JPH07282859A - アルミニウム−空気電池 - Google Patents
アルミニウム−空気電池Info
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- JPH07282859A JPH07282859A JP9936294A JP9936294A JPH07282859A JP H07282859 A JPH07282859 A JP H07282859A JP 9936294 A JP9936294 A JP 9936294A JP 9936294 A JP9936294 A JP 9936294A JP H07282859 A JPH07282859 A JP H07282859A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 鉛を添加せずともアルミニウム電極の腐食を
防止でき,鉛毒公害がなく,長寿命で安価な,アルミニ
ウム−空気電池を提供すること。 【構成】 アルミニウム電極11と,空気電極12と,
両電極の間に介設された電解液13とを有するアルミニ
ウム−空気電池1において,上記アルミニウム電極11
はAl−Ga−In合金により構成され,Inに対する
Gaの重量割合は2〜4である。上記Al−Ga−In
合金中におけるGaとInとの合計量は,0.2〜0.
8%(重量%)で,上記Al−Ga−In合金に用いる
Alは純度が99.9%以上,Gaは純度99.99%
以上,Inは純度99.99%以上であることが好まし
い。上記電解液12はInを含有していることが好まし
い。
防止でき,鉛毒公害がなく,長寿命で安価な,アルミニ
ウム−空気電池を提供すること。 【構成】 アルミニウム電極11と,空気電極12と,
両電極の間に介設された電解液13とを有するアルミニ
ウム−空気電池1において,上記アルミニウム電極11
はAl−Ga−In合金により構成され,Inに対する
Gaの重量割合は2〜4である。上記Al−Ga−In
合金中におけるGaとInとの合計量は,0.2〜0.
8%(重量%)で,上記Al−Ga−In合金に用いる
Alは純度が99.9%以上,Gaは純度99.99%
以上,Inは純度99.99%以上であることが好まし
い。上記電解液12はInを含有していることが好まし
い。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,アルミニウム−空気電
池,特にそのアルミニウム電極の組成に関する。
池,特にそのアルミニウム電極の組成に関する。
【0002】
【従来技術】アルミニウム−空気電池は,空気中の酸素
を活物質として使用し,空気電極における酸素の還元
と,アルミニウム電極における電子放出を伴うアルミニ
ウム(Al)の溶解とを組み合わせて発電を行う電池で
ある。即ち,図3に示すごとく,上記アルミニウム−空
気電池1は,電解液13中にこれと接触するよう空気電
極12及びアルミニウム電極11を配置したもので,上
記両電極は電気的に接続されている。このため,空気電
極12において下記の(1)の反応が生じ,アルミニウ
ム電極11で(2)の反応が生じる。
を活物質として使用し,空気電極における酸素の還元
と,アルミニウム電極における電子放出を伴うアルミニ
ウム(Al)の溶解とを組み合わせて発電を行う電池で
ある。即ち,図3に示すごとく,上記アルミニウム−空
気電池1は,電解液13中にこれと接触するよう空気電
極12及びアルミニウム電極11を配置したもので,上
記両電極は電気的に接続されている。このため,空気電
極12において下記の(1)の反応が生じ,アルミニウ
ム電極11で(2)の反応が生じる。
【0003】かかる反応によりアルミニウム電極11を
正極,空気電極12を負極として,電気的エネルギーを
取り出すことができる。 (1)3O2 /4+3H2 O/2+3e- →3OH- (2)Al+3OH- →Al(OH)3 +3e- なお,上記電解液13としては,水酸化ナトリウム,水
酸化カリウム等を使用する。
正極,空気電極12を負極として,電気的エネルギーを
取り出すことができる。 (1)3O2 /4+3H2 O/2+3e- →3OH- (2)Al+3OH- →Al(OH)3 +3e- なお,上記電解液13としては,水酸化ナトリウム,水
