JPH07284972A - 超塑性アルミ合金によるハニカム構造体の製造方法 - Google Patents
超塑性アルミ合金によるハニカム構造体の製造方法Info
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- JPH07284972A JPH07284972A JP6075923A JP7592394A JPH07284972A JP H07284972 A JPH07284972 A JP H07284972A JP 6075923 A JP6075923 A JP 6075923A JP 7592394 A JP7592394 A JP 7592394A JP H07284972 A JPH07284972 A JP H07284972A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 レーザによる狭開先内溶接により強度、耐熱
性、耐食性、生産性及び信頼性の高い超塑性アルミニウ
ム合金によるハニカム構造体の製造方法を提供するこ
と。 【構成】 アルミニウム合金板を狭開先内へのレーザビ
ーム投入による多重反射光のレーザ溶接を用いて中空道
以外の部分を溶接した後該中空道部に圧力を加えて非溶
接部を拡張させてなる超塑性アルミニウム合金によるハ
ニカム構造体の製造方法およびアルミニウム合金板の成
分組成と厚さ規制並びにレーザビームによる狭開先内へ
のレーザビーム照射制御方法。
性、耐食性、生産性及び信頼性の高い超塑性アルミニウ
ム合金によるハニカム構造体の製造方法を提供するこ
と。 【構成】 アルミニウム合金板を狭開先内へのレーザビ
ーム投入による多重反射光のレーザ溶接を用いて中空道
以外の部分を溶接した後該中空道部に圧力を加えて非溶
接部を拡張させてなる超塑性アルミニウム合金によるハ
ニカム構造体の製造方法およびアルミニウム合金板の成
分組成と厚さ規制並びにレーザビームによる狭開先内へ
のレーザビーム照射制御方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルミ合金によるハニカ
ム構造体の製造方法に関するもので、更により詳しく
は、レーザによる狭開先内溶接により強度、耐熱性、耐
食性、生産性及び信頼性の高い超塑性アルミ合金による
ハニカム構造体の製造方法に関するものである。
ム構造体の製造方法に関するもので、更により詳しく
は、レーザによる狭開先内溶接により強度、耐熱性、耐
食性、生産性及び信頼性の高い超塑性アルミ合金による
ハニカム構造体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アルミは一般的に金属のレーザ加
工で用いているYAG,CO2 レーザの波長域では反射
率が高く、また、熱伝導率が高いため、レーザによる効
率のよい入熱は困難である。そこで従来、アルミのレー
ザ溶接では大出力の連続波(CW)のYAG,CO2 レ
ーザを用い、かつ焦点距離の短いレンズ等でレーザ光を
微小スポットに集光し、平均的なパワー密度を大きくす
ることで対応していた。しかし、これらの方法は大型の
レーザ装置が必要となり、設備的にコストが高いし、過
大な入熱のため、特に薄板の場合、溶接点近傍や裏面に
不必要な変形などの熱影響が発生する問題がある。
工で用いているYAG,CO2 レーザの波長域では反射
率が高く、また、熱伝導率が高いため、レーザによる効
率のよい入熱は困難である。そこで従来、アルミのレー
ザ溶接では大出力の連続波(CW)のYAG,CO2 レ
ーザを用い、かつ焦点距離の短いレンズ等でレーザ光を
微小スポットに集光し、平均的なパワー密度を大きくす
ることで対応していた。しかし、これらの方法は大型の
レーザ装置が必要となり、設備的にコストが高いし、過
大な入熱のため、特に薄板の場合、溶接点近傍や裏面に
不必要な変形などの熱影響が発生する問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような状況化であ
るために、多くのアルミニウム合金材によるハニカム構
造体を得るための接合では、接着方法またはアーク溶接
やろう付けにより融接して組立てを行っているのが実状
である。しかし、アルミニウム合金材をアーク溶接やろ
