JPH07282963A - 加湿器の発熱体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水タンクに連結したパイプ内の水を発熱体に
よって加熱沸湯させ、発生した蒸気を外部に放出する加
湿器の発熱体に関し、発熱体に通電する電力量を増大さ
せて加湿能力の向上を図ることを目的とする。 【構成】 水タンクに連結した発熱用パイプと、発熱用
パイプの外周に抱巻した所定幅の絶縁紙と、絶縁紙の外
周に抱巻した発熱線と、絶縁紙の外周に所定の間隔をお
いて発熱線の外側に抱巻した一対の中継用金属線と、発
熱体および中継用金属線の外周に抱巻した保護紙と、保
護紙の外周に所定の間隔をおいて抱巻し中継用金属線を
経て導出された発熱線の端部が接続された一対のターミ
ナル用金属線と、一対のターミナル用金属線と接続され
た一対のリード線とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、水タンクに連結したパ
イプ内の水を発熱体によって加熱沸湯させ、発生する蒸
気を外部に放出する加湿器の発熱体に関する。

【０００２】

【従来の技術】加湿器の発熱体としては、従来からスペ
ース式とボビン式とがあり、最近では熱効率の良いボビ
ン式が主流となっている（例えば、実公昭60-33591
号）。図３は、ボビン式の加湿器の発熱体の従来例を示
す一部切欠の構成図である。

【０００３】同図において、水タンク１は加湿器本体
（図示せず）に設置された取り付け部２ａ，２ｂにネジ
３ａ，３ｂによって上下が固定されている。また、水タ
ンク１に隣接して発熱体を構成する発熱用パイプ４が垂
直に配置されている。この発熱用パイプ４の上端は連結
パイプ５を介して蒸気管６に接続され、下端は略Ｕ字状
のエルボパイプ７を介して水タンク１の底部に接続され
ている。連結パイプ５は取付金具８によって加湿器本体
に固定されており、取付金具８には温度過昇防止装置９
が止めネジ１０によって固定されている。

【０００４】また、発熱用パイプ４の外周には所定幅の
絶縁紙１１が抱巻され、絶縁紙１１の外周には所定の間
隔をおいて一対のターミナル金属線１２ａ，１２ｂが巻
き付けられている。このターミナル金属線１２ａ，１２
ｂによって絶縁紙１１が発熱用パイプ４に固定されてい
る。

【０００５】また、絶縁紙１１の外周のターミナル金属
線１２ａ，１２ｂ間には、発熱線１３が抱巻されてお
り、この発熱線１３の一端はターミナル金属線１２ａ
に、他端はターミナル金属線１２ｂにそれぞれ接続され
ている。

【０００６】また、発熱線１３の外周には保護紙１４が
抱巻され、この保護紙１４の外周には押さえ線１５が抱
巻されている。また、ターミナル金属線１２ａのねじり
部には圧着端子１６ａによってリード線１７ａが接続さ
れ、ターミナル金属線１２ｂのねじり部には圧着端子１
６ｂによってリード線１７ｂが接続されている。

【０００７】この構成において、リード線１７ａ，１７
ｂ間に通電すると、発熱線１３が発熱し、発熱用パイプ
４内の水が加熱して沸湯する。これにより発熱用パイプ
４に連結された蒸気管６の蒸気口から水タンク１内の水
が無くなるまで外部に蒸気が放出される。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】前述した従来の発熱体
において、水タンク１内の水が無くなり空焚き状態にな
ると、温度過昇防止装置９が作動して通電を停止するま
で発熱体の温度は上昇し続ける。とくにターミナル金属
線１２ａ，１２ｂは発熱用パイプ４に抱巻された絶縁紙
１１に直接巻き付けられているため温度上昇が大きく、
接続している圧着端子１６ａ，１６ｂの温度も上昇し、
端子部の酸化腐食が促進されて端子部の接触不良から異
常過熱を起こして断線することがある。

【０００９】このため、ターミナル金属線とリード線と
を圧着端子で接続するタイプのものにあっては、発熱体
に通電する電力量が制限され、それ以上の加湿能力は得
られないものであった。