酸化カリウム等を使用する。
【0004】ところで,アルミニウムはイオン化傾向が
大きく,酸,アルカリ等によって腐食されやすい金属で
ある。従って,従来,アルミニウム−空気電池における
アルミニウム電極としては,これの腐食を防止するため
に,以下に示す合金が一般的に使用されている。即ち上
記合金には,AlにGa(ガリウム),In(インジウ
ム),Pb(鉛)をそれぞれ0.01〜0.2%づつ添
加してある。該合金は上記物質,特に鉛の添加によって
Alの腐食が防止される。
大きく,酸,アルカリ等によって腐食されやすい金属で
ある。従って,従来,アルミニウム−空気電池における
アルミニウム電極としては,これの腐食を防止するため
に,以下に示す合金が一般的に使用されている。即ち上
記合金には,AlにGa(ガリウム),In(インジウ
ム),Pb(鉛)をそれぞれ0.01〜0.2%づつ添
加してある。該合金は上記物質,特に鉛の添加によって
Alの腐食が防止される。
【0005】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記合金は人
体に有害な鉛を含有している。近年,鉛毒公害が問題と
なっており,特に使用済み電池の廃棄に際して,上記合
金中の鉛が流出し,環境を汚染することが懸念されてい
る。従って,上記電池の処分にあたっては公害防止のた
めに,例えば使用済み電池より鉛を抜き取る等の処理を
必要とする。
体に有害な鉛を含有している。近年,鉛毒公害が問題と
なっており,特に使用済み電池の廃棄に際して,上記合
金中の鉛が流出し,環境を汚染することが懸念されてい
る。従って,上記電池の処分にあたっては公害防止のた
めに,例えば使用済み電池より鉛を抜き取る等の処理を
必要とする。
【0006】そこで,上記合金に鉛を添加しないことも
考えられる。しかし,この場合には電解液によるアルミ
ニウム電極の腐食が著しくなり,実用性という点におい
て,様々な問題点を生じる。上記問題点としては,例え
ば電極の腐食による電池電圧の早期低下,電極の耐久性
の低下による電池寿命の短期化等があげられる。本発明
は,かかる問題点に鑑み,鉛を添加せずともアルミニウ
ム電極の腐食を防止でき,鉛毒公害がなく,長寿命で安
価な,アルミニウム−空気電池を提供しようとするもの
である。
考えられる。しかし,この場合には電解液によるアルミ
ニウム電極の腐食が著しくなり,実用性という点におい
て,様々な問題点を生じる。上記問題点としては,例え
ば電極の腐食による電池電圧の早期低下,電極の耐久性
の低下による電池寿命の短期化等があげられる。本発明
は,かかる問題点に鑑み,鉛を添加せずともアルミニウ
ム電極の腐食を防止でき,鉛毒公害がなく,長寿命で安
価な,アルミニウム−空気電池を提供しようとするもの
である。
【0007】
【課題の解決手段】本発明は,アルミニウム電極と,空
気電極と,両電極の間に介設された電解液とを有するア
ルミニウム−空気電池において,上記アルミニウム電極
はAl−Ga−In合金により構成され,Inに対する
Gaの重量割合が2〜4であることを特徴とするアルミ
ニウム−空気電池である。
気電極と,両電極の間に介設された電解液とを有するア
ルミニウム−空気電池において,上記アルミニウム電極
はAl−Ga−In合金により構成され,Inに対する
Gaの重量割合が2〜4であることを特徴とするアルミ
ニウム−空気電池である。
【0008】本発明において最も注目すべきことは,ア
ルミニウム電極はAl−Ga−In合金により構成さ
れ,Inに対するGaの重量割合(Ga/In比)が2
〜4であるということである。上記合金の作成にあたっ
ては,例えば溶融したAl中にGa及びInを投入し,
混合溶融することにより原料溶液とする。次に,上記原
料溶液を金型に注入し,鋳造成形する。
ルミニウム電極はAl−Ga−In合金により構成さ
れ,Inに対するGaの重量割合(Ga/In比)が2
〜4であるということである。上記合金の作成にあたっ
ては,例えば溶融したAl中にGa及びInを投入し,
混合溶融することにより原料溶液とする。次に,上記原
料溶液を金型に注入し,鋳造成形する。
【0009】上記Inに対するGaの重量割合が2より
