JPH0728384U - 刺身用イカ千切り機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 刺身用イカを細長い千切り状に切断する場合
に、職人の技量に左右されることなく、その千切りの幅
などを細くしかも一定にしてその品質を均一に維持で
き、さらに、その処理能力を高める。 【構成】 刺身用イカを搬送するベルトコンベヤ２を設
け、ベルトコンベヤ２の後半側の上方に、ベルトコンベ
ヤ２の幅方向に回転軸３を横設し、回転軸３に刺身用イ
カの切断間隔に対応する間隔で多数のイカ切断用の回転
刃５を装着し、各回転刃５の間隔の間にイカが回転刃５
に巻き付くのを防ぎ且つイカの送り押さえの役目を果た
すガイド片６を各々設けると共に、回転刃５の回転速度
をベルトコンベヤ２の移動速度より速くなるように設け
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、刺身用イカを細長い千切り状に切断した所謂イカソーメンのイカ 刺身を造る刺身用イカ千切り機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

昨今、所謂イカソーメンと言われるイカ刺身が人気商品となってきている。こ のイカソーメンは、刺身用イカを細長い千切り状に切断したイカの刺身で、色が 白く、又ソーメンのように細長いために、このような名称がつけられている。

【０００３】 イカソーメンは、平坦状にした刺身用イカを職人が包丁を使用して、細長い千 切り状に切断することによって造られる。この場合、ある一定の細さに切断する ことが商品価値の面から要求され、また、短時間に多量のイカソーメンを得るた めの処理能力も要求される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、刺身用イカを細長い千切り状に切断する作業は、職人の技量に よって大きく異なり、その千切りの幅などを細くしかも一定にしてその品質を均 一に維持するのは困難であり、また、人手による作業にはその処理能力に限界が あった。

【０００５】 この考案は、上記のような課題に鑑み、その課題を解決すべく創案されたもの であって、その目的とするところは、刺身用イカを細長い千切り状に切断する場 合に、職人の技量に左右されることなく、その千切りの幅などを細くしかも一定 にしてその品質を均一に維持でき、さらに、その処理能力を高めることのできる 刺身用イカ千切り機を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 以上の目的を達成するために、請求項１の考案は、刺身用イカを搬送するベル トコンベヤを設け、ベルトコンベヤの後半側の上方に、ベルトコンベヤの幅方向 に回転軸を横設し、回転軸に刺身用イカの切断間隔に対応する間隔で多数のイカ 切断用の回転刃を装着し、各回転刃の間隔の間にイカが回転刃に巻き付くのを防 ぎ且つイカの送り押さえの役目を果たすガイド片を各々設けると共に、回転刃の 回転速度をベルトコンベヤの移動速度より速くなるように設けた構成よりなるも のである。

【０００７】 ここで、回転刃はベルトコンベヤの循環移動に連動して回転するように設けら れ、ベルトコンベヤ及び回転刃は手動で駆動するようにしてもよい。また、ベル トコンベヤ及び回転刃は電動で駆動するようにしてもよい。

【０００８】

【作用】

以上のような構成を有するこの考案は、次のように作用する。 すなわち、ベルトコンベヤによって搬送される刺身用イカは、回転軸に刺身用 イカの切断間隔に対応する間隔で回転軸に装着された多数のイカ切断用の回転刃 を通過中に、ベルトコンベヤの移動速度より速い速度で回転する各回転刃によっ て、一定の細幅の細長い千切り状に切断される。

【０００９】

【実施例】

以下、図面に記載の実施例に基づいてこの考案をより具体的に説明する。 ここで、図１は刺身用イカ千切り機の側面図、図２は刺身用イカ千切り機の平 面図、図３は刺身用イカ千切り機の正面図、図４は回転軸に装着された回転刃の 斜視図、図５は図３のＡ−Ａ部分断面図である。

【００１０】 図において、刺身用イカ千切り機１は、刺身用イカを細長い千切り状に切断し て所謂イカーソーメンを造る機器で、職人の技量に左右されることなく、その千 切りの幅などを細くしかも一定にしてその品質を均一に維持でき、さらに、その 処理能力を高めることができる特徴を備えている。