う付けにより融接して組立てると熱歪が発生し、所定の
寸法の構造体を得ることが出来ず、更には歪を矯正する
ために多大の工数を必要とすることと、生産性が極めて
悪く、かつ耐熱性、強度(水圧、蒸気圧、外部圧)、耐
食性(表面のビード部の粒界腐食)が充分でなく、信頼
性が高いアルミニウム合金ハニカムの要求を満足する溶
接方法にまでは至っていない。特にラジェータのように
中空道に蒸気、高温液体または気体を循環させ中空道以
外の部分を冷却等の熱拡散に使用するものは、その構造
は用途に応じて大変に複雑であり、熱伝導性、強度、耐
食性および耐熱性などに高い性能が要求されている。し
かし、従来の多くのアルミ合金のハニカム構造体の製造
では前述した接着方式またはろう付け方式が一般的であ
り、この方法では上記の要求を満足する接合方法に成っ
ていない。
るために、多くのアルミニウム合金材によるハニカム構
造体を得るための接合では、接着方法またはアーク溶接
やろう付けにより融接して組立てを行っているのが実状
である。しかし、アルミニウム合金材をアーク溶接やろ
う付けにより融接して組立てると熱歪が発生し、所定の
寸法の構造体を得ることが出来ず、更には歪を矯正する
ために多大の工数を必要とすることと、生産性が極めて
悪く、かつ耐熱性、強度(水圧、蒸気圧、外部圧)、耐
食性(表面のビード部の粒界腐食)が充分でなく、信頼
性が高いアルミニウム合金ハニカムの要求を満足する溶
接方法にまでは至っていない。特にラジェータのように
中空道に蒸気、高温液体または気体を循環させ中空道以
外の部分を冷却等の熱拡散に使用するものは、その構造
は用途に応じて大変に複雑であり、熱伝導性、強度、耐
食性および耐熱性などに高い性能が要求されている。し
かし、従来の多くのアルミ合金のハニカム構造体の製造
では前述した接着方式またはろう付け方式が一般的であ
り、この方法では上記の要求を満足する接合方法に成っ
ていない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した問題を
解消し、レーザによる狭開先内溶接により強度、耐熱
性、耐食性、生産性及び信頼性の高い超塑性アルミ合金
によるハニカム構造体の製造方法を提供することにあ
る。その発明の要旨とするところは、 (1)アルミニウム合金板を狭開先内へのレーザビーム
投入による多重反射光のレーザ溶接を用いて中空道以外
の部分を溶接した後該中空道部に圧力を加えて非溶接部
を拡張させてなることを特徴とする超塑性アルミ合金に
よるハニカム構造体の製造方法。
解消し、レーザによる狭開先内溶接により強度、耐熱
性、耐食性、生産性及び信頼性の高い超塑性アルミ合金
によるハニカム構造体の製造方法を提供することにあ
る。その発明の要旨とするところは、 (1)アルミニウム合金板を狭開先内へのレーザビーム
投入による多重反射光のレーザ溶接を用いて中空道以外
の部分を溶接した後該中空道部に圧力を加えて非溶接部
を拡張させてなることを特徴とする超塑性アルミ合金に
よるハニカム構造体の製造方法。
【0005】(2)超塑性アルミ合金組成が重量%で、
Mg3.0〜7.0%、Mn0.4〜1.0%、Si
0.03〜0.15%、Cr0.05〜0.3%を含有
し、残部Alおよび不可避的不純物よりなる2枚の厚さ
0.1〜1.0mmのアルミニウム合金板を狭開先内へ
のレーザビーム投入による多重反射光のレーザ溶接を用
いて中空道以外の部分を溶接した後該中空道部に圧力を
加えて非溶接部を拡張させてなることを特徴とする超塑
性アルミ合金によるハニカム構造体の製造方法。
Mg3.0〜7.0%、Mn0.4〜1.0%、Si
0.03〜0.15%、Cr0.05〜0.3%を含有
し、残部Alおよび不可避的不純物よりなる2枚の厚さ
0.1〜1.0mmのアルミニウム合金板を狭開先内へ
のレーザビーム投入による多重反射光のレーザ溶接を用
いて中空道以外の部分を溶接した後該中空道部に圧力を
加えて非溶接部を拡張させてなることを特徴とする超塑
性アルミ合金によるハニカム構造体の製造方法。
【0006】(3)超塑性アルミ合金組成が重量%で、
Mg3.0〜7.0%、Mn0.4〜1.0%、Si
0.03〜0.15%、Cr0.05〜0.3%を含有
し、残部Alおよび不可避的不純物よりなる2枚の厚さ