【００１０】本発明は、端子部の温度上昇を抑制するこ
とによって発熱体に通電する電力量を増大させ、加湿能
力の向上を図ることを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明による加湿器の発
熱体は、水タンクに連結した発熱用パイプと、この発熱
用パイプの外周に抱巻した所定幅の絶縁紙と、絶縁紙の
外周に抱巻した発熱線と、絶縁紙の外周に所定の間隔を
おいて発熱線の外側に抱巻した一対の中継用金属線と、
発熱体および中継用金属線の外周に抱巻した保護紙と、
この保護紙の外周に所定の間隔をおいて抱巻し中継用金
属線を経て導出された発熱線の端部が接続された一対の
ターミナル用金属線と、この一対のターミナル用金属線
と接続された一対のリード線とからなる。

【００１２】この場合、保護紙の両端の一部に切り欠き
部を設け、この切り欠き部内に発熱線および中継用金属
線の接続部が位置するように抱巻するように構成するこ
とが望ましい。また、ターミナル用金属線が抱巻された
保護紙の内周面に熱絶縁紙を抱巻するように構成しても
よい。

【００１３】

【作用】本発明では、リード線と接続するターミナル用
金属線を保護紙の外周に巻き付ける。このため、ターミ
ナル用金属線の温度上昇やターミナル用金属線およびリ
ード線の接続端子部の温度上昇を抑制することができ、
発熱体に通電する電力量を増大させて加湿能力を向上さ
せることができる。

【００１４】また、保護紙の両端の一部に切り欠き部を
設け、この切り欠き部内に発熱線および中継用金属線の
接続部が位置するように保護紙を抱巻する。このため、
発熱線および中継用金属線に不用な力が加わらないため
断線しにくくなる。また、同時に保護紙による発熱線の
固定が一層しっかりしたものになり、発熱線の断線防止
にも寄与する。

【００１５】また、絶縁紙と保護紙との間に熱絶縁紙を
設けると、ターミナル用金属線の温度上昇、ターミナル
用金属線およびリード線の接続部の温度上昇を一層抑制
することができ、発熱体に通電する電力量をさらに増大
させて加湿能力を向上させることができる。

【００１６】

【実施例】図１は、本発明による加湿器の発熱体の一実
施例を示す一部切欠の構成図である。本実施例におい
て、前述した図３と同一構成要素には同一符号を付して
説明する。

【００１７】本実施例は、水タンク１が取り付け部２
ａ，２ｂにネジ３ａ，３ｂによって固定され、発熱用パ
イプ４が連結パイプ５を介して蒸気管６に接続され、エ
ルボパイプ７を介して水タンク１の底部に接続されてい
る。また、連結パイプ５が取付金具８によって加湿器本
体に固定され、取付金具８には温度過昇防止装置９が止
めネジ１０によって固定されている。これらの構成は前
述の図３に示す構成と同一である。

【００１８】本実施例の発熱体は、発熱用パイプ４の外
周に所定幅の絶縁紙１１が抱巻され、この絶縁紙１１の
外周に軟銅線または銅線等からなる線材が所定の間隔を
おいて中継用金属線２０ａ，２０ｂとしてひと巻きに巻
き付けられ、絶縁紙１１を発熱用パイプ４に固定してい
る。各中継用金属線２０ａ，２０ｂは両端がねじり合わ
されてねじり部２１ａ，２１ｂが形成されている。

【００１９】また、中継用金属線２０ａ，２０ｂ間の絶
縁紙１１の外周には発熱線１３が巻き付けられ、さらに
発熱線１３および中継用金属線２０ａ，２０ｂの外周に
は保護紙１４が巻き付けられた構成を有する。保護紙１
４は絶縁紙１１と略等しい長さを有しひと巻きで巻き付
けられている。保護紙１４の両端部には切り欠き部１４
ａ，１４ｂが形成されており、この切り欠き部１４ａ，
１４ｂ内に中継用金属線２０ａ，２０ｂのねじり部２１
ａ，２１ｂが位置するように巻き付けられている。

【００２０】また、保護紙１４の外周には所定の間隔を
おいて一対のターミナル金属線１２ａ，１２ｂがひと巻
で巻き付けられており、保護紙１４を固定している。タ
ーミナル金属線１２ａ，１２ｂの巻き付け位置は中継用
金属線２０ａ，２０ｂの位置よりも外側の位置が好まし
い。