【００１１】 ベルトコンベヤ２は、刺身用イカを後半側に多数設けられた回転刃５側に搬送 供給するもので、刺身用イカ千切り機１の左右側面を構成する一対の機枠１ａ間 の上部に前後方向に設けられている。ベルトコンベヤ２は、一対の従動ローラー ２ａ及び駆動ローラ２ｂと、一対のローラー２ａ，２ｂ間に張設された無端ベル ト２ｃから構成されている。

【００１２】 刺身用イカ千切り機１の機枠１ａ内に前後方向に配置された一対のローラー２ ａ，２ｂのうち、従動ローラー２ａはベルトコンベヤ２の始端側に位置し、駆動 ローラー２ｂはベルトコンベヤ２の終端側に位置する。

【００１３】 従動ローラー２ａの両端中心部にはローラー回転支持軸２ｄが左右両側方に突 出形成されている。左右両側方に突出形成されたローラー回転支持軸２ｄは、左 右の機枠１ａに形成された長孔１ｂにそれぞれ挿通支持されている。各長孔１ｂ の外側の機枠１ａ側面には、長孔１ｂから一部突出しているローラー回転支持軸 ２ｄを、無端ベルト２ｃを張設する側に押す張力調整機１ｃがそれぞれ設けられ ている。

【００１４】 駆動ローラー２ｂの両端中心部にはローラー回転支持軸２ｅが左右両側方に突 出形成されている。左右両側方に突出形成されたローラー回転支持軸２ｅは、左 右の機枠１ａをそれぞれ貫通して支持されている。左右の機枠１ａを貫通して側 方に突出した一方のローラー回転支持軸２ｅの端部には、手動ハンドル２ｆが取 付けられている。作業者はこの手動ハンドル２ｆを回すことによって、駆動ロー ラー２ｂを回転させて無端ベルト２ｃを循環移動させる機構になっている。

【００１５】 また、機枠１ａを貫通して側方に突出した他方のローラー回転支持軸２ｅの端 部には、駆動歯車２ｇが固設されている。駆動歯車２ｇの歯数は後述する従動歯 車３ａの歯数の例えば４〜５倍もあるものが使用され、駆動歯車２ｇは歯数の４ 〜５倍も少ない従動歯車３ａと噛み合って、回転刃５をベルトコンベヤ２の移動 速度よりも例えば４〜５倍も速い速度で無端ベルト２ｃの移動方向と同じ方向に 回転させる機能を果たす。

【００１６】 無端ベルト２ｃは刺身用イカを載せて終端側に移動させるベルトで、従動ロー ラー２ａと駆動ローラー２ｂとの間に回装して張設されている。無端ベルト２ｃ は駆動ローラー２ｂの回転により、従動ローラー２ａと駆動ローラー２ｂとの間 を循環移動し、無端ベルト２ｃはその上側が従動ローラー２ａから駆動ローラー ２ｂに向かって移動し、駆動ローラー２ｂで下向きに反転して下側は駆動ローラ ー２ｂから従動ローラー２ａに向かって移動する。無端ベルト２ｃの表面には滑 り止めが形成されている。無端ベルト２ｃには例えば食品用樹脂ベルトが使用さ れている。

【００１７】 刺身用イカを載せて終端側に移動する上側のベルト部分を支持するベルト支持 板２ｈが上側のベルトの下面に設置されている。ベルト支持板２ｈはその左右両 端側が左右の機枠１ａの内側に連結支持されている。

【００１８】 ベルトコンベヤ２の後半側の上方、この実施例では終端側の上方には、ベルト コンベヤ２の幅方向に回転軸３が横設されている。回転軸３の一端は安全カバー ４の左右側面４ａのうち、一方側の側面４ａに回転自在に支持されている。回転 軸３の他端は安全カバー４の他方側の側面４ａを貫通してその外側方に突出して おり、その突出した他端には従動歯車３ａが固設されている。

【００１９】 従動歯車３ａは前述したように、駆動歯車２ｇと噛み合って駆動力を受けて、 回転軸３を駆動ローラー２ｂの回転速度より速い速度で回転させ、回転軸３に装 着された回転刃５をベルトコンベヤ２の移動速度よりも例えば４〜５倍も速い速 度で無端ベルト２ｃの移動方向と同一方向に回転させる。従動歯車３ａの歯数は 例えば４〜５倍、駆動歯車２ｇの歯数より少ないものが使用されている。