0.1〜1.0mmのアルミニウム合金板を狭開先内へ
のレーザビーム投入による多重反射光のレーザ溶接を用
いて、ハニカム位置とレーザ照射の可否に対応したパレ
スレーザ発振制御すると共に、レーザビームスキャナー
ミラーでレーザビームの集光位置を制御しながらレーザ
ビームを走査させ、中空道以外の部分を溶接した後該中
空道部に圧力を加えて非溶接部を拡張させてなることを
特徴とする超塑性アルミ合金によるハニカム構造体の製
造方法にある。
Mg3.0〜7.0%、Mn0.4〜1.0%、Si
0.03〜0.15%、Cr0.05〜0.3%を含有
し、残部Alおよび不可避的不純物よりなる2枚の厚さ
0.1〜1.0mmのアルミニウム合金板を狭開先内へ
のレーザビーム投入による多重反射光のレーザ溶接を用
いて、ハニカム位置とレーザ照射の可否に対応したパレ
スレーザ発振制御すると共に、レーザビームスキャナー
ミラーでレーザビームの集光位置を制御しながらレーザ
ビームを走査させ、中空道以外の部分を溶接した後該中
空道部に圧力を加えて非溶接部を拡張させてなることを
特徴とする超塑性アルミ合金によるハニカム構造体の製
造方法にある。
【0007】本発明に係る超塑性アルミ合金としては、
Mg3.0〜7.0%、Mn0.4〜1.0%、Si
0.03〜0.15%、Cr0.05〜0.3%を含有
し、残部Alおよび不可避的不純物よりなる超塑性加工
性のよい成分組成より構成される。ここで不可避的不純
物の成分範囲はFeは0.1%以下、他の成分は0.0
5%以下とする。各成分組成の限定理由を説明する。 Mg:冷間圧延後の昇温中における再結晶過程で生じ
る再結晶粒を微細化して、超塑性成形性を向上させる。 材料の耐食性および溶接性を阻害することなく、強度
と超塑性成形性を向上させる等の作用を有する。Mgが
3.0%未満では超塑性成形性および成形後の強度が不
充分となり、7.0%を越すと熱間圧延性、冷間圧延性
が悪くなって、製造が困難となる。従って、Mg量は
3.0〜7.0%の範囲とした。
Mg3.0〜7.0%、Mn0.4〜1.0%、Si
0.03〜0.15%、Cr0.05〜0.3%を含有
し、残部Alおよび不可避的不純物よりなる超塑性加工
性のよい成分組成より構成される。ここで不可避的不純
物の成分範囲はFeは0.1%以下、他の成分は0.0
5%以下とする。各成分組成の限定理由を説明する。 Mg:冷間圧延後の昇温中における再結晶過程で生じ
る再結晶粒を微細化して、超塑性成形性を向上させる。 材料の耐食性および溶接性を阻害することなく、強度
と超塑性成形性を向上させる等の作用を有する。Mgが
3.0%未満では超塑性成形性および成形後の強度が不
充分となり、7.0%を越すと熱間圧延性、冷間圧延性
が悪くなって、製造が困難となる。従って、Mg量は
3.0〜7.0%の範囲とした。
【0008】Mn:冷間圧延後の昇温中における再結晶
過程で生じる再結晶粒を微細化し、かつ超塑性成形時に
結晶粒の粗大化を防ぐ効果があり、Mnが0.4未満で
は前記の効果が充分に得られず、一方1.0%以上にし
ても上記の効果が飽和しだすために、Mnの含有量は
0.4〜1.0%にした。 Si:Siの量が多くなると、粗大なαAl−Mn(F
e)−Si相やMgSi相等の金属間化合物が晶出し易
くなり、キャビテーションが多くなって、超塑性成形性
に対して悪影響を与えるから、0.15%以下が望まし
い。また、0.03%以下に減らすにはアルミ地金の純
度をかなり上げる必要があり、コスト上望ましくない。
従って、Si量は0.03〜0.15%の範囲とした。
過程で生じる再結晶粒を微細化し、かつ超塑性成形時に
結晶粒の粗大化を防ぐ効果があり、Mnが0.4未満で
は前記の効果が充分に得られず、一方1.0%以上にし
ても上記の効果が飽和しだすために、Mnの含有量は
0.4〜1.0%にした。 Si:Siの量が多くなると、粗大なαAl−Mn(F
e)−Si相やMgSi相等の金属間化合物が晶出し易
くなり、キャビテーションが多くなって、超塑性成形性
に対して悪影響を与えるから、0.15%以下が望まし
い。また、0.03%以下に減らすにはアルミ地金の純
度をかなり上げる必要があり、コスト上望ましくない。
従って、Si量は0.03〜0.15%の範囲とした。
【0009】Cr:冷間圧延後の昇温中における再結晶
