水中に注ぎ、酢酸エ
チルで抽出する。有機層を0.2N塩酸、水、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液および食塩水で順次洗浄し、硫酸
マグネシウムで乾燥し、濃縮して標記化合物5.0g(8
8%)を得る。1 H NMR(CDCl3)δ8.03(d,1H,J=8.3
Hz),7.36(d,1H,J=8.3Hz),7.24(s,1
H),2.52(s,3H)
【0095】2)1−ニトロ−4−フタルイミドメチル
−2−トリフルオロメタンスルホニルオキシベンゼン 4−ニトロ−3−トリフルオロメタンスルホニルオキシ
トルエン5.7g(20ミリモル)、N−ブロモスクシン
イミド5.7g(32ミリモル)および過酸化ベンゾイル
1gの四塩化炭素75ml混合物を18時間還流する。
不溶物を濾別し、濾液を濃縮する。残渣をDMF40m
lに溶解し、フタルイミドカリウム2.6g(14ミリモ
ル)を加える。混合物を室温下5時間撹拌し、食塩水中
に注ぎ、トルエン/酸化エチル(1:1)で抽出する。有
機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃
縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶媒:ヘキサン/酸化エチル=9:1〜1:1)で精製
して標記化合物3.4g(39%)を得る。1 H NMR(CDCl3)δ8.14(d,1H,J=8.3
Hz),7.86〜7.91(m,2H),7.75〜7.79
(m,2H),7.63(dd,1H,J=8.3,1.6Hz),
7.54(d,1H,J=1.6Hz),4.93(s,2H)
【0096】3)2−ニトロ−5−フタルイミドメチル
フェニルマロン酸ジエチル あらかじめ無水ヘキサンで洗浄した60%水素化ナトリ
ウム5.8g(145ミリモル)のDMF150ml懸濁
液にマロン酸ジエチル26.4ml(175ミリモル)を
室温で加える。混合物を40℃で1.5時間加熱し、室
温まで放冷し、1−ニトロ−4−フタルイミドメチル−
2−トリフルオロメタンスルホニルオキシベンゼン25
g(58ミリモル)を加える。混合物を室温下一晩撹拌
し、3%硫酸水素カリウム中に注ぎ、トルエン/酢酸エ
チル(1:1)で抽出する。抽出液を5%硫酸水素カリウ
ム、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および食塩水で
順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮する。未
反応のマロン酸ジエチルを減圧留去し、固体様残渣をジ
エチルエーテル/ヘキサン(1:1)で洗浄して標記化合
物24.5gを得る。1 H NMR(CDCl3)δ8.04(d,1H,J=8.9
Hz),7.85〜7.90(m,2H),7.72〜7.78
(m,2H),7.56(d,1H,J=8.9Hz),7.54
(s,1H),5.24(s,1H),4.90(s,2H),4.2
7(q,4H,J=7.3Hz),1.28(t,6H,J=7.
3Hz)
【0097】4)5−アミノメチル−2−ニトロフェニ
ル酢酸メチル塩酸塩 2−ニトロ−5−フタルイミドメチルフェニルマロン酸
ジエチルの濃塩酸150mlと1,4−ジオキサン15
0ml溶液を120℃で24時間加熱する。溶媒を真空
留去し、固体様残渣をメタノール100mlに溶解し、
塩化チオニル11.8gを0℃で滴下する。混合物を4
0℃で2時間撹拌し、溶媒と過剰の試薬を真空留去す
る。残渣をジエチルエーテルで洗浄し、乾燥して標記化
合物6.5g(定量的)を得る。1 H NMR(CD3OD)δ8.18(d,1H,J=8.6
Hz),7.63(dd,1H,J=8.6,1.6Hz),7.5
6(d,1H,J=1.6Hz),4.23(s,2H),4.09
(s,2H),3.69(s,3H)
【0098】5)5−tert−ブトキシカルボニルア
ミノメチル−2−ニトロフェニル酢酸メチル 5−アミノメチル−2−ニトロフェニル酢酸メチル塩酸
塩6.80(26.1ミリモル)とトリエチルアミン12m
lのジクロロメタン100ml溶液に炭酸水素ジ−te
rt−ブチル9ml(39.2ミリモル)を室温で加え
る。混合物を1.5時間撹拌し、酢酸エチルで希釈す
る。混合物を5%硫酸水素カリウム、水、飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液および食塩水で順次洗浄し、濃縮す
る。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶
媒:ヘキサン/酢酸エチル=6:1〜2:1)で精製し
て標記化合物8.55g(定量的)を得る。1 H NMR(CDDl3)δ8.11(d,1H,J=8.3
Hz),7.38(d,1H,J=8.3Hz),7.25(s,1
H),4.98(br,1H),4.39(d,2H,J=6.3H
z),4.02(s,2H),1.49(s,9H)
【0099】6)4−tert−ブトキシカルボニルア
ミノメチル−2−メトキシカルボニルメチルアニリン 5−tert−ブトキシカルボニルアミノメチル−2−
ニトロフェニル酢酸メチル6.8g(21ミリモル)のメ
タノール250ml溶液を10%パラジウム−炭素の存
在下、水素常圧下室温で水素添加する。触媒をセライト
を用いて濾別し、濾液を濃縮して標記化合物5.8gを
得る。1 H NMR(CDDl3)δ7.02(d,1H,J=7.6
Hz),7.00(s,1H),6.67(d,1H,J=7.6H
z),4.72(br,1H),4.18(d,2H,J=5.7H
z),4.05(br,2H),3.55(s,2H),1.46
(s,9H)
【0100】7)(S)−9−クロロ−5−[p−tert
−ブトキシカルボニルアミノメチル−o−(メトキシカ
ルボニルメチル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7
−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノ
キサリン−2,3−ジオン 4−tert−ブトキシカルボニルアミノメチル−2−
メトキシ−カルボニルメチルアニリンメチル1.20g
(4.27ミリモル)、(S)−9−クロロ−5−カルボキ
シメチル−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,
2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオン1.26g
(4.27ミリモル)、トリエチルアミン1.49ml(1
0.7ミリモル)およびBop−Cl1.19g(4.69
ミリモル)のジクロロメタン26ml溶液を0℃〜室温
下4.5時間撹拌し、酢酸エチルで抽出する。混合物を
5%硫酸水素カリウム、水、1/15リン酸緩衝液(p
H7.5)、水および食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、濃縮する。固体様残渣をジエチルエーテ
ル/ジクロロメタン(1:1)で洗浄し、乾燥して標記化
合物1.82g(74%)を得る。1 H NMR(DMSO−d6)δ12.06(s,1H),9.
48(s,1H),7.39(t,1H,J=7.2Hz),7.2
6(d,1H,J=9.0Hz),7.15〜7.05(m,3
H),7.04(bs,1H),5.26〜5.14(m,1H),
4.08(d,2H,J=7.2Hz),3.66(s,2H),
3.57(s,3H),3.06(ddd,1H,J=17.1,
13.5,4.5Hz),2.83(dm,1H,J=17.1H
z),2.66〜2.52(m,2H),2.11(dm,1H,J
=13.5Hz),1.97〜1.77(m,1H),1.41
(s,9H)
【0101】実施例10 (S)−9−クロロ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(カルボキシメチル)フェニル
カルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H−
ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオン (S)−9−クロロ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(メトキシカルボニルメチル)
フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1
H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3
−ジオン1.82g(3.18ミリモル)の1N硫酸ナトリ
ウム水溶液20ml、THF20mlおよびメタノール
20ml溶液を室温で4時間撹拌する。混合液を5%硫
酸水素カリウムを添加してpH3に調整し、酢酸エチル
/THF(1:1)混液で抽出する。有機層を食塩水で洗
浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮する。固体様残
渣をジクロロメタンで洗浄し、真空乾燥して標記化合物
1.499gを得る。
【0102】実施例11 (S)−9−クロロ−5−[p−アミノメチル−o−(カル
ボキシメチル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−
ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキ
サリン−2,3−ジオン塩酸塩 (S)−9−クロロ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(カルボキシメチル)フェニル
カルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H−
ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオン
1.499gの2N塩化水素1,4−ジオキサン溶液30
ml懸濁液を室温で一晩撹拌し、ジエチルエーテルで希
釈する。沈殿物を集め、水から再結晶して標記化合物
1.247g(79%)を得る。1 H NMR(DMSO−d6)δ12.40(bs,1H),
12.12(s,1H),9.63(s,1H),8.25(br,
3H),7.46(d,1H,J=9Hz),7.36(d,1H,
J=9.0Hz),7.34(s,1H),7.13(s,1H),
7.06(s,1H),5.28〜5.14(m,1H),4.05
〜3.93(m,2H),3.64(d,1H,J=16Hz),
3.62(d,1H,J=16Hz),3.08(ddd,1H,
J=17.1,13.5,4.5Hz),2.82(dm,1H,
J=17.1Hz),2.72〜2.55(m,2H),2.11
(dm,1H,J=17.1Hz),1.96〜1.76(m,1
H)
【0103】実施例12 (S)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(メトキシカルボニルメチル)
フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1
H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3
−ジオン 4−tert−ブトキシカルボニルアミノメチル−2−
メトキシカルボニルメチルアニリンメチル7.63g(2
2.51ミリモル)と(S)−9−ブロモ−5−カルボキシ
メチル−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,
3−de]キノキサリン−2,3−ジオン6.03g(2
1.43ミリモル)を実施例9−7)と同様に処理して標
記化合物8.02g(61%)を得る。1 H NMR(DMSO−d6)δ12.06(bs,1H),
9.48(s,1H),8.01(d,1H,J=8.1Hz),
7.38(t,1H,J=7.2Hz),7.20〜7.30
(m,2H),7.09〜7.20(m,3H),5.13〜5.2
3(m,1H),4.08(d,2H,J=7.2Hz),3.67
(s,2H),3.60(s,3H),2.97〜3.14(m,1
H),2.82(dm,1H,J=17.1Hz),2.56〜
2.64(m,2H),2.04〜2.14(m,1H),1.79
〜1.93(m,1H)
【0104】実施例13 (S)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(カルボキシメチル)フェニル
カルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H−
ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオン (S)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(メトキシカルボニルメチル)
フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1
H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3
−ジオン8.02g(13.03ミリモル)を実施例10と
同様に処理して標記化合物6.52gを得る。
【0105】実施例14 (S)−9−ブロモ−5−[p−アミノメチル−o−(カル
ボキシメチル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−
ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキ
サリン−2,3−ジオン塩酸塩 (S)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(カルボキシメチル)フェニル
カルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H−
ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオン
6.5gを実施例11と同様に処理して標記化合物5.4
38g(80%)を得る。1 H NMR(CD3OD)δ7.54(d,1H,J=9H
z),7.40(bs,1H),7.37(bd,1H,J=9H
z),7.25(bs,1H),7.22(bs,1H),5.38
〜5.50(m,1H),4.11(s,2H),3.71(s,2
H),3.16(ddd,1H,J=17.1,13.5,4.5
Hz),2.91(dm,1H,J=17.1Hz),2.79
(dd,1H,J=5.4,13.5Hz),2.71(dd,1
H,J=8.1,13.5Hz),2.34(dm,1H,J=1
3.5Hz),1.95〜2.12(m,1H)[α]D=−60.