も小さい場合においても,4より大きい場合において
も,アルミニウム電極の腐食速度が急激に大きくなって
しまうおそれがある(図1参照)。なお,更に好ましく
は,Inに対するGaの重量割合は,下限を2.5,上
限を3.5とする。これにより,一層優れた耐腐食効果
が得られる。
も小さい場合においても,4より大きい場合において
も,アルミニウム電極の腐食速度が急激に大きくなって
しまうおそれがある(図1参照)。なお,更に好ましく
は,Inに対するGaの重量割合は,下限を2.5,上
限を3.5とする。これにより,一層優れた耐腐食効果
が得られる。
【0010】また,上記電解液としては,例えば水酸化
ナトリウム水溶液,水酸化カリウム水溶液等のアルカリ
性電解液や塩化ナトリウム等の中性電解液を使用する。
また,上記空気電極としては,例えば,カーボン,グラ
ファイト等に白金等の触媒を担持したものを使用する。
ナトリウム水溶液,水酸化カリウム水溶液等のアルカリ
性電解液や塩化ナトリウム等の中性電解液を使用する。
また,上記空気電極としては,例えば,カーボン,グラ
ファイト等に白金等の触媒を担持したものを使用する。
【0011】次に,上記Al−Ga−In合金中におけ
るGaとInとの合計量は,0.2〜0.8%であるこ
とが好ましい。上記合計量が0.2%未満の場合には,
アルミニウム電極の腐食を充分に防止できないおそれが
ある。一方,0.8%よりも大きい場合には,添加元素
が核となり,逆に腐食が促進されるという問題点が発生
する。
るGaとInとの合計量は,0.2〜0.8%であるこ
とが好ましい。上記合計量が0.2%未満の場合には,
アルミニウム電極の腐食を充分に防止できないおそれが
ある。一方,0.8%よりも大きい場合には,添加元素
が核となり,逆に腐食が促進されるという問題点が発生
する。
【0012】次に,上記Al−Ga−In合金よりなる
アルミニウム電極を作製する際に用いるAlは,純度が
99.9%以上,Gaは純度99.99%以上,Inは
純度99.99%以上であることが好ましい。これによ
り,一層優れた耐腐食効果を得ることができる。
アルミニウム電極を作製する際に用いるAlは,純度が
99.9%以上,Gaは純度99.99%以上,Inは
純度99.99%以上であることが好ましい。これによ
り,一層優れた耐腐食効果を得ることができる。
【0013】次に,上記電解液はInを含有しているこ
とが好ましい。上記Inの含有に当たっては,例えば水
酸化インジウム,塩化インジウム等を電解液中に添加し
て溶解,混合させる。これにより,一層アルミニウム電
極の耐腐食効果を向上させることができる。
とが好ましい。上記Inの含有に当たっては,例えば水
酸化インジウム,塩化インジウム等を電解液中に添加し
て溶解,混合させる。これにより,一層アルミニウム電
極の耐腐食効果を向上させることができる。
【0014】
【作用及び効果】本発明のアルミニウム−空気電池にお
いては,アルミニウム電極はAl−Ga−In合金によ
り構成され,上記合金中のInに対するGaの重量割合
は2〜4である。上記重量割合の範囲は,Ga−In系
における共晶点に近く,特に融点が低くなっている(図
2)。
いては,アルミニウム電極はAl−Ga−In合金によ
り構成され,上記合金中のInに対するGaの重量割合
は2〜4である。上記重量割合の範囲は,Ga−In系
における共晶点に近く,特に融点が低くなっている(図
2)。
【0015】このため,上記合金をアルミニウム電極と
して用い,電解液と接触させたとき,アルミニウム電極
の表面においてアマルガム皮膜が容易に形成される。上
記アマルガム皮膜は電解液によって腐食され難く,アル
ミニウム電極の本体を電解液の腐食より保護することが
できる。従って,上記合金によって構成されたアルミニ
ウム電極は電解液による腐食を高効率で防止することが
できる。そのため,長寿命である。
して用い,電解液と接触させたとき,アルミニウム電極
の表面においてアマルガム皮膜が容易に形成される。上
記アマルガム皮膜は電解液によって腐食され難く,アル
ミニウム電極の本体を電解液の腐食より保護することが
できる。従って,上記合金によって構成されたアルミニ
ウム電極は電解液による腐食を高効率で防止することが
