JPH07285276A - 帯電抑制機能を所有するスクリーン製版用紗およびその 製造方法 - Google Patents

帯電抑制機能を所有するスクリーン製版用紗およびその 製造方法

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JPH07285276A
JPH07285276A JP10323594A JP10323594A JPH07285276A JP H07285276 A JPH07285276 A JP H07285276A JP 10323594 A JP10323594 A JP 10323594A JP 10323594 A JP10323594 A JP 10323594A JP H07285276 A JPH07285276 A JP H07285276A
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antistatic
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Takayoshi Okuaki
貴佳 奥秋
Fumio Yoshimura
文雄 吉村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スクリーン製版用ポリエステル紗の静電気に
依る障害を防止するため、帯電抑制機能を所有するポリ
エステル・スクリーン紗を提供することを目的とする。 【構成】 ポリエステル繊維表面に、金属酸化物の超微
粒子を含有する不飽和ポリエステル樹脂組成物を付与
し、低温乾燥後、160℃以上の高温カレンダー仕上
し、ポリエステル繊維に対し金属酸化物を0.6重量%
以上付着したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、広く実用化されている
ポリエステル繊維から構成されるスクリーン製版に適用
される紗織物に帯電抑制機能を染色加工時の最終工程に
組み合わせて付与するスクリーン製版用紗とその製造方
法に関する。さらに詳しくは、スクリーン製版用素材と
して最も消費機能に優れたポリエステル繊維から構成さ
れる紗の最大の難点として指摘されてきた帯電性を後加
工により解消するスクリーン製版用紗とその製造方法に
関するものである。本発明における対象となるポリエス
テル繊維から構成される紗は、モノフィラメントおよび
マルチフィラメント使い、ないしは両者の交織織物のい
ずれも適用されるが、特に織物構成繊維の体積に対して
表面積の相対的に減少する線径の大きい、一般に加工特
性に難点の指摘されてきたモノフィラメント使いの紗に
も応用することができる特徴を内包している。
【0002】
【従来の技術】もともと帯電性に難点を内蔵してきた疎
水性合成繊維の代表例に挙げられるポリエステル繊維
も、その優れた機械的特性に準処した抜群の繊維集合体
としての形態安定性と耐久性能が賞用され、広くスクリ
ーン製版用紗として実用に供されてきたことは周知であ
る。しかしながら、その発展過程はどちらかといえば、
繊維製造技術の高度化によって向上してきた高強度、高
弾性ポリエステル繊維の単糸物性を、製布ないし染色加
工の後工程においていかにして効率良く組織化し、いか
にして形態安定性の高い疲労度の抑制された織物として
仕上げるかに研究が集中して、最大の難点として指摘さ
れてきた静電気に対する配慮は高機能性志向対策と対比
して必ずしも十分ではなかった。
【0003】もちろん、製版時点におけるスクリーン紗
に発生する静電気による塵埃の付着および印刷作業時に
おける紗に誘発される静電気に起因するインキの飛散に
よる不良品発生の抑制対策等に関しては種々検討されて
きたこともよく知られた事実である。すなわち、実際に
スクリーン製版用紗としての前述の高機能性付与化技術
を推進する過程で研究されてきた帯電防止改善処方は大
別して次の三点に要約分類できる。(1)各種帯電抑制
機能を所有する繊維素材の応用。(2)該帯電抑制機能
