JPH0728488Y2 - 暖房ユニット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は、ヒータを内蔵した暖房平面部材と、この暖房
平面部材を複数枚並べた状態でその周囲を取囲む外枠と
を備えた暖房ユニットに関するものであり、特に、暖房
平面部材と外枠との嵌合構造を改良した暖房ユニットに
係る。

（従来の技術） このような暖房ユニットに使用される暖房平面部材の一
つとして、暖房畳が存在している。この暖房畳は、畳床
と畳表とを備えた通常の畳において、その畳床と畳表と
の間にヒータを設けたものであり、複数枚（通常は２
枚）並べた状態で外枠内に嵌込んでいる。

しかしながら、このような暖房畳と外枠とからなる従来
の暖房ユニットにおいては、次のような欠点が存在して
いる。

まず、矩形で且つ厚みのある複数枚の暖房畳を、これら
を並べてなる全体の外周寸法と等しい内周寸法の外枠内
に嵌合しなければならず、暖房畳と外枠との間には嵌合
用の遊びがないため、嵌合作業の際には暖房畳の角部な
どで引掛かり易く、作業性が悪い。

また、外枠は、通常単一材料にて形成され、形状も簡略
であることから、比較的容易に規格寸法を得やすいが、
暖房畳の外周寸法は、畳床と畳表とを重ね合せるという
畳の構造上、規格寸法から大きく外れ易いため、生産途
中において、暖房畳の寸法が規格寸法から大きく外れ、
使用に難のある不良品が数多く発生する欠点がある。即
ち、暖房畳の外周寸法が外枠の内周寸法よりも小さい場
合には、暖房畳を外枠に嵌込むのは容易であるが、暖房
畳の外周面と外枠の内周面との間、或いは暖房畳同士の
間に隙間を生じてしまう。一方、暖房畳の外周寸法が外
枠の内周寸法よりも大きい場合には、暖房畳を外枠に嵌
合することができない。

さらに、以上のような欠点を改良しようとしても、その
公差管理が困難であり、結局、生産途中において、規格
寸法を外れた、使用不可能な不良品が数多く発生してい
る。

なお、以上のような欠点は、暖房畳に限らず、ヒータを
内蔵した複数枚の暖房平面部材を外枠に嵌込む暖房ユニ
ット一般に存在している。

（考案が解決しようとする課題） 本考案は、以上のような従来技術の課題を解決するため
に提案されたものであり、その目的は、容易に外枠に暖
房平面部材を嵌込むことができ、且つ暖房平面部材の寸
法差を吸収可能とすることにより、作業性に優れ、しか
も生産途中における不良品の発生率の低い暖房ユニット
を提供することである。

［考案の構成］ （課題を解決するための手段） 本考案は、従来の暖房ユニットにおいて、外枠の内周面
とこれに接する暖房平面部材の外周面とが共に垂直面で
あるため、暖房平面部材の外周面の上方の角部が外枠の
内周面の下方の角部に引掛かり易いことに着目したもの
である。

即ち、本考案は、暖房平面部材の外枠と接する側面に、
下面に向かって中央側に傾く傾斜面を設け、且つ暖房平
面部材同士の接する側面の内部に、弾力性のある緩衝材
を設けたことを特徴としている。

（作用） 以上のような構成を有する本考案においては、暖房平面
部材の下面を外枠上に位置決めして暖房平面部材を上方
から押込めば、暖房平面部材の側面に設けた傾斜面がガ
イドの役割を果すため、暖房平面部材を容易且つ円滑に
外枠に嵌合できる。また、暖房平面部材の外周寸法と外
枠の内周寸法との寸法差は、暖房平面部材同士の接する
側面の内部に設けた緩衝材の伸縮によって吸収できる。
従って、本考案においては、暖房平面部材の寸法差の許
容範囲を大きくできるため、公差を考えずに生産でき、
生産途中での不良品の発生を低減できる。