0°(c=0.1、メタノール)
【0106】実施例15 (±)−9−ブロモ−5−[p−(2,3−ジ−tert−
ブトキシカルボニルグアニジノメチル)−o−(メトキシ
カルボニルメチル)フェニルカルバモイルメチル]−6,
7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キ
ノキサリン−2,3−ジオン
【化26】 1)3−(2,3−ジ−tert−ブトキシカルボニルグ
アニジノメチル)−6−ニトロフェニル酢酸メチル 3−(アミノメチル)−6−ニトロフェニル酢酸メチル塩
酸塩652mg(2.5ミリモル)、1,3−ジ−tert
−ブトキシカルボニル−2−メチルイソチア尿素850
mg(2.9ミリモル)およびトリエチルアミン708m
g(7.9ミリモル)のDMF10ml溶液を55〜55
℃で7時間撹拌する。混合物を水で希釈し、トルエン/
酢酸エチル(1:1)で抽出する。有機層を食塩水で洗浄
し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮する。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン/酢
酸エチル=6:1〜4:1)で精製して標記化合物70
5mg(65%)を得る。1 H NMR(CDCl3)δ11.54(bs,1H),8.7
4(br,1H,J=5.6Hz),8.12(d,1H,J=
8.6Hz),7.41(dd,1H,J=8.6,1.7Hz),
7.27(d,1H,J=1.7Hz),4.72(d,1H,J
=5.6Hz),4.03(s,2H),3.72(s,3H),1.
50(s,18H)
【0107】2)4−(2,3−ジ−tert−ブトキシ
カルボニルグアニジノメチル)−2−メトキシカルボニ
ルメチルアニリン 3−(2,3−ジ−tert−ブトキシカルボニルグアニ
ジノメチル)−6−ニトロフェニル酢酸メチル400m
g(0.92ミリモル)を実施例9−6)と同様に処理して
標記化合物362mg(97%)を得る。
【0108】3)(±)−9−ブロモ−5−[p−(2,3−
ジ−tert−ブトキシカルボニルグアニジノメチル)
−o−(メトキシカルボニルメチル)フェニルカルバモイ
ルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,
2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオン 4−(2,3−ジ−tert−ブトキシカルボニルグアニ
ジノメチル)−2−メトキシカルボニルメチルアニリン
220mg(0.54ミリモル)と(±)−9−ブロモ−5
−カルボキシメチル−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピ
リド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオン1
90mg(0.56ミリモル)を実施例9−7)と同様に処
理し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:0.
3%酢酸/酢酸エチル)で精製して標記化合物185m
g(47%)を得る。1 H NMR(DMSO−d6)δ12.07(br,1H),
11.53(br,1H),9.50(br,1H),8.66(b
t,1H,J=5.9Hz),7.32(d,1H,J=8.6H
z),7.13〜7.28(m,4H),5.13〜5.28(m,
1H),4.48(bd,2H,J=8.6Hz),3.68(b
s,2H),3.59(s,3H),3.00〜3.18(m,1
H),2.78〜2.89(dm,1H,J=14.0Hz),
2.59(bd,2H,J=7.3Hz),2.05〜2.17
(dm,1H,J=14.0Hz),1.79〜1.95(m,1
H),1.48(s,9H),1.39(s,9H)
【0109】実施例16 (±)−9−ブロモ−5−[p−(2,3−ジ−tert−
ブトキシカルボニルグアニジノメチル)−o−(カルボキ
シメチル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒ
ドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリ
ン−2,3−ジオン (±)−9−ブロモ−5−[p−(2,3−ジ−tert−
ブトキシカルボニルグアニジノメチル)−o−(メトキシ
カルボニルメチル)フェニルカルバモイルメチル]−6,
7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キ
ノキサリン−2,3−ジオン160mg(0.22ミリモ
ル)を実施例10と同様に処理して標記化合物129m
g(82%)を得る。
【0110】実施例17 (±)−9−ブロモ−5−[p−グアニジノメチル−o−
(カルボキシメチル)フェニルカルバモイルメチル]−6,
7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キ
ノキサリン−2,3−ジオン (±)−9−ブロモ−5−[p−(2,3−ジ−tert−
ブトキシカルボニルグアニジノメチル)−o−(メトキシ
カルボニルメチル)フェニルカルバモイルメチル]−6,
7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キ
ノキサリン−2,3−ジオン125mg(0.176ミリ
モル)を実施例11と同様に処理して標記化合物88m
g(90%)を得る。1 H NMR(DMSO−d6)δ12.09(bs,1H),
9.55(bs,1H),7.93(bt,1H,J=5.9H
z),7.41(d,1H,J=8.9Hz),7.05〜7.3
9(m,8H),5.18〜5.27(m,1H),4.33(b
d,2H,J=5.9Hz),3.61(d,2H,J=2.6H
z),3.00〜3.18(m,1H),2.77〜2.90(d
m,1H,J=14Hz),1.78〜1.95(m,1H)
【0111】実施例18 (S)−9−クロロ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(2−メトキシカルボニルエ
チル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ
−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−
2,3−ジオン 1)3−メチル−2−ニトロベンジルアルコール 5−メチル−2−ニトロ安息香酸メチル50g(0.25
6モル)と水素化ホウ素ナトリウム29g(0.768モ
ル)のTHF400mlの還流溶液にメタノール60m
lを2.5時間かけて滴下する。滴下完了後、混合液を
1時間還流し、室温まで放冷する。過剰の試薬を希塩酸
300mlを添加して分解し、酢酸エチルで抽出する。
有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、
濃縮して標記化合物43.0g(100%)を得る。1 H NMR(CDCl3)δ8.03(d,1H,J=8.6
Hz),7.51(s,1H),7.26(d,1H,J=8.6H
z),4.94(bs,2H),2.63(br,1H),2.47
(s,3H)
【0112】2)3−メチル−6−ニトロベンジルマロ
ン酸ジエチル 3−メチル−2−ニトロベンジルアルコール30.0g
(0.18モル)と塩化チオニル30ml(0.42モル)の
ジエチルエーテル200ml混合液を4時間還流し、濃
縮する。残留する試薬と塩化水素をトルエンと共沸して
除き、粗塩化ベンジル37.0gを得る。マロン酸ジエ
チル(0.46モル)と60%水素化ナトリウム14.5g
(0.36モル)から調製したマロン酸ジエチルナトリウ
ム(0.36モル)のDMF300ml溶液に室温で粗塩
化ベンジル37gのトルエン60ml溶液を加える。混
合物を5〜60℃で2時間撹拌し、0.2N塩酸1.5リ
ットル中に注ぎ、トルエン/酢酸エチル(1:1)で抽出
する。有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾
燥し、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(溶媒:トルエン〜トルエン/酢酸エチル(50:
1))で精製して標記化合物25.4g(46%)を得る。1 H NMR(CDCl3)δ7.95(d,1H,J=8.3
Hz),7.19(d,1H,J=8.3Hz),7.17(bs,
1H),4.17(q,2H,J=7.3Hz),4.16(q,2
H,J=7.3Hz),3.86(t,1H,J=7.6Hz),
3.49(d,2H,J=7.6Hz),2.39(s,3H),
1.21(t,6H,J=7.3Hz)
【0113】3)3−フタルイミドメチル−6−ニトロ
ベンジルマロン酸ジエチル 3−メチル−6−ニトロベンジルマロン酸ジエチル2
5.0g(80.8ミリモル)、N−ブロモスクシンイミド
18.5g(103.9ミリモル)およびアゾビスイソブチ
ロニトリル(AIBN)1.1gの四塩化炭素400ml
混合物を11時間還流し、その間3時間毎にAIBN1
00mgを3回添加する。不溶物を濾別し、濾液を濃縮
する。残渣をDMF100mlに溶解し、フタルイミド
カリウム13.5g(72.9ミリモル)を加える。混合物
を5〜60℃で3時間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム
溶液中に注ぎ、トルエン/酢酸エチル(1:1)で抽出す
る。有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
し、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4:1)で精製し
て標記化合物18.66g(51%)を得る。1 H NMR(CDCl3)δ7.96(d,1H,J=8.3
Hz),7.83〜7.90(m,2H),7.71〜7.78
(m,2H),7.43(dd,1H,J=8.3,2.0Hz),
7.40(d,1H,J=2.0Hz),4.86(s,2H),
4.14(q,2H,J=7.3Hz),4.13(q,2H,J
=7.3Hz),3.82(t,1H,J=7.6Hz),3.4
8(d,2H,J=7.6Hz),1.20(t,6H,J=7.
3Hz)
【0114】4)3−(3−tert−ブトキシカルボニ
ルアミノメチル−6−ニトロフェニル)プロピオン酸メ
チル 3−フタルイミドメチル−6−ニトロベンジルマロン酸
ジエチル18.0g(39.6ミリモル)の濃塩酸100m
lとジオキサン100ml溶液を30時間還流し、濃縮
する。残留する試薬と塩酸をトルエンと共沸して除く。
残渣をメタノール250mlに溶解し、塩化チオニル5
0mlを加える。混合液を3時間還流し、濃縮する。残
留する試薬と塩化水素をトルエンと共沸して除く。残渣
をジクロロメタン10mlに溶解し、炭酸水素ジ−te
rt−ブチル0.35mlとトリエチルアミン0.5ml
を加える。混合物を室温で1時間撹拌し、酢酸エチルで
希釈し、5%硫酸水素カリウム、水、飽和炭酸水素ナト
リウム、水および食塩水で順次洗浄する。有機層を硫酸
マグネシウムで乾燥し濃縮する。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=
7:1〜4:1)で精製して標記化合物8.03g(60
%)を得る。1 H NMR(CDCl3)δ7.94(d,1H,J=8.9
Hz),7.29(d,1H,J=2.0Hz),7.28(dd,
1H,J=8.9,2.0Hz),4.90〜5.10(br,1
H),4.36(bd,2H,J=5.9Hz),3.68(s,3
H),3.22(t,2H,J=7.6Hz),2.71(t,2
H,J=7.6Hz),1.47(s,9H)
【0115】5)2−(2−メトキシカルボニルエチル)
−4−tert−ブトキシカルボニルアミノメチルアニ
リン 3−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノメチル
−6−ニトロフェニル)プロピオン酸メチル3.2g(9.
5ミリモル)の酢酸エチル35ml溶液を10%パラジ
ウム−炭素存在下水素常圧下室温で水素添加する。触媒
をセライトを用いて濾別し、濾液を濃縮して標記化合物
3.4gを得る。1 H NMR(CDCl3)δ6.95(dd,1H,J=8.
