JPH0728412Y2 - 含油軸受 - Google Patents

含油軸受

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JPH0728412Y2
JPH0728412Y2 JP3447991U JP3447991U JPH0728412Y2 JP H0728412 Y2 JPH0728412 Y2 JP H0728412Y2 JP 3447991 U JP3447991 U JP 3447991U JP 3447991 U JP3447991 U JP 3447991U JP H0728412 Y2 JPH0728412 Y2 JP H0728412Y2
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JP3447991U
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チャン、ロー チン
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デルタ エレクトロニクス インコーポレーテッド
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、回転伝動体に用いられ
る含油軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】図6〜図8に示す構造は、電子設備など
を冷却する冷却ファンに設けられた軸受構造であり、軸
受部100の構成は以下のようになっている。すなわ
ち、図示しない回転駆動源に連結されて回転する回転軸
102は、非回転の支承部106に圧入されて軸受を構
成する内リンク体102に、その先端が突出するように
挿入され、この回転軸102の先端にワッシャ105、
Oリング104を挿入した後に、Cリング103にて固
定している。Oリング104は、ワッシャ105および
Cリング103にて挟持すると共に、回転軸102の端
部に固着することにより、内リンク体101に含有させ
た潤滑油の漏洩を防止している。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、Oリン
グ104はゴム材料などの比較的摩擦係数が大きい材料
により構成されているため、ワッシャ105とCリング
103に圧縮されることにより回転軸102の端部に回
転を阻止する摩擦力が生じる。また、このような軸受を
長期間使用するとOリング104の劣化現象によって回
転軸102とOリング104との間に微小な隙間が生
じ、この隙間から内リンク体101内の潤滑油が漏洩し
て周囲の部品等に悪影響を及ぼす虞れがある。
【0004】本考案は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、回転軸の回転力の障害とな
らず、しかも軸受の潤滑油の漏洩を防止することができ
る含油軸受を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の第1の考案は、回転軸(200)と非回転の支承部
(206)との間に介装される内リンク体(201)を
有し、この内リンク体(201)に前記回転軸(20
0)と摺動接触する通孔(207)を穿設すると共に、
当該内リンク体(201)の外周面に複数の貯油凹溝
(202)を形成して当該貯油凹溝(202)と支承部
(206)内面とで形成される空間に潤滑油を貯溜し、
前記内リンク体(201)に前記貯油凹溝(202)と
前記通孔(207)とを連通する導油孔(203)を穿
設し、一方、前記回転軸(200)を圧入する通孔(2
08)を有し回転軸(200)とともに回転する導油板
(204)に導油隔体(204a)を形成すると共に、
当該導油板(204)の外周縁に前記貯油凹溝(20
2)に向かう隆起部(209)を形成し、前記回転軸
(200)と内リンク体(201)との間から漏洩した
潤滑油を導油板(204)の回転による遠心力によって
前記貯油凹溝(202)に導くことを特徴とする含油軸
受である。
【0006】また、上記目的を達成するための第2の考
案は、回転軸(200)と非回転の支承部(206)と
の間に介装される内リンク体(201)を有し、この内
リンク体(201)に前記回転軸(200)と摺動接触
する通孔(207)を穿設すると共に、当該内リンク体
(201)の外周面に複数の貯油凹溝(202)とこの
貯油凹溝(202)に連続する段部(300)を形成し