（実施例） 以下に、本考案の暖房ユニットを、暖房畳を使用した暖
房ユニットに適用した一実施例について、第１図乃至第
２図を参照して具体的に説明する。

第１図は暖房畳を外枠に嵌込む前の状態を示す断面図で
あり、１は外枠、２は暖房畳である。この第１図に示す
ように、本実施例においては、２枚の暖房畳２を外枠１
に嵌込む構成となっている。まず、暖房畳２は、通常の
畳の構成、即ち畳床３の上面から側面を介し、下面の縁
部までを、畳表４にて覆われる構成に加えて、畳床３の
上面と畳表４との間に、ヒータ５が配置されている。そ
して、暖房畳２の外枠１に接する側の側面は、下面を小
さくなるような傾斜面2aとされている。また、暖房畳２
同士が接する側の側面の畳表４内部には、弾力性のある
緩衝材６が設けられている。さらに、２枚の暖房畳２を
並べた下面の幅寸法と外枠１の内側の幅寸法とはほぼ同
寸法とされている。

また、第２図は外枠１に２枚の暖房畳２を嵌込んだ状態
を示す外観図である。

以上のような構成を有する本実施例の作用は次の通りで
ある。

即ち、暖房畳２を外枠１に嵌込む際には、第１図に示す
ように暖房畳２を２枚並べた状態で、暖房畳２の下面を
外枠１上に位置決めして暖房畳を上方から押込む。この
場合、２枚の暖房畳２を並べた下面の幅寸法と外枠１の
内側の幅寸法とはほぼ同寸法とされているため、本来な
ら嵌込むことが難しいが、本実施例においては、暖房畳
２の側面に設けられた緩衝材６により、暖房畳２の幅寸
法を収縮できるため、外枠１に容易に嵌め込むことがで
きる。この場合、暖房畳２を上方から押圧すると、暖房
畳２の傾斜面2aが外枠１の内周面に接しながら下方に摺
動し、暖房畳２を下方にガイドするため、暖房畳２を容
易且つ円滑に外枠１に嵌合できる。

また、暖房畳２の外周寸法と外枠１の内周寸法との寸法
差についても。暖房畳２の側面に設けた緩衝材６の伸縮
によって吸収できるため、暖房畳２の側面と外枠１の内
周面との間、或いは暖房畳２同士の間に隙間を生ずるこ
とがなく、さらに、暖房畳２の外周寸法が外枠の内周寸
法よりも多少大きい場合でも、暖房畳２を外枠１に嵌合
できる。

以上のように、本実施例においては、暖房畳２の寸法差
の許容範囲を大きくできるため、従来のように面倒な公
差管理を行う必要なく暖房ユニットを生産でき、生産途
中での不良品の発生数を大幅に低減できる。

なお、本考案は、前記実施例に限定されるものではな
く、外枠内に嵌込む暖房畳の枚数を３枚以上とすること
も勿論可能である。また、暖房畳の側面に設ける傾斜面
は、側面の下方の一部にのみ設けることも可能である。
さらに、暖房畳同士が接触する側面以外の側面、即ち、
外枠と接触する側面の内部に緩衝材を設ける構成も可能
である。

加えて、本考案は、暖房平面部材として、暖房畳以外
に、例えば、表皮材として、畳表以外の各種素材を使用
したシート物、或いはパネルなどを使用し、この表皮材
の内部にヒータを埋設してなる各種の暖房平面部材を使
用した暖房ユニット一般に適用可能であり、同様の作用
効果を得られる。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案においては、暖房平面部材
の外枠と接する側面に、下面に向かって中央側に傾く傾
斜面を設け、且つ暖房平面部材同士の接する側面の内部
に、弾力性のある緩衝材を設けるという簡単な構成の改
良により、容易に外枠に暖房平面部材を嵌込むことがで
き、且つ暖房平面部材の寸法差を吸収可能とすることに
より、作業性に優れ、しかも生産途中における不良品の
発生率の低い暖房ユニットを提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の一実施例を示す図であ
り、第１図は暖房畳を外枠に嵌込む前の状態を示す断面
図、第２図は暖房畳を外枠に嵌込んだ状態を示す斜視図
である。 １……外枠、２……暖房畳、2a……傾斜面、３……畳
床、４……畳表、５……ヒータ、６……緩衝材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ヒータを内蔵した暖房平面部材と、この暖
   房平面部材を複数枚並べた状態でその周囲を取囲む外枠
   とを備えた暖房ユニットにおいて、 前記暖房平面部材の外枠と接する側面に、下面に向かっ
   て中央側に傾く傾斜面を設け、且つ暖房平面部材同士の
   接する側面の内部に、弾力性のある緩衝材を設けたこと
   を特徴とする暖房ユニット。