3,2.0Hz),6.94(d,1H,J=2.0Hz),6.4
0(d,1H,J=8.3Hz),4.70〜4.80(br,1
H),4.17(bd,2H,J=5.3Hz),3.68(s,3
H),2.81(t,2H,J=7.3Hz),2.62(t,2
H,J=7.3Hz),1.46(s,9H)
【0116】6)(S)−9−クロロ−5−[p−tert
−ブトキシカルボニルアミノメチル−o−(2−メトキ
シカルボニルエチル)フェニルカルバモイルメチル]−
6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]
キノキサリン−2,3−ジオン 2−(2−メトキシカルボニルエチル)−4−tert−
ブトキシカルボニルアミノメチルアニリン3.4g、
(S)−9−クロロ−5−カルボキシメチル−6,7−ジ
ヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサ
リン−2,3−ジオン2.80g(9.5ミリモル)、トリ
エチルアミン2.43g(24ミリモル)およびBop−
Cl2.42g(9.5ミリモル)のジクロロメタン40m
l混合物を室温で2時間撹拌し、酢酸エチル800ml
で希釈する。混合物を5%硫酸水素カリウム、水、1/
15リン酸緩衝液(pH7.5)、水および食塩水で順次
洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮する。残渣を
アセトン/酢酸エチルから再結晶して標記化合物3.2
2gを得る。母液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(溶媒:酢酸エチル〜1%酢酸/酢酸
エチル)で精製してさらに標記化合物0.8g(72%)を
得る。1 H NMR(DMSO−d6)δ12.08(bs,1H),
9.45(bs,1H),7.35(bt,1H,J=6.3H
z),7.24(d,1H,J=7.9Hz),7.00〜7.1
8(m,4H),5.18〜5.30(m,1H),4.07(d,
2H,J=6.3Hz),3.61(s,3H),3.03〜3.
20(m,1H),2.74〜2.90(m,3H),2.63
(d,2H,J=7.3Hz),2.55(d,2H,J=7.3
Hz),2.05〜2.20(dm,1H,J=14.0Hz),
1.80〜2.00(m,1H),1.40(s,9H)
【0117】実施例19 (S)−9−クロロ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(2−カルボキシエチル)フェ
ニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5
H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジ
オン (S)−9−クロロ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(2−メトキシカルボニルエ
チル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ
−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−
2,3−ジオン3.05gを実施例2と同様に処理して標
記化合物2.86g(96%)を得る。1 H NMR(DMSO−d6)δ11.50〜12.50
(br,1H),9.52(bs,1H),7.34(bt,1H,
J=5.9Hz),7.26(d,1H,J=8.3Hz),7.
03〜7.09(m,4H),5.19〜5.29(m,1H),
4.07(d,2H,J=6.3Hz),3.03〜3.20
(m,1H),2.74〜2.89(m,3H),2.63(d,2
H,J=7.3Hz),2.42(d,2H,J=7.3Hz),
2.07〜2.20(dm,1H,J=14.0Hz),1.8
0〜1.98(m,1H),1.40(s,9H)
【0118】実施例20 (S)−9−クロロ−5−[p−アミノメチル−o−(2−
カルボキシエチル)フェニルカルバモイルメチル]−6,
7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キ
ノキサリン−2,3−ジオン塩酸塩 (S)−9−クロロ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(2−カルボキシエチル)フェ
ニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5
H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジ
オン2.86gを実施例11と同様に処理して標記化合
物2.50g(98%)を得る。1 H NMR(DMSO−d6)δ11.60〜12.50
(br,1H),12.13(bs,1H),9.61(bs,1
H),8.10〜8.45(br,3H),7.41(d,1H,J
=7.9Hz),7.37(d,1H,J=2.0Hz),7.3
0(dd,1H,J=7.9,2.0Hz),7.10(d,1H,
J=2.0Hz),7.10(d,1H,J=2.0Hz),5.
20〜5.30(m,1H),3.97(d,2H,J=5.6H
z),3.05〜3.20(m,1H),2.74〜2.91(m,
3H),2.61〜2.73(m,2H),2.10〜2.20
(dm,1H,J=14.0Hz),1.82〜1.98(m,1
H)
【0119】実施例21 (S)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(3−メトキシカルボニルプ
ロピル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒド
ロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン
−2,3−ジオン 1)3−メチル−6−ニトロベンズアルデヒド 3−メチル−6−ニトロベンジルアルコール10g(5
9.8ミリモル)と二酸化マンガン80gのジクロロメタ
ン100ml混合液を9時間撹拌し、セライトの短カラ
ムを通す。溶出液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=8:
1)で精製して標記化合物8.25g(84%)を得る。1 H NMR(CDCl3)δ10.44(s,1H),8.05
(d,1H,J=8.3Hz),7.72(d,1H,J=1.7
Hz),7.53(dd,1H,J=8.3,1.7Hz),2.5
3(s,3H)
【0120】2)3−メチル−6−ニトロスチレン メチルトリフェニルホスホニウムブロミド18.86g
(52.8ミリモル)のTHF120ml懸濁液に0.5M
カリウムヘキサメチルジシラジドのトルエン溶液106
ml(53.0ミリモル)を−10℃で加える。混合液を
同温度で40分間撹拌し、3−メチル−6−ニトロベン
ズアルデヒド8.0g(48ミリモル)のTHF60ml
溶液を加える。−10℃で1時間撹拌し、0.2N塩酸
400mlを加える。混合液を酢酸エチルで抽出し、食
塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥して濃縮する。
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘ
キサン/酢酸エチル=15:1)で精製して標記化合物
5.10g(65%)を得る。1 H NMR(CDCl3)δ7.88(d,1H,J=8.3
Hz),7.39(d,1H,J=1.7Hz),7.21(dd,
1H,J=17.2,11.2Hz),7.19(dd,1H,J
=8.3,1.7Hz),5.71(dd,1H,J=17.2,
1.0Hz),5.46(dd,1H,J=11.2Hz),2.
46(s,3H)
【0121】3)2−(3−メチル−6−ニトロフェニ
ル)エチルマロン酸ジエチル 60%水素化ナトリウム1.36g(34ミリモル)のD
MF35ml懸濁液にマロン酸ジエチル7.00g(4
3.7ミリモル)を加える。混合液を60℃で1.5時間
加熱し、室温まで放冷し3−メチル−6−ニトロスチレ
ン4.80g(29.4ミリモル)のDMF10ml溶液を
滴下する。4〜50℃で4時間加熱し、0.1N塩酸中
に注ぎ、トルエン/酢酸エチル(1:1)で抽出する。抽
出液を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃
縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=10:1)で精製して標
記化合物2.70g(28%)を得る。1 H NMR(CDCl3)δ7.89(d,1H,J=8.9
Hz),7.16(s,1H),7.15(d,1H,J=8.9H
z),4.22(q,4H,J=7.3Hz),3.42(t,1
H,J=7.3Hz),2.94(t,2H,J=7.9Hz),
2.41(s,3H),2.25(q,2H,J=7.9Hz),
1.29(t,6H,J=7.3Hz)
【0122】4)2−(3−フタルイミドメチル−6−ニ
トロフェニル)エチルマロン酸ジエチル 2−(3−メチル−6−ニトロフェニル)エチルマロン酸
ジエチル2.7g(8.35ミリモル)、N−ブロモスクシ
ンイミド1.63g(9.19ミリモル)およびアゾビスイ
ソブチロニトリル100mgの四塩化炭素35ml溶液
を14時間還流し、その間AIBNを3時間毎に50m
gずつ3回加える。不溶物を濾別し、濾液を濃縮する。
残渣をDMF100mlに溶解し、フタルイミドカリウ
ム1.3g(7.02ミリモル)を加える。混合物を4〜5
0℃で5時間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注
ぎ、トルエン/酢酸エチル(1:1)で抽出する。有機層
を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮す
る。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶
媒:ヘキサン/酢酸エチル=4:1)で精製して標記化
合物580mg(15%)を得る。
【0123】5)4−(3−tert−ブトキシカルボニ
ルアミノメチル−6−ニトロフェニル)ブタン酸メチル 2−(3−フタルイミドメチル−6−ニトロフェニル)
エチルマロン酸ジエチル580mg(1.24ミリモル)
のジオキサン10mlと濃塩酸10ml溶液を30時間
還流し濃縮する。残留する水と塩酸をトルエンと共沸し
て除く。残渣をメタノール10mlに溶解し、塩化チオ
ニル2mlを滴下する。混合液を2時間還流し濃縮す
る。残留試薬と塩化水素をトルエンと共沸して除く。残
渣をジクロロメタン150mlに溶解し、炭酸水素ジ−
tert−ブチル11ml(48ミリモル)とトリエチル
アミン15mlを加える。混合液を室温で5時間撹拌
し、酢酸エチルで希釈し、5%硫酸水素カリウム、水、
飽和炭酸水素ナトリウム、水および食塩水で順次洗浄す
る。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮する。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキ
サン/酢酸エチル=7:1〜5:1)で精製して標記化
合物8.03g(60%)を得る。1 H NMR(CDCl3)δ7.90(d,1H,J=8.9
Hz),7.26(dd,1H,J=8.9,1.7Hz),7.2
5(d,1H,J=1.7Hz),4.92〜5.13(br,1
H),4.36(bd,2H,J=6.3Hz),3.68(s,3
H),2.92(t,2H,J=7.3Hz),2.41(t,2
H,J=7.3Hz),1.99(5et,2H,J=7.3H
z),1.47(s,9H)
【0124】6)4−tert−ブトキシカルボニルア
ミノメチル−2−(3−メトキシカルボニルプロピル)ア
ニリン 4−(3−tert−ブトキシカルボニルアミノメチル
−6−ニトロフェニル)ブタン酸メチル140mg(0.
4ミリモル)を実施例9−6)と同様に処理して標記化合
物140mg(0.4ミリモル)を得る。1 H NMR(CDCl3)δ6.94(dd,1H,J=8.
3,2.0Hz),6.92(d,1H,J=2.0Hz),6.6
1(d,1H,J=8.3Hz),4.65〜4.77(br,1
H),4.15(bd,2H,J=5.3Hz),3.77(s,3
H),2.50(t,2H,J=7.3Hz),2.40(t,2
H,J=7.3Hz),1.90(5et,2H,J=7.3Hz),
1.45(s,9H)
【0125】7)(S)−9−ブロモ−5−[p−tert
−ブトキシカルボニルアミノメチル−o−(3−メトキ
シカルボニルプロピル)フェニルカルバモイルメチル]−
6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]
キノキサリン−2,3−ジオン 4−tert−ブトキシカルボニルアミノメチル−2−
(3−メトキシカルボニルプロピル)アニリン130mg
(0.4ミリモル)と(S)−9−ブロモ−5−カルボキシ
メチル−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,
3−de]キノキサリン−2,3−ジオン136mg(0.