て当該貯油凹溝(202)および段部(300)と前記
支承部(206)内面とで形成される空間に潤滑油を貯
溜し、前記内リンク体(201)に前記貯油凹溝(20
2)と前記通孔(207)とを連通する導油孔(20
3)を穿設し、一方、外周面が前記支承部(206)に
圧入され、回転軸(200)に対して点または線接触す
る通孔(302)を有する導油板(301)に凹部(3
03)を形成すると共に、当該導油板(204)の外周
縁に前記貯油凹溝(202)に向かう隆起部(304)
を形成し、前記回転軸(200)と内リンク体(20
1)との間から漏洩した潤滑油を前記貯油凹溝(20
2)に導くことを特徴とする含油軸受である。
【0007】さらに上記目的を達成するための第3の考
案は、非回転の支承部(206)に圧入した内リンク体
(201)の通孔(207)に回転軸(200)を挿入
すると共に、当該回転軸(200)の先端を前記内リン
ク体(201)から所定長だけ突出させ、この回転軸
(200)の突出部に導受けベース(401)を遊嵌
し、さらに、前記導受けベース(401)に形成した凹
部(402)に嵌合する係止板(400)を前記回転軸
(200)の先端に圧入したことを特徴とする含油軸受
である。
【0008】
【作用】回転軸(200)は、支承部(206)に圧入
された内リンク体(201)の内周面に支承された状態
で回転するため、この回転軸(200)と内リンク体
(201)の内周面との間の摩擦力を低減して円滑な回
転駆動を得るためには、この部分に潤滑油を供給する必
要がある。本考案においては、内リンク体(201)に
形成した複数の貯溜凹溝(202)に潤滑油を貯溜し、
この貯溜凹溝(202)から穿設された導油孔(20
3)を介して回転軸(200)と内リンク体(201)
との間に潤滑油を供給している。したがって、回転軸
(200)の外周面と内リンク体(201)の内周面と
の間に供給された潤滑油が潤滑油膜を形成し、これによ
り回転軸(200)の摩擦力を低減することができる。
【0009】また、このようにして供給された潤滑油が
回転軸(200)と内リンク体(201)との間から導
油板(204)側に漏洩すると導油板の中央に導かれる
が、この導油板(204)は回転軸(200)とともに
回転しているため潤滑油は導油隔体(204a)に沿っ
て導油板の外方に導かれる。そして、導油板(204)
の回転にともなう遠心力により加速された潤滑油は、導
油板の外周縁に形成した隆起部(209)に沿って流
れ、この隆起部(209)の伸延方向に位置する貯油凹
溝(202)に再び戻される。したがって、回転軸(2
00)と内リンク体(201)との摺動面から潤滑油が
漏洩しても、軸受の外部にまで漏洩することはない。
【0010】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。
【0011】図1は本考案の一実施例を示す要部断面
図、図2は同実施例の導油板を示す正面図、図3は図2
のA−A線に沿う断面図、図4は同実施例に係る内リン
ク体を示す正面図、図5は図4のB−B線に沿う断面図
である。
【0012】まず、図1に示すように、本実施例に係る
含油軸受は、回転軸200の支承部206に内リンク体
201が圧入されている。この内リンク体201は、図
4および図5に示すように、支承部206の内周面に対
応して円筒形状に形成されており、さらに、内リンク体
201の外周面には複数の貯油凹溝202が形成されて
いる。この貯油凹溝202は、内リンク体201を支承
部206に圧入した状態で回転軸200と内リンク体2
01の内周面とに供給される潤滑油を貯溜しておくため
のものであって、内リンク体201を支承部206に圧
入した状態においては貯油凹溝202が形成されていな
い内リンク体201の外周面は支承部206の内周面と
密着している。また、この貯油凹溝202と内リンク体
201中央に開設した通孔207とを挿通させる導油孔
203が内リンク体201に穿設されている。この導油
孔203によって貯油凹溝202に貯溜された潤滑油が
回転軸200と内リンク体201の内周面との間に導か
れる。なお、貯油凹溝202の大きさや数は図示する実
施例に限定されることなく適宜変更することができる。
【0013】一方、回転軸200の一端には導油板20
4が嵌挿されている。この導油板204は、中央に回転
軸200が嵌挿される通孔208を有している略円盤状
の部材であって、この通孔208から外方に放射する導
油隔体204aが複数形成されている。また、この導油