過程で生じる再結晶粒を微細化し、かつ超塑性成形時に
結晶粒の粗大化を防ぐ効果がある。Crが0.05%未
満では前記の効果が充分に得られず、一方0.3%を超
えれば粗大金属間化合物が生成して好ましくなくなるか
ら、0.05〜0.3%の範囲とした。ここで冷間圧延
後の昇温中とは、結晶粒の微細化のため急速加熱する
目的で行う連続焼鈍等による焼鈍、冷間圧延後H18
のままで超塑性成形機に板を挿入した場合に超塑性成形
温度まで加熱されること,のどちらかを指す。
過程で生じる再結晶粒を微細化し、かつ超塑性成形時に
結晶粒の粗大化を防ぐ効果がある。Crが0.05%未
満では前記の効果が充分に得られず、一方0.3%を超
えれば粗大金属間化合物が生成して好ましくなくなるか
ら、0.05〜0.3%の範囲とした。ここで冷間圧延
後の昇温中とは、結晶粒の微細化のため急速加熱する
目的で行う連続焼鈍等による焼鈍、冷間圧延後H18
のままで超塑性成形機に板を挿入した場合に超塑性成形
温度まで加熱されること,のどちらかを指す。
【0010】これらのアルミニウム合金板の板厚は0.
1〜1.0mmとした。0.1mm未満であると、例え
ばラジュエーターなどの水圧、蒸気圧および外部圧に耐
える圧力変形強度が得られない。また、1.0mm超え
ると狭開先内のレーザビーム多重反射集光法によるレー
ザ溶接によるために溶融量と楔形状を制御することが困
難であり、更には中空道への圧力を加えて非溶接部を拡
張するのに大きな圧力を要し、設備上大型となり、経済
上コスト高となるので適さない。
1〜1.0mmとした。0.1mm未満であると、例え
ばラジュエーターなどの水圧、蒸気圧および外部圧に耐
える圧力変形強度が得られない。また、1.0mm超え
ると狭開先内のレーザビーム多重反射集光法によるレー
ザ溶接によるために溶融量と楔形状を制御することが困
難であり、更には中空道への圧力を加えて非溶接部を拡
張するのに大きな圧力を要し、設備上大型となり、経済
上コスト高となるので適さない。
【0011】
【作用】以下、本発明について図面に従って詳細に説明
する。図1は本発明に係るアルミ合金による中空道ハニ
カム構造体の外観を示す概略図である。図1に示すよう
に、2枚のアルミ合金板1、1´を重ねて、中空道2以
外の2枚の接する内面の部分を溶融により接合すること
によって中空道ハニカム3から構成されるハニカム構造
体にする。この溶接は2枚のアルミ合金を狭開先形状に
成形して、その内へのレーザビームを投入し、レーザビ
ームはアルミ合金の表面での反射率が極めて高いので、
レーザビームが2枚のアルミ合金の間を多重反射し、狭
開先の先端部にて集光し、レーザビームのエネルギー密
度が上昇して、その近傍である2枚のアルミ合金の表層
を溶融して溶接が行われる。
する。図1は本発明に係るアルミ合金による中空道ハニ
カム構造体の外観を示す概略図である。図1に示すよう
に、2枚のアルミ合金板1、1´を重ねて、中空道2以
外の2枚の接する内面の部分を溶融により接合すること
によって中空道ハニカム3から構成されるハニカム構造
体にする。この溶接は2枚のアルミ合金を狭開先形状に
成形して、その内へのレーザビームを投入し、レーザビ
ームはアルミ合金の表面での反射率が極めて高いので、
レーザビームが2枚のアルミ合金の間を多重反射し、狭
開先の先端部にて集光し、レーザビームのエネルギー密
度が上昇して、その近傍である2枚のアルミ合金の表層
を溶融して溶接が行われる。
【0012】図2は本発明に係るアルミ合金の中空道ハ
ニカムの接合部位の拡大した説明図である。図2(a)
は図1の点線部分に当たる中空道ハニカムの局部拡大し
た図であり、図2(b)は図2(a)のA−A´線上で
の断面の接合部位4を示す図で中空道に相当する部分は
ハッチングのない接合不要部位である。図2(c)は同
様に図2(a)のB−B´線上での断面の接合部位4を
示す図である。図2(d)及び図2(e)は図2(b)
と図2(c)の接合部位の溶接の可否を符号化したロジ
ックを示す説明図である。図に示すように、2枚のアル
ミ合金を接合するときにレーザビームを水平方向の例え
ばA−A´線上、B−B´線上に走査して必要な箇所の
みレーザビームを照射して、その部分を溶接する。この
