JPH07283008A - 正の抵抗温度特性を有する半導体磁器 - Google Patents
正の抵抗温度特性を有する半導体磁器Info
- Publication number
- JPH07283008A JPH07283008A JP6067038A JP6703894A JPH07283008A JP H07283008 A JPH07283008 A JP H07283008A JP 6067038 A JP6067038 A JP 6067038A JP 6703894 A JP6703894 A JP 6703894A JP H07283008 A JPH07283008 A JP H07283008A
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- Japan
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- silver
- electrode
- resistance
- temperature coefficient
- semiconductor porcelain
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- Thermistors And Varistors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 通電時に銀電極のマイグレーションを抑制し
た正の抵抗温度特性を有する半導体磁器を提供すること
である。 【構成】 正特性半導体磁器1の両面に無電解メッキ法
でニッケル電極2を設け、そのニッケル電極2の上層に
銀ペーストを塗布し焼き付けて銀電極3を形成し、銀電
極3を硫化処理した。硫化処理方法はH2Sガスを20p
pm含む大気中に24時間放置により銀の表面を硫化銀電
極4とした。
た正の抵抗温度特性を有する半導体磁器を提供すること
である。 【構成】 正特性半導体磁器1の両面に無電解メッキ法
でニッケル電極2を設け、そのニッケル電極2の上層に
銀ペーストを塗布し焼き付けて銀電極3を形成し、銀電
極3を硫化処理した。硫化処理方法はH2Sガスを20p
pm含む大気中に24時間放置により銀の表面を硫化銀電
極4とした。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、正の抵抗温度特性を
有する半導体磁器に関する。
有する半導体磁器に関する。
【0002】
【従来の技術】正の抵抗温度特性を有する半導体磁器
(以下、正特性半導体磁器という)は、キュリー点以上
で抵抗値が急激に増加する特性(以下、PTC特性とい
う)を有している。この正特性半導体磁器に電極を形成
した正特性サーミスタ(以下、PTCサーミスタとい
う)は、所定の電流値以上の過大電流が流れた場合に、
自己発熱し、そのPTC特性により抵抗値が上昇し、電
子機器へ流れる電流値を制御するように動作するもので
ある。
(以下、正特性半導体磁器という)は、キュリー点以上
で抵抗値が急激に増加する特性(以下、PTC特性とい
う)を有している。この正特性半導体磁器に電極を形成
した正特性サーミスタ(以下、PTCサーミスタとい
う)は、所定の電流値以上の過大電流が流れた場合に、
自己発熱し、そのPTC特性により抵抗値が上昇し、電
子機器へ流れる電流値を制御するように動作するもので
ある。
【0003】PTCサーミスタは、電子回路の過電流保
護用やテレビのブラウン管枠の消磁用など、種々の電流
制御素子として使用されている。正特性半導体磁器の電
極としては、オーミック銀、ニッケル無電解メッキ、ア
ルミニウムなどがあるが、大電流を流す場合には、銀が
最も有効であり、ニッケル無電解メッキを第1層とした
場合でもその上に銀を形成する場合が多い。
護用やテレビのブラウン管枠の消磁用など、種々の電流
制御素子として使用されている。正特性半導体磁器の電
極としては、オーミック銀、ニッケル無電解メッキ、ア
ルミニウムなどがあるが、大電流を流す場合には、銀が
最も有効であり、ニッケル無電解メッキを第1層とした
場合でもその上に銀を形成する場合が多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、銀はイオン
化してマイグレーションを起こし、絶縁劣化し易いとい
う問題がある。また、アルミニウムやニッケル無電解メ
ッキといった非銀系電極では電気抵抗を充分に下げるこ
とができないため、大電流用途には使用できないという
問題があった。
化してマイグレーションを起こし、絶縁劣化し易いとい
う問題がある。また、アルミニウムやニッケル無電解メ
ッキといった非銀系電極では電気抵抗を充分に下げるこ
とができないため、大電流用途には使用できないという
問題があった。
【0005】そこで、本発明者らは大電流通電が可能な
銀電極について、銀のマイグレーションを防止するた
め、例えば、銀の合金化や銀のコーティングなど各種マ
イグレーション防止策を検討したが、正特性半導体磁器
は、発熱時に100℃以上の高温となるため、従来の防