板204の外周縁は外方に向かって隆起するように形成
されており(隆起部209)、これら導油隔体204a
および外周縁の隆起部209によって回転軸200と内
リンク体201との間から漏洩した潤滑油を導油板20
4の遠心力によって再び貯溜凹溝202に帰還させる。
【0014】次に作用を説明する。
【0015】回転軸200は、支承部206に圧入され
た内リンク体201の内周面に支承された状態で回転す
るため、この回転軸200と内リンク体201の内周面
との間の摩擦力を低減して円滑な回転駆動を得るために
は、この部分に潤滑油を供給する必要がある。本実施例
においては、内リンク体201に形成した複数の貯溜凹
溝202に潤滑油を貯溜し、この貯溜凹溝202から穿
設された導油孔203を介して回転軸200と内リンク
体201との間に潤滑油を供給している。したがって、
回転軸200の外周面と内リンク体201の内周面との
間に供給された潤滑油が潤滑油膜を形成し、これにより
回転軸200の摩擦力を低減することができる。
【0016】また、このようにして供給された潤滑油が
回転軸200と内リンク体201との間から導油板20
4側に漏洩すると導油板の中央に導かれるが、この導油
板204は回転軸200とともに回転しているため潤滑
油は導油隔体204aに沿って導油板の外方に導かれ
る。そして、導油板204の回転にともなう遠心力によ
り加速された潤滑油は、導油板の外周縁に形成した隆起
部209に沿って流れ、この隆起部209の伸延方向に
位置する貯油凹溝202に再び戻される。したがって、
回転軸200と内リンク体201との摺動面から潤滑油
が漏洩しても、軸受の外部にまで漏洩することはない。
【0017】本考案は上述した実施例に限定されること
なく種々に改変することができる。図6は本考案の他の
実施例を示す要部断面図、図7は同実施例に係る油止め
板を示す拡大断面図である。
【0018】本実施例においては、内リンク体201の
貯溜凹溝202にさらに段部300を形成し、内リンク
体201を支承部206に圧入した場合の潤滑油の貯溜
量の増加を図っている。また、本実施例に係る導油板3
01は、支承部206に圧入して外周面が支承部206
の内周に密着している。一方、回転軸200を挿入する
導油板301の通孔302は回転軸200と面接触では
なく点または線接触となるように複数の突条に形成され
ている。したがって、支承部206と導油板301との
隙間から潤滑油が漏洩する虞れはなく、また、回転軸2
00と導油板301との隙間からも潤滑油が漏洩するこ
とはない。しかも、回転軸200と導油板301との接
触によって生じる摩擦力はきわめて小さくなり、回転駆
動力を阻害することもない。
【0019】図8は本考案に係る回転軸の固定構造を示
す断面図である。本実施例においては、回転軸200の
先端部を内リンク体201から突出させ、ここに係止板
400と導受けベース401とを取り付けている。導受
けベース401は耐磨耗性材料により構成され、中央に
回転軸200が挿通する通孔403が穿設されている。
この通孔403の内径は回転軸200の外径より僅かに
大きく形成されており、また、係止板400が嵌合する
凹部402が形成されている。一方、係止板400は銅
などに代表される軟質金属材料により構成され、中央に
回転軸200が圧入される通孔404が穿設されてい
る。この通孔404の内径は回転軸200の外径と等し
く形成されている。
【0020】このように構成した軸受構造によれば、係
止板400は回転軸200に圧入され、一方導受けベー
ス401は回転軸200に遊嵌されているものの、係止
板400が凹部402に嵌合しているため、回転軸20
0の回転にともなって係止板400および導受けベース
401も回転する。このとき、回転軸200と導受けベ
ース401との間に存在する隙間により、回転軸200
と内リンク体201との間から漏洩した潤滑油が流れ出
しても、この隙間に受け止められ、これによって潤滑油
の外部への漏洩が防止できる。
【0021】
【考案の効果】以上述べたように本考案によれば、回転
軸の回転力の障害とならず、しかも軸受の潤滑油の漏洩
を防止することができる含油軸受を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本考案の一実施例を示す要部断面図である。
【図2】は同実施例の導油板を示す正面図である。
【図3】は図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】は同実施例に係る内リンク体を示す正面図であ