4ミリモル)を実施例9−7)と同様に処理して標記化合
物118mg(62%)を得る。1 H NMR(DMSO−d6)δ12.07(bs,1H),
9.37(bs,1H),7.36(bt,1H,J=1.7H
z),7.24〜7.31(m,2H),7.17(d,1H,J=
2.0Hz),7.07(d,1H,J=2.0Hz),7.02
〜7.10(m,1H),5.19〜5.30(m,1H),4.0
7(d,2H,J=2.0Hz),3.58(s,3H),3.00
〜3.20(m,1H),2.89〜2.91(dm,1H,J=
14.0Hz),2.65〜2.70(m,2H),2.32(t,
2H,J=7.3Hz),2.08〜2.19(dm,1H,J
=14.0Hz),1.80〜1.98(m,1H),1.73
(5et,2H,J=7.3Hz),1.40(s,9H)
【0126】実施例22 (S)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(3−カルボキシプロピル)フ
ェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,
5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−
ジオン (S)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(3−メトキシカルボニルプ
ロピル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒド
ロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン
−2,3−ジオン110mg(0.17ミリモル)の1N水
酸化ナトリウム水溶液1.5ml、THF1.5mlおよ
びメタノール1.5ml溶液を室温で3時間撹拌する。
混合液を約2mlまで濃縮し、5%硫酸水素カリウム水
溶液で酸性にする。生じる沈殿物を集め、真空乾燥して
標記化合物103mg(96%)を得る。
【0127】実施例23 (S)−9−ブロモ−5−[p−アミノメチル−o−(3−
カルボキシプロピル)フェニルカルバモイルメチル]−
6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]
キノキサリン−2,3−ジオン塩酸塩 (S)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(3−カルボキシプロピル)フ
ェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,
5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−
ジオン103mg(0.164ミリモル)の1,4−ジオキ
サン5ml溶液に4N塩化水素1,4−ジオキサン溶液
5mlを室温で加える。混合液を室温で20時間撹拌し
濃縮する。固体様残渣を真空乾燥して標記化合物90m
g(97%)を得る。1 H NMR(DMSO−d6)δ12.12(br,1H),
11.40〜11.90(br,1H),9.51(br,1
H),8.05〜8.50(br,3H),7.43(d,1H,J
=7.6Hz),7.33(d,1H,J=2.0Hz),5.1
8〜5.30(m,1H),3.98(bs,2H),3.03〜
3.21(m,1H),2.81〜2.90(dm,1H,J=1
4.0Hz),2.50〜2.75(m,4H),2.27(t,2
H,J=7.3Hz),2.06〜2.18(dm,1H,J=
14.0Hz),1.80〜1.95(m,1H),1.73(5
et,2H,J=7.3Hz)
【0128】実施例24 (5S)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカ
ルボニルアミノメチル−o−(1−メトキシカルボニル
−1−アセトキシメチル)フェニルカルバモイルメチル]
−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−d
e]キノキサリン−2,3−ジオン
【化27】 1)1−(3−メチル−6−ニトロフェニル)−1−トリ
メチルシロキシアセトニトリル 3−メチル−6−ニトロベンズアルデヒド4.3g(2
6.0ミリモル)のジクロロメタン40ml溶液にヨウ化
亜鉛200mgの存在下シアン化トリメチルシリル5.
2g(52.0ミリモル)を室温で加える。混合液を室温
で2時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、食塩水で洗浄
し、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮して標記化合物7.
38gを得る。
【0129】2)1−(3−メチル−6−ニトロフェニ
ル)−1−ヒドロキシ酢酸メチル 1−(3−メチル−6−ニトロフェニル)−1−トリメチ
ルシロキシアセトニトリル7.3gの濃塩酸60ml溶
液を80℃で2.5時間加熱し、メタノールとトルエン
混液を加える。溶媒と塩化水素を共沸して除く。残渣を
酢酸エチルに溶解し、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウ
ムで乾燥、濃縮して標記化合物5.80g(99%)を得
る。1 H NMR(CDCl3)δ7.95(d,1H,J=8.3
Hz),7.46(d,1H,J=1.7Hz),7.29(dd,
1H,J=8.3,1.7Hz),5.81(s,1H),3.76
(s,3H),2.46(s,3H)
【0130】3)1−(3−メチル−6−ニトロフェニ
ル)−1−アセトキシ酢酸メチル 1−(3−メチル−6−ニトロフェニル)−1−ヒドロキ
シ酢酸メチル5.70g(25.3ミリモル)、無水酢酸
3.62g(35.5ミリモル)、トリエチルアミン3.6
0g(35.5ミリモル)および4−ジメチルアミノピリ
ジン500mgのジクロロメタン50ml混合液を室温
で1時間撹拌し、濃縮する。残渣を酢酸エチルと0.5
N塩酸混液に溶解する。有機層を集め、食塩水で洗浄
し、硫酸マグネシウムで乾燥、ついで濃縮する。残渣を
カラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン/酢酸エチ
ル=4:1〜3:1)で精製して標記化合物5.7g(8
4%)を得る。1 H NMR(CDCl3)δ7.99(d,1H,J=8.6
Hz),7.40(d,1H,J=1.3Hz),7.33(dd,
1H,J=8.6,1.3Hz),6.86(s,1H),3.76
(s,3H),2.47(s,3H),2.21(s,3H)
【0131】4)1−(3−アジドメチル−6−ニトロフ
ェニル)−1−アセトキシ酢酸メチル 1−(3−メチル−6−ニトロフェニル)−1−アセトキ
シ酢酸メチル3.5g(13.8ミリモル)、N−ブロモス
クシンイミド(NBS)2.70g(15.2ミリモル)およ
びアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)100mgの
四塩化炭素65ml混合液を13時間還流し、その間3
時間毎にAIBN50mgを3回反応液に加える。さら
にNBS1.35g(7.6ミリモル)とAIBN100m
gを加え、さらに7時間還流する。生じた不溶物を濾別
し、濾液を濃縮する。残渣をDMF50mlに溶解し、
ナトリウムアジド1.0g(15.4ミリモル)を加える。
混合液を室温で1時間撹拌し、トルエン、酢酸エチルお
よび5%硫酸水素カリウムの混液中に注ぐ。有機層を集
め、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮す
る。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶
媒:ヘキサン/酢酸エチル=5:1〜4:1)で精製し
て標記化合物1.97g(46%)を得る。1 H NMR(CDCl3)δ8.09(d,1H,J=8.3
Hz),7.57(d,1H,J=2.0Hz),7.51(dd,
1H,J=8.3,2.0Hz),6.88(s,1H),4.52
(s,3H),3.77(s,3H),2.23(s,3H)
【0132】5)4−tert−ブトキシカルボニルア
ミノメチル−2−(1−メトキシカルボニル−1−アセ
トキシメチル)アニリン 1−(3−アジドメチル−6−ニトロフェニル)−1−ア
セトキシ酢酸メチル1.9g(6.16ミリモル)の酢酸エ
チル35ml溶液を炭酸水素ジ−tert−ブチル1.
48g(6.78ミリモル)と10%パラジウム−炭素の
存在下水素常圧下室温で水素添加する。触媒をセライト
を用いて濾別し、濾液を濃縮して粗標記化合物1.1g
を得る。生成物をさらに精製することなく次の工程に用
いる。1 H NMR(CDCl3)δ7.15(d,1H,J=2.0
Hz),7.11(dd,1H,J=8.3,2.0Hz),6.6
7(d,1H,J=8.3Hz),6.02(s,1H),4.68
〜4.82(br,1H),4.20(bd,2H,J=5.6H
z),4.10〜4.20(br,2H),3.74(s,3H),
2.20(s,3H),1.46(s,9H)
【0133】6)(5S)−9−ブロモ−5−[p−ter
t−ブトキシカルボニルアミノメチル−o−(1−メト
キシカルボニル−1−アセトキシメチル)フェニルカル
バモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリ
ド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオン 4−tert−ブトキシカルボニルアミノメチル−2−
(1−メトキシカルボニル−1−アセトキシメチル)アニ
リン500mg(1ミリモル)、(S)−9−ブロモ−5−
カルボキシメチル−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリ
ド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオン47
5mg(1.4ミリモル)、トリエチルアミン0.55ml
およびBop−Cl360mg(1.4ミリモル)のジク
ロロメタン15ml混合液を室温で48時間撹拌し、酢
酸エチル200mlで希釈する。混合液を5%硫酸水素
カリウム、水、1/15リン酸緩衝液(pH7.5)、
水、食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し濃
縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶媒:0.3%酢酸/酢酸エチル)で精製して標記化合
物340mg(50%)を得る。1 H NMR(DMSO−d6)δ12.07(bs,1H),
9.67(bs,1H),7.44(bt,1H,J=5.6H
z),7.36(d,1H,J=8.9Hz),7.27(d,1
H,J=8.9Hz),7.26(s,1H),7.25(d,1
H,J=2.0Hz),7.18(d,1H,J=2.0Hz),
6.20,6.17(s,1H),5.15〜5.28(m,1
H),4.11(bd,2H,J=5.6Hz),3.65(s,3
H),2.99〜3.17(m,1H),2.76〜2.90(d
m,1H,J=14.0Hz),2.55〜2.68(m,2
H),2.04〜2.20(m,1H),2.11,2.12(s,
3H),1.80〜1.99(m,1H),1.40(s,9H)
【0134】実施例25 (5S)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカ
ルボニルアミノメチル−o−(1−カルボキシ−1−ヒ
ドロキシメチル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7
−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノ
キサリン−2,3−ジオン (5S)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカ
ルボニルアミノメチル−o−(1−メトキシカルボニル
−1−アセトキシメチル)フェニルカルバモイルメチル]
−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−d
e]キノキサリン−2,3−ジオン310mg(0.46
ミリモル)の1N水酸化ナトリウム水溶液6ml、TH
F5mlおよびメタノール5ml溶液を室温で6時間撹
拌する。混合液を約6mlまで濃縮し、5%硫酸水素カ
リウム水溶液で酸性にする。沈殿物を集め乾燥して標記
化合物276mg(97%)を得る。
【0135】実施例26 (5S)−9−ブロモ−5−[p−アミノメチル−o−(1
−カルボキシ−1−ヒドロキシメチル)フェニルカルバ
モイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド
[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオン塩酸塩 (5S)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカ
ルボニルアミノメチル−o−(1−カルボキシ−1−ヒ
ドロキシメチル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7
−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノ
キサリン−2,3−ジオン260mg(0.42ミリモル)
の1,4−ジオキサン10ml溶液に4N塩化水素1,4
−ジオキサン溶液10mlを室温で加える。混合液を室
温で14時間撹拌し濃縮する。固体様残渣をジエチルエ
ーテルで洗浄し、真空乾燥して標記化合物240mg
(100%)を得る。1 H NMR(DMSO−d6)δ12.13(br,1H),
9.55,9.58(bs,1H),8.25〜8.45(br,