【００２０】 回転軸３には、刺身用イカの切断間隔に対応する間隔で多数のイカ切断用の回 転刃５が装着されている。各回転刃５の間には一定の間隔を保持する円形の間隔 保持板５ａがそれぞれ装着されている。各回転刃５は例えば 2.8mmの間隔で回転 軸３に装着されている。また、各回転刃５は例えば厚みが 0.3mmの円形のものが 使用されている。回転刃５はその周縁がベルトコンベヤ２の無端ベルト２ｃの表 面に接する状態で回転軸３に装着されており、又各回転刃５は回転軸３と一体と なって回転するように装着されている。

【００２１】 各回転刃５の間隔の間にはガイド片６がそれぞれ設けられている。ガイド片６ は、切断前後の刺身用イカが回転刃５に巻き付くのを防ぐと共に刺身用イカの送 り押さえの役目を果たす。ガイド片６には例えば板バネが使用されている。ガイ ド片６は回転刃５の下部側に設けられている。

【００２２】 また、ガイド片６には各回転刃５が入る程度の幅の切溝６ａが多数形成されて いる。切溝６ａはガイド片６の途中から終端側に向かって形成されている。各切 溝６ａの溝幅は例えば 0.5mmになっていて、溝幅が 0.5mmの切溝６ａ内に厚みが 0.3mmの回転刃５の下部側の一部が入るようになっている。

【００２３】 ガイド片６は、切溝６ａが形成されていない先端側が前方に向けて上向きに円 曲されて回転刃５の前方に延設された安全カバー４の前端側下部に連結され、ガ イド片６の途中から終端側に向かって形成された切溝６ａはベルトコンベヤ２の 終端側に向けて取付けられている。

【００２４】 回転刃５の外側には安全カバー４が設けられている。安全カバー４はベルトコ ンベヤ２の幅方向に装着された回転刃５を覆うように、ベルトコンベヤ２の幅方 向に横設されている。安全カバー４は、その左右両側面４ａが左右の機枠１ａの 上部側面に連結支持されている。

【００２５】 また、ベルトコンベヤ２の終端には、細長い千切り状に切断されて所謂イカソ ーメンとなった刺身用イカを回収するためのシュート７が斜め下向きに設けられ ている。シュート７はその左右両端側が左右の機枠１ａの内側に連結支持されて いる。

【００２６】 次に上記実施例の構成に基づく作用について以下説明する。 刺身用イカを平坦状にしてベルトコンベヤ２の無端ベルト２ｃの表面に載せ、 手動ハンドル２ｆを回してベルトコンベヤ２及び回転刃５を駆動させる。この場 合、刺身用イカを載せる前にベルトコンベヤ２及び回転刃５を駆動させてもよい 。

【００２７】 手動ハンドル２ｆを回すと、駆動ローラー２ｂが回転し、駆動ローラー２ｂと 従動ローラー２ａの間に張設された無端ベルト２ｃは、駆動ローラー２ｂの回転 に連動して循環移動し始める。無端ベルト２ｃは刺身用イカを載せた上側がベル トコンベヤ２の後半側に設けられた回転刃５側に向かって移動して、無端ベルト ２ｃ上の刺身用イカは回転刃５側に搬送される。

【００２８】 手動ハンドル２ｆを回すと、駆動ローラー２ｂが回転すると同時に、駆動ロー ラー２ｂ側の駆動歯車２ｇと噛み合う従動歯車３ａを介して回転軸３も連動して 回転し、回転軸３に装着された各回転刃５も一体となって回転する。このとき、 回転軸３側の従動歯車３ａの歯数が駆動歯車２ｇの歯数より例えば４〜５倍少な いため、駆動歯車２ｇが１回転する間に回転軸３は４〜５回転する。このため、 回転軸３に装着された各回転刃５は、ベルトコンベヤ２の無端ベルト２ｃの移動 速度よりも速い速度で同一方向に回転する。