照射での溶接の必要な範囲を図2(d)と図2(e)に
て”1”の符号で示した部分となる。この信号によって
レーザビームの送出を制御して、図1または図2(a)
のような中空道ハニカムが製造される。
ニカムの接合部位の拡大した説明図である。図2(a)
は図1の点線部分に当たる中空道ハニカムの局部拡大し
た図であり、図2(b)は図2(a)のA−A´線上で
の断面の接合部位4を示す図で中空道に相当する部分は
ハッチングのない接合不要部位である。図2(c)は同
様に図2(a)のB−B´線上での断面の接合部位4を
示す図である。図2(d)及び図2(e)は図2(b)
と図2(c)の接合部位の溶接の可否を符号化したロジ
ックを示す説明図である。図に示すように、2枚のアル
ミ合金を接合するときにレーザビームを水平方向の例え
ばA−A´線上、B−B´線上に走査して必要な箇所の
みレーザビームを照射して、その部分を溶接する。この
照射での溶接の必要な範囲を図2(d)と図2(e)に
て”1”の符号で示した部分となる。この信号によって
レーザビームの送出を制御して、図1または図2(a)
のような中空道ハニカムが製造される。
【0013】図3は本発明に係るアルミ合金の中空道ハ
ニカムのレーザによる狭開先内の多重反射集光法による
製造方法を示す説明図である。図3に示すように、上下
面アルミ合金板1、1´を上下の圧接ロール9によって
圧着させ、上下アルミ合金板を楔形状に成形し、その楔
形状部にレーザビームを照射することによってレーザビ
ームが多重反射そして集光する形状を作る。レーザビー
ム5はレーザビームスキャナーミラー6によって接合部
を走査する。ここで圧接ロール9の回転にて接合面のX
軸の位置信号7を送出し、レーザビームのスキャナーミ
ラー6によって接合面のY軸の位置信号8を送出する。
これによって、レーザビームのパレス発振制御とハニカ
ムの送り制御を行うことが出来、2枚のアルミ合金を接
合する必要な箇所のみにレーザビームを照射する制御信
号となる。レーザビームのスキャナーミラーでは開先の
先端でレーザビームの集光位置が一定となるように集光
系の焦点距離および走査位置の中心点、または、平行性
を決定する。
ニカムのレーザによる狭開先内の多重反射集光法による
製造方法を示す説明図である。図3に示すように、上下
面アルミ合金板1、1´を上下の圧接ロール9によって
圧着させ、上下アルミ合金板を楔形状に成形し、その楔
形状部にレーザビームを照射することによってレーザビ
ームが多重反射そして集光する形状を作る。レーザビー
ム5はレーザビームスキャナーミラー6によって接合部
を走査する。ここで圧接ロール9の回転にて接合面のX
軸の位置信号7を送出し、レーザビームのスキャナーミ
ラー6によって接合面のY軸の位置信号8を送出する。
これによって、レーザビームのパレス発振制御とハニカ
ムの送り制御を行うことが出来、2枚のアルミ合金を接
合する必要な箇所のみにレーザビームを照射する制御信
号となる。レーザビームのスキャナーミラーでは開先の
先端でレーザビームの集光位置が一定となるように集光
系の焦点距離および走査位置の中心点、または、平行性
を決定する。
【0014】図4は本発明に係るレーザ照射の制御機構
を示す系統図である。図4に示すように、コンピュータ
10、キーボード11、パルスレーザ発振・制御機構1
2、パルスレーザ発振用パレス電源13、パルスレーザ
発振器14、ビーム変換器15、そしてX、Y軸の位置
信号7および8の処理系とから構成されている。アルミ
合金の中空道ハニカムの上面よりの接合部分をパターン
化したレーザ照射によるレーザ溶接の可否の位置を予め
キーボード11よりコンピュータ10により記憶させて
置き、パルスレーザ発振器14の発振はパルスレーザ発
振・制御機構12によって制御されたパルスレーザ発振
用パルス電源13によるレーザ励起によってパルス発振
制御が実行される。図3の接合面の位置信号である圧接
ロール9の回転にて接合面のX軸の位置信号7とレーザ
ビーム5のスキャナーミラー6によって接合面のY軸の
位置信号8が逐次にコンピュータ10に入力される。こ
の信号と予めキーボード11よりコンピュータ10に記
憶したレーザ照射の可否(ON/OFF)をパルスレー
ザ発振・制御機構12の信号として送出し、パルスレー