3H),7.66,7.71(d,1H,J=8.3Hz),7.5
2(d,1H,J=1.7Hz),7.42(dd,1H,J=
8.3,1.7Hz),7.21(bs,2H),5.28,5.3
0(s,1H),5.15〜5.25(m,1H),3.99(b
d,2H,J=5.6Hz),3.01〜3.21(m,1H),
2.65〜2.95(m,3H),2.10〜2.20(dm,1
H,J=14.0Hz),1.80〜1.95(m,1H)
【0136】実施例27 (5S)−9−クロロ−5−[p−tert−ブトキシカ
ルボニルアミノメチル−o−(1−メトキシカルボニル
−1−アセトキシメチル)フェニルカルバモイルメチル]
−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−d
e]キノキサリン−2,3−ジオン 4−tert−ブトキシカルボニルアミノメチル−2−
(1−メトキシカルボニル−1−アセトキシメチル)アニ
リン500mg(1ミリモル)と(S)−9−クロロ−5−
カルボキシメチル−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリ
ド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオン41
3mg(1.4ミリモル)を実施例9−7)と同様に処理し
て標記化合物275mg(43.7%)を得る。1 H NMR(DMSO−d6)δ12.08(br,1H),
9.67(bs,1H),7.44(bt,1H,J=5.9H
z),7.36(d,1H,J=8.3Hz),7.26((d,1
H,J=8.3Hz),7.22(s,1H),7.11(d,1
H,J=2.0Hz),7.03(d,1H,J=2.0Hz),
6.20,6.17(s,1H),5.15〜5.28(m,1
H),4.10(bd,2H,J=5.9Hz),3.65(s,3
H),2.98〜3.18(m,1H),2.75〜2.89(d
m,1H,J=14.0Hz),2.56〜2.67(m,2
H),2.05〜2.21(m,1H),2.11,2.12(s,
3H),1.80〜1.99(m,1H),1.40(s,9H)
【0137】実施例28 (5S)−9−クロロ−5−[p−tert−ブトキシカ
ルボニルアミノメチル−o−(1−カルボキシ−1−ヒ
ドロキシメチル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7
−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノ
キサリン−2,3−ジオン (5S)−9−クロロ−5−[p−tert−ブトキシカ
ルボニル−o−(1−メトキシカルボニル−1−アセト
キシメチル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジ
ヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサ
リン−2,3−ジオン260mg(0.41ミリモル)を実
施例25と同様に処理して標記化合物210mg(89
%)を得る。
【0138】実施例29 (5S)−9−クロロ−5−[p−アミノメチル−o−(1
−カルボキシ−1−ヒドロキシメチル)フェニルカルバ
モイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド
[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオン塩酸塩 (5S)−9−クロロ−5−[p−tert−ブトキシカ
ルボニルアミノメチル−o−(1−カルボキシ−1−ヒ
ドロキシメチル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7
−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノ
キサリン−2,3−ジオン195mg(0.34ミリモル)
を実施例26と同様に処理して標記化合物180mg
(100%)を得る。1 H NMR(DMSO−d6)δ12.14(br,1H),
9.54,9.57(bs,1H),8.20〜8.45(br,
3H),7.66,7.71(d,1H,J=8.3Hz),7.5
2(d,1H,J=1.7Hz),7.41(dd,1H,J=
8.3,1.7Hz),7.11(bs,2H),5.27,5.3
0(s,1H),5.15〜5.30(m,1H),3.99(b
d,2H,J=5.6Hz),3.03〜3.20(m,1H),
2.60〜2.90(m,3H),2.10〜2.20(dm,1
H,J=14.0Hz),1.80〜1.95(m,1H)
【0139】実施例30 (S)−9−クロロ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(tert−ブトキシカルボ
ニルメトキシ)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−
ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキ
サリン−2,3−ジオン
【化28】 1)3−tert−ブトキシカルボニルメトキシ−4−
ニトロトルエン 3−メチル−6−ニトロフェノール30.62g(200
ミリモル)とブロモ酢酸tert−ブチル46.8g(2
40ミリモル)のアセトニトリル700ml溶液を炭酸
カリウム69.1g(500ミリモル)の存在下2時間還
流する。無機物を濾別し、濾液を濃縮する。残渣を酢酸
エチルで希釈し、食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで
乾燥、さらに真空濃縮して標記化合物54.2g(定量
的)を得る。1 H NMR(CDCl3)δ7.82(d,1H,J=8.3
Hz),6.87(d,1H,J=8.3Hz),6.74(s,1
H),4.65(s,2H),2.40(s,3H),1.47(s,
9H)
【0140】2)4−アジドメチル−2−tert−ブ
トキシカルボニルメトキシニトロベンゼン 3−tert−ブトキシカルボニルメトキシ−4−ニト
ロトルエン36.1g(120ミリモル)、N−ブロモス
クシンイミド21.3g(120ミリモル)および過酸化
ベンゾイル4gの四塩化炭素500ml混合液を18時
間還流する。不溶物を濾別し、濾液を濃縮する。残渣を
DMF10mlに溶解し、ナトリウムアジド5.2g(8
0ミリモル)を加える。混合物を50℃で2時間撹拌
し、食塩水中に注ぎ、トルエン/酢酸エチル(1:1)混
液で抽出する。有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシ
ウムで乾燥、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=9:1〜
7:3)で精製して標記化合物13.4g(36%)を得
る。1 H NMR(CDCl3)δ7.89(d,1H,J=8.3
Hz),7.01(dd,1H,J=8.3,1.7Hz),6.9
3(d,1H,J=1.7Hz),4.70(s,2H),4.43
(s,2H),1.48(s,9H)
【0141】3)4−tert−ブトキシカルボニルア
ミノメチル−2−tert−ブトキシカルボニルメトキ
シアニリン 4−アジドメチル−2−tert−ブトキシカルボニル
メトキシニトロベンゼン2.96g(10ミリモル)の酢
酸エチル50ml溶液を炭酸水素ジ−tert−ブチル
2.40g(11ミリモル)と10%パラジウム−炭素1
gの存在下水素常圧下室温で12時間水素添加する。触
媒をセライトで濾過して除き、濾液を濃縮する。残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン
/酢酸エチル=3:1〜1:1)で精製して標記化合物
1.75g(50%)を得る。1 H NMR(CDCl3)δ6.73(dd,1H,J=8.
3Hz),6.68(d,1H,J=8.3,1.7Hz),6.6
6(d,1H,J=8.3Hz),4.65〜4.75(br,1
H),4.52(s,2H),4.16(d,2H,J=5.6H
z),3.90〜4.00(br,2H),1.49(s,9H),
1.46(s,9H)
【0142】4)(S)−9−クロロ−5−[p−tert
−ブトキシカルボニルアミノメチル−o−(tert−
ブトキシカルボニルメトキシ)フェニルカルバモイルメ
チル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3
−de]キノキサリン−2,3−ジオン 4−tert−ブトキシカルボニルアミノメチル−2−
tert−ブトキシカルボニルメトキシアニリン930
mg(2.61ミリモル)、(S)−9−クロロ−5−カル
ボキシメチル−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド
[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオン807
mg(2.74ミリモル)、Bop−Cl770mg(2.
99ミリモル)およびトリエチルアミン2mlのジクロ
ロメタン20ml溶液を室温で4日間撹拌する。混合液
を酢酸エチル500mlで希釈し、5%硫酸水素カリウ
ム水溶液、水、リン酸緩衝液(pH7.5)、水、食塩水
で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮する。固
体様残渣をアセトン/酢酸エチルから再結晶して標記化
合物1.04gを得る。母液を濃縮し残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(溶媒:0.3%酢酸/酢酸エ
チル)で精製して標記化合物をさらに360mg得る。
合計1.40g(85%)の標記化合物を得る。1 H NMR(DMSO−d6)δ12.08(bs,1H),
9.30(bs,1H),7.79(d,1H,J=8.3Hz),
7.32(bt,1H,J=5.9Hz),7.10(d,1H,
J=2.0Hz),7.03(d,1H,J=8.3Hz),6.
80(dd,1H,J=8.3,1.7Hz),6.78(d,1
H,J=1.7Hz),5.15〜5.25(m,1H),4.6
4(s,2H),4.05(bd,2H,J=5.9Hz),3.0
5〜3.20(m,1H),2.70〜2.88(m,2H),2.
55〜2.70(bd,1H,J=14.0Hz),2.03〜
2.20(dm,1H,J=14.0Hz),1.80〜1.9
5(m,1H),1.43(s,9H),1.39(s,9H)
【0143】実施例31 (S)−9−クロロ−5−[p−アミノメチル−o−(カル
ボキシメトキシ)フェニルカルバモイルメチル]−6,7
−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノ
キサリン−2,3−ジオン塩酸塩 (S)−9−クロロ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(tert−ブトキシカルボ
ニルメトキシ)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−
ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキ
サリン−2,3−ジオン1.30gの4N塩化水素1,4
−ジオキサン溶液50ml懸濁液を室温で20時間撹拌
し、2N塩酸35mlを加える。混合液をさらに1時間
撹拌し真空濃縮する。残渣を水から再結晶して標記化合
物900mgを得る。1 H NMR(DMSO−d6)δ12.50〜13.50
(br,1H),12.13(bs,1H),9.44(bs,1
H),8.15〜8.45(br,1H),8.10(d,1H,J
=8.3Hz),7.19(d,1H,J=1.7Hz),7.1
0(d,1H,J=1.7Hz),7.07(d,1H,J=1.
7Hz),7.05(dd,1H,J=8.3,1.7Hz),5.
15〜5.30(m,1H),4.73(s,2H),3.95(b
d,1H,J=5.3Hz),3.05〜3.20(m,1H),
2.75〜2.88(m,2H),2.63(dd,1H,J=
5.3,14Hz),2.09〜2.20(dm,1H,J=1
4Hz),1.80〜1.95(m,1H)
【0144】実施例32 (S)−9−クロロ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(エトキシカルボニルメトキ
シ)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−
1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,
3−ジオン (S)−9−クロロ−5−[p−アミノメチル−o−(カル
ボキシメトキシ)フェニルカルバモイルメチル]−6,7
−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノ
キサリン−2,3−ジオン塩酸塩1.50g(2.86ミリ
モル)、トリエチルアミン2mlおよび炭酸水素ジ−t
ert−ブチル750mg(3.44ミリモル)のジクロ
ロメタン混合液を室温で6時間撹拌し、濃縮する。残渣
に2%硫酸水素カリウム水溶液200mlを加え、沈殿
物を濾取する。沈殿物を真空乾燥し、ジクロロメタン2
0mlに懸濁する。Bop−Cl884mg(3.43ミ
リモル)、エタノール264mg(5.72ミリモル)およ
びトリエチルアミン2.5mlを加え、室温で20時間
撹拌する。混合液を酢酸エチルで希釈し、5%硫酸水素
カリウム水溶液と食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウ
ムで乾燥し濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=5:1〜0.