所有改質繊維と標準繊維との複合化とその製織条件の研
究。(3)標準繊維ないし前記改質繊維から構成される
布帛に対する染色加工時における帯電防止加工技術の導
入である。
【0004】例えば(1)については、帯電性改質繊維
として、金属繊維、炭素繊維、カーボンブラック織
り込み型繊維、金属化合物練り込み型芯鞘コンジュゲー
ト繊維等の特殊紡糸条件から生産される制電繊維、金
属メッキ、真空蒸着、イオンプレーティングないしスパ
ッター処理等による主として標準繊維表面へ金属化合物
を析出させる後処理により帯電抑制機能を付与した繊維
等が知られている。
【0005】しかしながら、の金属繊維として、例え
ばステンレス繊維を応用したスクリーン製版用紗は有機
繊維から構成される紗と対比して線径のより細い、高精
度のメッシュの保持が賞用される反面、弾性不足に起因
する繰返し使用に対する耐久性に劣り、衝撃に弱く、一
般的には錆びが発生し易い等の作業上の取り扱いの難点
と高価格がネックとされていることも公知である。
【0006】また、の帯電抑制機能の高い制電繊維か
ら構成された製版用紗織物は、標準原糸から構成された
該布帛と対比して、例えば強度が小さく、伸度が大きい
等その絶対物性値が相対的に低下し、繊維集合体として
の形態安定性に難点のあることが指摘されている。さら
に、の後処理により帯電抑制機能を付与した原糸は、
糸状での帯電抑制機能が製布ないし染色加工時の高度延
伸による繊維表面に存在する導電成分の亀裂により必ず
しも効率良く再現され得ないことも確認されている。
【0007】また、(2)については、帯電抑制機能を
所有する制電繊維の物理特性の低下を標準繊維で補完す
るため、例えば交織等による織物組織の変更と染色加工
における適性単位操作の複合化が種々研究されている。
しかしながら、布帛としての帯電抑制機能を維持するた
め改質繊維の併用はすくなくとも1cm当たり1本以上
が所望されるための布帛価格上昇を無視したと仮定して
も、交織による強度低下と同じに、両繊維の機械的性質
の相違から生ずる経緯原糸の交錯点における織り縮み率
の違いに起因する製版用スクリーン紗としてのインキの
透過度の差から発生する筋斑は実用上の致命的な欠陥と
して回避することができないことも指摘されている。一
方、標準繊維と後処理による帯電抑制機能付与繊維との
交織組織においても強度低下に、製布および染色加工時
の高度延伸に伴なう帯電抑制効果の低下が避けられな
い。
【0008】また、(3)については、染色加工工程で
実施する帯電防止加工も広くその効果が研究されてき
た。しかしながら、一般に帯電防止機能を所有する化合
物として古くから知られる吸湿性の高い無機塩ないし多
価アルコール類および帯電防止性物質と呼称される高分
子活性剤ないし界面活性剤等の多くがその効果を確認さ
れながら、その帯電抑制機能の持続性については必ずし
も十分とはいえないことが実証されている。特に、新規
技術として提案されるメッキないしスパッタリング加工
により高度延伸後の織物表面に金属成分を析出させる制
電処方も耐摩耗性の欠如で実用に供しうる水準には達し
ていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上の帯電抑制対策は
一般のアパレル用繊維の消費分野においては、かなりの
実用的効果が確認されて広くて定着しているが、スクリ
ーン製版用紗としては上記の多くの問題が内蔵され、実
用化の域に到達していないのが現状である。すなわち、
スクリーン製版用紗としての帯電抑制機能の付与は次の
特性をクリアーした上で達成されることが義務付けられ
るからである。(1)高強度、高弾性を維持する。
(2)オープニングの低下を極力抑制する。(3)感光
乳剤露光時のハレーションを抑制するためのアンバー色
の色相範囲を著しく逸脱しない。(4)印刷インキの接
触に対する耐久性を保持する。(5)感光乳剤皮膜の接
着強度の低下を惹起させない等が挙げられている。
【0010】これらに対して、一般的には制電性に優れ