できる。そのため,長寿命である。
【0016】また,上記合金は,従来腐食防止の目的か
ら添加が不可欠であった鉛を含有していない。このた
め,鉛毒公害を防止できる。また,鉛の添加等に伴うコ
ストを削減することができ,本発明は従来品よりも安価
である。勿論,電池の廃棄処理コストについても,本発
明は従来品に比べて安価となる。上記のごとく,本発明
によれば,アルミニウム電極の腐食を防止でき,鉛毒公
害がなく,長寿命で,安価なアルミニウム−空気電池を
提供することができる。
ら添加が不可欠であった鉛を含有していない。このた
め,鉛毒公害を防止できる。また,鉛の添加等に伴うコ
ストを削減することができ,本発明は従来品よりも安価
である。勿論,電池の廃棄処理コストについても,本発
明は従来品に比べて安価となる。上記のごとく,本発明
によれば,アルミニウム電極の腐食を防止でき,鉛毒公
害がなく,長寿命で,安価なアルミニウム−空気電池を
提供することができる。
【0017】
実施例1 本発明の実施例にかかるアルミニウム−空気電池につ
き,図1〜図2を用いて説明する。本例のアルミニウム
−空気電池は,アルミニウム電極と,空気電極と,両電
極の間に介設された電解液とを有する(図3参照)。そ
して,上記アルミニウム電極はAl−Ga−In合金に
より構成され,Inに対するGaの重量割合(Ga/I
n比)は3であり,かつ該合金は鉛を含有していない。
き,図1〜図2を用いて説明する。本例のアルミニウム
−空気電池は,アルミニウム電極と,空気電極と,両電
極の間に介設された電解液とを有する(図3参照)。そ
して,上記アルミニウム電極はAl−Ga−In合金に
より構成され,Inに対するGaの重量割合(Ga/I
n比)は3であり,かつ該合金は鉛を含有していない。
【0018】次に,上記合金の作成方法及び該合金によ
って構成されたアルミニウム電極の性能評価について説
明する。まず,上記合金の原料として使用するAlは純
度が99.99%であり,In及びGaは共に純度が9
9.999%である。そして,上記合金中における各成
分の重量比は,アルミニウムが99.6%,Gaが0.
3%,Inが0.1%である。
って構成されたアルミニウム電極の性能評価について説
明する。まず,上記合金の原料として使用するAlは純
度が99.99%であり,In及びGaは共に純度が9
9.999%である。そして,上記合金中における各成
分の重量比は,アルミニウムが99.6%,Gaが0.
3%,Inが0.1%である。
【0019】次に,上記原料を使用してAl−Ga−I
n合金を作成するに当たっては,まず1992gのAl
を黒鉛るつぼに投入し,温度750℃に加熱し,溶融さ
せる。上記Alが十分溶融したところで,6gのGaと
2gのInをそれぞれ添加混合する。添加後はこれらが
十分混合されるように攪拌する。攪拌終了後はこれを一
時間放置し,原料溶液を得る。
n合金を作成するに当たっては,まず1992gのAl
を黒鉛るつぼに投入し,温度750℃に加熱し,溶融さ
せる。上記Alが十分溶融したところで,6gのGaと
2gのInをそれぞれ添加混合する。添加後はこれらが
十分混合されるように攪拌する。攪拌終了後はこれを一
時間放置し,原料溶液を得る。
【0020】次に,上記原料溶液を再び攪拌する。そし
て,予め準備しておいた金型にこれを注入し,鋳造す
る。その後,金型より合金を取り出し,水冷する。水冷
後,所望の形状,大きさに切削し,アルミニウム電極を
得る。
て,予め準備しておいた金型にこれを注入し,鋳造す
る。その後,金型より合金を取り出し,水冷する。水冷
後,所望の形状,大きさに切削し,アルミニウム電極を
得る。
【0021】次に,上記合金によって構成されたアルミ
ニウム電極の性能評価について説明する。上記評価は,
Inに対するGaの重量割合(Ga/In比)を種々に
変化させたAl−Ga−In合金によってアルミニウム
電極を作製し,各アルミニウム電極よりなる各試料につ
いて腐食速度を測定することにより行う。
ニウム電極の性能評価について説明する。上記評価は,
Inに対するGaの重量割合(Ga/In比)を種々に
変化させたAl−Ga−In合金によってアルミニウム
電極を作製し,各アルミニウム電極よりなる各試料につ
いて腐食速度を測定することにより行う。