3%酢酸含有酢酸エチル/ヘキサン=5:1)で精製し
て標記化合物310mg(18%)を得る。1 H NMR(DMSO−d6)δ11.90〜12.00
(br,1H),9.31(bs,1H),7.78(d,1H,J
=8.3Hz),7.33(bt,1H,J=5.9Hz),7.
10(d,1H,J=2.0Hz),7.03(d,1H,J=
8.3Hz),6.81(dd,1H,J=8.3,1.7Hz),
6.80(d,1H,J=1.7Hz),5.18〜5.28
(m,1H),4.77(bs,2H),4.17(q,2H,J=
7.3Hz),4.05(bd,2H,J=6.3Hz),3.0
2〜3.20(m,1H),2.70〜2.90(m,2H),2.
55〜2.70(dd,1H,J=14.0,4.0Hz),2.
05〜2.18(dm,1H,J=14.0Hz),1.78〜
1.95(m,1H),1.39(s,9H),1.22(t,3H,
J=7.3Hz)
【0145】実施例33 (S)−9−クロロ−5−[p−アミノメチル−o−(エト
キシカルボニルメトキシ)フェニルカルバモイルメチル]
−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−d
e]キノキサリン−2,3−ジオン塩酸塩 (S)−9−クロロ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(エトキシカルボニルメトキ
シ)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−
1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,
3−ジオン150mgの酢酸エチル4ml懸濁液に4N
塩化水素1,4−ジオキサン溶液2mlを加える。混合
液を室温で3時間撹拌し、真空濃縮して標記化合物13
5mgを得る。1 H NMR(DMSO−d6)δ12.13(bs,1H),
12.13(bs,1H),9.42(bs,1H),8.10〜
8.50(br,3H),7.92(d,1H,J=7.92H
z),7.17(d,1H,J=2.0Hz),7.11(d,1
H,J=2.0Hz),7.07(d,1H,J=2.0Hz),
7.05(dd,1H,J=7.9,2.0Hz),5.18〜
5.28(m,1H),4.82(bs,2H),4.18(q,2
H,J=7.3Hz),3.95(bd,1H,J=5.0H
z),3.02〜3.20(m,1H),2.72〜2.89(m,
2H),2.64(dd,1H,J=5.0,14Hz),2.0
5〜2.20(dm,1H,J=14Hz),1.80〜1.9
8(m,1H),1.22(t,3H,J=7.3Hz)
【0146】実施例34 (S)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(tert−ブトキシカルボ
ニルメトキシ)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−
ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキ
サリン−2,3−ジオン 4−tert−ブトキシカルボニルアミノメチル−2−
tert−ブトキシカルボニルメトキシアニリン990
mg(2.61ミリモル)と(S)−9−ブロモ−5−カル
ボキシメチル−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド
[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオン1.06
g(3.12ミリモル)を実施例18−6)と同様に処理し
て標記化合物1.42g(81%)を得る。1 H NMR(DMSO−d6)δ12.04(bs,1H),
9.29(bs,1H),7.79(d,1H,J=8.3Hz),
7.31(bt,1H,J=5.9Hz),7.22(d,1H,
J=1.7Hz),7.16(d,1H,J=1.7Hz),6.
80(dd,1H,J=8.3,1.7Hz),6.78(d,1
H,J=8.3Hz),5.18〜5.28(m,1H),4.6
4(s,2H),4.05(bd,2H,J=5.9Hz),3.0
5〜3.20(m,1H),2.70〜2.95(m,2H),2.
58〜2.68(bd,1H,J=14.0Hz),2.08〜
2.18(dm,1H,J=14.0Hz),1.75〜1.9
0(m,1H),1.43(s,9H),1.39(s,9H)
【0147】実施例35 (S)−9−ブロモ−5−[p−アミノメチル−o−(カル
ボキシメトキシ)フェニルカルバモイルメチル]−6,7
−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノ
キサリン−2,3−ジオン塩酸塩 (S)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(tert−ブトキシカルボ
ニルメトキシ)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−
ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキ
サリン−2,3−ジオン1.35g(2.0ミリモル)を実
施例31と同様に処理して標記化合物997mgを得
る。1 H NMR(DMSO−d6)δ11.50〜12.50
(br,1H),12.11(bs,1H),9.43(bs,1
H),8.10〜8.40(br,3H),7.92(d,1H,J
=8.3Hz),7.21(d,1H,J=1.7Hz),7.1
8(bs,1H),7.16(d,1H,J=2.0Hz),7.0
4(d,1H,J=8.3Hz),5.20〜5.30(m,1
H),4.73(s,2H),3.96(d,1H,J=5.3H
z),3.05〜3.20(m,1H),2.73〜2.88(m,
2H),2.60〜2.69(bd,1H,J=14Hz),2.
08〜2.20(dm,1H,J=14Hz),1.82〜1.
98(m,1H)
【0148】実施例36 (S)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(4−エトキシカルボニルブ
チル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ
−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−
2,3−ジオン1)5−フタルイミドメチル−2−ニトロ
安息香酸メチル 5−メチル−5−ニトロ安息香酸メチル35.0g(17
9ミリモル)、N−ブロモスクシンイミド33.5g(1
88ミリモル)およびアゾビスイソブチロニトリル50
0mgの四塩化炭素450ml混合液を14時間還流す
る。不溶物を濾別し、濾液を濃縮する。残渣をDMF3
00mlに溶解し、フタルイミドカリウム19.41g
(45ミリモル)を加える。混合液を50℃で2時間撹拌
し、食塩水に注ぎ、トルエン/酢酸エチル(1:1)で抽
出する。有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで
乾燥し、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=4:1〜2:
1)で精製して標記化合物20.0g(33%)を得る。1 H NMR(CDCl3)δ7.85〜7.92(m,3H),
7.73〜7.80(m,3H),7.68(dd,1H,J=
8.2,2.0Hz),4.92(s,2H),3.91(s,3H)
【0149】2)5−アミノメチル−2−ニトロ安息香
酸メチル塩酸塩 5−フタルイミドメチル−2−ニトロ安息香酸メチル1
0.0g(29.4ミリモル)の1,4−ジオキサン50m
lと濃塩酸50ml混合溶液を25時間還流し、真空濃
縮する。残渣をトルエン/酢酸エチル混液で洗浄し、真
空乾燥して固体物8.16gを得る。固体様残渣をメタ
ノール100mlに溶解し、塩化チオニル12mlをゆ
っくりと加える。混合物を1時間還流し濃縮する。固体
様残渣をトルエンに分散し、濾取し、真空乾燥して標記
化合物6.60g(91%)を得る。1 H NMR(DMSO−d6)δ8.40〜9.90(br,
3H),8.15(d,1H,J=8.3Hz),8.02(d,1
H,J=2.0Hz),7.95(dd,1H,J=8.3,2.
0Hz),4.20(bs,2H),3.87(s,3H)
【0150】3)5−tert−ブトキシカルボニルア
ミノメチル−2−ニトロ安息香酸メチル 5−アミノメチル−2−ニトロ安息香酸メチル塩酸塩
6.50g(26.4ミリモル)、炭酸水素ジ−tert−
ブチル6.8g(31.1ミリモル)およびトリエチルアミ
ン8mlのジクロロメタン150ml溶液を室温で5時
間撹拌する。濃縮後、残渣を酢酸エチルと5%硫酸水素
カリウム水溶液に分散し、有機層を飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液、水、食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウ
ムで乾燥し、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=6:1〜
3:1)で精製して標記化合物7.6g(93%)を得る。1 H NMR(CDCl3)δ7.91(d,1H,J=8.6
Hz),7.61(d,1H,J=2.0Hz),7.54(dd,
1H,J=8.6,2.0Hz),4.90〜5.12(br,1
H),4.41(bd,1H,J=5.9Hz),3.92(s,3
H),1.46(s,9H)
【0151】4)5−tert−ブトキシカルボニルア
ミノメチル−2−ニトロベンジルアルコール 5−tert−ブトキシカルボニルアミノメチル−2−
ニトロ安息香酸メチル2.0g(6.45ミリモル)と水素
化ホウ素ナトリウム740mg(19.56ミリモル)の
THF11ml溶液にメタノール1.5mlを還流下1.
5時間かけて加える。添加完了後、過剰の試薬を5%硫
酸水素カリウム水溶液で分解する。混合液を酢酸エチル
で抽出し、有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム
で乾燥し、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3:1〜
1:1)で精製して標記化合物1.16g(64%)を得
る。1 N NMR(CDCl3)δ8.09(d,1H,J=8.3
Hz),7.65(d,1H,J=2.0Hz),7.38(dd,
1H,J=8.3,2.0Hz),4.95〜5.15(br,1
H),4.98(d,2H,J=6.3Hz),4.41(d,2
H,J=5.9Hz),2.65(t,1H,J=6.3Hz),
1.47(s,9H)
【0152】5)5−tert−ブトキシカルボニルア
ミノメチル−2−ニトロベンジルアルデヒド 2−ニトロ−5−tert−ブトキシカルボニルアミノ
メチルベンジルアルコール700mg(2.48ミリモ
ル)と酸化マンガン7.0gのジクロロメタン20ml混
合液を室温で5時間撹拌する。試薬をセライトで濾過し
て除き、濾液を濃縮して標記化合物580mg(84%)
を得る。1 N NMR(CDCl3)δ10.43(s,1H),8.11
(d,1H,J=8.6Hz),7.83(d,1H,J=2.0
Hz),7.68(dd,1H,J=8.6,2.0Hz),5.0
5〜5.25(br,1H),4.45(bd,2H,J=5.9
Hz),1.47(s,9H)
【0153】6)エチル5−(5−tert−ブトキシカ
ルボニルアミノメチル−2−ニトロフェニル)ペント−
4−エノエート 3−エトキシカルボニルプロピルトリフェニルホスホニ
ウムブロミド940mg(2.05ミリモル)のTHF7
ml懸濁液に−78℃で0.5Nヘキサメチルジシラジ
ドカリウム溶液4ml(2.0ミリモル)を加える。混合
液を−78℃で1時間撹拌し、5−tert−ブトキシ
カルボニルアミノメチル−2−ニトロベンジルアルデヒ
ド580mg(2.07ミリモル)のTHF10ml溶液
をゆっくりと加える。混合液を室温になるまで放置し、
1%硫酸水素カリウム水溶液100ml中に注ぎ酢酸エ
チルで抽出する。有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネ
シウムで乾燥し、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3:
1)で精製して標記化合物590mg(78%)をシス体
とトランス体の混合物(3:1)として得る。 シス体:1N NMR(CDCl3)δ8.02(d,1H,J
=8.3Hz),7.33(dd,1H,J=8.3,2.0H
z),7.29(d,1H,J=2.0Hz),6.76(d,1
H,J=11.5Hz),5.80(dt,1H,J=11.5,
7.0Hz),5.08〜5.22(br,1H),4.39(b
d,2H,J=6.6Hz),4.11(q,2H,J=7.3H
z),2.30〜2.65(m,4H),1.46(s,9H),1.