ザ発振用パルス電源13が制御される。これによってア
ルミ合金の接合部をパターン化したレーザによる溶接が
可能となる。実際のレーザ溶接ではレーザビームの特性
であるパルスのパワー、ピーク値そして送り速度をアル
ミ合金の板厚そして材質に応じて、最適化するためにそ
れらをパラメータとしてキーボード11にて予め入力し
ておく。
を示す系統図である。図4に示すように、コンピュータ
10、キーボード11、パルスレーザ発振・制御機構1
2、パルスレーザ発振用パレス電源13、パルスレーザ
発振器14、ビーム変換器15、そしてX、Y軸の位置
信号7および8の処理系とから構成されている。アルミ
合金の中空道ハニカムの上面よりの接合部分をパターン
化したレーザ照射によるレーザ溶接の可否の位置を予め
キーボード11よりコンピュータ10により記憶させて
置き、パルスレーザ発振器14の発振はパルスレーザ発
振・制御機構12によって制御されたパルスレーザ発振
用パルス電源13によるレーザ励起によってパルス発振
制御が実行される。図3の接合面の位置信号である圧接
ロール9の回転にて接合面のX軸の位置信号7とレーザ
ビーム5のスキャナーミラー6によって接合面のY軸の
位置信号8が逐次にコンピュータ10に入力される。こ
の信号と予めキーボード11よりコンピュータ10に記
憶したレーザ照射の可否(ON/OFF)をパルスレー
ザ発振・制御機構12の信号として送出し、パルスレー
ザ発振用パルス電源13が制御される。これによってア
ルミ合金の接合部をパターン化したレーザによる溶接が
可能となる。実際のレーザ溶接ではレーザビームの特性
であるパルスのパワー、ピーク値そして送り速度をアル
ミ合金の板厚そして材質に応じて、最適化するためにそ
れらをパラメータとしてキーボード11にて予め入力し
ておく。
【0015】図5は本発明で溶接した2枚のアルミ合金
の非接合部に圧力を加えて非接合部を拡張して中空道部
を形成してハニカム構造体にすることを示す説明図であ
る。図5(a)は接合が完了した2枚のアルミ合金の接
合部と非接合部の状況を示す図であり、図5(b)は非
接合部を拡張させるために、非接合部以外の箇所を固定
治具16により固定し、更に固定治具16は拡張形状を
決定する形状も備えている状態を示す図であり、また、
図5(c)は非接合部のアルミ合金がガス圧力によって
拡張し、固定治具の拡張部の内壁に密着した状態を示す
図である。このようにして、非接合部からガス圧力19
を入れ、固定治具16の拡張部17の形成によりアルミ
合金は内壁に密着した状態に拡張するので、この形状に
中空部18が変形することによって、ハニカム構造にす
ることが出来る。また、図5(a)にて非接合部を固定
治具なしに拡張させた場合は略球形状に非接合部が拡張
するので球形の凸部を有するハニカム構造体となる。
の非接合部に圧力を加えて非接合部を拡張して中空道部
を形成してハニカム構造体にすることを示す説明図であ
る。図5(a)は接合が完了した2枚のアルミ合金の接
合部と非接合部の状況を示す図であり、図5(b)は非
接合部を拡張させるために、非接合部以外の箇所を固定
治具16により固定し、更に固定治具16は拡張形状を
決定する形状も備えている状態を示す図であり、また、
図5(c)は非接合部のアルミ合金がガス圧力によって
拡張し、固定治具の拡張部の内壁に密着した状態を示す
図である。このようにして、非接合部からガス圧力19
を入れ、固定治具16の拡張部17の形成によりアルミ
合金は内壁に密着した状態に拡張するので、この形状に
中空部18が変形することによって、ハニカム構造にす
ることが出来る。また、図5(a)にて非接合部を固定
治具なしに拡張させた場合は略球形状に非接合部が拡張
するので球形の凸部を有するハニカム構造体となる。
【0016】
【実施例】供試材として、成分組成Mg4.51%,M
n0.5%,Cr0.09%、Si0.05%、残部A
lより成り、板厚0.5mm、幅0.5m、長さ1mの
超塑性アルミ合金板を2枚を重ね合わせ、CO2 レーザ
のパルス発振モードでその周波数を10KHzにし、平
均出力を1000Wにして本発明のレーザ溶接法にて中
空道ハニカムを製作したところ、中空道になったアルミ
合金の伸びは20%で、全体の引張強度は母材の強度で
ある300N/mm2 と略同一であったが、曲げ強度は