【0022】次に,測定条件について説明する。即ち,
アルミニウム電極としては,上述の製造方法による縦1
10mm,横110mm,厚さ15mmの大きさの合金
を切削し,縦30mm,横30mm,厚さ5mmの大き
さとした合金板を使用する。
アルミニウム電極としては,上述の製造方法による縦1
10mm,横110mm,厚さ15mmの大きさの合金
を切削し,縦30mm,横30mm,厚さ5mmの大き
さとした合金板を使用する。
【0023】そして,上記アルミニウム電極において電
気化学測定装置を用い,ターフェル法(即ち,試料の腐
食電位±250mVを,電気走引して得られる腐食電位
における電流値から,計算によって腐食速度を求める方
法)により腐食速度を測定する。
気化学測定装置を用い,ターフェル法(即ち,試料の腐
食電位±250mVを,電気走引して得られる腐食電位
における電流値から,計算によって腐食速度を求める方
法)により腐食速度を測定する。
【0024】ここで,アルミニウム電極の電解液との反
応面積は1cm2 とし,対極にPt電極,参照電極にH
g/HgO(1mol−KOH)電極,電解液には濃度
8mol/リットルの水酸化カリウム水溶液を使用す
る。また,電解液の温度は20℃とする。
応面積は1cm2 とし,対極にPt電極,参照電極にH
g/HgO(1mol−KOH)電極,電解液には濃度
8mol/リットルの水酸化カリウム水溶液を使用す
る。また,電解液の温度は20℃とする。
【0025】図1に上記測定結果を示す。同図は縦軸が
合金中におけるGa/In比を,横軸がアルミニウム電
極の腐食速度(mg/cm2 /min)を表している。
即ち,腐食速度は,アルミニウム電極が,その単位表面
積(cm2 )当たり,1分間に腐食された重量(mg)
を表わしている。なお,Ga/In比が無限大である合
金とは,Gaのみを添加した合金であり,Ga/In比
が0である合金はInのみを添加した合金であることを
表している。なお,同図には,その左方にアルミニウム
電極中のGa,Inの含有量も示した。
合金中におけるGa/In比を,横軸がアルミニウム電
極の腐食速度(mg/cm2 /min)を表している。
即ち,腐食速度は,アルミニウム電極が,その単位表面
積(cm2 )当たり,1分間に腐食された重量(mg)
を表わしている。なお,Ga/In比が無限大である合
金とは,Gaのみを添加した合金であり,Ga/In比
が0である合金はInのみを添加した合金であることを
表している。なお,同図には,その左方にアルミニウム
電極中のGa,Inの含有量も示した。
【0026】同図より知られるように,本発明にかかる
Ga/In比が2,3及び4のアルミニウム電極は,腐
食速度が,最も遅いことが判る。Ga/In比がこれよ
り大きくとも,小さくとも腐食速度が速くなってしま
う。更に,最も良好な結果を示したものはGa/In比
が3であるアルミニウム電極である。
Ga/In比が2,3及び4のアルミニウム電極は,腐
食速度が,最も遅いことが判る。Ga/In比がこれよ
り大きくとも,小さくとも腐食速度が速くなってしま
う。更に,最も良好な結果を示したものはGa/In比
が3であるアルミニウム電極である。
【0027】次に,本例における作用効果につき説明す
る。即ち,本例のアルミニウム−空気電池におけるアル
ミニウム電極は,前述した特定成分のAl−Ga−In
合金が使用されている。そして,上記Al−Ga−In
合金における,Inに対するGaの重量割合の範囲2〜
4は,図2に示すごとく,Ga−In系の共晶点の近傍
である。
る。即ち,本例のアルミニウム−空気電池におけるアル
ミニウム電極は,前述した特定成分のAl−Ga−In
合金が使用されている。そして,上記Al−Ga−In
合金における,Inに対するGaの重量割合の範囲2〜
4は,図2に示すごとく,Ga−In系の共晶点の近傍
である。
【0028】即ち,図2は,Ga−In系の状態図を示
している。同図において,符号aで示した範囲が本発明
における合金中のGa/In比である。そして符号bが
Ga−In系の共晶点を示している。なお,同図は,縦
軸がGa−In合金の融点,上横軸が重量%を示し,下
横軸は原子%を示している。
している。同図において,符号aで示した範囲が本発明