24(t,3H,J=7.3Hz) トランス体:1N NMR(CDCl3)δ7.89(d,1
H,J=8.6Hz),7.44(d,1H,J=2.0Hz),
7.27(dd,1H,J=8.6,2.0Hz),6.92(d,
1H,J=17.2Hz),6.23(dt,1H,J=17.
2,7.0Hz),4.90〜5.10(br,1H),4.37
(bd,2H,J=6.6Hz),4.17(q,2H,J=7.
3Hz),2.30〜2.65(m,4H),1.46(s,9
H),1.27(t,3H,J=7.3Hz)
【0154】7)2−(4−エトキシカルボニルブチル)
−4−tert−ブトキシカルボニルアミノメチルアニ
リン エチル5−(5−tert−ブトキシカルボニルアミノ
メチル−2−ニトロフェニル)ペント−4−エノエート
560mg(1.48ミリモル)の酢酸エチル20ml溶
液を酸化プラチナ100mgで水素常圧下室温で2.5
時間水素添加する。混合液をセライトで濾過し、濾液を
濃縮して標記化合物560mg(100%)を得る。1 N NMR(CDCl3)δ6.90〜7.00(m,2H),
6.62(d,1H,J=8.6Hz),4.60〜4.80(b
r,1H),4.17(bd,2H,J=8.6Hz),4.13
(q,2H,J=7.3Hz),3.30〜3.88(br,2
H),2.49(t,2H,J=7.3Hz),2.35(t,2
H,J=7.3Hz),1.58〜1.80(m,4H),1.4
9(s,9H),1.26(t,3H,J=7.3Hz)
【0155】8)(S)−9−ブロモ−5−[p−tert
−ブトキシカルボニルアミノメチル−o−(4−エトキ
シカルボニルブチル)フェニルカルバモイルメチル]−
6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]
キノキサリン−2,3−ジオン 2−(4−エトキシカルボニルブチル)−4−tert−
ブトキシカルボニルアミノメチルアニリン256mg
(0.73ミリモル)と(S)−9−ブロモ−5−カルボキ
シメチル−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,
2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオン297mg
(0.88ミリモル)を実施例18−6)と同様に処理し、
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:0.3%酢
酸/酢酸エチル)で精製して標記化合物365mg(74
%)を得る。1 N NMR(DMSO−d6)δ12.08(bs,1H),
9.37(bs,1H),7.37(bt,1H,J=5.3H
z),7.25(dd,1H,J=8.3,2.0Hz),7.24
(d,1H,J=2.0Hz),7.17(d,1H,J=2.0
Hz),7.03(d,1H,J=8.3Hz),5.18〜5.
30(m,1H),4.05(bd,2H,J=5.3Hz),4.
03(q,2H,J=7.3Hz),3.05〜3.21(m,1
H),2.80〜2.90(dm,1H,J=14Hz),2.5
1〜2.69(m,4H),2.30(t,2H,J=7.3H
z),2.05〜2.18(dm,1H,J=14.0Hz),
1.80〜1.98(m,1H),1.40〜1.65(m,4
H),1.39(s,9H),1.16(t,3H,J=7.3H
z)
【0156】実施例37 (S)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(4−カルボキシブチル)フェ
ニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5
H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジ
オン (S)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(4−エトキシカルボニルブ
チル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ
−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−
2,3−ジオン300mg(0.446ミリモル)を実施例
10と同様に処理して標記化合物を定量的に得る。
【0157】実施例38 (S)−9−ブロモ−5−[p−アミノメチル−o−(4−
カルボキシブチル)フェニルカルバモイルメチル]−6,
7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キ
ノキサリン−2,3−ジオン塩酸塩 (S)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(4−カルボキシブチル)フェ
ニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−1H,5
H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジ
オン0.446ミリモルを実施例11と同様に処理して
標記化合物250mg(97%)を得る。1 N NMR(DMSO−d6)δ11.0〜13.0(br,
2H),9.53(bs,1H),7.80〜8.80(br,3
H),7.40(d,1H,J=8.3Hz),7.32(d,1
H,J=2.0Hz),7.27(dd,1H,J=8.3,2.
0Hz),7.25(d,1H,J=2.0Hz),7.19(d,
1H,J=2.0Hz),5.20〜5.30(m,1H),3.
98(bs,2H),3.05〜3.22(m,1H),2.80
〜2.91(dm,1H,J=14.0Hz),2.52〜2.
80(m,4H),2.24(t,2H,J=7.3Hz),2.0
6〜2.16(dm,1H,J=14.0Hz),1.80〜
1.98(m,1H),1.42〜1.62(m,4H)
【0158】実施例39 (S)−9−クロロ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(3,3−ジエトキシカルボニ
ルプロピル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジ
ヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサ
リン−2,3−ジオン
【化29】 1)3−tert−ブトキシカルボニルアミノメチル−
5−ニトロスチレン メチルトリフェニルホスホニウムブロミド4.1g(1
1.5ミリモル)のTHF40ml懸濁液に−78℃でヘ
キサメチルジシラジド24ml(12ミリモル)の0.5
Nトルエン溶液を加える。混合液を−78℃で3時間撹
拌し、5−tert−ブトキシカルボニルアミノメチル
−2−ニトロベンズアルデヒド3.2g(11.4ミリモ
ル)のTHF40ml溶液をゆっくりと加える。混合液
を室温になるまで放置し、2%硫酸水素カリウム水溶液
250ml中に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。有機層を
食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮す
る。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶
媒:ヘキサン/酢酸エチル=7:1〜5:1)で精製し
て標記化合物2.4g(76%)を得る。1 N NMR(CDCl3)δ7.93(d,1H,J=8.3
Hz),7.50(d,1H,J=2.0Hz),7.32(dd,
1H,J=8.3,2.0Hz),7.19(dd,1H,J=1
7.2,11.2Hz),5.73(dd,1H,J=17.2,
1.0Hz),5.49(dd,1H,J=11.2,1.0H
z),4.90〜5.11(br,1H),4.39(bd,2H,
J=5.9Hz),1.47(m,9H)
【0159】2)4−(5−tert−ブトキシカルボニ
ルアミノメチル−2−ニトロフェニル)−2−エトキシ
カルボニルブタン酸エチル 60%水素化ナトリウム757mg(18.9ミリモル)
のDMF80ml懸濁液に室温でマロン酸ジエチル7.
6g(47.3ミリモル)をゆっくりと加える。混合液を
40〜50℃で2時間撹拌し、3−tert−ブトキシ
カルボニルアミノメチル−5−ニトロスチレン2.4g
(8.6ミリモル)のDMF20ml溶液をゆっくりと加
える。混合液を室温になるまで放置し、2%硫酸水素カ
リウム水溶液500mlに注ぎ、トルエン/酢酸エチル
(1:1)混液で抽出する。有機層を食塩水で洗浄し、硫
酸マグネシウムで乾燥し濃縮する。残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン/酢酸エチル
=8:1〜3:1)で精製して標記化合物3.24g(8
6%)を得る。1 N NMR(CDCl3)δ7.93(d,1H,J=8.3
Hz),7.28(dd,1H,J=8.3,2.0Hz),7.2
6(d,1H,J=2.0Hz),4.90〜5.10(br,1
H),4.36(bs,2H,J=6.3Hz),4.22(q,4
H,J=6.9Hz),3.41(t,1H,J=7.3Hz),
2.94(t,2H,J=7.6Hz),2.25(dt,2H,
J=7.3,7.6Hz),1.47(s,9H),1.29(t,
6H,J=6.9Hz)
【0160】3)2−(3,3−ジエトキシカルボニルプ
ロピル)−4−tert−ブトキシカルボニルアミノメ
チルアニリン 4−(5−tert−ブトキシカルボニルアミノメチル
−2−ニトロフェニル)−2−エトキシカルボニルブタ
ン酸エチル3.2g(7.3ミリモル)の酢酸エチル30m
l溶液をパラジウム−炭素500mgで水素常圧下室温
で2.5時間水素添加する。混合液をセライトで濾過
し、濾液を濃縮して標記化合物2.8g(94%)を得
る。1 N NMR(CDCl3)δ6.96(dd,1H,J=7.
9,2.0Hz),6.93(d,1H,J=2.0Hz),6.6
3(d,1H,J=7.9Hz),4.58〜4.80(br,1
H),4.30〜4.60(br,2H),4.22(q,4H,J
=7.3Hz),4.16(bd,2H,J=5.9Hz),3.
41(t,1H,J=7.3Hz),2.53(dt,2H,J=
7.6Hz),2.12(q,2H,J=7.3Hz),1.45
(s,9H),1.28(t,6H,J=6.9Hz)
【0161】4)(S)−9−クロロ−5−[p−tert
−ブトキシカルボニルアミノメチル−o−(3,3−ジエ
トキシカルボニルプロピル)フェニルカルバモイルメチ
ル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−
de]キノキサリン−2,3−ジオン 2−(3,3−ジエトキシカルボニルプロピル)−4−t
ert−ブトキシカルボニルアミノメチルアニリン55
9mg(1.37ミリモル)と(S)−9−クロロ−5−カ
ルボキシメチル−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド
[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオン445
mg(1.51ミリモル)を実施例18−6)と同様に処理
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:0.3
%酢酸/酢酸エチル)で精製して標記化合物735mg
(78%)を得る。1 N NMR(DMSO−d6)δ11.80〜12.30
(br,1H),9.41(bs,1H),7.39(bt,1H,
J=6.3Hz),7.25(d,1H,J=8.3Hz),7.
10(d,1H,J=2.0Hz),7.09(dd,1H,J=
8.3,2.0Hz),7.07(d,1H,J=2.0Hz),
7.04(d,1H,J=2.0Hz),5.15〜5.28
(m,1H),4.13(q,4H,J=7.3Hz),4.08
(bd,2H,J=6.3Hz),3.47(t,1H,J=7.