5倍近い強度を得ることが出来た。また、中空道の強度
として耐内圧は20kg/mm2 の強度を得ることが出
来た。耐熱性試験では従来のアルミ合金のハニカムは接
着剤の耐熱特性でその強度特性が決定していたが、本発
明法では母材の溶融温度まで変形および破断の発生が見
られなかった。そして、耐食性試験でも従来の接着方式
に比較して大幅にその特性が向上している。
n0.5%,Cr0.09%、Si0.05%、残部A
lより成り、板厚0.5mm、幅0.5m、長さ1mの
超塑性アルミ合金板を2枚を重ね合わせ、CO2 レーザ
のパルス発振モードでその周波数を10KHzにし、平
均出力を1000Wにして本発明のレーザ溶接法にて中
空道ハニカムを製作したところ、中空道になったアルミ
合金の伸びは20%で、全体の引張強度は母材の強度で
ある300N/mm2 と略同一であったが、曲げ強度は
5倍近い強度を得ることが出来た。また、中空道の強度
として耐内圧は20kg/mm2 の強度を得ることが出
来た。耐熱性試験では従来のアルミ合金のハニカムは接
着剤の耐熱特性でその強度特性が決定していたが、本発
明法では母材の溶融温度まで変形および破断の発生が見
られなかった。そして、耐食性試験でも従来の接着方式
に比較して大幅にその特性が向上している。
【0017】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、2枚
のアルミニウム合金板を狭開先内へのレーザビーム投入
による多重反射光のレーザ溶接を用いて中空道以外の部
分を溶接した後、中空道部に圧力を加えて非溶接部を拡
張した中空道ハニカム構造体の接合強度は圧力変形に耐
える強度の5〜10倍の強度を得ることが出来、従来に
比較して耐熱性および耐食性、特に表面のビード部の粒
界腐食の起こらないハニカム構造体を得ることが出来、
生産性および信頼性の高い全溶接の軽量なアルミニウム
合金ハニカム構造体が得られる顕著な効果を奏するもの
である。
のアルミニウム合金板を狭開先内へのレーザビーム投入
による多重反射光のレーザ溶接を用いて中空道以外の部
分を溶接した後、中空道部に圧力を加えて非溶接部を拡
張した中空道ハニカム構造体の接合強度は圧力変形に耐
える強度の5〜10倍の強度を得ることが出来、従来に
比較して耐熱性および耐食性、特に表面のビード部の粒
界腐食の起こらないハニカム構造体を得ることが出来、
生産性および信頼性の高い全溶接の軽量なアルミニウム
合金ハニカム構造体が得られる顕著な効果を奏するもの
である。
【図1】本発明に係るアルミ合金による中空道ハニカム
構造体の外観を示す概略図、
構造体の外観を示す概略図、
【図2】本発明に係るアルミ合金の中空道ハニカムの接
合部位の拡大した説明図、
合部位の拡大した説明図、
【図3】本発明に係るアルミ合金の中空道ハニカムのレ
ーザによる狭開先内の多重反射集光法による製造方法を
示す説明図、
ーザによる狭開先内の多重反射集光法による製造方法を
示す説明図、
【図4】本発明に係るレーザ照射の制御機構を示す系統
図、
図、
【図5】本発明で溶接した2枚のアルミ合金の非接合部
に圧力を加えて非接合部を拡張して中空道部を形成して
ハニカム構造体にすることを示す説明図である。
に圧力を加えて非接合部を拡張して中空道部を形成して
ハニカム構造体にすることを示す説明図である。
1、1´ 上下面アルミ合金板 2 中空道 3 中空道ハニカム 4 溶接部位 5 レーザビーム 6 レーザビームスキャナーミラー 7 X軸の位置信号 8 Y軸の位置信号 9 圧接ロール 10 コンピュータ 11 キーボード 12 パルスレーザ発振・制御機構 13 パルスレーザ発振用パルス電源 14 パルスレーザ発振器 15 ビーム変換器 16 固定治具 17 拡張部 18 中空部 19 ガス圧力
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 21/00 G // B23K 101:02 (72)発明者 及川 昌志 神奈川県相模原市淵野辺5−10−1 新日 本製鐵株式会 エレクトロニクス研究所内 (72)発明者 松本 信幸 東京都中央区日本橋室町四丁目3番18号 スカイアルミニウム株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 アルミニウム合金板を狭開先内へのレー