における合金中のGa/In比である。そして符号bが
Ga−In系の共晶点を示している。なお,同図は,縦
軸がGa−In合金の融点,上横軸が重量%を示し,下
横軸は原子%を示している。
【0029】そして,上記共晶点において,Ga−In
系の融点は最も低下する。このため,Ga/Inが2〜
4の範囲では,上記Al−Ga−In合金の表面は,G
a−Inによるアマルガム皮膜が容易に形成されやすく
なっている。上記アマルガム皮膜は,電解液によって腐
食され難く,従って,アルミニウム電極の本体を電解液
の腐食より保護する働きを有する。このため,上記合金
でアルミニウム電極を構成した場合には,電解液による
腐食を高効率で防止でき,長寿命のアルミニウム−空気
電池を得ることができる。
系の融点は最も低下する。このため,Ga/Inが2〜
4の範囲では,上記Al−Ga−In合金の表面は,G
a−Inによるアマルガム皮膜が容易に形成されやすく
なっている。上記アマルガム皮膜は,電解液によって腐
食され難く,従って,アルミニウム電極の本体を電解液
の腐食より保護する働きを有する。このため,上記合金
でアルミニウム電極を構成した場合には,電解液による
腐食を高効率で防止でき,長寿命のアルミニウム−空気
電池を得ることができる。
【0030】また,上記アルミニウム電極は,従来品に
必ず添加されていた鉛を含有していない。このため,人
体に対して安全である。また鉛の添加コストを削減でき
るため,従来品よりも安価である。電池の処理コスト
も,本例は安価である。上記のごとく,本発明によれ
ば,アルミニウム電極の腐食を防止でき,鉛毒公害がな
く,長寿命で,安価なアルミニウム−空気電池を提供す
ることができる。
必ず添加されていた鉛を含有していない。このため,人
体に対して安全である。また鉛の添加コストを削減でき
るため,従来品よりも安価である。電池の処理コスト
も,本例は安価である。上記のごとく,本発明によれ
ば,アルミニウム電極の腐食を防止でき,鉛毒公害がな
く,長寿命で,安価なアルミニウム−空気電池を提供す
ることができる。
【0031】実施例2 本例は,電解液中にInを添加した,アルミニウム−空
気電池を示すものである。また,電解液中へのInの添
加の有無による,アルミニウム電極の腐食速度につい
て,比較測定したものである。なお,上記測定について
は,実施例1と同様のアルミニウム−空気電池であっ
て,Al−Ga−In合金中のGa/In比が3となっ
ているものを使用する。
気電池を示すものである。また,電解液中へのInの添
加の有無による,アルミニウム電極の腐食速度につい
て,比較測定したものである。なお,上記測定について
は,実施例1と同様のアルミニウム−空気電池であっ
て,Al−Ga−In合金中のGa/In比が3となっ
ているものを使用する。
【0032】また,電解液へのInの添加は,水酸化イ
ンジウムを電解液中に濃度が0.1mol/リットルに
なるように添加し,溶解,混合するという方法によって
行う。また,腐食速度の測定は,実施例1と同様の方法
によって行う。
ンジウムを電解液中に濃度が0.1mol/リットルに
なるように添加し,溶解,混合するという方法によって
行う。また,腐食速度の測定は,実施例1と同様の方法
によって行う。
【0033】上記測定結果を表1に示す。同表におい
て,試料11は電解液がInを含有していない場合,試
料12は電解液が1リットルあたり0.1molのIn
を含有している場合である。表1に示されるごとく,I
nを含有させることによって,アルミニウム電極の腐食
が一層防止できることが判る。
て,試料11は電解液がInを含有していない場合,試
料12は電解液が1リットルあたり0.1molのIn
を含有している場合である。表1に示されるごとく,I
nを含有させることによって,アルミニウム電極の腐食
が一層防止できることが判る。
【0034】
【表1】
【図1】実施例1におけるアルミニウム−空気電池の,
アルミニウム電極用Al−Ga−In合金の腐食速度を
表す説明図。
アルミニウム電極用Al−Ga−In合金の腐食速度を
表す説明図。
【図2】Ga−In系の状態図。
【図3】従来例におけるアルミニウム−空気電池の説明
図。
図。