3Hz),3.02〜3.18(m,1H),2.76〜2.88
(dm,1H,J=14.0Hz),2.48〜2.67(m,4
H),2.06〜2.18(dm,1H,J=14.0Hz),
1.75〜1.98(m,3H),1.40(s,9H),1.18
(t,6H,J=7.3Hz)
【0162】実施例40 (S)−9−クロロ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(3,3−ジカルボキシプロピ
ル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−
1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,
3−ジオン (S)−9−クロロ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(3,3−ジエトキシカルボニ
ルプロピル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジ
ヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサ
リン−2,3−ジオン700mg(1.02ミリモル)を実
施例10と同様に処理して標記化合物を定量的に得る。
【0163】実施例41 (S)−9−クロロ−5−[p−アミノメチル−o−(3,
3−ジカルボキシプロピル)フェニルカルバモイルメチ
ル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−
de]キノキサリン−2,3−ジオン塩酸塩 (S)−9−クロロ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(3,3−ジカルボキシプロピ
ル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−
1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,
3−ジオン(1.02ミリモル)を実施例11と同様に処
理して標記化合物530mg(96%)を得る。1 N NMR(DMSO−d6)δ12.50〜13.50
(br,2H),12.15(bs,1H),9.56(bs,1
H),8.10〜8.40(br,3H),7.41(d,1H,J
=8.3Hz),7.33(d,1H,J=2.0Hz),7.3
0(dd,1H,J=8.3,2.0Hz),7.12(d,1H,
J=2.0Hz),7.08(d,1H,J=2.0Hz),5.15
〜5.30(m,1H),3.90〜4.02(m,2H),3.2
9(t,1H,J=7.3Hz),3.03〜3.20(m,1
H),2.80〜2.90(dm,1H,J=14.0Hz),
2.50〜2.70(m,4H),2.03〜2.18(dm,1
H,J=14.0Hz),1.78〜1.98(m,3H)
【0164】実施例42 (S)−9−クロロ−5−[p−アミノメチル−o−(3−
カルボキシプロピル)フェニルカルバモイルメチル]−
6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]
キノキサリン−2,3−ジオン塩酸塩 (S)−9−クロロ−5−[p−アミノメチル−o−(3,
3−ジカルボキシプロピル)フェニルカルバモイルメチ
ル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−
de]キノキサリン−2,3−ジオン塩酸塩550mg
(0.98ミリモル)の酢酸300ml懸濁液を5時間還
流する。混合液に0.5N塩酸を加え、溶媒を真空留去
する。固体様残渣を水から再結晶して標記化合物450
mg(89%)を得る。1 N NMR(DMSO−d6)δ11.50〜12.50
(br,1H),12.17(bs,1H),9.57(bs,1
H),8.10〜8.50(br,3H),7.42(d,1H,J
=8.3Hz),7.33(d,1H,J=2.0Hz),7.3
0(dd,1H,J=8.3,2.0Hz),7.12(d,1H,
J=2.0Hz),7.09(d,1H,J=2.0Hz),5.
18〜5.30(m,1H),3.97(bs,2H),3.05
〜3.25(m,1H),2.80〜2.91(dm,1H,J=
14.0Hz),2.50〜2.80(m,4H),2.27(t,
2H,J=7.3Hz),2.05〜2.18(dm,1H,J
=14.0Hz),1.82〜1.98(m,1H),1.74
(5et,2H,J=7.3Hz)
【0165】実施例43 (S)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(3,3−ジエトキシカルボニ
ルプロピル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジ
ヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサ
リン−2,3−ジオン 2−(3,3−ジエトキシカルボニルプロピル)−4−t
ert−ブトキシカルボニルアミノメチルアニリン1.
5g(3.67ミリモル)と(S)−9−ブロモ−5−カル
ボキシメチル−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド
[1,2,3−de]キノキサリン−2,3−ジオン1.37
mg(4.04ミリモル)を実施例18−6)と同様に処理
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:0.3
%酢酸/酢酸エチル)で精製して標記化合物1.60g
(60%)を得る。1 N NMR(DMSO−d6)δ11.00〜13.00
(br,1H),9.41(bs,1H),7.39(bt,1H,
J=6.3Hz),7.25(d,1H,J=8.3Hz),7.
19(d,1H,J=2.0Hz),7.16(d,1H,J=
2.0Hz),7.07(d,1H,J=2.0Hz),7.06
(dd,1H,J=8.3,2.0Hz),5.18〜5.30
(m,1H),4.13(q,4H,J=7.3Hz),4.08
(bd,2H,J=5.6Hz),3.47(t,1H,J=7.
6Hz),3.02〜3.20(m,1H),2.78〜2.90
(dm,1H,J=14.0Hz),2.50〜2.70(m,4
H),2.07〜2.18(dm,1H,J=14.0Hz),
1.80〜2.00(m,3H),1.40(s,9H),1.18
(t,6H,J=7.3Hz)
【0166】実施例44 (S)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(3,3−ジカルボキシプロピ
ル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−
1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,
3−ジオン (S)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(3,3−ジエトキシカルボニ
ルプロピル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジ
ヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサ
リン−2,3−ジオン1.50g(2.06ミリモル)を実
施例10と同様に処理して標記化合物を定量的に得る。
【0167】実施例45 (S)−9−ブロモ−5−[p−アミノメチル−o−(3,
3−ジカルボキシプロピル)フェニルカルバモイルメチ
ル]−6,7−ジヒドロ−1H,5H−ピリド[1,2,3−
de]キノキサリン−2,3−ジオン塩酸塩 (S)−9−ブロモ−5−[p−tert−ブトキシカル
ボニルアミノメチル−o−(3,3−ジカルボキシプロピ
ル)フェニルカルバモイルメチル]−6,7−ジヒドロ−
1H,5H−ピリド[1,2,3−de]キノキサリン−2,
3−ジオン2.06ミリモルを実施例11と同様に処理
して標記化合物1.45g(定量的)を得る。1 N NMR(DMSO−d6)δ11.00〜13.00
(br,2H),12.14(bs,1H),9.55(bs,1
H),8.15〜8.40(br,3H),7.40(d,1H,J
=7.9Hz),7.33(d,1H,J=2.0Hz),7.3
0(dd,1H,J=7.9,2.0Hz),7.24(d,1H,
J=2.0Hz),7.20(d,1H,J=2.0Hz),5.
18〜5.30(m,1H),3.98(m,2H),3.29
(t,1H,J=7.3Hz),3.04〜3.21(m,1H),
2.80〜2.91(dm,1H,J=14.0Hz),2.5
0〜2.70(m,4H),2.05〜2.18(dm,1H,J
=14.0Hz),1.75〜2.00(m,3H)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/495 AAK 9454−4C AAM 9454−4C (72)発明者 高堂 透 大阪府大阪市此花区春日出中3丁目1番98 号 住友製薬株式会社内 (72)発明者 阿江 申行 大阪府大阪市此花区春日出中3丁目1番98 号 住友製薬株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式1: 【化1】 (式中、Xは水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シ
    アノ基、トリフルオロメチル基またはニトロ基;R1
    水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはシクロ
    アルキルアルキル基;Gは式:−CONR2−または−
    NR2CO−(R2は水素原子またはアルキル基)で示され
    る基;Jは酸性基または生体内で酸性基に変換され得る
    基;Eは塩基性基または生体内で塩基性基に変換され得
    る基;Yは単結合、アルキレン基、アルケニレン基、置
    換されたアルキレン基または式:Y1−Q−Y2(Y1は単
    結合またはアルキレン基、Y2はアルキレン基、および
    Qは酸素原子およびイオウ原子から選ばれるヘテロ原
    子)で示される基;Zはアルキレン基を表す)で示される
    三環性キノキサリンジオン誘導体またはその薬理的に許
    容しうる塩。
  2. 【請求項2】Xがハロゲン原子である請求項1記載の化
    合物。
  3. 【請求項3】Gが式:−CONR2−(R2は前記と同意
    義である)で示される基である請求項1または2記載の
    化合物。
  4. 【請求項4】R2が水素原子である請求項1、2または
    3記載の化合物。
  5. 【請求項5】R1が水素原子である請求項1、2、3ま
    たは4記載の化合物。
  6. 【請求項6】Zがメチレンである請求項1、2、3、4
    または5記載の化合物。
  7. 【請求項7】Eが−NH2または−NHC(=NH)NH2
    である請求項1、2、3、4、5または6記載の化合
    物。
  8. 【請求項8】Jが式:−COOHまたは−COOR
    3J(R3Jはアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル
    基、アリールアルキル基、置換されたアリールアルキル
    基、またはシクロアルキルアルキル基である)で示され
    る基から選ばれる基である請求項1、2、3、4、5、
    6または7記載の化合物。
  9. 【請求項9】Yが単結合、メチレン、ジメチレン、トリ
    メチレンまたは式:−OCH2−で示される基である請
    求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の化合
    物。
  10. 【請求項10】Xがアルキル基、ハロゲン原子、シアノ
    基、トリフルオロメチル基またはニトロ基であり、Gが
    式:−CONR2−で示される基であり、Yが単結合、
    アルキレン基またはアルケニレン基である請求項1記載
    の化合物。
  11. 【請求項11】請求項1記載の化合物またはその薬理的
    に許容しうる塩を有効成分とすることを特徴とする虚血
    または低酸素状態により惹起される中枢神経系損傷の予
    防または治療剤。
  12. 【請求項12】請求項1記載の化合物またはその薬理的
    に許容しうる塩を有効成分とすることを特徴とする神経
    細胞変性障害の予防または治療剤。
  13. 【請求項13】請求項1記載の化合物またはその薬理的
    に許容しうる塩を有効成分とすることを特徴とする鎮痛
    剤。
  14. 【請求項14】請求項1記載の化合物またはその薬理的
    に許容しうる塩を有効成分とすることを特徴とする抗鬱
    剤。
  15. 【請求項15】請求項1記載の化合物またはその薬理的
    に許容しうる塩を有効成分とすることを特徴とする抗不
    安剤。
  16. 【請求項16】請求項1記載の化合物またはその薬理的
    に許容しうる塩を有効成分とすることを特徴とする抗精
    神分裂剤。
  17. 【請求項17】一般式6: 【化2】 (式中、R2は水素原子またはアルキル基;J0は保護さ
    れたカルボキシル基;E0は式:−NHL1、−NHC
    (=NL1)NHL1(L1はアミノ基またはグアニジノ基の
    保護基である)で示される基;Yは単結合、アルキレン
    基、アルケニレン基、置換されたアルキレン基、あるい
    はY1−Q−Y2(Y1は単結合またはアルキレン基、Y2
    はアルキレン基、Qは酸素原子またはイオウ原子から選
    ばれるヘテロ原子である)で示される基;Zはアルキレ
    ン基である)で示されるアニリン誘導体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997038691A1 (fr) * 1996-04-17 1997-10-23 Sumitomo Pharmaceuticals Co., Ltd. Medicament pour neuropathie retinienne
JP2004504374A (ja) * 2000-07-24 2004-02-12 バイエル クロップサイエンス ゲーエムベーハー 置換スルホニルアミノメチル安息香酸(誘導体)およびその製造法
CN110105294A (zh) * 2019-06-24 2019-08-09 西南大学 一种多取代四氢喹喔啉衍生物的制备方法

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