止策ではマイグレーション防止に効果がなかった。
銀電極について、銀のマイグレーションを防止するた
め、例えば、銀の合金化や銀のコーティングなど各種マ
イグレーション防止策を検討したが、正特性半導体磁器
は、発熱時に100℃以上の高温となるため、従来の防
止策ではマイグレーション防止に効果がなかった。
【0006】この発明の目的は、銀電極のマイグレーシ
ョンを抑制し、大電流通電が可能な正の抵抗温度特性を
有する半導体磁器を提供することである。
ョンを抑制し、大電流通電が可能な正の抵抗温度特性を
有する半導体磁器を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
少なくとも周縁部分が硫化銀よりなる銀電極を有する正
の抵抗温度特性を有する半導体磁器である。
少なくとも周縁部分が硫化銀よりなる銀電極を有する正
の抵抗温度特性を有する半導体磁器である。
【0008】請求項2に係る発明は、前記銀電極は焼き
付け膜、スパッタリング膜、真空蒸着膜のいずれかより
なる正の抵抗温度特性を有する半導体磁器である。
付け膜、スパッタリング膜、真空蒸着膜のいずれかより
なる正の抵抗温度特性を有する半導体磁器である。
【0009】請求項3に係る発明は、第1層がニッケル
無電解メッキ膜、第2層が銀の焼き付け膜からなり、第
2層の銀の焼き付け膜の少なくとも周縁部分が硫化銀よ
りなる正の抵抗温度特性を有する半導体磁器である。
無電解メッキ膜、第2層が銀の焼き付け膜からなり、第
2層の銀の焼き付け膜の少なくとも周縁部分が硫化銀よ
りなる正の抵抗温度特性を有する半導体磁器である。
【0010】
【作用】電界の集中する電極周縁部を硫化銀とすること
で通電中の銀マイグレーションの防止を行うことができ
る。
で通電中の銀マイグレーションの防止を行うことができ
る。
【0011】
【実施例】図1はこの発明の実施例を示す正特性半導体
磁器の断面図である。
磁器の断面図である。
【0012】(実施例1)原料として、炭酸バリウム、
炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化珪素、炭酸マンガン
を準備し、これを(Ba0.747Pb0.15Ca0.10La
0.003)TiO3+0.001Mn+0.01SiO2の
割合となるように調合し、この調合原料を、純水および
ジルコニアボールとともにポリエチレン製ポットにいれ
て、5時間粉砕混合し、乾燥後、空気中1100℃、2
時間仮焼した。得られた仮焼粉を有機バインダー、溶剤
および分散剤と混合し、乾式プレス成形し、1350
℃、2時間の焼成を行った。こうして得られた焼結体は
5×5×1mmの角板状であった。
炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化珪素、炭酸マンガン
を準備し、これを(Ba0.747Pb0.15Ca0.10La
0.003)TiO3+0.001Mn+0.01SiO2の
割合となるように調合し、この調合原料を、純水および
ジルコニアボールとともにポリエチレン製ポットにいれ
て、5時間粉砕混合し、乾燥後、空気中1100℃、2
時間仮焼した。得られた仮焼粉を有機バインダー、溶剤
および分散剤と混合し、乾式プレス成形し、1350
℃、2時間の焼成を行った。こうして得られた焼結体は
5×5×1mmの角板状であった。
【0013】これに、図1に示すように、正特性半導体
磁器1の両面に無電解メッキ法でニッケル電極2を設
け、そのニッケル電極2の上層に銀ペーストを塗布し焼
き付けて銀電極3を形成し、銀電極3を硫化処理した。
硫化処理方法はH2Sガスを20ppm含む大気中に24時
間放置により銀の表面を硫化銀電極4とした。なお、硫
化銀の存在はXPS(光電子分光法)により確認した。
磁器1の両面に無電解メッキ法でニッケル電極2を設
け、そのニッケル電極2の上層に銀ペーストを塗布し焼
き付けて銀電極3を形成し、銀電極3を硫化処理した。
硫化処理方法はH2Sガスを20ppm含む大気中に24時
間放置により銀の表面を硫化銀電極4とした。なお、硫
化銀の存在はXPS(光電子分光法)により確認した。
【0014】(実施例2)実施例1と同じ方法で作成し
た正特性半導体磁器を、図2に示すように硫化処理時に
銀電極3に白金板(図示せず)で中央部にマスキングを
施し、周縁部のみを硫化させた正特性半導体磁器を得
た。なお、この実施例では銀電極3の面積を無電解メッ
キ法で設けたニッケル電極2より小さくし、正特性半導
体磁器1の側面と銀電極3との間にギャップを設けた。
この構造とすることにより、銀のマイグレーションの防
止をさらに確実なものとしている。
た正特性半導体磁器を、図2に示すように硫化処理時に
銀電極3に白金板(図示せず)で中央部にマスキングを
施し、周縁部のみを硫化させた正特性半導体磁器を得
た。なお、この実施例では銀電極3の面積を無電解メッ
キ法で設けたニッケル電極2より小さくし、正特性半導
体磁器1の側面と銀電極3との間にギャップを設けた。
この構造とすることにより、銀のマイグレーションの防
止をさらに確実なものとしている。
【0015】(比較例)実施例1と同じ方法で、銀電極