1...アルミニウム−空気電池, 11...アルミニウム電極, 12...空気電極, 13...電解液,
Claims (5)
- 【請求項1】 アルミニウム電極と,空気電極と,両電
極の間に介設された電解液とを有するアルミニウム−空
気電池において,上記アルミニウム電極はAl−Ga−
In合金により構成され,Inに対するGaの重量割合
は2〜4であることを特徴とするアルミニウム−空気電
池。 - 【請求項2】 請求項1において,Inに対するGaの
重量割合は2.5〜3.5であることを特徴とするアル
ミニウム−空気電池。 - 【請求項3】 請求項1又は2において,上記Al−G
a−In合金中におけるGaとInとの合計量は,0.
2〜0.8%(重量%,以下同じ)であることを特徴と
するアルミニウム−空気電池。 - 【請求項4】 請求項1,2又は3において,上記Al
−Ga−In合金に用いるAlは純度が99.9%以
上,Gaは純度99.99%以上,Inは純度99.9
9%以上であることを特徴とするアルミニウム−空気電
池。 - 【請求項5】 請求項1〜3又は4において,上記電解
液はInを含有していることを特徴とするアルミニウム
−空気電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9936294A JPH07282859A (ja) | 1994-04-12 | 1994-04-12 | アルミニウム−空気電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9936294A JPH07282859A (ja) | 1994-04-12 | 1994-04-12 | アルミニウム−空気電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07282859A true JPH07282859A (ja) | 1995-10-27 |
Family
ID=14245467
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9936294A Pending JPH07282859A (ja) | 1994-04-12 | 1994-04-12 | アルミニウム−空気電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07282859A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006093022A (ja) * | 2004-09-27 | 2006-04-06 | Kobe Steel Ltd | 空気二次電池 |
JP2007508672A (ja) * | 2003-10-15 | 2007-04-05 | コミサリア、ア、レネルジ、アトミク | アノードがアルミニウムおよび亜鉛を含んでなるアルカリ燃料電池ならびにこのようなアノードの製造方法 |
-
1994
- 1994-04-12 JP JP9936294A patent/JPH07282859A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007508672A (ja) * | 2003-10-15 | 2007-04-05 | コミサリア、ア、レネルジ、アトミク | アノードがアルミニウムおよび亜鉛を含んでなるアルカリ燃料電池ならびにこのようなアノードの製造方法 |
JP4855263B2 (ja) * | 2003-10-15 | 2012-01-18 | コミサリア ア レネルジー アトミック エ オ ゼネルジー アルテルナティブ | アノードがアルミニウムおよび亜鉛を含んでなるアルカリ燃料電池ならびにこのようなアノードの製造方法 |
JP2006093022A (ja) * | 2004-09-27 | 2006-04-06 | Kobe Steel Ltd | 空気二次電池 |
JP4485891B2 (ja) * | 2004-09-27 | 2010-06-23 | 株式会社神戸製鋼所 | 空気二次電池 |
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