る金属繊維は前述の欠点が指摘され、優れた制電機能を
発揮してシャドウマスク等に賞用される炭素繊維および
カーボンブラック練り込み型繊維等は、スクリーン製版
用紗織物としてはその着色度が大きなネックになること
が挙げられている。また、ポリエステル繊維に対する紡
糸工程における制電性改善のための緒対策は、例えば芯
鞘型コンジュゲート繊維の改質技術を含めて総てが高強
度、高弾性機能を減殺する要因として作用し、さらに所
望される物性を所有する標準原糸の繊維表面に金属メッ
キないしスパッタリング加工等による金属化による制電
性原糸も、製布ないし染色加工時の延伸工程で金属化部
位に亀裂を発生し、最終織物として制電機能が消滅する
欠陥が見出されていることは前述のとおりである。
【0011】また、制電性繊維を使用した織物に所期の
高強度、高弾性特性を付与することが極めて困難である
ことは、標準原糸に対する該改質原糸の物性および製織
性の相対的低下から容易に理解されるところである。な
お、これらの制電性改質原糸を混合利用する場合も標準
原糸との糸質の相違による織物物性に潜在する歪が遠因
となって印刷斑を誘発する事故の発生に遭遇することが
多いことも既に記載したとおりである。
【0012】さらに、一般のアパレル用途に多用される
帯電防止剤の適用も繊維表面の極めて平滑なポリエステ
ル繊維の、中でも特にモノフィラメントの場合の加工適
性は極めて低く、たとえ、付着したとしてもその効果は
一時的であり、製版時の洗浄やインキとの接触で容易に
脱落し、帯電抑制機能を消失することもよく知られてい
る。これらの対策としてエレクトロニクスに多用される
導電塗料の利用が考えられるが、スクリーン製版用紗と
しての必須条件としては、上記の形態安定性および耐疲
労性と同様にオープニングの確保が至上の命題として課
せられているので適用は極めて困難なものが多い。
【0013】一般に、電子機器の構成部品の一部、電磁
波シールドないしクリーンルームをはじめとして各所に
所望される静電気による帯電防止対策に適用される導電
性塗料は、高抵抗性の高分子樹脂に導電性フィラーを分
散せしめて所期の導電効果を発揮するための工夫がなさ
れ、樹脂は導電性フィラーの分散性、粘度、皮膜強度、
伸度、接着性、耐熱性、耐薬品性等を吟味して目的に応
じて選択されている。一方、導電性フィラーとしては、
カーボン・グラファイト系、金、銀、銅、ニッケル
等の金属系、金属酸化物および種々のフィラーに導電
性成分をコートした系の三つに分類されていることも周
知である。
【0014】しかしながら、導電性塗料として賞用され
るは、コストメリットもあるが着色が大きく、スクリ
ーン製版用としてはスクリーン表面でのハレーションに
よる画像の再現性の低下を抑制するためのアンバー色の
調色が難しく、オープニング低下の問題が解消されたと
しても実用化は極めて困難と判断される。また、は金
属の比重が大きく、樹脂との濡れ性に難点があり、塗料
としての安定性に欠け実用化の可能性は低い。したがっ
て、導電性塗料からの応用を想定するのであれば、の
金属酸化物の適用からのアプローチが有望であることは
容易に判断されることだが、上記いずれからのペースト
もディップ、コートないしスプレーによる付与も著しい
オープニングの低下を生じ、また、印刷作業条件を想定
した環境下での耐久性は十分ではない。
【0015】
【課題を解決するための手段、作用】本発明者等は上記
問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリエステ
ル繊維から構成される紗の繊維表面に長周期型元素周期
律表4周期2族b、4族aおよび5周期4族b、5族b
に該当する元素の酸化物ないしその混合物であって、そ
の粒子径が2nm以下の超微粒子が不飽和ポリエステル
樹脂で付着固定されることにより優れた帯電抑制機能を
所有する、オープニング変動の少ない、着色度の抑制さ
れた、耐久性の高いスクリーン製版用紗の製造方法に到
達したものである。