る。
【図5】は図4のB−B線に沿う断面図である。
【図6】は本考案の他の実施例を示す要部断面図であ
る。
【図7】は同実施例に係る油止め板を示す断面図であ
る。
【図8】は本考案に係る回転軸の固定構造を示す断面図
である。
【図9】は従来の含油軸受構造を示す断面図である。
【図10】は同含油軸受構造の回転軸先端を示す拡大断
面図である。
【図11】は同含油軸受構造に係る内リンク体を示す正
面図である。
【図12】は図11のC−C線に沿う断面図である。
【符号の説明】
200…回転軸、 201…内リンク体、2
02…貯油凹溝、 203…導油孔、204…導油
板、 204a…導油隔体、206…支承
部、 207…通孔、208…通孔、
209…隆起部、300…段部、
301…導油板、302…通孔、 303…凹
部、304…隆起部、 400…係止板、4
01…導受けベース、 402…凹部。

Claims (3)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸(200)と非回転の支承部(20
    6)との間に介装される内リンク体(201)を有し、
    この内リンク体(201)に前記回転軸(200)と摺
    動接触する通孔(207)を穿設すると共に、当該内リ
    ンク体(201)の外周面に複数の貯油凹溝(202)
    を形成して当該貯油凹溝(202)と支承部(206)
    内面とで形成される空間に潤滑油を貯溜し、前記内リン
    ク体(201)に前記貯油凹溝(202)と前記通孔
    (207)とを連通する導油孔(203)を穿設し、一
    方、前記回転軸(200)を圧入する通孔(208)を
    有し回転軸(200)とともに回転する導油板(20
    4)に導油隔体(204a)を形成すると共に、当該導
    油板(204)の外周縁に前記貯油凹溝(202)に向
    かう隆起部(209)を形成し、前記回転軸(200)
    と内リンク体(201)との間から漏洩した潤滑油を導
    油板(204)の回転による遠心力によって前記貯油凹
    溝(202)に導くことを特徴とする含油軸受。
  2. 【請求項2】回転軸(200)と非回転の支承部(20
    6)との間に介装される内リンク体(201)を有し、
    この内リンク体(201)に前記回転軸(200)と摺
    動接触する通孔(207)を穿設すると共に、当該内リ
    ンク体(201)の外周面に複数の貯油凹溝(202)
    とこの貯油凹溝(202)に連続する段部(300)を
    形成して当該貯油凹溝(202)および段部(300)
    と前記支承部(206)内面とで形成される空間に潤滑
    油を貯溜し、前記内リンク体(201)に前記貯油凹溝
    (202)と前記通孔(207)とを連通する導油孔
    (203)を穿設し、一方、外周面が前記支承部(20
    6)に圧入され、回転軸(200)に対して点または線
    接触する通孔(302)を有する導油板(301)に凹
    部(303)を形成すると共に、当該導油板(204)
    の外周縁に前記貯油凹溝(202)に向かう隆起部(3
    04)を形成し、前記回転軸(200)と内リンク体
    (201)との間から漏洩した潤滑油を前記貯油凹溝
    (202)に導くことを特徴とする含油軸受。
  3. 【請求項3】非回転の支承部(206)に圧入した内リ
    ンク体(201)の通孔(207)に回転軸(200)
    を挿入すると共に、当該回転軸(200)の先端を前記
    内リンク体(201)から所定長だけ突出させ、この回
    転軸(200)の突出部に導受けベース(401)を遊
    嵌し、さらに、前記導受けベース(401)に形成した
    凹部(402)に嵌合する係止板(400)を前記回転
    軸(200)の先端に圧入したことを特徴とする含油軸
    受。
JP3447991U 1991-05-16 1991-05-16 含油軸受 Expired - Lifetime JPH0728412Y2 (ja)

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JPH04127420U JPH04127420U (ja) 1992-11-19
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