【００２１】また、発熱線１３の一端は中継用金属線２
０ａのねじり部２１ａを経てターミナル金属線１２ａの
ねじり部に巻き付けられ、他端は中継用金属線２０ｂの
ねじり部２１ｂを経てターミナル金属線１２ｂのねじり
部に巻き付けられている。そして、ターミナル金属線１
２ａのねじり部は圧着端子１６ａによってリード線１７
ａに接続され、ターミナル金属線１２ｂのねじり部は圧
着端子１６ｂによってリード線１７ｂに接続されてい
る。保護紙１４は発熱線１３の発熱防止、リード線１７
ａ，１７ｂの発熱線１３への接触防止および外力による
発熱線１３のピッチずれ防止などを兼ねている。

【００２２】この構成において、リード線１７ａ，１７
ｂに通電すると、発熱線１３が発熱して水タンク１と連
結している発熱用パイプ２内の水が加熱されて沸騰す
る。発生した蒸気は発熱用パイプ２に連結された蒸気管
１１の蒸気口から水タンク１の水が無くなるまで外部へ
放出される。ターミナル金属線１２ａ，１２ｂは保護紙
１４の外周に抱巻されているので、直接絶縁紙１１に抱
巻されている従来に比べ温度上昇を低下させることがで
きる。

【００２３】図２は、本発明による加湿器の発熱体の他
の実施例を示す一部切欠の構成図である。本実施例は、
前述の図１に示す発熱体の構成において、ターミナル金
属線１２ａ，１２ｂが抱巻されている保護紙１４の内周
に熱絶縁紙２２ａ，２２ｂを抱巻した構成を有し、その
他の構成は前述の図１に示す構成と同一の構成を有す
る。本実施例の構成によれば、発熱用パイプ４の熱がタ
ーミナル金属線１２ａ，１２ｂに伝わるのを熱絶縁紙２
２ａ，２２ｂによって阻止することができ、ターミナル
金属線１２ａ，１２ｂの温度上昇をさらに低下させるこ
とができる。

【００２４】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、ターミナル金
属線の温度上昇、ターミナル金属線およびリード線の接
続端子部の温度上昇を低下させることができ、端子部の
酸化腐食を押さえて断線を防止することができる。した
がって、発熱線に通電できる電力量を増加させて加湿能
力の向上を図ることが可能となる。

【００２５】また、請求項２の発明によれば、発熱線お
よび中継用金属線に保護紙の不用な押圧力が加わらない
ため断線しにくくなり、かつ保護紙の固定が一層増して
発熱線の断線も防止することができる。

【００２６】また、請求項３の発明によれば、ターミナ
ル金属線の温度上昇、ターミナル金属線およびリード線
の接続端子部の温度上昇をさらに低下させることがで
き、さらなる加湿能力の向上を図ることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による加湿器の発熱体の一実施例を示す
一部切欠の構成図である。

【図２】本発明による加湿器の発熱体の他の実施例を示
す一部切欠の構成図である。

【図３】従来の加湿器の発熱体の一例を示す一部切欠の
構成図である。

【符号の説明】

１ 水タンク ４ 発熱用パイプ ５ 連結パイプ ６ 蒸気管 ７ エルボパイプ １１ 絶縁紙 １２ａ，１２ｂ ターミナル用金属線 １３ 発熱線 １４ 保護紙 １６ａ，１６ｂ 圧着端子 １７ａ，１７ｂ リード線 ２０ａ，２０ｂ 中継用金属線 ２１ａ，２１ｂ ねじり部 ２２ａ，２２ｂ 熱絶縁紙

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 水タンクに連結した発熱用パイプと、前
   記発熱用パイプの外周に抱巻した所定幅の絶縁紙と、前
   記絶縁紙の外周に抱巻した発熱線と、前記絶縁紙の外周
   に所定の間隔をおいて前記発熱線の外側に抱巻した一対
   の中継用金属線と、前記発熱体および前記中継用金属線
   の外周に抱巻した保護紙と、前記保護紙の外周に所定の
   間隔をおいて抱巻し前記中継用金属線を経て導出された
   前記発熱線の端部が接続された一対のターミナル用金属
   線と、前記一対のターミナル用金属線と接続された一対
   のリード線と、からなることを特徴とする加湿器の発熱
   体。
2. 【請求項２】 前記保護紙は、両端の一部に切り欠き部
   を有し、前記切り欠き部内に前記発熱線および前記中継
   用金属線の接続部が位置するように抱巻したことを特徴
   とする請求項１記載の加湿器の発熱体。
3. 【請求項３】 前記ターミナル用金属線が抱巻された前
   記保護紙の内周面に熱絶縁紙を抱巻したことを特徴とす
   る請求項１記載の加湿器の発熱体。