【0016】本発明に適用される金属酸化物としては、
多くの金属酸化物のなかから不飽和ポリエステル樹脂と
相溶性の高い、着色度の低い、酸化亜鉛(ZnO)、酸
化チタン(TiO2)、酸化錫(SnO2)および酸化ア
ンチモン(Sb23)の単独、ないしは、SnO2/S
23、TiO2/SnO2/Sb23等の混合系が好適
である。これらの導電性フィラーは不飽和ポリエステル
樹脂とドープ状に調製されるてポリエステル紗に適用さ
れるが、その粒子径はサーモゾル(乾熱固着工程)下で
ポリエステル繊維表面領域に強度低下要因にならない範
囲で固定化を促進するための部分的浸透ないし拡散を遂
行するので2nm以下であることが必須条件になる。
【0017】また、前記導電性フィラーを繊維表面領域
に強固に固着するバインダーとして利用できる樹脂は不
飽和ポリエステル樹脂組成物が好適である。もともと不
飽和ポリエステル樹脂と総称される該樹脂は、比較的低
粘度の液状樹脂であり、併用する触媒の種類によって硬
化の条件を広範囲に特定することが可能であり、しかも
硬化に際して他の多くの熱硬化性樹脂にみられるガスの
副生のない特徴が賞用され各種用途に応用されているこ
とは周知である。すなわち、二塩基酸と二価アルコール
とを縮合反応させる不飽和ポリエステル樹脂は、二塩基
酸の一部に含有される不飽和酸により生成高分子の主鎖
に不飽和結合が内蔵され、反応希釈剤として混合使用す
るビニールモノマーとが架橋反応して硬化する機構は周
知である。
【0018】本発明に併用する不飽和ポリエステル樹脂
に対して添加する反応希釈剤としてのスチレンおよびジ
アリルフタレート等のビニールモノマーの添加量は、該
ポリエステル樹脂に含有される不飽和結合をブロックす
るに足る十分な量が求められる。なぜならば、繊維上に
固着されたポリエステル樹脂内に残存する不飽和基は、
感光性が高く、保存安定性がよい等のメリットで推奨さ
れる感光性樹脂の感光基にアクリレート類のアクリロイ
ル基を含有する感光乳剤を採用した際に、該感光乳剤に
内蔵された光官能基との付加反応を誘発し、ポリエステ
ル繊維表面領域に介在する帯電抑制機能所有層上に遮蔽
皮膜を形成する現象が観察され、摩擦により発生する静
電気量の抑制効果を著しく低減する傾向が確認されてい
るからである。なお、一般にバインダーとして多用され
る熱可塑性プレポリマーの併用は、該ポリマーのガラス
転移点が低く、タックを排除することが極めて困難であ
り、インキ組成物に対する耐久性に劣る等の品質上の問
題点のほか、金属酸化物を繊維表面領域に乾熱固着する
ためのカレンダー仕上時点で該超微粒子の繊維への移行
の障害になるため適用は不可能である。
【0019】また、金属酸化物含有不飽和ポリエステル
樹脂組成物の紗への付与は、製織および染色加工した高
延伸織物に常法に準じてディッピングないしコーティン
グ法で処理した後、真空ないし減圧吸引して織り目に残
存し余剰樹脂組成物を除去する中間操作が求められる。
したがって、該組成物は低粘度と水系での適用が求めら
れる。なお、該組成物の安定性の改善にイソプロピール
アルコール等の水溶性極性溶剤の併用は妨げない。その
後、不飽和ポリエステル樹脂の硬化を促進しない範囲の
低温度領域にて予備乾燥する。該時点までのポリエステ
ル樹脂組成物は金属酸化物のマイグレーション防止剤的
効用を兼備し、しかる後、160℃以上の高温カレンダ
ー仕上を実施し、サーモゾルによる金属酸化物の繊維表
面への固定を促進すると同時にポリエステル樹脂の硬化
を完結させることが必要になる。したがって、該組成物
に併用する重合開始剤および促進剤として適用される触
媒は常温硬化型のタイプを避け、高温カレンダー加工時
に加熱硬化が推進できる分解開始温度の相対的に高温で
あるジ−第三ブチルパーオキシド等が望ましい。
【0020】160℃以上の乾熱固着は常法のテンター
ないしシリンダーでは帯電抑制効果の付与は十分ではな
く、金属酸化物のポリエステル繊維表面への固定を促進
する目的でのカレンダー仕上が極めて有効であり、該押