【００２９】 移動する無端ベルト２ｃによって回転刃５側に搬送された刺身用イカは、ガイ ド片６に案内されながら回転刃５側に送られ、刺身用イカの切断間隔に対応する 間隔で多数配置された各回転刃５を通過中に、無端ベルト２ｃの移動速度より速 い速度で同じ方向に回転している各回転刃５によって、一定の細幅の細長い千切 り状に切断される。

【００３０】 切断された各刺身用イカの細長い千切り状となったイカソーメンは、ガイド片 ６によって回転刃５に巻き付くのが防がれ、移動する無端ベルト２ｃによってそ の終端まで送られ、終端に設けられたシュート７上を滑って、シュート７の下方 に設置される回収容器内に落下して回収される。

【００３１】 なお、この考案は上記実施例に限定されるものではなく、この考案の精神を逸 脱しない範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。例えば、上記実施例に おいては、ベルトコンベヤ２及び回転刃５を手動ハンドル２ｆを使用して手動で 駆動させる構成で説明したが、手動ハンドル２ｆの代わりに、ローラー回転支持 軸２ｅの端部に減速機を介して電動モーターを連動連結させる構成にして、電動 で駆動させるようにしてもよい。また、電動で駆動させる場合には、ベルトコン ベヤ２と回転刃５を連動させず、別々のモーターで駆動させるようにしてもよい 。

【００３２】

【考案の効果】

以上の記載より明らかなように、この考案に係る刺身用イカ千切り機によれば 、刺身用イカを搬送するベルトコンベヤを設け、ベルトコンベヤの後半側の上方 に、ベルトコンベヤの幅方向に回転軸を横設し、回転軸に刺身用イカの切断間隔 に対応する間隔で多数のイカ切断用の回転刃を装着し、各回転刃の間隔の間にイ カが回転刃に巻き付くのを防ぎ且つイカの送り押さえの役目を果たすガイド片を 各々設けると共に、回転刃の回転速度をベルトコンベヤの移動速度より速くなる ように設けたことにより、刺身用イカを一定の細幅の細長い千切り状に切断する ことができる。しかも、作業者の技量に左右されることなく、その千切りの幅な どを細くしかも一定にしてその品質を均一に維持することができ、さらに、その 処理能力を高めることができる等、極めて実用的有益なる効果を奏するものであ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例を示す刺身用イカ千切り機の
側面図である。

【図２】この考案の実施例を示す刺身用イカ千切り機の
平面図である。

【図３】この考案の実施例を示す刺身用イカ千切り機の
正面図である。

【図４】この考案の実施例を示す回転軸に装着された回
転刃の斜視図である。

【図５】図３のＡ−Ａ部分断面図である。

【符号の説明】

１ 刺身用イカ千切り機 １ａ 機枠 １ｂ 長孔 １ｃ 張力調整機 ２ ベルトコンベヤ ２ａ 従動ローラー ２ｂ 駆動ローラー ２ｃ 無端ベルト ２ｄ ローラー回転支持軸 ２ｅ ローラー回転支持軸 ２ｆ 手動ハンドル ２ｇ 駆動歯車 ２ｈ ベルト支持板 ３ 回転軸 ３ａ 従動歯車 ４ 安全カバー ４ａ 側面 ５ 回転刃 ５ａ 間隔保持板 ６ ガイド片 ６ａ 切溝 ７ シュート

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 刺身用イカを搬送するベルトコンベヤを
   設け、ベルトコンベヤの後半側の上方に、ベルトコンベ
   ヤの幅方向に回転軸を横設し、回転軸に刺身用イカの切
   断間隔に対応する間隔で多数のイカ切断用の回転刃を装
   着し、各回転刃の間隔の間にイカが回転刃に巻き付くの
   を防ぎ且つイカの送り押さえの役目を果たすガイド片を
   各々設けると共に、回転刃の回転速度をベルトコンベヤ
   の移動速度より速くなるように設けたことを特徴とする
   刺身用イカ千切り機。
2. 【請求項２】 回転刃はベルトコンベヤの循環移動に連
   動して回転するように設けられ、ベルトコンベヤ及び回
   転刃は手動で駆動する請求項１記載の刺身用イカ千切り
   機。
3. 【請求項３】 ベルトコンベヤ及び回転刃は電動で駆動
   する請求項１記載の刺身用イカ千切り機。