ザビーム投入による多重反射光のレーザ溶接を用いて中
空道以外の部分を溶接した後該中空道部に圧力を加えて
非溶接部を拡張させてなることを特徴とする超塑性アル
ミ合金によるハニカム構造体の製造方法。 - 【請求項2】 超塑性アルミ合金組成が重量%で、Mg
3.0〜7.0%、Mn0.4〜1.0%、Si0.0
3〜0.15%、Cr0.05〜0.3%を含有し、残
部Alおよび不可避的不純物よりなる2枚の厚さ0.1
〜1.0mmのアルミニウム合金板を狭開先内へのレー
ザビーム投入による多重反射光のレーザ溶接を用いて中
空道以外の部分を溶接した後該中空道部に圧力を加えて
非溶接部を拡張させてなることを特徴とする超塑性アル
ミ合金によるハニカム構造体の製造方法。 - 【請求項3】 超塑性アルミ合金組成が重量%で、Mg
3.0〜7.0%、Mn0.4〜1.0%、Si0.0
3〜0.15%、Cr0.05〜0.3%を含有し、残
部Alおよび不可避的不純物よりなる2枚の厚さ0.1
〜1.0mmのアルミニウム合金板を狭開先内へのレー
ザビーム投入による多重反射光のレーザ溶接を用いて、
ハニカム位置とレーザ照射の可否に対応したパレスレー
ザ発振制御すると共に、レーザビームスキャナーミラー
でレーザビームの集光位置を制御しながらレーザビーム
を走査させ、中空道以外の部分を溶接した後該中空道部
に圧力を加えて非溶接部を拡張させてなることを特徴と
する超塑性アルミ合金によるハニカム構造体の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6075923A JPH07284972A (ja) | 1994-04-14 | 1994-04-14 | 超塑性アルミ合金によるハニカム構造体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6075923A JPH07284972A (ja) | 1994-04-14 | 1994-04-14 | 超塑性アルミ合金によるハニカム構造体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07284972A true JPH07284972A (ja) | 1995-10-31 |
Family
ID=13590315
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6075923A Pending JPH07284972A (ja) | 1994-04-14 | 1994-04-14 | 超塑性アルミ合金によるハニカム構造体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07284972A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100371125C (zh) * | 2004-05-27 | 2008-02-27 | 兰州理工大学 | 用于AL-Mg合金异厚度板材激光焊接的焊接方法 |
CN111891399A (zh) * | 2020-06-18 | 2020-11-06 | 北京遥感设备研究所 | 一种变成分铝合金高强高导热多功能集成结构 |
-
1994
- 1994-04-14 JP JP6075923A patent/JPH07284972A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100371125C (zh) * | 2004-05-27 | 2008-02-27 | 兰州理工大学 | 用于AL-Mg合金异厚度板材激光焊接的焊接方法 |
CN111891399A (zh) * | 2020-06-18 | 2020-11-06 | 北京遥感设备研究所 | 一种变成分铝合金高强高导热多功能集成结构 |
CN111891399B (zh) * | 2020-06-18 | 2023-06-20 | 北京遥感设备研究所 | 一种变成分铝合金高强高导热多功能集成结构 |
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