に硫化処理を行わない正特性半導体磁器を得た。
に硫化処理を行わない正特性半導体磁器を得た。
【0016】上記の方法で得られた実施例1と実施例2
と比較例の正特性半導体磁器を常温多湿(90%RH)
中で10000時間断続通電(100V5分、10分O
FF)試験した。試験後のマイグレーション発生状況を
調べた結果、比較例ではマイグレーションが発生したの
に対し、実施例1、2はともに、ほとんどマイグレーシ
ョンの発生は認められなかった。
と比較例の正特性半導体磁器を常温多湿(90%RH)
中で10000時間断続通電(100V5分、10分O
FF)試験した。試験後のマイグレーション発生状況を
調べた結果、比較例ではマイグレーションが発生したの
に対し、実施例1、2はともに、ほとんどマイグレーシ
ョンの発生は認められなかった。
【0017】なお、この実施例ではニッケル無電解メッ
キ上に焼き付け銀電極を設けた素子に付いて説明してき
たが、この発明はこれらに限られるものではない。オー
ミック銀電極、スパッタ銀電極、真空蒸着銀電極など銀
を主成分とする電極層を少なくとも1層以上有する正特
性半導体磁器について適用しても同様の効果が得られ
る。
キ上に焼き付け銀電極を設けた素子に付いて説明してき
たが、この発明はこれらに限られるものではない。オー
ミック銀電極、スパッタ銀電極、真空蒸着銀電極など銀
を主成分とする電極層を少なくとも1層以上有する正特
性半導体磁器について適用しても同様の効果が得られ
る。
【0018】
【発明の効果】この発明によれば、銀電極の少なくとも
周縁部を硫化処理して、硫化銀にしたことにより、通電
中の銀のマイグレーションを防止でき、長期信頼性のあ
る正の抵抗温度特性を有する半導体磁器が得られる。
周縁部を硫化処理して、硫化銀にしたことにより、通電
中の銀のマイグレーションを防止でき、長期信頼性のあ
る正の抵抗温度特性を有する半導体磁器が得られる。
【図1】この発明の正の抵抗温度特性を有する半導体磁
器の一実施例を示す断面図である。
器の一実施例を示す断面図である。
【図2】この発明の正の抵抗温度特性を有する半導体磁
器の他の実施例を示す断面図である。
器の他の実施例を示す断面図である。
1 正特性半導体磁器 2 ニッケル電極 3 銀電極 4 硫化銀電極
Claims (3)
- 【請求項1】 少なくとも周縁部分が硫化銀よりなる銀
電極を有する正の抵抗温度特性を有する半導体磁器。 - 【請求項2】 前記銀電極は焼き付け膜、スパッタリン
グ膜、真空蒸着膜のいずれかよりなる請求項1記載の正
の抵抗温度特性を有する半導体磁器。 - 【請求項3】 第1層がニッケル無電解メッキ膜、第2
層が銀の焼き付け膜からなり、第2層の銀の焼き付け膜
の少なくとも周縁部分が硫化銀よりなる正の抵抗温度特
性を有する半導体磁器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6067038A JPH07283008A (ja) | 1994-04-05 | 1994-04-05 | 正の抵抗温度特性を有する半導体磁器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6067038A JPH07283008A (ja) | 1994-04-05 | 1994-04-05 | 正の抵抗温度特性を有する半導体磁器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07283008A true JPH07283008A (ja) | 1995-10-27 |
Family
ID=13333298
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6067038A Pending JPH07283008A (ja) | 1994-04-05 | 1994-04-05 | 正の抵抗温度特性を有する半導体磁器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07283008A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004342658A (ja) * | 2003-05-13 | 2004-12-02 | Nichicon Corp | 正特性サーミスタ素子の製造方法 |
-
1994
- 1994-04-05 JP JP6067038A patent/JPH07283008A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004342658A (ja) * | 2003-05-13 | 2004-12-02 | Nichicon Corp | 正特性サーミスタ素子の製造方法 |
JP4554893B2 (ja) * | 2003-05-13 | 2010-09-29 | ニチコン株式会社 | 正特性サーミスタ素子の製造方法 |
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