圧は巾1m当り2ないし50トンの範囲が好適に使用さ
れる。
【0021】以上の工程で生産された帯電抑制機能を付
与されたポリエステル紗織物は、実際の製版時点での型
枠への紗張り工程でさらに経緯方向に数%以上延伸され
るのが一般的であり、延伸による帯電抑制機能の低下を
未然に防止する意味で布帛上に介在する金属酸化物量は
過剰に含有させることが重要になる。したがって、紗に
付与すべき金属酸化物含有不飽和ポリエステル樹脂組成
物の比率は、固形量換算で前者が後者を上回ることが必
要になる。すなわち不飽和ポリエステル樹脂分に対して
金属酸化物が60重量%以上であることが重要である。
金属酸化物が200重量%を超すと摩耗による金属酸化
物の脱落が目立つので、その範囲は60重量%から15
0重量%の範囲が望ましい。
【0022】また、ポリエステル樹脂重量に対して付着
固定させる金属酸化物の重量は0.6重量%以上が望ま
しいが、より望ましくは型枠への紗張り時点の延伸を配
慮して、0.8重量%以上が帯電抑制機能をスクリーン
製版上で再現するために必要になる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の詳細を実施例によりに説明す
るが、本発明は実施例に限定されるものではない。 実施例1 先ず、50重量%に調製された重量比で同量混合された
超微粒子径2nm以下のTiO2/SnO2/Sb23
らなる3成分を含有する水系ドープを準備する(A成分
とする)。別に反応希釈剤としてジアリルフタレートを
30重量%を含む常法で調製された不飽和ポリエステル
樹脂に反応促進剤としてジ−第三ブチルパーオキシドを
1重量%添加して得た組成物50部をイソプロピールア
ルコール20重量%含有水溶液50部で希釈した不飽和
ポリエステル樹脂組成物を調製する(B成分とする)。
AおよびB成分を同重量とりホモミキサーでよく撹拌混
合し、水で希釈して両成分の合計を10重量%に調液
し、処理溶液とする。
【0024】常法に準じてアンバー色に染色仕上したエ
ヌ・ビー・シー工業(株)製、EX−305T(12デ
ニール、ポリエステルモノフィラメント使い、経緯共3
05本/2.54cm、巾115cm)に前記処理液を
ディップ法で付与した後、付着樹脂組成物を減圧吸引
し、絞り率を40重量%に調製し、80℃で乾燥する。
処理組成物として2重量%(A、B成分とも1重量%)
の理論付着量を含有する該布帛を180℃に加熱したカ
レンダーに押圧20トンを加えて圧着処理して、内包さ
れた金属酸化物のポリエステル繊維表面への固定と不飽
和ポリエステル樹脂の硬化を完結させ、帯電抑制機能を
所有するスクリーン製版用紗を得た。
【0025】該布帛を常法に準じ型枠へ紗張りして表面
固有抵抗を測定した結果、従来の標準EX−305Tが
1014オームの抵抗値を示すのに対して、本発明の方法
を採用したEX−305Tは108オームのレベルまで
低下し、オープニングの変化のない範囲で帯電抑制機能
が著しく改善されることが確認できた。また、本処理紗
を使用した製版型に対する感光乳剤の塗布および接着適
性、ハレーション防止効果、製版精度への影響は認めら
れず、また印刷インキ耐性も極めて優れ、例えば、10
μmの乳剤膜の厚みで製版した印刷版のUVインキによ
る印刷試験における5,000ショット後の帯電抑制機
能の低下は全く見られなかった。
【0026】実施例2 実施例1に準じて、A:B成分比を重量%にて1:9、
2:8、3:7、4:6、5:5、6:4、7:3、
8:2および9:1と配合比率を変えて両成分の合計が
10重量%の水溶液を調製し、実施例1と同様な処理布
帛を調製する。処理後の布帛の帯電抑制機能はA:B成
分比率が3:7程度以上から認知されるが、型枠に紗張
すると抑制機能が著しく低下する傾向が認知できる。し
かしながら、4:6以上になると紗張り以降も帯電抑制
機能の持続することが確認できる。また、該布帛の表面
固有抵抗値は6.5×1011オームが得られる。なお、
A:B成分比が5:5以上になると抵抗値は2.7×1
8オームまで低下する。ただし、8:2以上になると
印刷試験により金属酸化物の脱落による帯電抑制機能の
低下と、製版面上の摩擦係数が増大する傾向が観察さ
れ、使用面からの制約が発生することが見出される。
【0027】実施例3 実施例1に準じて金属酸化物をSnO2/Sb23(重
量比1:1)にして、エヌ・ビー・シー工業(株)製、
EX−270HD(15デニール、ポリエステルモノフ
ィラメント使い、経緯共270本/2.54cm、巾1
36cm)に、実施例2に準じてA:B成分比率の7:
3の処理組成物7重量%水溶液を付与し、吸引搾液率6
0%に絞り、80℃で中間乾燥した後、160℃、5ト
ン押圧下でカレンダー仕上した。該布帛の強伸度は通常
仕上布帛の強伸度と同等であり、表面固有抵抗値は未処
理布帛の1014オームに対して、本発明の処理方法によ
る加工布帛は109オームが得られた。また、印刷機上
でキージによる摩擦により発生する静電気量を比較する
と従来品と対比して本発明品は10分の1から100分
の1程度に抑制が可能であった。
【0028】実施例4 実施例3に準じて、金属酸化物をTiO2、SnO2、S
23およびZnO等の単独ないしTiO2/SnO
2(重量比1:1)の配合に代替して対比しても同様な
帯電抑制機能が達成された。
【0029】
【発明の効果】スクリーン製版用途において最大の消費
性能を所有すると評価されるポリエステル製紗織物の従
来の高強度、高弾性機能を保持したまま、優れた帯電抑
制機能を付与することができた。本発明の方法は連続加
工が可能であり、オープニングおよび色相の変動を極小
に抑制し、感光乳剤との接着性、露光時のハレーション
およびインキ組成物耐性に影響のない加工方法として実
用上極めて意義のある加工技術である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル繊維から構成される紗の繊
    維表面に金属酸化物の超微粒子が付着固定されているこ
    とを特徴とする帯電抑制機能を所有するスクリーン製版
    用紗。
  2. 【請求項2】 ポリエステル繊維から構成される紗に金
    属酸化物の超微粒子を含有する不飽和ポリエステル樹脂
    組成物を付与し、予め低温乾燥した後、160℃以上の
    高温度でカレンダー仕上することを特徴とする帯電抑制
    機能を所有するスクリーン製版用紗の製造方法。
  3. 【請求項3】 金属酸化物は長周期型元素周期律表4周
    期2族b、4族aおよび5周期4族b、5族bに該当す
    る元素の酸化物ないしその化合物で、該超微粒子の径が
    平均2nm以下であって、その含有量が不飽和ポリエス
    テル樹脂組成物の固形分に対して60重量%以上含有さ
    れている処理液から、該金属酸化物成分がポリエステル
    繊維重量に対して0.6重量%以上付着固定されるよう
    に付与させることを特徴とする請求項1および請求項2
    に記載の帯電抑制機能を所有するスクリーン製版用紗お
    よびその製造方法。
JP10323594A 1994-04-19 1994-04-19 帯電抑制機能を所有するスクリーン製版用紗およびその 製造方法 Pending JPH07285276A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003011541A (ja) * 2001-06-28 2003-01-15 Mizunami Seiki Kk スクリーン印刷用原版の製造方法及びスクリーン印刷用の原版

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003011541A (ja) * 2001-06-28 2003-01-15 Mizunami Seiki Kk スクリーン印刷用原版の製造方法及びスクリーン印刷用の原版

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